JPH11243009A - マグネットローラ及びその製造方法 - Google Patents

マグネットローラ及びその製造方法

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JPH11243009A
JPH11243009A JP4236398A JP4236398A JPH11243009A JP H11243009 A JPH11243009 A JP H11243009A JP 4236398 A JP4236398 A JP 4236398A JP 4236398 A JP4236398 A JP 4236398A JP H11243009 A JPH11243009 A JP H11243009A
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JP
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magnet
magnetic force
main body
roller
shaft
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JP4236398A
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Inventor
Yasuhei Goto
泰平 後藤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネット片の貼り合わせ又は埋設により形
成されたロール状マグネット本体部を有し、かつマグネ
ット片を切断することなく、軸長手方向の磁力が均一な
マグネットローラを提供すること。 【解決手段】 高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部
(B)とを有するマグネット片の少なくとも二つを、シ
ャフトの回転方向に沿って端部(A)と端部(B)とが
互い違いになるように貼り合わせてなるマグネット本体
部、又は少なくとも一つの埋設部を有し、それに隣接す
るいずれか一方の領域が高磁力側の端部(A’)と低磁
力側の端部(B’)とを有する本体用部材の該埋設部
に、上記マグネット片の少なくとも一つを端部(A)と
端部(B’)及び端部(B)と端部(A’)とが隣接す
るように配置してなるマグネット本体部を有するマグネ
ットローラである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットローラ
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、電子写真装置や静電記録装置などにおける現像機構
部などに好適に使用され、かつ軸長手方向の磁力が均一
なマグネットローラ、及びこれを効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタなどの電子写真
装置や静電記録装置などにおいて、感光ドラムなどの潜
像保持体上の静電潜像を可視化するための現像ローラと
して、回転するスリーブ内にボンド磁石により成形され
たマグネットローラを配設し、スリーブ表面に保持した
磁性現像剤(トナー)を、該マグネットローラの磁力特
性により、潜像保持体上に飛翔させるいわゆるジャンピ
ング現象によって、潜像保持体表面にトナーを供給し、
静電潜像を可視化する方法が知られている。上記マグネ
ットローラは、これまで、主にナイロンやポリプロピレ
ンなどの熱可塑性樹脂のバインダーにフェライトなどの
磁性粉体を混合したペレット形状のボンド磁石組成物
を、キャビティーの周囲に磁場を形成した金型を用いて
射出成形又は押出成形することによって、ローラ状に成
形すると共に、所望の磁力特性に着磁させることによ
り、製造されている。しかしながら、最近の電子写真装
置などの進歩に伴い、マグネットローラに対してもより
複雑な磁力パターンが要求される傾向にあるが、これま
でのマグネットローラでは設計し得る磁力パターンに限
界があり、この要求に充分に応えることができない。そ
こで、近年、マグネットローラの磁力パターンの自由度
を高めるため、目的とする磁力パターンに応じた磁極を
着磁させた複数のマグネット片を上記ボンド磁石で成形
し、これらをシャフトの周囲に貼り合わせることにより
所望の磁力パターンを構成することが行われている。
【0003】上記マグネット片は、通常射出成形によっ
て作製されるが、この場合、得られたマグネット片の長
手方向(即ち、形成されるマグネットローラの軸方向)
の磁力が、ボンド磁石組成物を注入したゲート口側と反
ゲート口側とで異なり、反ゲート口側の磁力が高くなる
のを免れず、したがって、このようなマグネット片を用
