JP2001291628A - マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法 - Google Patents

マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法

Info

Publication number
JP2001291628A
JP2001291628A JP2000109467A JP2000109467A JP2001291628A JP 2001291628 A JP2001291628 A JP 2001291628A JP 2000109467 A JP2000109467 A JP 2000109467A JP 2000109467 A JP2000109467 A JP 2000109467A JP 2001291628 A JP2001291628 A JP 2001291628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnet
magnetic powder
magnetic field
magnetized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000109467A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Iwai
雅治 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Tochigi Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp, Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd, Tochigi Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2000109467A priority Critical patent/JP2001291628A/ja
Publication of JP2001291628A publication Critical patent/JP2001291628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形設備の大型化を防止し、高寸法精度の成
形が可能となり、低コストで高磁力が得られ、高品質の
画像が得られ、カラー化にも好適なマグネットローラ及
びマグネットローラ製造方法を提供することである。 【解決手段】 異方性フェライト系磁性粉と等方性希土
類系磁性粉と高分子樹脂とを混合分散し、溶融混練し
て、ペレット状に成形した後、このペレットを637K
・A/m以下の磁場中で成形し、成形後成形物を796
K・A/m以上の磁場にて着磁したマグネットピースを
少なくとも一つ以上用いてマグネットローラを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンターまたはファクシミリの受信装置などの
画像形成装置において、電子写真プロセスを採用した電
子写真装置に組み込まれるマグネットローラ及びマグネ
ットローラの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネットローラとして、特開平
03−192277では、磁性体ローラーが希土類元素
と鉄を主体とする遷移金属及びホウ素からなる希土類磁
性粉末とフェライト磁性粉末を押出成形した樹脂結合型
磁石が開示されている。
【0003】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、異方性希土類
系磁性粉と異方性フェライト系磁性粉と樹脂バインダー
とで混合分散されたもの(A)を磁場中で押出成形した
場合、異方性希土類系磁性粉と磁性粒子配向用磁場との
間に発生する磁気吸引力により、混合磁性粉樹脂は金型
内に留まろうとする力が大きくなり、押出する為のトル
クが大きくなり、押出が不可能になったり、あるいは押
出設備の大型化が必須となっていた。また、押出が可能
となった場合でも、金型の出口付近での漏れ磁場等によ
り押出物の変形が大きくなり、高精度の押出成形品が成
形できなかった。前記混合磁性粉樹脂(A)を射出成形
した場合、押出成形と同様に成形物と金型内磁場(金型
内に配設した永久磁石)との磁気吸引力により、成形物
が金型壁面に強力に吸着され、成形物を金型から取り出
