JP3116890B2 - マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法 - Google Patents

マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法

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JP3116890B2
JP3116890B2 JP10054451A JP5445198A JP3116890B2 JP 3116890 B2 JP3116890 B2 JP 3116890B2 JP 10054451 A JP10054451 A JP 10054451A JP 5445198 A JP5445198 A JP 5445198A JP 3116890 B2 JP3116890 B2 JP 3116890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真プロセスで、感光ドラム
等の潜像保持体に現像剤を供給して該潜像保持体上の静
電潜像を現像する現像機構部に好適に使用されるマグネ
ットローラ、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、複写機、プリンタ等の電子写頁装置や静電記録装置
などにおいて、感光ドラム等の潜像保持体上の静電潜像
を可視化する現像ローラとして、回転するスリーブ内に
樹脂磁石やゴム磁石により成形されたマグネットローラ
を配設し、スリーブ表面に担持した磁性現像剤(トナ
ー)を該マグネットローラの磁力特性により潜像保持体
上に飛翔させる所謂ジャンピング現象によって、潜像保
持体表面にトナーを供給し、静電潜像を可視化する現像
方法が知られている。
【0003】従来、上記マグネットローラは、ナイロン
やポリプロピレン等の熱可塑性樹脂やゴムのバインダー
にフェライト等の磁性粉体を混合したペレット形状の樹
脂磁石組成物又はゴム磁石組成物を、周囲に磁場を形成
した金型を用いて射出成形又は押出成形することによっ
て、ローラ状に成形すると共に、所望の磁力特性に着磁
させることにより、製造されている。
【0004】しかしながら、最近の電子写真装置等の進
歩に伴い、マグネットローラに対してもより複雑な磁力
パターンが要求される傾向にあるが、従前のマグネット
ローラでは設計し得る磁力パターンに限界があり、この
要求に十分に応えることができない。
【0005】そこで、従来、マグネットローラの磁力パ
ターンの自由度を高めるため、目的とする磁力パターン
に応じた磁極を着磁させた複数のマグネット片を上記樹
脂磁石又はゴム磁石で成形し、これらをシャフトの周囲
に貼り合わせることにより所望の磁力パターンを構成す
ることが行われている。
【0006】この場合、高い磁力ピークを有する上記マ
グネット片を得るため、図1に示した金型を用いて各マ
グネット片を成形することが提案されている(特許第2
512025号公報)。即ち、上記マグネット片は、図
1に示したように、非磁性金属材料2を挟んで上下にそ
れぞれ鉄等の磁性金属材料3a,3bを配置し、これら
磁性金属材料3a,3bの間にキャビティー1を形成し
た金型を用い、コイル4に通電してキャビティー1の周
囲に磁場を形成した状態で上記樹脂磁石又はゴム磁石を
射出成形又は押し出し成形することにより形成される
が、この場合、キャビティー1の両側面及び裏面(表面
側と対向する側の面)を磁性金属材料3bで形成すると
共に、上側の磁性金属材料3aに凸部5を突設して該凸
部5の先端をキャビティー1の表面側の所望位置近傍に
配置した金型を用い、上記マグネット片を成形すること
が提案されている。そして、この金型を用いて成形した
上記マグネット片は、図1に矢印で示されているよう
に、磁性粉が両側面及び裏面側から表面側の所定位置に
収束するように配向したものとなり、高い磁力ピークが
得られるものである。
【0007】しかしながら、上記図1に示した金型を用
いて複数のマグネット片を成形し、これをシャフトの外
周に配置固定したマグネットローラは、上述した配向性
により各磁極の磁力ピークが高くなる反面、低い磁力が
要求される場合には、マグネット片の外径を小さくする
必要があったり、またマグネット片の中央部からずれた
位置に磁力ピークを動かしたい場合には、図2に示した
ように、上側の磁性金属材料3aに設ける凸部5をキャ
ビティー1の中央部からずらした位置に設けて成形を行
わなければならないなど、磁力パターンに応じて多種類
の金型が必要となり、これがマグネットローラの製造コ
ストを引き上げる原因となる。
【0008】この場合、マグネットローラの製造におい
ては、キャビティーの周囲に磁場を形成した金型で成形
