JP2010238977A - フェライト磁石の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気配向の乱れや外形の変形が少ないフェライト磁石を製造するための方法と、そのフェライト磁石を製造するための製造装置を提供すること。
【解決手段】磁場が印加された金型のキャビティ内で射出成形して予備成形体を得る工程と、予備成形体を焼成する工程と、を有するフェライト磁石の製造方法である。キャビティ12が、半径方向に所定厚みの略円弧形状の横断面と軸方向に矩形状の縦断面とを有する。キャビティ12に溶融状態の
原材料を送り込むゲート60が、キャビティ12の横断面における略円弧形状の中央部であって、キャビティ12の縦断面における軸方向の一方の第1端12aに設けられている。キャビティ12から溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部70が、キャビティ12の縦断面における軸方向に他方の第2端12bであって、ゲート60と向き合う位置に設けてある。磁場による磁力線は、キャビティ12の厚み方向に、キャビティ12およびオーバーフロー部70に作用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フェライト磁石の製造方法および製造装置に係り、さらに詳しくは、磁気配向の乱れや外形の変形が少ないフェライト磁石を製造するための方法と、そのフェライト磁石を製造するための製造装置に関する。
たとえば特許文献1に示すように、湾曲した断面形状を有する磁石を製造するための方法および金型装置が知られている。ただし、この特許文献1に示す磁石の製造方法および金型装置は、複合樹脂磁石を製造するための方法および装置であり、焼結磁石を製造するための方法および装置ではない。
仮に特許文献1に示すような従来の金型装置により得られた予備成形体(磁性粉末とバインダ樹脂とを含む)を焼成した場合には、焼成後の成形体における反ゲート側の端部において、磁気配向の乱れが生じると共に、外形の変形が生じるという課題があることが本発明者等の実験により判明した。
なお、たとえば特許文献2に示すように、射出成形方法では、キャビティを挟んでゲートの反対側にオーバーフロー部を設け、樹脂成形時の成形体の変形などを防止する技術が知られている。しかしながら、従来の射出成形方法では、その射出成形により得られた成形体を焼成することを考慮していない。このため、通常の射出成形に用いる金型装置を用いて成形された成形体を焼成したとしても、焼成後の成形体における反ゲート側の端部において、磁気配向の乱れや外形の変形を抑制することが困難であった。特に、薄肉で湾曲形状の焼結磁石を、磁気配向の乱れや外形の変形を抑制しつつ、製造することが困難であった。
特開平8−160752号公報 特開昭60−9722号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、磁気配向の乱れや外形の変形が少ないフェライト磁石を製造するための方法と、そのフェライト磁石を製造するための製造装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るフェライト磁石の製造方法は、
磁性粉末とバインダ樹脂とを含む原材料を溶融させ、磁場が印加された金型のキャビティ内で射出成形して予備成形体を得る工程と、
前記予備成形体を焼成する工程と、を有するフェライト磁石の製造方法であって、
前記キャビティが、半径方向に所定厚みの略円弧形状の横断面と軸方向に矩形状の縦断面とを有するキャビティであり、
前記キャビティに溶融状態の原材料を送り込むゲートが、前記キャビティの横断面における略円弧形状の中央部であって、前記キャビティの縦断面における軸方向の一方の第1端に設けられ、
前記キャビティから溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部が、前記キャビティの縦断面における軸方向に他方の第2端であって、前記ゲートと向き合う位置に設けられ、
前記磁場による磁力線は、前記キャビティの厚み方向に、前記キャビティおよび前記オーバーフロー部に作用することを特徴とする。
本発明に係るフェライト磁石の製造方法によれば、上記のような構成のオーバーフロー部を金型のキャビティに連通して設けることで、予備成形体の焼成後に、磁気配向の乱れや外形の変形が少ない焼結フェライト磁石を得ることが判明した。このことは、本発明者等により初めて見出された。
好ましくは、前記オーバーフロー部の厚みが、前記キャビティに開口する前記ゲートの厚みと同等以上で、前記キャビティの幅と同等以下である。また好ましくは、前記オーバーフロー部の幅が、前記ゲートの幅と同等以上で、前記キャビティの幅と同等以下である。前記オーバーフロー部は、前記キャビティの幅方向に沿って連続的に形成しても良いし、または断続的に形成してもよい。
