JP2003217924A - マグネットローラ - Google Patents

マグネットローラ

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JP2003217924A
JP2003217924A JP2002011267A JP2002011267A JP2003217924A JP 2003217924 A JP2003217924 A JP 2003217924A JP 2002011267 A JP2002011267 A JP 2002011267A JP 2002011267 A JP2002011267 A JP 2002011267A JP 2003217924 A JP2003217924 A JP 2003217924A
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magnet
roller
magnet roller
cross
area
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Application number
JP2002011267A
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English (en)
Inventor
Masaharu Iwai
雅治 岩井
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Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
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  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来は、温度変化や経時変化により、マグネッ
トローラに反りが発生し、その結果、長手方向磁束密度
が不均一になり、またスリーブ内径にマグネットローラ
が接触するという問題が発生していた。 【解決手段】マグネットピース貼り合わせ型のマグネッ
トローラにおいて、ヤング率が最大のピースのヤング率
値をYmax、ヤング率が最小のピースのヤング率値をYm
inとした場合、1−Ymin/Ymax≦0.25を満たすよ
うにする。この場合、マグネットローラの最大半径を
R、マグネット部分の総断面積をS、ローラの断面にお
いてマグネットが占める面積をS1、ローラの断面にお
いてマグネットがない部分の面積をS2とした場合、S
2≦S1×0.06〔S=πR2−シャフト断面積、S
2=S−S1〕を満たすことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンターまたはファクシミリの受信装置などの
画像形成装置において、電子写真プロセスを採用した電
子写真装置に組み込まれるマグネットローラに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネットローラは、特開昭53
−9541の第3図及び第4図、特開昭54−1208
64の第2図及び第5図、実開昭58−173206の
第5図や第6図に示されるように、マグネットローラ断
面において切り欠き部を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シャフトの外周全体
に、一種類のマグネットが存在する場合は、シャフトと
マグネットの伸縮率(ヤング率)は異なるものの、該シ
ャフト外周全体に同じヤング率のマグネットが存在する
ため、例えば気温が変化した際のシャフトとマグネット
の伸縮率の違いにより発生する力は互いに相殺され、結
果的に反りは発生しない。しかし、上記のような切り欠
きのあるマグネットローラの場合は、マグネットが存在
する部分とマグネットが存在しない部分との伸縮率(ヤ
ング率)の違いにより、マグネットが存在する側に凸と
なるように反りが発生していた。また、複数のマグネッ
トピースをシャフトに貼り合わせて形成するマグネット
ローラにおいては、例えば、現像極にインジェクション
成形等で成形した硬質マグネットピース(ヤング率25
00kgf/mm2程度)を用い、その他の極に押出成
形等で成形した軟質マグネットピース(ヤング率60k
gf/mm2)を用いた場合、現像極とその他の極との
伸縮率(ヤング率)の違いにより、マグネットローラは
ヤング率の大きい現像極側へ凸になるように反りが発生
していた。
【0004】本発明は、複数のマグネットピースをシャ
