JP2015103650A - 弓形磁石片およびモータ - Google Patents

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【課題】安価な製造方法に基づく高い磁気特性を発揮できる異方性焼結磁石を用いて、モータとして使用した時のコギングトルクやトルクリップルの発生を十分に抑止してトルク特性を向上させることができ、しかも、簡易な構造を有し且つ組み付け精度が改善されて経済性および生産性をも高めることが可能な異方性焼結磁石から成る弓形磁石片およびその磁石片を備えるモータを提供すること。
【解決手段】異方性焼結磁石で構成され、組み合わせられる他の弓形磁石片との連結側面を持ち、組み合わされて筒状体となる弓型磁石片1である。筒状体の軸方向に垂直な方向から見た場合に、連結側面6,7が、筒状体の軸方向に対して傾斜してねじれの位置の関係にある。弓形磁石片1は、CIM成形またはMIM成形により得られる成形体を焼結することで得られる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、異方性焼結磁石から成る弓形磁石片およびモータに関する。
従来、自動車用、OA用、産業機器用等の各種モータには、高効率を得やすい永久磁石モータが多用されている。この永久磁石モータには、通常、コイルを巻回した電機子に対し、相対的に回転する面に2n(nは正の整数)個配置した弓形磁石、または、2n(nは正の整数)個の磁極を有する多極構造のリング状磁石が組み込まれている。
この種の用途に利用される永久磁石モータは、その小型化および薄型化とともに高性能化が急速に推し進められており、これらに対応すべく、モータに搭載される磁石に対しても小型化および薄型化の要求が高まっており、同時に、磁気特性および製造容易性の更なる向上が熱望されている。
一方、特に、回転ムラや騒音あるいは振動の低減が重要な用途には、コギングトルク等を含むトルクリップルが十分に低減されたモータが切望されている。
かかる要求に応えるべく、たとえば特許文献1には、複数の弓型磁石の各極の境界を、モータの回転軸方向に沿ってに対して斜めに形成するものが記載されている。
しかしながら、特許文献2にも記載されているように、一般に、磁石は、希士類、コバルト磁石、あるいはフエライト磁石の粉末を、乾式もしくは湿式の圧縮成形により作られるが、捩れた形状に成形するのには高度の成形技術を必要とする。また、特許文献2にも記載されているように、磁石を研摩する際、磁石をヨークに配置した状態で円筒研摩機で外周を研摩する等して、生産する場合多くの手間と時間を要しコストアップの原因となる。しかしながら、特許文献2にも、安価で製造可能な方法については記載がない。
また、一般的な乾式もしくは湿式の圧縮成形において、弓形の異方性焼結磁石の側面部では、磁石粉末が金型側面に押し付けられて、成形圧力が集中し摩擦が生じやすくなるので、印加する配向磁界方向に磁石粉末の異方性が揃いにくく、また、部分的に成形圧力が伝達しづらいところが生じ、そこでは成形密度が低くなり、本来、磁石粉末の有する磁気特性が十分発揮されないという問題があった。
このように、特許文献1に記載の弓型磁石を安価で製造する可能な方法がないという課題があった。
また、リング状磁石に円周方向にスキュー着磁を施すものの場合、特許文献3の段落0008に記載されているように、永久磁石材に未着磁部分が多く残るため、磁石質量が増加してしまうという問題があった。
また、特許文献4の段落0004には、高性能な焼結磁石である異方性磁石を使用する場合、異方性の生成上の面、強度面、歩留まりの面などからリング状に構成することは困難と記載されているが、安価で製造可能な方法については記載がない。また、等方性磁石を使用する場合には、内径略80mm以下であればリング状に製作可能であるが、性能の面において異方性磁石よりも劣ると記載されている。
なお、リング状磁石としては、磁石粉を樹脂に混練して成形したボンド磁石で形成したものがあるが、これも同様に、性能の面において高性能な焼結磁石である異方性磁石よりも劣る。
