JP2000216020A - 磁気抵抗効果膜及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果膜及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗変化率を低下させることなく、交換バイ
アス磁界が大きく、温度特性に優れた固定磁化層/反強
磁性体層からなる交換結合膜を備えた磁気抵抗効果膜お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る磁気抵抗効果膜は、自由磁
化層、非磁性体層、固定磁化層及び反強磁性体層から構
成され、前記固定磁化層の磁化方向は前記反強磁性体層
との交換結合により固定され、前記自由磁化層の磁化方
向は外部磁場に対して自由に回転し、該自由磁化層と該
固定磁化層における磁化の向きのなす角度によって磁気
抵抗効果を生ずる磁気抵抗効果膜において、前記反強磁
性体層の結晶粒径が、自由磁化層、非磁性体層及び少な
くとも固定磁化層の一部の結晶粒径より大きいことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果膜及
びその製造方法に係る。より詳細には、特定の積層界面
における平坦性を改善することにより、高い抵抗変化率
及び交換バイアスと、優れた温度特性とを兼ね備えた磁
気抵抗効果膜及びその製造方法に関する。特に、本発明
は磁気ディスク装置等に利用される再生用磁気ヘッドに
好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体及び磁気ヘッド
から構成される磁気記録装置では、記録密度の向上に伴
い、磁気ヘッドのさらなる高性能化が求められている。
このような高記録密度化に対応するため、現在の磁気ヘ
ッドは、媒体に情報を記録する際に用いる記録ヘッド、
及び、媒体に記録された情報を再生する際に用いる再生
ヘッド、に機能分離した2つのヘッド構成からなってい
る。そして、記録ヘッドには、媒体の高保磁力化に伴
い、飽和磁束密度の大きな材料が要求されている。一
方、再生ヘッドには、媒体の小型化に伴う相対速度の低
下に対応するため、従来の誘導型ヘッドに代えて、磁気
抵抗効果を利用したいわゆるMRヘッドを用いることで
再生出力の増加が図られている。
【0003】近年、さらに大きな磁気抵抗変化率を示す
伝導電子のスピン依存散乱を利用した巨大磁気抵抗効果
膜(GMR膜)が開発され、それを用いたGMRヘッド
の一つとして、スピンバルブ型の構造を用いたヘッドが
提案されている。その一例としては、特開平4−358
310号公報に開示された技術が挙げられる。
【0004】図4は、スピンバルブ型の構造からなる磁
気抵抗効果素子の基本原理を説明する概略的な分解斜視
図である。図4に示すように、スピンバルブ型構造は、
基本的に強磁性体からなる自由磁化層41、非磁性体層
42、強磁性体からなる固定磁化層43、反強磁性体層
44の4層から構成され、交換相互作用が働かない程度
に厚い膜厚の非磁性体層42を挟んで2つの強磁性体層
41、43が配置された構造となっている。反強磁性体
層44と接する強磁性体層43は、反強磁性体層44と
の交換結合を利用することで磁化が一方向に固定されて
おり、固定磁化層と呼ばれる。これに対して、非磁性体
層42の下に位置する強磁性体層41の磁化は外部磁界
に対して自由に回転することができるので、自由磁化層
と呼ばれる。このような構造において、外部磁場を固定
磁化層43の磁化と同じ方向に印加したときには2つの
強磁性体層41、43の磁化は平行に、外部磁場を固定
磁化層43の磁化と逆方向に印加したときには2つの強
磁性体層41、43の磁化は反平行になり、2層の磁化
のなす角の余弦に依存した磁気抵抗効果を得ることがで
きる。上述したスピンバルブ型の構造では、2つの強磁
性体層41、43の間には反強磁性結合を用いず、磁性
層厚を厚くすることが可能なため、NiFe合金などの
ソフト性の高い材料を用いることで感度の向上を図れる
ので、最も実用的な構造と言える。
【0005】図5はスピンバルブ型の構造からなる磁気
抵抗効果膜の磁気抵抗効果曲線を示すグラフであり、図
6は固定磁化層および反強磁性体層からなる交換結合膜
の磁気特性を示すグラフである。図6の中に示した固定
磁化層が反強磁性体層からうける交換バイアス磁界Hex
は、固定磁化層の保磁力に比べて十分大きな値をもつこ
とが必要とされる。
【0006】また、前記交換結合膜の交換バイアス磁界
は温度上昇とともに減少し、ある温度(ブロッキング温
度)以上では交換結合磁界は得られなくなる。前記磁気
抵抗効果膜を磁気ディスク装置用ヘッドに用いた場合、
磁気抵抗効果素子に流しているセンス電流による発熱や
装置温度の上昇のために、磁気抵抗効果膜自体の温度は
100℃以上に上昇する。そのため、前記交換結合膜に
は、交換バイアス磁界Hexが100℃以上の高温でも低
下が少ないことが要求される。
【0007】一般に、交換結合膜の交換バイアス磁界を
大きくする、あるいは温度特性を改善する(すなわち、
