JP2003015424A - マグネットローラ - Google Patents

マグネットローラ

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JP2003015424A
JP2003015424A JP2001198864A JP2001198864A JP2003015424A JP 2003015424 A JP2003015424 A JP 2003015424A JP 2001198864 A JP2001198864 A JP 2001198864A JP 2001198864 A JP2001198864 A JP 2001198864A JP 2003015424 A JP2003015424 A JP 2003015424A
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magnetic
magnet
magnet roller
developing
magnetic powder
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JP2001198864A
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Masaharu Iwai
雅治 岩井
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Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像領域での磁気吸引力の変化率を小さく
し、磁気吸引力パターンをフラットとし、低コスト化が
可能で、現像剤カブリや画像濃度ムラなどの画像不良が
解消され、カラー化にも好適なマグネットローラを提供
する。 【解決手段】 マグネットローラの中心と現像磁極の磁
束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準線(0°)とし、前
記基準線に対して±15°の範囲内(現像領域付近)に
おける磁気吸引力の最大値をA、最小値をBとすると
き、〔(A−B)/A〕×100(%)が15%以下に
なるマグネットローラとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンターまたはファクシミリの受信装置などの
画像形成装置である、電子写真プロセスを採用した電子
写真装置に組み込まれるマグネットローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネットローラとして、特開昭
63−244082号公報には、磁気吸引力パターン
が、主磁極の中央部付近で極小値を示し、現像スリーブ
の回転方向からみて感光体と現像スリーブとの最近接位
置の下流側に極大値を有するものが開示されている。
【0003】また、特開平7−319285号公報に
は、主磁極による磁性現像剤の移動方向の磁気吸引力パ
ターンとして、像形成領域の上流側に谷の部分が存在
し、かつ下流側に山の部分が存在するように形成するこ
とについて開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−2440
82号公報の図4より磁気吸引力の大きさを読みとる
と、主磁極付近(±15°の範囲)の磁気吸引力は、極
小値と極大値との差が約20%であり、磁気吸引力の変
化量が大きいため、現像剤の穂立ちが不均一となり、画
像濃度ムラが発生したり、磁気吸引力の極大値付近が感
光体に対して少しでも適切な位置からはずれると、現像
剤カブリ(キャリアカブリ、磁性トナーカブリ)が発生
するため、高画質が望めない。
【0005】特開平7−319285号公報についても
同様に、該公報の図1より磁気吸引力の大きさを読みと
ると、主磁極付近(±15°の範囲)の磁気吸引力の極
小値と極大値との差は約20%であり、磁気吸引力の変
化量が大きいため、現像剤の穂立ちが不均一となり、画
像濃度ムラが発生したり、磁気吸引力の極大値付近が感
光体に対して少しでも適切な位置からはずれると、現像
剤カブリ(キャリアカブリ、磁性トナーカブリ)が発生
するため、やはり高画質が望めない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、現像領域での
磁気吸引力の変化量が小さく、磁気吸引力パターンがフ
ラットとなり、かつ低コスト化が可能で、画像濃度ムラ
や現像剤カブリなどの画像不良が解消され、高画質が得
られ、カラー化にも好適なマグネットローラを提供する
ためになされたものであり、(1)マグネットローラの
中心と現像磁極の磁束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準
線(0°)とし、前記基準線に対して±15°の範囲内
(現像領域付近)における磁気吸引力の最大値をA、最
小値をBとするとき、 〔(A−B)/A〕×100(%) が15%以下になることを特徴とするマグネットローラ
(請求項1)、(2)マグネットローラ本体部が一体型
マグネットローラであり、その現像磁極が後着磁されて
いる請求項1記載のマグネットローラ(請求項2)、お
よび(3)マグネットローラ本体部の現像磁極部がマグ
ネットピースからなり、該マグネットピースの現像磁極
が後着磁されている請求項1記載のマグネットローラ
(請求項3)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のマグネットローラは、複
写機、レーザービームプリンターまたはファクシミリの
受信装置などの画像形成装置である、電子写真プロセス
を採用した電子写真装置に組み込まれるマグネットロー
ラである。それゆえ、その大きさは、一般に、スリーブ
径が12〜65mmφ程度、サイズがA4〜A0、磁極
