JP3255901B2 - 交換結合膜の製造方法 - Google Patents
交換結合膜の製造方法Info
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Description
性層とから成り、前記反強磁性層と強磁性層との界面に
て発生する交換異方性磁界により、前記強磁性層の磁化
方向が一定の方向に固定される交換結合膜に係り、特に
前記反強磁性層が元素X(Pt,Pd等)とMnとを含
有する反強磁性材料で形成された場合、より大きい交換
異方性磁界を得られるようにした交換結合膜の製造方法
に関する。
抗効果を利用したGMR(giant magnetoresistive)素
子の1種であり、ハードディスクなどの記録媒体からの
記録磁界を検出するものである。
子の中でも比較的構造が単純で、しかも弱い磁界で抵抗
が変化するなど、いくつかの優れた点を有している。
な構造で、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層およ
びフリー磁性層から成る。
成され、前記反強磁性層と固定磁性層との界面にて発生
する交換異方性磁界により、前記固定磁性層の磁化方向
は一定方向に単磁区化され固定される。
れたバイアス層により、前記固定磁性層の磁化方向と交
叉する方向に揃えられる。
ガン)合金膜、またはNi−Mn(ニッケル−マンガ
ン)合金膜、固定磁性層及びフリー磁性層にはNi−F
e(ニッケル−鉄)合金膜、非磁性導電層にはCu
(銅)膜、またバイアス層にはCo−Pt(コバルト−
白金)合金膜などが一般的に使用されている。
ディスクなどの記録媒体からの漏れ磁界により、前記フ
リー磁性層の磁化方向が変動すると、固定磁性層の固定
磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値
の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁
界が検出される。
は、Fe−Mn合金膜やNi−Mn合金膜が用いられる
が、Fe−Mn合金膜は、耐食性が低く、また交換異方
性磁界が小さく、さらにブロッキング温度が150℃程
度と低くなっている。ブロッキング温度が低いことで、
ヘッドの製造工程中やヘッド動作中における素子温度の
上昇により、交換異方性磁界が消失してしまうという問
題が発生する。
Mn合金膜に比べて、交換異方性磁界が比較的大きく、
しかもブロッキング温度が約300℃と高い。従って反
強磁性層には、Fe―Mn合金膜よりもNi―Mn合金
膜を用いる方が好ましい。
mata,S.Prakash,D.E.Laughl
in,and T.Kobayashi:Journa
lof Applied Phsysics,vol.
79,No10,p.7896―p.7904(199
6)には、Ni−Mn合金膜を反強磁性層として用いた
場合における前記反強磁性層と固定磁性層(NiFe合
金膜)との界面構造について報告されている。
方の{111}面が膜面と平行となるように、NiFe
/NiMn界面での結晶整合状態を保って成長してい
る。界面での整合歪みは、膜面と平行な面を双晶面とす
る双晶が多数導入されることにより緩和されている。た
だし、残存している界面歪みにより、界面近くでのNi
Mnの規則化は低く抑制され、界面から離れた場所では
規則化度が高くなっている。」と記載されている。
と固定磁性層との原子が、1対1で対応する状態のこと
をいい、逆に非整合とは、界面における反強磁性層と固
定磁性層との原子が一対の位置関係にない状態のことを
いう。
合、熱処理が施されることにより、NiMn合金と固定
磁性層との界面に、交換異方性磁界が発生するが、これ
は熱処理が施されることにより、NiMn合金が不規則
格子から規則格子に変態することによる。
結晶構造は、Ni,Mn原子の配列順序が不規則な面心
立方格子(以下、不規則格子という)であるが、熱処理
が施されると、結晶構造は、面心立方格子から面心正方
格子に変態し、しかも原子位置が規則化(以下規則格子
という)する。なお、結晶構造が完全に規則格子となっ
た場合におけるNi−Mn合金膜の格子定数a,cの比
c/aは、0.942である。
Mn合金膜の格子定数比c/aは、比較的1に近い値で
あるため、不規則格子から規則格子に変態する時に生じ
る界面での格子歪みは、比較的小さくなっており、従っ
てNiMn合金膜と固定磁性層との界面構造が整合状態
にあっても、熱処理が施されることにより、NiMn合
金が不規則格子から規則格子に変態し、交換異方性磁界
が発生する。
に、界面における格子歪みは、双晶によりある程度緩和
されている。
Mn合金は、比較的交換異方性磁界が大きく、またブロ
ッキング温度も約300℃と高くなっており、従来のF
eMn合金に比べて優れた特性を有しているが、耐食性
に関しては、FeMn合金と同じ様に、充分であるとは
いえなかった。
iMn合金よりも大きい交換異方性磁界を発生し、高い
ブロッキング温度を有する反強磁性材料として、白金族
元素を用いたX−Mn合金(X=Pt,Pd,Ir,R
h,Ru,Os)が注目を浴びている。
磁性層として用いれば、従来に比べて再生出力を向上さ
せることができ、またヘッド駆動動作時における素子温
度の上昇により、交換異方性磁界が消滅し再生特性が低
下するといった不具合も生じにくくなる。
Mn合金を反強磁性層として用いた場合、交換異方性磁
界を発生させるには、NiMn合金を反強磁性層として
用いた場合と同様に、成膜後熱処理を施す必要がある。
元素)からなる反強磁性層を使用した場合、前記反強磁
性層の結晶構造が、不規則格子から規則格子に変態する
際に生じる格子歪みは、従来反強磁性層として使用され
ていたNiMn合金に比べて大きいために、前記NiM
n合金と同様に、反強磁性層と強磁性層との界面を整合
状態にしておくと、前記反強磁性層の結晶構造が、不規
則格子から規則格子に適切に変態できず、交換異方性磁
界がほとんど発生しないことがわかった。
ものであり、反強磁性層として、元素X(Xは白金族元
素)とMnとを含有する反強磁性材料を用いた場合、大
きい交換異方性磁界を発生することができるようにした
交換結合膜の製造方法に関する。
素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,O
sのうちいずれか1種または2種以上の元素である)と
Mnとを含有する反強磁性層と、強磁性層とを接合した
交換結合膜の製造方法であって、前記反強磁性層と強磁
性層を接合したときに、前記強磁性層の格子定数より
も、前記反強磁性層の格子定数の方を大きくして、前記
反強磁性層と強磁性層との界面構造を非整合状態とした
上で、熱処理を施すことにより、前記反強磁性層の結晶
構造の不規則相を規則相に変態させ、両層の界面で交換
異方性磁界の発生を可能とすることを特徴とするもので
ある。
する反強磁性材料によって反強磁性層を形成した場合
に、前記反強磁性層の格子定数の方を、強磁性層の格子
定数よりも大きくしており、これにより、前記反強磁性
層の結晶構造は、不規則格子から規則格子に変態しやす
くなり、より大きな交換異方性磁界を得ることが可能に
なる。
磁性層の少なくとも一部の結晶構造を、L10型の面心
正方規則格子にすることが好ましい。これにより、より
大きな交換異方性磁界を得ることが可能になる。
n合金で形成し、元素Xは、Ptであることが好まし
く、この場合、前記熱処理後に、前記反強磁性層の格子
定数a,cの比c/aを、0.93〜0.99の範囲内
にすることが好ましい。この範囲内であると、反強磁性
層の結晶構造は、不規則格子から規則格子に変態しやす
くなり、より大きな交換異方性磁界を得ることができ
る。
―Mn―X′合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,R
h,Ru,Osのうちいずれか1種または2種以上の元
素であり、前記元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,
Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,
Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Z
r,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,
Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2
