JPH06212207A - 焼結合金の製造方法 - Google Patents

焼結合金の製造方法

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JPH06212207A
JPH06212207A JP30406792A JP30406792A JPH06212207A JP H06212207 A JPH06212207 A JP H06212207A JP 30406792 A JP30406792 A JP 30406792A JP 30406792 A JP30406792 A JP 30406792A JP H06212207 A JPH06212207 A JP H06212207A
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JP
Japan
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sintering
reducing atmosphere
degreasing
sintered alloy
hydrogen
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Application number
JP30406792A
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English (en)
Inventor
Shigeo Saito
重夫 斉藤
Takahisa Koshida
孝久 越田
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JFE Steel Corp
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,脱脂〜焼結工程の大幅な合理化を
計るもので生産性の向上を実現するものである。 【構成】 本発明は,射出成形体を水素雰囲気中の熱処
理炉に投入し,室温〜焼結まで一貫処理をした事を特徴
とする。 【効果】 本発明の方法によれば,部品の出し入れの回
数が無くなり,熱処理時間も大幅に短縮できるので従来
の熱処理に比べて生産性の向上を実現できる効果があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,メタル・インジェクシ
ョン・モ−ルディング(以下MIMと言う)技術に係わ
り,特に生産性の向上に寄与するための焼結合金の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のMIM技術では金属粉末とバイン
ダ−を適量混合し,(重量比で5〜15%のバインダ−
量)金属粉末とバインダ−が均質に混ぜ合わさるように
混練を行いコンパウンドを得る。
【0003】前記のコンパウンドを射出成形法によっ
て,所望の部品形状を得る。この射出成形体(グリ−ン
ボデイと言う。)の中に含まれているバインダ−成分を
除去し,欠陥を伴うことの無い様に脱脂する。脱脂の方
法としては加熱脱脂が主流で部品形状に応じて脱脂時間
を設定し処理を行なう。この時得られる部品を脱脂体と
呼び(ブラウンボデイと言う。),この脱脂体を焼結
し,焼結体(シルバ−ボデイ)を得ていた。
【0004】前記の射出成形体をセッタ−(この場合金
属酸化物等の耐熱材)の上に乗せ,前記のセッタ−を複
数枚(この場合約200枚)専用BOX内に挿入し,さ
らにこの専用BOXを脱脂炉内に挿入し加熱脱脂を行な
う。脱脂の条件は図1の通りで,腕時計用ケ−スの場合
(材料はステンレス,SUS316)脱脂温度を500
℃(この場合の最高温度)で約50時間程かかる。
【0005】所定の時間が経過し脱脂作業が終了したら
脱脂炉内から専用BOXごと取り出し,この専用BOX
を焼結炉内に挿入し加熱焼結を行なう。焼結の条件は図
2の通りで,焼結温度を1330℃(この場合の最高温
度)に設定し約30時間程かかる。
【0006】従って,従来の技術では脱脂の工程から焼
結工程までに専用BOXの出し入れ,つまり部品の出し
入れを伴うものであったと同時に熱処理の時間が脱脂か
ら焼結までに約80時間必要であった(この事は以下に
述べる他の材料においても同様で,タングステン及びタ
ングステン合金材料の場合は約70時間,純鉄材料の場
合約100時間,銀及び銀合金材料の場合約60時間を
要していた)。
【0007】また一方,焼結時に還元雰囲気として水素
を使用する場合においても同様の作業を伴うものであっ
た。例えば特願昭57−34110の様にバインダ−除
去後の成形体(ブラウンボデイ)を還元雰囲気中で焼成
し焼結する場合も同様であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし,前述の従来技
術では脱脂工程から焼結工程までに脱脂炉から焼結炉へ
の専用BOXの出し入れが必ず一回は行なわれることと
なり,生産量の増加に伴い頻繁に実施されていた。しか
も,脱脂炉が最高温度から室温まで冷却されるまで専用
BOXの出し入れが不可能なので冷却に必要な待ち時間
の無駄があった。さらに焼結炉が焼結温度に達するまで
の間における過程で必要な脱脂温度まで昇温する時間も
無駄な時間となっていた。 また,これらの無
