JPH10257727A - 粉体塗装方法、および電機子コアの製造方法 - Google Patents

粉体塗装方法、および電機子コアの製造方法

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JPH10257727A
JPH10257727A JP9058837A JP5883797A JPH10257727A JP H10257727 A JPH10257727 A JP H10257727A JP 9058837 A JP9058837 A JP 9058837A JP 5883797 A JP5883797 A JP 5883797A JP H10257727 A JPH10257727 A JP H10257727A
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powder coating
armature core
powder
work
coating
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JP9058837A
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English (en)
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Riyuusuke Azuma
隆祐 東
Yoshitaka Murayama
佳孝 村山
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Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平板状の電機子コアなどのワークに対して薄
い塗膜を安定して形成することのできる粉体塗装方法、
およびそれを用いた電機子コアの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 粉体塗装装置10では、電機子コア1
(ワークW)に対して帯電した粉体塗料Rを上方位置か
ら吹き下ろす。このため、粉体塗料Rは電機子コア1の
周辺で漂うことなく、常に下方に向けて流れている。下
方に向けて吹きつけられた余分な粉体塗料Rは、ダクト
26で吸引され、常に下方に向けて流れている。従っ
て、電機子コア1の周辺で気流の乱れがないので、電機
子コア1周辺での粉体塗料Rの密度は安定している。ま
た、電機子コア1は水平軸線周りに回転している。それ
故、粉体塗料Rは、電機子コア1に対して表裏関係なく
均一に付着し、薄い塗膜を安定して形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを樹脂で被
覆するための粉体塗装方法、およびこの方法を用いて両
面および側端面に塗装が施された平板状の電機子コアを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータのステータコアあるいはロータコ
アといった電機子コアを製造する際には、鉄板などをプ
レスで打ち抜いて複数の突極を放射状に有するコア板を
形成し、このコア板を複数枚一体に積層したものに対し
てコイルが巻かれる。ここで、コイルと電機子コアとの
絶縁を確保するためには、コイルを巻く前に電機子コア
に粉体塗装などの方法で絶縁性の塗膜を形成しておく。
【0003】このような絶縁性の塗膜を粉体塗装で形成
するにあたっては、従来、図6に示す粉体塗装装置10
0が用いられている。この図に示す粉体塗装装置100
は、いわゆる静電流動浸漬タイプの粉体塗装装置であ
り、流動槽101のポーラスプレート102上には平均
粒径が80〜150μmの粉体塗料103が貯留されて
おり、ポーラスプレート102上の粉体塗料103に対
して乾燥空気104を送ることによって粉体塗料104
を噴き上げるようになっている。また、流動槽101の
上方位置にはダクト105が配置され、舞い上がった余
分な粉体塗料103をダクト105で吸引して回収する
ようになっている。ここで、乾燥空気104は静電気発
