JP2017212863A - 極配向異方性射出成形ボンド磁石とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高フラックス希土類極異方性リング磁石における最適な着磁波形を有する極配向磁石とその原料コンパウンド、成形金型、それらを用いた成形方法を提供する。
【解決手段】異方性磁性粉体を熱可塑性樹脂でコンパウンドしたものを原料とし、それを金型ダイ内径内にコアピンを配置した金型で、原料が磁極2を形成させるように配向させ射出成形する。この時コアピン5の材質を変化させることによりキャビティ6内の磁束方向が変化し成形磁石1の着磁波形が矩形波から正弦波、三角波と制御が可能になる。非磁性リングの中に磁性体を挿入したコアピンを使用することで同様の効果が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】異方性磁性粉体を熱可塑性樹脂でコンパウンドしたものを原料とし、それを金型ダイ内径内にコアピンを配置した金型で、原料が磁極2を形成させるように配向させ射出成形する。この時コアピン5の材質を変化させることによりキャビティ6内の磁束方向が変化し成形磁石1の着磁波形が矩形波から正弦波、三角波と制御が可能になる。非磁性リングの中に磁性体を挿入したコアピンを使用することで同様の効果が得られる。
【選択図】図1
Description
極異方性ボンド磁石に関する。
永久磁石型モータには永久磁石がロータに使用されるブラシレスモータ、同期モータと、ステータに使用されるブラシモータがあり、ロータに使用される永久磁石は外周に動作点を持つインナーローターと内周に動作点を持つアウターローターに大別される。
高効率、省エネ化を進めるにあたり、永久磁石の高磁気特性化が要求されるようになってきた。モータのトルクは「トルク=磁束密度×電流×有効導体」より、高トルクを得るためにはすべての項目を高めれば良いが省エネからすれば大電流は好ましくなく、モータを大きくする長導体も好ましくないが、磁石の磁束密度を向上させることは高効率、省エネ化にとって好ましい。
こういった背景の中、磁石はフェライトから希土類、等方性から異方性と高磁気特性化が図られている。異方性リング磁石にはラジアル配向磁石があるが、リング径、磁石厚み及びL寸に制限があり、異方化度の高い磁石の寸法は限られてしまうため高トルクのモータ設計に制限があった。
射出成形の場合、小さな磁界で配向可能なフェライト磁石では永久磁石を用いただけの配向磁界でL寸の長い極配向磁石の製作は可能であるが、より高磁界でなければ配向しない希土類極異方性磁石では極配向位置に軟磁性磁極を配置した永久磁石埋め込み型の配向金型(例えば特許文献1)を使用するのが一般的であるが、成形磁石の着磁波形制御までは困難であった。
現在のモータは120°駆動もあれば正弦波駆動もあるため、モータの駆動方式に最適な着磁波形を有することができる磁石とその製造方法が要求されている。
高フラックス希土類極異方性リング磁石における最適な着磁波形を有する極配向磁石とその原料コンパウンド、成形金型、それらを用いた成形方法。
高性能な極配向射出成形ボンド磁石を作製するためには高磁気特性の磁性粉体、そのコンパウンド、配向性の高く成形性の良い金型が求められる。
原料コンパウンドの磁性粉は高磁気特性の磁性粉体には異方性を有するNdFeB(HDDR)、SmCo、SmFeN、及びHDDRとSmFeNの混合粉体が使用される。混合粉体コンパウンドの全体に対するSmFeNの重量割合は10〜40%が好ましく10%を下回ると磁石密度が低下してしまい40%を超えると流動性が低下してしまう。
成形用コンパウンドは磁性粉と熱可塑性結合樹脂を混練し分散性を向上させた流動性の高いものを使用する。
金型の配向部は鉄製の幅3〜10mmの磁極面に永久磁石の同極同士を接触配置し所定の極数持つ。所定の磁極数は偶数で4〜8であり、10極以上では配向磁界が小さくなってしまう。配向型の寸法は成形される磁石の寸法により決定され、磁石寸法をΦA×ΦB×Lとすると縦2.5A×横2.5A×高さL以上の大きさで設計され配向部とキャビティの間は非磁性のリングで固定される。
