JP5762105B2 - 永久磁石型回転電機の製造方法 - Google Patents

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本発明は、永久磁石型回転電機の製造方法に関し、特に高トルクが得られる永久磁石型回転電機の製造方法に関する。
回転電機は、構造や機構および制御形態等により様々な種類に分類されるが、その1つとして、回転子に永久磁石を用いた永久磁石型回転電機がある。
近年、永久磁石型回転電機は、家庭用機器、車載用機器および工作機械等に用いられ、高効率化、小型化、高出力化等の要求が高まっており、トルクを増加させることが望まれている。
永久磁石型回転電機におけるトルク増加を図る手段の一つは、回転子上の磁石配置をハルバッハ配列とし、固定子へ流れる磁束量を増大させることである。
ハルバッハ配列の磁石配置とは、回転子ヨークの外周面に、周方向において所定の間隔を設けて極数個の主磁石を配置し、隣合う主磁石の間隔を埋めて補助磁石を配置するものである。
また、ハルバッハ配列の磁石配置では、主磁石はNS磁極が径方向になるように着磁されており、隣合う主磁石はNS磁極の配向方向が逆になっている。また、補助磁石は、主磁石の周方向の両側面から主磁石の磁極方向に磁束を流すようになっている。
すなわち、磁石配置がハルバッハ配列である回転子を用いた永久磁石型回転電機は、表面磁束密度分布を正弦波に近付けることができ、回転電機の発生トルクを増加させるとともに、コギングトルクを低減することができる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された、磁石配置がハルバッハ配列の回転子は、複数の磁石の全てを貼り付けることにより作製されるので、貼り付け作業のばらつきや、磁石の厚みまたは幅等の形状誤差により、主磁石と補助磁石との間に段差を生じ、磁石表面で凹凸が発生したり、主磁石と補助磁石の相対位置関係がばらつくという問題があった。
このような、ばらつきや段差等は、回転子の表面磁束密度分布の歪みを引き起こし、回転電機特性に悪影響を与える。
また、特許文献1に記載された回転子において、ばらつきや段差をなくすには、主磁石や補助磁石を後切削加工する必要があり、特許文献1に記載の回転子を用いた永久磁石型回転電機は、組立てコストが増大するとの問題もあった。
このような問題を解決した、磁石配置がハルバッハ配列の回転子として、補助磁石の厚みを主磁石の厚みより小さくしたものがある。
このようにすると、磁石貼り付け時の段差を吸収できるので、後切削工程を省くことができ、組立性を向上させ、組立てコストの増大を防止できる(例えば、特許文献2参照)。
また、永久磁石型回転電機におけるトルク増加を図る別の手段は、永久磁石に、磁束密度が高い希土類磁石を用いることである。
永久磁石型回転電機に使用される希土類磁石の中で代表的なものは、ネオジム系焼結磁石であり、この磁石には、希土類元素であるネオジムが27〜28wt%、ディスプロシウムが1〜5wt%含まれている。
そして、通常、希土類磁石の永久磁石は、磁石配置がハルバッハ配列の回転子にも用いられる。
特開2004−015906号公報(第2頁、第5図) 特開2005−045984号公報(第4頁、第1図)
特許文献2に記載の磁石配置がハルバッハ配列の回転子は、磁石貼り付け時の段差を吸収できるため、磁石貼り付け後の後切削工程を省略することが可能であるが、回転子の作製は、複数の磁石の全てを貼り付けることにより行われるので、やはり、組立ばらつきが発生する等の回転子を製造する上での問題が残る。
また、磁石配置がハルバッハ配列の回転子は、設計通りに組立を行うため、磁石形状の仕上がり寸法を高精度に管理する必要があり、特許文献1や特許文献2に記載の複数の磁石を貼り付けて作製する回転子では、全ての、主磁石と補助磁石とを、予め高い精度で所望の幅や高さ等に加工しておく必要がある。また、磁石を防錆するための表面処理膜の厚さも厳密な管理が必要である。
すなわち、磁石の加工に長時間がかり、生産性が低いとともに製造コストが増大するとの問題があった。
また、永久磁石型回転電機のトルク増加を図るために用いられる希土類磁石を形成する希土類元素は、地球上での埋蔵量や生産地域が限られており、産出量が制限されるとともに供給量が不安定であるので、高価である。
そのため、磁気回路も兼ねる磁石を回転子の全周に配列するハルバッハ配列の回転子に、磁束密度の高い希土類磁石を用いると、材料費が高くなり、永久磁石型回転電機のコストが増大するとの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高トルク化と希土類磁石材料の使用量の低減とが図れるとともに、回転子形成における、磁石の切削加工と磁石同士の貼り付けとが不要であり、小型・高出力化と低コスト化が可能であり、且つ生産性に優れた永久磁石型回転電機の製造方法を提供することである。
本発明の第1の永久磁石型回転電機の製造方法は、固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、回転子の周方向で交互に接して配置されており、主磁石の磁化方向が回転子の径方向であり、補助磁石の磁化方向が回転子の周方向であり、補助磁石を介して隣接する一方の主磁石のNS極の方向と他方の主磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石を介して隣接する一方の補助磁石のNS極の方向と他方の補助磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石が希土類焼結磁石であり、補助磁石がフェライトボンド磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、回転子ヨークの外周面に、複数の主磁石である希土類焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する主磁石配置工程と、回転子ヨークに配置された主磁石の各間隙に、フェライトボンド磁石を射出成形し、補助磁石を形成する補助磁石配置工程と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、各工程を順番に行うことにより回転子を形成しており、主磁石配置工程において、補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、主磁石の位置決めが行われるものである。
本発明の第2の永久磁石型回転電機の製造方法は、固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、回転子の周方向で交互に接して配置されており、主磁石の磁化方向が回転子の径方向であり、補助磁石の磁化方向が回転子の周方向であり、補助磁石を介して隣接する一方の主磁石のNS極の方向と他方の主磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石を介して隣接する一方の補助磁石のNS極の方向と他方の補助磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石が希土類焼結磁石であり、補助磁石がフェライトボンド磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、回転子ヨークの外周面に、複数の主磁石である希土類焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する主磁石配置工程と、回転子ヨークに配置された主磁石の各間隙に、フェライトボンド磁石を射出成形し、補助磁石を形成する補助磁石配置工程と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、各工程を順番に行うことにより回転子を形成しており、主磁石配置工程において、補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、主磁石の位置決めが行われるものである。