したマグネットローラを一旦脱磁した後、再び所望の磁
力パターンに着磁する方法が従来から行われているが、
上記図1や図2に示した金型を用いて成形したマグネッ
ト片により形成されたマグネットローラは、上述した配
向性のために磁力ピークの位置が極めて限定的になり、
各マグネット片をシャフトの周囲に配置固定してローラ
を形成した後に磁力ピークの位置を移動しようとすれ
ば、大幅な磁力低下が生じるなどの問題が発生し、実際
上成形後に磁力ピークを移動させることは不可能であ
る。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、部分的に低い磁力ピークが要求される場合にもマグ
ネット片の寸法を変更することなく対応することがで
き、かつマグネット片の磁力ピークの位置を動かしたい
場合にも多種類の金型を必要とすることなく容易にピー
ク位置を移動させることができ、複雑な磁力パターンの
要求に対しても、大幅なコスト高を招くことなく容易に
対応することができるマグネットローラ、及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、樹脂又はゴムのバインダーに磁性粉を分散してなる
複数のマグネット片をシャフトの外周に配置固定して、
シャフトの外周にマグネット層を形成してなるマグネッ
トローラにおいて、上記複数のマグネット片として、異
方性の磁性粉が両側面及び裏面側から表面側の所定位置
に収束するように配向した第1マグネット片と、等方性
の磁性粉を用いた配向特性を持たない第2マグネット片
との少なくとも2種類のマグネット片を組み合わせて用
い、高い磁力ピークが要求される部分に、上記第1マグ
ネット片を用いると共に、比較的低い磁力ピークが要求
されたり、ピーク位置を適宜移動させて微妙な調整を行
う必要がある部分に上記第2マグネット片を用いること
により、十分な磁力ピークを有すると共に、低い磁力ピ
ークや微妙なピーク位置の調整が必要な部分について
は、ローラ形成後の着磁操作によって簡単に調整するこ
とができ、最近の複雑な磁力パターンの要求にも、多種
類の金型を必要とせず安価に対応することができること
を見出した。
【0011】即ち、上述の図1に示した金型を用いて成
形された、異方性の磁性粉が両側面及び裏面側から表面
側の所定位置に収束するように配向した第1マグネット
片を比較的高い磁力ピークが要求される部分に用いる一
方、等方性の磁性粉を用いて通常の金型により成形され
た配向特性を持たない第2マグネット片を、比較的低い
磁力ピークを要する部分や、ピーク位置を移動させて調
整する必要がある部分に用い、これら第1マグネット片
と第2マグネット片とをシャフトの周囲に配置固定する
前又は配置固定してローラを形成した後、必要に応じて
一旦脱磁し形成後のローラを所望の磁力パターンに着磁
することによって、上記第2マグネット片部分の磁力ピ
ークの高さを調節し得ると共に、ピークの位置も比較的
自由に移動させることができ、多種類の金型を必要とせ
ずに複雑な磁力パターンの要求に対応し得ることを見い
出し、本発明を完成したものである。
【0012】従って、本発明は、樹脂又はゴムのバイン
ダーに磁性粉を分散してなる複数のマグネット片をシャ
フトの外周に配置固定して、シャフトの外周にマグネッ
ト層を形成してなるマグネットローラにおいて、上記複
数のマグネット片として、異方性の磁性粉が両側面及び
裏面側から表面側の所定位置に収束するように配向した
第1マグネット片と、等方性の磁性粉を用いた配向特性
を持たない第2マグネット片との少なくとも2種類のマ
グネット片を組み合わせて用いたことを特徴とするマグ
ネットローラ、及び、樹脂又はゴムのバインダーに磁性
粉を分散した樹脂磁石組成物又はゴム磁石組成物を金型
により成形して複数のマグネット片を成形し、得られた
各マグネット片をシャフトの外側に配置固定してシャフ
トの外周にマグネット層を形成したローラを得た後、所
望の磁力パターンに着磁するマグネットローラの製造方
法において、上記複数のマグネット片として、異方性の
磁性粉が両側面及び裏面側から表面側の所定位置に収束
する如く配向した第1マグネット片と、等方性の磁性粉
を用いた配向特性を持たない第2マグネット片との少な
くとも2種類のマグネット片を成形し、これらを組み合
わせて上記マグネット層を形成することを特徴とするマ
グネットローラの製造方法を提供するものである。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のマグネットローラは、上述のように、異方性の
磁性粉が両側面及び裏面側から表面側の所定位置に収束
するように配向した第1マグネット片と、等方性の磁性
粉を用いた配向特性を持たない第2マグネット片との少
なくとも2種類のマグネット片を組み合わせて用い、こ