好ましくは、前記予備成形体は、前記ゲートおよびオーバーフロー部に対応する成形部を切除した後に焼成される。このように必要部分のみを焼成することで、焼成時の熱量を低減することができ、省エネルギーに寄与する。
本発明に係るフェライト磁石の製造装置は、
キャビティと、磁性粉末とバインダ樹脂とを含む原材料を前記キャビティへ案内するためのゲートとが形成してある金型と、
前記キャビティに磁場を印加する磁場印加手段と、を有するフェライト磁石の製造装置であって、
前記キャビティが、半径方向に所定厚みの略円弧形状の横断面と軸方向に矩形状の縦断面とを有するキャビティであり、
前記ゲートが、前記キャビティの横断面における略円弧形状の中央部であって、前記キャビティの縦断面における軸方向の一方の第1端に設けられ、
前記キャビティから溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部が、前記キャビティの縦断面における軸方向に他方の第2端であって、前記ゲートと向き合う位置に設けられ、
前記磁場印加手段による磁力線は、前記キャビティの厚み方向に、前記キャビティおよび前記オーバーフロー部に作用することを特徴とする。
本発明に係るフェライト磁石の製造装置を用いて予備成形体を成形し、その後に、その予備成形体を焼成すれば、磁気配向の乱れや外形の変形が少ない焼結フェライト磁石を得ることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るフェライト磁石の製造装置の概略断面図である。 図2は図1に示す金型装置の要部拡大断面図である。 図3は図2に示すIII−III線に沿う金型装置の断面図である。 図4は図1〜図3に示す金型装置のキャビティを立体的に示す斜視図である。 図5(A)〜図5(D)は本発明の他の実施形態に係る金型装置のキャビティを長手方向の側面から見た図、長手方向の端面から見た図および平面側から見た図である。 図6(A)〜図6(C)は本発明の他の実施形態に係る金型装置のキャビティを長手方向の側面から見た図、および長手方向の端面から見た図である。 図7(A)〜図7(C)は本発明の他の実施形態に係る金型装置のキャビティを長手方向の側面から見た図、および長手方向の端面から見た図である。 図8(A)〜図8(C1)および図8(C2)は本発明の他の実施形態に係る金型装置のキャビティを長手方向の側面から見た図、長手方向の端面から見た図、および平面側から見た図である。 図9(A)は本発明の一実施例に係る方法により得られたフェライト焼結磁石の要部断面図、図9(B)は本発明の比較例に係る方法により得られたフェライト焼結磁石の要部断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。まず、図1に示す磁場射出成形装置2について説明する。
図1に示すように、この磁場射出成形装置2は、ペレット10が投入されるホッパ4を有する押出機6と、押出機6から押し出されたペレット10の溶融物をキャビティ12内で成形するための金型装置8とを有する。この磁場射出成形装置は、CIM(ceramic injection molding)成形を利用した成形装置である。
金型装置8は、図2および図3に示すように、強磁性体からなる第1金型20と、第1金型20と同じく強磁性体からなる第2金型30と、非磁性体からなる第3金型40とを有する。第1金型20および第2金型30を構成する強磁性体としては、特に限定されないが、例えばSKH51(JIS G 4403:2006)、SK3(JIS G 4401:2006)、SKD11(JIS G 4404:2006)等の鋼材を用いることができる。また、第3金型40を構成する非磁性体としては、特に限定されないが、例えばSUS304(JIS G 4305:2005)等の鋼材を用いることができる。
第1金型20および第2金型30は、いずれか一方が成形装置2に対して固定してある固定型であり、いずれか他方が固定型に対して移動自在な可動型である。第3金型40は、第1金型20または第2金型30に対して固定してある。図2に示すように、第1金型20には、スプール50が形成してあり、このスプール50に対して押出機6のノズル6aが接続され、ノズル6aからスプール50に向けて溶融状態の原料が注入される。
第1金型20と第2金型30との割面には、スプール50に連通する複数のゲート60が形成してあり、各ゲート60には、キャビティ12が連通するように形成してある。各キャビティ12は、図3および図4に示すように、半径方向r1に所定厚みt1の略円弧形状の横断面と軸方向L1に矩形状の縦断面とを有するキャビティである。所定厚みt1は、本実施形態では、好ましくは0.1〜4mmである。
