JP3524563B2 - プラスチックマグネットおよびその製造方法 - Google Patents
プラスチックマグネットおよびその製造方法Info
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Description
タ等の回転子に用いて好適する、磁気特性の改善された
プラスチックマグネット、およびその製造方法に関す
る。
としてプラスチックマグネットを用いる場合、このプラ
スチックマグネットは、ブラシレスモータが回転するた
めの界磁磁場を提供するとともに、回転子の回転数を検
出するための周波数発電用磁場の提供という機能も兼備
しているものがある。これらは図7に示すように、プラ
スチックマグネット(3)の内周面(1)に駆動用の界
磁磁場を備え、その端面(2)に周波数発電用磁場を備
えている。
ット(3)が具備し得るように、プラスチックマグネッ
ト(3)の成形製造時に、径方向もしくは軸方向に異方
性磁場をかけているのが一般的である。
されているように、プラスチックマグネット(3)の成
形時に、径方向と軸方向の2方向に同時に異方性磁場を
かけて成形することにより、高性能なプラスチックマグ
ネット(3)を得る技術も提案されている。
プラスチックマグネット(3)は、図7に模式的に示す
ように、磁束の発生を必要とするプラスチックマグネッ
ト(3)の内周面(1)や端面(2)(信号帯)以外の
外周部(5)にも磁束(7)を発生しており、この磁束
(7)がモータ周辺の他の電子部品や機器に悪影響を及
ぼすことがある。
(7)があるため、必要な内周面(1)や端面(2)で
の磁束が低下するという難点があった。
スチックマグネット(3)の外周部(5)を覆うような
磁性材製のシールド板(6)を用いると、部品点数も組
立工数も増加する。さらに2部品を組み合わせるために
バランスが悪く、組立て後、ダイナミックバランスを取
る必要がある等の難点がある。
の低下を補うため、プラスチックマグネット(3)に混
入されている磁粉の配合率を90%以上に上げたりする
と、ボイドが発生したり、プラスチックマグネット
(3)にヒビや割れが生じたりする惧れがある。
ので、必要とする信号帯(磁極列)以外からは磁束の発
生がなく、シールド板(6)等の部材がなくても磁気
的、機械的に特性の良好なプラスチックマグネットと、
これを容易に量産できる製造方法を提供することを目的
とする。
するために本発明のプラスチックマグネットは、略円環
状をなし、その内周面と一方の端面に磁極列からなる信
号帯が各々形成されたプラスチックマグネットであっ
て、このプラスチックマグネットの内部が、それら内周
面と一方の端面とを連繋する方向に異方性配向されてい
るように構成されている。
法は、励磁装置を備えた成形金型内で、成形されるプラ
スチックマグネットの内部にその内周面と一方の端面と
を連繋する方向に磁路を形成するように、励磁装置から
発生される磁場中で、そのプラスチックマグネットを異
方性配向して成形する成形工程を備えている。
めの主たる磁路を形成する磁束を発生する第1の励磁装
置と、その主たる磁路中に配置された第2の励磁装置と
から構成でき、この第2の励磁装置は、第1の励磁装置
から発生する磁束を強める方向または弱める方向の磁束
を発生するように構成できる。
り形成される磁路中に磁束調整部材を配置し、これによ
り前記磁路中の磁束量を調整できるように構成され得
る。
ックマグネットは、その内部が、内周面と一方の端面と
を連繋する方向にのみ異方性配向され、即ち、プラスチ
ックマグネット中の磁性粒子の磁化容易軸が内周面と一
方の端面とを繋ぐ経路に沿って配列されているから、こ
のプラスチックマグネットからの磁束の発生は、それら
内周面と一方の端面に形成された各信号帯の磁極からの
みとなる。
ラスチックマグネットの不要な部分からの磁束の発生が
なくなるから、必要な信号帯で高い磁束密度が得られる
ので、必要以上に磁粉の含有率を高めなくとも良い。
法では、プラスチックマグネットの成形時に、成形金型
内に配設された励磁装置により、プラスチックマグネッ
トの内周面と一方の端面とを連繋する方向に異方性配向
される磁路を形成する磁場をかけているので、容易にプ
ラスチックマグネットの内周面と一方の端面とを連繋す
る方向の異方化がなされる。
について説明する。図1及び図2は、それぞれ本発明の
プラスチックマグネットの一実施例を示す断面図及び斜
視図である。
環状のプラスチックマグネット(18)は、例えばブラ
シレスモータの回転子に用いられるものであり、内周面
(14)と端面(13)にそれぞれ異なる信号帯(磁極
列)を有している。そしてこのプラスチックマグネット
(18)の内部は、図中に破線(15)で示すようにプ
ラスチックマグネット(18)中の磁性粒子の磁化容易
軸が内周面(14)と端面(13)とを連繋するような
方向に異方性配向されている。
ネット(18)の内周面(14)には、図2に示すよう
に、例えば円周方向にN極とS極とが交互になるように
8個の磁極が着磁形成され、ブラシレスモータの駆動用
の界磁磁場を形成している。また、このプラスチックマ
グネット(18)の端面(13)には、N極とS極とが
円周方向に交互になるように、例えば16極に着磁さ
れ、ブラシレスモータの回転子の回転数を検出するため
の周波数発電用磁場を形成している。
発生する磁束は、図2において部分的に模式的に符号
(17)で示すように、磁束の発生が必要な信号帯、即
ち、内周面(14)部分と端面(13)部分から発生
し、磁束の発生が不要なプラスチックマグネット(1