フトに貼り合わせて形成するマグネットローラにおい
て、マグネットピースのヤング率の最大値と最小値の関
係を、1−Ymin/Ymax≦0.25とし、また、マグネ
ットローラの断面において、シャフトを除き、マグネッ
トがない空間部分の面積が、マグネット部分の総断面積
の6%以下とし、更に、該空間部分がマグネット部分の
総断面積の6%を超える場合には、マグネットがない空
間部分へダミーピースを設けることにより、反りが発生
しないマグネットローラを得ることを目的とする。
【0005】
〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S1〕
また本発明は、マグネットローラの最大半径をR、マグ
ネット部分の総断面積をS、マグネットローラの断面に
おいてマグネットが占める面積をS1、マグネットロー
ラの断面においてマグネットがない部分の面積をS2と
した場合、下記式を満たし、なおかつマグネットがない
部分にダミーピースを設けたマグネットローラに関する
(請求項3、5)。 S2>S1×0.06 〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S
1〕 なお本発明におけるマグネットローラの最大半径をRと
は、マグネットローラのシャフトの中心と、マグネット
部分の外周との最大距離をいう。また本発明におけるダ
ミーピースとは、マグネットがない部分(以下では空間
部ともいう)に詰める非磁性の物体をいう。また本発明
における本体部を一体型マグネットで形成するマグネッ
トローラとは、ただ一つのマグネットからなるマグネッ
トローラをいい、通常は、シャフトの周囲に樹脂マグネ
ット成形して得られるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。異方性フェライト磁性粉の50重量%〜95重
量%と、樹脂バインダーの5重量%〜50重量%とから
なる混合物を主体とし、必要に応じて、表面処理剤とし
てシラン系やチタネート系やアルミニウム系のカップリ
ング剤、溶融樹脂磁石の流動性を良好にする滑剤として
ポリスチレン系・フッ素系滑剤、樹脂バインダーの熱分
解を防止する安定剤、可塑剤、もしくは難燃剤などを添
加した磁石材料を、混合分散し、溶融混練し、ペレット
状に成形した後に、射出成形法あるいは押出成形法など
により、マグネットピースや一体型マグネットが成形さ
れる。磁性紛としては、MO・nFe23(nは自然
数)に代表される化学式をもつ異方性のフェライト磁性
粉を用い、式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの
1種類あるいは2種類以上を適宜選択して用いる。樹脂
バインダーとしては、エチレンーエチルアクリレート樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリ
エチレンテレフタタレート)、PBT(ポリブチレンテ
レフタレート)、PPS(ポリフェニレンスフィド)、
EVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)、EVOH
(エチレンービニルアルコール共重合体)、CPE(塩
素化ポリエチレン)およびPVC(ポリ塩化ビニル)な
どの1種類あるいは2種類以上、もしくは、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂な
どの熱硬化性樹脂の1種類あるいは2種類以上を混合し
て用いることができる。
【0007】また、前記磁性粉の含有率が50重量%未
満では、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性
が低下して所望の磁力が得られず、またその含有率が9
5重量%を超えると、バインダー不足となり成形性が損
なわれる。いずれの成形方法でも成形時に印加する配向
着磁磁場は、各磁極に要求される磁束密度仕様により適
宜選択すればよい。また高磁束密度要求への要求に応え
るために、等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性
粉とを混合してなる磁性粉を用いることができる。等方
性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との割合は、
通常、等方性希土類磁性粉が10重量%〜90重量%の
範囲内、異方性フェライト磁性粉が90重量%〜10重
量%の範囲内であるが、等方性希土類磁性粉が20重量
%〜80重量%の範囲内、異方性フェライト磁性粉が8