本発明の第3の永久磁石型回転電機の製造方法は、固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、回転子の周方向で交互に接して配置されており、主磁石の磁化方向が回転子の径方向であり、補助磁石の磁化方向が回転子の周方向であり、補助磁石を介して隣接する一方の主磁石のNS極の方向と他方の主磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石を介して隣接する一方の補助磁石のNS極の方向と他方の補助磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石が希土類ボンド磁石であり、補助磁石がフェライト焼結磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、回転子ヨークの外周面に、複数の補助磁石であるフェライト焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する補助磁石配置工程と、回転子ヨークに配置された補助磁石の各間隙に、希土類ボンド磁石を射出成形し、主磁石を形成する主磁石配置工程と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、各工程を順番に行うことにより回転子を形成しており、補助磁石配置工程において、主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、補助磁石の位置決めが行われるものである。
本発明の第4の永久磁石型回転電機の製造方法は、固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、回転子の周方向で交互に接して配置されており、主磁石の磁化方向が回転子の径方向であり、補助磁石の磁化方向が回転子の周方向であり、補助磁石を介して隣接する一方の主磁石のNS極の方向と他方の主磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石を介して隣接する一方の補助磁石のNS極の方向と他方の補助磁石のNS極の方向とが逆であり、主磁石が希土類ボンド磁石であり、補助磁石がフェライト焼結磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、回転子ヨークの外周面に、複数の補助磁石であるフェライト焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する補助磁石配置工程と、回転子ヨークに配置された補助磁石の各間隙に、希土類ボンド磁石を射出成形し、主磁石を形成する主磁石配置工程と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、各工程を順番に行うことにより回転子を形成しており、補助磁石配置工程において、主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、補助磁石の位置決めが行われるものである。
本発明の第1の永久磁石型回転電機の製造方法は、主磁石配置工程において、補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、主磁石の位置決めが行われるので、高トルク化と希土類磁石材料の使用量の低減とが図れるとともに、回転子形成における、磁石の高精度な加工と磁石同士の貼り付けとが不要となり、高性能化と低コスト化が可能であり、且つ生産性も優れている。
本発明の第2の永久磁石型回転電機の製造方法は、主磁石配置工程において、補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、主磁石の位置決めが行われるので、高トルク化と希土類磁石材料の使用量の低減とが図れるとともに、回転子形成における、磁石の高精度な加工と磁石同士の貼り付けとが不要となり、高性能化と低コスト化が可能であり、且つ生産性も優れている。
本発明の第3の永久磁石型回転電機の製造方法は、補助磁石配置工程において、主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、補助磁石の位置決めが行われるので、高トルク化と希土類磁石材料の使用量の低減とが図れるとともに、回転子形成における、磁石の高精度な加工と磁石同士の貼り付けとが不要となり、高性能化と低コスト化が可能であり、且つ生産性も優れている。
本発明の第4の永久磁石型回転電機の製造方法は、補助磁石配置工程において、主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、補助磁石の位置決めが行われるので、高トルク化と希土類磁石材料の使用量の低減とが図れるとともに、回転子形成における、磁石の高精度な加工と磁石同士の貼り付けとが不要となり、高性能化と低コスト化が可能であり、且つ生産性も優れている。
本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 比較例の永久磁石型回転電機における磁石から発生する磁束の流れを説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機における磁石から発生する磁束の流れを説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機の効果の説明に用いられた回転子の、主磁石と補助磁石の断面形状を示す図である。 本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態1の回転子の製造における補助磁石配置工程において、配向磁場をかけながらフェライトボンド磁石を射出し補助磁石を形成する状態を示す図である。 本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第1の方法を示す図である。 本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第2の方法で用いられる成形金型(a)と、成形金型で主磁石が位置決めされた状態(b)とを示す図である。 本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第3の方法で用いられる成形金型を示す図である。 本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第4の方法を示す図である。 本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 磁気的ギャップが設けられていない回転子における補助磁石の磁束経路を示す図である。 本発明の実施の形態4に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態6に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態7に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態7に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態7の回転子の製造工程において、主磁石が回転子ヨークに配置された状態を示す図である。 本発明の実施の形態8に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。 本発明の実施の形態8に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。
