JP2000153540A - 樹脂磁石成形物の製造方法 - Google Patents

樹脂磁石成形物の製造方法

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JP2000153540A
JP2000153540A JP10329475A JP32947598A JP2000153540A JP 2000153540 A JP2000153540 A JP 2000153540A JP 10329475 A JP10329475 A JP 10329475A JP 32947598 A JP32947598 A JP 32947598A JP 2000153540 A JP2000153540 A JP 2000153540A
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molding
resin
magnetic
yoke
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Noriyoshi Sugiyama
憲義 杉山
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂磁石組成物からなる成形材料を磁場を印
加しながら射出成形又は押出成形して、マグネットロー
ラ等の樹脂磁石成形物を得る場合において、片側幅が異
なる非対称形状の磁力曲線を示す磁極を形成する。 【解決手段】 永久磁石及びヨークを下記〜のいず
れかの態様とする。 ヨークの中心線と上記永久磁石の中心線とをずらして
配置する。 ヨークの断面形状を、磁場印加面が上記永久磁石接触
面と平行ではない形状とする。 上記永久磁石の中心線を、上記金型の成形用空洞部の
磁力被印加面に対する垂直方向から所定角度傾ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂バインダーに
磁性粉を混合分散した成形材料を金型のキャビティー周
囲に配置した永久磁石により磁場を印加しながら射出成
形又は押出成形してマグネットローラや該マグネットロ
ーラを構成するマグネット片などの樹脂磁石成形物を得
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などにお
いて、感光ドラム等の潜像保持体上の静電潜像を可視化
する現像方式として、回転するスリーブ内に樹脂磁石に
より形成されたマグネットローラを配設し、スリーブ表
面に担持した磁性現像剤(トナー)を該マグネットロー
ラの磁力特性により潜像保持体上に飛翔させる所謂ジャ
ンピング現象によって、潜像保持体表面にトナーを供給
し、静電潜像を可視化する現像方法が知られている。
【0003】従来、上記マグネットローラは、ナイロン
やポリプロピレン等の熱可塑性樹脂のバインダーにフェ
ライト等の磁性粉体を混合分散した樹脂磁性組成物から
なる成形材料を、周囲に磁場を形成した金型を用いて射
出成形又は押出成形することによって、ローラ状に成形
すると共に、樹脂磁石組成物中の磁性粉を所望の磁力特
性に適した配向状態とし、この成形と同時又は成形後に
所望の磁力特性に着磁させることにより、製造されてい
る。
【0004】ここで、上記樹脂磁石組成物からなる成形
材料に磁場を印加しながらを射出成形又は押出成形を行
う場合、図4(A)に示したように、磁場印加面に透磁
性材料からなるヨーク4を配置した永久磁石3を、射出
成形や押出成形に用いられる金型1のキャビティー2の
周囲に配置して、キャビティー2内の成形材料mに磁場
を印加する方法が一般的に採られており、このような磁
場の印加によって、例えば図4(B)に示したような磁
力曲線を有する磁極が成形物のマグネットローラに形成
される。
【0005】なお、図4では磁場印加用の永久磁石3を
1つしか示していないが、必要とする磁極の数に応じて
2〜6個程度の永久磁石3がキャビティー2の周囲に配
置される。また、図4では円筒状のキャビティー2を有
する金型によりマグネットローラを直接成形する場合を
示したが、例えば断面扇形のキャビティーを有する金型
を用いて断面扇形のマグネット片を成形し、得られたマ
グネット片を複数個シャフトの外周に貼り合わせてマグ
ネットローラを形成することも行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石によって磁場
を印加しながら射出成形又は押出成形する上記成形法に
よれば、成形材料中の磁性粉が良好に配向し、後の着磁
操作により又は成形と同時に着磁されて、成形物(マグ
ネットローラ)に所望の磁極が形成されるが、この場合
従来の方法で得られる磁極は、図4(B)に示されてい
るように、磁力のピーク位置を中心線cとした場合に、
この中心線cを挟んで両側の幅h1,h2(以下これら
h1,h2をそれぞれ「片側幅h1」、「片側幅h2」
という)が等しい左右対称形状の磁力曲線となる。
【0007】しかしながら、近年、複写機やプリンター