高温領域での交換バイアス磁界を増加させる、あるいは
ブロッキング温度を上昇させる)ためには、反強磁性体
層の結晶粒径を大きくすることが効果的であることが知
られている。
【0008】特開平10−4226号公報には、基板上
に、酸化物反強磁性体からなる反強磁性体層、固定磁化
層、非磁性層、自由磁化層の順に積層し、前記酸化物反
強磁性体層の固定磁化層側における表面粗度を0.6n
m以下にするとともに、前記酸化物反強磁性体層の結晶
粒径を10〜40nmとした磁気抵抗効果膜が開示され
ている。同公報に記載された構成によれば、従来の問
題、すなわち、酸化物反強磁性体を反強磁性体層として
用いた揚合、Mn系合金からなる反強磁性体を用いた場
合と比ベて、交換バイアス磁界が小さいという問題は、
反強磁性体層の結晶粒径と固定磁化層側の面粗度を制御
することで改善されることが説明されている。
【0009】しかしながら、反強磁性体層として酸化物
反強磁性体を用いた場合、Mn系合金反強磁性体を用い
た場合と比較すると、交換バイアス磁界はまだ小さく不
十分であった。また、上述した高温領域における交換バ
イアス磁界に関しては記述がないため、技術的に不明な
状態にあった。さらに、反強磁性体層として酸化物反強
磁性体を用いた場合、Mn系合金反強磁性体を用いた場
合と比較すると、磁気抵抗効果膜としての抵抗変化率も
小さく、改善が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題を解決するために考案されたものであり、抵抗変化率
を低下させることなく、交換バイアス磁界が大きく、温
度特性に優れた固定磁化層/反強磁性体層からなる交換
結合膜を備えた磁気抵抗効果膜およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、自由磁化層、非磁性体層及び固定磁化
層の一部の結晶粒径と、反強磁性体層の結晶粒径とをそ
れぞれ所定の大きさに設定することによって、抵抗変化
率が大きく、交換結合膜の交換バイアス磁界が大きく、
温度特性に優れた磁気抵抗効果膜が得られること、及び
前記磁気抵抗効果膜の製造方法を見出した。すなわち、
本発明に係る磁気抵抗効果膜は、自由磁化層、非磁性体
層、固定磁化層及び反強磁性体層から構成され、前記固
定磁化層の磁化方向は前記反強磁性体層との交換結合に
より固定され、前記自由磁化層の磁化方向は外部磁場に
対して自由に回転し、該自由磁化層と該固定磁化層にお
ける磁化の向きのなす角度によって磁気抵抗効果を生ず
る磁気抵抗効果膜において、前記反強磁性体層の結晶粒
径が、自由磁化層、非磁性体層及び少なくとも固定磁化
層の一部の結晶粒径より大きいことを特徴とする。
【0012】上記特徴を備えた磁気抵抗効果膜の具体的
な形態としては、以下に示す3通りが挙げられる。
【0013】第一には、基板上又は下地層が載置された
基板上に、前記反強磁性体層、前記固定磁化層、前記非
磁性体層及び前記自由磁化層が順に積層して配され、該
固定磁化層が強磁性体膜aの単層からなる形態である。
【0014】第二には、基板上又は下地層が載置された
基板上に、前記反強磁性体層、前記固定磁化層、前記非
磁性体層及び前記自由磁化層が順に積層して配され、該
固定磁化層が強磁性体膜bとその上に形成された強磁性
体膜cの2層からなる形態である。
【0015】第三には、基板上又は下地層が載置された
基板上に、前記自由磁化層、前記非磁性体層、前記固定
磁化層及び前記反強磁性体層が順に積層して配され、該
固定磁化層が強磁性体膜dとその上に形成された強磁性
体膜eの2層からなる形態である。
【0016】上記形態における反強磁性体層としては、
NiMn、IrMn、RuMn、PtMnから選択され
る合金が好ましい。また、上記形態における反強磁性体
層は結晶粒径が20nm以上であり、かつ、自由磁化
層、非磁性体層及び少なくとも固定磁化層の一部は結晶
粒径が10nm以下あるいは非晶質とすることが望まし
い。さらに、上記形態では、自由磁化層及び固定磁化層
の少なくとも一部としてNiFe合金が好適に用いられ
る。
【0017】本発明に係る第一乃至第三の磁気抵抗効果
膜の製造方法は、以下の通りである。
【0018】第一の方法は、基板上又は下地層が載置さ
れた基板上に、反強磁性体層、固定磁化層、非磁性体層
及び自由磁化層が順に積層して配され、前記固定磁化層
が強磁性体膜aの単層からなる磁気抵抗効果膜の製造方
法であり、成膜空間内に基板あるいは下地層が載置され
た基板を配し、該成膜空間をArに対する不純物分圧が
1×10-10Torr以下である成膜雰囲気とした後、
該成膜空間にArガスを導入し、スパッタリング法によ
り該基板上あるいは該下地層上に前記反強磁性体層を形
成する工程と、前記反強磁性体層の形成を終えた前記成
膜空間にAr以外のガスを導入し、その後、再び該成膜
空間をArに対する不純物分圧が1×10-10Torr
以下である成膜雰囲気としてから、該成膜空間にArガ
スを導入し、スパッタリング法により前記反強磁性体層
上に、前記強磁性体膜aの単層からなる固定磁化層、前
記非磁性体層及び前記自由磁化層を順に積層して形成す
