JPH10256038A - 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子 - Google Patents

交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子

Info

Publication number
JPH10256038A
JPH10256038A JP9059680A JP5968097A JPH10256038A JP H10256038 A JPH10256038 A JP H10256038A JP 9059680 A JP9059680 A JP 9059680A JP 5968097 A JP5968097 A JP 5968097A JP H10256038 A JPH10256038 A JP H10256038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ferromagnetic
exchange
exchange coupling
antiferromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9059680A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Doujima
正司 道嶋
Haruhiko Deguchi
治彦 出口
Tomohisa Komoda
智久 薦田
Toru Kira
徹 吉良
Keiya Nakabayashi
敬哉 中林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP9059680A priority Critical patent/JPH10256038A/ja
Publication of JPH10256038A publication Critical patent/JPH10256038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交換結合磁界が大きく、耐蝕性、および熱安
定性にも優れた交換結合膜を提供する。 【解決手段】 強磁性体膜3と、この強磁性体膜3に隣
接して形成されたMnPt合金からなる反強磁性体膜4
とを備えてなる交換結合膜において、強磁性体膜3を面
心立方構造をとる強磁性体から構成すると共に反強磁性
体膜4との界面が(111)面となるように(111)
面配向し、かつ、反強磁性体膜4には、Pt組成4〜1
9原子%、より好ましくは6〜12原子%のMnPt合
金を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録用再生ヘ
ッドあるいは磁気センサ等に使用される磁気抵抗効果素
子に用いられる、強磁性体膜と反強磁性体膜とを積層し
た構造の交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗
効果素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置等の磁気記録装置にお
いては、媒体の記録密度の向上に伴い、磁気ヘッドの高
性能化が求められている。即ち、記録ヘッドでは磁気記
録媒体の高保磁力化に伴い、飽和磁束密度の大きな材料
が求められ、再生ヘッドでは、媒体の小型化に伴う相対
速度(再生ヘッドと媒体との間)の低下に対して、従来
の誘導型ヘッドに代えて磁気抵抗効果を利用したいわゆ
るMR(magnetoresistive effect)ヘッドを用いること
で、再生出力の増加が図られている。
【0003】このような磁気抵抗効果を示す材料として
は、従来より、NiFe合金やNiCo合金からなる磁
性体薄膜が知られている。これらの薄膜の抵抗変化率は
NiFe合金で2〜3%程度、NiCo合金では最大6
%程度である。このような薄膜の磁気抵抗効果は、スピ
ン軌道相互作用によるものであり、測定電流の方向と磁
性体の磁化方向とのなす角度に依存しており、異方性磁
気抵抗効果(AMR:anisotropic magnetoresistive e
ffect)と呼ばれている。
【0004】これに対して近年、磁性体薄膜と非磁性薄
膜とを交互に積層した人工格子膜において、一桁以上大
きな抵抗変化率が報告され、注目されている。この人工
格子膜における磁気抵抗効果は、従来のAMRとは発現
機構が異なり、人工格子膜の非磁性層を介して上下に配
置された磁性層の磁化が反平行と平行の場合で伝導電子
の散乱が大きく異なるために抵抗変化が現れるものであ
る。磁性層間の磁化が反平行の場合、伝導電子の散乱は
大きく、抵抗値は高くなる。一方、磁性層間の磁化が平
行のとき、散乱が減少し、抵抗値は小さくなる。
【0005】このような人工格子膜の磁気抵抗効果は、
抵抗変化の値がAMRに比較して非常に大きいため、巨
大磁気抵抗効果(GMR:giant magnetoresistive eff
ect)と呼ばれている。現在最大の磁気抵抗変化を示す材
料系であるCo/Cu多層膜では、常温においても60
%以上の抵抗変化率が得られている。
【0006】しかしながら、Co/Cu多層膜のような
人工格子多層膜では、抵抗変化率は非常に大きいもの
の、無磁界で磁化の反平行状態を実現するために、磁性
層間の交換相互作用を用いているため、磁性層間の結合
が非常に強く、この交換相互作用を断ち切り、磁化の平
行状態を実現するためには、数100〜数KOeの外部
