JP2001044021A - マグネットローラ及びそれを用いた現像装置 - Google Patents

マグネットローラ及びそれを用いた現像装置

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JP2001044021A
JP2001044021A JP2000010639A JP2000010639A JP2001044021A JP 2001044021 A JP2001044021 A JP 2001044021A JP 2000010639 A JP2000010639 A JP 2000010639A JP 2000010639 A JP2000010639 A JP 2000010639A JP 2001044021 A JP2001044021 A JP 2001044021A
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magnet roller
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Kenji Takahashi
憲司 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリーブ表面に非対称で、所望の磁極パター
ンを与え、かつ反りの発生が抑制され、しかも製造コス
トの低いマグネットローラ、及びこのマグネットローラ
を用いた現像装置を提供すること。 【解決手段】 断面形状が円形又はそれに近似した形状
を有するマグネット本体部とシャフト部とからなり、か
つ複数の磁極を有するマグネットローラにおいて、断面
形状におけるシャフト部中心をマグネット本体部中心か
ら偏心させてなるマグネットローラ、及び回転自在に配
設されたスリーブと、該スリーブの内側に配設された上
記マグネットローラとからなる現像ローラを具備した現
像装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットローラ
及びそれを用いた現像装置に関し、さらに詳しくは、複
写機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置にお
いて、感光ドラムなどの潜像保持体に現像剤を供給して
該潜像保持体上の静電潜像を現像する現像機構部などに
好適に使用されるマグネットローラ、及びこのマグネッ
トローラを配設してなる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機,プリンタなどの電子写真
装置や静電記録装置などにおいて、感光ドラムなどの潜
像保持体上の静電潜像を可視化するための現像ローラと
して、回転するスリーブ内にボンド磁石により成形され
たマグネットローラを配設し、スリーブ表面に保持した
磁性現像剤(トナー)を、該マグネットローラの磁力持
性により、潜像保持体上に飛翔させるいわゆるジャンピ
ング現像によって、潜像保持体表面にトナーを供給し、
静電潜像を可視化する方法が知られている。上記マグネ
ットローラは、これまで、主にナイロンやポリプロピレ
ンなどの熱可塑性樹脂のバインダーにフェライトなどの
磁性粉体を混合したペレット形状の磁石用組成物を、キ
ャビティの周囲に磁場を形成した金型を用いて射出成形
又は押出成形することによって、ローラ状に成形すると
共に、所望の磁力特性に着磁させることにより製造され
ている。しかしながら、最近の電子写真装置などの進歩
に伴い、マグネットローラに対してもより複雑な磁力パ
ターンが要求される傾向にあるが、これまでのマグネッ
トローラでは設計し得る磁力パターンに限界があり、こ
の要求に充分に応えることができない。
【0003】ところで、従来のマグネットローラは、通
常マグネット本体部の断面形状が円形又はそれに近い形
状を有しており、そしてマグネット本体部の中心とシャ
フト部の中心とが一致している。図1は、従来のマグネ
ットローラの一例を示す正面図(a)及び側面図(b)
であって、マグネット本体部11とシャフト部12とか
ら構成され、かつ本体部中心とシャフト部中心が一致し
ている。このようなマグネットローラの磁極パターン
は、通常図2に示す形を有している。図2(a)は、磁
性一成分系トナー用の従来のマグネットローラの一般的
な磁極パターンであり、(b)は、磁性二成分系トナー
用の従来のマグネットローラの一般的な磁極パターンで
ある。
【0004】このような従来のマグネットローラの構造
では、ある特定の磁極を特異なパターンに変えようとし
てもその円形形状に制限されてサインカーブに近いなだ
らかなパターンになってしまう。一方、複写機等に用い
られるマグネットローラの主極(現像極)は、適切な半
値幅、すなわちピーク磁力の2分の1における磁極間の
幅(角度:単位 度)をもつことが必要であり、またマ
グネットローラ表面のスリーブ上での各極の磁力のピー
ク値を異なるものとすると高品質の画質が得られること
が知られている。ところが従来の断面形状が円形または
それに近い形状をしたマグネットローラは磁極位置が決
まってしまうため、その半値幅の制御が難しく再着磁等
の別工程の作業を行う必要がある。さらには所望する磁
極のパターンによってはその制御が不可能となる場合も
ある。