生装置(図示せず。)を通過してから流動槽101に送
られるので、舞い上がった余分な粉体塗料103は帯電
しているのに対して、電機子コア1(ワーク)はグラン
ド電位とされている。また、電機子コア1は立った状態
で水平軸線周りに回転している。従って、霧状に噴き上
げられた粉体塗料103は電機子コア1の両面および側
端面に付着し、その後の加熱および冷却により溶融、硬
化するので、電機子コア1の両面および側端面を絶縁性
の樹脂で覆うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】モータを小型化・高性
能化するためには、所定の絶縁性能を得ながらコイル巻
き数をできるだけ多く取らなければならないため、電機
子コア1を絶縁被覆する樹脂層を薄く形成する必要があ
る。しかし、従来の粉体塗装方法では、このような要求
に応えることができるほど安定に塗装を行えないという
問題点がある。すなわち、従来の粉体塗装方法では、電
機子コア1に向けて粉体塗料103を霧状にして噴き上
げるので、噴き上がった粉体塗料103は、ダクトで吸
引されているものの、電機子コア1の周囲で一部が漂う
ことになるので、わずかな気流の乱れがあってもその影
響を受け、電機子コア1周辺で粉体塗料103の密度が
変動しやすい。その結果、電機子コア1の表面と裏面と
の間では膜厚がばらつくので、耐電圧や絶縁性を確保す
るには理論的に20μmで十分であるものを、実際には
膜厚を200±50μmと必要以上に厚めに設定しなけ
ればならない。
【0005】また、電機子コア1がダクト1の吸引中心
位置からわずかでもずれると、そのずれはそのまま電機
子コア1の表面と裏面との間での膜厚のばらつきとなる
ため、この点からいっても膜厚を必要以上に厚めに設定
しなければならない。しかも、厚めの塗装に合うよう
に、従来は、平均粒径が80〜150μmで最大粒径が
300μmと大きめの粉体塗料103を用いているが、
このような粒径が大きな粉体塗料103を用いると、薄
い塗膜を安定して形成しにくいという問題点もある。
【0006】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
平板状の電機子コアなどのワークに対して薄い塗膜を安
定して形成することのできる粉体塗装方法、およびそれ
を用いた電機子コアの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、平板状の電機子コアなどのワークに対
して塗膜を以下のようにして形成する。すなわち、本発
明に係る粉体塗装方法では、水平軸線周りに回転してい
るワークに向けてその上方位置から下方に向けて帯電し
た粉体塗料を吹きつけることによりワークに粉体塗料を
付着させた後、ワークに付着した粉体塗料を溶融させ、
しかる後に、溶融した塗料を硬化させることを特徴とす
る。
【0008】本発明では、ワークに対して粉体塗料を噴
き上げるのではなく、上方位置からワークに向けて、帯
電した粉体塗料を吹き下ろすので、粉体塗料はワークの
周辺で漂うことなく、常に下方に向けて流れている。従
って、ワークの周辺で気流の乱れがないので、ワーク周
辺での粉体塗料の密度は安定している。また、ワークは
水平軸線周りに回転している。それ故、粉体塗料は、ワ
ークに対して表裏関係なく均一に付着するので、膜厚を
必要以上に厚めに設定する必要がない。よって、ワーク
には薄い塗膜であっても均一に形成できる。
【0009】本発明では、下方に向けて吹きつけられた
粉体塗料をワークの下方位置で吸引し、回収することが
好ましい。このように構成すると、粉体塗料は下方に強
制的に吸引されて流れることになるので、ワーク周辺で
の粉体塗料の密度がより安定する。
【0010】このような粉体塗装方法は、両面および側
端面に塗装が施された平板状の電機子コアを製造するの
に適している。すなわち、塗装前の電機子コアを両面側
からその中央部分を挟むようにして保持することによっ
て該電機子コアを立たせた姿勢のまま水平軸線周りに回
転させ、この姿勢で回転しているワークに向けてその上