磁界が必要となる。このため、微弱な磁界に対する感度
が小さく、磁気記録用のヘッドとして用いるには不充分
である。
【0007】そこで、磁界感度を高めるために、人工格
子多層膜の他に、反強磁性体薄膜/強磁性体薄膜(第2
の磁性層)/非磁性体薄膜(非磁性層)/強磁性体薄膜
(第1の磁性層)の構造を有するスピンバルブ構造の人
工格子膜が注目されている。スピンバルブ構造は、第2
の磁性層の磁化を、隣接して形成された反強磁性体薄膜
との交換結合を利用して一方向に固定する一方、第1の
磁性層を、磁界に対して磁化が自由に回転するようにN
iFe合金等のソフト性の高い材料を用いて構成するこ
とで、磁界感度の向上を図っており、現在最も実用的な
構造と言える。
【0008】このスピンバルブ構造における、反強磁性
体薄膜と強磁性体薄膜との交換結合を利用して第2の磁
性層の磁化を一方向に固定する交換結合膜については、
様々な反強磁性体材料を用いた報告がなされている。
【0009】例えば、従来よりFeMn合金やNiOを
反強磁性体材料として用いる例がよく知られている
(「Exchange-Coupled Ni-Fe/Fe-Mn, Ni-Fe/Ni-Mn and
NiO/Ni-Fe Films for Stabilization of Magnetoresist
ive Sensors 」等) 。
【0010】また、上記のFeMn合金やNiO以外に
も、Mnに第2元素を添加することによって熱安定性や
耐蝕性に優れた交換結合膜を得るための検討が行われて
おり、例えば特開平6−314617号公報には、反強
磁性体材料として、MnにCu,Ru,Rh,Re,A
g,Au,Os,Irを25〜76原子%、あるいはP
d,Ptを25〜60原子%または65〜76原子%添
加したものを用いることによって、反強磁性体材料の耐
蝕性と熱的安定性を向上させ、これを強磁性体と積層す
ることによって交換結合膜を形成する例が開示されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、GMR素子には、外部磁界に応じて磁化方向が回
転する第1の磁性層と、非磁性層と、磁化方向が一方向
に固定される第2の磁性層とがこの順に配置され、第1
の磁性層と第2の磁性層との磁化の向きとのなす角度に
よって磁気抵抗効果が生じる。このとき第1の磁性層と
第2の磁性層の磁気特性が同様のものであると、外部磁
界によって第1の磁性層と第2の磁性層との磁化が同時
に回転してしまい、第1の磁性層と第2の磁性層との磁
化の向きに角度が生じず、磁気抵抗効果が得られなくな
る。
【0012】そのため、第2の磁性層となる強磁性体薄
膜に接して反強磁性体薄膜を積層し、強磁性体薄膜と反
強磁性体薄膜とが交換結合することによって第2の磁性
層の磁化を一方向に固定し、第1の磁性層と第2の磁性
層との磁化の向きに角度を生じさせることで、磁気抵抗
効果を得ている。したがって、交換結合磁界が小さい
と、外乱磁界によって容易に第2の磁性層の磁化が回転
してしまい、信号磁界からの出力が安定して得られなく
なる。
【0013】上記したFeMn合金を用いた交換結合膜
は、比較的大きな交換結合磁界を得ることができ、GM
R素子に適用することで磁気抵抗効果を得ることができ
る。しかしながら、FeMn合金は耐蝕性に問題がある
上、FeMn合金を用いた交換結合膜は、交換結合磁界
が温度の上昇とともに減少して約150℃で消失する。
この交換結合磁界が消失する温度は、ブロッキング温度
(Tb)と呼ばれる。つまり、FeMn合金を用いた交
換結合膜は、ブロッキング温度が約150℃と低く、そ
のため、約100℃の昇温で交換結合磁界は25Oe程
度にまで低下してしまい、GMR素子に利用した場合、
熱安定性に問題を有している。
【0014】また、上記したNiOは酸化物であるた
め、耐蝕性は非常に良好であるが、NiOを用いた交換
結合膜は、FeMn合金を用いたものに比べ交換結合磁
界が小さいといった問題がある。さらに、ブロッキング
温度は約200℃で、FeMn合金を用いたものより高
いものの、室温で得られる交換結合磁界が低いため、約
100℃での交換結合磁界はFeMn合金を用いたもの
と同程度(約25Oe)であり、GMR素子に利用した
場合、やはり熱安定性の問題を有する。
【0015】さらに、MnにCu,Ru,Rh,Re,
Ag,Au,Os,Ir,Pd,Pt等を添加した反強
磁性体材料を用いた交換結合膜は、FeMn合金を用い
た交換結合膜より耐蝕性は向上するが、第2元素として
何れを添加しても 最大で約20Oe程度の交換結合磁
界しか得られない。この程度の交換結合磁界では、外乱
磁界によって第2の磁性層の磁化が容易に回転してしま
い、信号磁界からの出力が安定して得られない。
【0016】このように、FeMn合金やNiO、或い
はMnにCu,Ru,Rh,Re,Ag,Au,Os,
Ir,Pd,Pt等を添加したものを反強磁性体材料と
して用いた交換結合膜は何れも、交換結合磁界の大き
さ、耐蝕性、および熱安定性の全条件を同時に満足する
ものではなく、GMR素子などの磁気デバイスに応用し
た場合、デバイスの信頼性が低下する。
【0017】本発明は、上記の課題に鑑みなされたもの
で、その目的は、交換結合磁界の大きさ、耐蝕性、およ
び熱安定性の全ての条件を同時に満足する交換結合膜の
構造、およびその製造方法、並びにそれを用いた、安定