特開平03−32348号公報 実公平2−29794号公報 特開平8−280163号公報 特開平11−136886号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、安価な製造方法に基づく高い磁気特性を発揮できる異方性焼結磁石を用いて、モータとして使用した時のコギングトルクやトルクリップルの発生を十分に抑止してトルク特性を向上させることができ、しかも、簡易な構造を有し且つ組み付け精度が改善されて経済性および生産性をも高めることが可能な異方性焼結磁石から成る弓形磁石片およびその磁石片を備えるモータを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明に係る弓形磁石片は、
異方性焼結磁石で構成され、組み合わせられる他の弓形磁石片との連結側面を持ち、組み合わされて筒状体となる弓型磁石片であって、
前記筒状体の軸方向に垂直な方向から見た場合に、前記連結側面が、前記筒状体の軸方向に対して傾斜してねじれの位置の関係にあり、
前記弓形磁石片は、前記連結側面において、磁石の配向度が90%以上であることを特徴とする。
本発明の弓型磁石片によれば、傾斜した連結側面において、磁石の配向度が90%以上であることから、高い磁気特性を発揮することができる。
好ましくは前記弓形磁石片における前記筒状体の軸芯方向の端面には、凸部または凹部が形成してある。この場合には、凸部または凹部を、弓型磁石片をヨークに接着する際の位置決めに利用することができるので、組み付け精度の更なる向上を図ることが可能となる。
好ましくは前記弓形磁石片は、CIM成形またはMIM成形により得られる成形体を焼結することで得られる。CIM(ceramic injection molding)工法による射出成形によって、傾斜した連結側面を有する成形体を容易に成形することができるので、部品点数を増加させずに、しかも、加工コストを大幅に削減し、製造工程の簡素化を図ることができ、さらに、歩留まりと磁気特性を向上させることができるので、経済性および生産性を高めることが可能となる。また、連結側面においても、射出成形であることから、磁石粉末の流動性が良いため、印加する配向磁界方向に異方性が揃いやすく、成形密度も十分確保されるので、磁石の配向度が90%以上であるという高い異方性フェライト焼結磁石を容易に得ることができる。
さらに、本発明の弓型磁石片では、MIM(metal injection molding)工法による射出成形によって、傾斜した連結側面を有する成形体を容易に成形することができるので、部品点数を増加させずに、しかも、加工コストを大幅に削減し、製造工程の簡素化を図ることができ、さらに、歩留まりと磁気特性を向上させることができるので、経済性および生産性を高めることが可能となる。また、連結側面においても、射出成形であることから、磁石粉末の流動性が良いため、印加する配向磁界方向に異方性が揃いやすく、成形密度も十分確保されるので、磁石の配向度が90%以上であるという高い異方性希土類焼結磁石を容易に得ることができる。
好ましくは前記凸部の頂面、または凹部の底面には、CIM成形またはMIM成形におけるゲートが位置している。凸部の側面が、主として位置合わせ面となり、凸部の頂面は、位置合わせ面には用いないため、この頂面にゲートの跡が残っていても問題はない。また、凹部の側面が、主として位置合わせ面となり、凹部の底面は、位置合わせ面には用いないため、この底面にゲートの跡が残っていても問題はない。
さらに、凸部の頂面、または凹部の底面に、CIM成形またはMIM成形におけるゲートを位置させることで、成形型内でのフェライト粒子または金属粒子の流れが良くなり、均一に粒子を充填することが可能になり、配向度がさらに向上する。
本発明に係るモータは、前記に記載の弓形磁石片が偶数個で組み合わされて筒状体を構成している磁石を有する。
本発明の弓型磁石片を有する磁石を備えるモータによれば、コイルを巻回した電機子に対し、相対的に回転する面に2n(nは正の整数)個の弓型片を周方向に配置するので、低コストで簡便に、焼結磁石の有する磁気特性を十分に発揮させることにより高出力化を図りつつ、コギングトルクやトルクリップルの低減を図り、設計の自由度を増大させることができる。