る工程と、を有することを特徴とする。
【0019】第二の方法は、基板上又は下地層が載置さ
れた基板上に、反強磁性体層、固定磁化層、非磁性体層
及び自由磁化層が順に積層して配され、前記固定磁化層
が強磁性体膜bとその上に形成された強磁性体膜cの2
層からなる磁気抵抗効果膜の製造方法であり、成膜空間
内に基板あるいは下地層が載置された基板を配し、該成
膜空間をArに対する不純物分圧が1×10-10Tor
r以下である成膜雰囲気とした後、該成膜空間にArガ
スを導入し、スパッタリング法により該基板上あるいは
該下地層上に、前記反強磁性体層及び前記強磁性体膜b
からなる固定磁化層を順に積層して形成する工程と、前
記強磁性体膜bからなる固定磁化層の形成を終えた前記
成膜空間に、ArとAr以外のガスからなる混合ガスを
導入し、スパッタリング法により前記強磁性体膜bから
なる固定磁化層上に、前記強磁性体膜cからなる固定磁
化層、前記非磁性体層及び前記自由磁化層を順に積層し
て形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0020】第三の方法は、基板上又は下地層が載置さ
れた基板上に、自由磁化層、非磁性体層、固定磁化層及
び反強磁性体層が順に積層して配され、前記固定磁化層
が強磁性体膜dとその上に形成された強磁性体膜eの2
層からなる磁気抵抗効果膜の製造方法であり、成膜空間
内に基板あるいは下地層が載置された基板を配し、該成
膜空間をArに対する不純物分圧が1×10-9Torr
以上である成膜雰囲気とした後、該成膜空間にArガス
を導入し、スパッタリング法により該基板上あるいは該
下地層上に前記自由磁化層、前記非磁性体層及び前記強
磁性体膜dからなる固定磁化層を順に積層して形成する
工程と、前記強磁性体膜dからなる固定磁化層の形成を
終えた前記成膜空間をArに対する不純物分圧が1×1
-10Torr以下である成膜雰囲気とした後、該成膜
空間にArガスを導入し、スパッタリング法により前記
強磁性体膜dからなる固定磁化層上に、前記強磁性体膜
eからなる固定磁化層及び前記反強磁性体層を順に積層
して形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る磁気抵抗効
果膜及びその製造方法の実施形態を実施例に基づいて説
明する。
【0022】(実施例1)本例では、本発明に係る第二
の方法を、図1に示す構成の磁気抵抗効果膜に適用した
場合について説明する。
【0023】図1は、本発明に係る磁気抵抗効果膜の一
例を示す模式的な断面図であり、ガラス又はSi等から
なる基板11上に、下地層12、反強磁性体層13、第
一の固定磁化層(強磁性体膜b)14、第二の固定磁化
層(強磁性体膜c)15、非磁性体層16、自由磁化層
17が順に積層された構造である。本例では、基板11
としてSiを、下地層12としてTaを、反強磁性体層
13にはPtMn合金を、第1の固定磁化層14および
第2の固定磁化層15にはNiFe合金を、非磁性体層
16にはCuを、自由磁化層17にはNiFe合金を用
いた。
【0024】以下に、上記構成からなる磁気抵抗効果膜
の製造方法について述べる。 (1−1)Siからなる基板11を、一つ成膜空間を有
するスパッタ装置(不図示)内に配置し、該成膜空間内
を5×10-11Torrの真空度まで排気した後、同一
の成膜空間内において、基板11上に下地層12、反強
磁性層13及び第1の固定磁化層(強磁性体膜b)14
を順に積層形成させた。
【0025】まず、下地層12としてはTaをDCマグ
ネトロンスパッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ2n
m成膜した。次に、反強磁性層13としてはPtMn合
金をDCマグネトロンスパッタ法で、Ar圧5mTor
rで厚さ20nm成膜した。その際、PtMn合金の組
成は48at%Ptとした。さらに、第一の固定磁化層
(強磁性体膜b)14としてはNiFe合金をRFコン
ベンショナルスパッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ
1nm成膜する。その際、一方向に約70Oeの磁場を
印加しながら成膜を行った。なお、ここまでの成膜は、
スパッタガスとして不純物濃度が1ppb以下のArガ
スを用い、スパッタ時の不純物分圧は、残留ガスを含め
て約5.5×10-11Torr以下とした。
【0026】(1−2)次いで、前記第一の固定磁化層
(強磁性体膜b)14の上に、第二の固定磁化層(強磁
性体膜c)15、非磁性体層16及び自由磁化層17を
順に積層形成させた。その際、スパッタガスとしてAr
に若干の空気を混合し、不純物濃度が100ppm程度
としたArガスを用いた。また、スパッタ時の不純物分
圧は、残留ガスを含めて約5×10-7Torrとした。
【0027】まず、第二の固定磁化層(強磁性体膜c)
15としてはNiFeをRFコンベンショナルスパッタ
法で、Ar圧5mTorrで厚さ4nm成膜した。その
際、第一の固定磁化層14成膜時と同じ方向に約70O