した出力が得られる信頼性の高い磁気抵抗効果素子を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の交換結合膜は、強磁性体膜と、該強磁性
体膜に隣接して形成された反強磁性体膜とを備え、これ
ら強磁性体膜と反強磁性体膜との交換結合により該強磁
性体膜に交換結合磁界を与える交換結合膜において、上
記反強磁性体膜がPt組成4〜19原子%のMnPt合
金からなり、上記強磁性体膜が面心立方構造で(11
1)面配向していることを特徴としている。
【0019】また、本発明の交換結合膜の製造方法は、
強磁性体膜と、該強磁性体膜に隣接して形成された反強
磁性体膜とを備え、これら強磁性体膜と反強磁性体膜と
の交換結合により該強磁性体膜に交換結合磁界を与える
交換結合膜の製造方法において、強磁性体膜の材料とし
て面心立方構造をとる強磁性体を選択し、該強磁性体膜
を成膜する前に、該強磁性体膜の〔111〕方向への配
向性を高めるための下地膜を形成し、該下地膜上に該強
磁性体を(111)面配向させて成膜し、その後、反強
磁性体膜となるPt組成4〜19原子%のMnPt合金
を成膜することを特徴としている。
【0020】上記本発明の交換結合膜、又は本発明の製
造方法で製造された交換結合膜では、従来より大きな交
換結合磁界を発生することが可能であり、しかも、耐蝕
性、熱安定性の何れにも優れた交換結合膜を得ることが
できる。その作用としては、面心立方構造(以下、fc
cと略記する)の最密面は(111)面であるため、
(111)面配向された強磁性体膜は、反強磁性体膜と
の界面に最も多くの原子が配列した状態になり、交換結
合に寄与する磁気モーメントが多くなっているため、大
きな交換結合磁界が得られると考えられる。そして、こ
の場合、反強磁性体膜の材料としては、MnPt合金を
用い、そのPt組成が4〜19原子%の範囲とすること
で、磁気抵抗効果素子に適用できる良好な交換結合磁界
が得られることが確認されている。
【0021】さらに、下地膜を形成してから強磁性体膜
を成膜することで、例えばガラス基板などの成膜面の平
坦性が劣る基板上に形成する場合も、その成膜面の平坦
性を向上させて、fccの強磁性体膜の配向を(11
1)面配向にそろえることができる。このような下地膜
としては、例えばTaを用いることができる。
【0022】また、本発明の交換結合膜とその製造方法
とにおける強磁性体膜は、結晶構造がfccであれば特
に限定されないが、NiFe合金等を用いることができ
る。
【0023】上記の交換結合膜における反強磁性体膜を
なすMnPt合金のPtの組成比は、6〜12原子%と
することがより好ましく、これにより、100Oe以上
の大きな交換結合磁界を得ることが可能となる。
【0024】本発明の磁気抵抗効果素子は、上記した本
発明の交換結合膜、或いは本発明の交換結合膜の製造方
法によって製造された交換結合膜を備え、上記交換結合
膜における強磁性体膜に隣接して金属非磁性層が形成さ
れると共に、上記金属非磁性層に隣接して磁化の方向が
自由に回転する第2の強磁性体膜が形成されており、上
記交換結合膜における強磁性体膜と上記第2の強磁性体
膜との磁化の向きのなす角度によって磁気抵抗効果を持
つことを特徴としている。
【0025】上記のような磁気抵抗効果素子では、交換
結合膜として、従来より大きな交換結合磁界を発生する
ことが可能であり、しかも、耐蝕性、熱安定性の何れに
も優れた上記の交換結合膜を備えているので、外乱磁界
に安定で、環境による磁気特性の経時変化や温度上昇に
よる磁気特性の劣化の小さい優れたものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。本
実施の形態に係る交換結合膜は、図1に示すように、ガ
ラスまたはSiなどからなる基板1上に、下地膜2を介
して、結晶構造が面心立方構造(fcc)で(111)
面配向した強磁性体膜3と、Pt組成が4〜19原子%
のMnPt合金からなる反強磁性体膜4とが順に積層さ
れた構成を有している。
【0027】上記の強磁性体膜3は、fccをとる強磁
性体を材料とし、これを(111)面配向させることで
成膜されている。fccの最密面は(111)面である
ので、(111)面配向とすることで、この強磁性体膜
3における隣接する反強磁性体膜4との界面は、最も多
くの原子が配列している状態となり、交換結合に寄与す
る磁気モーメントが多くなっている。その結果、交換結
合磁界が高まることとなる。
【0028】この強磁性体膜3の材料としては、上記し
た如く、結晶構造がfccをとる強磁性体であれば特に
限定されるものではないが、NiFe合金や、CoFe
合金等が用いられる。
【0029】上記の反強磁性体膜4は、MnPt合金か
らなり、隣接する上記強磁性体膜3との間に生じる交換
結合磁界により、強磁性体膜3の磁化方向を一方向に固
定するものである。
【0030】そして、この反強磁性体を成すMnPt合
金のPt組成は、磁気抵抗効果素子に適用できる程度の
交換結合磁界を発生するためには、4〜19原子%であ
ることが必要であり、より好ましくは、6〜12原子%
である。
【0031】下地膜2は、fccをとる強磁性体膜3を
成膜する際に、〔111〕方向への配向性を高めるため
に配されるものである。この下地膜2としては、〔11
1〕方向への配向性を高めるものであれば特に限定され
ないが、Taの単層膜やTaを含む積層膜を用いること
ができる。
【0032】また、この下地膜2は、必ずしも必要なも
のではなく、下地膜2を設ける必要がない場合もある。