固定リングの内側の中心部に非磁性もしくは飽和磁化と透磁率を変えた磁性コアピンが挿入される。固定リングは0.8〜4mmの厚みがあり0.8mm以下では成形圧に耐えられず変形、もしくは破壊の恐れが生じ、4mm以上では磁束密度が低下してしまう。
極配向において作製されるリング磁石の着磁波形は成形前後の金型キャビティ内の磁束ベクトルとその大きさに要因があり、極位置では半径方向の磁束密度が大きく極が反転するゼロクロス部分において円周方向の磁束密度が径方向磁束密度と比較して小さい場合は矩形波形となり、ゼロクロス部分における円周方向磁束ベクトルが径方向磁束と比較して大きくなるにつれて矩形波形から両角の丸くなった矩形波、半値幅の広い正弦波、正弦波、三角波と変化する。
配向型の磁極は高飽和磁化の軟磁性材であり、一般的には鉄が使用され、永久磁石は高磁束密度の希土類焼結磁石が使用される。極対向で配置された永久磁石の磁束は磁極に集中され、隣同士の磁極もしくはコアピンとで磁気回路を組むことになる。
使用されるコアピンが非磁性体ならば配向型磁極間での磁気回路が主となり円周方法の磁束ベクトルは大きくなり、コアピンが磁性体ならば配向型磁極とコアピン間に磁気回路が組まれ径方向の磁束ベクトルが大きくなってくる。
成形された磁石の着磁波形、配向方向は径方向磁束ベクトルの大きさと円周方向磁束ベクトルの大きさのバランスで決まり、径方向の磁束密度がより大きければ矩形波形となり、円周方向の磁束密度が大きければ三角波形になる。
磁束密度の方向バランスを決めるのは配向成形型の磁束量と寸法、とりわけ配向型の磁極同士間とコアピンの距離であり、コアピンが磁性体ならばその磁気特性が磁気回路上重要な要素となってくる。
金型キャビティに大きな磁束密度を得るため配向型磁極とコアピンの最適設計をするが、コアピンの飽和磁化と比透磁率は磁束密度と磁束方向に重要な要素である。
コアピンの飽和磁化が1T以上、比透磁率100以上ならば極位置の径方向の磁束密度を高めることが出来、相対的にニュートラル部の円周方向の磁束密度が低くなるため成形磁石は矩形波配向となり、飽和磁化0.2〜0.8T、透磁率20以下では極位置では径方向が高いが、相対的にニュートラルでは円周方向の磁束密度が高くなり、正弦波形に近い着磁波形を持つリング磁石の製作が可能になる。
飽和磁化0.1〜0.8Tのコアピンにはコバルトを含有した磁性超硬を使用し、コバルトの含有量にて飽和磁化を選択することが出来る。配向型をキャビティ付近にて上下摺動をすることで原料粉体の配向度を向上させることが出来る。
射出成形磁石においては成形型が不要なため配向磁極とキャビティの距離は近く磁束密度も高められ射出成形コンパウンドの流動性は高く配向性能も優れている。
それゆえキャビティ内の磁束ベクトル方向に配向されやすく期待する着磁波形の磁石を得るには金型キャビティ内の磁束ベクトル方向制御は不可欠である。
飽和磁化の高いコアピンでは矩形波形、非磁性では三角波形、0.2〜0.8Tの飽和磁化をもつコアピンでは着磁波形の角が丸くなった矩形波形から正弦波形までの幅広い配向磁石の成形が可能になった。
上記、本発明はコアピンの飽和磁化、透磁率を変えたことで可能になるが、コアピンを非磁性リングの中に円筒体の磁性体を挿入し代用することで金型キャビティ内の動作点を変化させることにより径方向磁束密度と円周方向磁束密度を制御し、リング磁石の配向をコントロールすることで所望の着磁波形を持つリング磁石の製造も可能になった。
モータの駆動方式に適応する着磁波形の永久磁石が提供でき、より高性能、高効率化により省エネ化を推進することが可能になった。
以下、具体的な実施例を記す。
原料はHDDR−MF18P磁性粉体(愛知製鋼製)と、熱可塑性樹脂(PA12)のコンパウンドを使用した。
射出成形機に金型を取り付け260℃の射出温度にて射出成形を実施した。