0重量%〜20重量%の範囲内である(両者の合計は1
00%)ことが好ましい。高価な等方性希土類磁性粉の
含有率をより少なくすることにより、マグネットローラ
の低コスト化を図ることができる。等方性希土類磁性粉
の含有率が上記範囲よりも少ない場合には、マグネット
ピースあるいは一体型マグネットに占める等方性希土類
磁性粉の割合が少なくなりすぎるので、従来のフェライ
ト磁石と同程度の磁力しか得ることができない。等方性
希土類磁性粉の含有率が上記範囲よりも多い場合には、
高磁力を得る(高磁束密度を達成する)ことができる
が、マグネットローラに所望する範囲を超えた磁力を有
する磁極が着磁されるおそれがあると共に、マグネット
ローラの仕様に無駄が生じ、該マグネットローラが高価
になってしまう。
【0008】上記の希土類磁性粉として例を挙げると、
R(希土類)−Fe−N系合金、R―Fe―B系合金、
R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などがある。こ
れらの中でも、軟磁性相と硬磁性相とを含み両相の磁化
が交換相互作用する構造をもつ交換スプリング磁性粉を
用いてもよい。交換スプリング磁性粉は、軟磁性相から
くる低保磁力を有し、かつ交換相互作用からくる高い残
留磁束密度を有するので、高い磁力を得ることができ、
また従来の希土類磁性粉に比べ耐酸化性が良好で、メッ
キ等の表面被覆をすることなく錆が防止でき、さらに多
量の軟磁性相が含まれるので、キュリー点が高くなり
(400°C以上)使用限界温度が高く(約200°C
以上)残留磁化の温度依存性が小さくなる。
【0009】前記R(希土類元素)としては、好ましく
はSm、Nd、この他にPr、Dy、Tbなどの1種ま
たは2種類以上を組合せたものを用いることができ、ま
た、前記Feの一部を置換して磁気特性を高めるため
に、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Al、S
i、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Hg、Tl、Pb、Biなどの元素の1種または2種以
上を添加することができる。交換スプリング磁性粉とし
ては、硬磁性相としてR−Fe−B化合物、且つ軟磁性
相としてFe相またはFe−B化合物相を用いたもの、
もしくは、硬磁性相としてR−Fe−N系化合物相、且
つ軟磁性相としてFe相を用いたものが好ましい。より
具体的には、Nd−Fe−B系合金(軟磁性相:Fe−
B合金、αFe)、Sm−Fe−N系合金(軟磁性相:
αFe)、Nd−Fe−Co−Cu−Nb−B系合金
(軟磁性相:Fe−B系合金、αFeなど)Nd−Fe
−Co系合金(軟磁性相:αFeなど)などの交換スプ
リング磁性粉が好適であり、特に、保磁力(iHc)を
低く且つ残留磁束密度(Br)を大きくする観点から
は、Nd4Fe8020合金(軟磁性相:Fe3B、αF
e)やSm2Fe173合金(軟磁性相:αFe)の交換
スプリング磁性粉が好ましい。また、上記フェライト磁
性粉としては、MO・nFe23(nは自然数)に代表
される化学式をもつ異方性のフェライト磁性粉を用い、
式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種類ある
いは2種類以上を適宜選択して用いる。ここで、技術用
語である「交換スプリング磁性」の説明を行う。 「交換スプリング磁性」:磁石内に多量の軟磁性相が存
在し、軟磁性特性を有する結晶粒と硬磁性特性を有する
結晶粒の磁化が交換相互作用で互いに結びつき、軟磁性
結晶粒の磁化が反転するのを硬磁性結晶粒の磁化が妨
げ、あたかも軟磁性相が存在しないかのような特性を示
すものである。このように、交換スプリング磁石には硬
磁性相(通常希土類磁石はこの相のみ)より残留磁束密
度が大きくかつ保磁力が小さい軟磁性相が多量に含まれ
るので、保磁力が小さくかつ高残留磁束密度の磁石が得
られる。混合磁性粉と混合する樹脂バインダーとして
は、エチレンーエチルアクリレート樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタ
タレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレン
ー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニル
アルコール共重合体)、CPE(塩素化ポリエチレン)
およびPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類あるいは