数が3〜7極程度、主磁極の磁束密度が75〜120m
T程度のようなものである。
【0008】前記マグネットローラは、マグネットロー
ラ本体部が一体型のマグネットローラや、マグネットピ
ースを複数個貼り合わせたマグネットローラでもよく、
また、マグネットローラ本体部の現像磁極部がマグネッ
トピースからなり、該マグネットピースが、マグネット
ローラ本体部の軸方向に溝を形成し、その溝に埋設され
たマグネットローラであってもよい。前記マグネットロ
ーラのうちのマグネットローラ本体部が一体型のマグネ
ットローラは、成形後の後工程が少なく、工数を削減で
きる点から好ましく、マグネットピースを複数個貼り合
わせたマグネットローラは、複雑な磁気パターンが可能
である点から好ましく、また、マグネットローラ本体部
の現像磁極部がマグネットピースからなるものは、磁束
密度アップが可能であったり、パターン幅を制御するこ
とができる点から好ましい。
【0009】また、前記マグネットローラの現像磁極部
がマグネットピースからなる場合、埋設後に後着磁(パ
ルス)されていてもよく、また、マグネットローラ本体
部へ埋設される前にパルス着磁されていてもよい。前記
現像磁極部が埋設後に後着磁(パルス)されている場合
には、着磁工数を削減することができる点から好まし
く、また、埋設前にパルス着磁されている場合には、着
磁時に他の磁極へ影響しない点から好ましい。
【0010】さらに、前記現像磁極部の磁気吸引力は、
測定装置(とくにセンサー部となる磁性体の形状)によ
って大きく測定値が異なるので、絶対値で比較すること
は困難であるが、測定装置のセンサー部の大きさとし
て、後述する実施例に示したものを実施例に示したよう
にセットすると(図8参照)、一般的には20〜60g
程度の範囲に入るが、マグネットローラの中心と現像磁
極の磁束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準線(0°)と
し、前記基準線に対して±15°の範囲内(現像領域付
近)における磁気吸引力の最大値(磁気吸引力の極大
値)をA、最小値をBとするとき、 〔(A−B)/A〕×100(%) が15%以下、好ましくは13%以下になることが必要
である。前記要件を満たす場合、現像領域での磁気吸引
力の変化量が小さく、磁気吸引力パターンがフラットと
なり、画像濃度ムラや現像剤カブリなどの画像不良が解
消され、高画質が得られ、カラー化にも好適なマグネッ
トローラを提供することができるため好ましい。
【0011】なお、前記マグネットローラの中心は、ス
リーブの異なる2点での垂直2等分線の交点から求める
ことができる。なお、マグネットローラの中心とスリー
ブの中心はほぼ一致するため、スリーブの中心はマグネ
ットローラの中心となる。
【0012】また、前記現像磁極の磁束密度ピーク位置
は、Bell社製のガウスメータ(9640型)とプロ
ーブ(SAB4−1802)を用い、プローブに埋設さ
れているホール素子をマグネットローラのスリーブ上に
相当する位置にセットした条件でマグネットローラを回
転(約10秒/1回転)させて測定することにより求め
ることができる。
【0013】さらに、前記基準線に対して±15°の範
囲内(現像領域付近)における磁気吸引力の最大値と最
小値は、前記記載の磁気吸引力測定方法により求めるこ
とができる。
【0014】前記マグネットローラは、マグネット材料
粉50〜95重量%と、樹脂バインダー5〜50重量%
とからなる混合物(合計100重量%)に対して、必要
に応じて、さらに表面処理剤、溶融樹脂磁石の流動性を
良好にする滑剤、樹脂バインダーの熱分解を防止する安
定剤、可塑剤などの1種以上を添加した磁石材料を、混
合し、溶融混練し、ペレット状に成形したのち、射出成
形法または押出成形法などにより製造される。
【0015】前記マグネットローラ本体部が一体型の場
合、一体型マグネットローラとして製造すればよく、ま
た、マグネットローラ本体部がマグネットピースを使用
したものの場合、マグネットピースとして製造したの
ち、マグネットローラにすればよい。
【0016】前記混合物における前記マグネット材料粉
の含有率が50重量%未満の場合、マグネット材料粉が
不足するためマグネットローラの磁気特性が低下し、所
望の磁力が得られにくくなる。また、95重量%をこえ
る場合、樹脂バインダーが不足するため成形性が損われ
やすくなる。マグネット材料粉が85〜93重量%で、
樹脂バインダーが7〜15重量%であるのが好ましい。
【0017】前記マグネット材料粉および樹脂バインダ
ーからなる混合物100重量%に対する必要に応じて使
用される成分の割合は、表面処理剤が0〜1重量%、溶
融樹脂磁石の流動性を良好にする滑剤が0〜0.5重量
%、樹脂バインダーの熱分解を防止する安定剤が0〜
0.5重量%、可塑剤が0〜1重量%などであり、これ
らの合計量は3重量%以下であるのが、溶融樹脂磁石材
料の流動性を安定させる点から好ましい。
【0018】前記マグネット材料粉としては、たとえば
異方性フェライト磁性粉単独、等方性フェライト磁性粉
単独、等方性希土類磁性粉単独、異方性希土類磁性粉単
独、異方性フェライト磁性粉および等方性フェライト磁
性粉の混合磁性粉、異方性フェライト磁性粉および等方
性希土類磁性粉の混合磁性粉、異方性フェライト磁性粉
および異方性希土類磁性粉の混合磁性粉、等方性フェラ
イト磁性粉および異方性希土類磁性粉の混合磁性粉、等
方性フェライト磁性粉および等方性希土類磁性粉の混合
磁性粉、異方性希土類磁性粉および等方性希土類磁性粉
の混合磁性粉などがあげられる。これらのうちでは、異
方性フェライト磁性粉単独の場合、低コストにすること
ができる点から好ましく、また、異方性フェライト磁性
粉および等方性希土類磁性粉の混合磁性粉の場合、製造
されるマグネットローラを高磁束密度にすることができ
る点から好ましい。さらに、異方性希土類磁性粉および