などの電子写真装置の高性能化に伴ってマグネットロー
ラにも非常に複雑な磁力特性が要求されるようになって
きており、磁力のピーク位置を中心線cとした場合に、
片側幅h1とh2とが異なる左右非対称形状の磁力曲線
が要求される場合がある。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされもので、
樹脂バインダーに磁性粉を混合分散した樹脂磁石組成物
からなる成形材料を磁場を印加しながら射出成形又は押
出成形して、成形と同時に磁性粉の配向,着磁を行うこ
とにより、マグネットローラ等の樹脂磁石成形物を得る
場合において、片側幅が異なる非対称形状の磁力曲線を
示す磁極を形成することができる樹脂磁石成形物の製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散した
樹脂磁石組成物からなる成形材料を、キャビティー(成
形用空洞部)の周囲に永久磁石を配置した金型を用いて
射出成形又は押出成形して、マグネットローラ等の樹脂
磁石成形物を得る場合に、上記永久磁石による磁場の印
加態様を調整することによって、得られる樹脂磁石成形
物に片側幅の異なる非対称形状の磁力曲線を示す磁極を
形成すべく、鋭意検討を行った結果、下記〜の知見
を得、本発明を完成したものである。
【0010】永久磁石の磁場印加面に透磁性材料から
なるヨークを配置して磁場の印加を行う場合に、例えば
図1(A)に示したように、ヨーク4aの中心線4cと
永久磁石3の中心線3cとをずらして、該永久磁石3及
びヨーク4aを配置することにより、図1(B)に示し
たように、磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h
1とh2とが異なる、非対称の磁力曲線が得られること
を見出した。 永久磁石の磁場印加面に透磁性材料からなるヨークを
配置して磁場の印加を行う場合に、例えば図2(B)に
示したように、ヨーク4bの断面形状を、永久磁石接触
面41と磁場印加面42が平行でない形状とすることに
より、図2(B)に示したように、磁力のピーク位置を
中心線cとした片側幅h1とh2とが異なる、非対称の
磁力曲線が得られることを見出した。 図3(A)に示したように、金型1のキャビティー2
周囲に配置した永久磁石3の中心線3cを、キャビティ
ー2の磁場被印加面2aに対する垂直方向pから所定角
度θ2傾けることにより、図3(B)に示したように、
磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h1とh2と
が異なる、非対称の磁力曲線が得られることを見出し
た。
【0011】従って、本発明は、第1の発明として、樹
脂バインダーに磁性粉を混合分散した樹脂磁石組成物か
らなる成形材料を射出成形又は押出成形して樹脂磁石成
形物を得る際に、磁場印加面に透磁性材料からなるヨー
クを配置した永久磁石を、射出成形用金型もしくは押出
成形用金型の成形用空洞部の周囲に配置して、成形物に
磁場を印加しながら成形を行う樹脂磁石成形物の製造方
法において、上記ヨークの中心線と上記永久磁石の中心
線とをずらして、該永久磁石及びヨークを配置すること
を特徴とする樹脂磁石成形物の製造方法を提供する。
【0012】また、第2の発明として、樹脂バインダー
に磁性粉を混合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材
料を射出成形又は押出成形して樹脂磁石成形物を得る際
に、磁場印加面に透磁性材料からなるヨークを配置した
永久磁石を、射出成形用金型もしくは押出成形用金型の
成形用空洞部の周囲に配置して、上記成形材料に磁場を
印加しながら成形を行う樹脂磁石成形物の製造方法にお
いて、上記ヨークの磁場印加面が、永久磁石接触面と平
行ではないことを特徴とする樹脂磁石成形物の製造方法
を提供する。
【0013】更に、第3の発明として、樹脂バインダー
に磁性粉を混合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材
料を射出成形又は押出成形して樹脂磁石成形物を得る際
に、永久磁石を射出成形用金型もしくは押出成形用金型
の成形用空洞部の周囲に配置して、上記成形材料に磁場
を印加しながら成形を行う樹脂磁石成形物の製造方法に
おいて、上記永久磁石の中心線を、上記成形用空洞部の
磁力被印加面に対する垂直方向から所定角度傾けたこと
を特徴とする樹脂磁石成形物の製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。第1の発明にかかる樹脂磁石成形物の製造方法
は、上述のように、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散
した樹脂磁石組成物からなる成形材料を、磁場を印加し
ながら射出成形又は押出成形して、樹脂磁石成形物を得
る場合に、金型のキャビティー周囲に配置した永久磁石
の中心線と該永久磁石の磁場印加面に配置したヨークの