8)の外周部(16)からは殆ど発生されない。
その分必要な信号帯(13)(14)における磁束密度
が高くなり、特に磁粉の配合率を高める必要もないか
ら、ボイド(巣)の発生やプラスチックマグネットの割
れ等の惧れは極めて少ない。
が不要で、プラスチックマグネット(18)単体でブラ
シレスモータの回転子を構成できるので、部品点数も少
なくダイナミックバランスも著しく向上する。
製造方法の実施例について、図3乃至図6を参照して説
明する。
プラスチックマグネット(18)の成形金型(28)の
断面図である。図において、永久磁石からなる励磁装置
(11)は、扁平な円柱形状をなし、それぞれの端面、
即ち、上面と下面とがそれぞれ異極の単極となるよう厚
さ方向に磁化されている。この励磁装置(11)は、磁
性材製のセンターコア(22)上に配置され、そしてこ
の励磁装置(11)の周囲には、磁性材料部(23’)
と非磁性材料部(23”)とからなるテーパコア(2
3)が配置されている。このテーパコア(23)の外周
部には、成形品を押し出すための、磁性材料部(2
1’)と非磁性材料部(21”)とからなるストリッパ
ーブッシュ(21)が配置され、このストリッパーブッ
シュ(21)は、磁性材料製のバックリングコア(2
0)にネジ(24)にて固定されている。なお、符号
(32)は、この成形金型(28)内にプラスチックマ
グネットの液状ペレットを注入するためのゲートであ
る。
ットが注入、充填されプラスチックマグネット(18)
が成形される。このときこの成形金型(28)内には、
励磁装置(11)からテーパコア(23)の磁性材料部
(23’)、プラスチックマグネット(18)の内周面
(14)、その端面(13)、ストリッパーブッシュ
(21)の磁性材料部(21’)、磁性材料製のバック
リングコア(20)及び磁性材料製のセンターコア(2
2)を通り励磁装置(11)に戻る磁路(12)が形成
される。そしてプラスチックマグネット(18)の内部
には、この成形金型(28)内に形成される磁路(1
2)の一部である、プラスチックマグネット(18)の
内周面(14)と端面(13)とを連繋するような磁路
(15)が形成されるので、プラスチックマグネット
(18)の成形中にそのプラスチックマグネット(1
8)を構成する磁性粒子の磁化容易軸がこの磁路(1
5)に沿って揃えられて異方性配向がなされる。
ット(18)は、周知の着磁電源装置とこれに接続され
る着磁器によって各信号帯(13)(14)に所定の数
の磁極が着磁形成されて様々な用途に利用される。
信号帯(13)(14)がN極若しくはS極の単極に帯
磁しているので、上述したようにこれに直接着磁を施す
と、1つの信号帯中のN極とS極との磁化強度に差が生
じる場合がある。用途によってこれが好ましくない場合
には、前述した成形工程の後、成形されたプラスチック
マグネット(18)を脱磁して成形品の磁気を消す脱磁
工程を経て、この脱磁されたプラスチックマグネット
(18)に所定の数の磁極を着磁することにより、1つ
の信号帯中の磁極間の強度差をなくすことができる。
び図5を参照して説明する。なお、それぞれ図3と同一
の構成部品には同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
るための成形金型(28)の断面図である。本実施例に
おいて永久磁石(11)は、成形金型(28)内にプラ
スチックマグネット(18)の内部を異方性配向させる
ための主たる磁路(図示はしないが、図3の磁路(1
2)と同様)を形成する第1の励磁装置として機能し、
この磁路内には、ストリッパーブッシュ(21)の非磁
性材料部(21”)内に埋設された第2の励磁装置(2
5)を備えている。
の永久磁石からなり、その両端面がそれぞれ異極の単極
となるよう厚さ方向に磁化されており、かつ、第1の励
磁装置(11)の極性と上下が逆の極性になるように、
即ち、第1の励磁装置(11)の磁束に第2の励磁装置
(25)の磁束が加算されて強められるように配置され
ている。
てプラスチックマグネット(18)を成形することによ
り、図3の実施例に比して、プラスチックマグネット
(18)内部の異方化の配向力を強めることができる。
1)と第2の励磁装置(25’)を備えた成形金型(2
8)の断面図であるが、この実施例では、第2の励磁装
置(25’)が、図4の実施例とは反対向き、即ち、第
1の励磁装置(11)の磁束を弱める方向に配置されて
いる。このような成形金型(28)を用いることによ
り、プラスチックマグネット(18)の異方化配向力を
弱めることができる。
するための成形金型(28)の断面図である。この図に
おいても、図3と同一の構成部品には同一の符号が付し
てある。
は、励磁装置(11)により成形金型(28)内に形成
される磁路(図示はしないが、図3の磁路(12)と同
様)中に、この磁路の磁気抵抗を調整するための調整部
材(26)(27)が配設されている。
1’)を備えたストリッパーブッシュ(21)と磁性材
料製のバックリングコア(20)との間に配置される薄
板リング状の非磁性材料製調整板(26)と磁性材料製
調整板(27)とからなる。そしてこれら非磁性材料製
調整板(26)と磁性材料製調整板(27)の厚さや積
層枚数を加減することにより、磁路の磁束量が調整で
き、プラスチックマグネット(18)の異方化配向力を
所望のレベルに調整して成形することができる。
(26)と磁性材料製調整板(27)を用いて成形金型
(28)内の磁路の磁束量を調整する例を示したが、本
発明の目的を達成するためには励磁装置(11)により