【0005】したがって、これまで、非対称で、所望形
状の磁力パターンを形成するために、様々な手法がとら
れている。例えば、マグネット本体部の円周上の少なく
とも一部に、該マグネット本体部と同一材料で形成され
た凸部及び/又は凹部を全長に沿って設け、異形断面を
有するマグネット本体部を作製する方法が試みられてい
る。このような形状のマグネット本体部は、例えば
(1)ロール状のマグネット本体部に、それと同じ材料
の凸条部材を接着剤を用いて貼り合わせる方法、(2)
ロール状のマグネット本体部を切削加工して凹条部を形
成する方法、(3)金型を用い、射出又は押出し成形法
により成形する方法などによって製造することができ
る。しかしながら、上記(1)及び(2)の方法は手間
がかかり、製造コストが高くつくのを免れない。また、
(3)の方法においては、得られるマグネットローラ
は、反りが発生しやすくて歩留まりが悪い上、キャビテ
ィの形状が複雑となって、金型が高価なものになるなど
の問題がある。また、強磁性粉末と高分子化合物を主体
とする磁石用組成物を押出し成形法や射出成形法により
ロール状に成形したのち、冷却固化中に強磁性粉末を配
向させ次いで固化後着磁させて、磁極若しくは磁力の分
布がロール断面周方向に対して非対称であるマグネット
ローラを製造することが試みられている。しかしなが
ら、このような非対称のマグネットローラを磁石用組成
物を用いて形成すると、強磁性粉末の密度差,配向時の
残留応力の差などにより、得られるマグネットローラに
反りが生じやすいという問題がある。さらに、通常のマ
グネットローラ材料を、各極が非対称で所望形状の磁力
パターンとなるように設計された金型内で成形したり、
あるいは後着磁によって各極の磁力パターンを異なるも
のとするなどの方法も行われているが、いずれも手間が
かかったり、あるいは製造コストが高くつくなどの不都
合があった。ところで、マグネットローラは、画像形成
装置に装着する場合、通常円筒状スリーブの内側に配設
され、このマグネットローラの磁気特性によってスリー
ブ表面に所望の磁力パターンを与えることにより、磁性
現像剤を担持し、さらに画像形成体に供給している。す
なわち、マグネットローラ本体部の表面磁力が各極で同
じ値であっても、スリーブ表面に非対称の磁極パターン
を与えることができればよいのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、スリーブ表面に非対称で、所望の磁極パター
ンを与え、かつ反りの発生が抑制され、しかも製造コス
トの低いマグネットローラ、及びこのマグネットローラ
を配設してなる現像装置を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、断面形状が円形
又はそれに近似した形状を有するマグネット本体部とシ
ャフト部とからなり、かつ断面形状において、シャフト
部中心をマグネット本体部中心から偏心させてなる複数
の磁極を有するマグネットローラにより、その目的を達
成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、(1)
断面形状が円形又はそれに近似した形状を有するマグネ
ット本体部とシャフト部とからなり、かつ複数の磁極を
有するマグネットローラにおいて、断面形状におけるシ
ャフト部中心をマグネット本体部中心から偏心させたこ
とを特徴とするマグネットローラ、(2)回転自在に配
設されたスリーブと該スリーブの内側に配設されたマグ
ネットローラとからなる現像ローラを具備し、上記スリ
ーブ表面に上記マグネットローラの磁気特性により磁性
現像剤を担持して成層ブレードによりこれを所定厚さの
薄層に成層し、この状態で画像形成体表面に接触又は近
接することにより、上記マグネットローラの磁気特性に
より上記スリーブから画像形成体表面に現像剤を供給し
て該画像形成体表面に可視画像を形成する現像装置にお
いて、上記マグネットローラとして、前記(1)のマグ
ネットローラを用いたことを特徴とする現像装置、及び
(3)前記(1)のマグネットローラからなるクリーニ
ングローラ、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のマグネットローラは、マ
グネット本体部とシャフト部とから構成され、かつ断面
形状におけるシャフト部中心をマグネット本体部中心か
ら偏心させてなる複数の磁極を有するものであって、該
マグネット本体部の断面形状は円形又はそれに近似した
形状を有している。ここで、円形に近似した形状として
は、特に制限はないが、例えば長円形(楕円形)あるい
は略小判形などを挙げることができる。図3は、本発明
の好ましいマグネットローラの異なる例の正面図であっ
て、(a)は、断面形状が円形を有するマグネット本体
部11と、シャフト部12とから構成され、かつシャフ
ト部12の中心Bが、マグネット本体部11の中心Aか
ら偏心した構造のマグネットローラを示す。(b)は、
断面形状が、略小判形を有するマグネット本体部11’
と、シャフト部12とから構成され、かつシャフト部1
2の中心Bが、マグネット本体部11’の中心A’から
偏心した構造のマグネットローラを示す。
【0009】本発明においては、前記シャフト部中心の
マグネット本体部中心からの偏心度合については特に制
