JP4430798B2 - マグネットローラ、マグネットローラの製造方法、現像ローラ、及び現像装置 - Google Patents

マグネットローラ、マグネットローラの製造方法、現像ローラ、及び現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真式の複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等に用いられるマグネットローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の複写機やレーザプリンタ等の複写機においては、感光ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置により磁性トナーを付着させ、これを紙等の記憶媒体に転写して現像するようにしている。
図10は、従来の現像装置の構成を示す図で、現像装置50は、回転する円筒状のスリーブ11の内部に、所定の磁力パターンが着磁された円筒状のマグネットローラ13を配設した現像ローラ10を備え、上記磁力パターンに従って、現像剤容器51に収納されている磁性トナーTを上記スリーブ11の表面に吸い上げて搬送し、成層ブレード52により上記磁性トナーTを均一な薄層にした後、感光ドラム60上の静電潜像上に上記磁性トナーTを付着させるもので、上記スリーブ11の表面に残留した磁性トナーTはその後、スリーブ11から分離され回収される。
上記現像ローラ10は、図11に示すように、非磁性体から成る円筒状のスリーブ11と、当該スリーブ11の両端側に嵌合され、当該スリーブ11を固定する保持部12と、予め設計された磁力パターンに着磁され上記スリーブ11の内部に同軸に配設される円柱状のマグネットローラ13とから構成される。尚、マグネットローラ13のシャフト39の両端は、例えばベアリング14を介して、保持部12に枢着される。
上記保持部12は、外周のスリーブ11側の径がスリーブ11の厚さ分だけ小さい段差部12aを有する段付き円柱で、その外側端面の中央部には、外側に突出する円柱状のシャフト12bが設けられ、内側端面中央部には円柱状の凹部12cが設けられており、スリーブ11の両端部は、上記段差部12aに設けられた固定部12dにおいて、当該保持部12に接着剤等で固定されている。
【0003】
上記マグネットローラ13は、例えば図12に示すように、円柱形状のシャフト39の外周に、断面扇形の棒状に成形されたマグネットピース30Pを複数個配置固定して成る。
即ち、最近は、複写機等の仕様により、マグネットローラに対して様々な磁力パターンが要求されていることから、シャフト39の外周において、上記扇形の外周側に予めN磁極あるいはS磁極に着磁した各マグネットピース30Pの側端面同士を貼り合わてマグネットローラ13を形成する場合がある。
例えば図13に示すように、扇形の外周側の磁極が、それぞれ、N3(汲み上げ極31),S1(層規制極32),N1(搬送極33),S2(現像極34),N2(回収極35)に着磁された各マグネットピース30Pの扇形の側面同士を貼り合わせて成る。
【0004】
尚、上記各マグネットピース30Pは、例えば,StフェライトやSm−Co等のフェライト系あるいはSmFeN等の希土類系の焼結磁石を微粉末にした磁性粉を、ナイロンやポリエチレンあるいはEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)などの熱可塑性樹脂等の結合材(バインダー)に分散させた樹脂磁石組成物を射出成形又は押出成形等して成形される。
即ち、当該マグネットピースの扇形の外周の一部に対応する部分及び当該マグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に磁性材が配置され当該マグネットピースの扇形の外周における上記一部以外に対応する部分に非磁性材が配置されて当該マグネットピースの成形空間であるキャビティーを形成する成形金型を用い、磁場発生手段により上記キャビティーに磁場を印加しながら上記キャビティー内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、扇形の外周側に磁極を持たせるように上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで上記マグネットピース30Pが作成される。
具体的には、例えば、図15に示すような、成形金型20を用いて射出成形する。
即ち、磁性材料21bで形成された下型21と、配向制御凸部22cが設けられた磁性材料22b及び非磁性材料22aで形成された上型22との間に、キャビティー23が形成される金型20を用い、キャビティー23の周囲に磁場を形成した状態でキャビティー23内に上記樹脂磁石組成物を注入し、成形すると同時に、樹脂磁石組成物中の磁性粉を矢印のように配向し、着磁することにより、配向制御凸部22cと対向する側,即ち、各マグネットピース30Pの扇形の外周側の例えば中央部に磁極を持たせたマグネット片30Pが作成される。
尚、P/Lはパーティングラインである。
また、押出成形の場合も、上記樹脂磁石組成物を所定の圧力で押出成形機の上述したような金型22の成形空間であるダイス内に圧入して外部に押し出して成形すると同時に、ダイス内を通過する樹脂磁石組成物に上述のような磁場発生手段により磁場を印加して樹脂磁石組成物中の磁性粉を配向し、着磁することにより、マグネットピース30Pが作成される。
【0005】