図4に示すように、各キャビティ12に溶融状態の原材料を送り込むゲート60が、キャビティ12の横断面における略円弧形状の中央部であって、キャビティ12の縦断面における軸方向L1の一方の第1端12aに設けられている。また、キャビティ12には、キャビティ12から溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部70が、キャビティ12の縦断面における軸方向L1に他方の第2端12bであって、ゲート60と向き合う位置に設けられている。
本実施形態では、オーバーフロー部70の幅W2は、ゲートの幅W1と同等以上で、キャビティ12の横断面幅W0の1/2以下であるが、本発明では特に限定されない。オーバーフロー部70の幅W2が大きすぎると、後工程で削除される部分が多くなる。また、幅W2が小さすぎると、本発明の効果が小さいことから、キャビティ12の横断面幅W0の1/7以上であることが好ましい。
ゲート部60の厚みと、オーバーフロー部70の厚みとは、同一であっても異なっていてもよいが、キャビティ12の厚み以下であり、オーバーフロー部70の厚みの方が、ゲート部60の厚みよりも同等以上であることが好ましい。なお、「幅W1,W2,W0」とは、キャビティの横断面において、円弧形状の弦方向に平行な方向の幅の意味であり、ゲート部60の厚みとオーバーフロー部70の厚みとは、その横断面において、幅と垂直な方向の厚みである。
図示省略してあるが、金型装置8には、磁場印加手段としての電磁コイルまたは磁石が配置してあり、図3に示すように、キャビティ12内には、キャビティ12の厚み方向(円弧の半径方向)に磁力線M1が発生するようになっている。この磁力線は、キャビティ12と共に、図2および図4に示すオーバーフロー部70にも作用する。なお、磁力線は、ゲート60にも作用させてもよい。
本実施形態では、キャビティ12を構成する第1金型20および第2金型30の内周面には、第1金型20および第2金型30を構成する強磁性体の鋼材よりも耐摩耗性の高い被覆層が形成されていてもよい。被覆層によって、射出成形によって金型が摩耗することを抑制することができる。被覆層としては、特に限定されないが、例えばCo−Cr系合金や、Ti系合金、Ni系合金等を用いることができる。被覆層の厚みは、キャビティ12内での磁力線の強度が低下しないように決定される。
図3に示すように、非磁性体で構成される第3金型40は、第1金型20および第2金型30の間に配置され、キャビティ12の横断面において、円弧状のキャビティの円弧方向に伸びる突起部42を有する。各突起部42の先端部が、三角形状または多角形状あるいは曲面状に凹んでいる。突起部42の厚みは、キャビティ12の厚みと同程度である。
本実施形態に係るフェライト焼結磁石の製造方法では、まず、磁性粉末の原料粉末を準備する。磁性粉末の原料粉末としては、特に限定されないが、好ましくは、フェライトが用いられ、特に、マグネトプランバイト型のM相、W相等の六方晶系のフェライトが好ましく用いられる。
このようなフェライトとしては、特に、MO・nFe(Mは好ましくはSrおよびBaの1種以上、n=4.5〜6.5)であることが好ましい。このようなフェライトには、さらに、希土類元素、Ca、Pb、Si、Al、Ga、Sn、Zn、In、Co、Ni、Ti、Cr、Mn、Cu、Ge、Nb、Zr等が含有されていてもよい。
特に、下記に示すA,R,FeおよびMを構成元素として含む六方晶マグネトプランバイト型(M型)フェライトを主相に有するフェライトが好ましい。ただし、Aは、Sr、Ba、CaおよびPbから選択される少なくとも1種の元素であり、Rは、希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは、Coおよび/またはZnである。これらのA,R,FeおよびMそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、
A:1〜13原子%、
R:0.05〜10原子%、
Fe:80〜95原子%、
M:0.1〜5原子%である。
このフェライトにおいて、RがAサイトに存在するとし、MがFeのサイトに存在するとした場合におけるフェライトの組成式は、下記の式1に示すように表すことができる。なお、x、y、zは上記の量から計算される値である。
1−x (Fe12−y19…式1
このような異方性フェライトの原料粉末を製造するには、フェライト組成物の原料の酸化物、または焼成により酸化物となる化合物を仮焼前に混合し、その後仮焼を行う。仮焼は、大気中で、例えば1000〜1350°Cで、1秒間〜10時間、特にM型のSrフェライトの微細仮焼粉を得るときには、1000〜1200℃で、1秒間〜3時間程度行えばよい。
このような仮焼粉は、実質的にマグネトプランバイト型のフェライト構造をもつ顆粒状粒子から構成され、その一次粒子の平均粒径は0.1〜1μm、特に0.1〜0.5μmであることが好ましい。平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定すればよく、その変動係数CVは80%以下、一般に10〜70%であることが好ましい。また、飽和磁化σsは65〜80emu/g、特にM型Srフェライトでは65〜71.5emu/g、保磁力HcJは2000〜8000Oe、特にM型Srフェライトでは4000〜8000Oeであることが好ましい。