形成される磁路中に、磁気抵抗の調整可能なものが介在
していれば良いから、例えば、バックリングコア(2
0)とストリッパーブッシュ(21)との間に、その間
隔が調整可能なエアギャップを設ける等の手段によって
も可能である。
ックマグネットは、その内部が、磁束の発生を必要とす
る内周面と一方の端面とを連繋する方向に異方性配向さ
れているから、それら内周面と一方の端面に形成された
信号帯以外からの磁束の発生が殆どないため、周辺の他
の機器や電子部品に悪影響を及ぼし難く、各信号帯での
磁束密度が向上する。また、シールド板等を必要としな
いので部品点数が少なくなり、回転体に用いた場合はダ
イナミックバランスが向上する。
法は、プラスチックマグネットの成形時に、成形金型内
に配設された励磁装置により、プラスチックマグネット
の内周面と一方の端面とを連繋する方向に磁路を形成す
る磁場をかけているから、容易にプラスチックマグネッ
トの内部が内周面と一方の端面とを連繋する方向に異方
化される。また、その励磁装置により形成される磁路中
に、第2の励磁装置を配置したり、磁束量を調節可能な
部材を配置することにより、プラスチックマグネットの
異方化配向力を容易に調整することができ、所望の特性
に適したプラスチックマグネットを得ることができる。
示す縦断面図である。
ある。
一実施例を説明するための成形金型の縦断面図である。
他の実施例を説明するための成形金型の縦断面図であ
る。
さらに他の実施例を説明するための成形金型の縦断面図
である。
さらに他の実施例を説明するための成形金型の縦断面図
である。
断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 略円環状をなし、その内周面と一方の端
面に磁極列からなる信号帯が各々形成されたプラスチッ
クマグネットにおいて、該プラスチックマグネットの内
部が前記内周面と一方の端面とを連繋する方向に異方性
配向されていることを特徴とするプラスチックマグネッ
ト。 - 【請求項2】 略円環状をなし、その内周面と一方の端
面に磁極列からなる信号帯が各々形成されたプラスチッ
クマグネットの製造方法であって、 励磁装置を備えた成形金型内で、前記プラスチックマグ
ネットの内部に前記内周面と一方の端面とを連繋する方
向に磁路を形成するように、前記励磁装置から発生され
る磁場中で前記プラスチックマグネットを異方性配向し
て成形する成形工程を具備することを特徴とするプラス
チックマグネットの製造方法。 - 【請求項3】 前記励磁装置が、前記成形金型の略中央
に配置され異方性配向のための主たる磁路を形成する磁
束を発生する第1の励磁装置と、該第1の励磁装置の外
側の前記主たる磁路中に配置された第2の励磁装置と、
から構成されることを特徴とする請求項2記載のプラス
チックマグネットの製造方法。 - 【請求項4】 前記第2の励磁装置が、前記第1の励磁
装置から発生する磁束を強める方向の磁束を発生するこ
とを特徴とする請求項3記載のプラスチックマグネット
の製造方法。 - 【請求項5】 前記第2の励磁装置が、前記第1の励磁
装置から発生する磁束を弱める方向の磁束を発生するこ
とを特徴とする請求項3記載のプラスチックマグネット
の製造方法。 - 【請求項6】 前記励磁装置が発生する磁束により形成
される磁路中に磁束調整部材が配置され、該磁束調整部
材を調整することにより前記磁路中の磁束量を調整する
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記
載のプラスチックマグネットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17680993A JP3524563B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | プラスチックマグネットおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17680993A JP3524563B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | プラスチックマグネットおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0737715A JPH0737715A (ja) | 1995-02-07 |
JP3524563B2 true JP3524563B2 (ja) | 2004-05-10 |
Family
ID=16020224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17680993A Expired - Fee Related JP3524563B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | プラスチックマグネットおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3524563B2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP17680993A patent/JP3524563B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0737715A (ja) | 1995-02-07 |
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