JP2001185416A - マグネットローラ,現像ローラ及びそれを用いた現像装置 - Google Patents

マグネットローラ,現像ローラ及びそれを用いた現像装置

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雄一郎 天後
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程を要することなく所望の磁力パタ
ーンを発現することが可能なマグネットローラを提供す
ること。 【解決手段】 ボンド磁石組成物から一体的に成形され
てなるマグネット本体部と該マグネット本体部の軸方向
の両端又は片端から突出したシャフト部とからなるマグ
ネットローラにおいて、マグネット本体部の周方向に隣
接する一組の同極性の磁極を有するとともに、この隣接
する一組の同極性の磁極間の周方向中央部を含む位置
に、マグネット本体部の横断面積の5%以上の大きさで
軸方向全長にわたって切欠部を形成してなるマグネット
ローラである。またこのマグネットローラを用いた現像
ローラ及び現像装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットロー
ラ,現像ローラ及びそれを用いた現像装置に関する。さ
らに詳しくは、本発明は電子写真装置や静電記録装置な
どにおける現像機構部などに好適に使用され、複雑な工
程を要することなく所望の磁力パターンを発現すること
が可能なマグネットローラ、このマグネットローラから
なる現像ローラ及びそれを用いた現像装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機,プリンタ,ファクシミリ
などの電子写真装置や静電記録装置などにおいて、感光
ドラムなどの潜像保持体上の静電潜像を可視化するため
の現像ローラとして、回転するスリーブ内にボンド磁石
により成形されたマグネットローラを配設し、スリーブ
表面に保持した磁性現像剤(トナー)を、該マグネット
ローラの磁力特性により、潜像保持体上に飛翔させるい
わゆるジャンピング現象によって、潜像保持体表面にト
ナーを供給し、静電潜像を可視化する方法が知られてい
る。上記マグネットローラは、主にナイロンやポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂のバインダーにフェライトな
どの磁性粉体を混合したペレット形状のボンド磁石組成
物を、キャビティーの周囲に磁場を形成した金型を用い
て射出成形又は押出成形することによって、ローラ状に
成形すると共に、所望の磁力特性に着磁させることによ
り製造されている。
【0003】しかしながら、最近の電子写真装置等の進
歩に伴い、マグネットローラに対してもより複雑な磁力
パターンが要求される傾向にあるが、従前のマグネット
ローラでは、設計できる磁力パターンに限界があり、そ
の要求に充分に応えることができない場合があった。そ
こで、従来、マグネットローラの磁力パターンの自由度
を高めるために、複数のマグネット片を上記のボンド磁
石組成物で成形し、これらをシャフトの周囲に貼り合わ
せることにより所望の磁力パターンを得ることが提案さ
れている。通常、この方法によってマグネットローラを
得るには、各々のマグネット片をキャビティーの周囲に
磁場を形成した金型を用いて射出成形又は押出成形する
ことにより、マグネット片に含まれる磁性粉を磁場配向
させ、これを一旦脱磁してシャフトに貼り合わせた後、
再び着磁することによって、所望の磁力パターンを付与
していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の複
数のマグネット片を貼り合わせてなるマグネットローラ
は、これを製造するには、上述したように、各マグネ
ット片の成形工程、脱磁工程、各マグネット片の貼
り合わせ工程、及び着磁工程など多くの工程を要し、
その簡略化が望まれている。本発明は、このような事情
に鑑みてなされたものであり、簡単な工程で所望する磁
力パターンを有するマグネットローラ、及びこのマグネ
ットローラからなる現像ローラ並びに現像装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、複数のマグ
ネット片を貼り合わせてなるマグネットローラに代え
て、ボンド磁石組成物から一体的にマグネット本体部を
成形してなるマグネットローラについて、所望の磁力パ
ターンを得るべく鋭意研究を重ねた。その過程で同極性
の磁極が隣接するマグネットローラ、例えばN極−S極
−N極−N極−S極の5極からなるマグネットローラの
磁力パターンについて研究したところ、鮮明な画像を得