図13のように各マグネットピース30Pを張り合わせて成るマグネットローラ13においては、例えば、汲み上げ極31と回収極35とを同一極となるように着磁し、この両極間の反発力により、この両極間に、ピーク磁力が100ガウス以下となる0ガウス帯を設定して、残留した磁気トナーTの回収率を向上させるようにしている。
【0006】
ところで、上記0ガウス帯の磁力は、トナーを落ちやすくして回収率を良くするために、フラット(平坦)な特性とする方がよい。フラットな特性でないと、トナー回収率が悪くなるからである。
しかし、図13に示すように、汲み上げ極31を構成するマグネットピース30Pと回収極35を構成するマグネットピース30Pの扇形の側端面30S,30S同士を貼り合わてマグネットローラ13を作成した場合、このマグネットローラ13の磁力特性を示す図14からわかるように、汲み上げ極31と回収極35との間にフラットな特性の0ガウス帯が得られない。
【0007】
そこで、図16に示すように、扇形の外周側が同一極となるように着磁された2つのマグネットピースの間に空間,即ち、反発極間Wを設けたマグネットローラ13Aの場合、汲み上げ極31(N2)と回収極35(N1)の間の反発極間Wにフラットな0ガウス帯を設定することが可能である。即ち、反発極間Wの円弧角度Rを極端に小さくすると、フラットな0ガウス帯を設定することができないが、反発極間Wの円弧角度Rを調整することにより、フラットな0ガウス帯を設定することは可能である。図16では、上記円弧角度Rを60度に設定している。図17はこの場合のマグネットローラ13Aの磁力特性を示す図である。この図17からわかるように、上記円弧角度Rを60度に設定することにより、反発極間Wにほぼフラットな0ガウス帯が設定できることがわかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図16に示すように反発極間Wを設けて反発極間Wの磁力を調整すると、各マグネットピース30Pの各極(31〜35)の磁力に影響が出てしまい、各極の磁力自由度が少ない。言い換えれば、各マグネットピースの各極の磁力と反発極間の磁力の両方を設計どうりに設定するのが困難であるという課題があった。
また、図17からわかるように、各極の磁力の影響により、反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまう(反発極間Wの磁力の極性が途中で変わる)場合もあり、この場合も、トナー回収率が悪くなるので、好ましくないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、各マグネットピースの各極の磁力と反発極間Wの磁力の両方をほぼ設計どうりに設定でき、反発極間Wの磁力特性がフラットで、かつ、反発極間Wの磁力を小さくでき、しかも反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうようなことのないマグネットローラを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマグネットローラは、バインダーに磁性粉を混ぜた樹脂磁石組成物により棒状に形成され、棒状の長手方向の面のうちの一つの面がマグネットローラのシャフトの外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成され、かつ、外周側に磁極を持つ複数のマグネットピースを、上記シャフトの外周に沿って配置固定して成るマグネットローラにおいて、側面同士が離れるように上記シャフトの外周に配置され、上記外周側の磁極が同じ磁極である2つの上記マグネットピースの間で形成される反発極間に、反発極間磁力調整用マグネットピースを配置固定して成り、上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、バインダーに磁性粉を混ぜた樹脂磁石組成物により棒状に形成され、棒状の長手方向の面のうちの一つの面がマグネットローラのシャフトの外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成されるとともに、外周側における両側面側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの外周側の磁極と同じ磁極を持ち、かつ、内周側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの外周側の磁極と逆の磁極を持つ構成とした。
また、上記マグネットピース及び反発極間磁力調整用マグネットピースは断面扇形の棒状に形成され、上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、扇形の外周側における両側面側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの扇形の外周側の磁極と同じ磁極を持ち、かつ、扇形の内周側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの扇形の外周側の磁極と逆の磁極を持つ構成とした。
また、上記反発極間磁力調整用マグネットピースにより、上記反発極間の磁力を微少磁力に設定した。
また、上記反発極間の円弧角度を60°に設定し、上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、断面の円弧角度を上記反発極間の円弧角度に合わせ、かつ、内周側の表面磁力を0.02〜0.053テスラに設定した。