中心線とをずらしてこれら永久磁石及びヨークを配置
し、射出成形又は押出成形を行うものであり、例えば図
1に示したように、永久磁石3の磁場印加面の幅よりも
幅狭のヨーク4aを一側方へとずらして永久磁石3の磁
場印加面に配置することにより、該ヨーク4aの中心線
4cが永久磁石3の中心線3cから一側方へとずれた状
態とし、この状態で成形を行うものである。
【0015】ここで、上記永久磁石3は、金型1のキャ
ビティー(成形用空洞部)2内の樹脂磁石組成物に、該
組成物中に分散された磁性粉を配向させるのに十分な、
又は着磁するのに十分な磁力を印加し得るものであれば
いずれのものでもよい。例えば、Nd−Fe−B合金,
Sm−Co合金,Ce−Co合金等の希土類磁石、Sr
フェライト,Brフェライト等のフェライト磁石、アル
ニコ(登録商標)磁石などを例示することができる。
【0016】この場合、金型1のキャビティー2内の成
形材料mに磁場を印加するための上記永久磁石3は、1
つの永久磁石で構成しても複数の永久磁石を並べて構成
された集合磁石であってもよい。
【0017】次に、この永久磁石3の磁場印加面に配置
される上記ヨーク4aは、良好な磁力透過性を有する材
料で形成されたものであればよく、具体的には鉄、鋼、
ステンレススチール、ニッケル等で形成することができ
る。このヨーク4aは、継ぎ目がなく一端から他端まで
一体に形成されたものが用いられる。
【0018】このヨーク4aは、図1(A)に示したよ
うに、その中心線4cを上記永久磁石3の中心線3cと
ずらして、該永久磁石3の磁場印加面に配置されるもの
である。この場合、このヨーク4aを、図1(A)に示
されているように、永久磁石3の磁場印加面の幅よりも
幅狭なものとし、これを永久磁石3磁場印加面の一側方
へと寄せて配置することにより、その中心線4cが永久
磁石3の中心線3cからずれた状態とすることが好まし
いが、場合によっては上記ヨーク4aとして、永久磁石
3の磁場印加面の幅と同等の幅を有するものを用い、そ
の中心線を永久磁石の中心線3cから一側方にずらしし
て磁場印加面に配置してもよい。
【0019】第1の発明にかかる樹脂磁石成形物の製造
方法は、上記のように、上記ヨーク4aを、その中心線
4cを永久磁石3の中心線3cからずらして配置し、金
型1のキャビティー2に磁場を印加しながら樹脂磁石組
成物からなる成形材料mを成形するものである。これに
より、キャビティー2内で成形される成形材料m中の磁
性粉が磁場の印加によって配向し着磁されるが、この第
1発明の製造方法では、永久磁石3の磁力がヨーク4a
のずれた側に偏り、図1(B)に示されているように、
得られる磁力曲線5は、のピークを挟んでヨークのずれ
た側(図中右側)が緩やかな曲線となり、磁力のピーク
位置を中心線cとした片側幅h1とh2とが異なる、非
対称の磁力曲線5が得られるものである。
【0020】次に、第2の発明にかかる樹脂磁石成形物
の製造方法は、上述のように、樹脂バインダーに磁性粉
を混合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材料を、磁
場を印加しながら射出成形又は押出成形して、樹脂磁石
成形物を得る場合に、例えば図2(A)に示したよう
に、金型1のキャビティー2周囲に配置した永久磁石3
の磁場印加面に、永久磁石接触面41と磁場印加面42
とが平行でない断面形状を有するヨーク4bを配置し
て、射出成形又は押出成形を行うものである。
【0021】ここで、上記ヨーク4bの断面形状は、図
2(A)に示されたような四角形に限定されるものでは
なく、永久磁石接触面41と磁場印加面42とが平行で
なく、磁場印加面42が永久磁石接触面41に対して一
側方に傾いた形状であれば三角形でも五角形以上であっ
てもよい。
【0022】また、永久磁石接触面41に対する磁場印
加面42の傾き角度θ1は、特に制限されるものではな
いが、10〜45°とすることが好ましく、この傾き角
度θ1が10°未満であると、片側幅h1とh2とが異
なる非対称の磁力曲線が得られない場合があり、逆に傾
き角度θ1が45°を超えると、十分な磁力を有する磁
極が得られなくなる場合がある。
【0023】この第2の発明にかかる樹脂磁石成形物の
製造方法は、上記のように、永久磁石接触面41と磁場
印加面42とが平行でない上記ヨーク4bを、永久磁石
3の磁場印加面に配置して、金型1のキャビティー2に
磁場を印加しながら樹脂磁石組成物からなる成形材料m
を成形するものである。これにより、キャビティー2内
で成形される成形材料m中の磁性粉が磁場の印加によっ
て配向し着磁されるが、この第2発明の製造方法では、
ヨーク4bの磁場印加面42が傾いている側に永久磁石
3a磁力が偏り、図2(B)に示されているように、得
られる磁力曲線5は、ピークを挟んでヨーク4bの磁場
印加面42の傾き方向側(図中左側)が緩やかな曲線と
なり、磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h1と