るには隣接する同極性の磁極(即ちN極−N極)間の磁
力変化を抑制することが効果的であるが、そのためには
マグネット本体部の所定の部位を一定の割合で本体部の
軸方向全長にわたって一様に切欠くことによって目的を
達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基い
て完成したものである。
【0006】すなわち本発明は、ボンド磁石組成物から
一体的に成形されてなるマグネット本体部と該マグネッ
ト本体部の軸方向の両端又は片端から突出したシャフト
部とからなるマグネットローラにおいて、マグネット本
体部の周方向に隣接する一組の同極性の磁極を有すると
ともに、この隣接する一組の同極性の磁極間の周方向中
央部を含む位置に、マグネット本体部の横断面積の5%
以上の大きさで軸方向全長にわたって切欠部を形成して
なるマグネットローラを提供するものである。また、本
発明はスリーブと該スリーブの内側に配設された上記マ
グネットローラからなる現像ローラを提供し、さらには
回転自在に配設されたスリーブと該スリーブの内側に配
設された上記マグネットローラからなる現像ローラを具
備し、上記スリーブ表面に上記マグネットローラの磁気
特性により磁性現像剤を保持して該現像剤の薄層を形成
し、この状態で画像形成体表面に接触又は近接すること
により、上記マグネットローラの磁気特性により上記ス
リーブから画像形成体表面に現像剤を供給して該画像形
成体表面に可視画像を形成する現像装置をも提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のマグネットローラは、ボ
ンド磁石組成物から一体的に成形されてなるマグネット
本体部と該マグネット本体部の軸方向の両端又は片端か
ら突出したシャフト部とからなるマグネットローラであ
る。このマグネットローラは、大きく下記〜の四種
に分類することができ、本発明においてはそのいずれで
あってもよい。 マグネット本体部とシャフト部とが、ボンド磁石組成
物により一体的に成形されてなる軸一体型のもの。 マグネット本体部とその片端のシャフト部とが、ボン
ド磁石組成物により一体的に成形され、かつ他端にシャ
フト部が挿入されてなる片端シャフト挿入型のもの。 マグネット本体部が、ボンド磁石組成物により一体的
に成形され、かつ両端にシャフト部が挿入されてなる両
端シャフト挿入型のもの。 マグネット本体部が、ボンド磁石組成物により一体的
にかつ中空に成形され、該中空部にシャフト部がマグネ
ット本体部を貫通するように挿入されてなるシャフト貫
通型のもの。 上記〜のマグネットローラにおいて、挿入用として
用いられるシャフトとしては、各種のものがあり、従来
からマグネットローラにおいて慣用されているものを用
いることができる。このシャフトとしては、例えば金属
製の中実シャフトや中空シャフト、各種樹脂製のシャフ
トなどが挙げられる。
【0008】本発明のマグネットローラは、マグネット
本体部の周方向に隣接する一組の同極性の磁極を有する
ものである。つまり、本発明では、S極とN極とが交互
に配置されているマグネットローラは対象外であり、例
えばN極−S極−N極−N極−S極、S極−N極−S極
−S極−N極、さらにはN極−S極−N極−N極−S極
−N極−S極、あるいはN極−S極−S極などのよう
に、同極性の磁極が一組隣接するようなマグネットロー
ラを対象とする。ここで磁極数は、上記の条件を満たす
ものであれば様々であるが、好ましくは奇数個、特に3
個,5個あるいは7個、とりわけ5個が最適である。
【0009】また本発明のマグネットローラは、この隣
接する一組の同極性の磁極間の周方向中央部を含む位置
に、マグネット本体部の横断面積の5%以上の大きさで
軸方向全長にわたって切欠部を形成してなる。なお、こ
こでマグネット本体部の横断面形状は特に制限はない
が、通常は円形,長円形あるいは略小判形などであり、
特に円形が好ましい。図1は、本発明のマグネットロー
ラの横断面の一例を概念的に示した説明図である。ここ
で1はマグネットローラ、2は一組の隣接する同極(N
極)性の磁極間の周方向中央部、3は切欠部である。本
発明ではこの切欠部の断面積が、マグネット本体部の横
断面積の5%以上、好ましくは10%以上、特に10〜
30%程度が好適である。5%未満では所望する磁力パ
ターンを得ることができず、一方あまり大きく切欠部を
設けると磁力低下が著しく実用的でない。なお、ここで
マグネット本体部の横断面積とは、切欠部を形成する前
の横断面積を意味する。切欠部3は、上述のような断面
積を有するものであって、それがマグネット本体部の軸
方向全長にわたって一様に形成されている。ここで切欠
部3の断面形状(正しくは切欠縁部の形状)は様々であ