この実施形態では、このようにして製造された仮焼粉を、必要に応じて、乾式粗粉砕し、その後に、湿式粉砕を一回以上行う。
乾式粗粉砕工程では、通常、BET比表面積が2〜10倍程度となるまで粉砕する。粉砕後の平均粒径は、0.1〜1μm程度、BET比表面積は4〜10m/g程度であることが好ましく、粒径のCVは80%以下、特に10〜70%に維持することが好ましい。粉砕手段は特に限定されず、例えば乾式振動ミル、乾式アトライター(媒体撹拌型ミル)、乾式ボールミル等が使用できるが、特に乾式振動ミルを用いることが好ましい。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよい。
乾式粗粉砕には、仮焼体粒子に結晶歪を導入して保磁力HcBを小さくする効果もある。保磁力の低下により粒子の凝集が抑制され、分散性が向上する。また、配向度も向上する。粒子に導入された結晶歪は、後の焼結工程において解放され、これによって本来の硬磁性に戻って永久磁石となる。
乾式粗粉砕の後、仮焼体粒子と水とを含む粉砕用スラリーを調製し、これを用いて湿式粉砕を行う。粉砕用スラリー中の仮焼体粒子の含有量は、10〜70重量%程度であることが好ましい。湿式粉砕に用いる粉砕手段は特に限定されないが、通常、ボールミル、アトライター、振動ミル等を用いることが好ましい。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよい。
本実施形態では、湿式粉砕に際して、界面活性剤を添加する。界面活性剤としては、好ましくは、一般式C(OH)n+2 で表される多価アルコールが用いられる。多価アルコールは、炭素数nが4以上、好ましくは4〜100、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜20、最も好ましくは4〜12である。
多価アルコールの上記の一般式は、骨格がすべて鎖式であってかつ不飽和結合を含んでいない場合の式である。多価アルコール中の水酸基数、水素数は一般式で表される数よりも多少少なくてもよい。上記多価アルコールは、飽和であっても不飽和結合を含んでいてもよく、基本骨格は鎖式であっても環式であってもよいが、鎖式であることが好ましい。また水酸基数が炭素数nの50%以上であれば、本発明の効果は実現するが、水酸基数は多いほうが好ましく、水酸基数と炭素数とが一致することが最も好ましい。
本発明で用いる界面活性剤としては、具体的にはn=6であるソルビトール、マンニトールが好ましい。
本発明で用いる界面活性剤は、粉砕によるメカノケミカル反応で、その構造が変化する可能性がある。さらに例えば、加水分解反応などにより、この実施形態で用いる界面活性剤と同一の有機化合物を生成するような化合物、例えばエステルなどを添加することによっても本発明の目的を達成できる可能性もある。なお、界面活性剤は2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の添加量は、磁性粉末100重量部に対して、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.03〜3.0重量部である。界面活性剤の添加量が少なすぎると配向度の向上が不十分となり、一方、界面活性剤が多すぎると、成形体や焼結体にクラックが発生しやすくなる傾向にある。
界面活性剤の添加時期は特に限定されず、乾式粗粉砕時に添加してもよく、湿式粉砕時の粉砕用スラリー調製の際に添加してもよく、一部を乾式粗粉砕の際に添加し、残部を湿式粉砕の際に添加してもよい。あるいは、湿式粉砕後に撹拌などによって添加してもよい。いずれの場合でも、後述するペレット中に界面活性剤が存在することになるので、本発明の効果は実現する。
ただし、特に、湿式粉砕に先立って乾式粗粉砕を行う場合には、湿式粉砕時ではなく、界面活性剤は乾式粗粉砕する工程で添加されることが好ましい。湿式粉砕に先立って乾式粗粉砕を行う場合には、乾式粗粉砕時に界面活性剤を添加すると、粗粉砕された粒表面に界面活性剤が付着した状態から湿式粉砕を始めることができる。このため、湿式粉砕において界面活性剤が磁性粒子間に満遍なく介在し易くなり、配向度を向上させることができる。
なお、界面活性剤を複数回に分けて添加する場合には、合計添加量が前記した好ましい範囲となるように各回の添加量を設定すればよいが、好ましくは、複数回の内の最終の湿式粉砕時に、界面活性剤を添加することが好ましい。粉砕工程の最終結果物として得られる磁性粉末が、湿式粉砕用の溶媒中に分散することで、粉末粒子の凝集がほぐれて粒子間に介在する溶媒が界面活性剤を磁性粒子間に導く。このため、仮に乾燥後の磁性粉末が再凝集しても、磁性粉末粒子間へは界面活性剤が挟み込まれることになる。その結果、再凝集した顆粒(磁性粉末粒子の集合体)が、後工程(混練・成形)で磁性粉末粒子へ分解することに貢献し、配向度を向上させることができると考えられる。
