JPH10256068A - マグネットローラの製造方法 - Google Patents

マグネットローラの製造方法

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JPH10256068A
JPH10256068A JP6904797A JP6904797A JPH10256068A JP H10256068 A JPH10256068 A JP H10256068A JP 6904797 A JP6904797 A JP 6904797A JP 6904797 A JP6904797 A JP 6904797A JP H10256068 A JPH10256068 A JP H10256068A
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magnet
cavity
resin
roller
injection
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Hajime Tamura
一 田村
Yasuaki Shiomura
恭朗 塩村
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラの軸方向に沿った表面磁力の均一性が
高く、軸方向に沿った表面磁力の最大値と最小値との差
が60G以下であるマグネットローラを製造する。 【解決手段】 金型の注入ゲート5からボンド磁石組成
物を射出注入してキャビティー1内にボンド磁石組成物
を充填すると共に、該キャビティー1の他端部に到達し
たボンド磁石組成物の一部を排出ゲート6を通してキャ
ビティー1外へと排出しながら成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真プロセスで、感光ドラム
等の潜像保持体に現像剤を供給して該潜像保持体上の静
電潜像を現像する現像機構部に好適に使用されるマグネ
ットローラの製造方法に関し、更に詳述すると、ローラ
の軸方向に沿った表面磁力の均一性が高いマグネットロ
ーラを得ることができるマグネットローラの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンタ等の電子写
真装置や静電記録装置などにおいて、感光ドラム等の潜
像保持体上の静電潜像を可視化する現像ローラとして、
回転するスリーブ内にボンド磁石により成形されたマグ
ネットローラを配設し、スリーブ表面に担持した磁性現
像剤(トナー)を該マグネットローラの磁力特性により
潜像保持体上に飛翔させる所謂ジャンピング現象によっ
て、潜像保持体表面にトナーを供給し、静電潜像を可視
化する現像方法が知られている。
【0003】従来、上記マグネットローラの製造方法と
しては、主にナイロンやポリプロピレン等の熱可塑性樹
脂のバインダーにフェライト等の磁性粉体を混合したペ
レット形状のボンド磁石組成物を、周囲に磁場を形成し
た金型を用いて射出成形することによって、ローラ状に
成形すると共に、所望の磁力特性に着磁させる方法が知
られている。
【0004】また、最近の電子写真装置等の進歩に伴
い、マグネットローラに対してもより複雑な磁力パター
ンが要求される傾向にあり、このような要求に応えるた
め、目的とする磁力パターンに応じた磁極を着磁させた
複数のマグネット片を上記ボンド磁石で成形し、これら
をシャフトの周囲に貼り合わせることにより、マグネッ
トローラの磁力パターンの自由度を高め、所望の磁力パ
ターンを有するローラを構成することも行われている。
【0005】この場合、これら従来の製造方法におい
て、ローラの樹脂マグネット層又は樹脂マグネット層を
構成する上記マグネット片は、ローラ状又は目的とする
マグネット片に応じた断面形状を有する略棒状のキャビ
ティーが形成された金型を用いて射出成形法により成形
することが一般的であり、通常は、金型の前記キャビテ
ィーの一端面に設けられたゲートを通して該キャビティ
ー内に上記ボンド磁石組成物を溶融状態で射出注入し、
キャビティー内に該ボンド磁石組成物を充填してこれを
固化させることにより成形される。またこのとき、キャ
ビティーの周囲に磁場を形成し、成形と同時に所望の磁
力パターンに樹脂マグネット成形物(ローラ又はマグネ
ット片)を着磁することも行われ、更に場合によって
は、成形後一旦脱磁して再び所望の磁力パターンに着磁
することが行われることもあり、この場合の成形時の着
磁はボンド磁石組成物中に分散した磁性粉の配向を調整
する目的で行われる。更にまた、周囲に磁場を形成して
いない金型でローラ又はマグネット片を成形し、ローラ
を構成した後に所望の磁力パターンに着磁する方法もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法により射出成形した樹脂マグネット成形物は、
軸方向(長さ方向)に沿った表面磁力の均一性が必ずし
も十分ではなく、具体的には、成形時にボンド磁石組成
物をキャビティー内に注入したゲート側の端部の磁力が
