JP4032706B2 - マグネットローラの製造方法及び該製造方法により作製してなるマグネットローラ - Google Patents

マグネットローラの製造方法及び該製造方法により作製してなるマグネットローラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンターまたはファクシミリの受信装置などの画像形成装置において、電子写真プロセスを採用した電子写真装置に組み込まれるマグネットローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマグネットローラの磁場配向用金型において、特開昭61−115316の第1図あるいは第5図には、扇形のマグネットピースの両側面の全面にヨーク(磁性部材)が当接していることが開示されている。
また、特開昭62−282423の第1図には、扇形のマグネットピースの側面の一部(下部)にヨーク(磁性部材)が当接している例が示されているが、この場合も、ヨーク(磁性部材)がマグネットピースの側面に接する位置及び面積は、両側面とも同じである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、特開昭61−115316の第1図あるいは第5図、特開昭62−282423の第1図に示される磁場配向用金型は、ヨーク(磁性部材)がマグネットピースの側面に接する位置及び面積は、両側面とも同じである為、複雑な磁束密度パターン(磁束密度ピークを挟んで非対称なパターン等)を形成することができず、市場ニーズに対応できない面があった。
本発明は、磁場配向金型で成形するマグネットピースにおいて、該マグネットピースの側面のヨーク(磁性部材)の位置や側面に対する寸法比率を変えたり、片側の側面にのみヨーク(磁性部材)を当接することにより、複雑な磁束密度パターンの形成が可能となるマグネットローラを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、ヨーク(磁性部材)がマグネットピース側面に接する位置及び/又はヨークがマグネットピース側面に接する面積が、マグネットピースの両側面で異なっている金型によりマグネットピースを成形してなることを特徴とするマグネットローラの製造方法に関するものである(請求項1)。また本発明は、複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、マグネットピースの側面に当接するヨーク(磁性部材)が片側の側面にのみ当接する金型によりマグネットピースを成形してなることを特徴とする請求項1記載のマグネットローラの製造方法に関するものである(請求項2)。また本発明は、これら製造方法により作製してなるマグネットローラに関するものである(請求項3)。本発明により複雑な磁束密度パターン(非対称等)をもつマグネットローラが得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
異方性フェライト磁性粉の50重量%〜95重量%と、樹脂バインダーの5重量%〜50重量%とからなる混合物を主体とし、必要に応じて、表面処理剤としてシラン系やチタネート系やアルミニウム系のカップリング剤、溶融樹脂磁石の流動性を良好にする滑剤としてポリスチレン系・フッ素系滑剤、樹脂バインダーの熱分解を防止する安定剤、可塑剤、もしくは難燃剤などを添加した磁石材料を、混合分散し、溶融混練し、ペレット状に成形した後に、射出成形法あるいは押出成形法などにより、マグネットピースが成形される。
樹脂バインダーとしては、エチレンーエチルアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)およびPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類あるいは2種類以上、もしくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の1種類あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
また、前記磁性粉の含有率が50重量%未満では、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性が低下して所望の磁力が得られないことがあり、またその含有率が95重量%を超えると、バインダー不足となり成形性が損なわれることがある。
いずれの成形方法でも成形時に印加する配向着磁磁場は、各マグネットピースに要求される磁束密度仕様により適宜選択すればよい。
【0006】
また高磁束密度への要求に応えるために、等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉とを混合してなる磁性粉を用いることができる。等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との割合は、通常、等方性希土類磁性粉が10重量%〜90重量%の範囲内、異方性フェライト磁性粉が90重量%〜10重量%の範囲内であるが、等方性希土類磁性粉が20重量%〜80重量%の範囲内、異方性フェライト磁性粉が80重量%〜20重量%の範囲内である(両者の合計は100%)ことが好ましい。高価な等方性希土類磁性粉の含有率をより少なくすることにより、マグネットローラの低コスト化を図ることができる。等方性希土類磁性粉の含有率が上記範囲よりも少ない場合には、マグネットピースに占める等方性希土類磁性粉の割合が少なくなりすぎるので、従来のフェライト磁石と同程度の磁力しか得ることができない。等方性希土類磁性粉の含有率が上記範囲よりも多い場合には、高磁力を得る(高磁束密度を達成する)ことができるが、マグネットローラに所望する範囲を越えた磁力を有する磁極が着磁されるおそれがあると共に、マグネットローラの仕様に無駄が生じ、該マグネットローラが高価になってしまう。