eの磁場を印加しながら成膜を行った。次に、非磁性体
層16としてはCuをDCマグネトロンスパッタ法で、
Ar圧5mTorrで厚さ2.2nm成膜した。さら
に、自由磁化層17としてはNiFeをRFコンベンシ
ョナルスパッタ法で、厚さ10nm成膜した。その際、
第一及び第二の固定磁化層14、15成膜時に磁場を印
加した方向と直交する方向に約70Oeの磁場を印加し
ながら成膜を行った。
【0028】(1−3)その後、反強磁性体層13であ
るPtMn合金を規則化させるために、第一及び第二の
固定磁化層14、15成膜時に磁場を印加した方向と同
じ方向に約300Oeの磁場を印加しながら、250
℃、6時間の熱処理を行った。
【0029】以上の工程(1−1)〜(1−3)によ
り、本例に係る磁気抵抗効果膜(サンプル#1と呼称す
る)を作製した。
【0030】比較のために、サンプル#1と同じ構造
で、全ての層を、スパッタガスとして不純物濃度が10
0ppm程度のArガスを用い、磁気抵抗効果膜(比較
サンプル#1と呼称する)を作製した。
【0031】また、比較のために、サンプル#1と同じ
構造で、全ての層を、スパッタガスとして不純物濃度が
1ppb以下のArガスを用い、磁気抵抗効果膜(比較
サンプル#2と呼称する)を作製した。
【0032】表1は、上記3つの磁気抵抗効果膜に対し
て、交換バイアス磁界と抵抗変化率を測定した結果であ
る。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、これらの磁気抵抗効果膜の交換
バイアス磁界の大きさは、 サンプル#1=比較サンプル#2>比較サンプル#1 となることが明らかとなった。この大小関係は、交換バ
イアス磁界を測定する際の温度が室温でも100℃でも
同様であることが分かった。従って、本発明者は、反強
磁性体層を作製する際の不純物濃度が小さいほうが、結
晶粒径が大きくなることに起因していると考えた。
【0035】また表1より、これらの磁気抵抗効果膜の
抵抗変化率の大きさは、 サンプル#1=比較サンプル#1>比較サンプル#2 となることが分かった。比較サンプル#2は、本発明の
磁気抵抗効果膜(サンプル#1)と同等の交換バイアス
磁界が得られているにもかかわらず抵抗変化率は低下し
ていた。比較サンプル#2の結果は、Mn系合金からな
る反強磁性体の結晶粒径を大きくした揚合、結晶粒径を
大きくすることによって反強磁性体の固定磁化層側表面
の面粗度が粗くなってしまい、そのため、反強磁性体
層、固定磁化層、非磁性体層、自由磁化層の順に形成す
るとき、固定磁化層/非磁性体層/自由磁化層の積層界
面の平坦性が悪くなるため磁気抵抗効果膜の抵抗変化率
が低下したことを示す。これに対し、本発明に係る磁気
抵抗効果膜(サンプル#1)では、第一の固定磁化層
(強磁性体膜b)14までは結晶粒径は大きいが、第二
の固定磁化層(強磁性体膜c)15からは結晶粒径は小
さく、大きくなった面粗度を平坦化する効果があるた
め、第二の固定磁化層15/非磁性体層16/自由磁化
層17の積層界面の平坦性が良好となった。その結果、
サンプル#1は、交換バイアス磁界及び抵抗変化率が両
方とも高くなったと本発明者は考察した。
【0036】本発明に係る磁気抵抗効果膜(サンプル#
1)について、成膜時の成膜雰囲気の不純物濃度を変化
させて同じ構成の磁気抵抗効果膜を作製した場合、反強
磁性体層13成膜時の成膜雰囲気の不純物濃度が1×1
-10Torr以下、第二の固定磁化層15、非磁性体
層16及び自由磁化層17成膜時の成膜雰囲気の不純物
濃度が1×10-8Torr以上で同様の効果が得られる
ことが確認された。また、この効果が得られる場合は、
反強磁性体層13の結晶粒径が20nm以上であり、第
二の固定磁化層15、非磁性体層16及び自由磁化層1
7の結晶粒径が10nm以下であることが判明した。さ
らに、第二の固定磁化層15、非磁性体16層及び自由
磁化層17として、非晶質からなる材料を用いても同様
の効果が認められた。
【0037】本例では、反強磁性体層13としてMnP
t合金を用いた場合を示したが、MnPt合金に代えて
NiMn、IrMn、RuMn等の合金を用いても、上
述した本発明の効果は得られた。
【0038】(実施例2)本例では、本発明に係る第一
の方法を、図2に示す構成の磁気抵抗効果膜に適用した
場合について説明する。
【0039】図2は、本発明に係る磁気抵抗効果膜の他
の一例を示す模式的な断面図であり、ガラス又はSi等
からなる基板21上に、下地層22、反強磁性体層2
3、固定磁化層24、非磁性体層25、自由磁化層26
が順に積層された構造である。本例では、基板21とし
てSiを、下地層22としてTaを、反強磁性体層23
にはPtMn合金を、固定磁化層(強磁性体膜aの単
層)24にはNiFe合金を、非磁性体層25にはCu
を、自由磁化層26にはNiFe合金を用いた。
【0040】以下に、上記構成からなる磁気抵抗効果膜
の製造方法について述べる。
【0041】(2−1)Siからなる基板21を、一つ
成膜空間を有するスパッタ装置(不図示)内に配置し、
該成膜空間内を5×10-11Torrの真空度まで排気