例えばNiFe合金は、ガラス等の結晶構造に規則性を
持たない基板上に成膜した場合は(111)面配向せ
ず、Si単結晶基板等の結晶構造に規則性を有する基板
上では(111)面配向し易いことが実験的に確認され
ている。このことから、NiFe合金等のfccをとる
強磁性体は、もともと(111)面配向し易いが、ガラ
ス等の結晶構造に規則性を持たない基板上では基板の平
坦性の悪さのために配向性が乱されてしまい、(11
1)面配向しないと考えられる。したがって、平坦性の
悪い基板が基板1として用いられる場合には、Taなど
からなる下地膜2を設けることで成膜面の平坦性を改善
して配向性を改善できる。
【0033】このような構成を有する交換結合膜では、
50Oe以上の交換結合磁界を得ることが可能であるこ
とが確認されている。特に反強磁性体膜4を成すMnP
t合金のPt組成を、6〜12原子%とすることで、1
00Oe以上もの交換結合磁界を得ることも可能である
ことが確認されている。
【0034】また、このような構成を有する交換結合膜
では、ブロッキング温度においても、従来から報告され
ているFeMn合金を反強磁性体膜4に用いた交換結合
膜の150℃よりも高い、200℃紙程度にまで高める
ことができることが確認されている。さらに、100℃
まで昇温した状態での交換結合磁界も、約70Oeと高
く維持できることも確認されており、100℃まで昇温
した状態での交換結合磁界が約25Oeまで低下するN
iOを用いた交換結合膜に比べて熱安定性が高い。
【0035】(実施例1)上記実施の形態1にかかる第
1の実施例を、図1および図3を用いて以下に説明す
る。本実施例では、基板1としてガラス基板(コーニン
グ社製:0211)を用い、1つの成膜装置にて、4×
10-7Torr以下まで排気後、同一真空中で、下地膜
2としてのTa膜、強磁性体膜3としてのNiFe合金
膜、反強磁性体膜4としてのMnPt合金膜を続けて成
膜した。このとき、反強磁性体膜4となるMnPt合金
のPtの組成は、3〜22原子%で変化させることで、
3原子%,4原子%,7原子%、9原子%,11原子
%,14原子%,19原子%,22原子%の8つのサン
プルを得た。
【0036】また、Ta膜、NiFe合金膜、MnPt
合金膜を成膜するときの成膜方法、および成膜条件であ
るが、Ta膜、MnPt合金膜は、DCマグネトロンス
パッタ法にて、Ar圧:5mTorr,Power:6
4mW/cm2 の成膜条件で所定膜厚成膜し、強磁性体
膜3は、RFコンベンショナルスパッタ法にて、Ar
圧:5mTorr,Power:130mW/cm2
基板バイアス:+50Vの成膜条件で所定膜厚成膜し
た。
【0037】上記の8つのサンプルについて磁化容易軸
方向の磁化曲線を測定し、磁化曲線の0磁界からのシフ
ト量を交換結合磁界として求めて得た、交換結合磁界の
Pt濃度依存性を図2に示す。尚、ここではMnPt合
金膜の膜厚は1000Åとした。
【0038】図2に示されるように、交換結合膜は、反
強磁性体膜4であるMnPt合金膜のPt組成が4〜1
9原子%である場合に、50Oe以上の交換結合磁界を
発生し、特に、MnPt合金膜のPt組成が6〜12原
子%である場合には、100Oe以上の非常に大きな交
換結合磁界を発生する。最も大きな交換結合磁界を発生
したのは、MnPt合金膜におけるPt組成が9原子%
である場合で、156Oeであった。
【0039】また、ここでPt組成が3%以上又は22
%以上で交換結合磁界が得られない理由は、以下のよう
に考えられる。即ち、交換結合磁界が発生するために
は、MnPt合金が反強磁性体となる組成であり、か
つ、反強磁性体であっても、ネール温度と称される磁気
変態点が室温以上であることが必要である。反強磁性体
であっても、ネール温度以上では熱擾乱により、反強磁
性が失われてしまう。
【0040】Pt組成10%付近を中心とした組成の場
合、ネール温度が室温以上であるためには、少なくとも
γMnと呼ばれる結晶相が形成されている必要があり、
さらにγMn相であっても、Pt組成によりネール温度
が室温以下になる可能性がある。
【0041】したがって、Pt組成3%以下では、Mn
Pt合金の状態図(図示しない)上でγMn相が得られ
る組成範囲の限界領域にあることによって、γMn相が
不安定になっているため交換結合磁界が得られないと考
えられる。また、Pt組成22%以上では、MnPt合
金のネール温度がPt組成の増加で低下する傾向にある
ことから室温で反強磁性がなくなっているため交換結合
磁界が得られないと考えられる。
【0042】次いで、最も高い交換結合磁界が得られた
Pt組成9原子%のMnPt合金膜を用いたサンプルに
おける、交換結合磁界の温度依存性を調べた。その結果
を図3に示す。この図より、交換結合磁界は約200℃
で消滅しており、このサンプルのブロッキング温度は約
200℃であることがわかる。そして、100℃まで昇
温した場合でも交換結合磁界は約70Oeもの大きな値
であることが確認できた。
【0043】従来から報告されているFeMn合金とN
iOを反強磁性体膜4として用いた場合、100℃でも
交換結合磁界は25Oeにまで低下することを考える
と、非常に高い熱的安定性を示すことが確認できる。
【0044】(実施例2)上記実施の形態にかかる第2
の実施例を、図1、図4ないし図9を用いて以下に説明
する。本実施例では、基板1として、ガラス基板(コー
ニング社製:0211)にTa膜を積層したTa膜/ガ