2種類以上、もしくは、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂
の1種類あるいは2種類以上を混合して用いることがで
きる。また、前記混合磁性粉の含有率が50重量%未満
では、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性が
低下して所望の磁力が得られず、またその含有率が95
重量%を超えると、バインダー不足となり本体部の成形
性が損なわれる。該マグネットピースや一体型マグネッ
トは、成形時には異方性フェライト磁性粉は磁場を印加
した方向に配向着磁されるが、等方性希土類磁性粉は配
向されず、着磁のみされる。
【0010】従来、磁極配置の都合や、現像剤剥離領域
(磁気反発ゾーン)を低磁束密度にするためや規制部材
に対向する部分を低磁束密度にするため等に、シャフト
外周をマグネットで均一に覆うことなく、マグネットの
一部に切り欠き等の空間部分(マグネットが存在しない
部分)を設けたりしたため、マグネットが存在する部分
と存在しない部分(空間部分)とでヤング率が異なり、
温度変化(高くなる)や経時変化により、マグネットが
存在しない側とは逆方向に凸に反りが発生していた。こ
の反りにより、長手方向の磁束密度が均一でなくなった
り、マグネット外周面がスリーブ内周面に接触する等の
問題が発生していた。
【0011】本発明は、マグネットローラを構成するマ
グネットピースのうち、ヤング率が最大のマグネットピ
ースのヤング率をYmax、ヤング率が最小のマグネット
ピースのヤング率をYminとした場合、1−Ymin/Yma
x≦0.25 とすることにより、温度変化や経時変化
等による反りの発生が防止でき、反りの小さい(反り
量:0.15mm以下)マグネットローラが得られる。
一方、1−Ymin/Ymax>0.25となると、ヤング率
差が原因となり、温度変化や経時変化により、マグネッ
トローラの反りが大きく(0.15mmを超える)なっ
てしまう。また、マグネットローラの最大半径をRとし
た場合、マグネットローラ断面積S=πR2−シャフト
断面積 において、マグネットが存在しない部分の面積
S2を、図1、図2に示すように、マグネット部分の総
断面積の6%以下となるように設計(マグネット外径が
φ13.6、シャフト外径がφ6、空間部分がローラ角
度(α)にしてα=10°)することにより、反りの発
生が防止でき、反りの小さい(反り量:0.15mm以
下)マグネットローラが得られる。ただし、図3、図4
に示すように、マグネットが存在しない空間部分が散在
する場合に限り、それらの空間部分の面積の和が6%を
超えても反りは発生しない〔もっとも、ローラ角度にし
て15°以内に散在する空間部分の和が6%を超える場
合は、反りが発生することが多い。空間部分が15°を
超えて散在する場合は通常は反りは発生しない〕。つま
り、空間部分が一箇所あるいは図5や図6のようにロー
ラ角度にして15°以内に集中し、かつ該空間部分の面
積の和が6%を超える場合に、空間部分とは逆方向に凸
に反りが発生する。ここで、ローラ角度とは、図1に示
すように、マグネットローラの中心を中心とし、αであ
らわされる角度をいう。また、図7のように、マグネッ
トが存在しない空間部分がマグネット部総断面積の6%
を超える場合には、該空間部分にダミーピースを貼り
合わせることが有効である。
【0012】この場合のダミーピースのヤング率(Ydu
m)は、マグネットピース貼り合わせタイプあるいは一
体型マグネットタイプにおいて、ダミーピースとマグネ
ットピースあるいはダミーピースと一体型マグネットの
ヤング率を測定した場合に、ヤング率の最大値(Yma
x)と最小値(Ymin)との関係が、1−Ymin/Ymax≦
0.25を満たすことが好ましい。上記条件から外れる
とダミーピースと他のマグネットピースあるいはマグネ
ット部とのヤング率差が大きくなり、反りが発生するこ
とが多い。該ダミーピースの材質としては、例えばマグ
ネットピースと同様の材料で無着磁のもの、あるいは、
上記ヤング率の条件を満たす単独樹脂あるいは複合樹脂
を挙げることができる。前記無着磁のダミーピースは、
磁性粒子が配向してても、配向してなくてもどちらでも
よい。該ダミーピースの成形方法は、射出成形、押出成
形、圧縮成形等いずれでもよい。
【0013】マグネット材料の磁性粉として、前記異方
性フェライトのみを用いたものや前記混合磁性粉を使用
したもの等を用いたもので、押出成形あるいは射出成形
等で、図1、図2に示すようなマグネットピースあるい
