JP2002190631A - 磁気抵抗素子とその製造方法、および化合物磁性薄膜の形成方法 - Google Patents
磁気抵抗素子とその製造方法、および化合物磁性薄膜の形成方法Info
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Abstract
善する。 【解決手段】 固定磁性層が、少なくとも1層の非磁性
体層と、この非磁性体層を挟持する磁性体層とからなる
多層膜であり、上記磁性体層が、上記非磁性体層を介し
て互いに静磁結合している磁気抵抗素子を提供する。こ
の素子は、改善された耐熱性を有する。また、本発明
は、固定磁性層が、上記多層膜であって負の磁気結合を
生じさせるように静磁結合または反強磁性結合した磁気
抵抗素子を提供する。この素子は、磁界シフト量を低減
する。また、本発明は、中間層を挟持する磁性層の少な
くとも一方が、(100)、(110)または(111)面を配向面と
する酸化物フェライトを含み、この配向面内に外部磁場
を導入する磁気抵抗素子を提供する。この素子は、高い
磁気抵抗変化率を示す。
Description
ハードディスク、デジタルデータストリーマ(DDS)、
デジタルVTR等の磁気記録装置の再生ヘッド、回転速
度検出用の磁気センサー、磁気ランダム・アクセス・メ
モリ(MRAM)等に使用される磁気抵抗素子に関する
ものである。
Plane)−GMR素子は、導電体である中間層を挟んだ
強磁性層間のスピン依存散乱を利用した磁気抵抗素子で
あり、TMR素子は、絶縁体であるごく薄い中間層を挟
んだ強磁性層間のスピントンネル伝導を利用した磁気抵
抗素子である。いずれの素子でも、電流は多層体の膜面
に対して垂直方向に流される。これらの素子では、磁化
相対角の変化の再現性を高めるために、強磁性層の一方
が、例えばFeMnやIrMnのような反強磁性層と積層した固
定磁性層とされることがある。また、反強磁性層に、例
えばCo/Ru/Coのような反強磁性結合を含む積層フェリ構
造を積層すると、固定磁性層の固定磁界をさらに高める
ことができる。
ピン分極率が100%と予想されているハーフメタル材料
が注目されている。特にTMR素子では、強磁性体中の
スピン分極率が高いほど、高い磁気抵抗変化率が得られ
る。
ヘッド、MRAMのメモリ素子等へと応用する場合に
は、高い耐熱性が要求される。例えば、TMR素子をM
RAMに用いる場合には、半導体プロセスにおける水素
シンターやパッシベーション作製プロセスで400℃程度
の熱処理が行われる。
度以上に加熱すると、反強磁性層に含まれるMnの拡散に
よって、磁性層のスピン分極率が低下し、反強磁性層の
組成ずれによる固定磁界が低下するため、磁気抵抗変化
率が低下する(S.Cardoso et.al. J.Appl.Phys.87,6058
(2000))。反強磁性体に積層フェリ構造を積層した素
子においても、熱処理により積層フェリ構造の層構造が
乱れるため、固定磁界の増大が望めない。このように磁
気抵抗素子には、耐熱性の改善が求められている。耐熱
性の向上は、膜面方向に電流を流すCIP(Current in
Plane)−GMR素子にも求められている。
は、室温で高い磁気抵抗変化率が未だ得られていない。
特に、酸化物であるハーフメタル材料を酸化物ターゲッ
トを用いたスパッタリング法により形成する場合には、
酸素量が化学量論比からずれやすく、良質な磁性薄膜を
得ることが困難である。ハーフメタル材料を用いた磁気
抵抗素子からは、さらに高い磁気抵抗変化率が得られる
可能性がある。
磁界に対する応答についての非対称性が大きくなること
があり、問題となっている。
れば、中間層と、この中間層を挟持する一対の磁性層と
を含み、これら磁性層の一方が、他方の磁性層よりも外
部磁界に対して磁化回転しにくい固定磁性層であり、こ
の固定磁性層が、少なくとも1層の非磁性体層と、この
非磁性体層を挟持する磁性体層とからなる多層膜であっ
て、上記磁性体層が、上記非磁性体層を介して互いに静
磁結合していることを特徴とする磁気抵抗素子が提供さ
れる。
いに略反平行となり、互いの静磁エネルギーを閉磁する
こと、すなわち静磁結合をすることにより、他方の磁性
層(自由磁性層)の磁界シフトの原因となる漏れ磁界が
抑制される。従来用いられてきた反強磁性結合を利用し
た積層フェリ構造においても、磁化の向きは反平行とな
る。しかし、積層フェリ構造は、RKKY効果(Ruderm
an-Kittel-Kasuya-Yoshida effect)を利用しているた
めに、非磁性体層の厚みに敏感である。これに対し、静
磁結合を利用すると厚み依存性が比較的小さい。また、
反強磁性結合を利用する場合よりは、非磁性体層自体を
厚くできる。これらにより、静磁結合を利用すると、素
子の熱安定性を改善できる。
この中間層を挟持する一対の磁性層とを含み、これら磁