図1Aは本発明の一実施形態に係る弓形磁石片の全体斜視図である。 図1Bは本発明の他の実施形態に係る弓形磁石片の全体斜視図である。 図2は図1Aに示す弓形磁石片を組み合わせた組立体の全体斜視図である。 図3は図2に示す弓形磁石片の組立体をモータのヨーク(図示省略)に取り付けて、連結側面の相互間に均等な隙間が形成された状態を示す全体斜視図である。 図4(A)〜図5(D)は弓形磁石片の磁化方向のバリエーションを示す概略図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。なお、共通する要素には共通する符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、相対的なものであり特に限定されず、上下左右が逆でも良いが、以下の説明では、図面の上下左右に基づき説明する。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明による異方性焼結磁石から成る弓形磁石片の好適な一実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。異方性焼結磁石から成る弓型磁石片1は、図示しないモータの回転軸の軸芯Zに対して周方向Wに湾曲する外周面2および内周面3を有し、全体として弓形形状となっている。
この弓形磁石片1は、軸芯Zに対して垂直な面である上端面4と下端面5とを有し、これらの端面4,5は、外周面2および内周面3に対して、略垂直になっている。また、弓形磁石片1は、軸芯Zに対して平行ではなく、傾斜してねじれの位置の関係にある第1連結側面6と第2連結側面7とを有する。第2連結側面7は、第1連結側面6に対して周方向Wに離れて対向している。
第1連結側面6は、軸芯Zに垂直な方向から見た場合に、軸芯Zに対して、理想的には、傾斜角度θ1={360/(電機子に巻回されたコイルの個数と弓形磁石片2n(nは正の整数)個の最小公倍数)}度で傾斜している。なお、種々の変形例が公知であり、必ずしもこの理想角度とする必要はなく、要求に応じて適宜変更が可能である。また、第2連結側面7は、好ましくは第1連結側面6と平行であり、軸芯Zに対しては傾斜角度θ1で軸芯に対して傾斜している。
なお、隣接する弓形磁石片が組み合わせ可能であれば、弓形磁石片1の周方向Wの両側に位置する第1連結側面6と第2連結側面7とは、必ずしも同一の周方向Wに向けて傾斜して形成する必要はない。たとえば弓形磁石片1の周方向Wの両側に位置する第1連結側面6と第2連結側面7とは、周方向Wに沿って相互に逆方向に傾斜させても良い。たとえば第1連結側面6では、端面4から端面5に向けて図1Aに示すように、周方向Wの時計回りに突出する形状であり、第2連結側面7では、図1Aとは異なり、周方向Wの反時計回りに端面4から端面5に向けて突出する形状でも良い。
本実施形態では、弓形磁石片1の少なくともいずれか一方のZ軸方向の端面4または5には、凸部20が、弓形磁石片1と同じ厚みで、周方向Wの略中央部に形成してある。凸部20の頂面20aが、後述するCIM成形またはMIM成形におけるゲートの位置となる。
凸部20のZ軸方向の突出高さZcは、特に限定されないが、弓形磁石片1のZ軸方向長さZaの0.05〜0.3倍が好ましい。ZcがZaに対して、大きすぎるとモータに対して、特性上、影響が大きくない部分の材料が増えてしまう(余分な部分が増える)ため、コストアップにつながる。逆に小さすぎると材料の端部における材料の流動配向を逃がしきれないため、端部に乱れた配向領域が残ってしまう。また、凸部20の周方向Wの幅Wcは、特に限定されないが、好ましくは弓形磁石片1の周方向Wに沿った長さWaの0.2〜0.9倍が好ましい。このような関係に設定することで、磁石の配向度が向上する。磁石配向度については後述する。