は一体型マグネットを成形する。成形時の配向着磁磁場
は、磁性粉としてフェライト系のみを用いたものは、2
39KA/m〜1113KA/m程度が望ましく、磁性
粉としてフェライト系と希土類系の混合粉や希土類系を
用いる場合は、1193KA/m以上、望ましくは15
90KA/m以上がよい。磁場発生源としては、電磁石
や希土類磁石等があげられる。一体型マグネットの磁性
粒子配向方向は、極異方的な方向とし、マグネットピー
スの磁性粒子配向方向は、一定方向、外周面の一部に収
束する方向、内周面の一部に収束する方向、内周面から
外周面に放射状(直線的)となる方向、磁性粒子は配向
せずランダムに存在させる、等要求される磁束密度パタ
ーンに合わせて適宜選択すればよい。
【0014】上記のように成形された一体型マグネット
やマグネットピースを、接着剤(シアノアクリレート系
瞬間接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等)
を用いてシャフト(丸、多角形等)の外周面に貼り合わ
せてマグネットローラを形成する。また、成形品(一体
型マグネット、マグネットピース)の金型からの取り出
しを容易にする為や、成形物のマグカス等のゴミ付着の
防止やマグネットの取り扱い性を容易にする為に、成形
後金型内あるいは金型外で一旦脱磁し、その後磁性粒子
配向方向にほぼ沿った方向に再着磁してもよい。再着磁
は、どのような方法でもよいが、例えば、着磁ヨークを
一体型マグネットやマグネットピースに当接しパルス着
磁するか、マグネットピースを電磁石で発生させた一定
磁場内を通過させて着磁してもよい。これらの着磁は、
一体型マグネットの磁極毎や各マグネットピース毎に行
い、その後シャフトに貼り合わせたり、着磁前にシャフ
トに貼り合わせ、その後部分的に着磁あるいは全極一括
して着磁してもよい。上記では円形シャフトに一体型マ
グネットやマグネットピースを貼り合わせる場合を説明
したが、シャフトが四角形(多角形)であってもよい。
【0015】ここでは磁極数が5極構成の場合を説明し
ているが、本発明ではこれに限らず、所望の磁力と磁界
分布に従って、上記製法で作られたマグネットピースの
数量を選択し、磁極数や磁極位置も適宜設定すればよ
い。また、ここでは磁性粉として、異方性フェライト磁
性粉単独、異方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性
粉との混合磁性粉の場合を示したが、等方性フェライト
磁性粉単独、等方性希土類単独、異方性希土類磁性粉単
独、等方性フェライト磁性粉と異方性フェライト磁性粉
との混合磁性粉、異方性フェライト磁性粉と異方性希土
類磁性粉との混合磁性粉、等方性フェライト磁性粉と異
方性希土類磁性粉との混合磁性粉、等方性フェライト磁
性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉、異方性希土
類磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉を用いて
もよい。
【0016】
【実施例】以下に実施例と比較例を示し、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。 実施例1 マグネットピース材料として、樹脂バインダーにナイロ
ン12(宇部興産(株)製P3012U)を10重量%
(滑剤、可塑剤、安定剤も含む)、磁性粉として異方性
ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23:日本
弁柄工業(株)製NF110)を90重量%とし、樹脂
バインダーと磁性粉を混合し、溶融混練し、ペレット状
に成形し、このペレットを溶融状態にし、注入口から溶
融樹脂磁石材料を射出注入し、239K・A/m〜11
13K・A/mの磁場を印加しながら、図8に示す各マ
グネットピースをそれぞれ一方向に配向着磁し、成形
した(各々の成形金型の着磁ヨーク幅は2mm)。そし
て、マグネットピースは、ヤング率がYmax=285
0(kgf/mm2)〜Ymin=2200(kgf/m
m2)のものを使用した。つまり、1−Ymin/Ymax=
0.23≦0.25 となっている。
【0017】図8に示すように、これらのマグネットピ
ース(長さ310mm、外周面の曲率が6.8mm)
を直径φ6長さ350mmのシャフトの外周に貼り合
わせ、マグネットローラを形成した(マグネット本体部
の外径はφ13.6となる)。反り量の測定方法は、図
9に示すように、得られたマグネットローラの両端のシ