方位置から帯電した粉体塗料を吹き付ける。
【0011】本発明では、前記粉体塗料として、平均粒
径が25〜45μmで最大粒径が150μm以下の熱硬
化性エポキシ樹脂を用いることが好ましい。すなわち、
本発明では、ワークには薄い塗膜であっても均一に形成
できるので、膜厚が薄くてよい分、粒径が小さい粉体塗
料を使用できる。従って、塗装条件を制御しやすいの
で、この点からも、ワークに薄い塗膜を均一に形成でき
る。
【0012】本発明では、前記粉体塗料として、50〜
100μmの塗膜を形成したときに電機子コアの端面に
おける膜厚に対するエッジ部分の膜厚の比が33%以上
となるように高温での流動性が小さな樹脂を用いること
が好ましい。たとえば、140℃における溶融水平流れ
率が7.0%以下で、かつ、200℃における溶融水平
流れ率が9.5%以下の樹脂からなる粉体塗料を用い
る。すなわち、電機子コアに形成した塗膜は、そのエッ
ジ部分が薄い傾向にあるため、この部分での膜厚が膜厚
の設定値(ねらい値)を規定することになる。ここで、
本願発明者が繰り返し行った実験によれば、電機子コア
の端面における膜厚に対するエッジ部分の膜厚の比が3
3%以上になるような塗装条件を設定すれば、電機子コ
アを塗膜で被覆するときの膜厚の設定値を十分薄くで
き、しかもそれを実現するには、粉体塗料として高温で
の流動性が小さな樹脂を用いればよいのである。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明に実施の
形態を説明する。
【0014】図1は本発明の粉体塗装装置の全体構成図
である。
【0015】図1において、本形態の粉体塗装装置10
は、ワーク投入部11からワーク取出部12に向かっ
て、塗装部20、成形部30、硬化部40、冷却部50
がこの順に構成されている。ワーク投入部11からワー
ク取出部12までは、スクリューコンベア装置の2本の
搬送用スクリュー13が通っている。
【0016】塗装部20は、そこを通過するワークWに
粉体塗料Rを付着させるためのものであり、ハウジング
(図示せず。)で囲まれた塗装室22になっている。粉
体塗料Rとしては、エポキシ系、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂等が使用可能である。
【0017】本形態において、塗装部20には、搬送用
スクリュー13で搬送されていくワークWに向けてその
上方位置から、帯電した粉体塗料Rを霧状に吹き下ろす
塗料吹き出し装置60が配置されている。この塗料吹き
出し装置60に対しては粉体定量供給装置70から粉体
供給経路71を介して粉体塗料Rが定量的に供給される
ようになっている。ここで、ワークWはグランド電位と
されているため、帯電した霧状の粉体塗料Rは、ワーク
Wに付着することになる。
【0018】成形部30は、塗装部20を通過してきた
ワークWに付着している余分な粉体塗料Rを除去して成
形するためのエリアであり、そこには余分な粉体塗料R
を払い落とすためのブラシ(図示せず。)などが配置さ
れている。
【0019】硬化部40は、成形部30で余分な粉体塗
料Rを払い落とされた後のワークWを粉体塗料Rのゲル
化温度以上にまで加熱し、それを溶融させるためのエリ
アであり、そこには高周波加熱装置41が構成されてい
る。加熱装置としては、熱風や赤外線などを利用したも
のであってもよい。
【0020】冷却部50は、硬化部40で溶融した樹脂
を冷却して硬化させるためのエリアであり、冷却ファン
51が構成されている。
【0021】また、本形態の粉体塗装装置10では、塗
装部20および成形部30から粉体塗料Rを回収してそ
の一部を再利用するための粉体回収部80が構成されて
いる。これに対して、硬化部40および冷却部50で回
収される粉体は、それまでに加熱され硬化した廃棄粉Q
であるため、再利用せずに廃棄するようになっている。
【0022】粉体回収部80には、塗装部20に配置さ
れているダクト26を介して塗装部20から余分な粉体
塗料Rを回収するための回収経路81と、成形部30に
配置されているダクト36を介して成形部30から余分