ラス基板と、Si単結晶基板とを用い、前述の実施例1
と同じ方法で、強磁性体膜3であるNiFe合金、反強
磁性体膜4であるMnPt合金を順に成膜した。このと
き、MnPt合金のPt組成は、実施例1で最も高い交
換結合磁界が得られた9原子%とした。また、比較のた
めに、Ta膜を設けず、ガラス基板上に直接NiFe合
金とMnPt合金とを順に積層したサンプルも作製し
た。
【0045】ここで、Ta膜/ガラス基板を用いたサン
プルは、実施例1におけるガラス基板にTa膜を成膜す
る方法と同じ方法で、Ta膜の成膜、NiFe合金膜の
成膜、MnPt合金膜の成膜を同一成膜装置で、同一真
空中で連続して行った。各薄膜の成膜方法、成膜条件等
は、実施例1の場合に同じである。
【0046】また、Ta膜を積層しないガラス基板のみ
を用いた比較のためのサンプル、およびSi単結晶基板
を用いたサンプルは、出発がガラス基板であるかSi単
結晶基板であるかの違いがあるだけで、実施例1におけ
るガラス基板上にTa膜を成膜する工程のみを省略し、
NiFe合金膜の成膜、MnPt合金膜の成膜を同一成
膜装置で、同一真空中で連続して行った。各薄膜の成膜
方法、成膜条件等は、実施例1の場合に同じである。
【0047】このようにして得た3つのサンプルのう
ち、Ta膜/ガラス基板を用いたものをサンプル♯1と
し、Si単結晶基板を用いたサンプル♯2とし、ガラス
基板のみを用いた比較のためのサンプルをサンプル♯3
と称する。
【0048】これら3つの各サンプル♯1〜♯3に対し
て、磁化容易軸方向の磁化を測定した結果を図4〜図6
に示す。図4は、サンプル♯1の磁化曲線であり、図5
は、サンプル♯2の磁化曲線、図6はサンプル♯3の磁
化曲線である。
【0049】図4、図5より、サンプル♯1・♯2で
は、強磁性体膜3であるNiFe合金膜と反強磁性体膜
4であるMnPt合金膜との交換結合によって、磁化曲
線が著しく大きくシフトしていることがわかる。これに
対して、図6に示すサンプル♯3では、磁化曲線に0磁
界からのシフトが殆ど見られない。前述した如く、0磁
界からのシフト量を交換結合磁界(Hex)としてい
る。
【0050】次に、サンプル♯1〜♯3に対して、X線
回折(XRD)を行った。サンプル♯1のチャートを図
7に、サンプル♯2のチャートを図8に、サンプル♯3
のチャートを図9に示す。
【0051】図7、図8より、サンプル♯1・♯2で
は、NiFe合金の(111)ピークが現れ、強磁性体
膜3であるNiFe合金膜が(111)面配向している
ことがわかる。これに対し、図9に示すサンプル♯3で
は、MnPt合金の弱い(111)ピークが見られるの
みで、NiFe合金の(111)ピークは見られず、N
iFe合金膜は(111)面配向しておらず、NiFe
合金の配向性が著しく劣化していることがわかる。上記
の結果を表1にまとめて示す。なお、X線回折の結果
は、回折線のロッキングカーブの半値幅を示す。
【0052】
【表1】
【0053】以上の測定の結果では、(111)面配向
したNiFe合金膜上に積層したMnPt合金膜が大き
な交換結合磁界を示している。このことからNiFe合
金の配向と交換結合磁界との間に相関があることがわか
る。
【0054】また、同じガラス基板を用いた場合でも、
NiFe合金膜を成膜する面にTa膜を形成したサンプ
ル♯1とTa膜を設けないサンプル♯3とでは、NiF
e合金の配向性が大きく異なり、このことから、ガラス
基板のように、成膜面の平坦性に劣り、NiFe合金の
配向性が低い基板の場合でも、Ta膜を下地に形成しこ
のTa膜上にNiFe合金膜を成膜することで、成膜面
の平坦性を改善し、NiFe合金の配向性が向上し、交
換結合磁界が増大していることがわかる。
【0055】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
を、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前述の実施の形態1にて示した部材
と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、
その説明を省略する。
【0056】本実施の形態にかかる磁気抵抗効果素子
は、前述の実施の形態1にて述べた交換結合膜の構成を
採用したスピンバルブ構造の磁気抵抗効果素子である。
つまり、基板1上に、下地膜2を介して磁化の方向が自
由に回転する第1の磁性層となる第2の強磁性体膜11
と金属非磁性膜(金属非磁性層)12とを順に形成し、
この上に、上記交換結合膜の強磁性体膜3を磁化の方向
が一方向に固定される第2の磁性層として形成し、この
上に反強磁性体膜4を成膜し、最後に保護膜13を成膜
することで形成されている。
【0057】ここで、上記強磁性体膜3は、下地膜2上
に金属非磁性膜12を介して形成されているが、この金
属非磁性膜12が下地膜2による平坦性を劣化させる程
度にまで厚く形成されることはないので、金属非磁性膜
12の表面の平坦性も十分に高く、強磁性体膜3の〔1
11〕方向への配向性を低下させるものではない。
【0058】上記の構成において、第2の強磁性体膜1
1と、反強磁性体膜4に隣接した強磁性体膜3との磁化
の向きのなす角度によって磁気抵抗効果が持つ磁気抵抗
効果素子を得ることができる。そして、このような磁気
抵抗効果素子では、強磁性体膜3と反強磁性体膜4との
交換結合が大きいので、外乱磁界に安定であり、かつ、
交換結合膜が耐蝕性、熱安定性に優れているので、環境