した後、同一の成膜空間内において、基板21上に下地
層22及び反強磁性層23を順に積層形成させた。
【0042】まず、下地層22としてはTaをDCマグ
ネトロンスパッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ2n
m成膜した。次に、反強磁性層23としてはPtMn合
金をDCマグネトロンスパッタ法で、Ar圧5mTor
rで厚さ20nm成膜した。その際、PtMn合金の組
成は48at%Ptとした。なお、ここまでの成膜は、
スパッタガスとして不純物濃度が1ppb以下のArガ
スを用い、スパッタ時の不純物分圧は、残留ガスを含め
て約5.5×10-11Torr以下とした。
【0043】(2−2)その後、成膜を中断し、Arに
若干の空気を混合し、不純物濃度が100ppm程度と
したArガスを成膜空間内に導入し、反強磁性体層23
の表面を、該Arに若干の空気を加えたArガスに曝露
した。
【0044】(2−3)次に、再び成膜空間内を5×1
-11Torrの真空度まで排気した後、前記反強磁性
層23の上に、固定磁化層(強磁性体膜a)24、非磁
性体層25及び自由磁化層26を順に積層形成させた。
その際、スパッタガスとして、不純物濃度が1ppb以
下のArガスを用いた。
【0045】まず、固定磁化層(強磁性体膜a)24と
してはNiFe合金をRFコンベンショナルスパッタ法
で、Ar圧5mTorrで厚さ5nm成膜した。その
際、一方向に約70Oeの磁場を印加しながら成膜を行
った。次に、非磁性体層25としてはCuをDCマグネ
トロンスパッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ2.2
nm成膜した。さらに、自由磁化層26としてはNiF
eをRFコンベンショナルスパッタ法で、厚さ10nm
成膜した。その際、固定磁化層24成膜時に磁場を印加
した方向と直交する方向に約70Oeの磁場を印加しな
がら成膜を行った。
【0046】(2−4)その後、反強磁性体層23であ
るPtMn合金を規則化させるために、固定磁化層24
成膜時に磁場を印加した方向と同じ方向に約300Oe
の磁場を印加しながら、250℃、6時間の熱処理を行
った。
【0047】以上の工程(2−1)〜(2−4)によ
り、本例に係る磁気抵抗効果膜(サンプル#2と呼称す
る)を作製した。
【0048】表2は、上記磁気抵抗効果膜に対して、交
換バイアス磁界と抵抗変化率を測定した結果である。比
較のため、表1にも示した比較サンプル#1、#2も表
2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】表2より、これらの磁気抵抗効果膜の交換
バイアス磁界の大きさは、 サンプル#2=比較サンプル#2>比較サンプル#1 となることが明らかとなった。この大小関係は、交換バ
イアス磁界を測定する際の温度が室温でも100℃でも
同様であった。従って、本発明者は、反強磁性体層を作
製する際の不純物濃度が小さいほうが、結晶粒径が大き
くなることに起因していると考えた。
【0051】また表2より、これらの磁気抵抗効果膜の
抵抗変化率の大きさは、 サンプル#2=比較サンプル#1>比較サンプル#2 となることが分かった。比較サンプル#2は、本発明の
磁気抵抗効果膜(サンプル#2)と同等の交換バイアス
磁界が得られているにもかかわらず抵抗変化率は低下し
ていた。比較サンプル#2の結果は、Mn系合金からな
る反強磁性体の結晶粒径を大きくした揚合、結晶粒径を
大きくすることによって反強磁性体の固定磁化層側表面
の面粗度が粗くなってしまい、そのため、反強磁性体
層、固定磁化層、非磁性体層、自由磁化層の順に形成す
るとき、固定磁化層/非磁性体層/自由磁化層の積層界
面の平坦性が悪くなるため磁気抵抗効果膜の抵抗変化率
が低下したことを示す。これに対し、本発明に係る磁気
抵抗効果膜(サンプル#2)では、反強磁性体層23を
成膜した後、不純物ガスを導入したことにより、反強磁
性体層23の表面にガスが吸着した結果、その後成膜す
る固定磁化層24の結晶粒成長を抑制され、固定磁化層
24/非磁性体層25/自由磁化層26の積層界面の平
坦性が良好となった。その結果、サンプル#2は、交換
バイアス磁界及び抵抗変化率が両方とも高くなったと本
発明者は考察した。
【0052】上記効果が得られる場合は、反強磁性体層
23の結晶粒径が20nm以上であり、固定磁化層(強
磁性体膜a)24、非磁性体層25及び自由磁化層26
の結晶粒径が10nm以下であることが判明した。
【0053】本例では、反強磁性体層23成膜後、不純
物濃度の大きいガスを導入し、再び不純物分圧の低い状
態で固定磁化層24/非磁性体層25/自由磁化層26
を成膜しているが、実施例1と同様に、固定磁化層24
/非磁性体層25/自由磁化層26成膜時スパッタガス
の不純物分圧を大きくしておいても同様の効果が得られ
ることが分かった。
【0054】本例では、反強磁性体層23としてMnP
t合金を用いた場合を示したが、MnPt合金に代えて
NiMn、IrMn、RuMn等の合金を用いても、上