すのが困難となり、大きな力で成形物を取り出そうとす
ると、成形物が割れたり、欠けたりする。また、磁場発
生源として、永久磁石ではなく電磁石を用い、配向着磁
後、逆磁場を印加し成形物を脱磁してから脱型すること
も考えられるが、電磁石を成形機に取り付けると設備が
複雑化かつ大型化し、非常に高価なものになってしまう
ので好ましくない。等方性希土類系磁性粉と異方性フェ
ライト系磁性粉と樹脂バインダーとを混合分散されたも
の(B)を、異方性フェライト系磁性粉を配向させるの
に十分な磁場中(637K・A/m程度)で押出成形し
た場合、等方性希土類系磁性粉は異方性希土類磁性粉に
比べ、成形時に印加される磁場との磁気吸引力がやや小
さくなる為、比較的押出成形性は良くなるが、等方性希
土類系磁性粉の着磁が不十分となり、得られた成形物の
磁束密度が低い。この場合、設備の大型化や複雑化を無
視して、637K・A/m以上の磁場が発生できる設備
を装着し、716K・A/m程度の磁場中で成形した
が、押出トルクが激増し、かつ金型の出口付近で成形物
が大きく変形し、所望するマグネットが得られなかっ
た。前記混合磁性粉樹脂(B)を射出成形した場合、成
形物の磁力が低いので、成形物と金型内磁場(金型内に
配設した永久磁石)との磁気吸引力により、成形物と金
型壁面との吸着力が小さくなり、成形物を金型から取り
出すのが比較的容易となるが、得られた成形物の磁束密
度は低い。この場合も上記と同様に、設備の大型化や複
雑化を無視して、716K・A/m程度の磁場中で成形
すると、金型内壁面と成型物の吸着力が激増し、割れや
欠け無しに成形物を金型から取り出すことができなくな
った。また、磁場発生源として、永久磁石ではなく電磁
石を用い、配向着磁後、逆磁場を印加し成形物を脱磁し
てから脱型することも考えられるが、電磁石を成形機に
取り付けると設備が複雑化かつ大型化し、非常に高価な
ものになってしまうので好ましくない。更に、混合磁性
粉の組合せとして、等方性フェライト系磁性粉と異方性
希土類磁性粉との組合せや、等方性フェライト系磁性粉
と等方性希土類系磁性粉との組合せが考えられる。前者
は異方性希土類系磁性粉を用いているので押出成形性が
悪かったり、射出成形では成形物の脱型が困難となる。
後者は、両磁性粉ともに等方性であるので、成形時の磁
場(637K・A/m程度)程度ではフル着磁は困難と
なり、成形性は良好であるが、所望する磁束密度が得ら
れない。本発明は、押出成形においては、押出トルクの
増大を防止し、設備の大型化が防止でき、高寸法精度の
成形が可能となり、また射出成形においては、設備の複
雑化や大型化を防止し、成形物の脱型が容易となり、成
形物が割れたり欠けたりすることを防止し、いずれの成
形方法によっても、設備の複雑化や大型化が避けられ、
希土類系磁性粉を混合したメリットとして、低コストで
高磁力を得ることができ、高品質の画質が得られ、カラ
ー化にも好適なマグネットローラを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載したように、異方性フェライト系磁性粉と等方性希土
類系磁性粉と高分子樹脂バインダーとを混合分散し、溶
融混練してペレット状に成形した後、このペレットを6
37K・A/m以下の磁場中にて磁性粒子の配向着磁と
同時にマグネットピースの成形を行い、成形後のマグネ
ットピースを796K・A/m以上の磁場にて着磁す
る。そして、このマグネットピースを少なくとも一つ以
上用いてマグネットローラを形成することにより、高磁
力かつ高寸法精度のマグネットローラが得られ、高品質
の画像を得ることができる。請求項2は、異方性フェラ
イト系磁性粉と等方性希土類系磁性粉と高分子樹脂バイ
ンダーとを混合分散し、溶融混練してペレット状に成形
した後、このペレットを637K・A/m以下の磁場中
にて磁性粒子の配向着磁と同時に、軸部一体あるいは円
筒状あるいは円柱状に成形を行い、成形後成形物を79
6K・A/m以上の磁場にて一つ以上の磁極を着磁す
る。軸部一体型マグネットローラはそのままで、円筒状
・円柱状マグネットには金属等の軸を挿入してマグネッ
トローラを形成することにより、高磁力かつ高寸法精度
のマグネットローラが得られ、高品質の画像を得ること
ができる。請求項3は、異方性フェライト系磁性粉と等
方性希土類系磁性粉と高分子樹脂バインダーとを混合分
散し、溶融混練してペレット状に成形した後、このペレ
ットを637K・A/m未満の磁場中にて磁性粒子の配
向着磁を行いながら成形を行い、成形後成形物を796
K・A/m以上の磁場にて着磁することにより、成形配