本実施形態に係る弓形磁石片1は、図2に示すように、他の弓形磁石片1と周方向Wに組み合わされて円筒状の組立体40となる。すなわち、弓形磁石片1における凸状連結側面6が、他の弓形磁石片1における凹状連結側面7と係合し、周方向に偶数個の弓形磁石片1が組み合わされて、円筒状の組立体40となる。
このように構成された弓型の異方性焼結磁石1を製造する方法の一例について、以下に説明する。
まず、弓型の異方性フェライト焼結磁石1の外形に対し、樹脂バインダー除去に伴う変形、および焼結工程での縮率を考慮した形状を有するキャビティ(内部空間)が形成された金型を準備し、樹脂バインダー中に磁性粉を含有するフェライト磁石材料(たとえばコンパウンドとしたもの)をキャビティ内に供給する(CIM成形の準備工程)。
磁性粉末の原料粉末としては、特に限定されないが、好ましくはフェライトが用いられ、特に、マグネトプランバイト型のM相、W相等の六方晶系のフェライトが好ましく用いられる。
次に、キャビティ内を適宜の圧力および温度で加圧してフェライト磁石材料に配向磁界を印加しながら射出成形固化することにより、弓型の成形体を形成する(CIM成形工程)。その後、得られた弓型の成形体に適宜の温度を加えて樹脂バインダーを除去した後、フェライト磁石材料に適した焼結温度パターンで焼結する(焼結工程)。その後、適宜の磁場を印加し、着磁することにより、所定の方向に配向された異方性焼結磁石から成る弓形磁石片1を得る(着磁工程)。
この時、流動性の良いフェライト磁石材料に配向磁界を印加しながら射出成形固化するので、従来の乾式若しくは湿式の圧縮成形によって製造する方法に比べ、弓形磁石片1における連結側面6,7での磁石粉末の流動性が良いため、印加する配向磁界方向に異方性が揃いやすく、成形密度も十分確保されるので、磁石粉末の有する磁気特性を十分発揮させることができる。
本実施形態では、磁石の配向度を90%以上とすることができる。なお、磁石の配向度とは、飽和磁化(Is)に対する残留磁化(Ir)の比(Ir/Is)である。磁石の配向度は、配向磁界中の射出成形後の成形体における磁性粉末の異方性の揃い具合、および焼結時に微細粒子が大きな粒子の配向に倣いやすいことに、大きく影響される。
また、本実施形態の弓形磁石片1では、CIM(ceramic injection molding)工法による射出成形によって、傾斜状の連結側面6,7を有する成形体を容易に成形することができるので、部品点数を増加させずに、しかも、加工コストを大幅に削減し、製造工程の簡素化を図ることができ、さらに、歩留まりと磁気特性を向上させることができるので、経済性および生産性を高めることが可能となる。
さらに、本実施形態では、弓形磁石片1における軸芯Z方向の端面4には、凸部20が形成してある。そのため、凸部20を、弓型磁石片1をヨークに接着する際の位置決めに利用することができるので、組み付け精度の更なる向上を図ることが可能となる。
たとえば図3に示すように、各弓形磁石片1の連結側面6,7相互間を磁力により吸着させて、円筒状の組立体40を、たとえば外周面2の外側に配置した、図示省略してある円筒状のヨークに入れて、凸部20をヨーク側の凹部に嵌合させる。ヨーク側の凹部は、円周方向に所定間隔で配置してあり、図2に示す磁力で吸着状態の組立体40における円周方向間隔よりも少し広いとする。その場合には、図3に示すように、凸部20が位置決めされて、各弓形磁石片1の連結側面6,7間に所定の均等な隙間42が形成され、各弓形磁石片1の外周面2が外側に少し膨らむ。その結果、外周面2の外側に配置してあるヨーク(図示省略)に対して各弓形磁石片1を密着させるように位置決めが可能になる。
また、本実施形態では、凸部20の頂面20aには、CIM成形ゲートが位置している。凸部20の側面が、主として位置合わせ面となり、凸部20の頂面20aは、位置合わせ面には用いないため、この頂面20aにゲートの跡が残っていても問題はない。
さらに、凸部20の頂面20aに、CIM成形におけるゲートを位置させることで、成形型内でのフェライト粒子の流れが良くなり、均一に粒子を充填することが可能になり、配向度がさらに向上する。