述した本発明の効果は得られた。
【0055】(実施例3)本例では、本発明に係る第三
の方法を、図3に示す構成の磁気抵抗効果膜に適用した
場合について説明する。
【0056】図3は、本発明に係る磁気抵抗効果膜の他
の一例を示す模式的な断面図であり、ガラス又はSi等
からなる基板31上に、下地層32、自由磁化層33、
非磁性体層34、第一の固定磁化層(強磁性体膜d)3
5、第二の固定磁化層(強磁性体膜e)36、反強磁性
体層37が順に積層された構造である。本例では、基板
31としてSiを、下地層32としてTaを、自由磁化
層33にはNiFe合金を、非磁性体層34にはCu
を、第一の固定磁化層(強磁性体膜d)35にはCo
を、第二の固定磁化層(強磁性体膜e)36にはNiF
e合金を、反強磁性体層37にはPtMn合金を用い
た。
【0057】以下に、上記構成からなる磁気抵抗効果膜
の製造方法について述べる。
【0058】なお、以下に示す成膜では、スパッタガス
として不純物濃度が1ppb以下のArガスを用いた。 (3−1)Siからなる基板11を、一つ成膜空間を有
するスパッタ装置(不図示)内に配置し、該成膜空間内
を5×10-7Torrの真空度まで排気した後、同一の
成膜空間内において、基板31上に下地層32、自由磁
化層33、非磁性体層34及び第一の固定磁化層(強磁
性体膜d)35を順に積層形成させた。
【0059】まず、下地層32としてはTaをDCマグ
ネトロンスパッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ2n
m成膜した。次に、自由磁化層33としてはNiFeを
RFコンベンショナルスパッタ法で、厚さ10nm成膜
した。その際、一方向に約70Oeの磁場を印加しなが
ら成膜を行った。次に、非磁性体層34としてはCuを
DCマグネトロンスパッタ法で、厚さ2.2nm成膜し
た。さらに、第一の固定磁化層(強磁性体膜d)35と
してはCoをDCマグネトロンスパッタ法で、Ar圧5
mTorrで厚さ1nm成膜した。その際、自由磁化層
33成膜時に磁場を印加した方向と直交する方向に約7
0Oeの磁場を印加しながら成膜を行った。
【0060】(3−2)次に、成膜空間内を5×10
-11Torrの真空度まで排気した後、前記第一の固定
磁化層(強磁性体膜d)35の上に、第二の固定磁化層
(強磁性体膜e)36及び反強磁性体層37を順に積層
形成させた。
【0061】まず、第二の固定磁化層(強磁性体膜e)
36としてはNiFe合金をRFコンベンショナルスパ
ッタ法で、Ar圧5mTorrで厚さ4nm成膜した。
その際、第一の固定磁化層35成膜時と同じ方向に約7
0Oeの磁場を印加しながら成膜を行った。次に、反強
磁性体層37としてはRuMn合金をDCマグネトロン
スパッタ法で、Ar圧15mTorrで厚さ20nm成
膜した。その際、RuMn合金の組成は17at%Ru
とした。
【0062】以上の工程(3−1)〜(3−2)によ
り、本例に係る磁気抵抗効果膜(サンプル#3と呼称す
る)を作製した。
【0063】比較のために、第二の固定磁化層(強磁性
体膜e)36成膜後に、成膜空間内を5×10-11To
rrの真空度まで排気する点のみ変更し、サンプル#3
と同じ構造の磁気抵抗効果膜(比較サンプル#3と呼称
する)を作製した。
【0064】また、比較のために、第一の固定磁化層
(強磁性体膜d)35成膜後に、成膜空間内を5×10
-11Torrの真空度まで排気する操作を行わない点の
み変更し、サンプル#3と同じ構造の磁気抵抗効果膜
(比較サンプル#4と呼称する)を作製した。
【0065】さらに、比較のために、下地層32を形成
する前に、成膜空間内を5×10-1 1Torrの真空度
まで排気する点のみ変更し、サンプル#3と同じ構造の
磁気抵抗効果膜(比較サンプル#5と呼称する)を作製
した。
【0066】表3は、上記4つの磁気抵抗効果膜に対し
て、交換バイアス磁界と抵抗変化率を測定した結果であ
る。
【0067】
【表3】
【0068】表3より、これらの磁気抵抗効果膜の抵抗
変化率の大きさは、 サンプル#3=比較サンプル#3=比較サンプル#4>
比較サンプル#5 となることが分かった。比較サンプル#5の抵抗変化率
が他のサンプルに比べて小さいのは、自由磁化層から結
晶粒径が大きくなったことにより、自由磁化層の非磁性
体層側の表面粗度が大きくなり、自由磁化層/非磁性体
層/固定磁化層の積層界面の平坦性が低下したことに起
因する。
【0069】また表3より、これらの磁気抵抗効果膜の
交換バイアス磁界の大きさは、 サンプル#3=比較サンプル#5>比較サンプル#3=
比較サンプル#4 であり、この傾向は100℃においてさらに顕著にな
る。比較サンプル#4で交換バイアス磁界が小さいの
は、反強磁性層形成時の成膜雰囲気の不純物分圧が大き
いため、固定磁化層の結晶粒径が小さいためである。ま
た、比較サンプル#3で交換バイアス磁界が小さいの
は、反強磁性層の下地となる固定磁化層形成時の成膜雰
囲気の不純物分圧が大きいため固定磁化層の結晶粒径が
小さく、反強磁性層の結晶粒径を増大させるための十分