向着磁設備の複雑化かつ大型化が防止でき、低コストで
高磁力かつ高寸法精度のマグネットローラが得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。異方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性粉
からなる混合磁性粉の50重量%〜95重量%と、樹脂
バインダーの5重量%〜50重量%とからなる混合物を
主体とし、必要に応じて、表面処理剤としてシラン系や
チタネート系のカップリング剤、溶融磁石材料の流動性
を良好にする滑剤としてアミド系滑剤、樹脂バインダー
の熱分解を防止する安定剤、もしくは難燃剤などを添加
した磁石材料を、混合分散し、溶融混練し、ペレット状
に成形した後に、射出成形法あるいは押出成形法などに
より、マグネットピース、円筒状マグネット、円柱状マ
グネットあるいは軸部一体型マグネットローラが成形さ
れる。いずれの成形方法でも成形時に印加する磁場は6
37K・A/m以下とし、成形後(脱型後)、マグネッ
トピース、円筒状・円柱状マグネットの一部あるいは全
部、軸部一体型マグネットローラの本体部の一部あるい
は全部、を796K・A/m以上で着磁する。着磁装置
は通常のものでよく、発生磁場が796K・A/m〜2
400K・A/m程度印加することが可能なものでよく
(もちろん更に大きな磁場で着磁しても構わない)、着
磁ヨークの形状や着磁磁場は適宜設定し、成形時に磁性
粒子を配向着磁した方向とほぼ合致するように着磁すれ
ばよい。成形と同時に配向着磁されたマグネッピースを
成形後さらに上記磁場(796K・A/m以上)で、成
形時に配向着磁した方向とほぼ合致する方向に着磁し、
そして、このマグネットピースを一つ以上含み、図1に
示すように、5つのマグネットピースを金属等(非磁性
体のSUS303等や磁性体のSUM22等)の軸の外
周面に貼り合わせてマグネットローラを形成する。ここ
では5極構成の場合を示しているが、本発明ではこれに
限らず、所望の磁力と磁界分布に従って、上記製法で作
られたマグネットピースの数量を選択し、磁極数や磁極
位置も適宜設定すればよい。
【0007】成形と同時に配向着磁された円筒状マグネ
ットは、成形後所望される位置(一部の磁極あるいは全
磁極)に成形時に配向着磁された方向に合致するように
796K・A/m以上の磁場で着磁し、中空部分に両端
部のみ前記軸を挿入固定したり、中空部を貫通するよう
に前記軸を挿入固定してマグネットローラを形成する。
成形と同時に配向着磁された円筒状マグネットは、成形
後所望される位置(一部の磁極あるいは全磁極)に成形
時に配向着磁された方向に合致するように796K・A
/m以上の磁場で着磁し、マグネット両端面に軸挿入用
の穴を加工し、この穴に前記軸を挿入固定する。また、
軸挿入用の穴は成形時に金型にて形成してもよい。
【0008】上記の何れの場合も、成形時に配向着磁
し、その後成形時の配向着磁磁場以上の磁場で着磁して
いるが、成形物の脱型性の向上や、成形物のMgカス等
のゴミ付着の防止やマグネットの取り扱い性を容易にす
る為に、成形後金型内で一旦脱磁し、成形物を脱型して
から、配向着磁磁場以上の磁場で着磁したり、成形脱型
後脱磁し、その後配向着磁磁場以上の磁場で着磁しても
よい。
【0009】また、前記混合磁性粉の含有率が50重量
%未満では、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気
特性が低下して所望の磁力が得られず、またその含有率
が95重量%を超えると、バインダー不足となり本体部
の成形性が損なわれる。また、樹脂バインダーとして
は、エチレンーエチルアクリレート樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタ
タレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
PPS(ポリフェニレンスフィド)、EVA(エチレン
ー酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレンービニル
アルコール共重合体)およびPVC(ポリ塩化ビニル)
などの1種類あるいは2種類以上、もしくは、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂
などの熱硬化性樹脂の1種類あるいは2種類以上を混合
して用いることができる。
【0010】ナイロン等の樹脂バインダー(5重量%〜
