JP2000331823A - マグネットローラ - Google Patents

マグネットローラ

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JP2000331823A
JP2000331823A JP11142592A JP14259299A JP2000331823A JP 2000331823 A JP2000331823 A JP 2000331823A JP 11142592 A JP11142592 A JP 11142592A JP 14259299 A JP14259299 A JP 14259299A JP 2000331823 A JP2000331823 A JP 2000331823A
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resin
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Masaharu Iwai
雅治 岩井
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TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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TOCHIGI KANEKA KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な希土類磁性粉の使用量を抑えつつも希
土類磁性粉の磁気特性を最大限に生かし、所望の磁力
(900G〜1100G)を得て画質濃度の低下や画像
のハケ目、現像剤の劣化などを防止し、低コストで作製
し得るマグネットローラを提供する点にある。 【解決手段】 フェライト樹脂磁石からなる本体部1a
の外周面に、希土類樹脂磁石からなる薄層1bを形成し
てなり、前記薄層1bの厚みをtとし、スリーブの2内
径をDiとし、当該マグネットローラ本体部1aの外径
をDeとしたとき、(Di−De)/2>t≧0.01
ミリ、の関係式を満足するマグネットローラである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
プリンターまたはファクシミリの受信装置などの画像形
成装置において、電子写真プロセスを採用した電子写真
装置に組み込まれるマグネットローラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置に組み込まれるマグネット
ローラは、トナーを静電潜像担持体へ供給し静電潜像を
顕在化させて現像を行う現像ローラや、その顕在化した
トナー像を用紙に転写した後の静電潜像担持体上の残存
トナーを除去するクリーニングローラなどに適用され
る。例えば、マグネットローラを現像ローラとして用い
る場合、図3に示すように、マグネットローラ20は、
磁性材料からなる本体部21の両端に軸部22a,22
bを設けて構成されており、アルミニウム合金などから
なる中空円筒状のスリーブ23に内蔵されて用いられ
る。このような本体部21の外周面には、長軸方向に沿
った複数の磁極が着磁形成されており、通常、これら磁
極のうち最大の表面磁束密度を有するものを主磁極と呼
び、現像極として用いることが多い。
【0003】また、前記本体部21は、主にナイロンや
ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂と、
ストロンチウム系あるいはバリウム系のフェライト磁性
粉(例えば、固有保磁力iHc=3KOe程度;残留磁束
密度Br=4.8KG程度)とを混合分散し、押出成形法
あるいは射出成形法を用いて成形し、この成形と同時に
低磁場で配向着磁するか、あるいは成形後に低磁場で着
磁することにより作製されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のフェライト樹脂磁石からなる本体部(外径13.6m
m程度)を有するマグネットローラの磁力は、最大でも
900G程度であり、これを超える高磁力要求に対応で
きるものでは無かった。たとえこの種のマグネットロー
ラを高磁場で着磁しても、磁気的飽和が起こるからであ
る。
【0005】そこで、近年、高磁力(1400G程度)
を容易に得られる希土類磁性粉を用いたマグネットロー
ラが採用されつつある。しかし、これらは、非常に高価
な希土類磁性粉を多量に用いるものであるため、製造コ
ストが嵩み、近年の激しい低価格競争に伴う低コスト化
要求に合致しない。また、現実のマグネットローラに必
要な磁力は、最大で850G〜1100G程度あれば足
りる。よって、希土類樹脂磁石をフル着磁したマグネッ
トローラは仕様を超えるため、現実の着磁磁場のレベル
は、やや低く調整されており、希土類樹脂磁石の本来の
磁気特性を最大限に生かしていなかった。例えば、11
00Gを超える磁力を有するマグネットローラを用いる
と、画質濃度が下がったり、現像部における磁気ブラシ
による穂立ちが硬くなるため画像にハケ目が生じたり、
現像剤の劣化が早くなったりするという問題が生じる。
【0006】以上の問題に鑑み本発明が解決しようとす
るところは、高価な希土類磁性粉の使用量を抑えつつも
希土類磁性粉の磁気特性を最大限に生かし、所望の磁力
(900G〜1100G)を得て画質濃度の低下や画像
のハケ目、現像剤の劣化などを防止し、低コストで作製
し得るマグネットローラを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のマグネットローラは、長軸方向に沿った複
数の磁極を外周面に有するマグネットローラであって、
主にフェライト樹脂磁石からなる本体部と、該本体部の
外周面所定範囲に形成した希土類樹脂磁石からなる薄層
とを有することを特徴とするものである。
【0008】ここで、前記希土類樹脂磁石からなる薄層
の厚みをtとし、マグネットローラの周囲に回転自在に
配設される円筒状スリーブの内径をDiとし、当該マグ
ネットローラ本体部の外径をDeとしたとき、 (Di−De)/2>t≧0.01ミリ、 の関係式を満足することが好ましい。
【0009】また、前記希土類樹脂磁石を構成する希土
類磁性粉としては、磁気的に交換相互作用する硬磁性相
と軟磁性相との複相を有する交換スプリング磁性粉を用
いることがより好ましい。ここで、「交換スプリング磁
性」とは、磁石内に多量の軟磁性相が存在するとき、こ
の軟磁性相および硬磁性相の結晶粒の磁化が交換相互作
用で互いに結びつくことにより、本来低保磁力しかもた
ず逆磁界中では容易に磁化反転する軟磁性相の磁化が、
逆磁界中でも反転し難くなり、あたかも両相がばねで結
びつけられた様態を示し、硬磁性相のみの単相であるか
のような磁気特性をいう(例えば、「R.Coehoorn, K.H.