等方性希土類磁性粉の混合磁性粉の場合、等方性希土類
磁性粉を混合することにより、低コストと高磁束密度を
両立することができる点から好ましい。
【0019】前記マグネット材料粉の特性としては、異
方性フェライト磁性粉の場合、一般に粒径がおよそ1〜
10μm、Br(残留磁束密度)がおよそ350〜45
0mT、iHc(保持力)がおよそ210〜300KA
/m、異方性希土類磁性粉の場合、一般に粒径がおよそ
1〜10μm、Brがおよそ1000〜1700mT、
iHcがおよそ700〜1000KA/m、等方性フェ
ライト磁性粉の場合、一般に粒径がおよそ50〜300
μm、Brがおよそ200〜250mT、iHcがおよ
そ210〜290KA/m、等方性希土類磁性粉の場
合、一般に粒径がおよそ50〜300μm、Brがおよ
そ900〜1400mT、iHcがおよそ600〜90
0KA/mのごときものが使用される。
【0020】前記マグネット材料粉として混合磁性粉を
使用する場合を、異方性フェライト磁性粉および等方性
希土類磁性粉の混合磁性粉を例にとって説明する。他の
混合磁性粉についても、ほぼ下記説明があてはまる。
【0021】異方性フェライト磁性粉および等方性希土
類磁性粉の混合比(重量比)としては、異方性フェライ
ト系磁性粉(C)/等方性希土類磁性粉(D)=1/9
〜9/1であるのが好ましい。さらに、希土類系磁性粉
の混合比を減らし、低コスト化をはかる観点からは、
(C)/(D)=2/8〜8/2が好ましい。前記混合
比が(C)/(D)=1/9未満の場合、等方性希土類
磁性粉の含有量が少ないため従来のフェライト樹脂磁石
並の磁力しか得られず、一方、前記混合比が(C)/
(D)=9/1をこえる場合、磁性粉として等方性希土
類磁性粉を用いたマグネットローラのように高磁力を得
られるが、所望範囲をこえた磁力を有する磁極が着磁さ
れたり、マグネットローラの仕様に無駄が生じる。ま
た、製造コストが高くなる。
【0022】前記等方性希土類磁性粉の具体例として
は、R(希土類元素)−Fe−N系合金、R―Fe―B
系合金、R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などが
あげられる。これらのなかでも、軟磁性相および硬磁性
相を含み、両相の磁化が交換相互作用する構造を有する
交換スプリング磁性粉を用いるのが、軟磁性相に由来す
る低保磁力を有し、かつ、交換相互作用に由来する高い
残留磁束密度を有するので、高い磁力を得ることができ
る。また、従来の等方性希土類磁性粉に比べて耐酸化性
が良好で、メッキなどの表面被覆をすることなく錆を防
止することができる。さらに、多量の軟磁性相が含まれ
ているので、キュリー点が高くなり(400℃以上)、
使用限界温度が高く(約200℃以上)、残留磁化の温
度依存性が小さくなる。
【0023】前記R(希土類元素)としては、Sm、N
dが好ましく、この他にPr、Dy、Tbなどの1種以
上を組み合わせたものを用いることができる。
【0024】また、前記Feの一部を置換して磁気特性
を高めるために、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、G
e、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Zr、
Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、I
n、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、
Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biなどの元素の1種
以上を添加することができる。
【0025】前記交換スプリング磁性粉の好ましい具体
例としては、たとえば硬磁性相としてR−Fe−B化合
物を用い、軟磁性相としてFe相またはFe−B化合物
相を用いたもの、硬磁性相としてR−Fe−N系化合物
相を用い、軟磁性相としてFe相を用いたものがあげら
れる。より具体的には、Nd−Fe−B系合金(軟磁性
相:Fe−B合金、αFe)、Sm−Fe−N系合金
(軟磁性相:αFe)、Nd−Fe−Co−Cu−Nb
−B系合金(軟磁性相:Fe−B系合金、αFeな
ど)、Nd−Fe−Co系合金(軟磁性相:αFeな
ど)などの交換スプリング磁性粉が好適であり、とく
に、保磁力(iHc)を低く、かつ残留磁束密度(B
r)を大きくする観点からは、Nd4Fe8020合金
(軟磁性相:Fe3B、αFe)や、Sm2Fe173
金(軟磁性相:αFe)の交換スプリング磁性粉が好ま
しい。
【0026】前記異方性フェライト磁性粉としては、M
O・nFe23(Mは、Sr、Baまたは鉛などの1種
以上、nは自然数)で表わされる化学式をもつ異方性フ
ェライト磁性粉を適宜選択して用いることができる。
【0027】前記交換スプリング磁性とは、磁石内に多
量の軟磁性相が存在し、軟磁性特性を有する結晶粒と硬
磁性特性を有する結晶粒の磁化が交換相互作用で互いに
結びつき、軟磁性結晶粒の磁化が反転するのを硬磁性結
晶粒の磁化が妨げ、あたかも軟磁性相が存在しないかの
ような特性を示すもののことである。
【0028】このように、交換スプリング磁石には、硬
磁性相(通常希土類磁石はこの相のみ)より残留磁束密
度が大きく、かつ、保磁力が小さい軟磁性相が多量に含
まれるので、保磁力が小さく、かつ、高残留磁束密度の
磁石が得られる。
【0029】前記樹脂バインダーは、前記マグネット材
料粉を結合するために使用される成分であるため、溶融
時の粘度が安定し、磁性粉の配向を阻害することがない
特性を有することが好ましい。
【0030】前記樹脂バインダーの具体例としては、た
とえばエチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレン
−酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレン−ビニル
アルコール共重合体)、PVC(ポリ塩化ビニル)など
の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などがあげら
れる。これらは1種で用いてもよく2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらのうちでは、ポリアミド樹
脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂が、成形寸法安
定性および磁性粉を配向させやすいなどの点から好まし
い。
【0031】とくに、本体部がナイロンなどからなる樹
脂バインダーの場合には、埋設するマグネットピース
は、PVCなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂
に可撓性を付与した樹脂バインダーとするのが、さらに
好ましい。
【0032】前記表面処理剤としては、たとえばシラン
系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アル
ミニウム系カップリング剤などがあげられる。これらは
1種で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちでは、シラン系カップリング剤が強度
の点から、チタネート系カップリング剤が流動性の点か
ら好ましい。
【0033】前記溶融樹脂磁石の加工性を良好にする滑
剤としては、たとえばアミド系滑剤、オレイン酸などの
脂肪酸系滑剤などがあげられる。これらは1種で用いて
もよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの
うちでは、アミド系滑剤が強度低下を回避することがで
きる点から好ましい。
【0034】前記樹脂バインダーの可塑剤としては、一
般にマグネットローラの製造に使用されているものであ
れば使用することができる。具体例としては、高級アル
コール、芳香族スルホン酸アミドなどがあげられる。
【0035】本発明のマグネットローラは、前記磁石材
料を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形したのち、
射出成形法または押出成形法などにより製造される。
【0036】前記のいずれの成形法でも、成形時に印加
する配向着磁磁場は、マグネットローラ本体の各磁極ま
たは各マグネットピースに要求される磁束密度仕様に応
じて適宜選択すればよい。マグネットローラ本体または
マグネットピース中の異方性フェライト磁性粉は、成形
時に印加した磁場の方向に配向着磁されるが、等方性希
土類磁性粉は配向せず、少し着磁される程度となる。ま
た、要求磁気特性、使用磁気特性によっては、成形時に
配向着磁磁場を印加せず、成形後に着磁してもよい。
【0037】本発明においては、マグネットローラの中
心と現像磁極の磁束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準線
(0°)とし、前記基準線に対して±15°の範囲内
(現像領域付近)における磁気吸引力の最大値をA、最
小値をBとするとき、〔(A−B)/A〕×100
(%)が15%以下になるようにされる。
【0038】現像領域の磁気吸引力の変化量を小さくす
る方法としては、以下に述べるごとき幾つかの方法があ
る。
【0039】マグネット材料粉(磁性粉)として、前
記異方性フェライト磁性粉のみを用いたものや前記混合
磁性粉を用いたものなどを使用して、押出成形または射
出成形などにより、図1に示すように、磁性粉の配向着
磁方向を極異方的にして一体成形をし、成形後、現像磁
極部のみを着磁ヨーク4によりパルス着磁する。この場
合、着磁ヨーク4のヨーク幅は成形時より広いものを用
い、発生磁場強度は成形時より高い強度のものを用い、
所望する磁気吸引力パターンに応じて適宜選択すればよ
いが、マグネット材料粉としてフェライト磁性粉(異方
性、等方性、混合)のみを用いる場合の着磁磁場の強度
は239〜1113KA/m程度、フェライト磁性粉お
よび希土類磁性粉の混合物や希土類磁性粉(異方性、等
方性、混合)を用いる場合の着磁磁場の強度は1193
KA/m以上、好ましくは1590KA/m以上であ
る。これらの着磁磁場の強度は従来よりも大きい。
【0040】なお、図1中の1はマグネットローラ本体
部、2は軸部、3は成形時の配向着磁方向である。
【0041】マグネット材料粉として、前記異方性フ
ェライト磁性粉のみを用いたものや前記混合磁性粉を用
いたものなどを使用して、押出成形または射出成形など
により、図2(a)に示すように、磁性粉の配向着磁方
向を極異方的にして、現像磁極部以外を一体成形する。
つまり、一体成形本体部には、現像磁極部を挿入するた
めの溝5を形成する。該溝5には、別工程(押出成形ま
たは射出成形など)で成形したマグネットピース6(図
2(b)参照、Wは着磁ヨーク幅)を埋設する。このマ
グネットピース6の成形に用いる磁性粉は、前記異方性
フェライト磁性粉のみを用いたものでもよく、混合磁性
粉を用いたものでもよく、とくに限定はない。また、該
マグネットピース6の配向着磁方向は、マグネットピー
ス断面の内周面および側面から外周面の一部に収束する
ように磁性粉を配向着磁するか、マグネットローラ中心
から放射状に磁性粉を配向着磁させる。とくに磁性粉に
混合磁性粉を用いる場合には、一定方向に磁性粉を配向
着磁させてもよい。
【0042】該マグネットピース6には、着磁ヨーク4
によりパルス着磁させる。マグネットピース6への着磁
は、本体部に埋設する前または埋設後のどちらでもよい
が、他磁極への影響を考慮すると、埋設前に着磁するの