いて作製したマグネットローラは、軸長手方向の磁力が
不均一となり、種々のトラブルの原因となるなどの問題
があった。前記マグネット片を射出成形により作製する
場合、ゲート口側と反ゲート口側の磁力が異なる原因に
ついては、必ずしも明確ではないが、射出成形の際に、
ボンド磁石組成物中の磁性粉を配向又は着磁させるため
に、キャビティーの周囲に磁場を印加しながら、ボンド
磁石組成物を射出注入することから、キャビティー内の
ボンド磁石組成物の流れが悪化し、得られる成形体内部
における温度分布が異なり、その結果磁性粉の配向状態
がゲート口側と反ゲート口側とで異なるものになること
に起因すると推察される。このような問題を解決するた
めに、予めマグネット片を目的の長さよりも長く成形
し、反ゲート側の端部(磁力が高い部分)を切断するこ
とにより、所望の長さに調節する処置を採ることが提案
されている。しかしながら、この場合、切断工程が新た
に必要となり、製造コストが高くつくのを免れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、マグネット片の貼り合わせ又はマグネット片
の埋設により形成されたマグネット本体部とシャフトと
からなり、かつマグネット片の端部を切断することな
く、軸長手方向の磁力が均一なマグネットローラを提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、長手方向の磁
力において高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部
(B)とを有する長手状マグネット片を、端部(A)と
端部(B)とが互い違いになるように交互に貼り合わせ
てマグネット本体部を形成することにより、あるいは、
長手状マグネット片を配置するための埋設部を有し、か
つそれに隣接するいずれか一方の領域が軸方向の磁力に
おいて高磁力側の端部(A’)と低磁力側の端部
(B’)とを有する本体用部材の該埋設部に、前記マグ
ネット片を、端部(A)と端部(B’)及び端部(B)
と端部(A’)とが隣接するように配置してマグネット
本体部を形成することにより、その目的を達成しうるこ
とを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成した
ものである。すなわち、本発明は、(1)シャフトとロ
ール状マグネット本体部とからなるマグネットローラに
おいて、長手方向(つまり、形成されるマグネットロー
ラの軸方向)の磁力において高磁力側の端部(A)と低
磁力側の端部(B)とを有する長手状のマグネット片の
少なくとも二つを、シャフトの回転方向に沿って端部
(A)と端部(B)とが互い違いになるように交互に貼
り合わせることにより、上記マグネット本体部あるいは
その一部が形成されたことを特徴とするマグネットロー
ラ(以下、マグネットローラIと称する。)、(2)シ
ャフトとロール状マグネット本体部とからなるマグネッ
トローラにおいて、長手方向の磁力において高磁力側の
端部(A)と低磁力側の端部(B)とを有する長手状マ
グネット片の少なくとも一つを、それを配置するための
埋設部を有しかつ該埋設部に隣接するいずれか一方の磁
極が長手方向の磁力において高磁力側の端部(A’)と
低磁力側の端部(B’)とを有する本体用部材の該埋設
部に、端部(A)と端部(B’)及び端部(B)と端部
(A’)とが隣接するように配置することにより、上記
マグネット本体部が形成されたことを特徴とするマグネ
ットローラ(以下、マグネットローラIIと称する。)、
【0006】(3)シャフトとロール状マグネット本体
部とからなるマグネットローラを製造するに当たり、キ
ャビティーの周囲に磁場を形成してなる金型内のキャビ
ティーに、樹脂バインダーに磁性粉を分散したボンド磁
石組成物を射出注入して、ボンド磁石成形体を形成する
と同時に、その中の磁性粉の配向又は着磁を行い、長手
方向の磁力において高磁力側の端部(A)と低磁力側の
端部(B)とを有する長手状マグネット片を作製したの
ち、このマグネット片の少なくとも二つを、シャフトの
回転方向に沿って端部(A)と端部(B)とが互い違い
になるように交互に貼り合わせて、マグネット本体部あ
るいはその一部を形成することを特徴とするマグネット
ローラの製造方法、及び(4)シャフトとロール状マグ
ネット本体部とからなるマグネットローラを製造するに
当たり、キャビティーの周囲に磁場を形成してなる金型
内のキャビティーに、樹脂バインダーに磁性粉を分散し
たボンド磁石組成物を射出注入して、ボンド磁石成形体
を形成すると同時に、その中の磁性粉の配向又は着磁を
行い、長手方向の磁力において高磁力側の端部(A)と
低磁力側の端部(B)とを有する長手状マグネット片を