また、本発明のマグネットローラの製造方法は、上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、当該マグネットピースの扇形の外周に対応する部分に非磁性材が配置され当該マグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に磁性材が配置されて当該マグネットピースの成形空間を形成する成形型を用い、この成形空間に磁場を印加しながら当該成形空間内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、上記の如く扇形の外周側における両方の側面側に同じ磁極を持つように上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで作成し、上記反発極間磁力調整用マグネットピース以外のマグネットピースは、当該マグネットピースの扇形の外周の一部に対応する部分及び当該マグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に磁性材が配置され当該マグネットピースの扇形の外周における上記一部以外に対応する部分に非磁性材が配置されて当該マグネットピースの成形空間を形成する成形型を用い、この成形空間に磁場を印加しながら当該成形空間内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、扇形の外周側の1箇所に磁極を持つように上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで作成し、上記シャフトの外周において、反発極間磁力調整用マグネットピース以外の上記各マグネットピースを配置し、隣り合う各マグネットピースの側面同士を固定して上記反発極間を形成するとともに、上記反発極間に、上記反発極間磁力調整用マグネットピースを配置固定するようにした。
また、上記マグネットローラを用いて現像ローラ、現像装置を構成するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜9に基づき説明する。尚、従来例と同一部分は同一符号を付して詳説を省略する。
図1は本発明によるマグネットローラを説明するための断面図、図2は本発明のマグネットローラに用いる反発極間磁力調整用マグネットピースの斜視図である。
本発明によるマグネットローラ3は、図1に示すように、図16と同じ構成のマグネットローラ13Aを構成する複数のマグネットピース30P(31〜35)と反発極間磁力調整用マグネットピース1とにより構成される。
即ち、マグネットローラ13Aの反発極間Wに反発極間磁力調整用マグネットピース1を配置固定して成る。
例えば、図15の金型20により扇形の外周側に磁極を持つ如く射出成形あるいは押出成形された複数のマグネットピース30P(31〜35)を、円柱状のシャフト39の外周に沿って異なる極同士が隣合って接合されるように配置固定し、かつ、外周側が同極に設定され、扇形の側面30S,30S同士が離れるように配置された汲み上げ極31(N1)と回収極35(N2)を構成する2つのマグネットピース30P,30Pの間で形成される反発極間Wに、例えば図3に示す金型2を用いて射出成形あるいは押出成形された上記反発極間磁力調整用マグネットピース1が配置固定されることにより、反発極間Wの磁力が調整されたマグネットローラ3が得られる。
【0012】
上記反発極間磁力調整用マグネットピース1は、例えば、図3に示す成形金型2(成形型)を用いて射出成形あるいは押出成形される。即ち、図2に示すように、上述した樹脂磁石組成物により断面扇形の棒状に成形され、この扇形の外周1a側における両側面1s,1s側には、それぞれ同極の磁極を持ち、かつ、扇形の内周面1b側には、上記両側面1s,1s側に持たせた磁極と逆の磁極を持つように構成されたマグネットピースである。
【0013】
上記金型2は、図3に示すように、一対の上,下割型2A,2Bより構成され、反発極間磁力調整用マグネットピース1の成形空間であるキャビティー2Xにおけるマグネットピースの扇形の外周を成形する側に配置される一方の上型2Aは、当該外周を被う当該外周面を形成する非磁性材ブロック2aの両側に磁性材ブロック2b,2bを備えて成り、下型2Bは、上記キャビティー2Xにおけるマグネットピースの扇型の両側面を形成し、この側面の高さとほぼ同じ高さで当該側面に対して横方向に延長する磁性材層ブロック2c,2cと、上記キャビティー2Xにおけるマグネットピースの扇型の内周面の少なくとも一部あるいは全部を形成し、この内周面の弧幅とほぼ同じ幅で当該内周面と反対方向に延長する細幅の配向制御凸部2dを有する磁性材ブロック2eと、磁性材層ブロック2c,2cと磁性材ブロック2eとの間に配置された非磁性材ブロック2f,2fとを備えて成る。
【0014】
上記反発極間磁力調整用マグネットピース1は、具体的には、上記金型2を用い、上記キャビティー2Xに磁場を印加しながらキャビティー2X内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、上記の如く扇形の外周1a側における両側面1s,1s側にはそれぞれ同極の磁極を、かつ、扇形の内周面1b側には上記両側面1s,1s側に持たせた磁極と逆の磁極を持つように、上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することにより作成される。
【0015】