J.Buschow et al. : J. de Phys. 49(1988) C8−669」
を参照)。
【0010】そして、前記薄層を形成する本体部の外周
面所定範囲を磁極近辺にのみ設定してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るマグネットロ
ーラの種々の実施形態を説明する。本発明に係るマグネ
ットローラは、フェライト磁性粉を樹脂結合してなる本
体部の外周面の所定範囲に、希土類磁性粉、より好まし
くは交換スプリング磁性粉を樹脂結合してなる薄層を形
成して構成される。また、このようなマグネットローラ
外周面には、長軸方向に沿った複数の磁極が着磁形成さ
れるが、磁極数や磁極位置は、要求仕様に応じて適宜設
定すればよい。
【0012】前記本体部は、ストロンチウム系あるいは
バリウム系などのフェライト磁性粉を50重量%〜95
重量%、樹脂バインダーを5重量%〜50重量%配合し
た混合物を主体とし、必要に応じて、シラン系やチタネ
ート系のカップリング剤などの表面処理剤、溶融磁石材
料の流動性を良好にするアミド系滑剤などの滑剤、樹脂
バインダーの熱分解を防止する安定剤、もしくは難燃剤
などを添加した磁石材料を用意し、次いで、この磁石材
料を混合分散し、溶融混練し、ペレット状に成形した後
に、射出成形法あるいは押出成形法などにより作製され
る。前記フェライト磁性粉の含有率が50重量%未満で
は、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性が低
下して所望の磁力が得られず、またその含有率が95重
量%を超えると、バインダー不足となり本体部の成形性
が損なわれる。また、前記樹脂バインダーとしては、エ
チレンーエチルアクリレート樹脂、ナイロンなどのポリ
アミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブ
チレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスル
フィド)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、
EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)およ
びPVC(ポリ塩化ビニル)などの1種類あるいは2種
類以上、もしくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の1種
類あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0013】尚、前記本体部は単体構造のものに限ら
ず、扇形断面形状などを有する複数の磁石ピースを押出
成形法や射出成形法により形成し、これらを金属製など
の支持軸の外面に接着剤や熱収縮チューブを用いて貼付
した構造のものでも良い。
【0014】また、前記本体部の磁化は、8〜15KO
e程度の着磁磁場を印加して形成され、射出成形あるい
は押出成形などの成形と同時に配向着磁したり、成形後
に着磁したり、あるいは本体部外周面に上記薄層を形成
した後に当該薄層と共に着磁することにより実行され
る。
【0015】このような本体部の外周面に被覆形成する
薄層の厚みは、少なくとも0.01ミリあることが好ま
しい。その厚みが0.01ミリ未満では、希土類樹脂磁
石層による効果が充分に発揮されず、所望の磁力を得る
ことが難しいからである。
【0016】また、図1の概略断面図に示すように、マ
グネットローラ1は、上述のように、アルミニウム合金
製などの円筒状スリーブ2に内蔵されて用いられる。同
図において、符号1aは本体部、1bは本体部1aの外
周面に形成した前記薄層、2はマグネットローラ1の周
囲に回転自在に配設されたスリーブを示す。このとき、
前記薄層1bの厚みtは、スリーブ内面がマグネットロ
ーラ外周面と接触し、スリーブの回転トルクが上昇して
スリーブがロックするのを防ぐために、スリーブ2の内
面と本体部1aとの間の距離よりも小さく形成される。
よって、前記薄層1bの厚みtの好適な条件を定式化す
ると、スリーブ2の内径をDiとし、マグネットローラ
本体部1aの外径をDeとしたとき、(Di−De)/
2>t≧0.01ミリ、の関係式が成立する。
【0017】前記薄層1bの形成方法としては、特に制
限されないが、希土類磁性粉と樹脂バインダーと、必要
に応じて添加剤とを混合し溶融混練して磁性粉を均一に
分散させた希土類樹脂磁石材料を用意し、この樹脂磁石