低く、それに比べて反ゲート側の端部の磁力が高くな
り、その差は80〜100G以上になる場合もある。
【0007】従って、このような樹脂マグネット成形物
で樹脂マグネット層を形成した従来のマグネットローラ
は、スラスト方向(軸方向)の磁力が不均一となり、最
大磁力と最小磁力との差が60Gを超えるほど大きい場
合には、これが現像性能等を低下させる原因となる場合
も少なくない。また、このスラスト方向の磁力の不均一
は、ローラ状に成形した後、又は樹脂マグネット成形物
からなるマグネット片をシャフトの外周に配置固定して
ローラを構成した後に着磁を行った場合にも発生し、同
様の問題を生じることとなる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ローラの軸方向に沿った表面磁力の均一性が高く、
軸方向に沿った表面磁力の最大値と最小値との差が60
G以下であるマグネットローラを得ることができるマグ
ネットローラの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、断面ローラ状又は目的とするマグネット片の形状に
応じた断面形状を有する略棒状キャビティーが形成され
た金型を用い、該キャビティーの一端面に形成された注
入ゲートから該キャビティー内にボンド磁石組成物を射
出注入して成形することにより、樹脂マグネット成形物
を得、該樹脂マグネット成形物により樹脂マグネット層
を形成して、マグネットローラを得る場合に、上記金型
のキャビティーの他端面、即ち上記注入ゲートが形成さ
れた一端面とは反対側の端面に排出ゲートを設けて、キ
ャビティー内に射出注入されたボンド磁石組成物の一部
を該キャビティーから排出しながら射出成形を行うこと
により、得られる樹脂マグネット成形物の長さ方向に沿
った表面磁力の均一性を向上させて、軸方向(長さ方
向)一端部と他端部との磁力の差を60G以下とするこ
とができ、この樹脂マグネット成形物によりマグネット
ローラを構成することにより、スラスト方向(軸方向)
の磁力の均一性が高く、高精度の現像を確実に行うこと
ができるマグネットローラが得られることを見い出し、
本発明を完成したものである。
【0010】従って、本発明は、略棒状のキャビティー
を有する金型の前記キャビティー内に、該キャビティー
の一端面に形成された注入ゲートから熱可塑性樹脂から
なるバインダーに磁性粉を分散してなるボンド磁石組成
物を射出注入して成形することにより、樹脂マグネット
成形物を得、該樹脂マグネット成形物により樹脂マグネ
ット層を形成して、マグネットローラを得るマグネット
ローラの製造方法において、上記金型のキャビティーの
他端面に、該キャビティー内に注入された上記ボンド磁
石組成物の一部をキャビティー外に排出する排出ゲート
を設けて、樹脂マグネット成形物の成形を行うことを特
徴とするマグネットローラの製造方法を提供するもので
ある。
【0011】以下、本発明につき更に詳述する。本発明
のマグネットローラの製造方法は、上述のように、略棒
状のキャビティーを有する金型を用いてボンド磁石組成
物を射出成形し、得られた樹脂マグネット成形物により
樹脂マグネット層を形成することにより、マグネットロ
ーラを得るものである。
【0012】ここで、本発明の製造方法に用いられる上
記金型は、略棒状のキャビティーを有し、かつこのキャ
ビティーの一端面に溶融状態のボンド磁石組成物をキャ
ビティー内に射出注入するための注入ゲートを設けると
共に、他端面に該キャビティー内に注入された上記ボン
ド磁石組成物の一部をキャビティー外に排出するための
排出ゲートを設けたものであり、例えば図1(A),
(B)に示した構造を有するものである。
【0013】即ち、図1(A),(B)は、本発明の製
造方法に用いられる金型の一例を示すもので、非磁性金
属材料2を挟んで上下にそれぞれ鉄等の磁性金属材料3
a,3bを配置し、これら磁性金属材料3a,3bの間
にキャビティー1を形成すると共に、上側の磁性金属材
料3aに凸部4を突設して該凸部4の先端をキャビティ
ー1の表面側の所望位置近傍に配置したものであり、こ
の金型には、(B)図に示されているように、上記キャ
ビティー1の長さ方向一端面に上記ボンド磁石組成物を
キャビティー1内に射出注入するための注入ゲート5が
形成され、他端面にはキャビティー1内に注入された上
記ボンド磁石組成物の一部をキャビティー1外に排出す
るための排出ゲート6が形成されていると共に、この排
出ゲート6と連通する樹脂溜まり7がキャビティー1の
外側に形成されている。
【0014】ここで、上記キャビティー1は、断面形状
が扇状に形成されたもので、断面扇状の樹脂マグネット
成形物からなるマグネット片を形成するためのものであ
り、このマグネット片を複数個成形し、これらをシャフ
トの外周に配置固定して該シャフトの外周に樹脂マグネ
ット層を形成することにより、マグネットローラを製造
するためのものである。また、(A)図に示されている
ように、上側の磁性金属材料3aの周囲に配設されたコ