【0007】
上記の希土類磁性粉として例を挙げると、R(希土類)−Fe−N系合金、R―Fe―B系合金、R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などがある。
これらの中でも、軟磁性相と硬磁性相とを含み両相の磁化が交換相互作用する構造をもつ交換スプリング磁性粉を用いてもよい。交換スプリング磁性粉は、軟磁性相からくる低保磁力を有し、かつ交換相互作用からくる高い残留磁束密度を有するので、高い磁力を得ることができ、また従来の希土類磁性粉に比べ耐酸化性が良好で、メッキ等の表面被覆をすることなく錆が防止でき、さらに多量の軟磁性相が含まれるので、キュリー点が高くなり(400°C以上)使用限界温度が高く(約200°C以上)残留磁化の温度依存性が小さくなる。
前記R(希土類元素)としては、好ましくはSm、Nd、この他にPr、Dy、Tbなどの1種または2種類以上を組合せたものを用いることができ、また、前記Feの一部を置換して磁気特性を高めるために、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Tc、
Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biなどの元素の1種または2種以上を添加することができる。交換スプリング磁性粉としては、硬磁性相としてR−Fe−B化合物、且つ軟磁性相としてFe相またはFe−B化合物相を用いたもの、もしくは、硬磁性相としてR−Fe−N系化合物相、且つ軟磁性相としてFe相を用いたものが好ましい。より具体的には、Nd−Fe−B系合金(軟磁性相:Fe−B合金、αFe)、Sm−Fe−N系合金(軟磁性相:αFe)、Nd−Fe−Co−Cu−Nb−B系合金(軟磁性相:Fe−B系合金、αFeなど)Nd−Fe−Co系合金(軟磁性相:αFeなど)などの交換スプリング磁性粉が好適であり、特に、保磁力(iHc)を低く且つ残留磁束密度(Br)を大きくする観点からは、Nd4Fe8020合金(軟磁性相:Fe3B、αFe)やSm2Fe173合金(軟磁性相:αFe)の交換スプリング磁性粉が好ましい。
また、上記フェライト磁性粉としては、MO・nFe23(nは自然数)に代表される化学式をもつ異方性のフェライト磁性粉を用い、式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種類あるいは2種類以上を適宜選択して用いる。
ここで、技術用語である「交換スプリング磁性」の説明を行う。
「交換スプリング磁性」:磁石内に多量の軟磁性相が存在し、軟磁性特性を有する結晶粒と硬磁性特性を有する結晶粒の磁化が交換相互作用で互いに結びつき、軟磁性結晶粒の磁化が反転するのを硬磁性結晶粒の磁化が妨げ、あたかも軟磁性相が存在しないかのような特性を示すものである。このように、交換スプリング磁石には硬磁性相(通常希土類磁石はこの相のみ)より残留磁束密度が大きくかつ保磁力が小さい軟磁性相が多量に含まれるので、保磁力が小さくかつ高残留磁束密度の磁石が得られる。
混合磁性粉と混合する樹脂バインダーとしては、エチレンーエチルアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)およびPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類あるいは2種類以上、もしくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の1種類あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
また、前記混合磁性粉の含有率が50重量%未満では、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性が低下して所望の磁力が得られず、またその含有率が95重量%を超えると、バインダー不足となり本体部の成形性が損なわれる。
該マグネットピースは、成形時には異方性フェライト磁性粉は磁場を印加した方向に配向着磁されるが、等方性希土類磁性粉は配向されず、着磁のみされる。
【0008】
従来は、図1の(a)ような金型構成で溶融樹脂磁石を配向着磁し、マグネットピースを成形し、図1の(b)ようにマグネットピースを貼り合わせることにより、図1の(b)に示すように、N1極は磁束密度ピーク値を挟んで対称的な磁束密度パターンとなっていた。
本発明は、図1の(a)に比べ、マグネットピースの当接するヨークの位置及びマグネットピースの側面に対する寸法比率を図2の(a)のように変えた金型構成で溶融樹脂磁石を配向着磁することにより、マグネットピースの磁性粒子の配向方向は図2の(b)の▲7▼に示すようになる。