上記反発極間磁力調整用マグネットピース1は、扇形の外周1a側における両側面1s,1s側に同極の磁極を持ち、かつ、扇形の内周面1b側には上記両側面1s,1s側に持たせた磁極と逆の磁極を持つので、この反発極間磁力調整用マグネットピース1自体の磁力を調整することで、反発極間Wの磁力を調整することが可能となる。
即ち、各マグネットピース30Pの各極31〜35の磁力に影響を与えることが少なくなり、各極の磁力の設定を設計どおり行なうことができるようになるとともに、各極からの磁力の影響も少なくなるので、反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうような事態を少なくできて、かつ反発極間の磁力を小さくでき、しかも反発極間の磁力特性をフラットに調整できるようになる。
従って、本実施の形態によれば、トナー回収効率が良く、性能の高いマグネットローラ3を得ることができるようになる。
【0016】
また、図11のスリーブ12の内側に配置するマグネットローラとして上記マグネットローラ3を用いることにより、トナー回収効率が良く、性能の高い現像ローラを得ることができるようになる。
【0017】
また、図10に示すように、スリーブ表面にマグネットローラの磁気特性により磁性トナーT(磁性現像剤)を担持して成層プレード52によりこれを所定厚さの薄層に成層し、この状態で感光ドラム60(画像形成体)表面に接触又は近接することにより、スリーブから感光ドラム60に磁性トナーTを供給して該感光ドラム60の表面に可視画像を形成すると共に、画像形成に供されることなくスリーブ表面に残留した磁性トナーTを搬送して現像剤容器51に回収する現像装置に用いるマグネットローラとして、上記マグネットローラ3を用いることにより、トナー回収効率が良く、性能の高い現像装置を得ることができるようになる。
【0018】
尚、実施の形態では、金型2を用い、キャビティー2Xに磁場を印加しながらキャビティー2X内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、上記の如く扇形の外周1a側における両側面1s,1s側にはそれぞれ同極の磁極を、かつ、扇形の内周面1b側には上記両側面1s,1s側に持たせた磁極と逆の磁極を持つように、上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで作成したマグネットピース1を反発極間Wに張り合わせてマグネットローラ3を製造する例を示したが、磁場成形を行なわずに、後に着磁機で上記の如く扇形の外周側における両側面側に同極の磁力ピークを持つように着磁したマグネットピースを用いても良いし、磁場成形により磁性粉の配向及び着磁を行った後に、一旦脱磁して、後に着磁機で上記の如く扇形の外周側における両側面側に同極の磁力ピークを持つように着磁し直したマグネットピースを用いてよい。また、同様に、各マグネットピース30Pも着磁機で着磁したものを用いてもよい。
【0019】
また、成形型としては、マグネットピースの扇形の外周に対応する部分に配置された非磁性材とマグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に配置された磁性材とで当該マグネットピースの成形空間(キャビティーあるいはダイス)が形成されるような成形型であればよい。
【0020】
実施例
上記反発極間Wの円弧角度Rを60°程度に設定し、反発極間磁力調整用マグネットピース1は、扇形の円弧角度Rを上記反発極間Wの円弧角度Rに合わせ、かつ、扇形の内周表面磁力を−205ガウス(G)、−400ガウス、−500ガウス、530ガウスに設定してマグネットローラを構成して磁力パターンを計測した(尚、−はS極、+はN極を示す)。その結果を図4〜図7に示す。また、図8に上記各場合の反発極間最小磁力を示した。また、図9にピース(反発極間磁力調整用マグネットピース)の磁力(内周表面磁力)−反発極間最小磁力の相関図を示した。
【0021】
扇形の内周側をS極、扇形の外周側における両側面側のそれぞれをN極にし、内周表面磁力を−205ガウス(G)に設定した反発極間磁力調整用マグネットピース1(図4)を用いた場合、反発極間最小磁力が1.5Gで好適な結果が得られた。即ち、反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうような事態をなくすことができ、かつ、反発極間Wの磁力を小さくでき、しかも反発極間Wの磁力の特性をフラットにできた。また、図4の反発極間磁力調整用マグネットピース1を用いた場合に比べて、反発極間最小磁力が大きくなるが、図5,図6のマグネットピース1を用いても、ほぼ同様な効果が得られた。
即ち、本実施例によれば、図1のように、反発極間Wの両側のマグネットピースがN極の場合において、扇形の内周側をS極、扇形の外周側における両側面側のそれぞれをN極にすると、反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうような事態をなくすことができ、かつ、反発極間Wの磁力を小さくでき、しかも反発極間Wの磁力の特性をフラットにできることが実証できた。
尚、扇形の内周側をN極、扇形の外周側における両側面側のそれぞれをS極にし、内周表面磁力を530ガウス(G)に設定した反発極間磁力調整用マグネットピース1(図7)を用いた場合は、反発極間がS極になってしまうので好ましくない。即ち、反発極間が逆極になってしまうので好ましくない。
【0022】