な粉体塗料Rを回収するための回収経路82と、これら
の経路を経て回収されてきた粉体塗料Rを回収機83に
送るための共通経路84とが構成されている。回収機8
3は吸引装置87を内蔵しており、この吸引装置87
は、ダクト26、36、回収経路81、82、および共
通経路84を介して空気とともに、粉体塗料Rを回収機
83内に吸引する。そこに吸引された粉体塗料Rと空気
や異物は、回収機83内で比重によって分離され、粉体
塗料Rの方は回収機83から落下して回収容器88に回
収粉として回収される。一方、粉体塗料Rと分離された
空気および異物のうち、フィルタ86を通過したものは
ダクト85から排出される。
【0023】このようにして粉体塗料Rを回収するにあ
たって、成形部30ではワークWから払い落とされた粉
体塗料RをワークWの搬送経路の下方位置(搬送用スク
リュー13の下方位置)でダクト36によって吸引する
点は、従来からあるものと同一である。
【0024】これに対して、塗装部20では、塗料吹き
出し装置60が搬送用スクリュー13で搬送されていく
ワークWに向けてその上方位置から粉体塗料Rを吹き付
けるので、塗装部20に配置されているダクト81も、
ワークWの搬送経路の下方位置(搬送用スクリュー13
の下方位置)で塗料吹き出し装置60の塗料吹き出し口
61に対峙するように配置されている。
【0025】[電機子コアの製造方法]図1に示すよう
に構成した粉体塗装装置10を用いてワークWに塗装を
施す場合の一例として、両面および側端面に塗装が施さ
れた平板状の電機子コアの製造方法を、図2および図3
を参照して説明する。
【0026】図2はモータのステータコアとして使用さ
れる電機子コアの斜視図、図3は、図1に示す粉体塗装
装置内で電機子コアを搬送用スクリューによって流すた
めに電機子コアをコアチャックで保持した状態を示す正
面図である。
【0027】図2に示すように、電機子コア1は、鉄板
などをプレスで打ち抜いて複数の突極3を放射状に有す
るコア板2を形成し、このコア板2を複数枚一体に積層
したもの(コア積層体)から構成され、各突極3にコイ
ル(図示せず。)が巻かれる。コイルと電機子コア1と
の絶縁を確保するためには、コイルを巻く前に電機子コ
ア1の両面(表面101、裏面102)、および側端面
103に絶縁性の塗膜4を形成しておく。なお、コイル
が巻かれるのは突極3の部分であるため、電機子コア1
の中央穴104の内周面や内周縁105などは塗膜4で
覆う必要がなく、その内側に軸受を配置することからす
れば、中央穴104の内周面や内周縁105などには塗
膜4が付着することを避ける必要がある。
【0028】なお、電機子コア1に塗装を施す前には、
湿式バレル、乾式バレル、ショットブラスト等により表
面処理を行い、コア積層体の表面を適度の粗さに粗して
おくことがある。この表面処理は、研磨材を使用して行
うこともある。例えば、合成樹脂マトリックス中に研磨
材を分散させた研磨メディアを用い、乾式バレルで表面
処理を行う。研磨材としては、ケイ石、金剛砂、剛球、
酸化クロム粉末等の研磨材、あるいは、砂やガラス等の
ブラスト粒子を用いることができる。この表面処理は、
プレスで打ち抜いてコア板2を形成するのに用いた鉄板
に対して予め行っておくこともある。このようにして電
機子コア1の表面に凹凸を形成したら、電機子コア1を
洗浄し、プレス時に塗布された防錆油を洗い落とし、塗
膜5の密着性を損なわないようにする。
【0029】このような構造の電機子コア1の表面10
1、裏面102、および側端面103に対して、図1に
示した粉体塗装装置10で塗装を施すにあたって、本形
態では、図3に示す2本で一対のコアチャック9A、9
Bを用いる。
【0030】これらのコアチャック9A、9Bは、基本
的には同一構造であり、先端側で電機子コア1の両面中
央部にそれぞれ突き当たるチャッキング部91A、91
Bと、そこから直線的に延びる大径部92A、92B
と、そこから直線的に延びる小径部93A、93Bと、
小径部93A、93Bの端部において傘状に形成された
抜け止め部94A、94Bとから構成されている。従っ