種以上の元素である)で形成し、前記X―Mn―X′合
金は、元素XとMnとで構成される空間格子の隙間に元
素X′が侵入した侵入型固溶体であり、あるいは、元素
XとMnとで構成される結晶格子の格子点の一部が、元
素X′に置換された置換型固溶体であることが好まし
い。
元素X′を添加することにより、反強磁性層の格子定数
はさらに大きくなり、前記反強磁性層と強磁性層との格
子定数の差を広げることができるため、より大きな交換
異方性磁界を発生させることが可能である。なお前記反
強磁性層として用いられるX―Mn―X′合金の元素X
はPtであることが好ましい。
Ar,Kr,Xeのうち1種または2種以上の元素であ
ることが好ましい。
at%で、0.2〜10の範囲内であることが好まし
く、より好ましくは、0.5〜5の範囲内である。
比の割合X:Mnは、4:6〜6:4の範囲内であるこ
とが好ましい。
に調整することにより、より大きな交換異方性磁界を得
られることが、後述する実験により確認されている。
Mn合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,R
u,Osのうちいずれか1種または2種以上の元素であ
る)を用いて、強磁性層の上に形成し、このときX−M
n合金のXの組成比をat%で、47〜57の範囲内に
することが好ましい。
Mn−X′合金(ただし、Xは、Pt,Pd,Ir,R
h,Ru,Osのうちいずれか1種または2種以上の元
素であり、X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,
B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,
Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,N
b,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,
Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上
の元素である)を用いて、強磁性層の上に形成し、この
ときX−Mn−X′合金のX+X′の組成比をat%
で、47〜57の範囲内にすることが好ましい。
はX−Mn−X′合金のX+X′の組成比はat%で、
50〜56の範囲内にすると、より好ましい。
Mn合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,R
u,Osのうちいずれか1種または2種以上の元素であ
る)を用いて、強磁性層の下に形成し、このときX−M
n合金のXの組成比をat%で、44〜57の範囲内に
することが好ましい。
Mn―X′合金(ただしX′は、Ne,Ar,Kr,X
e,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,
V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,G
e,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,T
a,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種
または2種以上の元素である)を用いて、強磁性層の下
に形成し、このときX―Mn―X′合金のX+X′の組
成比をat%で、44〜57の範囲内にすることが好ま
しい。
はX―Mn―X′合金のX+X′の組成比をat%で、
46〜55の範囲内にすると、より好ましい。
いられるX―Mn―X′合金を、スパッタ法により形成
することが好ましい。
シングルスピンバルブ型薄膜素子の構造をABS面側か
ら見た断面図である。なお、図1ではX方向に延びる素
子の中央部分のみを破断して示している。
ハードディスク装置に設けられた浮上式スライダのトレ
ーリング側端部などに設けられて、ハードディスクなど
の記録磁界を検出するものである。なお、ハードディス
クなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気
記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向である。
(タンタル)などの非磁性材料で形成された下地層6で
ある。この下地層6の上にフリー磁性層1、非磁性導電
層2、固定磁性層3、および反強磁性層4が積層されて
いる。そして、前記反強磁性層4の上にTa(タンタ
ル)などの保護層7が形成されている。
層7までの6層の両側には、ハードバイアス層5,5が
形成され、前記ハードバイアス層5,5の上には導電層
8,8が積層されている。
磁性層3が、NiFe合金、CoFe合金、Co合金、
Co、CoNiFe合金などにより形成されている。
層で形成されているが、これが多層構造で形成されても
よい。つまり、前記フリー磁性層1が、例えばNiFe
合金とCoFe合金とが積層された構造となっていても
よいし、NiFe合金とCoとが積層された構造でもよ
い。
に介在する非磁性導電層2は、Cuで形成されている。
さらに、ハードバイアス層5,5は、例えばCo−Pt
(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト
−クロム−白金)合金などで形成されており、導電層
8,8は、Cu(銅)やW(タングステン)、Cr(ク
ロム)などで形成されている。
ている反強磁性層4は、少なくとも元素X(ただしX
は、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうちいずれ
か1種または2種以上の元素である)とMnとを含有す
る反強磁性材料によって形成されている。
強磁性層4との界面構造は、非整合状態となっており、
また界面における前記反強磁性層4の少なくとも一部の
結晶構造は、L10型の面心正方格子(以下、規則格子
という)となっている。
位格子の6面のうち、側面の4面の中心をX原子(X=
Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os)が占め、単位格
子の隅、および上面および下面の中心にMn原子が占め
るものをいう。
層4との結晶配向が異なっていることが、固定磁性層3
と反強磁性層4との界面構造が、非整合状態になりやす
い点で好ましい。
は、Taの下地層6が敷いてあるので、前記下地層6の
上に形成されるフリー磁性層1、非磁性導電層2、およ
び固定磁性層3の{111}面は、膜面に対して平行な
方向に優先配向している。
される反強磁性層4の{111}面は、前記固定磁性層
3の{111}面の配向度に比べて小さいか、あるいは
無配向となっている。つまり、図1に示す固定磁性層3
と反強磁性層4との界面付近での結晶配向は異なったも
のとなっており、従って前記界面における構造が非整合
状態になりやすくなっている。
層3と反強磁性層4との界面構造を非整合状態としてい
るが、これは熱処理を施すことにより、前記反強磁性層
4の結晶構造を、不規則格子(面心立方格子)から前述
した規則格子に変態させ、適性な交換異方性磁界を得ら
れるようにするためである。
と、熱処理を施しても、前記反強磁性層4の結晶構造
が、不規則格子から規則格子に変態しにくく、従って交
換異方性磁界が得られないという問題が生じる。
n合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,
Osのうちいずれか1種または2種以上の元素である)
で形成されている。特に本発明では、前記反強磁性層4
がPtMn合金により形成されていることが好ましい。
から反強磁性層として使用されているFeMn合金、N
iMn合金などに比べて耐食性に優れており、またブロ
ッキング温度も高く、さらに交換異方性磁界(Hex)
が大きいなど反強磁性材料として優れた特性を有してい
る。
合金で形成されている場合、熱処理を施した後、つまり
少なくとも一部の結晶構造が規則格子となった前記反強
磁性層4の格子定数a,cの比c/aは、0.93〜
0.99の範囲内であることが好ましい。
になると、前記反強磁性層4の結晶構造のほぼ全てが規
則格子となるが、このような状態になると、前記固定磁
性層3と反強磁性層4との密着性が低下し、膜剥がれな
どが発生し好ましくない。
になると、前記反強磁性層4の結晶構造のほぼ全てが不
規則格子となってしまい、前記反強磁性層4と固定磁性
層3との界面にて発生する交換異方性磁界が小さくなっ
てしまい好ましくない。