な下地効果が得られなかったためである。
【0070】本例では、第二の固定磁化層(強磁性体膜
e)36としてNiFe合金を用いた場合を示したが、
反強磁性体層37の下地層として十分な下地効果をもつ
強磁性体であれば同様の効果が得られることは言うまで
もない。
【0071】実施例1の場合と同様に、上記効果が得ら
れる場合は、反強磁性体層37の結晶粒径が20nm以
上であり、第一の固定磁化層(強磁性体膜d)35、非
磁性体層34及び自由磁化層33の結晶粒径が10nm
以下であることが判明した。
【0072】また、本例では、反強磁性体層37として
RuMn合金を用いたが、RuMn合金に代えてNiM
n、IrMn、PtMn等の合金を用いても、上述した
本発明の効果は得られた。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
抵抗効果膜は、自由磁化層、非磁性体層、固定磁化層、
反強磁性体層から構成され、前記反強磁性体層の結晶粒
径が、自由磁化層、非磁性体層及び少なくとも固定磁化
層の一部の結晶粒径より大きいため、抵抗変化率を低下
させることなく反強磁性体層と固定磁化層からなる交換
結合膜の交換バイアス磁界とその温度特性を改善するこ
とができる。
【0074】また、本発明に係る磁気抵抗効果膜の製造
方法は、スパッタ時の成膜雰囲気の不純物濃度を制御す
る、あるいは、成膜を中断して不純物ガスを導入して再
び排気後成膜を行うことで、上述した磁気抵抗効果膜を
作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果膜の一例を示す模式
的な断面図である。
【図2】本発明に係る磁気抵抗効果膜の他の一例を示す
模式的な断面図である。
【図3】本発明に係る磁気抵抗効果膜の他の一例を示す
模式的な断面図である。
【図4】スピンバルブ型の構造からなる磁気抵抗効果素
子の基本原理を説明する概略的な分解斜視図である。
【図5】スピンバルブ型の構造からなる磁気抵抗効果膜
の磁気抵抗効果曲線を示すグラフである。
【図6】固定磁化層および反強磁性体層からなる交換結
合膜の磁気特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 基板、 12 下地層、 13 反強磁性体層、 14 第一の固定磁化層(強磁性体膜b)、 15 第二の固定磁化層(強磁性体膜c)、 16 非磁性体層、 17 自由磁化層、 21 基板、 22 下地層、 23 反強磁性体層、 24 固定磁化層(強磁性体膜a)、 25 非磁性体層、 26 自由磁化層、 31 基板、 32 下地層、 33 自由磁化層、 34 非磁性体層、 35 第一の固定磁化層(強磁性体膜d)、 36 第二の固定磁化層(強磁性体膜e) 37 反強磁性体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薦田 智久 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ 株式会社内 (72)発明者 高橋 研 宮城県仙台市太白区人来田2丁目20−2 Fターム(参考) 4K029 BA21 BA22 BA25 BB02 BB07 BC06 BD11 CA05 EA03 5E049 AA07 AA09 AA10 AC00 BA12 BA16 EB01 GC04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由磁化層、非磁性体層、固定磁化層及
    び反強磁性体層から構成され、前記固定磁化層の磁化方
    向は前記反強磁性体層との交換結合により固定され、前
    記自由磁化層の磁化方向は外部磁場に対して自由に回転
    し、該自由磁化層と該固定磁化層における磁化の向きの
    なす角度によって磁気抵抗効果を生ずる磁気抵抗効果膜
    において、 前記反強磁性体層の結晶粒径が、自由磁化層、非磁性体
    層及び少なくとも固定磁化層の一部の結晶粒径より大き
    いことを特徴とする磁気抵杭効果膜。
  2. 【請求項2】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、前記反強磁性体層、前記固定磁化層、前記非磁性体
    層及び前記自由磁化層が順に積層して配され、該固定磁
    化層が強磁性体膜aの単層からなることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気抵抗効果膜。
  3. 【請求項3】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、前記反強磁性体層、前記固定磁化層、前記非磁性体
    層及び前記自由磁化層が順に積層して配され、該固定磁
    化層が強磁性体膜bとその上に形成された強磁性体膜c
    の2層からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    抵抗効果膜。