駄を考慮した,脱脂〜焼結までの連続炉方式も実施され
ているが,装置の投資額が高額な事と脱脂されたバイン
ダ−による炉内の汚れ,装置の大型化による設置スペ−
スの増加等の課題があった。
【0009】従って,従来の方法では作業性が悪く無駄
な時間が多いため生産性が著しく低い状況であった。そ
こで本発明は,この様な課題を解決するもので,その目
的とする所は生産性の高く経済的な熱処理方法(この場
合,脱脂〜焼結方法)を提供する所にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は,焼結合金の製
造方法で金属及び金属化合物及びセラミックスの原料粉
末とバインダ−とを混合,混練し,射出成形法等によっ
て得られた成形体を脱脂,焼結して焼結体を得る製造方
法において,前記の混練物を任意の形状に成形する工程
と,前記の脱脂工程を介せずに,該工程にて得られた射
出成形体を還元雰囲気中にて焼結する工程とで焼結体を
得る事を特徴とする。
【0011】本発明は,焼結合金の製造方法で該成形体
の焼結条件として室温より所定の焼結温度まで還元雰囲
気中に投じて一貫処理し,還元雰囲気には水素を使用し
た事を特徴とする。
【0012】本発明は,該還元雰囲気の条件として,圧
力が0.1〜9.8kg/cm2 で濃度が5%以上の水素
である事を特徴とする。
【0013】本発明は,焼結合金の製造方法で該原料粉
末として,金属及び金属化合物,貴金属,セラミックス
類である事を特徴とする。
【0014】
【実施例】表1は,本発明にて使用した金属粉末の一覧
表である。
【0015】
【表1】
【0016】図3は,本発明にて使用したステンレス材
料及びタングステン材料及び純鉄材料の場合の熱処理パ
タ−ンである。
【0017】図4は,本発明にて使用した銀及び銀合金
材料における熱処理パタ−ンである。
【0018】(実施例−1)ステンレス材料の場合はそ
の材種をSUS316とし,水アトマイズ粉を用いた。
粉末の平均粒径は約10μm程度で,タップ密度は約
3.5g/ccであった。
【0019】前記粉末をバインダ−と混合,混練しコン
パウンド化し,射出成形機によって腕時計用ケ−スを成
形した。
【0020】前記腕時計用ケ−ス(射出成形体)を室温
より所定の焼結温度まで水素雰囲気中に投じ,図3の熱
処理パタ−ンによって脱脂〜焼結の一貫処理をした。室
温より1000℃まで約7時間で昇温させ,3時間保持
し,さらに1330℃まで3時間で昇温させ,さらに3
時間保持し,その後室温まで2〜3時間で冷却した。こ
の時に用いた炉は円筒形のバッチ式で密封タイプの熱処
理炉を使った。還元雰囲気である水素の導入条件は,圧
力が1kg/cm2 で流量が1.21l/分とした。
【0021】その結果,焼結体の密度をアルキメデス法
で評価したところ,真密度に対して97%で,焼結体の
残留炭素量と残留酸素量を分析装置で評価したところ,
残留炭素量は0.01%で,残留酸素量が0.015%
であった。
【0022】また,焼結体の表面を顕微鏡(倍率50
倍)で観察したところ,特に大きな欠陥も存在しなかっ
た。しかも,腕時計用ケ−ス(射出成形体)を焼結する
までに要した熱処理の総時間は約19時間であった。
【0023】(実施例−2)タングステン材料の場合,
粉末の平均粒径は約8μm程度で,純度99.9%の粉
末を用いた。前記粉末をバインダ−と混合,混練しコン
パウンド化し,射出成形機によって腕時計用回転重錘を
成形した。
【0024】次に,前記の腕時計用ケ−スと全く同様に
熱処理を行なった。
【0025】その結果,焼結体密度が95%で残留炭素
量は0.02%で残留酸素量が0.025%であった。
また,焼結体の表面にも特に大きな欠陥の存在も無く,
熱処理による変形もなかった。しかも,熱処理に要した
総時間も前記腕時計用ケ−スと同様に約19時間であっ
た。
【0026】(実施例−3)純鉄材料の場合,粉末の平
均粒径は約5μm程度で,純度99.7%の粉末を用い
た。前記粉末をバインダ−と混合,混練しコンパウンド
化し,射出成形機によってハ−ドディスクドライブ用ヨ
−クを成形した。
【0027】次に,前記の腕時計用ケ−スと全く同様に
熱処理を行なった。
【0028】その結果,焼結体密度が95%で残留炭素
量は0.01%で残留酸素量が0.012%であった。
焼結体の表面にも特に大きな欠陥も存在しなかった。し
かも,熱処理に要した総時間も前記腕時計用ケ−スと同
様に約19時間であった。
【0029】(実施例−4)銀材料の場合,粉末の平均
粒径は約8μm程度で,純度99.7%の粉末と平均粒
径は約8μm程度の合金粉末を用いた。合金組成の内容
は銀,パラジウム,プラチナ,インジウムであって,前
記2種類の粉末をそれぞれバインダ−と混合,混練しコ
ンパウンド化し,射出成形機によって50*10*3m
mのテストピ−スを成形した。
【0030】次に,前記テストピ−ス(射出成形体)を
室温より所定の焼結温度まで水素雰囲気中に投じ,図4
の熱処理パタ−ンによって脱脂〜焼結の一貫処理をし
た。室温より550℃まで約2時間で昇温させ,4時間
保持し,さらに750℃まで2時間で昇温させ,さらに
2時間保持し,さらに890℃まで2時間で昇温させ,
さらに2時間保持し,その後室温まで2〜3時間で冷却
した。還元雰囲気である水素の導入条件は,圧力が1.