図2の(a)の金型で成形したマグネットピースを、図2の(b)ように貼り合わせることにより、図2の(b)に示すように磁束密度ピーク値を挟んで非対称的な磁束密度パターンが得られる。
この場合、ヨーク(磁性部材)とマグネットピース側面が接する面積は、要求される磁束密度パターン形状により適宜選択すればよい。マグネットピースの側面に接するヨーク(磁性部材)の面積は、マグネットピースの1つの側面の面積に対して、20%〜90%であることが好ましく、30%〜80%であることがより好ましい。20%未満では、得られる磁束密度値が小さくなり、90%を超えると従来の製法(金型構造)と変わらないものとなってしまう。
磁性部材は、限定されるものではないが、S25C、S45C、パーメンジュール等を用いればよい。
【0009】
また、図8の(a)ように、マグネットピースの側面の片側のみにヨークを当接した金型構造で溶融樹脂磁石を配向着磁することにより、マグネットピースの磁性粒子の配向方向は図8の(b)の▲7▼に示すようになる。図8の(a)の金型で成形したマグネットピースを、図8の(b)のように貼り合わせることにより、図8の(b)に示すように磁束密度ピーク値を挟んで非対称的な磁束密度パターンが得られる。この場合、ヨークを当接していない側の側面への漏れ磁場を無くす為、ヨークを当接した側面と逆側の側面に、着磁ヨークが発生する磁場の極性とは逆の極性の永久磁石を前記逆側の側面に当接してもよい。こうすることにより、漏れ磁場が減少し、そして、当該マグネットピースを図9の(b)のように貼り合わせると、永久磁石を側面に当接しない場合に比べ、磁束密度が向上する。
なお、図3、図6、及び図9に示すような、マグネットピースに接する永久磁石は、本発明のヨーク(磁性部材)には該当しないものとする。
【0010】
マグネットピースの金型構成(マグネットピース側面に当接する磁性部材の大きさあるいは位置)は上記に限らず、A)マグネットピース側面の片側のなかで、磁性部材を複数用い、磁性部材と磁性部材の間に非磁性部材あるいは着磁ヨークが発生する磁場の極性と逆の極性の永久磁石を設けたり、B)マグネットピース側面の片側のなかで、磁性部材の透磁率を変えたものを複数用い、磁性部材と磁性部材の間に非磁性部材を設けたり、C)マグネットピース側面の片側のなかで、磁性部材の透磁率を変えたものを複数用い、磁性部材と磁性部材の間には隙間を設けなかったり、D)マグネットピース側面の片側の磁性部材を、側面と底面(内周面側)にわたって当接させるようにしたりしてもよい。
【0011】
マグネット材料の磁性粉として、前記異方性フェライトのみを用いたものや前記混合磁性粉を使用したもの等を用いたもので、押出成形あるいは射出成形等で、図2〜図10に示すようなマグネットピースを成形することができる。
成形時の配向着磁磁場の強さは、磁性粉としてフェライト系のみを用いた場合は、239KA/m〜1113KA/m程度が望ましく、磁性粉としてフェライト系と希土類系の混合粉や希土類系を用いる場合は、希土類系磁性粉の着磁には比較的高い磁場が必要であるため、1193KA/m以上が好ましく、1590KA/m以上であることがより好ましい。磁場発生源としては、電磁石や希土類磁石等があげられる。
上記のように成形されたマグネットピースをシャフト(丸、多角形等)の外周面に接着剤(シアノアクリレート系瞬間接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系2液接着剤等)を用いて貼り合わせてマグネットローラを形成する。
また、成形品(マグネットピース)の金型からの取り出しを容易にする為や、成形物のマグカス等のゴミ付着の防止やマグネットの取り扱い性を容易にする為に、成形後金型内あるいは金型外で一旦脱磁し、その後磁性粒子配向方向にほぼ沿った方向に再着磁してもよい。
再着磁は、どのような方法でもよいが、例えば、着磁ヨークをマグネットピースに当接しパルス着磁するか、マグネットピースを電磁石で発生させた一定磁場内を通過させて着磁してもよい。これらの着磁は、各マグネットピース毎に行い、その後シャフトに貼り合わせたり、着磁前にシャフトに貼り合わせ、その後部分的に着磁あるいは全極一括して着磁してもよい。
【0012】
ここでは磁極数が5極構成の場合を説明しているが、本発明ではこれに限らず、所望の磁力と磁界分布に従って、上記製法で作られたマグネットピースの数量を選択し、磁極数や磁極位置も適宜設定すればよい。また、ここでは磁性粉として、異方性フェライト磁性粉単独、異方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉の場合を示したが、等方性フェライト磁性粉単独、等方性希土類単独、異方性希土類磁性粉単独、等方性フェライト磁性粉と異方性フェライト磁性粉との混合磁性粉、異方性フェライト磁性粉と異方性希土類磁性粉との混合磁性粉、等方性フェライト磁性粉と異方性希土類磁性粉との混合磁性粉、等方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉、異方性希土類磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉を用いてもよい。
【0013】
【発明の効果】