さらにまた、本実施形態に係るモータは、前記に記載の弓形磁石片1が偶数個で組み合わされて筒状の組立体40を構成している磁石を有する。このような磁石を備えるモータによれば、コイルを巻回した電機子に対し、相対的に回転する面に2n(nは正の整数)個の弓型磁石片1を周方向に配置するので、低コストで簡便に、焼結磁石の有する磁気特性を十分に発揮させることにより高出力化を図りつつ、コギングトルクやトルクリップルの低減を図り、設計の自由度を増大させることができる。
さらに、本実施形態の異方性焼結磁石から成る弓形磁石片1を個別にモータ組み付け前に着磁することができるので、未着磁部分を残すことなく、弓型の焼結磁石の有する磁気特性を十分発揮させることができる。
なお、本実施形態に係る弓形磁石片1は、ブラシレスモータのアウターロータ側に筒状に取り付けても良いし、インナーロータ側に筒状に取り付けても良い。また、本実施形態に係る弓形磁石片1は、ブラシモータのステータ側に界磁磁石として筒状に取り付けても良い。
また、本実施形態に係る弓形磁石片1における磁化方向は特に限定されず、図4(A)に示すように、厚み方向に平行に着磁しても良いし、図4(B)に示すようにラジアル方向でも良く、さらには、図4(C)に示すように、外側のステータコア50に対して磁化方向が集中するようなハルバッハ型でも良い。さらにまた、図4(D)に示すように、内側に配置されたステータコア50に対して、磁化方向が強く配向している強ラジアル型配向(またはハルバッハ型配向)でも良い。
(第2実施形態)
図1Bに示すように、本発明の第2実施形態に係る弓形磁石片1aは、軸芯Z方向の少なくとも一方の端面4に、位置決め用凹部22が、前述した図1Aに示す位置決め用凸部20の代わりに形成してある以外は、第1実施形態と同様な構成を有すると共に、同様な作用効果を奏する。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分の説明は省略する。
図1Bに示すように、本発明の第2実施形態に係る弓形磁石片1aは、軸芯Z方向の少なくとも一方の端面4に、位置決め用凹部22が、周方向Wの略中央部に形成してある。凹部22の底面22aが、前述したCIM成形または後述するMIM成形におけるゲートの位置となる。
凹部22のZ軸方向の深さZc’は、図1Aに示す凸部20の高さZcと同等である。また、凹部22の周方向Wの幅Wc’は、図1Aに示す凸部20の幅Wcと同等である。
(第3実施形態)
図示省略するが、本発明の第3実施形態に係る弓形磁石片は、成形法がCIM法ではなく、MIM法であり、弓形磁石片が異方性希土類焼結磁石で構成してある以外は、第1または第2実施形態と同様な構成を有すると共に、同様な作用効果を奏する。以下、第1または第2実施形態と異なる部分についてのみ説明し、共通する部分の説明は省略する。
本実施形態では、異方性希土類焼結磁石から成る弓形磁石片の外形に対し、樹脂バインダー除去に伴う変形、および焼結工程での縮率を考慮した形状を有するキャビティ(内部空間)が形成された金型を準備し、樹脂バインダー中に磁性粉を含有する希土類磁石材料(たとえばコンパウンドとしたもの)をキャビティ内に供給する(MIM成形の準備工程)。
希土類焼結磁石を製造する場合には、好ましくはR(希土類)−T−B系金属粉末を用いる。なお、R−T−B系金属粉末の主成分における希土類R(RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの1種または2種以上から選択される)の割合は、特に限定されないが、たとえば20質量%〜40質量%、Bは0.5質量%〜1.5質量%であり、残部Tは、FeまたはFeおよびCoを含む遷移金属元素から選択される1種または2種以上の元素で構成される。また、R−T−B系金属粉末は他の元素の含有を許容する。たとえばAl、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。
次に、キャビティ内を適宜の圧力および温度で加圧して希土類磁石材料に配向磁界を印加しながら射出成形固化することにより、弓型の成形体を形成する(MIM成形工程)。その後、得られた弓型の成形体に適宜の温度を加えて樹脂バインダーを除去した後、希土類磁石材料に適した焼結温度パターンで焼結する(焼結工程)。その後、適宜の磁場を印加し、着磁することにより、所定の方向に配向された異方性希土類焼結磁石から成る弓形磁石片を得る(着磁工程)。