金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os
のうちいずれか1種または2種以上の元素である)で形
成される場合、熱処理前の段階において、固定磁性層3
と反強磁性層4との界面構造を非整合状態とするため
に、本発明では、前記X―Mn合金の組成比を下記の数
値内に設定している。
しXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうちい
ずれか1種または2種以上の元素である)で形成され、
しかも図1に示すように前記反強磁性層4が固定磁性層
3の上に形成される場合、X−Mn合金の元素Xの組成
比はat%で、47〜57の範囲内であることが好まし
い。より好ましくはX−Mn合金の元素Xの組成比はa
t%で、50〜56の範囲内である。
ると、熱処理前、つまり結晶構造が不規則格子となって
いる段階での前記反強磁性層4の格子定数と、固定磁性
層3の格子定数との差を大きくすることができ、従って
熱処理前にて、前記固定磁性層3と反強磁性層4との界
面構造を非整合状態に保つことができる。
層4の結晶構造の変化により、交換異方性磁界が発生
し、前述したようにX−Mn合金の元素Xの組成比の組
成比がat%で、47〜57の範囲内であると、400
(Oe:エルステッド)以上の交換異方性磁界を得るこ
とが可能である。またX−Mn合金の元素Xの組成比は
at%で、50〜56の範囲内であると、600(O
e)以上の交換異方性磁界を得ることが可能である。
てX―Mn合金を使用した場合、元素Xの組成比を上述
した範囲内で形成することにより、熱処理前における前
記反強磁性層4と固定磁性層3との界面構造を非整合状
態に保つことが可能である。
素として元素X′を添加することにより、反強磁性層4
の格子定数を大きくでき、熱処理前における反強磁性層
4と固定磁性層3との界面構造を非整合状態にすること
が可能である。
―X′合金は、元素XとMnとで構成される空間格子の
隙間に元素X′が侵入した侵入型固溶体であり、あるい
は、元素XとMnとで構成される結晶格子の格子点の一
部が、元素X′に置換された置換型固溶体である。ここ
で固溶体とは、広い組成範囲にわたって、均一に成分が
混ざり合った固体のことを指している。なお本発明では
元素XはPtであることが好ましい。
金をスパッタ法により成膜している。スパッタによっ
て、前記X―Mn―X′合金は非平衡状態で成膜され、
成膜されたX―Mn―X′合金は、膜中の元素X′が、
元素XとMnとで構成される空間格子の隙間に侵入し、
あるいは、元素XとMnとで構成される結晶格子の格子
点の一部が、元素X′に置換される。このように、前記
元素X′が、X―Mn合金の格子に侵入型であるいは置
換型で固溶することにより、格子は押し広げられ、反強
磁性層4の格子定数は、元素X′を添加しない場合に比
べ大きくなる。
素を使用することが可能であるが、反応性の高いハロゲ
ンやO(酸素)等を使用すると、これらがMnとのみ選
択的に化学結合してしまい、面心立方晶の結晶構造を保
てなくなると考えられ好ましくない。本発明における具
体的な元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,
B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,
Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,N
b,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,Ta,W,
Re,Au,Pb、及び希土類元素(Sc,Yとランタ
ノイド(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,
Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu))
のうち1種または2種以上の元素である。
用しても、スパッタによって、反強磁性層4の格子定数
を大きくできるが、特に置換型で固溶する元素X′を使
用する場合は、前記元素X′の組成比が大きくなりすぎ
ると、反強磁性としての特性が低下し、固定磁性層3と
の界面で発生する交換結合磁界が小さくなってしまう。
ガスの希ガス元素(Ne,Ar,Kr,Xeのうち1種
または2種以上)を元素X′として使用することが好ま
しいとしている。希ガス元素は不活性ガスなので、希ガ
ス元素が、膜中に含有されても、反強磁性特性に大きく
影響を与えることがなく、さらに、Arなどは、スパッ
タガスとして従来からスパッタ装置内に導入されるガス
であり、ガス圧やスパッタ粒子のエネルギーを適正に調
節するのみで、容易に、膜中にArを侵入させることが
できる。
場合には、膜中に多量の元素X′を含有することは困難
であるが、希ガスの場合においては、膜中に微量侵入さ
せるだけで、熱処理によって発生する交換結合磁界を、
飛躍的に大きくできることが実験により確認されてい
る。
を設定しており、好ましい前記元素X′の組成範囲は、
at%で0.2から10であり、より好ましくは、at
%で、0.5から5である。またこのとき、元素XとM
nとの組成比の割合X:Mnは、4:6〜6:4の範囲
内であることが好ましい。元素X′の組成比と、元素X
とMnとの組成比の割合X:Mnを、上記範囲内で調整
すれば、成膜段階(熱処理前)における反強磁性層4の
格子定数を大きくでき、しかも熱処理を施すことにより
反強磁性層4と固定磁性層3との界面で発生する交換結
合磁界を、元素X′を含有しない場合に比べ、大きくす
ることが可能である。
(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osの
うちいずれか1種または2種以上の元素であり、X′
は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,M
g,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,N
i,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,A
g,Cd,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,
Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素
である)で形成された反強磁性層4が、図1に示すよう
に、固定磁性層3の上に形成される場合、前記X−Mn
−X′合金のX+X′の組成比はat%で、47〜57
の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、X−
Mn―X′合金のX+X′の組成比はat%で、50〜
56の範囲内である。
固定磁性層3との界面で発生する交換結合磁界により、
前記固定磁性層3の磁化は、図1に示すY方向に単磁区
化され固定される。なお、反強磁性層4として使用され
るX―Mn―X′合金の元素X′が例えばガス系の元素
である場合には、熱処理を施すことにより、前記元素
X′が膜中から抜け出て、成膜された段階での元素X′
の組成比よりも、熱処理後の元素X′の組成比は小さく
なり、あるいは完全に前記X′が膜中から抜け出してし
まって、組成がX―Mnになってしまうことがあるが、
成膜段階(熱処理前)における固定磁性層3と反強磁性
層4との界面構造が非整合状態となっていれば、熱処理
を施すことにより、前記反強磁性層4の結晶構造は、不
規則格子(面心立方格子)から規則格子に適性に変態
し、大きい交換異方性磁界を得ることが可能である。
れているハードバイアス層5,5により、図示X方向に
揃えられる。
子では、導電層8からフリー磁性層1、非磁性導電層2
および固定磁性層3に定常電流(センス電流)が与えら
れ、しかも記録媒体からY方向へ磁界が与えられると、
フリー磁性層1の磁化方向がX方向からY方向へ向けて
変化する。このとき、伝導電子が、非磁性導電層2と固
定磁性層3との界面、または非磁性導電層2とフリー磁
性層1との界面で散乱を起こし、電気抵抗が変化する。
よって電圧が変化し、検出出力を得ることができる。
スピンバルブ型薄膜素子の構造を示す断面図である。
磁性層4、固定磁性層3、非磁性導電層2、およびフリ
ー磁性層1が連続して積層されている。
示す反強磁性層4と同じ様に、X−Mn合金(ただしX
は、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうちいずれ
か1種または2種以上の元素である)、好ましくはPt
Mn合金、またはX―Mn―X′合金(ただしX′は、
Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,A
l,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,C
d,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、
及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素であ
る)で形成されている。
よびフリー磁性層1は、図1で説明した材質で形成され
ている。
強磁性層4との界面構造は、非整合状態となっており、
また界面における前記反強磁性層4の少なくとも一部の
結晶構造は、L10型の面心正方格子(以下、規則格子
という)となっている。
反強磁性層4の{111}面は、界面に平行な方向に優
先配向するが、図2に示すように、前記反強磁性層4の
上に固定磁性層3が形成されると、前記固定磁性層3の
{111}面の界面方向に対する配向度は、前記反強磁
性層4の配向度よりも小さいか、あるいは無配向になり
易い傾向がある。このように、図2では界面における前
記反強磁性層4と固定磁性層3との結晶配向は異なって
おり、従ってより界面構造を非整合状態とすることが可
能となっている。
(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osの
うちいずれか1種または2種以上の元素である)で形成
され、図2に示すように、反強磁性層4が固定磁性層3
の下に形成される場合、反強磁性層4を構成するX−M
n合金の元素Xの組成比はat%で、44〜57の範囲
内であることが好ましい。この範囲内であれば、400
(Oe)以上の交換異方性磁界を得ることが可能であ
る。より好ましくはX−Mn合金の元素Xの組成比はa
t%で、46〜55の範囲内である。この範囲内であれ
ば、600(Oe)以上の交換異方性磁界を得ることが
可能である。
換異方性磁界を大きくすることができるのは、熱処理前
における反強磁性層4の格子定数(不規則格子)と、固
定磁性層3の格子定数との差を大きくすることができ、
熱処理前での界面構造を非整合状態とすることができる
からである。
ける前記反強磁性層4の少なくとも一部の結晶構造を、
不規則格子から交換異方性磁界を発揮するために必要な
規則格子に変態させることが可能となる。
合金(ただしX′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,
B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,
Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,N
b,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,Ta,W,
Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2
種以上の元素である)で形成される場合、前記X―Mn
―X′合金は、スパッタ法によって形成され、元素Xと
Mnとで構成される空間格子の隙間に元素X′が侵入し
た侵入型固溶体となり、あるいは、元素XとMnとで構
成される結晶格子の格子点の一部が、元素X′に置換さ
れた置換型固溶体となっている。
格子定数は、前記元素X′を含有しない反強磁性層4の
格子定数に比べて大きくなり、成膜段階(熱処理前)に
おける反強磁性層4と固定磁性層3との界面構造を非整
合状態に保つことができる。
組成比を、at%で、0.2〜10の範囲内とし、より
好ましい組成範囲をat%で、0.5〜5の範囲内とし
ている。また元素X′を前記組成範囲内で形成し、さら
に、元素XとMnとの組成比の割合X:Mnを、4:6
〜6:4の範囲内とすれば、より大きい交換結合磁界を
得ることが可能である。
Mn―X′合金で形成された反強磁性層4が固定磁性層
3の下側に形成される場合、X―Mn―X′合金のX+
X′の組成比は、at%で、44〜57の範囲内である
ことが好ましい。より好ましくはX−Mn―X′合金の
X+X′の組成比はat%で、46〜55の範囲内であ
る。
反強磁性層4との界面にて発生する交換異方性磁界によ
り、図示Y方向に単磁区化され固定されている。
は、トラック幅Twの間隔を空けてエクスチェンジバイ
アス層9(反強磁性層)が形成されている。
X−Mn合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,
Ru,Osのうちいずれか1種または2種以上の元素で
ある)、好ましくはPtMn合金、またはX―Mn―
X′合金(ただしX′は、Ne,Ar,Kr,Xe,B
e,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,C
r,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Z
r,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,T
a,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種
または2種以上の元素である)で形成されている。
で、47〜57の範囲内となっている。より好ましくは
X−Mn合金の元素Xの組成比はat%で、50〜56
の範囲内である。なおこの組成範囲は、図1で説明した
反強磁性層4の組成範囲と同じである。またX―Mn―
X′合金の場合、元素X′の組成比はat%で、0.2
〜10の範囲内であり、より好ましい組成範囲はat%
で、0.5〜5の範囲内である。また元素XとMnとの
組成比の割合X:Mnは、4:6〜6:4の範囲内であ
ることが好ましい。さらに、X−Mn―X′合金のX+
X′の組成比はat%で、47〜57の範囲内となって
いることが好ましく、より好ましくはX−Mn―X′合
金のX+X′の組成比はat%で、50〜56の範囲内
である。
層1とエクスチェンジバイアス層9との界面構造は非整
合状態となり、少なくとも界面にて400(Oe)以上
の交換異方性磁界を得ることができるが、図2に示すよ
うに、前記エクスチェンジバイアス層9,9は、トラッ
ク幅Tw部分には形成されていないので、フリー磁性層
1の両端部分が、強く交換異方性磁界の影響を受け図示
X方向に単磁区化され、フリー磁性層1のトラック幅T
w領域の磁化は、外部磁界に対して反応する程度に図示
X方向に適性に揃えられている。
バルブ型薄膜素子では、図示Y方向の外部磁界により、
フリー磁性層1のトラック幅Tw領域の磁化が図示X方
向から図示Y方向に変化する。このフリー磁性層1内で
の磁化の方向の変動と、固定磁性層3の固定磁化方向
(図示Y方向)との関係で電気抵抗が変化し、この電気
抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体からの
洩れ磁界が検出される。
スピンバルブ型薄膜素子の構造を示す断面図である。
強磁性層4、固定磁性層3、非磁性導電層2、およびフ
リー磁性層1が連続して積層されている。さらに前記フ
リー磁性層1の上には、非磁性導電層2、固定磁性層
3、反強磁性層4、および保護層7が連続して積層され
ている。
の両側にはハードバイアス層5,5、導電層8,8が積
層されている。
質と同じ材質で形成されている。図3に示すように、フ
リー磁性層1よりも下側に形成されている反強磁性層4
は、固定磁性層3の下に形成されているので、図2に示
す反強磁性層4と同じ様に、前記反強磁性層4を構成す
るX−Mn合金の元素Xの組成比はat%で、44〜5
7の範囲内であることが好ましく、より好ましくはX−
Mn合金の元素Xの組成比はat%で、46〜55の範
囲内である。
れている反強磁性層4は、固定磁性層3の上に形成され
ているので、図1に示す反強磁性層4と同じ様に、前記
反強磁性層4を構成するX−Mn合金の元素Xの組成比
はat%で、47〜57の範囲内であることが好まし
く、より好ましくはX−Mn合金の元素Xの組成比はa
t%で、50〜56の範囲内である。
る固定磁性層3の格子定数と反強磁性層4の格子定数と
の差を大きくすることができるので、熱処理前における
界面構造を非整合状態にすることができ、従って熱処理
を施すことにより、界面での前記反強磁性層4の一部の