請求項1では、複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、ヨーク(磁性部材)がマグネットピース側面に接する位置及び/又はヨークがマグネットピース側面に接する面積が、マグネットピースの両側面で異なっている金型によりマグネットピースを成形してなることにより、複雑(非対称等)な磁束密度パターンが得られる。請求項2では、複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、マグネットピースの側面に当接するヨーク(磁性部材)が片側の側面にのみ当接する金型によりマグネットピースを成形してなることにより、複雑(非対称等)な磁束密度パターンが得られる。
【0014】
【実施例】
以下に実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0015】
実施例1
マグネットピース材料として、樹脂バインダーにナイロン12(宇部興産(株)製P3012U)を10重量%(滑剤、可塑剤、安定剤も含む)、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23:日本弁柄工業(株)製NF110)を90重量%とし、樹脂バインダーと磁性粉を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形し、このペレットを溶融状態にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を射出注入し、239K・A/m〜1113K・A/mの磁場を印加しながらマグネットピース▲1▼以外の各ピースを図1の(a)の金型を用いて、それぞれ極異方的に配向着磁し、マグネットピースを成形した。そして、マグネットピース▲1▼のみ図2の(a)に示す金型を用いて成形を行った。(両者の成形金型の着磁ヨーク幅は2mm)そしてこれらのマグネットピースをシャフトに貼り合わせマグネットローラを形成した。
これらのマグネットピース(長さ310mm、外周面の曲率が6.8mm、内周面の曲率が3mm)を直径φ6長さ350mmのシャフトの外周に貼り合わせ、マグネットローラを形成した。(マグネット本体部の外径はφ13.6となる)磁束密度の測定方法は、得られたマグネットローラの両端のシャフト部を支持し、マグネットローラを回転させながら、マグネットローラ中心から8mm離れた位置(スリーブ上)にプローブ(センサー)をセットし、ガウスメータにてマグネットローラの周方向の磁束密度を測定した。
【0016】
マグネットローラ周方向の磁束密度の実測パターンを図2の(b)に示す。
マグネットローラ周方向の磁束密度パターンの半値幅、半身幅、を表1に示す。ここで、半値幅とは、図11に示すように、磁束密度パターンにおいて、磁束密度ピーク値の50%の位置▲9▼(c点)とマグネットローラ中心とを結ぶ線(ce)と、もう一方の磁束密度ピーク値の50%の位置 マル10(d点)とマグネットローラ中心を結ぶ線(de)との角度 マル13(α)である。また、半身幅とは、同じく図11に示すように、磁束密度パターンにおいて、磁束密度ピーク値の50%の位置▲9▼(c点)とマグネットローラ中心とを結ぶ線(ce)と、磁束密度ピーク位置 マル12(f点)とマグネットローラ中心とを結ぶ線(fe)との角度 マル14(β)である。
【0017】
実施例2
マグネットピース▲1▼のみ図3の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0018】
実施例3
マグネットピース▲1▼のみ図4の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0019】
実施例4
マグネットピース▲1▼のみ図5の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0020】
実施例5
マグネットピース▲1▼の材料として、樹脂バインダーにナイロン12(ダイセル化学工業(株)製ZZ3000P)を10重量%(滑剤、可塑剤、安定剤も含む)、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23:日本弁柄工業(株)製NF110)と等方性R(希土類)−Fe−B系合金(Nd2Fe14B:MQI製MQP−B)とを7:3の割合で混合し、混合磁性紛を90重量%とし、樹脂バインダーと混合磁性粉を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形し、このペレットを溶融状態にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を射出注入し、2394K・A/mの磁場を印加しながら、マグネットピース▲1▼のみ図6の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0021】
実施例6
マグネットピース▲1▼のみ図7の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0022】
実施例7
マグネットピース▲1▼のみ図8の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例5と同様に行った。
【0023】
実施例8
マグネットピース▲1▼のみ図9の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例5と同様に行った。
【0024】
実施例9