作製したのち、このマグネット片の少なくとも一つを、
それを配置するための埋設部を有しかつ該埋設部に隣接
するいずれか一方の磁極が長手方向の磁力において高磁
力側の端部(A’)と低磁力側の端部(B’)とを有す
る本体用部材の該埋設部に、端部(A)と端部(B’)
及び端部(B)と端部(A’)とが隣接するように配置
してマグネット本体部を形成することを特徴とするマグ
ネットローラの製造方法、を提供するものである
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のマグネットローラI及び
IIは、シャフトとロール状マグネット本体部とからなる
ものであって、マグネットローラIは、少なくとも二つ
の長手状のマグネット片を貼り合わせてマグネット本体
部(或いはその一部)を形成したものであり、一方、マ
グネットローラIIは、少なくとも一つの長手状のマグネ
ット片を、埋設部を有する本体用部材に埋設してマグネ
ット本体部を形成したものである。このマグネット片の
製造原料等については、特に制限はなく、焼結磁石や、
樹脂バインダーに磁性粉を分散してなるボンド磁石組成
物からなるものなど、いずれであってもよいが、特に上
記ボンド磁石組成物の射出成形により得られたものが好
ましい。本発明のマグネットローラI及びIIにおいて用
いられるマグネット片は、本発明の方法によれば、キャ
ビティーの周囲に磁場を形成してなる金型内のキャビテ
ィーに、樹脂バインダーに磁性粉を分散したボンド磁石
組成物を射出注入して、ボンド磁石成形体を形成すると
同時に、その中の磁性粉の配向又は着磁を行うことによ
り、効率よく作製することができる。
【0008】上記ボンド磁石組成物に用いられる樹脂バ
インダーとしては特に制限はなく、従来マグネットロー
ラにおいて慣用されているものの中から任意のものを選
択して用いることができる。この樹脂バインダーとして
は、例えばナイロン6,ナイロン12などのポリアミド
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(P
BT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エポ
キシ樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
(EVOH)、さらにはポリプロピレン樹脂やポリエチ
レン,ポリエチレン共重合体などのポリオレフィン、こ
れらポリオレフィンの構造中に無水マレイン酸基,カル
ボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル基などの反応
性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィンなどが挙
げられる。これらの中で、特にポリアミド樹脂やEEA
が好適である。これらの樹脂バインダーは単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】一方、磁性粉としては特に制限はなく、従
来マグネットローラにおいて慣用されているものの中か
ら、任意のものを選択して用いることができる。具体的
にはストロンチウムフェライト,バリウムフェライト,
鉛フェライトなどのフェライト粉末、Sm−Co合金,
Nd−F−B合金,Ce−Co合金などの希土類系合金
粉末などが挙げられる。これらの磁性粉は単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ボンド
磁石組成物における樹脂バインダーと磁性粉の配合割合
は、特に制限はなく、マグネットローラの要求される磁
力の強さに応じて適宜選定されるが、通常は、ボンド磁
石組成物全量に対し、80〜95重量%(密度が3.0〜
4.0g/cm3 程度)の範囲で選定することが好まし
い。
【0010】このボンド磁石組成物には、必要に応じ、
マイカやタルク、あるいは炭素繊維,ガラス繊維などの
繊維やウイスカーなどの補強効果の大きな充填材を添加
することができる。すなわち、成形品に要求される磁力
が比較的低くて磁性粉の充填量が少ない場合には、成形
品の剛性が低くなりやすく、このような場合には剛性を
補うために、マイカやウイスカーなどの充填材を添加し
て成形品の補強を行うことができる。この場合、好適に
用いられる充填材としては、マイカやウイスカーなどが
挙げられる。このウイスカーとしては、例えば炭化ケイ
素,窒化ケイ素などからなる非酸化物系ウイスカー、Z
nO,MgO,TiO2 ,SnO2 ,Al2 3 などか
らなる金属酸化物系ウイスカー、チタン酸カリウム,ホ
ウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウムなどからな
る複酸化物系ウイスカーなどが挙げられるが、これらの
中で、プラスチックとの複合化が容易な点から複酸化物
系ウイスカーが好適である。
【0011】これらの充填材を用いる際の配合割合につ
いては特に制限はないが、通常はボンド磁石組成物全量
に対して、2〜32重量%、好ましくは5〜20重量%
の範囲である。前記ボンド磁石組成物の調製方法として
は特に制限はないが、例えば樹脂バインダー,磁性粉及
び必要に応じて用いられる充填材を、通常の方法に従っ
て混合し、溶融混練したのち、ペレット状に成形するこ
とにより、ボンド磁石組成物を調製することができる。
この際、溶融混練には、二軸混練押出機,KCK混練押
出機などを用いる通常の方法及び条件を採用することが
できる。マグネット片は、このようにして調製されたボ
ンド磁石組成物を、キャビティーの周囲に磁場を形成し
た金型内のキャビティーに射出注入し、所望形状に成形
することにより得られる。この際、金型としては、例え
ば図1に示すようなものを使用することができる。
【0012】図1は、マグネット片を成形するための金
型の一例の概略断面図である。この図1に示すように、
該マグネット片は、非磁性金属材料2を挟んでそれぞれ
鉄などの磁性金属材料3a,3bを配置し、これら磁性
金属材料3a,3bの間にキャビティー1を形成した金
型を用い、コイル4に通電してキャビティー1の周囲に
磁場を形成した状態で上記ボンド磁石組成物を射出注入
成形することにより形成される。この場合、キャビティ
ー1の両側面及び下端面(マグネット片の表面側と対向
する側の面、つまりシャフトへの接合面)を磁性金属材
料3bで形成すると共に、磁性金属材料3aに凸部5を
突設して該凸部5の先端をキャビティー1の表面側の所
望位置近傍に配置した金型が用いられる。このような金
型を用いて成形した上記マグネット片は、図1に矢印で
示されているように、表面側の所定位置から両側面及び
シャフトへの接合面へと上記磁性粉が配向したものとな
り、高い磁力ピークが得られるが、長手方向の磁力にお
いて高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部(B)とを
有するものとなる。本発明においては、このマグネット
片の形状については、複数のマグネット片を貼り合わせ
て、あるいは本体用部材に埋設してロール状マグネット
本体部を形成できるように長手状(即ち、棒状)のもの
であれば特に制限はなく、断面が扇状のものや長方形状
のものなど、状況に応じて適宜選択することができる。
また、端部(A)と端部(B)との磁力差が80ガウス
以下のマッグネット片が好適である。
【0013】本発明のマグネットローラIにおいては、
このようにして作製されたマグネット片を2個以上用
い、シャフトの回転方向に沿って端部(A)と端部
(B)とが互い違いになるように交互に貼り合わせるこ
とにより、マグネット本体部あるいはその一部を形成す
る。このように、マグネット片を交互に貼り合わせるこ
とにより、得られたマグネットローラは、軸長手方向の
磁力が均一となる。このマグネット本体部の形成に使用
するマグネット片の数としては特に制限はなく、求めら
れる磁力パターンなどに応じて適宜選定されるが、通常
は2〜8個程度である。また、シャフトとしては、特に
制限はなく、従来マグネットローラにおいて慣用されて
いるものを用いることができる。このシャフトとして
は、例えば金属製の中実シャフトや中空シャフト、各種
樹脂製のシャフトなどが挙げられる。この場合、断面多
角形状のシャフトとしてもよい。シャフトの外周にマグ
ネット片を貼り合わせ固定するには、通常接着剤が用い
られる。
【0014】図2は、本発明のマグネットローラIの一
例の分解斜視図であって、断面略扇状に形成した複数
(図では4個)の棒状マグネット片7を、端部Aと端部
Bとが互い違いになるように交互に貼り合わせて、シャ
フト6の外周にマグネット本体部8を形成した構造を示
す。本発明のマグネットローラIは、通常図2に示した
ように、シャフト6の外周に複数のマグネット片7を貼
り合わせて固定してなるものが好ましいが、本発明は、
これに限定されるものではなく、シャフトとマグネット
本体部とを一体的に成形し、マグネット本体部の一部に
マグネット片配置部を設け、このマグネット片配置部
に、2個以上の前記マグネット片を端部(A)と端部
(B)とが互い違いになるように交互に貼り合わせたも
のを配置固定し、マグネット本体部の一部をマグネット
片により形成したものであってもよい。図3は、本発明
のマグネットローラIの他の例の概略正面図であって、
シャフト6とマグネット片配置部を有するマグネット本
体部8aとが一体的に成形され、該マグネット片配置部
に、マグネット片7aと7bとを、端部Aと端部Bとが
互い違いになるように貼り合わせたものが配置、固定さ