が望ましい。また、着磁ヨーク4のヨーク幅は成形時よ
り広いものを用い、発生磁場強度は成形時より高い強度
のものを用い、所望する磁気吸引力パターンにあわせて
適宜選択すればよいが、磁性粉としてフェライト(異方
性、等方性、混合)のみを用いる場合の着磁磁場の強度
は239〜1113KA/m程度、フェライトおよび希
土類の混合物や希土類(異方性、等方性、混合)を用い
る場合の着磁磁場の強度は1193KA/m以上、好ま
しくは1590KA/m以上である。これらの着磁磁場
の強度は従来よりも大きい。
【0043】マグネット材料粉として、前記異方性フ
ェライト磁性粉のみを用いたものや前記混合磁性粉を用
いたものなどを使用して、押出成形または射出成形など
により、図3に示すように、マグネットピース(7は現
像磁極用マグネットピース、8は現像磁極用以外のマグ
ネットピース)を成形する。現像磁極は、現像磁極用マ
グネットピース7断面の内周面および側面から外周面の
一部に収束するように磁性粉を配向着磁させるか、マグ
ネットローラの中心から放射状に磁性粉を配向着磁させ
る。また、磁性粉として混合磁性粉を用いる場合には、
現像磁極用マグネットピース7断面の内周面および側面
から外周面の一部に収束するように磁性粉を配向着磁さ
せるか、マグネットローラの中心から放射状に磁性粉を
配向着磁させるか、一方向に磁性粉を配向着磁させる。
現像磁極用以外のマグネットピース8は、現像磁極の場
合と同様に磁性粉を配向着磁させたり、一方向に磁性粉
を配向着磁させたり、成形時に配向させずに成形し、成
形後着磁させてもよい。現像磁極の成形後の着磁は、各
々のマグネットピース7、8を貼り合わせたのち、着磁
ヨークにてパルス着磁させてもよく、他磁極への影響を
なくすために、貼り合わせる前に着磁させてもよい。着
磁ヨークのヨーク幅は成形時より広いものを用い、発生
磁場強度は成形時より高い強度のものを用い、所望する
磁気吸引力パターンにあわせて適宜選択すればよいが、
磁性粉としてフェライト磁性粉(異方性、等方性、混
合)のみを用いる場合の着磁磁場の強度は239〜11
13KA/m程度、フェライト磁性粉および希土類磁性
粉の混合物や希土類磁性粉(異方性、等方性、混合)を
用いる場合の着磁磁場の強度は1193KA/m以上、
好ましくは1590KA/m以上である。これらの着磁
磁場の強度は従来よりも大きい。
【0044】前記、、の製法(後着磁)により、
マグネットロールは着磁ヨークから発生する磁場によ
り、図4(a)、(b)、(c)のように着磁され、現
像領域の基準線に対して±15°の範囲において、磁気
吸引力の変化量を15%以下にすることができる。つま
り、現像領域における磁気吸引力パターンがほぼフラッ
トとなり、現像領域で感光体に対して安定的な磁気吸引
力(マグネットローラの中心方向へ引きつける力)が発
現し、画像濃度ムラや現像剤カブリを防止することがで
き、高画質を得ることができる。
【0045】なお、現像領域の基準線に対して±15°
をこえる範囲では、現像に与える影響は小さくなり、ほ
とんど無視できる。また、前記磁気吸引力の変化量が1
5%をこえると、現像領域内での磁気吸引力の強さのバ
ラツキが大きくなり、穂立ちの強さが現像領域内で変化
するため、画像濃度ムラの原因となったり、磁気吸引力
の弱いところで現像剤カブリが発生する原因となる。
【0046】後着磁は、図1、図2または図3に示すよ
うに、着磁ヨーク4を用いて、ヨーク幅は成形時より広
いものを用い、発生磁場強度は成形時より高い強度のも
のを用い、パルス着磁をすることにより行なうことがで
きる。ただし、この方法に限定されるものではない。
【0047】後着磁することにより、さらに高磁束密度
にすることができる。後着磁に用いる着磁磁場強度や着
磁ヨーク幅Wにもよるが、磁束密度パターンが多少広く
なり(とくに磁束密度ピーク値から50%以上も幅が広
くなる)、とくに磁気吸引力パターンが磁束密度パター
ンのピーク付近でほぼフラットとなる。
【0048】なお、図4中の9は後着磁による着磁方向
である。
【0049】前記製法において、着磁磁場強度および着
磁ヨーク幅は要求される磁束密度パターンや磁気吸引力
パターンにあわせて適宜選択することにより、現像磁極
の磁束密度パターンピーク位置から±15°の範囲内に
おける磁気吸引力の値の変化量を15%以内にすること
ができる。
【0050】磁気吸引力が感光体に影響を及ぼす範囲
は、通常、マグネットローラの中心と磁束密度パターン
ピーク値とを結ぶ線から±15°の範囲である。±15
°をこえると、感光体と現像スリーブとのギャップが大
きくなり、磁気吸引力が感光体に及ぼす影響が小さくな
る。また、前記範囲で磁気吸引力値の変化量が15%以
内(つまり、パターン的にほぼフラット)であると、現
像領域で安定的な磁気吸引力(スリーブ側に引きつける
力)が発現し、画像濃度ムラや現像剤カブリ(キャリア
カブリや磁性トナーカブリ)を防止することができ、高
画質が得られる。
【0051】前記説明は、4極または5極構成の場合に
ついてであるが、本発明はこれらに限定されず、所望の
磁力と磁界分布に従って、前記製法で作られたマグネッ
ト本体の磁極数やマグネットピースの数量を選択し、磁
極数や磁極位置も適宜設定することができる。
【0052】前記射出成形や押出成形と同時に磁場を印
加する場合、成形物の脱型性の向上、成形物のマグカス
などのゴミ付着の防止、マグネットの取扱性の向上など
のために、成形後、金型内または金型外で一旦脱磁し、
そののち磁性粒子配向方向にほぼ沿った方向に着磁させ
てもよい。
【0053】
【実施例】つぎに、本発明のマグネットローラを実施例
に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0054】実施例1 バインダー10重量%(ナイロン6の9重量%、アミド
系滑剤(ライオン(株)製、アーモワックスEBS−