マグネットピース▲1▼のみ図10の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例5と同様に行った。
【0025】
比較例1
マグネットピース▲1▼のみ図1の(a)に示す金型を用いて成形する以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0026】
【表1】
Figure 0004032706
実施例1と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例1のS1極側の半身幅が比較例よりも3°程度大きくなっている。
実施例2と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例2の半値幅が比較例1よりも6°程度小さくなっており、かつS2極側の半身幅が5°程度小さくなっている。
実施例3と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例3のS2極側の半身幅が比較例1よりも2°程度大きくなっている。
実施例4と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例4の半値幅が比較例1よりも6°程度小さくなっている。
実施例5と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例5の半値幅が比較例1よりも12°程度小さくなっている。
実施例6と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例6の半値幅が比較例1よりも5°程度大きくなっている。
実施例7と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例7の半値幅が比較例1よりも5°程度小さくなっており、かつS1極側の半身幅が4°程度小さくなっている。
実施例8と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例8の半値幅が比較例1よりも6°程度小さくなっており、かつS1極側半身幅が比較例1よりも6°程度小さくなっている。
実施例9と比較例1とを比べると、N1極磁束密度パターンにおいて、実施例9の半値幅が比較例1よりも3°程度小さくなっていおり、かつS1極側半身幅が比較例1よりも3°程度小さくなっている。
上記のように、マグネットピースの側面に当接するヨークの位置あるいは側面に対するヨークの寸法比率変えた金型を用いたり、マグネットピースの側面に当接するヨークが片側の側面にのみ当接する金型を用いることにより、複雑な磁束密度パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図2】本発明の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図3】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図4】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図5】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図6】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図7】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図8】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図9】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図10】本発明の別の成形金型とマグネットローラ断面図と磁束密度パターン
【図11】磁束密度半値幅、半身幅を説明する図
【符号の説明】
1.マグネットピース
2.ヨーク(磁性部材)
3.着磁ヨーク(幅2mm)
4.磁束密度パターン
5.スリーブ
6.シャフト
7.磁性粒子配向着磁方向
8.永久磁石
9.c点:A/2(mT)の位置
10.d点:もう一方のA/2(mT)の位置
11.e点:マグネットローラ中心点
12.f点:磁束密度ピーク点
13.α:半値幅
14.β:半身幅

Claims (3)

  1. 複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、ヨークがマグネットピース側面に接する位置及び/又はヨークがマグネットピース側面に接する面積が、マグネットピースの両側面で異なっている金型によりマグネットピースを成形してなることを特徴とするマグネットローラの製造方法
  2. 複数のマグネットピースを貼り合わせて形成するマグネットローラの製造方法において、マグネットピースの側面に当接するヨークが片側の側面にのみ当接する金型によりマグネットピースを成形してなることを特徴とする請求項1記載のマグネットローラの製造方法
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により作製してなるマグネットローラ。
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