て、2本のコアチャック9A、9Bをそれぞれ、チャッ
キング部91A、91Bの方から塗装前の電機子コア1
の両面中央部に突き当てた状態でコアチャック9A、9
Bの先端部同士を連結すると、コアチャック9A、9B
は電機子コア1の中央部分を挟むようにして保持するこ
とになる。ここで、コアチャック9A、9Bの先端部同
士を連結する際には、ねじ機構や磁石などを利用しそこ
での着脱を可能とする。なお、電機子コア1を保持する
治具としては、このコアチャック9A、9Bに限定され
ることはないが、このコアチャック9A、9Bを用いれ
ば、電機子コア1の中央部分へのマスキングを兼ねるこ
とができる。
【0031】一方、粉体塗装装置10の側には、搬送用
スクリュー13が2本で一対、平行に配置されている。
従って、2本の搬送用スクリュー13のねじ溝内にコア
チャック9A、9Bの小径部93A、93Bが嵌まるよ
うに、搬送用スクリュー13上に電機子コア1を挟んだ
コアチャック9A、9Bを乗せるだけで、搬送用スクリ
ュー13の回転によって、電機子コア1は、図1に示す
ように、立ち姿勢のまま、コアチャック9A、9Bとと
もに矢印Sで示すようにその軸線周り(水平軸線周り)
に回転しながら矢印Tで示すように搬送されていくこと
になる。
【0032】ここで、塗装部20には、立ち姿勢のまま
回転しながら搬送用スクリュー13で搬送されていく電
機子コア1に向けて、その上方位置から、帯電した粉体
塗料Rを霧状に吹きつける塗料吹き出し装置60が配置
されている。塗料吹き出し装置60として、複数のノズ
ルを有する摩擦帯電式ガンを使用した場合には、複数の
ノズルのそれぞれから、図4(A)に示す楕円領域60
Aに粉体塗料Rが吹きつけられ、コロナ帯電式ガンを使
用した場合には、図4(B)に示す円領域60Bに粉体
塗料Rが吹きつけられる。従って、これらの領域60
A、60Bを、電機子コア1が立った姿勢で回転しなが
ら通過するうちに、その表面101、裏面102、およ
び側端面103に粉体塗料Rが付着する。このとき、余
分な粉体塗料Rは、下方位置のあるダクト26に吸引さ
れて、回収される。なお、図4(A)に示すように、摩
擦帯電式ガンを使用した場合には、粉体塗料Rが吹きつ
けられる領域が楕円であり、かつ、斜めに傾いているの
で、電機子コア1が一方の搬送用スクリュー13の方
(幅方向)にずれたとしても、電機子コア1に吹き付け
られる粉体塗料Rの量が変動しない。それ故、摩擦帯電
式ガンを使用した方が電機子コア1の両面で粉体塗料R
の付着量が安定する傾向にある。
【0033】本形態では、後述する理由から、粉体塗料
Rとして、平均粒径が25〜45μmで最大粒径が15
0μm以下の熱硬化性エポキシ樹脂(ビスフェノールA
型)で、しかも、薄い塗膜4で電機子コア1のエッジ部
分も確実に被覆できるように高温での流動性が比較的小
さい樹脂を用いている。
【0034】このようにして粉体塗料Rが付着した電機
子コア1は、図1からわかるように、塗装室20から成
形室30に搬送され、この成形室30では、電機子コア
1に付着している余分な粉体塗料Rが除去される。具体
的には、ブラシなどによって突極3の外周面に過剰に付
着している粉体塗料Rなどが払い落とされ、払い落とさ
れた粉体塗料Rはダクト36に吸引されて、回収され
る。
【0035】余分な粉体塗料Rが払い落とされた電機子
コア1は、次に、搬送用スクリュー13によって硬化部
40へ搬送される。この硬化部40では、高周波加熱装
置41によって、粉体塗料Rはゲル化温度以上まで加熱
されて溶融する。
【0036】硬化部40で加熱された電機子コア1は、
次に、搬送用スクリュー13によって冷却部50へ搬送
され、そこでの冷却によって溶融した樹脂が硬化する。
【0037】その結果、電機子コア1は、表面101、
裏面102および側端面103(図2参照。)に粉体塗
装が施され、塗膜4で覆われる。しかる後に、電機子コ
ア1は取り出し部12から自動的に排出される。
【0038】このように、本形態の粉体塗装装置10で
は、電機子コア1(ワークW)に対して粉体塗料Rを噴
き上げるのではなく、上方位置から粉体塗料Rを吹き下