ャフト部を支持し、マグネットローラ外周面にピックテ
スターを当て、マグネットローラを回転させながら測定
した。この場合、マグネットピース同士の接合面の凹凸
は無視(反り量から除外)した。前記測定は、常温常湿
(約24°C、約60%)の条件下で30日間の経時変
化を測定した。結果を図10に示す。 実施例2 各マグネットピースを図1に示す形状に成形し、貼り
合わせ、マグネットがない空間部分の面積S2=S1×
0.03となるようにする以外はすべて実施例1と同様
に行った。 実施例3 各マグネットピースを図11に示す形状に成形し、貼
り合わせ、マグネットがない空間部分の面積S2=S1
×0.06となるようにする以外はすべて実施例1と同
様に行った。 実施例4 6ナイロンを9.5wt%、シランカップリング剤を
0.5wt%、平均粒子径約1μmのストロンチウムフ
ェライトを90wt%、を混合し、溶融混練し、ペレッ
トを得た。このペレットを単軸押出機(φ65mm)を
使用して着磁装置を備えた成形ダイで押し出すととも
に、口径φ13.7mmのサイジングダイを介して引き
取り装置によって引き取り、マグネットローラ断面が図
12で、外径φ13.6mm、内径φ6mm、長さ31
0mmの硬質一体型マグネット成形品を得た。この硬質
一体型マグネットは極異方的に配向着磁しながら成形
し、該硬質一体型マグネットにシャフトを挿入固着し、
マグネットがない空間部分の面積がS2=S1×0.0
6となるようにし、反り量の測定は実施例1と同様に行
った。 実施例5 各マグネットピース及びダミーピースのヤング率が1−
Ymin/Ymax≦0.25を満足し、マグネットがない空
間部分の面積S2=S1×0.1とし、ダミーピースは
該マグネットピースと同じ材料を用い無磁場で成形し、
後着磁を行わないものを用いて、図13に示すようにダ
ミーピースを貼り合わせる以外はすべて実施例1と同様
に行った。 実施例6 図14に示すように、マグネットがない空間部分の面積
S2=S1×0.3とする以外はすべて実施例5と同様
に行った。 比較例1 マグネットピースは、ヤング率がYmax=2850
(kgf/mm2)〜Ymin=2050(kgf/mm2
のものを使用し、1−Ymin/Ymax=0.28>0.2
5 となる以外はすべて実施例1と同様に行った。 比較例2 各マグネットピースを図11に示す形状に成形し、貼
り合わせ、マグネットがない空間部分の面積S2=S1
×0.07となるようにする以外はすべて実施例1と同
様に行った。 比較例3 各マグネットピースを図11に示す形状に成形し、貼
り合わせ、マグネットがない空間部分の面積S2=S1
×0.1となるようにする以外はすべて実施例1と同様
に行った。 比較例4 ダミーピースにヤング率Ymin=2000(kgf/m
2)を用い、各マグピースにヤング率Ymax=2850
(kgf/mm2)〜Ymin=2200(kgf/m
2)のものを用い、1−Ymin/Ymax=0.3>0.
25となるようにする以外は実施例5と同様に行った。
実施例1と比較例1とを比べると、実施例1のマグネッ
トローラの反り量は、0.08mm程度で安定している
が、比較例1の反り量は、0.15mmを超えている
(0.16mm〜0.22mm)。実施例2、3と比較
例2、3を比べると、実施例2の反り量は0.11mm
程度、実施例3の反り量は0.13mm程度となってい
るが、比較例2の反り量は0.15mmを超え(0.1
6mm〜0.2mm)、比較例3の反り量も0.15m
mを超えている(0.17mm〜0.27mm)。一体
型マグネットである実施例4も実施例3と同様に反り量
が0.13mm程度と小さい。空間部分にダミーピース
を貼り合わせた実施例5及び6についても、反り量が
0.08mm程度と小さい。実施例1のように、マグネ
ットピースのヤング率を1−Ymin/Ymax≦0.25と
することにより、マグネットローラの反り量が0.15
mm以下となり、実施例2〜4では、マグネットのない
空間部分の面積S2を、S2≦S1×0.06とするこ
とにより、マグネットローラの反り量が0.15mm以
下となり、実施例5、6のように、S2>S1×0.0
6の場合においても、ダミーピースを貼ることにより、
マグネットローラの反り量が0.15mm以下となるこ
とが判明した。
【0018】
【発明の効果】請求項1では、複数のマグネットピース
をシャフトに貼り合わせて形成されるマグネットローラ
において、ヤング率が最大のマグネットピースのヤング
率値をYmax、ヤング率が最小のマグネットピースのヤ
ング率値をYminとした場合、1−Ymin/Ymax≦0.