湿式粉砕後、磁性粉末を乾燥させる。乾燥温度は、好ましくは80〜150°C、さらに好ましくは100〜120°Cである。また、乾燥時間は、好ましくは60〜600分、さらに好ましくは300〜600分である。
乾燥後の磁性粉末粒子の平均粒径は、好ましくは0.03〜0.7μmの範囲内、さらに好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内である。乾燥後の磁性粉末には、界面活性剤が付着している。乾燥後の磁性粉末に界面活性剤が付着していることは、熱重量・示差熱同時分析(TG−DTA)により確認される。
この乾燥後の磁性粉末を、バインダ樹脂、ワックス類、滑剤、可塑剤、昇華性化合物などと共に混練し、ペレタイザなどで、ペレットに成形する。混練は、たとえばニーダーなどで行う。ペレタイザとしては、たとえば2軸1軸押出機が用いられる。
バインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂などの高分子化合物が用いられ、熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アタクチックポリプロピレン、アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリアセタールなどが用いられる。
ワックス類としては、カルナバワックス、モンタンワックス、蜜蝋などの天然ワックス以外に、パラフィンワックス、ウレタン化ワックス、ポリエチレングリコールなどの合成ワックスが用いられる。
滑剤としては、たとえば脂肪酸エステルなどが用いられ、可塑剤としては、フタル酸エステルが用いられる。
バインダ樹脂の添加量は、磁性粉体100重量部に対して、好ましくは5〜20重量部、ワックス類の添加量は、好ましくは5〜20重量部、滑剤の添加量は、好ましくは0.1〜5重量部である。可塑剤の添加量は、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部である。
磁性粉末およびバインダ樹脂を少なくとも含む本実施形態のペレットを切断し、その切断面のSEM写真を観察すると、磁性粉末がバインダ樹脂のマトリックス中に均一に分散していることが確認された。
本実施形態では、図1に示す磁場射出成形装置2を用いて、このようなペレット10を、金型装置8内に射出成形する。金型装置8内への射出前に、金型装置8は閉じられ、内部にキャビティ12が形成され、金型装置8には磁場が印加される。なお、ペレット10は、押出機6の内部で、たとえば160〜230°Cに加熱溶融され、スクリューにより金型装置8のキャビティ12内に射出される。金型装置8の温度は、20〜80°Cである。金型装置8への印加磁場は5〜15kOe程度とすればよい。
射出成形時には、ゲート60からキャビティ12の内部に溶融状態の原料が注入され、溶融状態の原料は、キャビティ12の内部で、あらゆる方向に流れてキャビティ12の内部を満杯に満たそうとする。その溶融状態の原料の流れは、特にキャビティ12への原料の充填終期には、オーバーフロー部70へ流れ込もうとする流れが支配的になると考えられる。射出成形の直前から成形終了まで、キャビティ12、オーバーフロー部70およびゲート60に磁力線が作用する。
射出成形の終了後に、金型装置8の型開きを行い、キャビティ12、スプール部50、ゲート60およびオーバーフロー部70の形状に対応する予備成形体を取り出す。その後に、スプール部50、ゲート60およびオーバーフロー部70の形状に対応する無駄な部分を除去して、キャビティ12に対応する形状の予備成形体を、脱バインダ処理する。
脱バインダ処理は、大気中または窒素中において300〜600°Cの温度での熱処理である。次いで焼結工程において、成形体を、例えば大気中で好ましくは1100〜1250℃、より好ましくは1160〜1220℃の温度で0.2〜3時間程度焼結して、異方性フェライト磁石を得る。
上述したように、本実施形態に係る焼結フェライト磁石の製造方法は、
界面活性剤の存在下で磁性粉末を湿式粉砕する工程と、
湿式粉砕された前記磁性粉末を乾燥させ、前記界面活性剤が付着している磁性粉末を得る工程と、
乾燥させた前記磁性粉末を、バインダ樹脂と共に加熱混練してペレットを形成する工程と、
前記ペレットを溶融させ、磁場が印加された金型内で射出成形して予備成形体を得る工程と、
前記予備成形体を焼成する工程と、を有することが好ましい。
この方法によれば、界面活性剤が、磁性粉末の粒子とバインダ樹脂との間に介在することにより、磁性粉末の粒子間にバインダ樹脂が確実に入り込む。そのため、磁性粉末を、バインダ樹脂と共に加熱混練してペレット化しても磁性粉末の分散状態が良好に保たれる。