限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、一般的に
は、断面形状において、マグネット本体部中心からシャ
フト部中心を通る直線を引き、この直線が外周端と交わ
る点までの本体部中心からの距離に対して、1〜20%
偏心させるのが好ましく、特に3〜10%、とりわけ4
〜8%偏心させるのが好適である。このように、シャフ
ト部中心をマグネット本体部中心から偏心させることに
より、スリーブ表面に非対称で所望の磁極パターンを与
えるマグネットローラが容易に得られる。本発明のマグ
ネットローラを構成するマグネット本体部は、その材料
として、樹脂及びゴム状弾性体の中から選ばれた少なく
とも一種のバインダーに磁性粉を混合分散してなる磁石
用組成物が好ましく用いられる。
【0010】この磁石用組成物に用いられるバインダー
としては特に制限はなく、従来マグネットローラにおい
て慣用されているものの中から任意のものを選択して用
いることができる。樹脂バインダーとしては、例えばナ
イロン6,ナイロン6・6,ナイロン12,ナイロン4
・6,ナイロン6・10,ナイロン6・12,ナイロン
11などのポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂(PPS)、ポリフェニレンオキサイド樹脂
(PPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EV
A)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(E
EA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルアルコール共
重合体樹脂(EVOH)、さらにはポリプロピレン樹脂
やポリエチレン,ポリエチレン共重合体などのポリオレ
フィン、これらポリオレフィンの構造中に無水マレイン
酸基,カルボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル基
などの反応性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィ
ンなどが挙げられる。これらの中で、特にポリアミド樹
脂,EVA,EEAが好適である。また、ゴム状弾性体
バインダーとしては、例えばニトリルゴム(NBR),
クロロプレンゴム(CR),クロロスルホン化ポリエチ
レン(CSM),シリコーンゴムなどが挙げられる。こ
れらの樹脂バインダーやゴム状弾性体バインダーは単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0011】一方、磁性粉としては特に制限はなく、従
来マグネットローラにおいて慣用されているものの中か
ら、任意のものを選択して用いることができる。具体的
にはストロンチウムフェライト,バリウムフェライト,
鉛フェライトなどのフェライト粉末、Sm−Co合金,
Nd−F−B合金,Ce−Co合金などの希土類系合金
粉末などが挙げられる。これらの磁性粉は単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。磁石用
組成物におけるバインダーと磁性粉の配合割合は、特に
制限はなく、マグネットローラの要求される磁力の強さ
に応じて適宜選定されるが、通常は、磁石用組成物全量
に対し、80〜95重量%(密度が3.0〜4.0g/cm
3 程度)の範囲で選定することが好ましい。
【0012】この磁石用組成物には、必要に応じ、マイ
カやタルク、あるいは炭素繊維,ガラス繊維などの繊維
やウイスカーなどの補強効果の大きな充填材を添加する
ことができる。すなわち、成形品に要求される磁力が比
較的低くて磁性粉の充填量が少ない場合には、成形品の
剛性が低くなりやすく、このような場合には剛性を補う
ために、マイカやウイスカーなどの充填材を添加して成
形品の補強を行うことができる。この場合、好適に用い
られる充填材としては、マイカやウイスカーなどが挙げ
られる。このウイスカーとしては、例えば炭化ケイ素,
窒化ケイ素などからなる非酸化物系ウイスカー、Zn
O,MgO,TiO2 ,SnO2 ,Al23 などから
なる金属酸化物系ウイスカー、チタン酸カリウム,ホウ
酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウムなどからなる
複酸化物系ウイスカーなどが挙げられるが、これらの中
で、プラスチックとの複合化が容易な点から複酸化物系
ウイスカーが好適である。
【0013】これらの充填材を用いる際の配合割合につ
いては特に制限はないが、通常は磁石用組成物全量に対
して、2〜32重量%、好ましくは5〜20重量%の範
囲である。前記磁石用組成物の調製方法としては特に制
限はないが、例えばバインダー,磁性粉及び必要に応じ
て用いられる充填材を、通常の方法に従って混合し、溶
融混練したのち、ペレット状に成形することにより、磁
石用組成物を調製することができる。この際、溶融混練
には、二軸混練押出機,KCK混練押出機などを用いる
通常の方法及び条件を採用することができる。本発明の
マグネットローラの製造方法としては、特に制限はない
が、例えば(1)少なくともマグネット本体部を、前記