による磁気特性の経時変化や温度上昇による磁気特性の
劣化の小さい優れたものである。
【0059】(実施例3)上記実施の形態2にかかる第
1の実施例を、図10を用いて以下に説明する。本実施
例では、基板1としてガラス基板(コーニング社製:0
211)を用い、1つの成膜装置にて、4×10-7To
rr以下まで排気後、同一真空中で、下地膜2としての
Ta膜、第2の反強磁性体膜11としてのNiFe合金
膜、金属非磁性膜12としてのCu膜、強磁性体膜3と
してのNiFe合金膜、反強磁性体膜4としてのMnP
t合金膜、および保護膜13としてのTa膜を続けて成
膜した。このとき、反強磁性体膜4となるMnPt合金
のPtの組成は、最も高い交換結合磁界が得られた9原
子%のMnPt合金を反強磁性体膜4として用いて、磁
気抵抗効果素子を製造した。
【0060】各薄膜の膜厚であるが、下地膜2としての
Ta膜は50Å、保護膜13としてのTa膜は200
Å、NiFe合金膜は2膜とも100Å、Cu膜は20
Å、MnPt合金膜は200Åとした。
【0061】また、Ta膜、NiFe合金膜、MnPt
合金膜を成膜するときの成膜方法、並びに成膜条件であ
るが、Ta膜、MnPt合金膜は、DCマグネトロンス
パッタ法にて、Ar圧:5mTorr,Power:6
4mW/cm2 の成膜条件で所定膜厚成膜し、強磁性体
膜3は、RFコンベンショナルスパッタ法にて、Ar
圧:5mTorr,Power:130mW/cm2
基板バイアス:+50Vの成膜条件で所定膜厚成膜し
た。
【0062】このようにして得られた磁気抵抗効果素子
に外部磁界を印加して、磁気抵抗効果を測定したとこ
ろ、抵抗変化率4.5%,磁界感度0.7%/Oeの良
好な値を得た。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の交換結合膜は、反強磁性体膜がPt組成4〜19原子
%のMnPt合金からなり、強磁性体膜が面心立方構造
で(111)面配向している構成である。
【0064】本発明の請求項3に記載の交換結合膜は、
請求項1の構成において、強磁性体膜がNiFe合金か
らなる構成である。
【0065】これにより、従来より大きな交換結合磁界
を発生することが可能であり、しかも、耐蝕性、熱安定
性の何れにも優れた交換結合膜を得ることができる。ま
た、高価なPtの含有量が少ないので、コスト的にも優
れている。
【0066】その結果、このような交換結合膜を用いて
磁気抵抗効果素子等の磁気デバイスを構成することで、
外乱磁界に安定で、環境による磁気特性の経時変化や温
度上昇による磁気特性の劣化の小さい優れた磁気デバイ
スを得ることができるという効果を奏する。
【0067】本発明の請求項2に記載の交換結合膜は、
請求項1の構成において、反強磁性体膜がPt組成6〜
12原子%のMnPt合金からなる構成である。
【0068】これにより、100Oe以上ものさらに大
きな交換結合磁界を得ることが可能となる。その結果、
このような交換結合膜を用いて磁気抵抗効果素子等の磁
気デバイスを構成することで、より外乱磁界に安定で、
環境による磁気特性の経時変化や温度上昇による磁気特
性の劣化の小さいさらに優れた磁気デバイスを得ること
ができるという効果を奏する。
【0069】本発明の請求項4に記載の交換結合膜の製
造方法は、強磁性体膜の材料として面心立方構造をとる
強磁性体を選択し、該強磁性体膜を成膜する前に、該強
磁性体膜の〔111〕方向への配向性を高めるための下
地膜を形成し、該下地膜上に該強磁性体を(111)面
配向させて成膜し、その後、反強磁性体膜となるPt組
成4〜19原子%のMnPt合金を成膜するものであ
る。
【0070】本発明の請求項5に記載の交換結合膜の製
造方法は、請求項4の方法において、下地膜がTaであ
るものである。
【0071】これにより、従来より大きな交換結合磁界
を発生することが可能であり、しかも、耐蝕性、熱安定
性の何れにも優れた請求項1に記載の交換結合膜を、特
別な基板等を用いることなく、簡単に得ることができる
という効果を奏する。
【0072】本発明の請求項6に記載の磁気抵抗効果素
子は、請求項1ないし3の何れかに記載の交換結合膜、
或いは請求項4又は5に記載の交換結合膜の製造方法に
よって製造された交換結合膜を備え、上記交換結合膜に
おける強磁性体膜に隣接して金属非磁性層が形成される
と共に、上記金属非磁性層に隣接して磁化の方向が自由
に回転する第2の強磁性体膜が形成されており、上記交
換結合膜における強磁性体膜と上記第2の強磁性体膜と
の磁化の向きのなす角度によって磁気抵抗効果を持つ構
成である。
【0073】これにより、交換結合膜として、従来より
大きな交換結合磁界を発生することが可能であり、しか
も、耐蝕性、熱安定性の何れにも優れた上記の交換結合
膜を備えているので、外乱磁界に安定で、環境による磁
気特性の経時変化や温度上昇による磁気特性の劣化の小
さい優れた信頼性の高い磁気抵抗効果素子が得られると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態における、交換
結合膜の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる1実施例における、
MnPt合金からなる反強磁性体膜を用いた上記交換結
合膜の交換結合磁界のPt組成比依存性を表すグラフで
ある。
【図3】第1の実施の形態にかかる1実施例における、