れた構造を示す。
【0015】このような構造のマグネットローラにおい
ては、一体的に成形されたシャフトとマグネット本体部
の構造としては、例えば以下の図4(a)〜(d)で示
すものを挙げることができる。図4(a)〜(d)は、
それぞれ一体的に成形されたシャフトとマグネット片配
置部を有するマグネット本体部の構造の異なる例の側面
図(マグネット片配置部は図示せず。)であって、
(a)は、マグネット片配置部を有するマグネット本体
部8aとシャフト6aとが、磁石組成物により一体的に
作製されてなる軸一体型の構造を示す。(b)は、マグ
ネット片配置部を有するマグネット本体部8aと一方の
側のシャフト6aとが、磁石組成物により一体的に作製
され、かつ他の側に金属などのシャフト6bが挿入され
てなる片側シャフト挿入型の構造を示す。(c)は、マ
グネット片配置部を有するマグネット本体部8aが磁石
組成物により作製され、かつその両側に金属などのシャ
フト6bが挿入されてなる両側シャフト挿入型の構造を
示す。また、(d)は、マグネット片配置部を有するマ
グネット本体部8aが磁石組成物により作製され、かつ
金属などのシャフト6bが挿入されてなるシャフト挿入
型の構造を示す。
【0016】一方、本発明のマグネットローラIIにおい
ては、前記マグネット片を配置するための一つ以上の埋
設部(埋設用切欠き部)を有し、かつ該埋設部に隣接す
るいずれか一方の磁極が(好ましくはいずれの磁極も)
長手方向の磁力において高磁力側の端部(A’)と低磁
力側の端部(B’)とを有する本体用部材の該埋設部
に、長手方向の磁力において高磁力側の端部(A)と低
磁力側の端部(B)とを有する前記マグネット片の一つ
以上(通常は、本体用部材の一つの埋設部に一つのマグ
ネット片、また複数の埋設部がある場合にも埋設部ごと
に一つのマグネット片)を、端部(A)と端部(B’)
及び端部(B)と端部(A’)とが隣接するように配置
し、マグネット本体部を形成する。このようにマグネッ
ト片を埋設部に配置することにより、得られたマグネッ
トローラは、軸長手方向の磁力が均一となる。前記のマ
グネット片を配置するための一つ以上の埋設部を有し、
かつ該埋設部に隣接するいずれか一方の磁極が長手方向
の磁力において高磁力側の端部(A’)と低磁力側の端
部(B’)とを有する部材は、例えばボンド磁石組成物
を用い、射出成形法により、シャフトと一体化したもの
を成形することにより、作製することができる。このよ
うな構造としては、前記の図4(a)〜(d)に示すも
のを挙げることができる。
【0017】本発明においては、この部材における端部
(A’)と端部(B’)との磁力差は、80ガウス以下
が好ましい。図5は、本発明のマグネットローラIIの一
例の概略正面図であって、シャフト6とマグネット片埋
設部を有する本体用部材8bが一体的に成形され、該マ
グネット片埋設部に、マグネット片7cを、その端部A
が本体用部材8bの端部B’に隣接するように配置、固
定した構造を示す。本発明のマグネットローラI及びII
において、マグネット片の貼り合わせや配置、固定する
ために用いられる接着剤としては、特に制限はなく、マ
グネット片の材質に応じて適宜選択されるが、例えばア
クリル系樹脂,エチレン系共重合体,熱可塑性ポリアミ
ド,ポリエステル,ポリウレタンなどからなる熱可塑性
接着剤、アミノ樹脂(尿素樹脂,メラミン樹脂など),
フェノール樹脂,レゾルシノールホルムアルデヒド樹
脂,キシレン樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂,ポリイ
ソシアネート樹脂,熱硬化性アクリル樹脂,ナイロン,
エポキシ樹脂などからなる熱硬化性接着剤、ポリクロロ
プレン,ニトリルゴムなどからなるゴム系接着剤、エチ
レン−酢酸ビニルコポリマー,ポリアミド,ポリエステ
ルなどからなるホットメルト接着剤、シアノアクリレー
ト系瞬間接着剤、テトラエチレングリコール・ジメタク
リレートなどからなる嫌気性接着剤などを挙げることが
できる。このようにして得られたマグネットローラは、
通常一旦脱磁したのち、再び着磁させることによって、
磁性粉を配向させ、所望の磁力パターンを形成させる。
脱磁操作及び着磁操作としては特に制限はなく、目的の
磁力パターンに応じて、公知の装置を用い、公知の方法
で行うことができる。また、このマグネットローラは、
通常その外周に、さらにアルミニウムスリーブが設けら
れる。
【0018】本発明のマグネットローラは、複写機,プ
リンタなどの電子写真装置や静電記録装置などの現像ロ
ーラやクリーニングローラを構成するマグネットローラ
として好適に使用されるものである。なお、上記クリー
ニングローラは、感光ドラムなどの潜像保持体に残留す
るトナーをクリーニングブレードで掻き落としたのち、