り、例えば略コ字状、略U字状、略V字状など各種各様
のものが挙げられる。また、例えば切欠部の断面形状が
略コ字状の場合、切欠の幅(軸心からの半径と直交する
方向の長さ)と深さ(軸心からの半径方向の長さ)は特
に制限はないが、実用的にはマグネット本体部の切欠の
深さは、該本体部の外周から中心(軸心)に向かって半
径の100%以内で選定すべきである。また、この切欠
部3の領域は、隣接する同極(N極)性の磁極間の周方
向中央部2を含むものであれば、これら両極から等距離
にある場合は勿論、いずれかの磁極側に偏在していても
よい。
【0010】前記切欠部は、上述した条件を満足するよ
うに形成すればよく、そうすることによって、本発明の
マグネットローラは、次に示すような磁力パターンを有
するものとなる。即ち、図2はN極−S極−N1 極−N
2 極−S極の5極を有する本発明のマグネットローラの
磁力パターンであるが、ここで隣接する同極(N極)性
の一組の磁極間(N1 −N2 間)の磁力パターンの極小
磁力点(M)から40ガウス差以内の領域(a−b間)
が、ローラの角度(位相差)で30°以上となってい
る。つまり、本発明のマグネットローラでは、切欠部を
形成したために、隣接する同極性の磁極間の磁力パター
ンが、比較的平坦になっており、そのことによってこれ
を例えば現像ローラに用いた場合には、鮮明な画像を得
ることが可能となる。
【0011】ところで本発明のマグネットローラは、ボ
ンド磁石組成物を用いて成形されるが、ここで用いるボ
ンド磁石組成物は、樹脂バインダーに磁性粉を分散させ
たものであって、該樹脂バインダーとしては特に制限は
なく、従来マグネットローラにおいて慣用されているも
のの中から任意のものを選択して用いることができる。
この樹脂バインダーとしては、例えばナイロン6,ナイ
ロン12などのポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂(EEA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂(EVOH)、さらにはポリプ
ロピレン樹脂やポリエチレン,ポリエチレン共重合体な
どのポリオレフィン、これらポリオレフィンの構造中に
無水マレイン酸基,カルボキシル基,ヒドロキシル基,
グリシジル基などの反応性をもつ官能基を導入した変性
ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中で、特に
ポリアミド樹脂やEEAが好適である。これらの樹脂バ
インダーは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0012】一方、磁性粉としては特に制限はなく、従
来マグネットローラにおいて慣用されているものの中か
ら、任意のものを選択して用いることができる。具体的
にはストロンチウムフェライト,バリウムフェライト,
鉛フェライトなどのフェライト粉末、Sm−Co合金,
Nd−F−B合金,Ce−Co合金などの希土類系合金
粉末などが挙げられる。これらの磁性粉は単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ボンド
磁石組成物における樹脂バインダーと磁性粉の配合割合
は、特に制限はなく、マグネットローラの要求される磁
力の強さに応じて適宜選定されるが、通常は、ボンド磁
石組成物全量に対し、80〜95重量%(密度が3.0〜
4.0g/cm3 程度)の範囲で選定することが好まし
い。
【0013】このボンド磁石組成物には、必要に応じ、
マイカやタルク、あるいは炭素繊維,ガラス繊維などの
繊維やウイスカーなどの補強効果の大きな充填材を添加
することができる。すなわち、成形品に要求される磁力
が比較的低くて磁性粉の充填量が少ない場合には、成形
品の剛性が低くなりやすく、このような場合には剛性を
補うために、マイカやウイスカーなどの充填材を添加し
て成形品の補強を行うことができる。この場合、好適に
用いられる充填材としては、マイカやウイスカーなどが
挙げられる。このウイスカーとしては、例えば炭化ケイ
素,窒化ケイ素などからなる非酸化物系ウイスカー、Z
nO,MgO,TiO2 ,SnO2 ,Al2 3 などか
らなる金属酸化物系ウイスカー、チタン酸カリウム,ホ
ウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウムなどからな
る複酸化物系ウイスカーなどが挙げられるが、これらの
中で、プラスチックとの複合化が容易な点から複酸化物
系ウイスカーが好適である。これらの充填材を用いる際
の配合割合については特に制限はないが、通常はボンド