P)0.2重量%、可塑剤(芳香族スルホン酸アミド)
0.8重量%および磁性粉(異方性ストロンチウムフェ
ライト磁性粉(SrO・6Fe23))90重量%を混
合、溶融混練し、ペレット状に成形し、マグネットロー
ラ本体材料とした。
【0055】得られたペレットを溶融状態(270℃)
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を成形空間内に射出
注入し、239〜1113KA/mの磁場を印加(金型
内の所定の位置に設置した永久磁石または電磁石により
印加)(強度は磁極毎にかえるが、磁場の強さをかえな
がら印加するのではない、以下同様)しながら全磁極を
極異方的に配向着磁し、図5に示す軸部一体型マグネッ
トローラ10を成形した。
【0056】成形後、マグネットローラ本体部の現像磁
極部を図1に示す着磁ヨークを用いて1590KA/m
のパルス磁場で着磁を行なった。この場合の着磁ヨーク
の幅は、成形時の配向着磁用ヨーク幅(3.0mm)よ
りも広く、4.0mmとした(必ず成形時よりも幅広の
着磁ヨークでかつ着磁磁場強度を成形時よりも強くす
る)。
【0057】マグネットローラ外径は13.6mmφ、
マグネットローラ本体部の軸方向長さは300mmと
し、軸部の外径は6mmφとした。
【0058】磁束密度の測定は、得られたマグネットロ
ーラの両端の軸部を支持し、マグネットローラを回転
(約10秒/1回転)させながら、マグネットローラの
中心から8mm離れた位置(スリーブ上)にプローブ
(センサー)をセットし、ガウスメータによりマグネッ
トローラの径方向の磁束密度を測定することにより行な
った。
【0059】磁気吸引力の測定は、得られたマグネット
ローラの両端の軸部を支持し、マグネットローラを回転
させながら、マグネットローラの中心から8.2mm離
れた位置(スリーブ上)に磁性体の角棒(1mm×1m
m×30mm)をセットし、この角棒がマグネットロー
ラに吸引される力を上皿天秤により測定することによ
り、径方向の磁気吸引力を測定した。
【0060】磁束密度および磁気吸引力の実測パターン
を図7に、磁気吸引力の測定方法を説明するための図を
図8に示す。
【0061】なお、図7中、11は磁気吸引力パター
ン、12は磁気吸引力の最大値(±15°内での)=2
8g、13は磁気吸引力の最小値(±15°内での)=
24g、14は磁束密度パターン、15は現像磁極の磁
束密度ピーク位置、16は現像磁極、17はマグネット
ローラの中心、18はスリーブを示す。また、図8中、
19は角棒、20は上皿天秤を示す。
【0062】また、図7から求めた磁気吸引力の極大値
(±15°内での)=28gおよび磁気吸引力の最小値
(±15°内での)=24gを用いて、現像磁極の磁束
密度ピーク位置から±15°の範囲内における磁気吸引
力の最大変化量〔(A−B)/A〕×100(%)を求
めた。
【0063】また、得られたマグネットローラを、市販
されているコピーマシン(A3サイズ用)のマグネット
ローラのかわりに使用し、室温で100K枚を連続して
コピーすることにより画像形成を行ない、得られた画像
の画像濃度ムラ・現像剤カブリの評価を下記基準に基づ
き行なった。
【0064】 ◎:画像濃度ムラ・現像剤カブリがなく画質良好 ○:画像濃度ムラ・現像剤カブリが実用上問題なく画質
良好 △:画像濃度ムラ・現像剤カブリがやや気になり改善を
必要とする画質 ×:画像濃度ムラ・現像剤カブリが多く改善を必要とす
る画質 結果を表1に示す。
【0065】実施例2 磁性粉として、異方性ストロンチウムフェライト磁性粉
(SrO・6Fe23)および等方性希土類磁性粉(N
13.5Fe1.74.8)を7:3の割合で混合した混合磁
性粉を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果
を表1に示す。
【0066】実施例3 磁性粉として、異方性希土類磁性粉(Sm2Fe173
および等方性希土類磁性粉(Nd13.5Fe1.74.8)を
3:7の割合で混合した混合磁性粉を用い、成形時の配
向着磁磁場を239〜1590KA/mとし、かつ現像
磁極部に後着磁しなかった以外は、実施例1と同様に行
なった。結果を表1に示す。
【0067】実施例4 バインダー10重量%(ナイロン6の9重量%、アミド
系滑剤(ライオン(株)製、アーモワックスEBS−
P)0.2重量%、可塑剤(芳香族スルホン酸アミド)
0.8重量%および磁性粉(異方性ストロンチウムフェ
ライト磁性粉(SrO・6Fe23))90重量%を混
合、溶融混練し、ペレット状に成形し、マグネットピー
ス材料とした。
【0068】得られたペレットを溶融状態(270℃)
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を成形空間内に射出
注入し、239〜1113KA/mの磁場を印加(金型
内の所定の位置に設置した永久磁石または電磁石により
印加)しながら極異方的に配向着磁し、図2(b)に示
すマグネットピース6(断面がかまぼこ形状(底面6m
m)、軸方向長さ310mm)を成形した。
【0069】得られたマグネットピースを、図2(b)
に示すような着磁ヨーク(材質がS25C、巻線が2φ
のものを4ターン巻いたもの)で1590KA/mのパ
ルス磁場で後着磁を行なった。この場合の着磁ヨークの
幅は、成形時の配向着磁用ヨーク幅(3.0mm)より
も広く、4.0mmとした。
【0070】マグネットローラ本体は、バインダー10
重量%(ナイロン6の9重量%、アミド系滑剤(ライオ
ン(株)製、アーモワックスEBS−P)0.2重量
%、可塑剤(芳香族スルホン酸アミド)0.8重量%、
磁性粉(異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6
Fe23))90重量%を混合、溶融混練し、ペレット
状に成形し、樹脂磁石材料とした。