磁石用組成物を用い、キャビティの周囲に磁場を形成し
た金型にて成形(射出成形又は押出成形)する方法、
(2)マグネット本体部を、前記磁石用組成物を用いて
得られた複数のマグネット片をシャフトの外周に配置固
定することにより、形成させる方法などを採用すること
ができる。図4は、マグネット本体部が、上記(1)の
方法により成形されてなる本発明のマグネットローラの
構造の異なる例の側面図であって、(a)は、マグネッ
ト本体部11とシャフト部12aとが、磁石用組成物に
より一体的に成形されてなる軸一体型の構造を示す。
(b)はマグネット本体部11と一方の側のシャフト部
12aとが、磁石用組成物により一体的に成形され、か
つ他の側にシャフト12bが挿入されてなる片側シャフ
ト挿入型の構造を示す。
【0014】(c)は、マグネット本体部11が磁石用
組成物により成形され、かつその両側にシャフト12b
が挿入されてなる両側シャフト挿入型の構造を示す。ま
た(d)は、マグネット本体部11が磁石用組成物によ
り成形され、かつシャフト12bが挿入されてなるシャ
フト挿入型の構造を示す。また、図4(d)の構造のマ
グネットローラは、前記(2)の方法によっても製造す
ることができる。上記図4(b)〜(d)で示されるマ
グネットローラにおいて、挿入用として用いられるシャ
フトや、前記(2)の方法で用いられるシャフトとして
は特に制限はなく、従来マグネットローラにおいて慣用
されているものを用いることができる。このシャフトと
しては、例えば金属製の中実シャフトや中空シャフト、
各種樹脂製のシャフトなどが挙げられる。
【0015】このようにして得られたマグネットローラ
は、そのまま用いてもよく、所望により、一旦脱磁した
のち、再び着磁させることによって、磁性粉を配向さ
せ、所望の磁力パターンを形成させてもよい。脱磁操作
及び着磁操作としては特に制限はなく、目的の磁力パタ
ーンに応じて、公知の装置を用い、公知の方法で行うこ
とができる。なお、複数のマグネット片をシャフトの外
周に配置固定してマグネットローラを作製する場合に
は、各マグネット片をシャフトの外周に配置固定するに
先立って脱磁して、各マグネット片の磁力による相互作
用を除いて配置を容易にし、配置固定後に着磁させるこ
とができる。本発明のマグネットローラは、複写機,プ
リンタ,ファクシミリ等の電子写真装置や静電記録装置
などの現像ローラやクリーニングローラを構成するマグ
ネットローラとして好適に使用されるものである。な
お、上記クリーニングローラは、感光ドラム等の潜像保
持体に残留するトナーをクリーニングブレードで掻き落
とした後、磁力によりこれを回収するものであり、回収
に好適な場所にマグネットローラを配置し、磁力によっ
てトナーをマグネットローラに吸着させ、所定の位置で
ブレードによりこのトナーをマグネットローラから剥が
し、所定の回収部にトナーを回収するものである。
【0016】本発明の現像装置は、回転自在に配設され
たスリーブ(通常円筒状)と、その内側に配設された前
記所望の磁力パターンを有するマグネットローラとから
なる現像ローラを具備してなるものであって、上記スリ
ーブ表面に該マグネットローラの磁気特性により磁性現
像剤を担持して成層ブレードによりこれを所定の厚さの
薄層に成層し、この状態で画像形成体表面に接触又は近
接させ、該マグネットローラの磁気特性により、上記ス
リーブから画像形成体表面に現像剤を供給して、該画像
形成体表面に可視画像を形成させるものである。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 キャビティの周囲に磁場を形成した金型内のキャビティ
に、バインダーとしてのエチレン−エチルアクリレート
共重合体10重量%と磁性粉としてのストロンチウムフ
ェライト粉末90重量%とを配合してなる磁石用組成物
を、シリンダー温度245℃,金型温度65℃及び射出
圧力6.86×107 Pa(700kg/cm2 )の条件
にて射出注入し、断面形状が円形のマグネット本体部
(径16mm,長さ310mm)と、この両端から突出
したシャフト部(径6mm,長さ30mm)とが一体化
してなる、断面形状において、シャフト部中心が本体部
中心から偏心した軸一体型マグネットローラを作製し
た。次に、このマグネットローラを公知の方法で脱磁処
理したのち、着磁処理することにより、図5に示すよう
にS極2,N極2,合計4極を有するマグネットローラ
が得られた。図5は、上記マグネットローラの正面図で
あって、シャフト部12の中心Bは、マグネット本体部
11の中心Aから0.5mm(半径に対し、6.25%)偏
心していた。マグネットローラをスリーブの内側に配設
し、スリーブ表面の磁力を測定したところ、各極磁力
は、S1極:800ガウス,N1極:600ガウス,S
2極:600ガウス,N2極:600ガウスであった。
【0018】実施例2 実施例1と同様にして、断面形状が図6に示すような形
状(略小判形)のマグネット本体部(長さ310mm)
と、この両端から突出したシャフト部(径6mm,長さ
30mm)とが一体化してなる、断面形状において、シ
ャフト部中心が本体部中心から偏心した軸一体型マグネ
ットローラを作製した。次に、このマグネットローラを
公知の方法で脱磁処理したのち、着磁処理することによ