イル8に通電することにより、上記キャビティー1の周
囲に磁場を形成し、射出成形と同時にマグネット片に着
磁を施すようになっており、この場合、上記上側の磁性
金属材料3aに突設された凸部4によって、ボンド磁石
組成物中の磁性粉が、この凸部4の先端が近接するマグ
ネット片表面の一部に収束する如く配向するようになっ
ている。
【0015】本発明の製造方法は、上記金型の注入ゲー
ト5からボンド磁石組成物を溶融状態で射出注入してキ
ャビティー1内にボンド磁石組成物を充填すると共に、
該キャビティー1の他端部に到達したボンド磁石組成物
の一部を上記排出ゲート6を通してキャビティー1外へ
と排出しながら、成形を行うものであり、この金型では
上記排出ゲート6を通してキャビティー1から排出され
たボンド磁石組成物は上記樹脂溜まり7に収容されるよ
うになっている。
【0016】上記注入ゲート5は、通常の射出成形を行
う場合と同様のものとすることができ、その個数,断面
積,断面形状等は、キャビティー1の断面積,長さ,体
積,ボンド磁石組成物の組成などに応じて適宜選定する
ことができる。この場合、上記排出ゲート6も同様の条
件に応じて適宜形成されるものであるが、その断面積に
ついては注入ゲートの断面積とほぼ同一の断面積とする
ことが好ましく、また排出ゲート6は、磁性粉の配向を
乱さないように、マグネットローラとした際に中心側と
なる側(シャフト側)に寄せて設けることが好ましい。
【0017】また、上記樹脂溜まり7は省略することも
でき、単に排出ゲート6からキャビティー1外にボンド
磁石組成物の一部を排出するようにすることもできる
が、所定の射出圧力を最後まで維持するため、上記樹脂
溜まり7を設けてこの樹脂溜まり7内にまで完全にボン
ド磁石組成物を充填させて成形を行うことが好ましく、
成形後、マグネット樹脂成形物からこの樹脂溜まり部分
を切断除去することが好ましい。
【0018】なお、射出圧力,シリンダー温度(射出時
の材料温度),金型温度(冷却温度)等の射出成形時の
条件は、成形材料のボンド磁石組成物の組成等に応じた
通常の条件とすることができる。
【0019】ここで、上記図1の金型は、上述のように
マグネットローラの樹脂マグネット層を形成するための
マグネット片を成形するための金型であり、また成形と
同時にマグネット片に着磁を施すと共に、ボンド磁石組
成物中の磁性粉をマグネット片表面の一部に収束する配
向状態とするようになっているが、上記排出ゲート7を
有さない従来の金型を用いた場合、ローラ全体を一体的
に成形するのではなく、このように樹脂マグネット層を
構成する複数のマグネット片を成形し、これらをシャフ
トの外周に配置固定してマグネットローラを得る場合、
特に成形と同時に各マグネット片に着磁を施す場合、更
には磁性粉をマグネット片の表面の一部に収束する配向
状態とする場合に、上述した表面磁力の不均一性が顕著
となるものである。しかしながら、本発明の製造方法に
よれば、このように表面磁力が不均一になり易い条件で
あっても、金型に上記排出ゲート6を設けることにより
効果的に表面磁力の均一性を向上させることができるも
のである。
【0020】従って、本発明の製造方法は、このように
樹脂マグネット層を構成する複数のマグネット片を成形
し、これらをシャフト外周に配置固定してマグネットロ
ーラを得る場合、特に成形と同時に各マグネット片に着
磁を施す場合、更には磁性粉をマグネット片の表面の一
部に収束する配向状態とする場合に、好適に採用される
ものであるが、本発明の製造方法は、これに限定される
ものではなく、例えば上記上側の磁性金属材料3aに設
けた凸部4を省略して磁性粉を均一で直線的な配向状態
とする場合、またキャビティー1の周囲に磁場を形成す
ることなく、ローラを構成した後に着磁を行う場合、更
には複数のマグネット片を成形するのではなく、直接ロ
ーラ状の樹脂マグネット層を一体的に成形する場合にも
好適に採用され、これらの場合にも、排出ゲート6を有
しない従来の金型を用いた場合に比べて、表面磁力の均
一性に優れたマグネットローラを得ることができる。
【0021】このように、本発明の製造方法は、キャビ
ティーの一端面に注入ゲートを有すると共に、他端面に
排出ゲートを有する上記金型を用いて射出成形を行うこ
とにより、マグネットローラの樹脂マグネット層を形成
するマグネット片、或いは樹脂マグネット層全体の成形
を行うものである。従って、上記ボンド磁石組成物とし
ては、熱可塑性樹脂からなるバインダーに磁性粉を分散
してなる射出成形可能なものが用いられる。
【0022】上記バインダーとしては、ナイロン6,ナ
イロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート樹脂
(EEA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂(EVOH)、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエチレン,ポリエチレン共重合体等のポリオレフィン