結晶構造を不規則格子から交換異方性磁界を発揮するの
に必要な規則格子に変態させることが可能である。なお
前記反強磁性層4がPtMn合金で形成される場合、熱
処理後における前記反強磁性層4の格子定数a,cの比
c/aは、0.93〜0.99の範囲内であることが好
ましい。
晶配向も異なっているので、より界面構造を非整合状態
にすることが可能となっている。
00(Oe)以上の交換異方性磁界を得ることが可能で
あるが、反強磁性層4を固定磁性層3の下に形成する方
が、固定磁性層3の上に形成するよりも、X−Mn合金
の元素Xの組成比の範囲を若干広くすることが可能であ
る。
形成される場合は、元素X′の組成比は、at%で、
0.2〜10の範囲内であり、より好ましい組成範囲は
at%で、0.5〜5の範囲内である。また元素XとM
nとの組成比の割合X:Mnは、4:6〜6:4の範囲
内であることが好ましい。
れている反強磁性層4の場合、前記反強磁性層4を構成
するX―Mn―X′合金のX+X′の組成比はat%
で、44〜57の範囲内であることが好ましく、より好
ましくはX−Mn―X′合金のX+X′の組成比はat
%で、46〜55の範囲内である。
れている反強磁性層4の場合、前記反強磁性層4を構成
するX−Mn―X′合金のX+X′の組成比はat%
で、47〜57の範囲内であることが好ましく、より好
ましくはX−Mn―X′合金のX+X′の組成比はat
%で、50〜56の範囲内である。
る固定磁性層3の格子定数と反強磁性層4の格子定数と
の差を大きくすることができ、熱処理前における界面構
造を非整合状態にすることができ、従って熱処理を施す
ことにより、界面での前記反強磁性層4の一部の結晶構
造を不規則格子から交換異方性磁界を発揮するのに必要
な規則格子に変態させることが可能である。
も図1に示すシングルスピンバルブ型薄膜素子と同じよ
うに、固定磁性層3は、交換異方性磁界により、図示Y
方向に単磁区化され固定されており、フリー磁性層1の
磁化は、ハードバイアス層5,5の影響を受けて図示X
方向に揃えられている。
層2および固定磁性層3に定常電流が与えられ、しかも
記録媒体からY方向へ磁界が与えられると、フリー磁性
層1の磁化は図示X方向からY方向に変動し、このとき
非磁性導電層2とフリー磁性層1との界面、および非磁
性導電層2と固定磁性層3との界面でスピンに依存した
伝導電子の散乱が起こることにより、電気抵抗が変化
し、記録媒体からの漏れ磁界が検出される。
ンバルブ型薄膜素子では、スピンに依存した電子の散乱
を起こす場所が、非磁性導電層2とフリー磁性層1との
界面、および非磁性導電層2と固定磁性層3との界面の
2箇所であるのに対し、図3に示すデュアルスピンバル
ブ型薄膜素子では、伝導電子の散乱が起こる場所が、非
磁性導電層2とフリー磁性層1との2箇所の界面と、非
磁性導電層2と固定磁性層3との2箇所の界面の計4箇
所であるため、デュアルスピンバルブ型薄膜素子の方が
シングルスピンバルブ型薄膜素子に比べて大きい抵抗変
化率を得ることが可能である。
薄膜素子の構造を示す断面図である。
層)10、非磁性層(SHUNT層)11、および磁気
抵抗層(MR層)12が連続して積層されている。
Nb合金、非磁性層11は、Ta膜、磁気抵抗層12
は、NiFe合金により形成されている。
Twを開けたX方向両側の部分にエクスチェンジバイア
ス層(反強磁性層)9,9が形成され、さらに、前記エ
クスチェンジバイアス層9,9の上には、Cr膜などで
形成された導電層13,13が形成されている。
9は、図2に示すエクスチェンジバイアス層9,9と同
様に、X−Mn合金、好ましくはPtMn合金で形成さ
れており、X−Mn合金の元素Xの組成比はat%で、
47〜57の範囲内となっている。より好ましくはX−
Mn合金の元素Xの組成比はat%で、50〜56の範
囲内である。
は、X−Mn―X′合金(ただしX′は、Ne,Ar,
Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,
P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,
Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,S
n,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元
素のうち1種または2種以上の元素である)で形成され
ており、元素X′の組成比は、at%で、0.2〜10
の範囲内であり、より好ましい組成範囲はat%で、
0.5〜5の範囲内である。また元素XとMnとの組成
比の割合X:Mnは、4:6〜6:4の範囲内であるこ
とが好ましい。また図4に示すエクスチェンジバイアス
層9,9は、図2に示すエクスチェンジバイアス層9,
9と同様に、X−Mn―X′合金のX+X′の組成比は
at%で、47〜57の範囲内となっている。より好ま
しくはX−Mn―X′合金のX+X′の組成比はat%
で、50〜56の範囲内である。
合金の組成比を上述した範囲内で形成すれば、前記エク
スチェンジバイアス層9,9と磁気抵抗層12との界面
構造は非整合状態となり、熱処理を施すことにより、N
iFe合金の磁気抵抗層12の膜厚が200〜300オ
ングストロームの場合は、前記界面にて約40〜110
(Oe)の交換異方性磁界が得られ、とりわけ、NiF
e合金の磁気抵抗層の膜厚が、約200オングストロー
ムの場合には、約60〜110(Oe)の交換異方性磁
界が得られ、図4に示す磁気抵抗層12のB領域が、図
示X方向に単磁区化される。そしてこれに誘発されて前
記磁気抵抗層12のA領域の磁化が図示X方向に揃えら
れる。また、検出電流が磁気抵抗層12を流れる際に発
生する電流磁界が、軟磁性層10にY方向に印加され、
軟磁性層10がもたらす静磁結合エネルギーにより、磁
気抵抗層12のA領域に横バイアス磁界がY方向に与え
られる。X方向に単磁区化された磁気抵抗層12のA領
域にこの横バイアス層が与えられることにより、磁気抵
抗層12のA領域の磁界変化に対する抵抗変化(磁気抵
抗効果特性:H―R効果特性)が直線性を有する状態に
設定される。
Y方向に漏れ磁界が与えられると、磁気抵抗層12のA
領域の抵抗値が変化し、これが電圧変化として検出され
る。
性層4(あるいはエクスチェンジバイアス層9)をX−
Mn合金(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,R
u,Osのうちいずれか1種または2種以上の元素であ
る)、好ましくはPtMn合金で形成する際に、前記反
強磁性層4の組成比を適性に調節することにより、前記
反強磁性層4と、この反強磁性層4と接して形成される
固定磁性層3(あるいはフリー磁性層1または磁気抵抗
層12)との界面構造を非整合状態とすることができ、
従ってより大きな交換異方性磁界を得られ、従来に比べ
て再生特性を高めることが可能である。あるいは、前記
反強磁性層4(あるいはエクスチェンジバイアス層9)
を元素XとMn以外に、第3元素として元素X′(ただ
しX′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,
N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,M
o,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,
Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上
の元素である)を添加することにより、前記元素X′を
添加しない場合に比べ、反強磁性層4の格子定数を大き
くすることができるので、前記反強磁性層4と、この反
強磁性層4と接して形成される固定磁性層3(あるいは
フリー磁性層1または磁気抵抗層12)との界面構造を
非整合状態とすることができ、従ってより大きな交換異
方性磁界を得ることができ、従来に比べて再生特性を高
めることが可能である。
配向を異なるようにしておくことが、より界面構造を非
整合状態にしやすくできる点で好ましい。
で交換異方性磁界を得ることができるのは、熱処理を施
すことにより、前記反強磁性層4の結晶構造を不規則格
子から規則格子に変態させることができるからである
が、すべての結晶構造が規則格子に変態すると密着性な
どに問題が生じるため、一部の結晶構造のみが規則格子
に変態していることが好ましい。例えば前記反強磁性層
4がPtMn合金で形成される場合、熱処理後における
前記反強磁性層4の格子定数a,cの比c/aは、0.