尚、反発極間Wの両側のマグネットピースがS極の場合は、扇形の内周側をN極、扇形の外周側における両側面側のそれぞれをS極にすれば、上記と同様な効果が得られる。
【0023】
また、マグネットピース1の扇形の円弧角度R及び反発極間Wの円弧角度Rを極端に小さくすると、反発極間Rの磁力の特性をフラットにならないおそれがあり、また、あまりにこの円弧角度Rを大きくすると、極の数を多くできず複雑な磁力パターンを設定できなくなるおそれがあるので、30度〜100度程度、好ましくは60度程度とする方が望ましい。
【0024】
また、上記円弧角度が30度〜100度程度の範囲を逸脱しても、反発極間磁力調整用マグネットピース1の磁力を調整することにより、反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうような事態をなくすことは可能であるが、上述のように反発極間Wの磁力の特性をフラットにならなかったり、複雑な磁力パターンを設定できなくなるおそれがあるので、トナー回収率が良く、性能の高いマグネットローラを得るためには、上記実施例で示したような反発極間磁力調整用マグネットピース1を用いることが好適であり、少なくとも、上記円弧角度Rを30度〜100度程度にすることが望ましい。
【0025】
また、上記では、断面扇形の棒状に形成されたマグネットピースを張り合わせたマグネットローラを例にして説明したが、必ずしも断面扇形のマグネットピースでなくてもよい。
例えば、熱可塑性樹脂等のバインダーに磁性粉を混ぜた樹脂磁石組成物により棒状に形成され、棒状の長手方向の面のうちの一つの面が、マグネットローラのシャフトの外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成される複数のマグネットピースを張り合わせるものとし、反発極間磁力調整用マグネットピースとしては、棒状の長手方向の面のうちの一つの面が、シャフト39の外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成され、上記棒状の長手方向の面のうち上記内周面と隣接する両方の側面側には、それぞれ同極の磁極を持ち、かつ、上記内周面側には、上記両側面側に持たせた磁極と逆の磁極を持たせたものを用いてマグネットローラを構成してもよい。即ち、各マグネットピースとしては、具体的には、例えば、図2の扇型の外周面を平面としたような形状のマグネットピースを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本願発明のマグネットローラによれば、各マグネットピースの各極の磁力と反発極間Wの磁力の両方をほぼ設計どうりに設定でき、反発極間Wの磁力特性がフラットで、かつ、反発極間Wの磁力を小さくでき、しかも反発極間Wの磁力の極性N,Sが逆転するような特性となってしまうようなことのないマグネットローラを得ることができる。即ち、トナー回収効率が良く、性能の高いマグネットローラを得ることができる。
また、現像ローラ、現像装置に上記マグネットローラを用いることにより、トナー回収効率が良く、性能の高い現像ローラ、現像装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による反発極間磁力調整用マグネットピースを使用するマグネットローラの断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態による反発極間磁力調整用マグネットピースの斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態による反発極間磁力調整用マグネットピースを成形するための成形型の断面図である。
【図4】 本発明の実施例によるマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【図5】 本発明の実施例によるマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【図6】 本発明の実施例によるマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【図7】 本発明の実施例によるマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【図8】 本発明の実施例によるピース磁力(内周表面磁力)に対する反発極間最小磁力を示した図表である。
【図9】 本発明の実施例によるピース磁力(内周表面磁力)−反発極間最小磁力の相関図である。
【図10】 従来の現像装置の断面図である。
【図11】 従来の現像ローラの断面図である。
【図12】 従来のマグネットローラの斜視図である。
【図13】 従来のマグネットローラの断面図である。
【図14】 従来のマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【図15】 従来のマグネットピースを成形するための成形型の断面図である。
【図16】 従来のマグネットローラの断面図である。
【図17】 従来のマグネットローラの磁力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 反発磁極間調整用マグネットピース、2 金型、2A 上型、2B 下型、2d 配向制御凸部、3 マグネットローラ、30P マグネットピース、39 シャフト、W 反発極間、R 円弧角度。

Claims (7)