h2とが異なる、非対称の磁力曲線が得られるものであ
る。
【0024】なお、永久磁石3やヨーク4bの材質な
ど、ヨーク4bの断面形状以外は、上記第1の発明と同
様であるから、その説明を省略する。
【0025】更に、第3の発明にかかる樹脂磁石成形物
の製造方法は、上述のように、樹脂バインダーに磁性粉
を混合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材料を、磁
場を印加しながら射出成形又は押出成形して、樹脂磁石
成形物を得る場合に、例えば図3(A)に示したよう
に、金型1のキャビティー2周囲に配置した永久磁石3
の中心線3cを、キャビティー2の磁場被印加面2aに
対する垂直方向pから所定角度θ2傾けた状態で、射出
成形又は押出成形を行うものである。
【0026】ここで、上記永久磁石3の傾き角度θ2
は、特に制限されるものではないが、10〜45°の範
囲とすることが好ましく、傾き角度が10°未満である
と、片側幅h1とh2とが異なる非対称の磁力曲線が得
られない場合があり、逆に傾き角度θ2が45°を超え
ると、十分な磁力を有する磁極が得られなくなる場合が
ある。
【0027】この第3の発明にかかる樹脂磁石成形物の
製造方法は、上記のように、永久磁石3の中心線3cを
キャビティー2の磁場被印加面2aに対する垂直方向p
から所定角度θ2傾け、この永久磁石3によりキャビテ
ィー2に磁場を印加しながら樹脂磁石組成物からなる成
形材料mを成形するものである。これにより、キャビテ
ィー2内で成形される成形材料m中の磁性粉が磁場の印
加によって配向し着磁されるが、この第3発明の製造方
法では、永久磁石3の傾き方向と逆方向側(図3中右
側)に磁力が偏り、図3(B)に示されているように、
得られる磁力曲線5は、ピークを挟んで永久磁石3の傾
き方向と逆方向側(図中右側)が緩やかな曲線となり、
磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h1とh2と
が異なる、非対称の磁力曲線が得られるものである。
【0028】なお、永久磁石3やヨーク4の材質など、
永久磁石3の中心線3cを所定角度θ2傾けること以外
は、上記第1の発明と同様であるが、この第3の発明で
は、場合によりヨーク4を省略することも可能である。
【0029】本発明の樹脂磁石成形物の製造方法は、い
ずれも上述した各方法により磁場を印加した状態で、樹
脂バインダーに磁性粉を混合分散した樹脂磁石組成物か
らなる成形材料を成形して樹脂磁石成形物を得るもので
ある。ここで、本発明の各製造方法に用いられる成形材
料は、樹脂バインダーに磁性粉を分散させた樹脂磁石組
成物であればよく、目的とする樹脂磁石成形物に応じて
適宜選定して用いることができる。例えば、電子写真装
置の現像機構部に用いられるマグネットローラを得る場
合を例にして説明すると、以下の通りである。
【0030】上記樹脂バインダーとしては、ナイロン
6,ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレー
ト樹脂(EEA)、エポキシ樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリプロピレン樹
脂、ポリエチレン,ポリエチレン共重合体等のポリオレ
フィンや、これらポリオレフィンの構造中に無水マレイ
ン酸基,カルボキシル基,ヒドロキシル基,グリシジル
基等の反応性をもつ官能基を導入した変性ポリオレフィ
ン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して
用いることができる。なお、特に制限されるものではな
いが、これらの中ではポリアミド樹脂、EVA、EEA
が好ましく用いられる。
【0031】また、上記磁性粉としては、従来からマグ
ネットローラに用いられる通常の磁性粉を用いることが
でき、具体的には、Srフェライト,Brフェライト等
のフェライト粉末やSm−Co合金,Nd−Fe−B合
金,Ce−Co合金等の希土類系合金粉末などを例示す
ることができる。
【0032】この磁性粉の配合割合は、要求される磁力
の強さに応じて適宜選定されるもので、特に制限される
ものではないが、通常は、組成物全体の80〜94重量
%程度(密度が2.5〜4.5g/cm2程度)とする
ことが好ましい。
【0033】この樹脂磁石組成物からなる成形材料に
は、上記バインダー成分及び磁性粉に加えて、マイカや
ウィスカ或いはタルク,炭素繊維,ガラス繊維等の補強
効果の大きな充填材やその他公知の添加剤を適量添加す
ることができる。
【0034】また、本発明の各製造方法は、上述した各
方法により磁場を印加した状態で、上記成形材料を成形
するものであるが、この場合、成形方法は射出成形法が
好ましく採用されるが、押出成形であってもよく、ま
た、成形条件は用いる樹脂磁石組成物の種類や目的とす
る樹脂磁石成形物等に応じて通常の条件とすることがで
きる。