以下、この発明を実施の形態により詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機の正面断面模式図である。
図1に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機100は、固定子11と永久磁石回転子(回転子と記す)1とを備えている。
固定子11は、固定子鉄心12と固定子鉄心12に設けられた12個のスロットに配設された集中巻方式の巻線13とで形成されており、本実施の形態では突極極数は12個となっている。
回転子1は、所定の空隙長7をあけて、固定子11の内側に固定子11と同心円状に配設されており、且つその中心を軸として自在に回転するようになっている。
また、回転子1は、回転子ヨーク2と、回転子ヨーク2の外周表面に配置された、主磁石4aと補助磁石5aと、回転子ヨーク2の中心部を挿通し、且つ回転子ヨーク2に固定された回転子シャフト3とを備えている。
回転子シャフト3は、非磁性体であっても良いが、回転子1の軸ブレ、偏振等を防止し、回転電機の機械的ロスを発生させない、剛性があり変形しにくい材料が好ましく、例えばステンレス鋼等が使用される。
図2は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図2に示すように、本実施の形態の回転子1は8極の表面磁石式回転子であり、回転子ヨーク2の外周面にある、主磁石4aと補助磁石5aとは、回転子1の周方向において、互いに接して交互に配置されている。
そして、主磁石4aには希土類焼結磁石であるネオジム系焼結磁石が用いられ、補助磁石5aにはフェライトボンド磁石が用いられており、補助磁石5aは、後述するように、フェライトボンド磁石を主磁石4a間の間隙に射出成形して形成している。
図2に示す矢印は各磁石の磁化の方向を示しており、主磁石4aの磁化方向は回転子1の径方向であり、補助磁石5aの磁化方向は回転子1の周方向である。
また、補助磁石5aを介して隣接する、一方の主磁石4aのNS極の方向と他方の主磁石4aのNS極の方向とは逆である。すなわち、主磁石4aは、極性が交互に反転している。
また、主磁石4aを介して隣接する、一方の補助磁石5aのNS極の方向と他方の補助磁石5aのNS極の方向とは逆である。すなわち、補助磁石5aも、極性が交互に反転している。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機100が、大きな出力トルクを得ることができる機構を説明する。
まず、比較のため、従来の主磁石のみが用いられた回転子で構成された永久磁石型回転電機(比較の永久磁石型回転電機と記す)200について説明する。
図3は、比較例の永久磁石型回転電機における磁石から発生する磁束の流れを説明する模式図である。
図3において、矢印は磁束8の流れを示している。
図3に示すように、比較の永久磁石型回転電機200では、主磁石4aの中心付近の固定子11に対向する部分の磁束が有効磁束8aとなり、固定子11に流れ込んでいる。しかし、主磁石4aの端部から発生した磁束は無効磁束8bとなり、固定子11に到達せず回転子21に戻っている。また、隣の主磁石4aと近接している主磁石4aの端部からの磁束は、漏れ磁束8cとなり、隣の主磁石4aへ流れる。
永久磁石型回転電機磁石において、回転子から発生する磁束は、回転子→固定子→回転子と流れる。この固定子11に流れ込む磁束量と巻線13に流れる電流との相互作用で回転トルクが発生し、出力トルクは固定子11に流れ込む磁束量と巻線電流の積に比例する。
しかし、比較の主磁石のみが用いられた回転子で構成される永久磁石型回転電機では、主磁石4aから出た磁束8の全てが固定子11には達せず、回転子21に戻る無効磁束8bや、隣の主磁石4aに流れ込む漏れ磁束8cが発生する。
すなわち、これらの無効磁束8bや漏れ磁束8cは回転電機の出力には寄与しないので、ロスとなり、大きな無効磁束8bや漏れ磁束8cを有する回転電機は、出力トルクの発生効率が低い。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機における磁石から発生する磁束の流れを説明する模式図である。
図4において、矢印は磁束の流れを示している。
図4に示すように、主磁石4aと隣り合う主磁石4aとの間が、補助磁石5aで埋められており、補助磁石5aが、主磁石4aからの漏れ磁束を妨げる向きに磁力を発生するので、主磁石4a端部の磁束が回転子1に戻らず固定子11に達する。
すなわち、固定子11に流れ込む磁束量を増大させるので、主磁石4aの磁力を有効に使うことができる。
本実施の形態では、補助磁石5aは、主磁石4aに比べて磁力の弱いフェライトボンド磁石であるが、補助磁石5aは主磁石4aの漏れ磁束を固定子11に流すための補助的な磁力があれば良く、必ずしも主磁石4aと同等の磁力が必要ではない。
すなわち、本実施の形態の、フェライトボンド磁石の補助磁石5aは、固定子11に流れ込む磁束量を増大させるのに有効である。
本実施の形態の永久磁石型回転電機は、固定子に流れ込む磁束量を増大できる回転子が用いられたものであり、巻線電流が一定の条件では、高い出力トルクが得られ。
また、出力トルク一定の条件では、巻線電流を少なくでき、巻線の電気抵抗で消費される損失(銅損)を低減することができるので、回転電機の効率の向上が図れる。
また、出力トルクと巻線電流とが一定の条件では、磁石のサイズを小さくしても十分な出力が得られるので、回転電機自体を小型化することができる。
次に、本実施の形態における永久磁石型回転電機の効果を、実施例と比較例とを挙げて説明する。
表1に示す磁石構成の実施例および比較例の永久磁石型回転電機について出力トルクを求めた。
実施例および比較例の永久磁石型回転電機における回転子は、軸方向長さが35mmであり、外径φは30mmである。固定子の軸方向長さは35mmである。また、主磁石4aと補助磁石5aの軸方向長さも35mmである。
図5は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機の効果の説明に用いられた回転子の、主磁石と補助磁石の断面形状を示す図である。
図5に示すように、主磁石4aの回転子ヨーク2に接する面は平面であり、主磁石4aの側面は底面に対して直角になっている。
表1には、主磁石4aの、残留磁束密度と保持力と長さL1、ならびに図5に示す主磁石4aの、幅W1と肩部の高さh1と円弧部の半径R1、および、補助磁石5aの、残留磁束密度と保持力と長さL2、ならびに図5に示す補助磁石5aの、幅W2と肩部の高さh2と円弧部の半径R2、の各値を示している。