性層の一方が、他方の磁性層よりも外部磁界に対して磁
化回転しにくい固定磁性層であり、この固定磁性層が、
少なくとも1層の非磁性体層と、この非磁性体層を挟持
する磁性体層とからなる多層膜であって、上記磁性体層
が、上記非磁性体層を介して互いに静磁結合または反強
磁性結合しており、中間層側よりm(mは1以上の整
数)番目に配置された上記磁性体層を磁性体層mとし、
上記磁性体層mの平均飽和磁化および平均膜厚をそれぞ
れMm、dmとし、mが奇数である磁性体層におけるM
m×dmの総和をMdo、mが偶数であるMm×dmの
総和をMdeとすると、 0.5<Mde/Mdo<1、 が成立することを特徴とする磁気抵抗素子が提供され
る。
体層は、反強磁性結合または静磁結合により、非磁性体
層を介して、磁化が反平行状態にある。固定磁性層の漏
れ磁界を完全に解消するには、Mde/Mdo=1とす
るべきである。しかし、後述する実験の結果、特にTM
R素子において、固定磁性層と自由磁性層との間に正の
磁気結合が生じることが確認された。この結合は、外部
磁界に対する磁気抵抗の応答に非対称性を生じさせる。
上記素子では、敢えてMde/Mdo<1として、正の
磁気結合を打ち消す漏れ磁界を発生させている(負の磁
気結合を生じさせている)ため、非対称性を改善でき
る。漏れ磁界が大きすぎると負の結合側に非対称性が生
じるため、Mde/Mdo≧0.6が特に好適である。
この中間層を挟持する一対の磁性層とを含み、この磁性
層の少なくとも一方が、(100)、(110)または(111)面配
向した酸化物フェライトを含み、上記面内に外部磁場を
導入することにより電気抵抗の変化を検知することを特
徴とする磁気抵抗素子が提供される。外部磁場は、(10
0)、(110)または(111)面内の磁化容易軸方向に導入する
ことが好ましいが、各面は、面内において無配向であっ
てもよい。
NiZnフェライト、マグネタイト(Fe 3O4)等が含まれ
る。酸化物フェライトが、配向成長している場合には、
(100)、(110)または(111)面での磁気抵抗変化率が比較
的高い。また、特にエピタキシャル成長している場合に
は、磁化容易軸方向に外部磁場を導入することにより、
外部磁場に対する磁気抵抗変化の磁化応答性が高くな
る。
の製造に適した方法が提供される。この方法は、中間層
と、この中間層を挟持する一対の磁性層とを含み、この
磁性層の少なくとも一方が酸化物フェライトを含む磁気
抵抗素子の製造方法であって、上記酸化物フェライト
を、酸化物ターゲットを用いるスパッタリング法によ
り、上記酸化物フェライトを形成すべき面を含む基体に
バイアス電圧を印加しながら形成することにより、上記
酸化物ターゲットから上記記酸化物フェライトへと供給
される酸素の量を調整することを特徴とする。
法では、微妙な組成ずれが生じやすく、このずれが素子
の特性を劣化させる。上記方法によれば、組成の制御が
容易となるため、素子の再現性を高めることができる。
上記方法は、その他の化合物磁性薄膜にも適用できる。
即ち、本発明のさらに別の側面によれば、化合物磁性薄
膜を、化合物ターゲットを用いるスパッタリング法によ
り、上記化合物磁性薄膜を形成すべき面を含む基体にバ
イアス電圧を印加しながら形成することにより、上記化
合物ターゲットから上記化合物磁性薄膜へと供給される
酸素および窒素から選ばれる少なくとも一方の量を調整
することを特徴とする化合物磁性薄膜の形成方法が提供
される。この方法によれば、所望の化学量論比を有する
化合物磁性薄膜を再現性よく得ることができる。
数の側面を同時に備えていてもよい。本発明の素子は、
より多くの層を含んでいてもよく、例えば、2以上の非
磁性層とこれを挟持する磁性層が配置されていても構わ
ない。
について説明する。本発明の第1の側面により提供され
る耐熱性を改善した磁気抵抗素子では、磁性体層間の静
磁結合を実現するために非磁性体層の厚みを適切に調整
することが望まれる。非磁性体層の好ましい厚みは、非
磁性体の種類によるが、静磁結合が反強磁性結合に対し
て有意な効果を持つには1.5nm以上が好適であり、静
磁結合を支配的とするためには、2.6nm以上が好まし
い。非磁性体層の厚みが10nmを超えると静磁結合が次
第に弱くなる。
下、特に1μm2以下が好ましい。ここで、素子面積と
は、中間層において、電流が流れる方向に垂直な面の面
積、垂直電流型の素子では中間層の膜面の面積、を指
す。この面積が10μm2以下となる程度にまで素子を微
細化すると、磁性体層において、面積に対する厚みが相
対的に大きくなる。このため、磁性体層1層当たりの反
磁界が大きくなり、この層1層当たりの静磁エネルギー
が大きくなる。磁性体層は静磁エネルギーを減少させる
ために互いの磁化方向を反平行状態にしようとするか
ら、静磁エネルギーの増大は、磁化の反平行状態を安定