や、これらポリオレフィンの構造中に無水マレイン酸
基,カルボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル基等
の反応性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィン等
が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用い
ることができる。なお、特に制限されるものではない
が、これらの中ではポリアミド樹脂、EEA、EVAが
特に好ましく用いられる。
【0023】また、上記磁性粉としては、従来からマグ
ネットローラに用いられる通常の磁性粉を用いることが
でき、具体的には、Srフェライト,Baフェライト等
のフェライト粉末やSm−Co合金,Nd−F−B合
金,Ce−Co合金等の希土類系合金粉末などを例示す
ることができる。
【0024】この磁性粉の配合割合は、要求される磁力
の強さに応じて適宜選定されるもので、特に制限される
ものではないが、通常は、ボンド磁石組成物全体の80
〜94重量%程度(密度が2.5〜4.5g/cm2
度)とすることが好ましい。
【0025】本発明の製造方法に用いられるボンド磁石
組成物には、上記バインダー成分及び磁性粉に加えて、
必要に応じマイカやウィスカ或いはタルク,炭素繊維,
ガラス繊維等の補強効果の大きな充填材を添加すること
ができる。即ち、成形物に要求される磁力が比較的低
く、上記磁性粉の充填量が少ない場合には、成形物の剛
性が低くなりやすく、このような場合には剛性を補うた
めにマイカやウィスカ等の充填材を添加して成形品の補
強を行うことができる。この場合、本発明に好適に用い
られる充填材としてはマイカ或いはウィスカが好まし
く、ウィスカとしては、炭化ケイ素,窒化ケイ素等から
なる非酸化物系ウィスカ、ZnO,MgO,TiO2
SnO2,Al23等からなる金属酸化物系ウィスカ、
チタン酸カリウム,ホウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マ
グネシウム等からなる複酸化物系ウィスカなどが挙げら
れるが、これらの中ではプラスチックとの複合化が容易
な点から複酸化物系ウィスカが特に好適に使用される。
【0026】これら充填材を用いる際の配合割合は、特
に制限されるものではないが、通常は樹脂マグネット全
体の2〜32重量%、特に5〜20重量%程度とされ
る。なお、上記第1及び第2マグネット片を形成する樹
脂マグネットには、本発明の目的を逸脱しない限り、上
記充填材以外の添加剤を添加して差し支えない。
【0027】このボンド磁石組成物を射出成形に供する
際、特に制限されるものではないが、通常の方法に従っ
て上述の成分を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形
して、ペレット状の成形材料とし、これを上記本発明の
金型を用いた射出成形に供することが好ましい。この場
合、溶融混練には二軸混練押出機、KCK混練押出機等
を用いて通常の方法、条件で溶融混練することができ
る。
【0028】本発明の製造方法において、複数のマグネ
ット片をシャフトの外周に配置固定して該シャフトの外
周に樹脂マグネット層を成形することによりマグネット
ローラを製造する場合には、各マグネット片を公知の接
着剤を用いてシャフトの外周に接着固定することができ
る。また、ローラ状の樹脂マグネット層を一体的に成形
する場合には、予め金型内にシャフトをインサートして
おき、その周囲に上記ボンド磁石組成物を射出成形する
所謂インサート成形によって、シャフトの周囲に樹脂マ
グネット層を形成することができ、更にローラ状の樹脂
マグネット層を一体的に成形する場合には、この樹脂マ
グネット層を成形する際にボンド磁石組成物で樹脂マグ
ネット層と一体的にシャフトを成形することもできる。
なお、シャフトは、金属製の中実又は中空シャフトや各
種樹脂製のシャフトなど、通常のシャフトを用いること
ができる。
【0029】本発明の製造方法により得られたマグネッ
トローラは軸方向に沿った表面磁力の均一性に優れ、軸
方向に沿った最大磁力と最小磁力との差を60G以下と
することができるものであり、複写機、プリンタ等の電
子写真装置や静電記録装置などにおいて、現像機構部を
構成するローラとして好適に用いられるものである。特
に、現像スリーブの内側に配置されるマグネットローラ
として好適に使用され、この場合スリーブ表面における
スラスト方向(軸方向)に沿った最大磁力と最小磁力と
の差を50G以下とすることも可能であり、本発明の製
造方法によれば、磁力の不均一性に基づく現像不良の発
生を確実に防止し得るマグネットローラを得ることがで
きる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、ローラの軸方向に沿った表面磁力の均一性が
高いマグネットローラを得ることができ、得られるマグ
ネットローラの軸方向に沿った表面磁力の最大値と最小