1kg/cm2 で流量が1.51l/分とした。
【0031】その結果,焼結体密度が96%で残留炭素
量は0.005%で残留酸素量が0.01%であった。
焼結体の表面にも特に大きな欠陥も存在しなかった。し
かも,熱処理に要した総時間は17時間であった。
【0032】表2に,従来法と本発明の熱処理時間比較
結果を示す。
【0033】表3に,従来法と本発明の残留炭素量比較
結果を示す。
【0034】表4に,従来法と本発明の残留酸素量比較
結果を示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に,本発明によれば金属
及び金属化合物,貴金属,セラミックスの射出成形体を
直接,還元雰囲気中にて焼結する工程に投じ,室温から
焼結するまでの間,還元雰囲気に曝した。しかも,その
還元雰囲気として水素を使用し,前記射出成形体を室温
から所定の焼結温度まで連続的に加熱処理することによ
って,バインダ−中及び原料粉末中の炭素や酸素が水素
と反応し,脱炭,脱酸されて所望の焼結密度の焼結体が
得られる事となった。
【0039】さらに,脱脂〜焼結までの大型で高額な連
続炉方式を採用する事もなく従来の装置によって熱処理
が可能であった。
【0040】しかも,射出成形体を連続的に加熱処理す
ることによって,脱脂工程と焼結工程とが一貫処理され
ることになり,従来(特願昭57−34110の場合,
従来の脱脂〜焼結技術の場合)行なっていた脱脂炉から
焼結炉への部品の出し入れの回数が無くなり,無駄な時
間が減少した。さらに,脱脂炉が最高温度から室温まで
冷却されるまでの冷却に必要な待ち時間の無駄が無くな
り,焼結炉が焼結温度に達するまでの間における過程で
必要な脱脂温度まで昇温するための時間の無駄が無くな
った。
【0041】以上のことから,品質的に安定で,しかも
高額の設備投資が不必要で,さらに熱処理時間が大幅に
短縮できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステンレス材料における従来の脱脂処理パタ−
ンを示すグラフである。
【図2】ステンレス材料における従来の焼結処理パタ−
ンを示すグラフである。
【図3】本発明の脱脂〜焼結処理パタ−ンを示すグラフ
である。(対象:ステンレス材料,タングステン材料,
純鉄材料)
【図4】本発明の脱脂〜焼結処理パタ−ンを示すグラフ
である。(対象:銀材料,銀合金材料)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び金属化合物及びセラミックスの原
    料粉末とバインダ−とを混合,混練し,射出成形法等に
    よって得られた成形体を脱脂,焼結して焼結体を得る焼
    結合金の製造方法において,前記混練された混練物を任
    意の形状に成形する工程と,前記脱脂する工程を介せず
    に,該工程にて得られた射出成形体を直接,還元雰囲気
    中にて焼結する工程とからなる事を特徴とする焼結合金
    の製造方法。
  2. 【請求項2】該成形体の焼結条件として室温より所定の
    焼結温度まで還元雰囲気中に投じて一貫処理し,還元雰
    囲気には水素を使用した事を特徴とする請求項1記載の
    焼結合金の製造方法。
  3. 【請求項3】該還元雰囲気の条件として,圧力が0.1
    〜9.8kg/cm2 で濃度が5%以上の水素である事を
    特徴とする請求項1及び請求項2記載の焼結合金の製造
    方法。
  4. 【請求項4】原料粉末として,金属及び金属化合物,貴
    金属,セラミックス類である事を特徴とする請求項1及
    び請求項2及び請求項3記載の焼結合金の製造方法。
JP30406792A 1992-11-13 1992-11-13 焼結合金の製造方法 Pending JPH06212207A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010238977A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Tdk Corp フェライト磁石の製造方法および製造装置

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