【0035】本発明の各製造方法は、電子写真装置の現
像機構部に用いられるマグネットローラの製造に好適に
用いられるものであるが、この場合、図1〜3では、磁
場印加用の永久磁石3を1つしか示していないが、通常
は必要とする磁極の数に応じて2〜6個程度の永久磁石
3がキャビティー2の周囲に配置される。この場合本発
明の磁場印加方法は、必ずしもすべての永久磁石に適用
する必要はなく、片側幅の異なる非対称な磁力曲線を有
する磁極が必要な箇所にのみに本発明の磁場印加方法を
適用すればよい。また、図1〜3では断面円形のキャビ
ティー2を有する金型によりマグネットローラを直接成
形する場合を示したが、例えば断面扇形のキャビティー
を有する金型を用いて断面扇形のマグネット片を成形
し、得られたマグネット片を複数個シャフトの外周に貼
り合わせてマグネットローラを形成してもよい。また更
に、本発明の製造方法によれば、磁場の印可により成形
と同じに磁性粉の配向及び着磁がなされるが、磁力を微
妙に調節したい場合などには、成形後一旦脱磁して再び
着磁を施すようにしてもよい。なお、本発明の製造方法
は、マグネットローラ及びそのマグネット片以外にも、
モータのロータやステイター、センサー用ロータなどの
樹脂磁石成形物を製造する際にも好適に使用される。
【0036】
【実施例】以下、実施例、比較例を示し、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限され
るものではない。
【0037】[比較例]図4(A)に示されているよう
に、キャビティー2の周囲に磁場印加用の永久磁石3を
配置すると共に、該永久磁石3の磁場印加面にヨーク4
を配置した金型1を用い、樹脂バインダーに磁性粉を混
合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材料を射出成形
してマグネットローラを得た。この場合、上記永久磁石
3としては幅8mmの希土類磁石を用い、ヨーク4とし
ては幅8mm,厚さ3mmの鉄製ヨークを用いた。
【0038】得られたマグネットローラの表面磁力を測
定したところ、図4(B)に示されているように、磁力
のピーク位置を中心線cとした場合に、両片側幅h1,
h2が等しい左右対称形状の磁力曲線が得られた。
【0039】[実施例1]図1(A)に示されているよ
うに、幅4mmのヨーク4aを用い、このヨーク4aを
幅が8mmである永久磁石3の磁場印加面に片側へと寄
せて配置することにより、永久磁石3の中心線3cとヨ
ーク4aの中心線4cとがずれた状態としたこと以外
は、比較例と同様にしてマグネットローラを成形した。
【0040】得られたマグネットローラの表面磁力を測
定したところ、図1(B)に示されているように、得ら
れた磁力曲線は、ピークを挟んでヨーク4aのずれた側
(図中右側)が緩やかな曲線となっており、磁力のピー
ク位置を中心線cとした片側幅h1とh2とが異なる、
非対称の磁力曲線であった。
【0041】[実施例2]図2(A)に示されているよ
うに、ヨークとして、断面形状が永久磁石接触面41に
対して磁場印加面42が30°傾いた四角形であるヨー
ク4bを用いたこと以外は、比較例と同様にしてマグネ
ットローラを成形した。
【0042】得られたマグネットローラの表面磁力を測
定したところ、図2(B)に示されているように、得ら
れた磁力曲線は、ピークを挟んでヨーク4bの磁場印加
面42が傾いている側(図中左側)が緩やかな曲線とな
っており、磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h
1とh2とが異なる、非対称の磁力曲線であった。
【0043】[実施例3]図3(A)に示されているよ
うに、永久磁石3の中心線3cを、キャビティー2の磁
場被印加面2aに対する垂直方向pから一側方へ25°
傾けた状態で磁場の印加を行ったこと以外は、比較例と
同様にしてマグネットローラを成形した。
【0044】得られたマグネットローラの表面磁力を測
定したところ、図3(B)に示されているように、得ら
れた磁力曲線5は、ピークを挟んで永久磁石3の傾き方
向と逆方向側(図中右側)が緩やかな曲線となってお
り、磁力のピーク位置を中心線cとした片側幅h1とh
2とが異なる、非対称の磁力曲線であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂磁石
成形物の製造方法によれば、樹脂バインダーに磁性粉を
混合分散した樹脂磁石組成物からなる成形材料を、磁場
を印加しながら射出成形又は押出成形して、成形と同時
に磁性粉の配向,着磁を行うことにより、マグネットロ
ーラ等の樹脂磁石成形物を得る場合において、片側幅が
異なる非対称形状の磁力曲線を示す磁極を容易かつ確実
に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、第1の発明にかかる樹脂磁石成形物
の製造方法における永久磁石及びヨークの配置態様の一
例を示す概略図、(B)は同配置態様により得られる磁