上記交換結合膜の1サンプルの交換結合磁界の温度依存
性を表すグラフである。
【図4】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
サンプル♯1の交換結合膜の磁化曲線を表す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
サンプル♯2の交換結合膜の磁化曲線を表す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
比較例のサンプル♯3の交換結合膜の磁化曲線を表す図
である。
【図7】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
サンプル♯1の交換結合膜のX線回折の結果を表す図で
ある。
【図8】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
サンプル♯2の交換結合膜のX線回折の結果を表す図で
ある。
【図9】第1の実施の形態に係る他の実施例における、
比較例のサンプル♯3の交換結合膜のX線回折の結果を
表す図である。
【図10】本発明に係る第2の実施の形態における、交
換結合膜を備えた磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地膜 3 強磁性体膜 4 反強磁性体膜 11 第2の強磁性体膜 12 金属非磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉良 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中林 敬哉 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体膜と、該強磁性体膜に隣接して形
    成された反強磁性体膜とを備え、これら強磁性体膜と反
    強磁性体膜との交換結合により該強磁性体膜に交換結合
    磁界を与える交換結合膜において、 上記反強磁性体膜がPt組成4〜19原子%のMnPt
    合金からなり、 上記強磁性体膜が面心立方構造で(111)面配向して
    いることを特徴とする交換結合膜。
  2. 【請求項2】上記反強磁性体膜がPt組成6〜12原子
    %のMnPt合金からなることを特徴とする請求項1記
    載の交換結合膜。
  3. 【請求項3】上記強磁性体膜がNiFe合金からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の交換結合膜。
  4. 【請求項4】強磁性体膜と、該強磁性体膜に隣接して形
    成された反強磁性体膜とを備え、これら強磁性体膜と反
    強磁性体膜との交換結合により該強磁性体膜に交換結合
    磁界を与える交換結合膜の製造方法において、 強磁性体膜の材料として面心立方構造をとる強磁性体を
    選択し、該強磁性体膜を成膜する前に、該強磁性体膜の
    〔111〕方向への配向性を高めるための下地膜を形成
    し、該下地膜上に該強磁性体を(111)面配向させて
    成膜し、その後、反強磁性体膜となるPt組成4〜19
    原子%のMnPt合金を成膜することを特徴とする交換
    結合膜の製造方法。
  5. 【請求項5】上記下地膜がTaであることを特徴とする
    請求項4に記載の交換結合膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3の何れかに記載の交換結
    合膜、或いは請求項4又は5に記載の交換結合膜の製造
    方法によって製造された交換結合膜を備え、 上記交換結合膜における強磁性体膜に隣接して金属非磁
    性層が形成されると共に、上記金属非磁性層に隣接して
    磁化の方向が自由に回転する第2の強磁性体膜が形成さ
    れており、 上記交換結合膜における強磁性体膜と上記第2の強磁性
    体膜との磁化の向きのなす角度によって磁気抵抗効果を
    持つことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
JP9059680A 1997-03-13 1997-03-13 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子 Pending JPH10256038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9059680A JPH10256038A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9059680A JPH10256038A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10256038A true JPH10256038A (ja) 1998-09-25

Family

ID=13120170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9059680A Pending JPH10256038A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10256038A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103904211A (zh) * 2014-04-15 2014-07-02 清华大学 一种基于垂直交换耦合的磁场探测器及其制备和使用方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0888118A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Toshiba Corp 交換結合膜および磁気抵抗効果素子