93〜0.99の範囲内であることが好ましい(ちなみ
にすべての結晶構造が規則格子に変体した場合、前記格
子定数a,cの比c/aは0.918である)。
構造を図1〜図4に示す構造に限定するものではない。
例えば図1に示すシングルスピンバルブ型薄膜素子の場
合、ハードバイアス層5,5を形成しないで、フリー磁
性層1の下側にトラック幅Twの間隔を空けてエクスチ
ェンジバイアス層を形成してもよいし、図2に示すシン
グルスピンバルブ型薄膜素子の場合、エクスチェンジバ
イアス層9,9を形成しないで、下地層6から保護層7
までの6層の両側、あるいは少なくともフリー磁性層1
の両側にハードバイアス層を形成してもよい。
素子層が形成された読み取りヘッドの構造を記録媒体と
の対向面側から見た断面図である。
成された下部シールド層であり、この下部シールド層2
0の上に下部ギャップ層21が形成されている。また下
部ギャップ層21の上には、図1から図4に示す磁気抵
抗効果素子層22が形成されており、さらに前記磁気抵
抗効果素子層22の上には、上部ギャップ層23が形成
され、前記上部ギャップ層23の上には、NiFe合金
などで形成された上部シールド層24が形成されてい
る。
層23は、例えばSiO2やAl2O 3(アルミナ)など
の絶縁材料によって形成されている。図5に示すよう
に、下部ギャップ層21から上部ギャップ層23までの
長さがギャップ長Glであり、このギャップ長Glが小
さいほど高記録密度化に対応できるものとなっている。
多層膜を成膜し、反強磁性層を構成する一元素のPt量
と、前記反強磁性層の格子定数との関係について調べ
た。
性層:NiFe(300)/反強磁性層:PtMn(3
00)/Ta(100) の順で積層した。なお上記括弧中の数値は膜厚を表わし
ており、単位はオングストロームである。
のθ/2θ法により、Pt量と反強磁性層の格子定数と
の関係を、回折パターンのピーク位置から求めた。
れて、反強磁性層(PtMn)の格子定数が大きくなっ
ていることがわかる。また固定磁性層を構成するNiF
e合金、CoFe合金、またはCoの格子定数は、図に
示すように、約3.5〜3.6の範囲である。
いは上に形成した2つの多層膜を、DCマグネトロンス
パッタ法により成膜し、熱処理を施した後におけるPt
量(反強磁性層を構成する一元素)と交換異方性磁界と
の関係について調べた。その実験結果を図7に示す。
ている膜構成としては、下から Si基板/アルミナ/下地層:Ta(50)/反強磁性
層:PtMn(300)/固定磁性層:Co90Fe
10(30)/保護層:Ta(100)の順で積層し、前
記反強磁性層が、固定磁性層の上に形成されている膜構
成としては下から、 Si基板/アルミナ/Ta(50)/固定磁性層:Co
90Fe10(30)/反強磁性層(300)/保護層:T
a(100)の順で積層した。なお、上記括弧中の数値
は膜厚を表わしており、単位はオングストロームであ
る。
ず昇温に3時間をかけ、次に240度の温度状態を3時
間保持し、さらに、降温に3時間をかけた。なお、熱処
理真空度を5×10-6Torr以下とした。
合金)が、固定磁性層の下側にある場合、および上側に
ある場合共に、Pt量が約50at%まで大きくなるに
したがって、交換異方性磁界は高くなっていき、Pt量
が約50at%以上になると、交換異方性磁界は徐々に
小さくなっているのがわかる。
るには、反強磁性層(PtMn)を固定磁性層の下側に
形成した場合、Pt量を44〜57at%の範囲内で、
反強磁性層(PtMn)を固定磁性層の上側に形成した
場合、Pt量を47〜57at%の範囲内で適性に調節
すればよいことがわかる。
を得るには、反強磁性層(PtMn)を固定磁性層の下
側に形成した場合、Pt量を46〜55at%の範囲内
で、反強磁性層(PtMn)を固定磁性層の上側に形成
した場合、Pt量を50〜56at%の範囲内で適性に
調節すればよいことがわかる。
n)の組成比を適性に調節した実施例として4種類の多
層膜を成膜し、比較例として1種類の多層膜を成膜し、
各膜の配向性や、交換異方性磁界等について調べた。そ
の実験結果を表1に示す。
ピンバルブ型薄膜素子であり、実施例の多層膜はデュ
アルスピンバルブ型薄膜素子である。また比較例の多
層膜は、実施例の多層膜と同じ膜構成で、反強磁性層
(PtMn)の組成比のみが異なっている。
導電層)の上に、Co−FeとNi−Feが積層されて
いるが、この2層でフリー磁性層が構成されている。同
じ様に実施例の多層膜には、Cu(非磁性導電層)の
下に、Ni−FeとCo−Feが積層されているが、こ
の2層でフリー磁性層が構成されている。また実施例
の多層膜には、2つのCu(非磁性導電層)の間に、C
o−Fe、Ni−Fe、およびCo−Feが積層されて
いるが、この3層でフリー磁性層が構成されている。
層膜では、PtMn(反強磁性層)とCoFe(固定磁
性層)との界面での格子整合は「なし」となっているの
に対し、比較例の多層膜では、界面での格子整合は
「有り」となっている。
化度」の欄を見ると、実施例〜の多層膜では「○」
となっているのに対し、比較例の多層膜では「×」と
なっている。
変化率」の欄を見ると、実施例〜までの多層膜で
は、大きい交換異方性磁界と抵抗変化率を有しているの
に対し、比較例の多層膜の交換異方性磁界および抵抗
変化率は、実施例〜の多層膜に比べて非常に小さく
なっていることがわかる。
に関係している。表1に示すように、比較例における
PtMnのPt量は44at%であるのに対し、実施例
〜までのPtMnのPt量は、49〜51at%と
なっている。
と、比較例のPtMnの格子定数は、実施例〜ま
でのPtMnの格子定数よりも小さくなっており、比較
例の方が実施例〜に比べて、PtMn(反強磁性
層)の格子定数と、Co−Fe(固定磁性層)の格子定
数との差が小さくなっていることがわかる。
の多層膜では、PtMnとCoFeとの界面構造が整
合状態になりやすく、一方、実施例〜までの多層膜
では、PtMnとCoFeとの界面構造が非整合状態に
なりやすくなっている。
のPtMnの結晶構造は、不規則格子(面心立方格
子)となっているが、界面構造が整合状態となっている
比較例では熱処理を施しても、PtMnの結晶構造は
不規則格子から規則格子に変態できず、規則化は一向に
進まない状態となっている。
ている実施例〜の多層膜では、熱処理を施すことに
より、PtMnの結晶構造が不規則格子から一部が規則
格子(Ll0型の面心正方格子)に変態し、規則化が充
分に進行したものとなっている。
MnとCoFeとの界面構造を示す高分解能TEM写真
である。
の界面では、PtMnの原子の並び方向とCoFeの原
子の並び方向とが一致しておらず、非整合状態となって
いることがわかる。
のPtMnとCoFeとの界面構造を示す高分解能TE
M写真である。
の界面では、PtMnの原子の並び方向とCoFeの原
子の並び方向とが一致しており、整合状態となっている
ことがわかる。
PtMnの規則化度を、図11は比較例の多層膜にお
けるPtMnの規則化度を測定した熱処理後の実験結果
である。
{111}面のなす角度を測定し、そのなす角度から規
則化度を求めた。なお横軸は、PtMnとCoFeとの
界面からPtMn側への距離を示している。
角度の測定値は、約65°から約72°の範囲内に散ら