50重量%)と、磁性粉(50重量%〜95重量%)と
して異方性フェライト系磁性粉と等方性希土類系磁性粉
を用い、これらの混合比(重量比)は、異方性フェライ
ト系磁性粉(C):等方性希土類系磁性粉(D)=1:
9〜9:1に調整するのが望ましく、更に希土類系磁性
粉の混合比を減らし低コスト化を図る観点からは、C:
D=2:8〜8:2の範囲に調整するのが好ましい。前
記混合比がC:D=1:9未満では、等方性希土類系磁
性粉の含有量が少ない為従来のフェライト樹脂磁石並の
磁力しか得られず、他方で前記混合比がC:D=9:1
を超えると、磁性粉として等方性希土類系磁性粉を用い
たマグネットローラのように高磁力を得られるが、所望
範囲を超えた磁力を有する磁極が着磁されたり、マグネ
ットローラの仕様に無駄が生じると同時に製造コストが
高くなる。
【0011】上記の希土類磁性粉として例を挙げると、
R(希土類)−Fe−N系合金、R―Fe―B系合金、
R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などがある。こ
れらの中でも、軟磁性相と硬磁性相とを含み両相の磁化
が交換相互作用する構造をもつ交換スプリング磁性粉を
用いてもよい。交換スプリング磁性粉は、軟磁性相から
くる低保磁力を有し、かつ交換相互作用からくる高い残
留磁束密度を有するので、高い磁力を得ることができ、
また従来の希土類磁性粉に比べ耐酸化性が良好で、メッ
キ等の表面被覆をすることなく錆が防止でき、さらに多
量の軟磁性相が含まれるので、キュリー点が高くなり
(400°C以上)使用限界温度が高く(約200°C
以上)残留磁化の温度依存性が小さくなる。
【0012】前記R(希土類元素)としては、好ましく
はSm、Nd、この他にPr、Dy、Tbなどの1種ま
たは2種類以上を組合せたものを用いることができ、ま
た、前記Feの一部を置換して磁気特性を高めるため
に、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Al、S
i、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、
Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Hg、Tl、Pb、Biなどの元素の1種または2種以
上を添加することができる。交換スプリング磁性粉とし
ては、硬磁性相としてR−Fe−B化合物、且つ軟磁性
相としてFe相またはFe−B化合物相を用いたもの、
もしくは、硬磁性相としてR−Fe−N系化合物相、且
つ軟磁性相としてFe相を用いたものが好ましい。より
具体的には、Nd−Fe−B系合金(軟磁性相:Fe−
B合金、αFe)、Sm−Fe−N系合金(軟磁性相:
αFe)、Nd−Fe−Co−Cu−Nb−B系合金
(軟磁性相:Fe−B系合金、αFeなど)Nd−Fe
−Co系合金(軟磁性相:αFeなど)などの交換スプ
リング磁性粉が好適であり、特に、保磁力(iHc)を
低く且つ残留磁束密度(Br)を大きくする観点から
は、Nd4Fe8020合金(軟磁性相:Fe3B、αF
e)やSm2Fe173合金(軟磁性相:αFe)の交換
スプリング磁性粉が好ましい。また、上記フェライト磁
性粉としては、MO・Fe23(nは自然数)に代表さ
れる化学式をもつ異方性のフェライト磁性粉を用い、式
中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種類あるい
は2種類以上を適宜選択して用いる。特に、本体部がナ
イロン等からなる樹脂バインダーの場合は、PVC等の
熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂である可撓性を付与
した樹脂バインダー系とすると更に好適である。
【0013】ここで、技術用語である「交換スプリング
磁性」の説明を行う。
【0014】「交換スプリング磁性」:磁石内に多量の
軟磁性相が存在し、軟磁性特性を有する結晶粒と硬磁性
特性を有する結晶粒の磁化が交換相互作用で互いに結び
つき、軟磁性結晶粒の磁化が反転するのを硬磁性結晶粒
の磁化が妨げ、あたかも軟磁性相が存在しないかのよう
な特性を示すものである。このように、交換スプリング
磁石には硬磁性相(通常希土類磁石はこの相のみ)より
残留磁束密度が大きくかつ保磁力が小さい軟磁性相が多
量に含まれるので、保磁力が小さくかつ高残留磁束密度
の磁石が得られる。
【0015】
【発明の効果】請求項1により、異方性フェライト系磁