ろす。このため、粉体塗料Rは電機子コア1の周辺で漂
うことなく、常に下方に向けて流れている。しかも、下
方に向けて吹きつけられた粉体塗料Rは、ダクト26で
吸引され、常に下方に向けて流れている。従って、電機
子コア1の周辺で気流の乱れがないので、電機子コア1
周辺での粉体塗料Rの密度は安定している。また、電機
子コア1は水平軸線周りに回転している。それ故、粉体
塗料Rは、電機子コア1に対して表裏関係なく均一に付
着するので、膜厚を必要以上に厚めに設定する必要がな
い。よって、電機子コア1には30〜80μmと薄い塗
膜4を均一に形成できる。
【0039】[使用する粉体塗料Rについて]また、本
形態の粉体塗装方法を用いれば、電機子コア1に薄い塗
膜4であっても均一に形成できるので、膜厚を薄く設定
できる分、平均粒径が25〜45μmで最大粒径が15
0μm以下の粒径の小さな熱硬化性エポキシ樹脂系の粉
体塗料Rを用いることができる。従って、粉体塗料Rが
細かい分、塗装条件を制御しやすいので、この点から
も、電機子コア1に30〜80μmと薄い塗膜4を均一
に形成できるといえる。
【0040】さらに、本形態では、粉体塗料Rとして、
50〜100μmの塗膜を形成したときに、電機子コア
1の端面における膜厚t1に対するエッジ部分の膜厚t
2の比(以下、エッジカバー率という。)が33%以上
となるように高温での流動性が小さな樹脂を用いてい
る。すなわち、図5(A)に示すように、電機子コア1
の粉体塗料Rを付着させた後、溶融させ、しかる後に硬
化させるときには、樹脂の収縮が起こり、電機子コア1
のエッジ部分の樹脂は、矢印A、Bで示すように、電機
子コア1の端面の側に引かれて、薄くなる傾向にある。
それが著しい場合には、エッジ部分の膜厚t2を確保す
るため、膜厚の設定値(ねらい値)を厚めに設定せざる
を得ない。また、電機子コア1のエッジ部分の樹脂が、
矢印A、Bで示すように引かれると、図5(B)に示す
ように、電機子コア1にメニスカスMが形成され、電機
子コア1としての厚さ寸法が大きく狂うことがある。し
かるに、本形態では、繰り返し行った実験結果に基づい
て、電機子コア1の端面における膜厚t1に対してエッ
ジ部分の膜厚t2が33%以上であれば、膜厚の設定値
(ねらい値)を厚めに設定する必要がないこと、および
このような条件で塗装するには粉体塗料Rとして高温で
の流動性が小さな樹脂を用いばよいという新たな知見を
得たので、本形態では、溶融水平流れ率(レオメータな
どで計測した流動性の指標)が140℃で7.0%以
下、200℃で9.5%以下と高温での流動性が小さな
樹脂を用いている。それ故、膜厚の設定値(ねらい値)
を厚めに設定する必要がなく、併せて、メニスカスMの
発生も抑えることができる。
【0041】すなわち、表1に示すように、140℃で
の溶融水平流れ率がそれぞれ17.6%、19.2%、
7.0%、3.6%の粉体塗料RA、B、C、Dを用い
て電機子コア1に塗膜4を形成したときのエッジカバー
率を検討したところ、電機子コア1に30〜80μmの
塗膜を形成する際に、前記のエッジカバー率を33%以
上とするには、上記4種類の樹脂のうち、樹脂C、Dを
使用するのが適切であることが判明し、この結果からす
れば、溶融水平流れ率が140℃で7.0%以下、20
0℃で9.5%以下の粉体塗料Rを用いればよいといえ
る。
【0042】
【表1】
【0043】[その他の実施の形態]なお、図2に示す
電機子コア1は、この外周側でロータが回転するアウタ
ロータ型モータのステータコアであるが、発電機の電機
子コアなどにも本発明を適用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る粉体
塗装方法では、ワークに対して粉体塗料を噴き上げるの
ではなく、上方位置からワークに向けて、帯電した粉体
塗料を吹き下ろすので、粉体塗料はワークの周辺で漂う
ことなく、常に下方に向けて流れている。従って、ワー
クの周辺で気流の乱れがないので、電機子コア周辺での
粉体塗料の密度は安定している。また、ワークは水平軸
線周りに回転している。それ故、本発明によれば、粉体