磁力によりこれを回収するものであり、回収に好適な場
所にマグネットローラを配置し、磁力によってトナーを
マグネットローラに吸着させ、所定の位置でブレードに
よりこのトナーをマグネットローラから剥し、所定の回
収部にトナーを回収するものである。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳しく
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例 エチレン−エチルアクリレート共重合体10重量%とス
トロンチウムフェライト粉末90重量%とからなるボン
ド磁石組成物を、図1に示す金型を使用し、シリンダー
温度245℃,金型温度65℃及び射出圧力700kg
/cm2 の条件にて射出注入成形することにより、外側
円孤の直径16mm,内側円孤の直径6mm及び中心角
45度の断面が扇状で、かつ表面にS極及びN極を有す
る二種のマグネット片を作製した。このようにして得ら
れたマグネット片は、いずれも高磁力側の端部(A)
(反ゲート側)の磁力が780ガウス、低磁力側の端部
(B)(ゲート側、端部にゲート跡が残留)の磁力が7
00ガウスであり、磁力差は80ガウスであった。
【0020】次に、金属シャフト上に、上記二種のマグ
ネット片4個ずつ計8個を図6に示すとおり、端部
(A)と端部(B)とが互い違いになるように交互に貼
り合わせ、マグネットローラを作製した。なお、図6
は、本実施例で作製したマグネットローラの概略正面図
であって、6はシャフト、9はゲート跡である。得られ
たマグネットローラを公知の方法で脱磁処理し、再び着
磁処理したのち、各磁極の軸方向の磁力ををれぞれ測定
し、端部の磁力差及び軸方向の磁力のばらつきを求め
た。なお、軸方向の磁力のばらつきは、軸方向の1mm
間隔おきに磁力を測定し、その差を計測して、その差が
最大となる値で示した。結果を第1表に示す。
【0021】比較例 金属シャフト上に、実施例で得られた二種のマグネット
片4個ずつ計8個を、図7に示すとおり、各マグネット
片の端部(B)が同一側になるように貼り合わせ、マグ
ネットローラを作製した。なお、図7は、本比較例で作
製したマグネットローラの概略正面図であって、6はシ
ャフト、9はゲート跡である。得られたマグネットロー
ラを実施例と同様に脱磁,着磁処理したのち、評価し
た。結果を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】第1表から明らかなように、磁力差を有す
るマグネット片を、高磁力側の端部と低磁力側の端部が
互い違いになるように交互に貼り合わせた実施例のマグ
ネットローラは、各磁極での端部の磁力差が減少し、軸
方向の磁力が均一になることが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、マグネット片の貼り合
わせ又はマグネット片の埋設により形成されたロール状
マグネット本体部とシャフトとからなり、かつマグネッ
ト片の端部を切断することなく、軸長手方向の磁力が均
一なマグネットローラを容易に得ることができる。本発
明のマグネットローラは、複写機,ファクシミリ,プリ
ンターなどの電子写真装置や静電記録装置などにおける
現像機構部などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマグネットローラにおけるマグネッ
ト片を成形するための金型の一例の概略断面図である。
【図2】 本発明のマグネットローラIの一例の分解斜
視図である。
【図3】 本発明のマグネットローラIの他の例の概略
正面図である。
【図4】 本発明のマグネットローラI又はIIにおい
て、それぞれ一体的に成形されたシャフトとマグネット
片配置部又はマグネット片埋設部を有するマグネット本
体部の構造の異なる例の側面図である。
【図5】 本発明のマグネットローラIIの一例の概略正
面図である。
【図6】 実施例で作製したマグネットローラの概略正
面図である。
【図7】 比較例で作製したマグネットローラの概略正
面図である。
【符号の説明】
1:キャビティー 2:非磁性金属材料 3a:磁性金属材料 3b:磁性金属材料 4:コイル 5:凸部 6:シャフト 6a:シャフト 6b:シャフト 7:マグネット片 7a:マグネット片 7b:マグネット片 7c:マグネット片 8:マグネット本体部 8a:マグネット片配置部(又は埋設部)を有するマグ
ネット本体部(又は本体用部材) 8b:マグネット片埋設部を有する本体用部材 9:ゲート跡 A:高磁力側端部 B:低磁力側端部 B’:低磁力側端部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトとロール状マグネット本体部と