【0071】得られたペレットを溶融状態(270℃)
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を成形空間内に射出
注入し、239〜1113KA/mの磁場を印加(金型
内の所定の位置に設置した永久磁石または電磁石により
印加)しながら4つの磁極を極異方的に配向着磁し、図
6に示すような軸一体型マグネットローラ本体10(溝
5付き)を成形した。
【0072】前記マグネットローラ本体10の溝5に、
後着磁したマグネットピース(現像磁極)を埋設した。
【0073】マグネットローラ外径は13.6mmφ、
マグネットローラ本体部の軸方向長さは300mmと
し、軸は6mmφとした。
【0074】得られたマグネットローラを、実施例1と
同様に評価した。結果を表1に示す。
【0075】実施例5 マグネットピース材料の磁性粉として、異方性ストロン
チウムフェライト磁性粉(SrO・6Fe23)と等方
性希土類磁性粉(Nd13.5Fe1.74.8)とを7:3の
割合で混合した混合磁性粉を用いた以外は、実施例4と
同様に行なった。結果を表1に示す。
【0076】実施例6 マグネットピース材料の磁性粉として、異方性希土類磁
性粉(Sm2Fe173)と等方性希土類磁性粉(Nd
13.5Fe1.74.8)とを3:7の割合で混合した混合磁
性粉を用い、成形時の配向着磁磁場を239〜1590
KA/m(金型内の所定の位置に設置した永久磁石また
は電磁石により)とし、かつ現像磁極用マグネットピー
スを後着磁しなかった以外は、実施例4と同様に行なっ
た。結果を表1に示す。
【0077】実施例7 マグネットピース材料として、バインダー10重量%
(ナイロン6の9重量%、アミド系滑剤(ライオン
(株)製、アーモワックスEBS−P)0.2重量%、
可塑剤(芳香族スルホン酸アミド)0.8重量%および
磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト磁性粉
(SrO・6Fe23)90重量%を混合、溶融混練
し、ペレット状に成形し、マグネットピース材料とし
た。
【0078】得られたペレットを溶融状態(270℃)
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を成形空間内に射出
注入し、239〜1113KA/mの磁場を印加(金型
内の所定の位置に設置した永久磁石または電磁石により
印加)しながら極異方的に配向着磁し、図3(a)に示
すマグネットピースを成形した。
【0079】現像磁極用マグネットピースのみ図3
(b)に示す着磁ヨークを用いて1590KA/mのパ
ルス磁場で着磁した。
【0080】この場合の着磁ヨークの幅は、成形時の配
向着磁用ヨーク幅(3.0mm)よりも広く、4.0m
mとした。
【0081】図3に示すように、複数のマグネットピー
スを貼り合わせるマグネットローラにおいて、図3で示
されたように、軸として6mmφのSUM22(磁性
体)を用い、後着磁した1つのマグネットピース(現像
磁極)と、後着磁していない他極のマグネットピースを
貼り合わせる以外は、実施例1と同様に行なった。
【0082】これらのマグネットピースの配向着磁方向
は、一定方向であってもよく、側面と内周面から外周面
に収束する方向(極異方)であってもよく、また、各々
を組み合わせてもよいが、本実施例の場合には、所望の
磁気パターンに合致するように、極異方的にマグネット
ピースを配向着磁し、評価した。結果を表1に示す。
【0083】実施例8 現像磁極用マグネットピースのみを、磁性粉として異方
性ストロンチウムフェライト磁性粉(SrO・6Fe2
3)と等方性希土類磁性粉(Nd13.5Fe1.74.8
とを7:3の割合で混合した混合磁性粉を用いた以外
は、実施例7と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0084】実施例9 現像磁極用マグネットピースのみを、磁性粉として異方
性希土類磁性粉(Sm 2Fe173)と等方性希土類磁性
粉(Nd13.5Fe1.74.8)とを3:7の割合で混合し
た混合磁性粉を用い、成形時の配向着磁磁場を239〜
1590KA/mとし、かつ現像磁極用マグネットピー
スを後着磁しなかった以外は、実施例7と同様に行なっ
た。結果を表1に示す。
【0085】比較例1 現像磁極部に後着磁しなかった以外は、実施例1と同様
に行なった。結果を表1に示す。
【0086】比較例2 現像磁極用マグネットピースに後着磁しなかった以外
は、実施例4と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0087】比較例3 現像磁極用マグネットピースの配向着磁方向を、内周面
から外周面に向かって一定方向にした以外は、実施例4
と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0088】比較例4 現像磁極用マグネットピースに後着磁しなかった以外
は、実施例7と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0089】比較例5 現像磁極用マグネットピースの配向着磁方向を、内周面
から外周面に向かって一定方向にした以外は、実施例7
と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1の結果から明らかなように、実施例
1、2、3および比較例1を比べると、現像領域(±1
5°)での磁気吸引力の変化率(%)は、実施例1、
2、3は15%以下となっており、画質は良好(○〜◎
から◎)であるが、比較例1は15%をこえており、画
質に現像剤カブリや濃度ムラ(△)が発生している。
【0092】また、実施例4、5、6および比較例2を
比べると、現像領域(±15°)での磁気吸引力の変化