性粉と等方性希土類系磁性粉と高分子樹脂とを混合分散
し、溶融混練し、ペレット化したものを637K・A/
m以下の磁場で配向着磁しながらマグネットピースを成
形し、成形後796K・A/m以上の磁場で着磁された
マグネットピースを、高磁力を要求される磁極に少なく
とも一つ以上用いてマグネットローラを形成することに
より、簡単な設備かつ低コストで高磁力を得ることがで
き、現像剤のカブリ現象等が防止でき、高品質の画像を
得ることができる。
【0016】請求項2により、異方性フェライト系磁性
粉と等方性希土類系磁性粉と高分子樹脂とを混合分散
し、溶融混練し、ペレット化したものを637K・A/
m以下の磁場で配向着磁しながら軸部一体あるいは円筒
状あるいは円柱状に成形し、成形後高磁力を所望される
磁極に796K・A/m以上の磁場で着磁し、軸部一体
のものはそのままで、円筒状のものは両端部に軸を挿入
固定し、円柱状のものは両端部に穴加工等を施し、軸を
挿入固定してマグネットローラを形成することにより、
簡単な設備かつ低コストで高磁力を得ることができ、現
像剤のカブリ現象等が防止でき、高品質の画像を得るこ
とができる。
【0017】請求項3により、異方性フェライト系磁性
粉と等方性希土類系磁性粉と高分子樹脂とを混合分散
し、溶融混練し、ペレット状に成形した後、このペレッ
ト化したものを637K・A/m以下の磁場中で磁性粒
子を配向着磁しながら成形を行い、成形後成形物で高磁
力を所望される磁極を796K・A/m以上の磁場で着
磁することにより、簡単な設備かつ低コストで高磁力を
得ることができ、現像剤のカブリ現象等が防止でき、高
品質の画像を得ることができる。
【0018】
【実施例】実施例1 N1極用(主極=現像極)の樹脂磁石材料として、樹脂
バインダーにナイロン12を10重量%、磁性粉として
異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe
23)磁性粉と等方性Nd−Fe−B系(Nd13.5Fe
81.74.8)磁性粉とを8:2の重量割合で混合分散し
た混合磁性粉を90重量%とし、これらを混合し、溶融
混練し、ペレット状に成形し、このペレットを溶融状態
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を射出注入し、63
7K・A/m以下の磁場を印加しながら配向着磁し、図
1に示すN1極用マグネットピースを成形した。N1極
以外の樹脂磁石材料は従来通りのものとして、樹脂バイ
ンダーにナイロン12を10重量%、磁性粉として異方
性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)を
90重量%とし、これらを混合し、溶融混練し、ペレッ
ト状に成形し、このペレットを溶融状態にし、注入口か
ら溶融樹脂磁石材料を射出注入し、637K・A/mの
磁場を印加しながら配向着磁し、図1に示す各マグネッ
トピースを成形した。更に、成形後のN1極だけは、図
2に示すように、成形時に配向着磁した方向にほぼ合致
するように796K・A/mで更に着磁した。各々のマ
グネットピースを、図1に示すように軸の外周面に貼り
合わせてマグネットローラを形成した。マグネット外径
はφ13.6、マグネット軸方向長さは300mm、軸
はφ6のSUM22(磁性体)とした。得られたマグネ
ットローラの中心から8mm離れたところにプローブ
(センサー)を配置し、マグネットローラを回転させな
がら、ガウスメータにてマグネットローラの周方向の磁
束密度を測定した。表1に、N1極(現像極)の磁束密
度を示す。
【0019】実施例2 成形後のN1極について、更に着磁する磁場を1592
K・A/mとする以外は実施例1と同様にした。
【0020】表1に、N1極(現像極)の磁束密度を示
す。
【0021】実施例3 成形後のN1極について、更に着磁する磁場を2388
K・A/mとする以外はすべて実施例1と同様にした。
【0022】表1に、N1極(現像極)の磁束密度を示
す。
【0023】実施例4 異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe
23)磁性粉と等方性Nd−Fe−B系(Nd13.5Fe
81.74.8)磁性粉との重量混合比を9:1とする以外
はすべて実施例1と同様にした。
【0024】実施例5 異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe
23)磁性粉と等方性Nd−Fe−B系(Nd13.5Fe