ばっており、PtMnの結晶構造は、熱処理前の不規則
格子の一部が変化して、規則格子となっていることがわ
かる。
なす角度の測定値が、約70〜約71の範囲内に収まっ
ており、PtMnの結晶構造は、熱処理を施しても、熱
処理前の不規則格子の状態を保ったままとなっているこ
とがわかる。
は、PtMnのPt量を49〜51at%とすること
で、界面構造を非整合状態とすることができ、従って規
則化を適性に進行させることができるので、図7を見て
もわかるように、PtMnとCoFeとの界面で発生す
る交換異方性磁界は非常に大きい値を有している。
Pt量が44at%と低いので、界面構造は整合状態と
なり、従って規則化が適性に進まず、図7を見てもわか
るように、PtMnとCoFeとの界面で発生する交換
異方性磁界は非常に小さい値となってしまう。
整合状態とするには、PtMnの結晶配向と、CoFe
の結晶配向とを異なるようにしておくことが好ましい。
「強」「中」「弱」は、膜面方向に対する優先配向度を
表わしている。
{111}面の配向度、およびCoFe(固定磁性層)
の{111}面の配向度は共に「強」となっている。
Taの上に形成されたNiFe,CoFe(フリー磁性
層)、Cu(非磁性導電層)およびCoFe(固定磁性
層)は、下地層としてのTaの影響を強く受けて、{1
11}面の配向度は強くなり、図6を参照してわかるよ
うに熱処理前におけるCoFe(固定磁性層)の格子定
数とPtMn(反強磁性層)の格子定数との差が小さい
ために、PtMnの{111}面は、CoFeの{11
1}面の配向度の影響を強く受けて、膜面方向に優先配
向してしまう。
されたNiFe,CoFe(フリー磁性層)、Cu(非
磁性導電層)およびCoFe(固定磁性層)は、下地層
としてのTaの影響を強く受けて、{111}面の配向
度は強くなるものの、図6を参照してわかるように熱処
理前におけるCoFe(固定磁性層)の格子定数とPt
Mn(反強磁性層)の格子定数との差は大きいために、
PtMnの{111}面は、CoFeの結晶配向の影響
をあまり受けず、膜面方向における配向度は弱くなって
いる。
層)が積層されている実施例の場合では、CoFe
がPtMnの上に形成されると、CoFeの{111}
面の配向度は弱くなり、従ってPtMnとCoFeとの
結晶配向は、自動的に異なる方向に向けられる。
―X′(X′=Ar)合金で形成し、元素X′量と、P
t―Mn―X′合金の格子定数との関係について調べ
た。実験に使用した膜構成は下から、Si基板/アルミ
ナ/Ta(50)/Co90Fe10(30)/Pt―Mn
―X′(300)/Ta(100)である。なお括弧内
の数値は膜厚を表しており、単位はオングストロームで
ある。
PtとMnとの割合が6:4、5:5、及び4:6とな
る3種類のターゲットを用意し、各ターゲットを用い
て、元素X′となるArの導入ガス圧を変化させなが
ら、DCマグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッ
タによって、Pt―Mn―X′(X′=Ar)合金膜を
形成した。そして、Pt―Mn―X′(X′=Ar)合
金膜中に占めるX′(X′=Ar)量と、Pt―Mn―
X′(X′=Ar)の格子定数との関係について測定し
た。その実験結果を図12に示す。
比の割合が、6:4、5:5、及び4:6のいずれかの
場合においても、元素X′(X′=Ar)量が大きくな
ることにより、Pt―Mn―X′(X′=Ar)の格子
定数は大きくなることがわかる。なお固定磁性層を構成
するNiFe合金、CoFe合金、またはCoの格子定
数は、図12に示すように、約3.5〜3.6の範囲で
ある。またこの実験では、元素X′(X′=Ar)量を
4at%程度までとし、それ以上大きい含有量の場合に
ついて実験を試みていないが、これは、元素X′となる
Arはガス元素であるために、ガス圧を上げても、膜中
にArを含有しにくいことによるものである。
X′(X′=Ar)合金膜に対し、以下に記載する熱処
理工程を施した。熱処理工程における条件としては、ま
ず昇温に3時間をかけ、次に240度の温度状態を3時
間保持し、さらに、降温に3時間をかけた。なお、熱処
理真空度を5×10-6Torr以下とした。
r)合金膜の元素X′(X′=Ar)量と、前記熱処理
によって、反強磁性層と固定磁性層との界面に発生した
交換結合磁界の大きさとの関係を示すグラフである。
r)量が大きくなると、交換結合磁界は大きくなってい
ることがわかる。すなわち、元素X′(X′=Ar)を
PtMnに添加すれば、元素X′(X′=Ar)を添加
しない場合に比べて大きい交換結合磁界を得ることが可
能である。
反強磁性層をPt―Mn―X′(X′=Mo)合金で形
成し、元素X′(X′=Mo)量と、Pt―Mn―X′
(X′=Mo)合金膜の格子定数との関係について調べ
た。実験に使用した膜構成は下から、Si基板/アルミ
ナ/Ta(50)/Co90Fe10(30)/Pt―Mn
―X′(300)/Ta(100)である。なお括弧内
の数値は膜厚を表しており、単位はオングストロームで
ある。
ットに元素X′(X′=Mo)のチップを貼り合わせた
複合型ターゲットを用意し、ターゲットに占めるチップ
の面積比を変化させながら、膜中に占める元素X′
(X′=Mo)量を変化させて、前記元素X′(X′=
Mo)量とPt―Mn―X′(X′=Mo)合金の格子
定数との関係について測定した。その実験結果を図14
に示す。
比の割合が6:4、1:1、4:6のいずれかの場合に
おいても、膜中に占める元素X′(X′=Mo)の濃度
が大きくなるほど、Pt―Mn―X′(X′=Mo)の
格子定数は大きくなることがわかる。なお固定磁性層を
構成するNiFe合金、CoFe合金、またはCoの格
子定数は、図14に示すように、約3.5〜3.6の範
囲である。
X′(X′=Mo)合金膜に対し、以下に記載する熱処
理工程を施した。熱処理工程における条件としては、ま
ず昇温に3時間をかけ、次に240度の温度状態を3時
間保持し、さらに、降温に3時間をかけた。なお、熱処
理真空度を5×10-6Torr以下とした。
o)合金膜の元素X′(X′=Mo)の濃度と、前記熱
処理によって、反強磁性層と固定磁性層との界面に発生
した交換結合磁界の大きさとの関係を示すグラフであ
る。
比の割合が、6:4、1:1、4:6のいずれの場合で
あっても、膜中の元素X′(X′=Mo)量が約3at
%以上になれば、交換結合磁界は徐々に低下していくこ
とがわかる。特に、膜中の元素X′(X′=Mo)量が
約10at%以上になると、PtとMnとの組成比の割
合が1:1の場合であっても、交換結合磁界は非常に小
さくなってしまい好ましくない。
な含有量であるが、少なくとも、前記元素X′(X′=
Mo)を含有しない場合、すなわち、元素X′(X′=
Mo)量が0at%のときよりも、交換結合磁界が大き
くなることが好ましい。
合は、元素X′(X′=Mo)量が、約1at%以下で
あれば、元素X′(X′=Mo)量が0at%のときよ
りも、交換結合磁界が大きくなる。
1の場合は、元素X′(X′=Mo)量が、約7at%
以下であれば、元素X′(X′=Mo)量が0at%の
ときよりも、交換結合磁界が大きくなる。
4:6の場合は、元素X′(X′=Mo)量が、約10
at%以下であれば、元素X′(X′=Mo)量が0a