Figure 0005762105
表1から明らかなように、実施例の回転電機と、主磁石のネオジム系焼結磁石のサイズが実施例と同サイズであり、且つ補助磁石がない回転子を用いた比較例1の回転電機とを比較すると、回転子にフェライトボンド磁石の補助磁石を用いた実施例の回転電機は、比較例1の回転電機より、出力トルクが約3%アップしている。
また、実施例の回転電機と、主磁石のネオジム系焼結磁石のサイズを実施例のものより大きくし、且つ補助磁石がない回転子を用いた比較例2の回転電機とを比較すると、比較例2の回転電機と同じ出力トルクを得るのに、実施例の回転電機は、主磁石のネオジム系焼結磁石の使用量が1.3分の1(77%)で良いことを示している。
すなわち、本実施の形態の永久磁石型回転電機100は、回転子1に補助磁石を用いており、補助磁石の磁力は主磁石より弱いが、補助磁石が、漏れ磁束の抑制効果および固定子への流れ込み磁束量を増大させるアシスト効果を有しているので、出力トルクの増大、効率の向上および小型化を図ることができる。
それと、希土類磁石の使用量を少なくできるので、永久磁石型回転電機のコストを低減できる。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機100に用いられる回転子1の製造方法について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。
図7は、本発明の実施の形態1の回転子の製造における補助磁石配置工程において、配向磁場をかけながらフェライトボンド磁石を射出し補助磁石を形成する状態を示す図である。
図6に示すように、本実施の形態における回転子1の製造工程は、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程S1と、回転子ヨークの外周面に主磁石である複数のネオジム系焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する主磁石配置工程S2と、回転子ヨークに配置された主磁石の各間隙に、フェライトボンド磁石を射出成形し、補助磁石を形成する補助磁石配置工程S3と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程S4とを備えている。
最初の回転子ヨーク形成工程S1では、例えば、継鉄やプレス加工した磁性体薄板の積層体でなる回転子ヨークの粗加工体を準備し、これらの外周面の、主磁石4aおよび補助磁石5aを配置する箇所を、磁石底面に合わせて加工を施して、回転子ヨーク2を形成する。
次の主磁石配置工程S2では、主磁石4aとして未着磁のネオジム系焼結磁石を用意し、回転子1の径方向に主磁石4aの着磁後の極性が交互に反転するように、配向方向を合わせて回転子ヨーク2に主磁石4aを配置する。
次の補助磁石配置工程S3では、図7に示すように、成形金型22のキャビティ内に、主磁石4aが配置された回転子ヨーク2をセットし、主磁石4a間の間隙、すなわち、成形金型22と隣り合う主磁石4aと回転子ヨーク2の補助磁石配置部とで形成される空間に、配向磁場をかけながら補助磁石5aとなる異方性フェライトボンド磁石を射出し、主磁石4aをフェライトボンド磁石でインサート成形する。
また、図7に示すように、成形時には、成形金型22内に設けられた配向磁場用巻線23に電流を流し、配向磁場用巻線23から発生した点線で示す配向磁場24を、フェライトボンド磁石の補助磁石5aに印加し、補助磁石5aの磁化方向を回転子1の周方向に配向さす。
次の着磁工程S4では、配向磁場と同じ向きに着磁磁界をかけ、回転子1の径方向に主磁石4aを着磁し、回転子1の周方向に補助磁石5aを着磁する。
一般にネオジム系磁石の着磁に必要な磁界は1.6MA/m以上であり、フェライト系磁石の着磁に必要な磁界は0.8MA/m以上であるので、着磁工程では、1.6MA/m以上の着磁磁界で着磁を行い、ネオジム系焼結磁石の主磁石4aとフェライトボンド磁石の補助磁石5aとを同時に着磁する。
本実施の形態における回転子1の製造は、S1からS4の各工程をこの順に実施して行われる。
図8は、本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第1の方法を示す図である。
第1の方法では、図8に示すように、回転子ヨーク2の主磁石4aの配置部に、主磁石4aを接着剤31等で仮固定することにより、主磁石4aの位置決めを行う。
図9は、本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第2の方法で用いられる成形金型(a)と、成形金型で主磁石が位置決めされた状態(b)とを示す図である。
第2の方法では、図9(a)に示すように、補助磁石5aで主磁石4aをインサート成形する時に用いる成形金型に、キャビティの内周面に主磁石4aを位置決めする位置決め溝25aが形成された成形金型22aを用いる。そして、図9(b)に示すように、回転子ヨーク2に搭載された主磁石4aを、成形金型22aの位置決め溝25aに挿入して、位置決めを行う。
図10は、本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第3の方法で用いられる成形金型を示す図である。
第3の方法では、図10に示すように、補助磁石5aで主磁石4aをインサート成形する時に用いる成形金型に、キャビティの底面に主磁石4aを位置決めする位置決め溝25bを形成した成形金型22bを用いる。そして、図示しないが、回転子ヨーク2に搭載された主磁石4aを、成形金型22bの位置決め溝25bに挿入して、位置決めを行う。
図11は、本発明の実施の形態1の回転子の製造において、フェライトボンド磁石の補助磁石でネオジム系焼結磁石の主磁石をインサート成形する時の主磁石の位置決めを行う第4の方法を示す図である。
第4の方法では、図11に示すように、外周面の主磁石4aの配置部に位置決め溝25cが形成された回転子ヨーク2aを用い、回転子ヨーク2aの位置決め溝25cに主磁石4aを配設して、位置決めを行う。
例示した、第1から第4のいずれかの方法で位置決めされた主磁石4aは、各主磁石4aの間の間隙にフェライトボンド磁石を射出することで、補助磁石5aを形成するとともに、その側面が固定される。
また、第4の方法で、主磁石4aが位置決めされた回転子1aは、第1〜第3の方法で主磁石4aが位置決めされた回転子1とは、回転子ヨークの構造が異なる。
本実施の形態の回転子の製造において、回転子ヨーク2を磁性体薄板の積層体で形成することは、回転子ヨーク2を形成する薄板を、簡便なプレス加工により作製することができるので、生産性が良く、回転子ヨークを安価に製造できる。
また、回転子ヨーク2への回転子シャフト3の取り付けは、回転子ヨーク2の形成直後に回転子ヨーク2に回転子シャフト3を圧入することにより行われるが、回転子ヨーク2へ主磁石4aと補助磁石5aとを配置した後に回転子シャフト3を回転子ヨーク2に圧入しても良い。
また、補助磁石5aの配向を、成形金型22内に設けられた配向磁場用巻線23に電流を流し、配向磁場用巻線23から発生した配向磁場24で行っているが、成形金型22内に永久磁石を埋め込み、永久磁石からの配向磁場で行っても良い。
従来の永久磁石回転子の製造方法では、高精度に加工した、主磁石および補助磁石のそれぞれを、貼り付けることにより回転子を作製していた。しかし、本実施の形態の回転子の製造方法では、補助磁石にボンド磁石を用いることにより、補助磁石を射出成形で形成できるので、接着剤を用いた貼り付け等の組立工程を削減でき、生産性が向上する。