そのようなペレットを用いて磁場射出成形を行うと、金型内で磁性粉末が磁場に対応して均一に分散して流動し、磁力線の方向に沿う磁場配向が良好に行われる。すなわち、本実施形態の方法では、湿式成形法と異なり、磁場配向を乱すような圧力が作用しないので、配向度が向上する。
したがって、最終的に得られる焼結磁石の配向度が向上する。なお、磁石の配向度とは、飽和磁化(Is)に対する残留磁化(Ir)の比(Ir/Is)である。磁石の配向度は、磁場射出成形後の予備成形体における磁性粉末20の磁場配向度合いに比例する。
また本実施形態の方法では、バインダ樹脂が磁性粉末粒子間に介在した状態で予備成形体となるため、磁性粉末が均等に分散した予備成形体を得ることができ、その予備成形体を焼成して得られる焼結磁石の磁気特性が均一になる。
さらに本実施形態の方法では、射出成形に際して、溶融したバインダ樹脂を搬送媒体とすることで、磁性粉末粒子間の凝集を防止すると共に、搬送経路接触面への粒子の付着を防止しながら、磁性粉末を金型の内部に搬送することができる。
しかも、図1に示す金型装置8内での磁場による磁性粉末の配向時には、搬送媒体を除去する必要がない。そのため、本実施形態の方法では、狭いキャビティ12へ磁性粉末を均一に充填させることが可能であると共に、1ショットに要する時間が短く生産性に優れている。しかも、本実施形態の方法では、搬送媒体を除去するための流路に目詰まりが生じることもないと共に、脱気処理などの問題が生じない。その結果、比較的に薄型の焼結磁石を高生産性で製造することが可能になる。
さらに本実施形態の方法では、粉砕工程の最終結果物として得られる磁性粉末が、湿式粉砕用の溶媒中に分散することで、粉末粒子の凝集がほぐれて粒子間に溶媒が介在する。その状態で、界面活性剤を磁性粉末へ付着させることにより、仮に乾燥後の磁性粉末が再凝集しても、磁性粉末粒子間へは界面活性剤が挟み込まれることになる。そのため、再凝集した顆粒(磁性粉末粒子の集合体)が、後工程(混練・成形)で磁性粉末粒子へ分解し易くなる。
また、本実施形態の装置2では、図3に示すように、強磁性体の第1金型30と第2金型40との間に、非磁性体の突起部42を持つ第3金型40を有するために、キャビティ12の横断面における円弧状端部において乱れがちな磁力線M1を、キャビティ12の内部と同様に、半径方向に向けて円弧方向に均等に分布して位置させることが可能になる。そのため、磁気配向性を向上させた成形体を製造することができる。
特に、本実施形態の装置および方法では、射出成形時において、ゲート60からキャビティ12の内部に溶融状態の原料が注入され、溶融状態の原料は、キャビティ12の内部で、あらゆる方向に流れてキャビティ12の内部を満杯に満たそうとする。その溶融状態の原料の流れは、特にキャビティ12への原料の充填終期には、オーバーフロー部70へ流れ込もうとする流れが支配的になると考えられる。
そのため、本実施形態では、キャビティ12に対応する形状の予備成形体の四隅(特に成形体の矩形縦断面における四隅)における磁性体粒子の配向の乱れを低減することができる。その結果、予備成形体の焼成後に、磁気配向の乱れや外形の変形が少ない焼結フェライト磁石を得ることができる。ちなみに従来では、射出成形後の成形体の四隅に反りや変形がなくても、成形体の焼結後に、磁性体粒子の乱れた方向に粒成長が進み、外形の変形(反りなど)や磁気配向の乱れが生じていた。
特に、本実施形態では、ゲート60とオーバーフロー部70とを、円弧の中心位置で軸方向に向き合う位置に設けることで、キャビティ12の内部における溶融状態の原材料の流れがよりスムーズになり、磁気配向の乱れや外形の変形を、さらに低減させることができる。
さらに本実施形態の方法は、特に薄型の焼結磁石を作製する場合に有効である。薄型の焼結磁石を製造するには、薄型の予備成形体を作製すれば良く、予備成形体が薄型になれば、脱バインダ処理が容易になると共に、射出成形による成形形状の自由度が増す。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえばオーバーフロー部70の形状は、図4に示す実施形態では、矩形状であるが、図5(A)〜図5(D)に示すように、キャビティ12の曲率半径と同様に湾曲する円弧板形状でもよい。ゲート60の形状についても同様である。
この場合において、オーバーフロー部70の幅W2は、ゲート60の幅W1と同等以上であることが好ましい。また、オーバーフロー部70の厚みは、ゲート60の厚みと同等以上であることが好ましい。オーバーフロー部70およびケート府60の厚みは、キャビティ12の厚みt1と同様に、半径方向の厚みであり、以下の実施形態でも同様である。
また、本発明では、図6(A)〜図6(C)に示すように、オーバーフロー部70の幅W2を、ゲート60の幅W1とよりも大きくしても良い。さらに、オーバーフロー部70の厚みと、キャビティ12に開口するゲート60の厚みとは、キャビティ12の厚みt1と同じにしても良い。