この時、流動性の良い希土類磁石材料に配向磁界を印加しながら射出成形固化するので、従来の乾式若しくは湿式の圧縮成形によって製造する方法に比べ、弓形の異方性焼結磁石の側面部での磁石粉末の流動性が良いため、印加する配向磁界方向に異方性が揃いやすく、成形密度も十分確保されるので、磁石粉末の有する磁気特性を十分発揮させることができる。
さらに、本実施形態の弓型の異方性焼結磁石を個別にモータ組み付け前に着磁することができるので、未着磁部分を残すことなく、弓型の焼結磁石の有する磁気特性を十分発揮させることができる。
本実施形態の弓型磁石片では、MIM工法による射出成形によって、傾斜状の連結側面を有する成形体を容易に成形することができるので、部品点数を増加させずに、しかも、加工コストを大幅に削減し、製造工程の簡素化を図ることができ、さらに、歩留まりと磁気特性を向上させることができるので、経済性および生産性を高めることが可能となる。また、連結側面においても、磁石の配向度が90%以上であるという高い異方性希土類焼結磁石を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば上述した実施形態では、図1Aに示すように、弓形磁石片1の端面4に位置決め用凸部20を形成したが、本発明の弓形磁石片では、必ずしも形成する必要はない。また、同様に、上述した実施形態では、図1Bに示すように、弓形磁石片1aの端面4に位置決め用凹部22を形成したが、本発明の弓形磁石片では、必ずしも形成する必要はない。
また、図1Aおよび図1Bにおいて、端面5には何も形成していないが、位置決め用凸部20または位置決め用凹部22を形成しても良い。
また、本発明において、傾斜角度θ1等は、適宜必要とする特性に応じて変更が可能であり、設計の自由度を増大させることができる。
以上説明した通り、本発明の弓型の異方性焼結磁石およびその焼結磁石を備えるモータによれば、磁石粉末の有する磁気特性を十分発揮させつつ、コギングトルクやトルクリップルの発生を十分に抑止してトルク特性を向上させることができ、また、簡易な構造を有し且つ製造コストが低減されて経済性および生産性をも高めることが可能なので、筒状の永久磁石用途一般、およびこれを備えるSPMモータ等のモータ一般、並びにそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能である。
1,1a… 弓形磁石片
2… 外周面
3… 内周面
4,5… 端面
6… 第1連結側面
7… 第2連結側面
20… 位置決め用凸部
20a… 頂面
22… 位置決め用凹部
22a… 底面
40… 組立体
42… 隙間

Claims (5)

  1. 異方性焼結磁石で構成され、組み合わせられる他の弓形磁石片との連結側面を持ち、組み合わされて筒状体となる弓型磁石片であって、
    前記筒状体の軸方向に垂直な方向から見た場合に、前記連結側面が、前記筒状体の軸方向に対して傾斜してねじれの位置の関係にあり、
    前記弓形磁石片は、前記連結側面において、磁石の配向度が90%以上であることを特徴とする弓形磁石片。
  2. 前記弓形磁石片における前記筒状体の軸芯方向の端面には、凸部または凹部が形成してある請求項1に記載の弓形磁石片。
  3. 前記弓形磁石片は、CIM成形またはMIM成形により得られる成形体を焼結することで得られることを特徴とする請求項1または2に記載の弓形磁石片。
  4. 前記凸部の頂面、または凹部の底面には、CIM成形またはMIM成形におけるゲートが位置している請求項3に記載の弓形磁石片。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の弓形磁石片が偶数個で組み合わされて筒状体を構成している磁石を有するモータ。
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