また、主磁石4aに使用するネオジム系焼結磁石の寸法公差は±0.1mm程度であり、従来の製造方法では、全ての主磁石4aと補助磁石5aとを隙間なく配置することはできないとの問題や、組立時に磁石が、割れたりカケたりするとの問題が発生したが、本実施の形態の回転子の製造方法では、ボンド磁石が射出成形で形成されるので、磁石の寸法ばらつきを吸収でき、不良率の低減が図れるとともに、永久磁石型回転電機の特性低下が防止できる。
図12は、本発明の実施の形態1に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。
図12に示す回転子1bは、主磁石と補助磁石との形状が、図2に示す回転子1とは異なっている。このように、回転子の主磁石と補助磁石の形状は、永久磁石型回転電機の特性に応じて変える必要がある。
それゆえ、回転子ヨークに主磁石と補助磁石とを貼り付けて、回転子を形成する従来の製造法では、新たな磁石形状に合わせて、主磁石形成する金型と補助磁石を形成する金型との両方を作り変える必要がある。
しかし、主磁石間に補助磁石を射出成形で充填する本実施の形態の製造方法では、回転子外径が同一であれば、補助磁石を形成する金型は同一のものが使用でき、回転子の構成および主磁石と補助磁石との形状の、選択自由度があるとともに、回転子の製造コストを低減できる。
本実施の形態の永久磁石型回転電機では、スロット数12、回転子磁極8極であるが、この極対数に限定されるものでなく、他の極対数の永久磁石型回転電機でも同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図13は、本発明の実施の形態2に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図13に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、主磁石4aと補助磁石5aとでなる磁石の外周面に環状部材9が配設された回転子1cである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機100と同様である。
本実施の形態における環状部材9の厚さは、永久磁石型回転電機の空隙長が増大し過ぎないように、0.4mm程度で良い。
本実施の形態の永久磁石型回転電機は、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様な効果を有するとともに、回転子の磁石が環状部材で覆われているので、例えば、高速回転で異常が発生しても、磁石が飛散するのを防止できる。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図14に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、フェライトボンド磁石の補助磁石5aが主磁石4aの表面も覆って形成された回転子1dである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機100と同様である。
本実施の形態における、主磁石4aを覆う補助磁石5aの厚さは、永久磁石型回転電機の空隙長が増大し過ぎないように、0.4mm程度で良い。
本実施の形態の永久磁石型回転電機は、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様な効果を有するとともに、回転子の主磁石が補助磁石で覆われているので、例えば、高速回転で異常が発生しても、磁石が飛散するのを防止できる。
実施の形態4.
図15は、本発明の実施の形態4に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図15に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、補助磁石5aの底面と回転子ヨーク2の外周面との間に、磁気的ギャップ6が設けられた回転子1eである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機100と同様であり、同様な効果を有する。
図16は、磁気的ギャップが設けられていない回転子における補助磁石の磁束経路を示す図である。
実施の形態1の回転子1のような、補助磁石5aの底面と回転子ヨーク2の外周面との間に磁気的ギャップが設けられていない回転子では、図16に示すように、補助磁石5aの磁束(破線で表す)として、回転子1の外周側経路に流れる磁束(外周側磁束と記す)8dと回転子1の内周側経路に流れる磁束(内周側磁束と記す)8fがある。そして、外周側磁束8dは主磁石4aの磁束8gを強めるように働くが、内周側磁束8fは主磁石4aの磁束8gの流れに対して逆向きであり、ロスを生じる。
しかし、本実施の形態の回転子1eは、補助磁石5aの底面と回転子ヨーク2の外周面との間に、磁気的ギャップ6が設けられており、この磁気的ギャップ6が、回転子の内周側の磁路抵抗を大きくし回転子の内周側での磁束のロスを抑制するので、回転子の外周側への磁束量を増加させることができる。
すなわち、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子の外周側への磁束量が増加するので、この面からも出力トルクを、さらに増大させるとの効果を有する。
例えば、実施の形態1と同様な構成の、スロット数が12個で極数が8個の永久磁石型回転電機において、回転子の補助磁石5aと回転子ヨーク2との間に0.5mmの磁気的ギャップを設けた場合、出力トルクが約1%向上する。
本実施の形態の回転子1eにおける、磁気的ギャップ6の形成は以下の方法で行われる。
第1の方法は、回転子ヨーク2における補助磁石5aの底面と対向する外周面(補助磁石対向面と記す)にピンを配置して、補助磁石5aを射出成形し、成形後にピンを取り除き、隙間を形成する方法である。
第2の方法は、回転子ヨーク2における補助磁石対向面に、所望の厚さの接着剤等を予め塗布する方法である。
第3の方法は、回転子ヨーク2における補助磁石対向面に、非磁性体材料等で作製したスペーサを予め配置する方法である。第3の方法では、スペーサが主磁石4aの位置決めの役割をする効果もある。
図17は、本発明の実施の形態4に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。
図17に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子1fは、回転子ヨーク2fにおける補助磁石対向面に磁気的ギャップ6となる凹状の溝が形成されたものである。
この溝も、隙間であっても良く、接着剤や非磁性材料のスペーサが充填されていても良い。
ちなみに、本実施の形態における回転子に設けられた磁気的ギャップ6の径方向の寸法は、回転子の外周面と固定子の内周面との間の距離である空隙長に略等しいか、それより小さい範囲が有効である。磁気的ギャップ6の周方向の寸法は補助磁石の底面の周方向の幅よりも狭くなっているが、回転子の内周側の磁路抵抗を大きくする点から、補助磁石の底面の周方向の幅の80%以上であることが好ましい。
本実施の形態の回転子の構造は、実施の形態2および実施の形態3の永久磁石型回転電機に適用でき、同様な効果が得られる。
実施の形態5.