図7(A)〜図7(C)に示す実施形態では、オーバーフロー部70の幅W2が、ゲート60の幅W1よりも大きくしてあり、キャビティ12の幅W0と略等しく設定してある。また、この実施形態でも、オーバーフロー部70の厚みは、ゲート60の厚みと同等以上であることが好ましい。
さらに図8(A)〜図8(C1)および図8(C2)に示す実施形態では、キャビティ12に開口するオーバーフロー部70aを、キャビティ12の円周方向に沿って連続ではなく断続的に形成し、それらの断続的に形成された複数のオーバーフロー部70aに、円周方向に沿って連続的に形成してある共通オーバーフロー部70bを連通させても良い。なお、断続的に形成してある複数のオーバーフロー部70aの横断面は、図8(C1)および図8(C2)に示すように、矩形断面でも、円形断面でも良い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
目標組成を、La0.4 Ca0.2 Sr0.4 Co0.3 Fe11.319とし、出発原料としては以下のものを用いた。Fe粉末(不純物として、Mn,Cr,Si,Clを含む)、SrCO粉末(不純物として、Ba,Caを含む)、La(OH)粉末,CaCO粉末,Co粉末を目標組成となるように準備した。上記出発原料および添加物を湿式アトライターで粉砕後、乾燥・整粒し、これを空気中において1230℃で3時間焼成し、顆粒状の仮焼体を得た。
この仮焼体を振動ミルにより乾式粗粉砕した。次いで、分散媒として水を、分散剤としてソルビトールを用い、仮焼体粒子100重量部に対するソルビトールを0.5重量部、SiOを0.6重量部、CaCOを1.4重量部添加した後、これらと上記仮焼体粒子とを混合して粉砕用スラリーを調製した。この粉砕用スラリーを用いて、ボールミル中で湿式粉砕を40時間行った。湿式粉砕後の比表面積は、8.5m/g(平均粒径0.5μm)であった。
湿式粉砕後、仮焼体粒子(磁性粉末)を100°Cで10時間乾燥させた。乾燥後の仮焼体粒子の平均粒径を、SEMにより調べたところ、0.3μmであった。
その乾燥後の磁性粉末を、バインダ樹脂、ワックス類、滑剤、可塑剤、昇華性化合物などと共に、ニーダーで混練し、ペレタイザで、ペレットに成形した。混連は、150°Cおよび2時間の条件で行った。
バインダ樹脂として、POM(ポリアセタール)を用い、ワックス類として、パラフィンワックスを用い、滑剤として、脂肪酸エステルを用い、可塑剤としては、フタル酸エステルを用いた。
バインダ樹脂の添加量は、磁性粉体100重量部に対して、7.5重量部、ワックス類の添加量は、7.5重量部、滑剤の添加量は、好ましくは0.5重量部である。可塑剤の添加量は、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部であった。
磁性粉末およびバインダ樹脂を少なくとも含む本実施例のペレットを切断し、その切断面のSEM写真を観察すると、磁性粉末がバインダ樹脂のマトリックス中に均一に分散していることが確認された。
次に、図1〜図4に示す磁場射出成形装置2を用いて、ペレット10を、金型装置8内に射出成形する。金型装置8への射出前に、金型装置8は閉じられ、内部にキャビティ12が形成され、金型装置8には磁場が印加される。なお、ペレット10は、押出機6の内部で、たとえば160°Cに加熱溶融され、スクリューにより金型装置8のキャビティ12内に射出された。金型装置8の温度は、40°Cであった。磁場射出成形工程後の予備成形体の厚みは、2mmであり、円弧形状の平板を成形した。
成形体の磁気的配向度(Ir/Is)は成形体の密度にも影響されるため、正確な評価ができない。このため、平坦な金型面に対し成形体のX線回折による測定を行い、現れたピークの面指数と強度とから成形体の結晶学的な配向度(X線配向度)を求めた。
成形体のX線配向度は、焼結体の磁気的配向度の値をかなりの程度支配する。なお、本明細書では、X線配向度としてΣI(00L)/ΣI(hkL)を用いた。(00L)は、(004)や(006)等のc面を総称する表示であり、ΣI(00L)は(00L)面のすべてのピーク強度の合計である。また、(hkL)は、検出されたすべてのピークを表し、ΣI(hkL)はそれらの強度の合計である。したがってΣI(00L)/ΣI(hkL)は、c面配向の程度を表す。この実施例におけるΣI(00L)/ΣI(hkL)は、0.58であった。
次に、この磁場射出成形工程後の予備成形体を、大気中において、500°Cの温度で48時間、熱処理して、脱バインダ処理を行った。次いで焼結工程において、成形体を、例えば大気中で1160°Cの温度で0.4時間焼結して、焼結フェライト磁石を得た。
得られた焼結フェライト磁石の残留磁束密度Br、保磁力HcJ、配向度Ir/Is、角形比Hk/HcJおよび焼結密度を測定した。なお、Hkは磁気ヒステリシスループの第2象限において磁束密度が残留磁束密度の90%になるときの外部磁界強度である。Hkが低いと高エネルギー積が得られない。Hk/HcJは磁石性能の指標となるものであり、磁気ヒステリシスループの第2象限における角張りの度合いを表す。