磁石組成物全量に対して、2〜32重量%、好ましくは
5〜20重量%の範囲である。
【0014】前記ボンド磁石組成物の調製方法としては
特に制限はないが、例えば樹脂バインダー,磁性粉及び
必要に応じて用いられる充填材を、通常の方法に従って
混合し、溶融混練したのち、ペレット状に成形すること
により、ボンド磁石組成物を調製することができる。こ
の際、溶融混練には、二軸混練押出機,KCK混練押出
機などを用いる通常の方法及び条件を採用することがで
きる。
【0015】本発明のマグネットローラを製造するに
は、通常の金型を用いて切欠部のないマグネットローラ
を射出成形などによって成形し、しかる後に該ローラの
所定の位置を切削して所望する切欠部を形成してもよい
が、工程を簡略化し、また材料の節約の観点からは、形
成すべき切欠部に対応する形状の中子等を金型内の所定
位置に予め配置しておき、その金型にボンド磁石組成物
を射出成形することによって、所望の切欠部を有するマ
グネットローラを形成することが実用的である。本発明
のマグネットローラは、上述の操作以外は通常の手法で
製造することができ、また着磁の方法についても特に制
限はない。例えばマグネット本体部を金型により成形す
る際に、該金型のキャビティーの周囲に磁場を形成して
成形と同時に所望の磁力パターンに着磁する方法や、同
様に金型のキャビティーの周囲に磁場を形成して、磁性
粉を所望の方向に配向させ、これを一旦脱磁してローラ
に形成した後、着磁機を用いて所望の磁力パターンに着
磁する方法などがある。
【0016】本発明の現像ローラは、スリーブ(通常は
円筒状)と該スリーブの内側に配設された上記マグネッ
トローラからなるものである。また本発明の現像装置
は、回転自在に配設されたスリーブと該スリーブの内側
に配設された上記マグネットローラからなる現像ローラ
を具備し、上記スリーブ表面に上記マグネットローラの
磁気特性により磁性現像剤を保持して、これを成層ブレ
ードなどによって所定の厚さの現像剤の薄層を形成し、
この状態で画像形成体表面に接触又は近接することによ
り、上記マグネットローラの磁気特性により上記スリー
ブから画像形成体表面に現像剤を供給して該画像形成体
表面に可視画像を形成させるものである。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 比較例1 キャビティーの周囲に磁場を形成した金型内のキャビテ
ィーに、バインダーとしてのエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体10重量%と磁性粉としてのストロンチウ
ムフェライト粉末90重量%とを配合してなるボンド磁
石組成物を、シリンダー温度245℃、金型温度65℃
及び射出圧力6.86×107 Pa(700kg/c
2 )の条件で射出注入し、マグネット本体部(径14
mm,長さ315mm)と、この両端から突出したシャ
フト部(径6mm,長さ30mm)とが一体化してなる
軸一体型マグネットローラを作製した。次に、このマグ
ネットローラを公知の方法で脱磁処理した後、着磁処理
することにより、N極−S極−N極(N1 )−N極(N
2 )−S極の合計5極を有し、図3に示す磁力パターン
を有するマグネットローラを得た。図3の磁力パターン
によれば、N1 −N2 極間の磁力パターンの極小磁力点
は88.4ガウスであり、そこから40ガウス差以内の領
域は、ローラの角度で26.64°であった。続いて、上
記マグネットローラを用いて現像ローラを作製し、これ
を電子写真装置(複写機)に装着して複写を行ったとこ
ろ、得られた画像は不鮮明であった。
【0018】実施例1〜10及び参考例1〜2 比較例1において作製したN極−S極−N極(N1 )−
N極(N2 )−S極の合計5極を有する軸一体型のマグ
ネットローラについて、図4に示すようにN1−N2
間の周方向中央部を中心に第1表に示す所定の幅(x)
及び深さ(y)で断面コ字状に軸方向全長にわたって切
欠部3を形成した。次に得られた切欠部3を形成したマ
グネットローラについて、磁力パターンを測定し、N1
−N2 極間の磁力パターンの極小磁力点から40ガウス
差以内の領域を、ローラの角度で算出した。その結果を
第1表に示す。また、ここで得られたマグネットローラ
を用いて現像ローラを作製し、これを電子写真装置(複
写機)に装着して複写を行ったところ、得られた画像は
実施例1〜10ではいずれも鮮明であったが、参考例1
及び2では不鮮明であった。なお、比較例1の結果も併
せて第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】*1:N1 −N2 極間の磁力パターンの極