材料を前記本体部外周面にハケ状のもので塗布する方法
や、高速度で吹き付ける溶射法もしくは真空蒸着法など
が挙げられる。また、希土類磁性粉は、前記希土類樹脂
磁石材料中に50重量%〜95重量%配合されるのが好
ましく、更に必要に応じて樹脂磁石材料中に、シラン系
やチタネート系のカップリング剤やアミド系の滑剤など
の添加剤を添加するのが望ましい。尚、前記希土類磁性
粉の配合率が50重量%未満では、フェライト樹脂磁石
からなる本体部の磁力を強化するに足らず、また、その
配合率が95重量%を超えると、成形性が低下し薄層を
安定して本体部外周面に形成するのが困難になる。
【0018】尚、本実施例では、前記薄層1bを本体部
1aの全周に亘り形成したが、本発明ではこれに限ら
ず、高磁力を要求される磁極近辺にのみ形成すれば充分
である。
【0019】また、前記薄層1bの磁化は、静磁場ある
いはパルス磁場を印加して行えば良い。このときの磁化
は、形成した薄層のみに行われても良いし、あるいは本
体部と共に行われてもよい。
【0020】以上の希土類樹脂磁石材料に用いる希土類
磁性粉としては、R(希土類元素)−Fe−N系合金、
R−Fe−B系合金、R−Co系合金、R−Fe−Co
系合金などが好適であるが、これらの中でも、軟磁性相
と硬磁性相とを含み両相の磁化が交換相互作用する構造
をもつ交換スプリング磁性粉がより好ましい。交換スプ
リング磁性粉は、軟磁性相からくる低保磁力を有し、且
つ交換相互作用からくる高い残留磁束密度を有するの
で、比較的小さな着磁磁場で所望の磁力を有する磁極を
形成できるため、着磁装置の小型化と着磁工程の簡素化
を実現でき、よって製造コストを低く抑えることが可能
となる。通常の硬磁性相のみからなる希土類磁性粉を用
いた場合は、高磁力を得ることができるものの、高い保
磁力のため着磁磁場レベルを大きくする必要があり、着
磁装置の大型化と大電力化が避けられず、製造コストが
高くなる要因となっていた。
【0021】また、前記R(希土類元素)としては、好
ましくはSm、Nd、この他にPr,Dy,Tbなどの
1種または2種以上を組み合わせたものを用いることが
でき、また、前記Feの一部を置換して磁気特性を高め
るために、Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,A
l,Si,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Zr,Nb,
Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,S
n,Sb,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,
Au,Hg,Tl,Pb,Biなどの元素の1種または
2種以上を添加することができる。これらの中でも、交
換スプリング磁性粉としては、硬磁性相としてR−Fe
−B化合物相、且つ軟磁性相としてFe相またはFe−
B化合物相を用いたもの、もしくは、硬磁性相としてR
−Fe−N系化合物相、且つ軟磁性相としてFe相を用
いたものが好ましい。より具体的には、Nd−Fe−B
系合金(軟磁性相:Fe−B合金,αFe)、Sm−F
e−N系合金(軟磁性相:αFe)、Nd−Fe−Co
−Cu−Nb−B系合金(軟磁性相:Fe−B合金,α
Feなど)、Nd−Fe−Co系合金(軟磁性相:αF
eなど)などの交換スプリング磁性粉が好適であり、特
に、保磁力(iHc)を低く且つ残留磁束密度(Br)を大
きくする観点からは、Nd4Fe8020合金(軟磁性
相:Fe3B,αFe)やSm2Fe173合金(軟磁性
相:αFe)の交換スプリング磁性粉が好ましい。
【0022】前記交換スプリング磁性粉の製造方法に
は、高速急冷法やメカニカルアロイング(機械的合金
化)などが適用される。具体的には、各原料元素を秤量
し、メカニカルアロイングを施して得た合金粉末に熱処
理を施し、必要に応じて窒化処理を行う方法や、もしく
は、各原料元素を秤量し、単ロール法による高速急冷法
を施して得た非晶質または非晶質に近い微細組織を含む
合金を粉砕後、熱処理を施して結晶を析出させ、必要に
応じて窒化処理を行う方法などが挙げられる。急冷条件
(ロール速度など)や粉砕条件、熱処理条件(処理時
間、温度)などを適宜調整することで、結晶粒径が数十
nmの軟磁性相を有する交換スプリング磁性粉を作製で
きる。尚、前記窒化処理は、R−Fe−N系交換スプリ
ング磁性粉を作製する際に必要である。
【0023】また、前記希土類磁性粉を結合する樹脂バ