率(%)は、実施例4、5、6は15%以下となってお
り、画質は良好(◎)であるが、比較例2は15%をこ
えており、画質は不良(△)で、現像剤カブリや濃度ム
ラが発生している。また、比較例3と比べると、比較例
3は埋設したマグネットピースが一方向に配向着磁され
たもの(後着磁なし)で、磁気吸引力の変化率(%)は
さらに大きくなり、画質は不良(×)で現像剤カブリや
濃度ムラが多く発生している。
【0093】さらに、実施例7、8、9および比較例4
を比べると、現像領域(±15°)での磁気吸引力の変
化率(%)は、実施例7、8、9では15%以下となっ
ており、画質は良好(◎)であるが、比較例4では15
%をこえており、画質は不良(×)で、現像剤カブリや
濃度ムラが発生している。また、比較例5と比べると、
比較例5は、埋設したマグネットピースが一方向に配向
着磁されたもの(後着磁なし)で、磁気吸引力の変化率
(%)はさらに大きくなり、画質は不良(×)で現像剤
カブリや濃度ムラが多く発生している。
【0094】前記の結果から、現像領域(±15°)で
の磁気吸引力の変化率(%)が15%以下になると、現
像剤カブリ(キャリアカブリ、磁性トナーカブリなど)
や濃度ムラ現象が解消され、高画質が得られることがわ
かる。
【0095】
【発明の効果】本発明では、マグネットローラの中心と
現像磁極の磁束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準線(0
°)とし、前記基準線に対して±15°の範囲(現像領
域付近)における磁気吸引力の最大値をA、最小値をB
とするとき、 〔(A−B)/A〕×100(%) が15%以下になるようにするため、現像領域での磁気
吸引力の変化量が小さく、磁気吸引力パターンがフラッ
トとなり、画像濃度ムラや現像剤カブリなどの画像不良
が解消され、高画質が得られ、カラー化にも好適なマグ
ネットローラを提供することができる。
【0096】また、前記マグネットローラにおいて、マ
グネットローラ本体部が一体型マグネットであり、その
現像磁極が後着磁されている場合には、前記特徴を有す
るマグネットローラを低コストで提供することができ
る。
【0097】さらに、前記マグネットローラにおいて、
マグネットローラ本体部の現像磁極部がマグネットピー
スからなり、該マグネットピースの現像磁極が後着磁さ
れている場合には、前記特徴を有するマグネットローラ
をさらに低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である一体型マグネットロ
ーラの径方向の断面説明図に、着磁ヨークを取付けた説
明図である。
【図2】本発明の一実施態様であるマグネットローラの
径方向の断面説明図であり、(a)は溝を有するマグネ
ットローラ本体部の断面説明図、(b)は着磁ヨークを
取付けた現像磁極用マグネットピースの断面説明図であ
る。
【図3】本発明の一実施態様であるマグネットローラの
径方向の断面説明図であり、(a)はマグネットピース
を貼り合わせたマグネットローラの断面説明図、(b)
は着磁ヨークを取付けた現像磁極用マグネットピースの
断面説明図である。
【図4】本発明の一実施態様である後着磁によるマグネ
ットローラの径方向の断面説明図であり、(a)は一体
型マグネットローラの現像磁極の後着磁を説明するため
の図、(b)は現像磁極用マグネットピース埋設型マグ
ネットローラの現像磁極の後着磁を説明するための図、
(c)はマグネットピース貼り合わせ型マグネットロー
ラの現像磁極用マグネットピースの後着磁を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の一実施態様である軸部一体型マグネッ
トローラの軸方向の断面説明図である。
【図6】本発明の一実施態様である溝を有する軸部一体
型マグネットローラの説明図であり、(a)は左側面説
明図、(b)は軸方向の断面説明図である。
【図7】本発明の実施例1で製造したマグネットローラ
の磁束密度および磁気吸引力の実測パターンを示す図で
ある。
【図8】本発明のマグネットローラの磁気吸引力の測定
法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 マグネットローラ本体部 2 軸部 3 成形時の配向着磁方向 4 着磁ヨーク W 着磁ヨーク幅 5 マグネットローラ本体部の溝 6 マグネットピース 7 現像磁極用マグネットピース 8 現像磁極用以外のマグネットピース 9 後着磁による着磁方向 10 一体型マグネットローラ 11 磁気吸引力パターン 12 磁気吸引力の最大値(±15°内での)=28g 13 磁気吸引力の最小値(±15°内での)=24g 14 磁束密度パターン 15 現像磁極の磁束密度ピーク位置 16 現像磁極 17 マグネットローラの中心 18 スリーブ 19 角棒 20 上皿天秤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネットローラの中心と現像磁極の磁
    束密度ピーク位置とを結ぶ線を基準線(0°)とし、前
    記基準線に対して±15°の範囲内(現像領域付近)に
    おける磁気吸引力の最大値をA、最小値をBとすると
    き、 〔(A−B)/A〕×100(%) が15%以下になることを特徴とするマグネットロー
    ラ。
  2. 【請求項2】 マグネットローラ本体部が一体型マグネ
    ットローラであり、その現像磁極が後着磁されている請
    求項1記載のマグネットローラ。
  3. 【請求項3】 マグネットローラ本体部の現像磁極部が
    マグネットピースからなり、該マグネットピースの現像
    磁極が後着磁されている請求項1記載のマグネットロー
    ラ。
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