れら第1マグネット片及び第2マグネット片をシャフト
の外周に配置固定してローラ状に形成したものである。
【0014】上記第1マグネット片及び第2マグネット
片は、いずれも樹脂又はゴムのバインダーに磁性粉を分
散してなる成形物である。
【0015】上記バインダーとしては、ナイロン6、ナ
イロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート樹脂
(EEA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂(EVOH)、ポリプロピレン樹脂、ポ
リエチレン、ポリエチレン共重合体等のポリオレフィン
や、これらポリオレフィンの構造中に無水マレイン酸
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、グリシジル基等
の反応性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィン等
の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上
を混合して用いることができる。なお、特に制限される
ものではないが、これらの中ではポリアミド樹脂、EV
A,EEAが好ましく用いられる。また、このバインダ
ーとしてゴムを用いこともでき、例えばニトリルゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホ
ン化ポリエチレン(CSM)、シリコーンゴムなどを用
いることもできる。
【0016】また、上記磁性粉には、従来からマグネッ
トローラに用いられる通常の磁性粉を用いることができ
るが、本発明では、上記第1マグネット片には異方性の
磁性粉を用い、上記第2マグネット片には等方性の磁性
粉を用いるものである。上記第1マグネット片に用いら
れる異方性の磁性粉としては、特に制限されるものでは
ないが、異方性Srフェライト、異方性Baフェライト
等のフェライト粉末や異方性Nd−Fe−B合金等の希
土類系合金粉末などが例示され、一方上記第2マグネッ
ト片に用いられる等方性の磁性粉としては、特に制限さ
れるものではないが、等方性Srフェライト,等方性B
aフェライト等のフェライト粉末や等方性Nd−Fe−
B合金,Sm−Co合金,Ce−Co合金等の希土類系
合金粉末などが例示される。
【0017】この磁性粉の配合割合は、要求される磁力
の強さに応じて適宜選定されるもので、特に制限される
ものではないが、通常は、樹脂磁石又はゴム磁石全体の
80〜94重量%程度(密度が2.5〜4.5g/cm
2程度)とすることが好ましい。
【0018】上記第1及び第2マグネット片には、上記
バインダー成分及び磁性粉に加えて、必要に応じマイカ
やウィスカ或いはタルク、炭素繊維、ガラス繊維等の補
強効果の大きな充填材を添加することができる。即ち、
成形物に要求される磁力が比較的低く、上記磁性粉の充
填量が少ない場合には、成形物の剛性が低くなりやす
く、このような場合には剛性を補うためにマイカやウィ
スカ等の充填材を添加して成形品の補強を行うことがで
きる。この場合、本発明に好適に用いられる充填材とし
てはマイカ或いはウィスカが好ましく、ウィスカとして
は、炭化ケイ素,窒化ケイ素等からなる非酸化物系ウィ
スカ、ZnO,MgO,TiO2,SnO2,Al23
からなる金属酸化物系ウィスカ、チタン酸カリウム,ホ
ウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウム等からなる
複酸化物系ウィスカなどが挙げられる。特に、バインダ
ーとして熱可塑性樹脂を用いる場合には、プラスチック
との複合化が容易な点から複酸化物系ウィスカが特に好
適に使用される。
【0019】これら充填材を用いる際の配合割合は、特
に制限されるものではないが、通常は樹脂マグネット全
体の2〜32重量%、特に5〜20重量%程度とされ
る。なお、上記第1及び第2マグネット片を形成する樹
脂磁石又はゴム磁石には、本発明の目的を逸脱しない限
り、上記充填材以外の添加剤を添加して差し支えない。
【0020】上記第1及び第2マグネット片は、上記バ
インダー、磁性粉、及び必要に応じて配合される上記充
填剤、その他の添加剤を混合した樹脂磁石組成物又はゴ
ム磁石組成物を成形することにより得られるものである
が、この場合特に制限されるものではないが、通常の方
法に従って上述の成分を混合し、溶融混練し、ペレット
状に成形して、ペレット状の成形材料を得、これを射出
成形又は押し出し成形に供することにより各マグネット
片を成形することが好ましい。この場合、溶融混練には
二軸混練押出機、KCK混練押出機等を用いて通常の方
法、条件で溶融混練することができる。
【0021】ここで、上記第1マグネット片は、マグネ