インダーとしては、上記本体部を構成するのと同じ樹脂
バインダーを用いればよいが、特に上記本体部がナイロ
ンなどのポリアミド樹脂からなる場合は、本体部との密
着性や成形性などを良好にする観点から、PVCなどの
熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および不
飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂に可撓性を付
与したものが好適である。
【0024】また、上記マグネットローラの長軸方向端
面には、電子写真装置の軸受部に装着される軸部(図示
せず)が形成される。軸部は、本体部の成形と同時に一
体成形したり、本体部の両端面の軸心に取付孔を形成し
この取付孔にステンレス鋼や鉄などからなる軸部を圧
入、接着またはピン止めなどして形成される。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る実施例と比較例について
詳説するが、以下の実施例は本発明を何ら限定するもの
ではない。
【0026】(実施例1) 樹脂バインダーとしてナイ
ロン12を10重量%、磁性粉としてストロンチウムフ
ェライト(SrO・6Fe23)を90重量%配合し、
混合し溶融混練して、ペレット状に成形したものを射出
成形によりローラ状(直径13.6mm;長軸方向長さ
320mm)に成形し、成形と同時に8KOe〜15K
Oeの印加磁場で配向着磁して、4極の磁極を有する本
体部を作製した。
【0027】次に、樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂
を10重量%、シラン系カップリング剤(アミノプロピ
ルジメトキシシラン)で表面処理した希土類磁性粉Nd
13.5Fe1.74.8(固有保磁力iHc=14KOe;残留
磁束密度Br=8.4KG)を90重量%配合し、これら
を混合し溶融混練して希土類樹脂磁石材料を用意した。
【0028】そして、前記本体部の主磁極近辺(主磁極
の磁力ピーク位置を中心として周方向両側に約5゜をな
す範囲)に前記希土類樹脂磁石材料をテフロン製のハケ
により塗布し、硬化させて、周方向幅1mm、厚み0.
01mmの薄層を形成し、印加磁場30KOeで当該薄
層を着磁することにより、本実施例のマグネットローラ
を作製した。
【0029】(実施例2) 薄層の厚みを0.2mmと
する以外は、前記実施例1と同様にして本実施例のマグ
ネットローラを作製した。
【0030】(実施例3) 希土類樹脂磁石材料を構成
する希土類磁性粉として交換スプリング磁性粉Nd4
8020(固有保磁力iHc=3KOe;残留磁束密度Br
=12KG)を用い、当該薄層への着磁磁場の大きさを
15KOeとする以外は、上記実施例1と同様にして本
実施例のマグネットローラを作製した。
【0031】(比較例1) 上記実施例1において、薄
層を塗布形成する前の本体部を本比較例のマグネットロ
ーラとした。
【0032】(比較例2) 樹脂バインダーとしてナイ
ロン12を10重量%、磁性粉として希土類磁性粉Nd
13.5Fe1.74.8(固有保磁力iHc=14KOe;残留
磁束密度Br=8.4KG)を90重量%配合し、これら
を混合し溶融混練して、ペレット状に成形したものを射
出成形によりローラ状(直径13.6mm;長軸方向長
さ320mm)に成形し、成形後に印加磁場20KOe
〜30KOeで配向着磁して、4極の磁極を有する本体
部を作製し、本比較例のマグネットローラとした。
【0033】(比較例3) 薄層の厚みを0.006m
mとする以外は、上記本実施例と同様にして本比較例の
マグネットローラを作製した。
【0034】(測定環境) 以上の実施例および比較例
のマグネットローラは、図2の概略断面図に示すよう
に、アルミニウム合金製のスリーブ2(内径φ14.6
mm;厚み0.7mm)に内蔵された状態で、その磁気
パターンを測定された。同図において、N1極は主磁
極、1はマグネットローラ、10は磁気パターン波形、
A点は主磁極における磁力分布の極大値を示す。
【0035】また、磁気パターンの測定は、ガウスメー
タを用い、マグネットローラ中心から径方向に8mm離
れた位置にプローブを配置し、マグネットローラを周方
向回転して行われた。この結果を以下の表1に示す。表
1には、希土類樹脂磁石の薄層に用いた「希土類磁性粉
の種類」、「薄層の厚み」、「主磁極への着磁磁場の大
きさ」、「主磁極の磁力」を示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示した結果から明らかなように、主