    からなるマグネットローラにおいて、長手方向の磁力に
    おいて高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部(B)と
    を有する長手状マグネット片の少なくとも二つを、シャ
    フトの回転方向に沿って端部(A)と端部(B)とが互
    い違いになるように交互に貼り合わせることにより、上
    記マグネット本体部あるいはその一部が形成されたこと
    を特徴とするマグネットローラ。
  2. 【請求項2】 シャフトとロール状マグネット本体部と
    からなるマグネットローラにおいて、長手方向の磁力に
    おいて高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部(B)と
    を有する長手状マグネット片の少なくとも一つを、それ
    を配置するための埋設部を有しかつ該埋設部に隣接する
    いずれか一方の磁極が長手方向の磁力において高磁力側
    の端部(A’)と低磁力側の端部(B’)とを有する本
    体用部材の該埋設部に、端部(A)と端部(B’)及び
    端部(B)と端部(A’)とが隣接するように配置する
    ことにより、上記マグネット本体部が形成されたことを
    特徴とするマグネットローラ。
  3. 【請求項3】 端部(A)と端部(B)との磁力差が8
    0ガウス以下である請求項1又は2記載のマグネットロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 端部(A’)と端部(B’)との磁力差
    が80ガウス以下である請求項2記載のマグネットロー
    ラ。
  5. 【請求項5】 マグネット片が、樹脂バインダーに磁性
    粉を分散したボンド磁石組成物からなる請求項1又は2
    記載のマグネットローラ。
  6. 【請求項6】 マグネット片が、射出成形により得られ
    たものである請求項1又は2記載のマグネットローラ。
  7. 【請求項7】 シャフトとロール状マグネット本体部と
    からなるマグネットローラを製造するに当たり、キャビ
    ティーの周囲に磁場を形成してなる金型内のキャビティ
    ーに、樹脂バインダーに磁性粉を分散したボンド磁石組
    成物を射出注入して、ボンド磁石成形体を形成すると同
    時に、その中の磁性粉の配向又は着磁を行い、長手方向
    の磁力において高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部
    (B)とを有する長手状マグネット片を作製したのち、
    このマグネット片の少なくとも二つを、シャフトの回転
    方向に沿って端部(A)と端部(B)とが互い違いにな
    るように交互に貼り合わせて、マグネット本体部あるい
    はその一部を形成することを特徴とするマグネットロー
    ラの製造方法。
  8. 【請求項8】 シャフトとロール状マグネット本体部と
    からなるマグネットローラを製造するに当たり、キャビ
    ティーの周囲に磁場を形成してなる金型内のキャビティ
    ーに、樹脂バインダーに磁性粉を分散したボンド磁石組
    成物を射出注入して、ボンド磁石成形体を形成すると同
    時に、その中の磁性粉の配向又は着磁を行い、長手方向
    の磁力において高磁力側の端部(A)と低磁力側の端部
    (B)とを有する長手状マグネット片を作製したのち、
    このマグネット片の少なくとも一つを、それを配置する
    ための埋設部を有しかつ該埋設部に隣接するいずれか一
    方の磁極が長手方向の磁力において高磁力側の端部
    (A’)と低磁力側の端部(B’)とを有する本体用部
    材の該埋設部に、端部(A)と端部(B’)及び端部
    (B)と端部(A’)とが隣接するように配置してマグ
    ネット本体部を形成することを特徴とするマグネットロ
    ーラの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016061822A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2016061820A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2017207599A (ja) * 2016-05-18 2017-11-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置

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