ット片の両側面及び裏面側(ローラの中心側、即ちシャ
フト側の面)から表面側(ローラの表面を形成する面)
の所定位置に収束するように、上記異方性の磁性粉が配
向したものであり、このような磁性粉の配向は、上述し
た図1の金型を用いて射出成形又は押し出し成形するこ
とにより得ることができる。なお、この第1マグネット
片は、上記図1の金型を用いることにより、容易に得る
ことができるが、その他の方法により得られたものであ
ってもよく、要は磁性粉の配向を調整して、両側面及び
裏面側から表面側の所定位置に収束するように磁性粉が
配向したものであればどのような方法で得られたもので
あってもよい。
【0022】一方、上記第2マグネット片は、磁性粉と
して上記等方性の磁性粉を用いた配向特性を持たないも
のである。この第2マグネット片は、通常の金型を用い
て成形時に磁場を印加することなく、射出成形又は押し
出し成形することにより容易に得ることができる。
【0023】また、上記第1マグネット片において、磁
性粉の配向方向が収束する表面側の所定位置は、目的と
する磁力パターン等に応じて適宜設定することができ、
例えば図2の金型を用いて配向方向の収束位置が中央部
からずれたものとしてもよいが、通常はより高い磁力ピ
ークを得るために表面の中央部とすることが好ましい。
【0024】本発明のマグネットローラとしては、例え
ば図3に示したように、磁性粉が両側面及び裏面側(ロ
ーラの中心側、即ちシャフト側の面)から表面側(ロー
ラの表面を形成する面)の所定位置に収束するように配
向した(図3中の矢印参照)上記第1マグネット片6
と、等方性の磁性粉を用いた配向特性を持たない上記第
2マグネット片7とをシャフト8の外周に配置固定し
て、シャフト8の外周にマグネット層9を形成したもの
である。
【0025】この場合、図3では、5ピースのマグネッ
ト片6,7によりマグネット層9を形成した例を示した
が、マグネット層9を構成するマグネット片6,7の数
は、特に制限されるものではなく、求められる磁力パタ
ーン等に応じて適宜選定されるものであり、通常は磁極
の数やローラの大きさなどに応じて2〜10ピース、特
に3〜8ピースとすることが好ましい。また、上記第1
マグネット片6及び第2マグネット片7のそれぞれの数
は、磁極の数や各マグネット片に求められる磁力の強さ
などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではな
いが、通常は第1マグネット片が1〜4ピース、第2マ
グネット片が1〜4ピースとされる。更に、図3のマグ
ネットローラでは、3つの第1マグネット片6でマグネ
ット層9の半周分を形成し、残りの半周を2つの第2マ
グネット片7で形成するようにしたが、各マグネット片
の6,7の配置は、これに限定されるものではなく、例
えば第1マグネット片6と第2マグネット片7とが交互
に配置されるようにしてもよく、求められる磁力パター
ン等に応じて適宜組み合わせて配置することができる。
また更に、上記第1マグネット片6及び第2マグネット
片7は、図3に示されているように、通常は断面扇状に
形成されるが、その形状はこの断面扇状に限定されるも
のではなく、その他適宜な形状とすることができ、要は
第1,第2各マグネット片6,7を組み合わせてシャフ
ト8の外周に配置固定することにより、該シャフト8の
外周にマグネット層9を形成し得るものであればよい。
なお、上記シャフト8は、金属製の中実又は中空シャフ
トや各種樹脂製のシャフトなど、通常のシャフトを用い
ることができ、この場合断面多角形状のシャフトとして
もよく、これらシャフトの外周に公知の接着剤を用いて
上記第1マグネット片6及び第2マグネット片7を配置
固定することにより、本発明のマグネットローラを得る
ことができる。
【0026】ここで、本発明のマグネットローラにおい
ては、特に制限されるものではないが、上記第1マグネ
ット片6を比較的高い磁力ピークが要求される部分に用
い、上記第2マグネット片7を比較的低い磁力ピークが
要求される部分、或いは磁力ピークの位置を移動させる
必要が生じる部分に用いることが好ましい。これによ
り、各マグネット片6,7を成形後又はローラ形成後に
一旦脱磁して再び着磁することによって、この第2マグ
ネット片7で形成した部分の磁力ピークの高さを所望の
高さに調整し、またそのピークの位置を所望の位置に移
動させて、磁力パターンを所望のパターンに調整するこ
とができるものである。この場合、脱磁操作及び着磁操
作は、通常の方法で行うことができ、目的とする磁力パ
ターンに応じて公知の装置を用いて公知の方法により行
うことができる。着磁装置及び着磁方法の一例を示せ
ば、図5に示したように、得られたローラ10の周囲に
コンデンサー式の着磁器11を配置して着磁を施す着磁