図18は、本発明の実施の形態5に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図18に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、補助磁石5bがフェライト焼結磁石であり、主磁石4bが希土類ボンド磁石であるネオジム系ボンド磁石であり、且つ主磁石4bが、回転子ヨーク2の外周面に所定の間隔をおいて配置された補助磁石5b間の間隙に、ネオジム系ボンド磁石を射出成形することにより形成された、回転子1gである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様である。
本実施の形態で用いられる、主磁石4bのネオジム系ボンド磁石は、例えば、残留磁束密度が0.8T、保磁力640kA/mのものであり、補助磁石のフェライト焼結磁石は、例えば、残留磁束密度が0.4T、保磁力300kA/mのものである。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機に用いられる回転子1gの製造方法について説明する。
図19は、本発明の実施の形態5に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。
図19に示すように、本実施の形態における回転子1gの製造工程は、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程S11と、回転子ヨークの外周面に補助磁石である複数のフェライト焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する補助磁石配置工程S12と、回転子ヨークに配置された補助磁石の各間隙に、ネオジム系ボンド磁石を射出成形し、主磁石を形成する主磁石配置工程S13と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程S14とを備えている。
本実施の形態では、回転子ヨーク形成工程S11は、実施の形態1における回転子ヨーク形成工程S1と同様である。
次の補助磁石配置工程S12では、補助磁石5bとして未着磁のフェライト焼結磁石を用意し、回転子1gの周方向に補助磁石5bの着磁後の極性が交互に反転するように、配向方向を合わせて回転子ヨーク2に補助磁石5bを配置する。
次の主磁石配置工程S13では、成形金型のキャビティ内に、補助磁石5bが配置された回転子ヨーク2をセットし、補助磁石5b間の間隙、すなわち、成形金型と隣り合う補助磁石5bと回転子ヨーク2の主磁石配置部とで形成される空間に、配向磁場をかけながら主磁石4bとなるネオジム系ボンド磁石を射出し、補助磁石5bをネオジム系ボンド磁石の主磁石4bでインサート成形する。この工程で用いられる配向磁場を発生させる機構を有する成形金型は、実施の形態1のものと同様である。
次の着磁工程S14は、実施の形態1の着磁工程S4と同様である。
これらのS11〜S14の工程を順番に行うことにより、本実施の形態の回転子を製造する。
また、本実施の形態の回転子の製造において、ネオジム系ボンド磁石の主磁石でフェライト焼結磁石の補助磁石をインサート成形する時の、補助磁石の位置決めを行う方法は、実施の形態1における主磁石の位置決めを行う第1から第4の方法と同様である。
本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、上記のような構成であり、上記のような工程で製造されるので、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様な効果を有する。
さらに、補助磁石の形状を変化させることにより、主磁石が形成される領域を変化できるので、回転子の構成や形状の自由度が大きいとの効果も有する。
また、実施の形態2と同様に、回転子における、主磁石4bと補助磁石5bとでなる磁石の円周面に環状部材を配設したり、実施の形態3と同様な技術思想から、回転子におけるネオジム系ボンド磁石の主磁石4bを、補助磁石5bの表面も覆う状態で形成することにより、例えば、高速回転で異常が発生した場合に、補助磁石5bが飛散するのを防止できる。
実施の形態6.
図20は、本発明の実施の形態6に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図20に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、補助磁石5bの底面と回転子ヨーク2の外周面との間に、磁気的ギャップ6が設けられた回転子1hである以外、実施の形態5の永久磁石型回転電機と同様であり、同様な効果を有する。
回転子1hにおける磁気的ギャップ6の形成は、回転子ヨーク2における補助磁石対向面に、所定の厚さの接着剤等を予め塗布し、この接着剤を介して補助磁石5bを配置する第1の方法と、回転子ヨーク2における補助磁石対向面に、非磁性体材料等で作製したスペーサを接着し、このスペーサ面に補助磁石5bを配置する第2の方法との内の、いずれかの方法が用いられる。
図21は、本発明の実施の形態6に係わる永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子の正面断面模式図である。
図21に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機に用いられる別タイプの回転子1iは、回転子ヨーク2iにおける補助磁石対向面に磁気的ギャップ6となる凹状の溝が形成されたものである。
この溝も、接着剤や非磁性材料のスペーサが充填されている。
本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子に磁気的ギャップ6が設けられており、この磁気的ギャップ6が、回転子の内周側の磁路抵抗を大きくし回転子の内周側での磁束のロスを抑制するので、回転子の外周側への磁束量を増加でき、この面からも出力トルクを、さらに増大させるとの効果を有する。
ちなみに、本実施の形態における回転子に設けられた磁気的ギャップ6の径方向の寸法は、回転子の外周面と固定子の内周面との間の距離である空隙長に略等しいか、それより小さい範囲が有効である。磁気的ギャップ6の周方向の寸法は補助磁石の底面の周方向の幅よりも狭くなっているが、回転子の内周側の磁路抵抗を大きくする点から、補助磁石の底面の周方向の幅の80%以上であることが好ましい。
実施の形態7.