り、図6に示すようにS極2,N極2,合計4極を有す
るマグネットローラが得られた。図6は、上記マグネッ
トローラの正面図であって、シャフト部12の中心B
は、マグネット本体部11’の中心A’から0.5mm
(A’−C間距離に対して、6.25%)偏心していた。
マグネットローラをスリーブの内側に配設し、スリーブ
表面の磁力を測定したところ、各極磁力は、S1極:8
00ガウス,N1極:550ガウス,S2極:550ガ
ウス,N2極:550ガウスであった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、スリーブ表面に非対称
で所望の磁極パターンを与えると共に、反りの発生が抑
制されたマグネットローラを、容易にかつ低い製造コス
トで得ることができる。このマグネットローラは、複写
機,ファクシミリ,プリンタなどの画像形成装置におい
て、感光ドラムなどの潜像保持体に現像剤を供給して該
潜像保持体上の静電潜像を現像する現像機構部などに好
適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のマグネットローラの一例を示す正面図
(a)及び側面図(b)である。
【図2】 従来のマグネットローラの一般的な磁極パタ
ーンである。
【図3】 本発明のマグネットローラの異なる例を示す
正面図である。
【図4】 本発明のマグネットローラの構造の異なる例
の側面図である。
【図5】 実施例1で得られたマグネットローラの正面
図である。
【図6】 実施例2で得られたマグネットローラの正面
図である。
【符号の説明】
11 :マグネット本体部 11’:マグネット本体部 12 :シャフト部 12a :シャフト部 12b :シャフト A :マグネット本体部中心 A’ :マグネット本体部中心 B :シャフト部中心

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が円形又はそれに近似した形状
    を有するマグネット本体部とシャフト部とからなり、か
    つ複数の磁極を有するマグネットローラにおいて、断面
    形状におけるシャフト部中心をマグネット本体部中心か
    ら偏心させたことを特徴とするマグネットローラ。
  2. 【請求項2】 断面形状において、マグネットローラ本
    体部中心からシャフト部中心を通る直線を引き、この直
    線が外周端と交わる点までの本体部中心からの距離に対
    し、1〜20%の範囲で、シャフト部中心を本体部中心
    から偏心させる請求項1記載のマグネットローラ。
  3. 【請求項3】 断面形状において、マグネットローラ本
    体部中心からシャフト部中心を通る直線を引き、この直
    線が外周端と交わる点までの本体部中心からの距離に対
    し、3〜10%の範囲で、シャフト部中心を本体部中心
    から偏心させる請求項1記載のマグネットローラ。
  4. 【請求項4】 マグネット本体部の断面形状が、円形を
    有する請求項1〜3のいずれかに記載のマグネットロー
    ラ。
  5. 【請求項5】 マグネット本体部の断面形状が、長円形
    あるいは略小判形である請求項1〜3のいずれかに記載
    のマグネットローラ。
  6. 【請求項6】 少なくともマグネットローラ本体部が、
    樹脂バインダーに磁性粉を分散した磁石用組成物を用
    い、キャビティの周囲に磁場を形成した金型にて成形し
    たものである請求項1〜5のいずれかに記載のマグネッ
    トローラ。
  7. 【請求項7】 マグネット本体部が、樹脂バインダーに
    磁性粉を分散した磁石用組成物を用いて得られた複数の
    マグネット片をシャフトの外周に配置固定することによ
    り得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載の
    マグネットローラ。
  8. 【請求項8】 回転自在に配設されたスリーブと該スリ
    ーブの内側に配設されたマグネットローラとからなる現
    像ローラを具備し、上記スリーブ表面に上記マグネット
    ローラの磁気特性により磁性現像剤を担持して成層ブレ
    ードによりこれを所定厚さの薄層に成層し、この状態で
    画像形成体表面に接触又は近接することにより、上記マ
    グネットローラの磁気特性により上記スリーブから画像
    形成体表面に現像剤を供給して該画像形成体表面に可視
    画像を形成する現像装置において、上記マグネットロー
    ラとして、請求項1〜7のいずれかに記載のマグネット
    ローラを用いたことを特徴とする現像装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載のマグネ
    ットローラからなるクリーニングローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142083A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Kaneka Corp マグネットローラ

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