81.74.8)磁性粉との重量混合比を2:8とする以外
はすべて実施例1と同様にした。
【0025】実施例6 異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe
23)磁性粉と等方性Nd−Fe−B系(Nd13.5Fe
81.74.8)磁性粉との重量混合比を1:9とする以外
はすべて実施例1と同様にした。
【0026】実施例7 樹脂磁石材料として、樹脂バインダーにナイロン12を
10重量%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェラ
イト(SrO・6Fe23)磁性粉と等方性Nd−Fe
−B系(Nd13.5Fe81.74.8)磁性粉とを8:2の
重量割合で混合分散した混合磁性粉を90重量%とし、
これらを混合し、溶融混練し、ペレット状に成形し、こ
のペレットを溶融状態にし、注入口から溶融樹脂磁石材
料を射出注入し、637K・A/m以下の磁場を印加し
ながら配向着磁し、図3に示す軸部一体型マグネットロ
ーラを成形した。成形物を脱型後、図4に示すように、
マグネットローラ本体部のN1極(現像極)部のみに7
96K・A/mの磁場で着磁した。
【0027】マグネット外径はφ13.6、マグネット
本体部の軸方向長さは300mm、軸はφ6(樹脂磁石
材料)とした。
【0028】得られたマグネットローラの中心から8m
m離れたところにプローブ(センサー)を配置し、マグ
ネットローラを回転させながら、ガウスメータにてマグ
ネットローラの周方向の磁束密度を測定した。
【0029】表1に、N1極(現像極)の磁束密度を示
す。
【0030】成形後N1極のみ着磁すると、他極特に隣
接する異極性の磁束密度が下がる場合があるが、この場
合は前記隣接する極あるいは全極に着磁ヨークを設置
し、N1極用着磁ヨークと閉磁気回路を構成し、それぞ
れ所望される磁場にてN1極と同時に着磁すればよい。
【0031】比較例1 配向着磁成形後のN1極用マグネットピースに、更に着
磁しない以外はすべて実施例1と同様に行った。
【0032】比較例2 樹脂磁石材料として、樹脂バインダーにナイロン12を
10重量%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェラ
イト(SrO・6Fe23)磁性粉を90重量%とし、
これらを混合し、溶融混練し、ペレット状に成形し、こ
のペレットを溶融状態にし、注入口から溶融樹脂磁石材
料を射出注入し、637K・A/m以下の磁場を印加し
ながら配向着磁し、図1に示す各磁極用(5つ)マグネ
ットピースを成形した。
【0033】各々のマグネットピースを、図1に示すよ
うに軸の外周面に貼り合わせてマグネットローラを形成
した。
【0034】マグネット外径はφ13.6、マグネット
軸方向長さは300mm、軸はφ6のSUM22(磁性
体)とした。
【0035】マグネットローラの磁束密度の測定は実施
例1と同様に行った。
【0036】表1に、N1極(現像極)の磁束密度を示
す。
【0037】比較例3 成形後N1極用マグネットピースを、更に2388K・
A/mで着磁する以外は比較例1とすべて同様に行っ
た。
【0038】比較例4 N1極用(主極=現像極)の樹脂磁石材料として、樹脂
バインダーにナイロン12を10重量%、磁性粉として
等方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe
23)磁性粉と等方性Nd−Fe−B系(Nd13.5Fe
81.74.8)磁性粉とを8:2の重量割合で混合分散し
た混合磁性粉を90重量%とし、これらを混合し、溶融
混練し、ペレット状に成形し、このペレットを溶融状態
にし、注入口から溶融樹脂磁石材料を射出注入し、63
7K・A/m以下の磁場を印加しながら配向着磁し、図
1に示すN1極用マグネットピースを成形した。N1極
以外の樹脂磁石材料は従来通りのものとして、樹脂バイ
ンダーにナイロン12を10重量%、磁性粉として異方
性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)を
90重量%とし、これらを混合し、溶融混練し、ペレッ
ト状に成形し、このペレットを溶融状態にし、注入口か
ら溶融樹脂磁石材料を射出注入し、637K・A/mの
磁場を印加しながら配向着磁し、図1に示す各マグネッ
トピースを成形した。
【0039】更に、成形後のN1極だけは、成形時に配
向着磁した方向にほぼ合致するように796K・A/m
で更に着磁した。各々のマグネットピースを、図1に示