25を満たすことにより、温度変化や経時変化があって
も、反りが小さい(反り量が0.15mm以下)マグネ
ットローラが得られる。
【0019】請求項2、請求項4では、マグネットロー
ラの最大半径をR、マグネット部分の総断面積をS、マ
グネットローラの断面においてマグネットが占める面積
をS1、マグネットローラの断面においてマグネットが
ない部分の面積をS2とした場合、下記式を満たすマグ
ネットローラとすることにより、温度変化や経時変化が
あっても、反りが小さい(反り量が0.15mm以下)
マグネットローラが得られる。 S2≦S1×0.06〔ただし、S=πR2−シャフト
断面積、S2=S−S1〕 請求項3、請求項5では、マグネットローラの最大半径
をR、マグネット部分の総断面積をS、マグネットロー
ラの断面においてマグネットが占める面積をS1、マグ
ネットローラの断面においてマグネットがない部分の面
積をS2とした場合、下記式を満たし、なおかつマグネ
ットがない部分にダミーピースを設けたマグネットロー
ラとすることにより、温度変化や経時変化があっても、
反りが小さい(反り量が0.15mm)マグネットロー
ラが得られる。 S2>S1×0.06〔ただし、S=πR2−シャフト
断面積、S2=S−S1〕
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットローラ断面図
【図2】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図3】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図4】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図5】従来のマグネットローラ断面図
【図6】従来のマグネットローラ断面図
【図7】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図8】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図9】マグネットローラの反り量測定を説明する図
【図10】マグネットローラの反り量の経時変化を示す
【図11】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図12】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図13】本発明の別のマグネットローラ断面図
【図14】本発明の別のマグネットローラ断面図
【符号の説明】
1:マグネットピース 2:シャフト 3:空間部分(マグネットがない部分) 4:一体型マグネット 5:ダミーピース 6:マグネットローラ 7:Vブロック 8:ピックテスター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のマグネットピースをシャフトに貼り
    合わせて形成されるマグネットローラにおいて、ヤング
    率が最大のマグネットピースのヤング率値をYmax、ヤ
    ング率が最小のマグネットピースのヤング率値をYmin
    とした場合、 1−Ymin/Ymax≦0.25 を満たすことを特徴とするマグネットローラ。
  2. 【請求項2】マグネットローラの最大半径をR、マグネ
    ット部分の総断面積をS、マグネットローラの断面にお
    いてマグネットが占める面積をS1、マグネットローラ
    の断面においてマグネットがない部分の面積をS2とし
    た場合、下記式を満たすことを特徴とする請求項1記載
    のマグネットローラ。 S2≦S1×0.06 〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S
    1〕
  3. 【請求項3】マグネットローラの最大半径をR、マグネ
    ット部分の総断面積をS、マグネットローラの断面にお
    いてマグネットが占める面積をS1、マグネットローラ
    の断面においてマグネットがない部分の面積をS2とし
    た場合、下記式を満たし、なおかつマグネットがない部
    分にダミーピースを設けた請求項1記載のマグネットロ
    ーラ。 S2>S1×0.06 〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S
    1〕
  4. 【請求項4】本体部を一体型マグネットで形成するマグ
    ネットローラにおいて、マグネットローラの最大半径を
    Rとした場合、マグネット部分の総断面積をSとし、マ
    グネットローラの断面においてマグネットが占める面積
    をS1、マグネットローラの断面においてマグネットが
    ない部分の面積をS2とした場合、下記式を満たすこと
    を特徴とするマグネットローラ。 S2≦S1×0.06 〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S
    1〕
  5. 【請求項5】マグネットローラの最大半径をR、マグネ
    ット部分の総断面積をS、マグネットローラの断面にお
    いてマグネットが占める面積をS1、マグネットローラ
    の断面においてマグネットがない部分の面積をS2とし
    た場合、下記式を満たし、なおかつマグネットがない部
    分にダミーピースを設けたことを特徴とするマグネット
    ローラ。 S2>S1×0.06 〔ただし、S=πR2−シャフト断面積、S2=S−S
    1〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033648A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Tdk Corp 現像ロール及びそれに用いるマグネットロール
JP2008091443A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Tdk Corp 磁石体の着磁方法及び着磁装置

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