塗料は、ワークに対して表裏関係なく均一に付着するの
で、膜厚を必要以上に厚めに設定する必要がない。よっ
て、ワークには薄い塗膜を均一に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した粉体塗装装置の全体構成図で
ある。
【図2】モータのステータコアとして使用される電機子
コアの斜視図である。
【図3】図1に示す粉体塗装装置で電機子コアを搬送用
スクリューによって流すために電機子コアをコアチャッ
クで保持した状態を示す正面図である。
【図4】(A)は、図1に示す粉体塗装装置において、
電機子コアに向けて摩擦帯電式ガンで粉体塗料を吹き付
けた状態を示す平面図、(B)は、コロナ帯電式ガンで
粉体塗料を吹き付けた状態を示す平面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、電機子コアに形成
した塗膜に対する樹脂の流動性が及ぼす影響を示す説明
図である。
【図6】従来の粉体塗装装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 電機子コア 2 コア板 3 突極 4 塗膜 9A、9B コアチャック 10 粉体塗装装置 11 ワーク投入部 12 ワーク取出部 13 搬送用スクリュー 20 塗装部 26 塗装部のダクト 30 成形部 40 硬化部 50 冷却部 60 塗料吹き出し装置 70 粉体定量供給装置 80 粉体回収部 83 回収機 87 吸引装置 91A、91B チャッキング部 92A、92B 大径部 93A、93B 小径部 94A、94B 抜け止め部 R 粉体塗料 W ワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平軸線周りに回転しているワークに向
    けてその上方位置から下方に向けて帯電した粉体塗料を
    吹きつけることによりワークに粉体塗料を付着させた
    後、ワークに付着した粉体塗料を溶融させ、しかる後
    に、溶融した塗料を硬化させることを特徴とする粉体塗
    装方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、下方に向けて吹きつ
    けられた粉体塗料をワークの下方位置で吸引し、回収す
    ることを特徴とする粉体塗装方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に規定する粉体塗装方
    法を用いて両面および側端面に塗装が施された平板状の
    電機子コアを製造する方法であって、 塗装前の電機子コアを両面側からその中央部分を挟むよ
    うにして保持することによって該電機子コアを立たせた
    姿勢のまま水平軸線周りに回転させ、この姿勢で回転し
    ているワークに向けてその上方位置から帯電した粉体塗
    料を吹き付けることを特徴とする電機子コアの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記粉体塗料とし
    て、平均粒径が25〜45μmで最大粒径が150μm
    以下の熱硬化性エポキシ樹脂を用いることを特徴とする
    電機子コアの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記粉体塗料とし
    て、50〜100μmの塗膜を形成したときに、電機子
    コアの端面における膜厚に対するエッジ部分の膜厚の比
    が33%以上となるように高温での流動性が小さい樹脂
    を用いることを特徴とする粉体塗装装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記粉体塗料とし
    て、140℃における溶融水平流れ率が7.0%以下
    で、かつ、200℃における溶融水平流れ率が9.5%
    以下の樹脂を用いることを特徴とする粉体塗装装置。
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