ヨーク(ここでは5極着磁の場合を示した)などが例示
される。
【0027】本発明のマグネットローラは、複写機、プ
リンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの現像ロー
ラやクリーニングローラを構成するマグネットローラと
して好適に使用されるものである。なお、上記クリーニ
ングローラは、感光ドラム等の潜像保持体に残留するト
ナーをクリーニングブレードで掻き落とした後、磁力に
よりこれを回収するものであり、回収に好適な場所にマ
グネットローラを配置し、磁力によってトナーをマグネ
ットローラに吸着させ、所定の位置でブレードによりこ
のトナーをマグネットローラから剥し、所定の回収部に
トナーを回収するものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマグネッ
トローラによれば、部分的に低い磁力ピークが要求され
る場合にもマグネット片の寸法を変更することなく対応
することができ、かつマグネット片の磁力ピークの位置
を移動させる場合にも多種類の金型を必要とすることな
く容易にピーク位置を移動させることができ、複雑な磁
力パターンの要求に対しても、大幅なコスト高を招くこ
となく容易に対応することができるものである、また、
本発明のマグネットローラの製造方法によれば、ローラ
を成形した後の脱磁及び着磁操作によって、磁力ピーク
の高さや位置を容易に調整することができ、数種のマグ
ネット片を組み合わせることにより、複雑な磁力パター
ンを有する複数種のマグネットローラを大幅なコスト高
を招くことなく、容易に製造することができるものであ
る。
【0029】
【実施例】以下、実施例、比較例を示し、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。 [実施例] 3個の第1マグネット片6と2個の第2マグネット片7
とを下記条件で射出成形し、これらを金属製シャフト8
の外周に貼り合わせて、シャフト8の外周にマグネット
層9を形成し、図3に示したマグネットローラを得た。
なお、図3中の矢印は、第1マグネット片6中の磁性粉
の配向方向である。
【0030】形状及びサイズ (1)第1マグネット片6 形状:中心角60°の断面扇状マグネット片 扇形状の外側円弧の直径:16mm 扇形状の内側円弧の直径:6mm 長さ:310mm (2)第2マグネット片7 形状:中心角90°の断面扇状マグネット片 扇形状の外側円弧の直径:16mm 扇形状の内側円弧の直径:6mm 長さ:310mm成形材料(ボンド磁石組成物) (1)第1マグネット片6 バインダー:エチレン−エチルアクリレート(EEA) 10重量% 磁性粉:異方性Srフェライト 90重量% (2)第2マグネット片7 バインダー:エチレン−エチルアクリレート(EEA) 10重量% 磁性粉:等方性Baフェライト 90重量%使用した金型 (1)第1マグネット片6 図1の金型 (2)第2マグネット片7 磁場発生装置を有さない通常の金型射出成形条件(両マグネット片共通) シリンダー温度:245℃ 金型温度:65℃ 射出圧力:700[kg/cm2磁性粉の配向状態 (1)第1マグネット片6 両側面及び裏面側から表面側の中央部へと収束するよう
に配向(図3中の矢印参照) (2)第2マグネット片7 配向特性なし
【0031】得られたマグネットローラを一旦脱磁した
後、図5に示した着磁装置を用い、種々条件を変えて着
磁を施すことにより、3種類のマグネットローラを得
た。各ローラの表面磁力を周方向に沿って測定し、各ロ
ーラの着磁パターンをグラフにした。結果を図6に示
す。図6に示されているように、このマグネットローラ
によれば、マグネットローラを形成した後に一旦脱磁し
て再び着磁することにより、容易に磁力ピークの高さ及
び位置を変更,調整することができ、複雑な磁力パター
ンを有する複数種のマグネットローラが容易に得られる
ことが確認された。
【0032】[比較例] 3個の第1マグネット片12と2個の第2マグネット片
13とを下記条件で射出成形し、これらを金属製シャフ
ト8の外周に貼り合わせて、シャフト8の外周にマグネ
ット層14を形成し、図4に示したマグネットローラを
得た。なお、図4中の矢印は、各マグネット片12,1
3中の磁性粉の配向方向である。
【0033】形状及びサイズ (1)第1マグネット片12 形状:中心角60°の断面扇状マグネット片 扇形状の外側円弧の直径:16mm 扇形状の内側円弧の直径:6mm 長さ:310mm (2)第2マグネット片13 形状:中心角90°の断面扇状マグネット片 扇形状の外側円弧の直径:16mm 扇形状の内側円弧の直径:6mm 長さ:310mm成形材料(ボンド磁石組成物)(両マグネット片共通) バインダー:エチレン−エチルアクリレート(EEA) 10重量% 磁性粉:異方性Srフェライト 90重量%使用した金型 (1)第1マグネット片12 図1の金型 (2)第2マグネット片13 図2の金型射出成形条件(両マグネット片共通) シリンダー温度:245℃ 金型温度:65℃ 射出圧力:700[kg/cm2磁性粉の配向状態 (1)第1マグネット片12 両側面及び裏面側から表面側の中央部へと収束するよう