得られた焼結フェライト磁石の残留磁束密度Brは、4600G、保磁力HcJは4900Oe、配向度Ir/Isは97.2%、角形比Hk/HcJは、93.0%、焼結密度は5.1g/cmであった。
得られた円弧板形状の焼結フェライト磁石を、円弧の中心で、軸方向に沿って切断した断面の模式図を図9(A)に示す。図9(A)は図4に示すキャビティ12の第2端12bに対応する部分の縦断面である。図9(A)に示すように、平板状の結晶粒10aが揃っており、磁気配向の乱れがなく、反りなどの変形も少ないことが確認できた。
実施例2
界面活性剤として、ソルビトールの代わりに、マンニトールを用いた以外は、実施例1と同様にして、予備成形体を成形し、焼結フェライト磁石を作製した。得られた予備成形体のX線配向度ΣI(00L)/ΣI(hkL)は0.57であった。
また、得られた焼結フェライト磁石の残留磁束密度Brは、4590G、保磁力HcJは4900Oe、配向度Ir/Isは97.1%、角形比Hk/HcJは、92.8%、焼結密度は5.1g/cmであった。また、成形体の断面も、磁気配向の乱れがなく、反りなどの変形も少ないことが確認できた。
比較例1
オーバーフロー部70を設けない金型装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、予備成形体を成形し、焼結フェライト磁石を作製した。得られた円弧板形状の焼結フェライト磁石を、実施例1と同様にして、軸方向に沿って切断した断面の模式図を図9(B)に示す。図9(B)に示すように、平板状の結晶粒10aが乱れが観察され、磁気配向の乱れ、反りなどの変形が生じていることが確認された。
2… 磁場射出成形装置
6… 押出機
8… 金型装置
10… ペレット
12… キャビティ
12a… 第1端
12b… 第2端
20… 第1金型
30… 第2金型
60… ゲート
70… オーバーフロー部

Claims (6)

  1. 磁性粉末とバインダ樹脂とを含む原材料を溶融させ、磁場が印加された金型のキャビティ内で射出成形して予備成形体を得る工程と、
    前記予備成形体を焼成する工程と、を有するフェライト磁石の製造方法であって、
    前記キャビティが、半径方向に所定厚みの略円弧形状の横断面と軸方向に矩形状の縦断面とを有するキャビティであり、
    前記キャビティに溶融状態の原材料を送り込むゲートが、前記キャビティの横断面における略円弧形状の中央部であって、前記キャビティの縦断面における軸方向の一方の第1端に設けられ、
    前記キャビティから溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部が、前記キャビティの縦断面における軸方向に他方の第2端であって、前記ゲートと向き合う位置に設けられ、
    前記磁場による磁力線は、前記キャビティの厚み方向に、前記キャビティおよび前記オーバーフロー部に作用することを特徴とするフェライト磁石の製造方法。
  2. 前記オーバーフロー部の厚みが、前記キャビティに開口する前記ゲートの厚みと同等以上で、前記キャビティの幅と同等以下である請求項1に記載のフェライト磁石の製造方法。
  3. 前記オーバーフロー部の幅が、前記ゲートの幅と同等以上で、前記キャビティの幅と同等以下である請求項1または2に記載のフェライト磁石の製造方法。
  4. 前記オーバーフロー部が、前記キャビティの幅方向に沿って連続または断続的に形成してある請求項1〜3のいずれかに記載のフェライト磁石の製造方法。
  5. 前記予備成形体は、前記ゲートおよびオーバーフロー部に対応する成形部を切除した後に焼成される請求項1〜4のいずれかに記載のフェライト磁石の製造方法。
  6. キャビティと、磁性粉末とバインダ樹脂とを含む原材料を前記キャビティへ案内するためのゲートとが形成してある金型と、
    前記キャビティに磁場を印加する磁場印加手段と、を有するフェライト磁石の製造装置であって、
    前記キャビティが、半径方向に所定厚みの略円弧形状の横断面と軸方向に矩形状の縦断面とを有するキャビティであり、
    前記ゲートが、前記キャビティの横断面における略円弧形状の中央部であって、前記キャビティの縦断面における軸方向の一方の第1端に設けられ、
    前記キャビティから溢れた溶融状態の原材料が入り込むオーバーフロー部が、前記キャビティの縦断面における軸方向に他方の第2端であって、前記ゲートと向き合う位置に設けられ、
    前記磁場印加手段による磁力線は、前記キャビティの厚み方向に、前記キャビティおよび前記オーバーフロー部に作用することを特徴とするフェライト磁石の製造装置。
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