力曲線を示すグラフである。
【図2】(A)は、第2の発明にかかる樹脂磁石成形物
の製造方法における永久磁石及びヨークの配置態様の一
例を示す概略図、(B)は同配置態様により得られる磁
力曲線を示すグラフである。
【図3】(A)は、第3の発明にかかる樹脂磁石成形物
の製造方法における永久磁石の配置態様の一例を示す概
略図、(B)は同配置態様により得られる磁力曲線を示
すグラフである。
【図4】(A)は、従来の樹脂磁石成形物の製造方法に
おける永久磁石及びヨークの配置を示す概略図、(B)
は同配置態様により得られる磁力曲線を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティー(成形用空洞部) 3 永久磁石 3c 永久磁石の中心線 4 ヨーク 4a ヨーク 4b ヨーク 4c ヨークの中心線 41 永久磁石接触面 42 磁場印加面 5 磁力曲線 m 成形材料 c 磁力曲線の中心線 h1,h2 片側幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂バインダーに磁性粉を混合分散した
    樹脂磁石組成物からなる成形材料を射出成形又は押出成
    形して樹脂磁石成形物を得る際に、磁場印加面に透磁性
    材料からなるヨークを配置した永久磁石を、射出成形用
    金型もしくは押出成形用金型の成形用空洞部の周囲に配
    置して、成形物に磁場を印加しながら成形を行う樹脂磁
    石成形物の製造方法において、上記ヨークの中心線と上
    記永久磁石の中心線とをずらして、該永久磁石及びヨー
    クを配置することを特徴とする樹脂磁石成形物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 樹脂バインダーに磁性粉を混合分散した
    樹脂磁石組成物からなる成形材料を射出成形又は押出成
    形して樹脂磁石成形物を得る際に、磁場印加面に透磁性
    材料からなるヨークを配置した永久磁石を、射出成形用
    金型もしくは押出成形用金型の成形用空洞部の周囲に配
    置して、上記成形材料に磁場を印加しながら成形を行う
    樹脂磁石成形物の製造方法において、上記ヨークの磁場
    印加面が、永久磁石接触面と平行ではないことを特徴と
    する樹脂磁石成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂バインダーに磁性粉を混合分散した
    樹脂磁石組成物からなる成形材料を射出成形又は押出成
    形して樹脂磁石成形物を得る際に、永久磁石を射出成形
    用金型もしくは押出成形用金型の成形用空洞部の周囲に
    配置して、上記成形材料に磁場を印加しながら成形を行
    う樹脂磁石成形物の製造方法において、上記永久磁石の
    中心線を、上記成形用空洞部の磁力被印加面に対する垂
    直方向から所定角度傾けたことを特徴とする樹脂磁石成
    形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 マグネットローラ又はマグネットローラ
    を構成するマグネット片を得るための製造方法である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂磁石成形物の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003011558A1 (fr) * 2001-07-26 2003-02-13 Bridgestone Corporation Procede destine au moulage d'un aimant plastique, et culasse de magnetisation utilisee a cet effet, et procede destine a la realisation d'un cylindre magnetique
JP2003151825A (ja) * 2001-11-12 2003-05-23 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd マグネットローラ

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WO2003011558A1 (fr) * 2001-07-26 2003-02-13 Bridgestone Corporation Procede destine au moulage d'un aimant plastique, et culasse de magnetisation utilisee a cet effet, et procede destine a la realisation d'un cylindre magnetique
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