に配向(図4中の矢印参照) (2)第2マグネット片13 両側面及び裏面側から表面側の周方向一端側の一部へと
収束するように配向(図4中の矢印参照)
【0034】得られたマグネットローラを実施例と同様
に、一旦脱磁した後、再び着磁を施して着磁パターンの
調整を行ったところ、図7に示した磁力パターンを得る
ことはできたが、磁力ピークを移動させようとすると、
大幅な磁力低下が起こり、実用に耐え得るマグネットロ
ーラを得ることができなかった。従って、マグネットロ
ーラを形成した後に磁力ピークの高さや位置を調整して
複雑な磁力パターンを得ることは困難であり、また異な
る磁力パターンを有する複数種のマグネットローラを得
るには、たとえ磁力パターンの違いが僅かなものであっ
ても、それぞれの磁力パターンに応じた多数種の金型が
必要であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットローラを構成する第1マグ
ネット片を成形するための金型の一例を示す概略断面図
である。
【図2】比較例で用いた金型を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるマグネットローラを
示すもので、磁性粉の配向方向を矢印で示した概略断面
図である。
【図4】比較例で得られたマグネットローラを示すもの
で、磁性粉の配向方向を矢印で示した概略断面図であ
る。
【図5】本発明の製造方法に用いられる着磁装置の一例
を示す概略図である。
【図6】実施例で得られたマグネットローラの磁力パタ
ーンを示すグラフである。
【図7】比較例で得られたマグネットローラの磁力パタ
ーンを示すグラフである。
【符号の説明】
1 キャビティー 2 非磁性金属材料 3a,3b 磁性金属材料 4 コイル 5 凸部 6 第1マグネット片 7 第2マグネット片 8 シャフト 9 樹脂マグネット層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂又はゴムのバインダーに磁性粉を分
    散してなる複数のマグネット片をシャフトの外周に配置
    固定して、シャフトの外周にマグネット層を形成してな
    るマグネットローラにおいて、上記複数のマグネット片
    として、異方性の磁性粉が両側面及び裏面側から表面側
    の所定位置に収束するように配向した第1マグネット片
    と、等方性の磁性粉を用いた配向特性を持たない第2マ
    グネット片との少なくとも2種類のマグネット片を組み
    合わせて用いたことを特徴とするマグネットローラ。
  2. 【請求項2】 上記第1マグネット片部分に比較的高い
    磁力ピークを形成し、上記第2マグネット片部分に比較
    的低い磁力ピークを形成した請求項1記載のマグネット
    ローラ。
  3. 【請求項3】 樹脂又はゴムのバインダーに磁性粉を分
    散した樹脂磁石組成物又はゴム磁石組成物を金型により
    成形して複数のマグネット片を成形し、得られた各マグ
    ネット片をシャフトの外側に配置固定してシャフトの外
    周にマグネット層を形成したローラを得た後、所望の磁
    力パターンに着磁するマグネットローラの製造方法にお
    いて、上記複数のマグネット片として、異方性の磁性粉
    が両側面及び裏面側から表面側の所定位置に収束する如
    く配向した第1マグネット片と、等方性の磁性粉を用い
    た配向特性を持たない第2マグネット片との少なくとも
    2種類のマグネット片を成形し、これらを組み合わせて
    上記マグネット層を形成することを特徴とするマグネッ
    トローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性金属材料の上下にそれぞれ磁性金
    属材料を配置し、キャビティーの両側面及び裏面側を下
    側の磁性金属材料で形成すると共に、上側の磁性金属材
    料に凸部を突設して該凸部の先端をキャビティーの表面
    側の所望位置近傍に配置した金型を用いて、異方性の磁
    性粉が両側面及び裏面側から表面側の所定位置に収束す
    るように配向した第1マグネット片を成形する請求項3
    記載のマグネットローラの製造方法。
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