すように軸の外周面に貼り合わせてマグネットローラを
形成した。
【0040】マグネット外径はφ13.6、マグネット
軸方向長さは300mm、軸はφ6のSUM22(磁性
体)とした。
【0041】マグネットローラの磁束密度の測定は実施
例1と同様に行った。表1で示した結果から明らかなよ
うに、実施例1と比較例1を比べると、実施例1のよう
に成形後のN1極をさらに796K・A/mで着磁した
ものは、比較例1よりN1極の磁束密度が約12%UP
しており、成形後の着磁により磁束密度がUPすること
がわかる。
【0042】実施例1と磁性粉に希土類系磁性粉を混合
していない比較例2を比べると、実施例1は比較例2よ
りN1極の磁束密度が約13%UPしている。また、比
較例3では、磁性粉に希土類系磁性粉を混合していない
N1極を成形後(配向着磁後)、更に2388K・A/
mで着磁したが、着磁前と磁束密度の変化は無かった。
【0043】これらは、従来の異方性フェライト系磁性
粉のみのものを成形後(配向着磁後)さらに着磁処理を
行っても磁束密度UPは望めず、また等方性希土類系磁
性粉を含む混合磁性粉のものでも、成形後(637K・
A/mの磁場での配向着磁後)着磁を行わなければ、N
1極の磁束密度UPは望めないということがわかる。実
施例4のように等方性希土類磁性粉の混合比を下げて
も、比較例1よりはN1極磁束密度が約8%UPするこ
とがわかる。
【0044】実施例2、3により、成形後のN1極の着
磁磁場を上げることにより、N1極の磁束密度もUPし
ていくことがわかる。
【0045】また、実施例5、6のように等方性希土類
系磁性粉の混合比を上げることにより、成形後(637
K・A/mで配向着磁)のN1極を、さらに796K・
A/mで着磁すると、比較例1よりN1極磁束密度が約
41%、約58%UPしていることがわかる。
【0046】実施例7は、比較例1〜6のようにマグネ
ットピース成形と同時に637K・A/mの磁場で配向
着磁し、成形後さらに着磁するものではなく、軸部と本
体部も一体で樹脂磁石材料で成形し、本体部のN1極部
分にのみ796K・A/mの磁場で着磁したもので、比
較例1よりN1極磁束密度は約14%UPしている。比
較例4では、等方性フェライト系磁性粉と等方性希土類
系磁性粉とを8:2の割合で混合した磁性粉を用いた場
合で、この場合、フェライトも等方性である為、磁性粉
の配向(異方化)ができず、成形直後の磁束密度が低
く、更に着磁しても磁束密度のUPはあまり望めず、結
果的には比較例1よりも低い磁束密度となっていること
がわかる。
【0047】従って、異方性フェライト磁性粉と等方性
希土類磁性粉との混合磁性粉を用いた樹脂磁石材料を6
37K・A/m以下の磁場中で配向着磁しながら成形を
行ったものを、成形後さらに796K・A/m以上で着
磁することにより、着磁された部分は約8%以上磁束密
度がUPすることがわかり、現像剤のカブリ現象等が防
止でき、高品質の画像が得られ、カラー化にも好適なマ
グネットローラが得られることがわかる。
【0048】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットローラの断面図
【図2】本発明の成形後のマグネットピースの着磁方法
を示す図
【図3】本発明の軸部一体型マグネットローラの縦面図
【図4】本発明の成形後の軸部一体型マグネットローラ
の着磁方法を示す図
【符号の説明】
1.N1極(現像極)用マグネットピース 2.S1極用マグネットピース 3.N2極用マグネットピース 4.N3極用マグネットピース 5.S2極用マグネットピース 6.軸 7.スリーブ 8.着磁ヨーク 9.マグネットローラ本体部 10.マグネットローラ軸部 11.着磁ヨーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方性フェライト系磁性粉と等方性希土類
    系磁性粉と高分子樹脂バインダーとを混合分散し、溶融
    混練して、ペレット状に成形した後、このペレットを6
    37K・A/m以下の磁場中にて磁性粒子の配向着磁を
    行いながら成形を行い、成形後成形物を796K・A/
    m以上の磁場にて着磁したマグネットピースを少なくと
    も一つ以上用いて形成したマグネットローラ。
  2. 【請求項2】異方性フェライト系磁性粉と等方性希土類
    系磁性粉と高分子樹脂バインダーとを混合分散し、溶融
    混練して、ペレット状に成形した後、このペレットを6
    37K・A/m以下の磁場中にて磁性粒子の配向着磁を