Φ16xφ11x15、4極配向磁石の成形体が得られた。
コアピンの材質を実施例1にした場合の着磁波形と実施例2の着磁波形の結果を図4に示す。
外周φ11×φ8の非磁性超硬にφ8のS45の円柱を挿入して金型コアピンとして射出成形をし、φ16×φ11×15、4極の成形体の結果を図5に示す。
比較例1の結果は図6に示す。
飽和磁化、比透磁率の高いものから低いものに変えることにより着磁波形を矩形波、半値幅の広い正弦波、正弦波と変化させることが出来、モータが望む着磁波形を持つ磁石を提供出来る。
非磁性リングの中に磁性体を挿入させたコアピンを使用した場合、金型キャビティ内の動作点を変化させ配向方向を制御出来るようになった。
1 配向用永久磁石
2 磁極
3 非磁性ケース
4 固定リング
5 コアピン
6 キャビティ
7 非磁性超硬にS45Cを挿入したコアピン
2 磁極
3 非磁性ケース
4 固定リング
5 コアピン
6 キャビティ
7 非磁性超硬にS45Cを挿入したコアピン
Claims (3)
- 磁極を持つ磁石埋め込み外周配向型とコアピンで構成する射出成形型にて作製する極配向型リング磁石の射出成形においてコアピンの材質を飽和磁化0〜2.2T、比透磁率1〜1000に変化させることによりキャビティ内の磁束方向を変えることで作製される矩形波形、正弦波形、三角波形の着磁波形を有するリング磁石とその製造方法。
- 磁極を持つ磁石埋め込み外周配向型とコアピンで構成する射出成形型にて作製する極配向型リング磁石の射出成形においてコアピンが非磁性リングの中に磁性体を挿入させた構造を持つ請求項1項記載と同等の効果を得ることを特徴とする製造方法。
- 原料コンパウンドは熱可塑性樹脂と磁性粉からなり、磁性粉は異方性SmFeN粉体、異方性HDDR粉体、それらの混合物、及び異方性フェライトであることを特徴とする請求項1、請求項2記載の磁石とその製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117415A JP2017212863A (ja) | 2016-05-26 | 2016-05-26 | 極配向異方性射出成形ボンド磁石とその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016117415A JP2017212863A (ja) | 2016-05-26 | 2016-05-26 | 極配向異方性射出成形ボンド磁石とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=60475745
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JP2016117415A Pending JP2017212863A (ja) | 2016-05-26 | 2016-05-26 | 極配向異方性射出成形ボンド磁石とその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019156301A1 (ko) * | 2018-02-09 | 2019-08-15 | 계명대학교 산학협력단 | 할바흐 실린더 구조를 이용한 자기 프레스 장치 및 그 제어 방법 |
KR20220093489A (ko) * | 2020-12-28 | 2022-07-05 | 가천대학교 산학협력단 | 착자 요크 |
JP7381851B2 (ja) | 2019-09-30 | 2023-11-16 | 日亜化学工業株式会社 | 円筒状ボンド磁石の製造方法、円筒状ボンド磁石成形用金型、および円筒状ボンド磁石 |
-
2016
- 2016-05-26 JP JP2016117415A patent/JP2017212863A/ja active Pending
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