  4. 【請求項4】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、前記自由磁化層、前記非磁性体層、前記固定磁化層
    及び前記反強磁性体層が順に積層して配され、該固定磁
    化層が強磁性体膜dとその上に形成された強磁性体膜e
    の2層からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    抵抗効果膜。
  5. 【請求項5】 前記反強磁性体層は、NiMn、IrM
    n、RuMn、PtMnから選択される合金であること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果膜。
  6. 【請求項6】 前記反強磁性体層は結晶粒径が20nm
    以上であり、かつ、前記自由磁化層、前記非磁性体層及
    び少なくとも固定磁化層の一部は結晶粒径が10nm以
    下あるいは非晶質であることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気抵抗効果膜。
  7. 【請求項7】 前記自由磁化層及び前記固定磁化層の少
    なくとも一部が、NiFe合金であることを特徴とする
    請求項1に記載の磁気抵抗効果膜。
  8. 【請求項8】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、反強磁性体層、固定磁化層、非磁性体層及び自由磁
    化層が順に積層して配され、前記固定磁化層が強磁性体
    膜aの単層からなる磁気抵抗効果膜の製造方法は、 成膜空間内に基板あるいは下地層が載置された基板を配
    し、該成膜空間をArに対する不純物分圧が1×10
    -10Torr以下である成膜雰囲気とした後、該成膜空
    間にArガスを導入し、スパッタリング法により該基板
    上あるいは該下地層上に前記反強磁性体層を形成する工
    程と、 前記反強磁性体層の形成を終えた前記成膜空間にAr以
    外のガスを導入し、その後、再び該成膜空間をArに対
    する不純物分圧が1×10-10Torr以下である成膜
    雰囲気としてから、該成膜空間にArガスを導入し、ス
    パッタリング法により前記反強磁性体層上に、前記強磁
    性体膜aの単層からなる固定磁化層、前記非磁性体層及
    び前記自由磁化層を順に積層して形成する工程と、 を有することを特徴とする磁気抵抗効果膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、反強磁性体層、固定磁化層、非磁性体層及び自由磁
    化層が順に積層して配され、前記固定磁化層が強磁性体
    膜bとその上に形成された強磁性体膜cの2層からなる
    磁気抵抗効果膜の製造方法は、 成膜空間内に基板あるいは下地層が載置された基板を配
    し、該成膜空間をArに対する不純物分圧が1×10
    -10Torr以下である成膜雰囲気とした後、該成膜空
    間にArガスを導入し、スパッタリング法により該基板
    上あるいは該下地層上に、前記反強磁性体層及び前記強
    磁性体膜bからなる固定磁化層を順に積層して形成する
    工程と、 前記強磁性体膜bからなる固定磁化層の形成を終えた前
    記成膜空間に、ArとAr以外のガスからなる混合ガス
    を導入し、スパッタリング法により前記強磁性体膜bか
    らなる固定磁化層上に、前記強磁性体膜cからなる固定
    磁化層、前記非磁性体層及び前記自由磁化層を順に積層
    して形成する工程と、 を有することを特徴とする磁気抵抗効果膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上又は下地層が載置された基板上
    に、自由磁化層、非磁性体層、固定磁化層及び反強磁性
    体層が順に積層して配され、前記固定磁化層が強磁性体
    膜dとその上に形成された強磁性体膜eの2層からなる
    磁気抵抗効果膜の製造方法は、 成膜空間内に基板あるいは下地層が載置された基板を配
    し、該成膜空間をArに対する不純物分圧が1×10-9
    Torr以上である成膜雰囲気とした後、該成膜空間に
    Arガスを導入し、スパッタリング法により該基板上あ
    るいは該下地層上に前記自由磁化層、前記非磁性体層及
    び前記強磁性体膜dからなる固定磁化層を順に積層して
    形成する工程と、 前記強磁性体膜dからなる固定磁化層の形成を終えた前
    記成膜空間をArに対する不純物分圧が1×10-10
    orr以下である成膜雰囲気とした後、該成膜空間にA
    rガスを導入し、スパッタリング法により前記強磁性体
    膜dからなる固定磁化層上に、前記強磁性体膜eからな
    る固定磁化層及び前記反強磁性体層を順に積層して形成
    する工程と、 を有することを特徴とする磁気抵抗効果膜の製造方法。
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