図22は、本発明の実施の形態7に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図22に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、主磁石4cが希土類ボンド磁石であるネオジム系ボンド磁石であり、補助磁石5cがフェライトボンド磁石である回転子1jである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様である。
本実施の形態で用いられる、主磁石4cのネオジム系ボンド磁石は、例えば、残留磁束密度が0.8T、保磁力640kA/mのものであり、補助磁石5cのフェライトボンド磁石は、例えば、残留磁束密度が0.3T、保磁力200kA/mのものである。
本実施の形態の永久磁石型回転電機においても、実施の形態2の永久磁石型回転電機と同様に、主磁石4cと補助磁石5cとでなる磁石の外周面に環状部材を配設しても良い。
また、実施の形態4の永久磁石型回転電機と同様に、補助磁石5cの底面と回転子ヨークの外周面との間に磁気的ギャップを設けても良く、磁気的ギャップの形成方法も実施の形態4と同様である。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機に用いられる回転子1jの製造方法について説明する。
図23は、本発明の実施の形態7に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。
図24は、本発明の実施の形態7の回転子の製造工程において、主磁石が回転子ヨークに配置された状態を示す図である。
図23に示すように、本実施の形態における回転子1jの製造工程は、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程S21と、回転子ヨークの外周面の主磁石配置部にネオジム系ボンド磁石を射出成形し、周方向に所定の間隙を設けて主磁石を形成する主磁石配置工程S22と、回転子ヨークに配置された主磁石の各間隙に、フェライトボンド磁石を射出成形し、補助磁石を形成する補助磁石配置工程S23と、主磁石と補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程S24とを備えている。
本実施の形態では、回転子ヨーク形成工程S21は、実施の形態1における回転子ヨーク形成工程S1と同様である。
次の主磁石配置工程S22では、成形金型のキャビティ内に回転子ヨーク2をセットし、成形金型と回転子ヨーク2の主磁石配置部とで形成される空間にネオジム系ボンド磁石を、配向磁場をかけながら射出成形して、図24に示すように複数の主磁石4cを回転子ヨーク2の外周面に所定の間隔をあけて形成する。
次の補助磁石配置工程S23では、成形金型のキャビティ内に図24に示した主磁石4cが配置された回転子ヨーク2をセットし、主磁石4c間の間隙、すなわち、成形金型と隣り合う主磁石4cと回転子ヨーク2の補助磁石配置部とで形成される空間にフェライトボンド磁石を、配向磁場をかけながら射出成形し、主磁石4c間の間隙に補助磁石5cを形成する。
次の着磁工程S24は、実施の形態1の着磁工程S4と同様である。
これらのS21〜S24の工程を順番に行うことにより、本実施の形態の回転子を製造する。
本実施の形態では、主磁石配置工程の後に補助磁石配置工程を行っているが、先に、回転子ヨーク2の補助磁石配置部に、フェライトボンド磁石の射出成形で補助磁石を形成する補助磁石配置工程を行い、その後、補助磁石間の間隙に、ネオジム系ボンド磁石の射出成形で主磁石を形成する主磁石配置工程を行っても良い。
本実施の形態の永久磁石型回転電機も、回転子の、主磁石がオジム系ボンド磁石の射出成形で形成され、補助磁石がフェライトボンド磁石の射出成形で形成されているので、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様な効果を有する。
実施の形態8.
図25は、本発明の実施の形態8に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の正面断面模式図である。
図25に示すように、本実施の形態の永久磁石型回転電機は、回転子が、主磁石4が金属粉末射出成形(MIMと記す)法によって作製された希土類焼結磁石であるネオジム系焼結磁石であり、補助磁石5dがMIM法によって作製されたフェライト焼結磁石である回転子1kである以外、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様である。
本実施の形態の永久磁石型回転電機においても、実施の形態2の永久磁石型回転電機と同様に、主磁石4dと補助磁石5dとでなる磁石の外周面に環状部材を配設しても良い。
また、実施の形態4の永久磁石型回転電機と同様に、補助磁石5dの底面と回転子ヨークの外周面との間に、磁気的ギャップを設けても良い。
磁気的ギャップの形成方法は、実施の形態4と同様であるが、接着剤には、後述する焼成工程後にも接着性を保持する無機接着剤が用いられ、スペーサも焼成に耐える耐熱性の非磁性材料が用いられる。
まず、MIM(Metal Injection Molding)法により焼結磁石を作製する手順について説明する。
MIM法による焼結磁石は、磁石合金粉末に熱可塑性バインダーを加えて混練し、磁石合金粉末と熱可塑性バインダーとの混合体を得る。次に、この混合体を射出成形し、所定の形状のグリーン体を形成する。次に、このグリーン体を加熱し、脱バインダー処理を行い、続いて焼成することによって作製される。
次に、本実施の形態の永久磁石型回転電機に用いられる回転子1kの製造方法について説明する。
図26は、本発明の実施の形態8に係わる永久磁石型回転電機に用いられる回転子の製造工程のフローチャートを示す図である。
図26に示すように、本実施の形態における回転子1kの製造工程は、所定の形状の回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程S31と、回転子ヨークの外周面の主磁石配置部にネオジム系磁石粉末と熱可塑性バインダーとの混合体を射出成形し、周方向に所定の間隙を設けて主磁石形状のグリーン体(主磁石グリーン体と記す)を形成する主磁石グリーン体配置工程S32と、回転子ヨークに配置された主磁石グリーン体の各間隙に、フェライト磁石粉末と熱可塑性バインダーとの混合体を射出成形し、補助磁石形状のグリーン体(補助磁石グリーン体と記す)を形成する補助磁石グリーン体配置工程S33と、主磁石グリーン体と補助磁石グリーン体とを加熱し、脱バインダーと焼成とを行い、ネオジム系焼結磁石の主磁石4dとフェライト焼結磁石の補助磁石5dとを形成する焼成工程S34と、各グリーン体を焼成して形成された、ネオジム系焼結磁石の主磁石4dとフェライト焼結磁石の補助磁石5dとが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程S35とを備えている。
これらのS31〜S35の工程を順番に行うことにより、本実施の形態の回転子を製造する。
本実施の形態では、回転子ヨーク形成工程S31と着磁工程S35とは、実施の形態1における回転子ヨーク形成工程S1と着磁工程S4と同様である。
また、本実施の形態では、先に、回転子ヨークの外周面の補助磁石配置部にフェライト磁石粉末と熱可塑性バインダーとの混合体を射出成形し、所定の間隙を設けて補助磁石形状のグリーン体を形成する補助磁石グリーン体配置工程S33を行い、次に、回転子ヨークに配置された補助磁石グリーン体の各間隙に、ネオジム系磁石粉末と熱可塑性バインダーとの混合体を射出成形し、主磁石形状のグリーン体を形成する主磁石グリーン体配置工程S32を行っても良い。
本実施の形態の永久磁石型回転電機も、主磁石にネオジム系磁石を用い補助磁石にフェライト磁石を用いており、実施の形態1の永久磁石型回転電機と同様な効果がある。
また、本実施の形態の永久磁石型回転電機では、回転子における、主磁石と補助磁石とが、MIM法によって回転子ヨーク2の外周面に形成されており、複雑な形状の主磁石および補助磁石が容易に形成できるとともに、主磁石と補助磁石とを貼り付ける作業や、高精度の加工が不要であり、回転子の生産性が優れている。
また、形成された主磁石と補助磁石とは、脱バインダー処理が行われており、非磁性の熱可塑性バインダーを含まないので、非磁性のバインダーを含むボンド磁石を用いた場合に比べて、磁束密度を高くでき、回転子の磁気特性が優れている。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は、例示であり、本発明の特許請求範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係わる永久磁石型回転電機は、主磁石と補助磁石を備え、主磁石と補助磁石との少なくとも一方が、射出成形可能な磁石材料で形成された回転子を有するものであり、回転子の生産性と磁気特性が優れているので、低コストで高出力トルクが要求される用途で用いられる。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k 回転子、