磁極の磁力を比較すると、実施例1〜3のマグネットロ
ーラでは、所望の高磁力(900G〜1100G)が得
られているのに対し、比較例1,3のマグネットローラ
では、それぞれ870Gと880Gの磁力しか得られな
かった。
【0038】また、実施例3では、希土類磁性粉として
特に交換スプリング磁性粉を用いているので、低磁場
(15KOe)で着磁しても所望の磁力が得られている
ことが分かる。
【0039】また、比較例2では、所望の磁力を超える
高磁力(1400G)が得られているが、これは、マグ
ネットローラ本体部にフェライト樹脂磁石ではなく希土
類樹脂磁石を用いたからである。この種のマグネットロ
ーラは、上述のように、製造コストが非常に高くなり、
低コストで所望の高磁力を得るという本発明の目的から
逸脱するものである。
【0040】従って、本実施例のマグネットローラは、
比較例に対して、高価な希土類磁性粉の使用量を抑制
し、低コストで所望する高磁力(900G〜1100
G)を得られるものであることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上の如く、本発明のマグネットローラ
は、主にフェライト樹脂磁石からなる本体部の外周面所
定範囲に、希土類樹脂磁石からなる薄層を形成して構成
されるので、高価な希土類磁性粉の使用量を抑えつつも
希土類磁性粉の磁気特性を最大限に生かし、所望の磁力
(900G〜1100G)を得て低コストで作製するこ
とが可能となる。
【0042】また、前記希土類磁性粉として、磁気的に
交換相互作用する硬磁性相と軟磁性相との複相を有する
交換スプリング磁性粉を用いることにより、低磁場で着
磁しても所望の高磁力が得られることから、着磁装置の
小型化と着磁工程の簡素化を実現でき、よって製造コス
トを更に低く抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットローラをスリーブに内
蔵した状態を示す概略断面図である。
【図2】スリーブに内蔵されたマグネットローラの磁力
パターンを示す概略断面図である。
【図3】スリーブに内蔵されたマグネットローラの側面
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 マグネットローラ 1a 本体部 1b 薄層 2 円筒状ス
リーブ 10 磁気パターン波形 20 マグネッ
トローラ 21 本体部 22a,22b
軸部 23 スリーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長軸方向に沿った複数の磁極を外周面に
    有するマグネットローラであって、主にフェライト樹脂
    磁石からなる本体部の外周面所定範囲に、希土類樹脂磁
    石からなる薄層を形成して構成されることを特徴とする
    マグネットローラ。
  2. 【請求項2】 前記希土類樹脂磁石からなる薄層の厚み
    をtとし、マグネットローラの周囲に回転自在に配設さ
    れるスリーブの内径をDiとし、当該マグネットローラ
    本体部の外径をDeとしたとき、 (Di−De)/2>t≧0.01ミリ、 の関係式を満足してなる請求項1記載のマグネットロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 前記希土類樹脂磁石の希土類磁性粉とし
    て、磁気的に交換相互作用する硬磁性相と軟磁性相との
    複相を有する交換スプリング磁性粉を用いてなる請求項
    1または2記載のマグネットローラ。
  4. 【請求項4】 前記本体部の外周面所定範囲を磁極近辺
    にのみ設定してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の
    マグネットローラ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109586439A (zh) * 2018-11-07 2019-04-05 华中科技大学 一种复合磁体多层护套高速永磁电机转子

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CN109586439A (zh) * 2018-11-07 2019-04-05 华中科技大学 一种复合磁体多层护套高速永磁电机转子

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