  1. インダーに磁性粉を混ぜた樹脂磁石組成物により棒状に形成され、棒状の長手方向の面のうちの一つの面がマグネットローラのシャフトの外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成され、かつ、外周側に磁極を持つ複数のマグネットピースを、上記シャフトの外周に沿って配置固定して成るマグネットローラにおいて、
    側面同士が離れるように上記シャフトの外周に配置され、上記外周側の磁極が同じ磁極である2つの上記マグネットピースの間で形成される反発極間に、反発極間磁力調整用マグネットピースを配置固定して成り、
    上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、バインダーに磁性粉を混ぜた樹脂磁石組成物により棒状に形成され、棒状の長手方向の面のうちの一つの面がマグネットローラのシャフトの外周面に対応する内周面として断面湾曲形状に形成されるとともに、外周側における両側面側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの外周側の磁極と同じ磁極を持ち、かつ、内周側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの外周側の磁極と逆の磁極を持つことを特徴とするマグネットローラ。
  2. 上記マグネットピース及び反発極間磁力調整用マグネットピースは断面扇形の棒状に形成され、
    上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、扇形の外周側における両側面側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの扇形の外周側の磁極と同じ磁極を持ち、かつ、扇形の内周側が、上記反発極間の両側に位置する2つのマグネットピースの扇形の外周側の磁極と逆の磁極を持つことを特徴とする請求項1に記載のマグネットローラ。
  3. 上記反発極間磁力調整用マグネットピースにより、上記反発極間の磁力を微少磁力に設定して成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマグネットローラ。
  4. 上記反発極間の円弧角度を60°に設定し、上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、断面の円弧角度を上記反発極間の円弧角度に合わせ、かつ、内周側の表面磁力を0.02〜0.053テスラに設定したことを特徴とする請求項3に記載のマグネットローラ。
  5. 請求項2に記載のマグネットローラの製造方法であって、
    上記反発極間磁力調整用マグネットピースは、当該マグネットピースの扇形の外周に対応する部分に非磁性材が配置され当該マグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に磁性材が配置されて当該マグネットピースの成形空間を形成する成形型を用い、この成形空間に磁場を印加しながら当該成形空間内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、上記の如く扇形の外周側における両方の側面側に同じ磁極を持つように上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで作成し、上記反発極間磁力調整用マグネットピース以外のマグネットピースは、当該マグネットピースの扇形の外周の一部に対応する部分及び当該マグネットピースの扇形の内周及び両側面に対応する部分に磁性材が配置され当該マグネットピースの扇形の外周における上記一部以外に対応する部分に非磁性材が配置されて当該マグネットピースの成形空間を形成する成形型を用い、この成形空間に磁場を印加しながら当該成形空間内に上記樹脂磁石組成物を注入して、成形と同時に、扇形の外周側の1箇所に磁極を持つように上記樹脂磁石組成物中に分散混合された磁性粉を配向し、着磁することで作成し、上記シャフトの外周において、反発極間磁力調整用マグネットピース以外の上記各マグネットピースを配置し、隣り合う各マグネットピースの側面同士を固定して上記反発極間を形成するとともに、上記反発極間に、上記反発極間磁力調整用マグネットピースを配置固定するようにしたことを特徴とするマグネットローラの製造方法。
  6. 回転するスリーブと該スリーブの内側に配置されたマグネットローラとから成る現像ローラにおいて、上記マグネットローラとして、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマグネットローラ、あるいは請求項5により製造されたマグネットローラを備えたことを特徴とする現像ローラ。
  7. 回転するスリーブと該スリーブの内側に配設されたマグネットローラとからなる現像ローラを具備し、上記スリーブ表面に上記マグネットローラの磁気特性により磁性現像剤を担持して成層プレードによりこれを所定厚さの薄層に成層し、この状態で画像形成体表面に接触又は近接することにより、上記マグネットローラの磁気特性により上記スリーブから画像形成体表面に磁性現像剤を供給して該画像形成体表面に可視画像を形成する現像装置において、上記マグネットローラとして、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマグネットローラ、あるいは請求項5により製造されたマグネットローラを備えたことを特徴とする現像装置。
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