    行いながら、軸部一体あるいは円筒状あるいは円柱状に
    成形を行い、成形後成形物を796K・A/m以上の磁
    場にて着磁した軸部一体型あるいは円筒状あるいは円柱
    状マグネットローラ。
  3. 【請求項3】異方性フェライト系磁性粉と等方性希土類
    系磁性粉と高分子樹脂バインダーとを混合分散し、溶融
    混練して、ペレット状に成形した後、このペレットを6
    37K・A/m以下の磁場中にて磁性粒子の配向着磁を
    行いながら成形を行い、成形後成形物を796K・A/
    m以上で着磁することを特徴とするマグネットローラの
    製造方法。
JP2000109467A 2000-04-11 2000-04-11 マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法 Pending JP2001291628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000109467A JP2001291628A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000109467A JP2001291628A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001291628A true JP2001291628A (ja) 2001-10-19

Family

ID=18622156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000109467A Pending JP2001291628A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001291628A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011164366A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Ricoh Co Ltd 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011164366A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Ricoh Co Ltd 現像装置並びにこれを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3828369B2 (ja) マグネットローラ
JP4577604B2 (ja) 異方性希土類ボンド磁石の製造方法
JP2001135518A (ja) マグネットローラ
JP3799994B2 (ja) マグネットローラ
JP2001291628A (ja) マグネットローラ及びマグネットローラの製造方法
JP2003151825A (ja) マグネットローラ
JP2004087644A (ja) マグネットローラ
JP2000243620A (ja) マグネットロール及びその製造方法
JP2007027220A (ja) 樹脂磁石成形体の製造方法、樹脂磁石成形体、および、着磁ヨーク
JP2000323322A (ja) マグネットローラ
JP2005300935A (ja) マグネットローラまたはその製造方法
JP3564374B2 (ja) マグネットローラ
JP4556649B2 (ja) マグネットローラ製造方法
JP2003015424A (ja) マグネットローラ
JP2006108330A (ja) マグネットピースの製造方法
JP2001274015A (ja) マグネットローラ
JP2002343661A (ja) 筒状ボンド磁石及びコアレスモータ
JP2000081789A (ja) マグネットロール
JP2000298400A (ja) マグネットローラ
JP2003163112A (ja) マグネットローラ
JP2001142302A (ja) マグネットローラ
JP2001311423A (ja) マグネットローラ
JP2003217924A (ja) マグネットローラ
JP2004327871A (ja) マグネットローラ
JP2001143923A (ja) マグネットローラの製造方法及びマグネットピースの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090623