JPH08315326A (ja) * 1995-03-13 1996-11-29 Toshiba Corp 磁気抵抗効果ヘッド
JPH0935212A (ja) * 1995-07-19 1997-02-07 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0888118A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Toshiba Corp 交換結合膜および磁気抵抗効果素子
JPH08315326A (ja) * 1995-03-13 1996-11-29 Toshiba Corp 磁気抵抗効果ヘッド
JPH0935212A (ja) * 1995-07-19 1997-02-07 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103904211A (zh) * 2014-04-15 2014-07-02 清华大学 一种基于垂直交换耦合的磁场探测器及其制备和使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6340520B1 (en) Giant magnetoresistive material film, method of producing the same magnetic head using the same
EP0681338B1 (en) Magnetoresistance effect device and magnetoresistance effect type head, memory device, and amplifying device using the same
JP2738312B2 (ja) 磁気抵抗効果膜およびその製造方法
JP2962415B2 (ja) 交換結合膜
JPH11134620A (ja) 強磁性トンネル接合素子センサ及びその製造方法
JP3219713B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JPH10198927A (ja) 磁気抵抗効果膜およびその製造方法
JPH10188235A (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法
JP2001217482A (ja) 磁気センサ及びそれを使用する磁気記憶装置
JP2924819B2 (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法
JP3247535B2 (ja) 磁気抵抗効果素子
JP2002280641A (ja) 交換結合膜及び前記交換結合膜を用いた磁気検出素子
JP3488652B2 (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法並びにそれを用いた磁気ヘッド
JP3242279B2 (ja) 巨大磁気抵抗材料膜および磁気抵抗材料膜の磁化の調整方法
JP2000068569A (ja) 交換結合膜およびそれを用いた磁気抵抗効果素子
JPH10256038A (ja) 交換結合膜およびその製造方法並びに磁気抵抗効果素子
JP3071781B2 (ja) 交換結合膜、前記交換結合膜を用いた磁気抵抗効果素子、ならびに、前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JPH10214716A (ja) 交換結合膜およびその製造方法並びにそれを用いた磁気抵抗効果素子
JP2000216020A (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法
JP3274449B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、ならびに、前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JPH11329882A (ja) 交換結合膜の製造方法および磁気抵抗効果素子
JP3255901B2 (ja) 交換結合膜の製造方法
JP3048572B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、ならびに、前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JP3057083B2 (ja) 交換結合膜と、この交換結合膜を用いた磁気抵抗効果素子、ならびに、前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JP3274440B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、ならびに、前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040406