小磁力点から40ガウス差以内の領域をローラ角度で算
出した値。 *2:マグネット本体部の横断面積に対する切欠部の面
積の割合。但し、ここでマグネット本体部の横断面積と
は切欠部形成前の面積を意味する。
【0021】
【発明の効果】本発明のマグネットローラは、簡単な工
程で安価に製造することができるとともに、このマグネ
ットローラからなる現像ローラを用いれば鮮明な画像が
得られ、したがって複写機,プリンター,ファクシミリ
などの電子写真装置や静電記録装置などのおける現像機
構部などに好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマグネットローラの横断面の一例を
概念的に示す説明図。
【図2】 N極−S極−N1 極−N2 極−S極の5極を
有する本発明のマグネットローラの磁力パターンの一
例。
【図3】 比較例1のマグネットローラの磁力パター
ン。
【図4】 実施例1〜10及び参考例1〜2のマグネッ
トローラの横断面を概念的に示す説明図。
【符号の説明】
1:マグネットローラ 2:一組の隣接する同極(N極)性の磁極間の周方向中
央部 3:切欠部 M:一組の隣接する同極(N極)性の磁極間の磁力パタ
ーンの極小磁力点 x:切欠幅 y:切欠深さ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボンド磁石組成物から一体的に成形され
    てなるマグネット本体部と該マグネット本体部の軸方向
    の両端又は片端から突出したシャフト部とからなるマグ
    ネットローラにおいて、マグネット本体部の周方向に隣
    接する一組の同極性の磁極を有するとともに、この隣接
    する一組の同極性の磁極間の周方向中央部を含む位置
    に、マグネット本体部の横断面積の5%以上の大きさで
    軸方向全長にわたって切欠部を形成してなるマグネット
    ローラ。
  2. 【請求項2】 隣接する一組の同極性の磁極間の磁力パ
    ターンにおける極小磁力点から40ガウス差以内の領域
    が、ローラの角度で30°以上である請求項1記載のマ
    グネットローラ。
  3. 【請求項3】 マグネット本体部における切欠部の深さ
    が、該本体部の外周から軸心に向かって半径の100%
    以内である請求項1又は2記載のマグネットローラ。
  4. 【請求項4】 奇数個の磁極を有するものである請求項
    1〜3のいずれかに記載のマグネットローラ。
  5. 【請求項5】 奇数個が3,5又は7個である請求項4
    記載のマグネットローラ。
  6. 【請求項6】 奇数個が5個である請求項4記載のマグ
    ネットローラ。
  7. 【請求項7】 マグネット本体部とシャフト部とが、ボ
    ンド磁石組成物により一体的に成形されてなる軸一体型
    のものである請求項1〜4のいずれかに記載のマグネッ
    トローラ。
  8. 【請求項8】 マグネット本体部とその片端のシャフト
    部とが、ボンド磁石組成物により一体的に成形され、か
    つ他端にシャフト部が挿入されてなる片端シャフト挿入
    型のものである請求項1〜4のいずれかに記載のマグネ
    ットローラ。
  9. 【請求項9】 マグネット本体部が、ボンド磁石組成物
    により一体的に成形され、かつ両端にシャフト部が挿入
    されてなる両端シャフト挿入型のものである請求項1〜
    4のいずれかに記載のマグネットローラ。
  10. 【請求項10】 マグネット本体部が、ボンド磁石組成
    物により一体的にかつ中空に成形され、該中空部にシャ
    フト部がマグネット本体部を貫通するように挿入されて
    なるシャフト貫通型のものである請求項1〜4のいずれ
    かに記載のマグネットローラ。
  11. 【請求項11】 スリーブと該スリーブの内側に配設さ
    れた請求項1〜10のいずれかに記載のマグネットロー
    ラからなる現像ローラ。
  12. 【請求項12】 回転自在に配設されたスリーブと該ス
    リーブの内側に配設された請求項1〜10のいずれかに
    記載のマグネットローラからなる現像ローラを具備し、
    上記スリーブ表面に上記マグネットローラの磁気特性に
    より磁性現像剤を保持して該現像剤の薄層を形成し、こ
    の状態で画像形成体表面に接触又は近接することによ
    り、上記マグネットローラの磁気特性により上記スリー
    ブから画像形成体表面に現像剤を供給して該画像形成体
    表面に可視画像を形成する現像装置。
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