2,2a,2f,2i 回転子ヨーク、3 回転子シャフト、
4a,4b,4c,4d 主磁石、5a,5b,5c,5d 補助磁石、
6 磁気的ギャップ、7 空隙長、8 磁束、8a 有効磁束、8b 無効磁束、
8c 漏れ磁束、8d 外周側磁束、8f 内周側磁束、8g 主磁石の磁束、
9 環状部材、11 固定子、12 固定子鉄心、13 巻線、
22,22a,22b 成形金型、23 配向磁場用巻線、24 配向磁場、
25a,25b,25c 位置決め溝、31 接着剤、
100,200 永久磁石型回転電機。

Claims (4)

  1. 固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、上記固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、上記回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、上記回転子の周方向で交互に接して配置されており、上記主磁石の磁化方向が上記回転子の径方向であり、上記補助磁石の磁化方向が上記回転子の周方向であり、上記補助磁石を介して隣接する一方の上記主磁石のNS極の方向と他方の上記主磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石を介して隣接する一方の上記補助磁石のNS極の方向と他方の上記補助磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石が希土類焼結磁石であり、上記補助磁石がフェライトボンド磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、
    所定の形状の上記回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、上記回転子ヨークの外周面に、複数の上記主磁石である上記希土類焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する主磁石配置工程と、上記回転子ヨークに配置された上記主磁石の各間隙に、上記フェライトボンド磁石を射出成形し、上記補助磁石を形成する補助磁石配置工程と、上記主磁石と上記補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、上記各工程を順番に行うことにより上記回転子を形成しており、
    上記主磁石配置工程において、上記補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、上記主磁石の位置決めが行われる永久磁石型回転電機の製造方法。
  2. 固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、上記固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、上記回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、上記回転子の周方向で交互に接して配置されており、上記主磁石の磁化方向が上記回転子の径方向であり、上記補助磁石の磁化方向が上記回転子の周方向であり、上記補助磁石を介して隣接する一方の上記主磁石のNS極の方向と他方の上記主磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石を介して隣接する一方の上記補助磁石のNS極の方向と他方の上記補助磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石が希土類焼結磁石であり、上記補助磁石がフェライトボンド磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、
    所定の形状の上記回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、上記回転子ヨークの外周面に、複数の上記主磁石である上記希土類焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する主磁石配置工程と、上記回転子ヨークに配置された上記主磁石の各間隙に、上記フェライトボンド磁石を射出成形し、上記補助磁石を形成する補助磁石配置工程と、上記主磁石と上記補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、上記各工程を順番に行うことにより上記回転子を形成しており、
    上記主磁石配置工程において、上記補助磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、上記主磁石の位置決めが行われる永久磁石型回転電機の製造方法。
  3. 固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、上記固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、上記回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、上記回転子の周方向で交互に接して配置されており、上記主磁石の磁化方向が上記回転子の径方向であり、上記補助磁石の磁化方向が上記回転子の周方向であり、上記補助磁石を介して隣接する一方の上記主磁石のNS極の方向と他方の上記主磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石を介して隣接する一方の上記補助磁石のNS極の方向と他方の上記補助磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石が希土類ボンド磁石であり、上記補助磁石がフェライト焼結磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、
    所定の形状の上記回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、上記回転子ヨークの外周面に、複数の上記補助磁石である上記フェライト焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する補助磁石配置工程と、上記回転子ヨークに配置された上記補助磁石の各間隙に、上記希土類ボンド磁石を射出成形し、上記主磁石を形成する主磁石配置工程と、上記主磁石と上記補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、上記各工程を順番に行うことにより上記回転子を形成しており、
    上記補助磁石配置工程において、上記主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの内周面に設けられた位置決め溝で、上記補助磁石の位置決めが行われる永久磁石型回転電機の製造方法。
  4. 固定子鉄心と巻線とからなる固定子と、上記固定子の内側に空隙を介して設けられた回転子とを備え、上記回転子における回転子ヨークの外周面に複数の主磁石と複数の補助磁石とが、上記回転子の周方向で交互に接して配置されており、上記主磁石の磁化方向が上記回転子の径方向であり、上記補助磁石の磁化方向が上記回転子の周方向であり、上記補助磁石を介して隣接する一方の上記主磁石のNS極の方向と他方の上記主磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石を介して隣接する一方の上記補助磁石のNS極の方向と他方の上記補助磁石のNS極の方向とが逆であり、上記主磁石が希土類ボンド磁石であり、上記補助磁石がフェライト焼結磁石である永久磁石型回転電機の製造方法であって、
    所定の形状の上記回転子ヨークを形成する回転子ヨーク形成工程と、上記回転子ヨークの外周面に、複数の上記補助磁石である上記フェライト焼結磁石を周方向に所定の間隙を設けて配置する補助磁石配置工程と、上記回転子ヨークに配置された上記補助磁石の各間隙に、上記希土類ボンド磁石を射出成形し、上記主磁石を形成する主磁石配置工程と、上記主磁石と上記補助磁石とが配置された回転子を外部磁化によって着磁する着磁工程とを備え、上記各工程を順番に行うことにより上記回転子を形成しており、
    上記補助磁石配置工程において、上記主磁石を射出成形で形成する時に用いる成形金型のキャビティの底面に設けられた位置決め溝で、上記補助磁石の位置決めが行われる永久磁石型回転電機の製造方法。
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