値との差を60G以下とすることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例,比較例を示し、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。 [実施例]下記の形状及びサイズを有するマグネット片
を図1に示された金型を用いて下記条件で射出成形し
た。得られたマグネット片の軸方向一端部,中央部、他
端部における表面磁力を、BELL社製平型プローブガ
ウスメータを用いて測定した。結果を表1に示す。な
お、測定箇所は、図1(B)に示した金型のP1,P
2,P3に相当する部分である。
【0032】形状及びサイズ 形状:中心角60゜の断面扇状マグネット片 扇形状の外側円弧の直径:16mm 扇形状の内側円弧の直径:6mm 長さ:310mm成形材料(ボンド磁石組成物) バインダー:エチレン−エチルアクリレート(EEA) 10重量% 磁性粉:Srフェライト 90重量%射出成形条件(両マグネット片共通) シリンダー温度:245℃ 金型温度:65℃ 射出圧力:700[kg/cm2
【0033】[比較例]排出ゲート6及び樹脂溜まり7
を有しないこと以外は図1に示された金型と同一の金型
を用い、実施例1と同一の条件で同一形状,同一サイズ
のマグネット片を成形し、その表面磁力を実施例1と同
様に測定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示されているように、排出ゲートを
有しない金型を用いた従来の方法により得られた比較例
のマグネット片は、一端部(ゲート側)と他端部(反ゲ
ート側)とで表面磁力の差が131Gもあるのに対し
て、排出ゲート6及び樹脂溜まり7を有する金型を用い
た本発明の方法により得られた実施例のマグネット片
は、一端部と他端部との表面磁力の差が53Gだけであ
り、軸方向に沿った表面磁力の均一性に優れるものであ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる金型の一例を示
すもので、(A)は概略断面図、(B)はキャビティー
と、注入ゲートと、排出ゲートと、樹脂溜まりとの位置
的関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャビティー 2 非磁性金属材料 3a,3b 磁性金属材料 4 凸部 5 注入ゲート 6 排出ゲート 7 樹脂溜まり 8 コイル P1〜P3 表面磁力の測定箇所

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略棒状のキャビティーを有する金型の前
    記キャビティー内に、該キャビティーの一端面に形成さ
    れた注入ゲートから熱可塑性樹脂からなるバインダーに
    磁性粉を分散してなるボンド磁石組成物を射出注入して
    成形することにより、樹脂マグネット成形物を得、該樹
    脂マグネット成形物により樹脂マグネット層を形成し
    て、マグネットローラを得るマグネットローラの製造方
    法において、上記金型のキャビティーの他端面に、該キ
    ャビティー内に注入された上記ボンド磁石組成物の一部
    をキャビティー外に排出する排出ゲートを設けて、上記
    樹脂マグネット成形物の成形を行うことを特徴とするマ
    グネットローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記金型に、上記キャビティーの外側に
    存して上記排出ゲートと連通する樹脂溜まりを設けた請
    求項1記載のマグネットローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂マグネット成形物からなる複数のマ
    グネット片を成形し、該マグネット片をシャフトの外周
    に配置固定することにより、該シャフトの外周に樹脂マ
    グネット層を形成して、シャフトの外周に樹脂マグネッ
    ト層を形成してなるマグネットローラを得る請求項1又
    は2記載のマグネットローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記金型のキャビティーが断面略扇型の
    キャビティーであり、この金型を用いて断面扇型のマグ
    ネット片を複数成形し、これら断面扇型のマグネット片
    をシャフトの外周に配置固定して、該シャフトの外周に
    樹脂マグネット層を形成する請求項3記載のマグネット
    ローラの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006062314A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Tdk Corp マグネットロール用ボンド磁石の成形用金型及び成形方法
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