t%のときよりも、交換結合磁界が大きくなる。
有量の下限であるが、Pt:Mnの組成比の割合が、
6:4の場合、元素X′(X′=Mo)量が、約0.5
at%になると、交換結合磁界が最も大きくなるので、
そこで本発明では、元素X′(X′=Mo)量が、0.
5at%よりも小さい0.2at%を下限として設定し
た。
の組成比の好ましい範囲をat%で0.2から10とし
た。またより好ましい範囲をat%で0.5から5とし
た。
は、Pt(=元素X)とMnとを4:6から6:4の範
囲内に設定した場合である。
層と強磁性層とから成る交換結合膜の製造方法におい
て、前記反強磁性層をX―Mn(ただしXは、Pt,P
d,Ir,Rh,Ru,Osのうちいずれか1種または
2種以上の元素である)で形成する場合、前記反強磁性
層の格子定数を、強磁性層の格子定数よりも大きくする
ことにより、前記反強磁性層の結晶構造を、不規則格子
から規則格子に、適正に変態させやすくなり、より大き
な交換異方性磁界を得ることが可能になる。
X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,
Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,
Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,A
g,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、
及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素であ
る)を、X―Mn合金膜中に、侵入型、あるいは置換型
で固溶させることにより、前記反強磁性層の格子定数を
より大きくすることができるので、より大きい交換異方
性磁界を得ることが可能となっている。
反強磁性層の少なくとも一部の結晶構造が、L10型の
面心正方格子(規則格子)となり、しかも前記反強磁性
層の格子定数a,cの比c/aが、0.93〜0.99
の範囲内であることが、より大きい交換異方性磁界を得
ることができる点で好ましい。
型薄膜素子の構造をABS面側から見た断面図、
型薄膜素子の構造をABS面側から見た断面図、
型薄膜素子の構造をABS面側から見た断面図、
造をABS面側から見た断面図、
対向面側から見た断面図、
る、熱処理前でのPt量と前記反強磁性層の格子定数と
の関係を示すグラフ、
Pt量と交換異方性磁界との関係を示すグラフ、
写真、
写真、
n(反強磁性層)の規則化度を示すグラフ、
n(反強磁性層)の規則化度を示すグラフ、
r)で形成した場合における元素X′(X′=Ar)量
と前記反強磁性層の格子定数との関係を示すグラフ、
r)で形成した場合における元素X′(X′=Ar)量
と交換結合磁界との関係を示すグラフ、
o)で形成した場合における元素X′(X′=Mo)量
と前記反強磁性層の格子定数との関係を示すグラフ、
o)で形成した場合における元素X′(X′=Mo)量
と交換結合磁界との関係を示すグラフ、
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも元素X(ただしXは、Pt,
Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうちいずれか1種また
は2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性
層と、強磁性層とを接合した交換結合膜の製造方法であ
って、 前記反強磁性層と強磁性層を接合したときに、前記強磁
性層の格子定数よりも、前記反強磁性層の格子定数の方
を大きくして、前記反強磁性層と強磁性層との界面構造
を非整合状態とした上で熱処理を施すことにより、前記
反強磁性層の結晶構造の不規則相を規則相に変態させ、
両層の界面で交換異方性磁界の発生を可能とすることを
特徴とする交換結合膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記熱処理により、反強磁性層の少なく
とも一部の結晶構造を、L10型の面心正方規則格子に
する請求項1記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記反強磁性層をX―Mn合金で形成
し、元素Xは、Ptである請求項1または2記載の交換
結合膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記反強磁性層をPtMn合金で形成
し、前記熱処理後に、前記反強磁性層の格子定数a,c
の比c/aを、0.93〜0.99の範囲内にする請求
項3記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項5】 前記反強磁性層を、X―Mn―X′合金
(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osの
うちいずれか1種または2種以上の元素であり、前記元
素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,
N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,M
o,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,
Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素
である)で形成し、前記X―Mn―X′合金は、元素X
とMnとで構成される空間格子の隙間に元素X′が侵入
した侵入型固溶体であり、あるいは、元素XとMnとで
構成される結晶格子の格子点の一部が、元素X′に置換
された置換型固溶体である請求項1または2記載の交換
結合膜の製造方法。 - 【請求項6】 前記反強磁性層として用いられるX―M
n―X′合金の元素XはPtである請求項5記載の交換
結合膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記元素X′は、Ne,Ar,Kr,X
eのうち1種または2種以上の元素である請求項5また
は6記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記元素X′の組成比はat%で、0.
2〜10の範囲内である請求項5ないし7のいずれかに
記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項9】 前記元素X′の組成比はat%で、0.
5〜5の範囲内である請求項8記載の交換結合膜の製造
方法。 - 【請求項10】 元素XとMnとの組成比の割合X:M
nは、4:6〜6:4の範囲内である請求項5ないし9
のいずれかに記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項11】 前記反強磁性層として用いられるX―
Mn―X′合金を、スパッタ法により形成する請求項5
ないし10のいずれかに記載の交換結合膜の製造方法。
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