化する。磁化方向をさらに安定化させるために、固定磁
性層の面形状に形状異方性を与えてもよい。好ましい面
形状は、短軸に対する長軸の比を2以上とすることが好
ましい。面の形状自体に制限はなく、例えば長方形、菱
形、楕円体とすればよい。
抵抗素子を用いると、磁気抵抗の応答の非対称性を改善
できる。この素子では、具体的には、自由磁性層の磁界
シフト量の絶対値を自由磁性層の保磁力の50%以下、例
えば20(Oe)以下、さらに3(Oe)以下、特に実質的に0Oe
にまで低減できる。ここで、磁界シフト量とは、磁界
(H)と磁化(M)との関係を示す磁化−磁界曲線(M
−H曲線)において、磁化が0(M=0)となる2つの
磁界をH1、H2としたときに、以下の式により定まるs
である(図1参照)。 s=(H1+H2)/2
層が磁化回転し、固定磁性層が磁化回転しない範囲の磁
界における抵抗−磁界曲線において、抵抗が最大値と最
小値の平均値をとる2つの磁界が、自由磁性層のM−H
曲線における2つの磁界(H 1、H2)に実質的に対応し
ている。
小さくなるように、Mde/Mdoの値を適宜調整すれ
ばよい。したがって、Mde/Mdoの値は、用いる素
子に生じる正の磁気結合の程度により相違するが、通
常、好ましくは0.5〜0.9程度である。
も軟磁性層であると、外部磁界に対して容易に回転して
しまう。このため、固定磁性層を構成する磁性体層の少
なくとも1層は、高保磁力、例えば500(Oe)(39.8kA
/m)以上の保磁力を有することが好ましい。好ましい
高保磁力材料としては、CoPt、FePt、CoCrPt、CoTaPt、
FeTaPt、FeCrPt等が挙げられる。
態で結合した磁化を安定化させてもよい。この場合、本
発明の上記素子は、さらに反強磁性層を含み、この反強
磁性層が固定磁性層と磁気的に結合した素子となる。反
強磁性体としては、FeMn、IrMn等のMn含有反強磁性体に
加え、組成式Cr100-xMex(Meは、Re、RuおよびRhから選
ばれる少なくとも1種、0.1≦X≦20)により表されるC
r含有反強磁性体を用いてもよい。好ましいMn含有強磁
性体の1つとして、組成式Mn100-xMex(Meは、Pdおよび
Ptから選ばれた少なくとも1種、40≦X≦55)により表
される貴金属系反強磁性体を例示できる。
に、反強磁性体層を、反強磁性体と類似の結晶構造およ
び/または格子定数を有する下地層上に形成してもよ
い。例えば反強磁性体がPtMnまたはPtPdMnである場合に
は、NiFeまたはNiFeCrを下地層に用いるとよい。
抵抗素子の好ましい形態を、以下に例示する。例えば、
基板または下地層上に、(110)面にエピタキシャル成長
したマグネタイトの場合、この面内における<100>軸方
向を0度とし、(110)面内において、30度以上150度以下
の範囲内に外部磁場を導入して、磁気抵抗の変化を検知
するとよい。このように外部磁場を導入すると、磁気抵
抗変化の磁化応答性が高くなる。この形態は、結晶磁気
異方性エネルギーのうち、少なくともK1が負、好まし
くはK2も負の値を有する酸化物フェライトに適してい
る。K1が正、好ましくはK2も正の値を有する酸化物フ
ェライトの場合には、<100>軸方向を0度とし、(110)面
内において、170度以上190度以下の範囲内に外部磁場を
導入するとよい。
マグネタイトの場合、この面内における<100>軸方向を
0度とし、(100)面内において、40度以上50度以下また
は130度以上140度以下の範囲内に外部磁場を導入すると
よい。この形態は、結晶磁気異方性エネルギーのうち、
K1が負、好ましくはK2も負の値を有する酸化物フェラ
イトに適している。K1が正、好ましくはK2も正の値を
有する酸化物フェライトの場合は、<100>軸方向を0度
とし、(100)面内において、85度以上95度以下または175
度以上185度以下の範囲内に外部磁場を導入するとよ
い。
タイトの場合は、この面内において、任意の範囲の角度
内に外部磁場を導入して磁気抵抗の変化を検知すれば、
高い磁化応答性が得られる。<110>軸方向を0度とし、
(111)面内において、30度、90度または150度を含む範
囲、好ましくは実質的に左記いずれかの角度から外部磁
場を導入するとさらによい。この好ましい形態は、少な
くともK2が負の値を有する酸化物フェライトについて
共通する。少なくともK2が正である場合には、<110>軸
方向を0度とし、(111)面内において、0度、60度また
は120度を含む範囲、好ましくは実質的に左記いずれか
の角度から外部磁場を導入するとさらによい。
し、かつ面内においては無配向となるように成長したマ
グネタイトでは、各面内において、任意の範囲の角度内
に外部磁場を導入すればよい。特に、Fe3O4の面方向の
平均結晶幅を10nm以下とすれば、見かけ上の結晶磁気
異方性エネルギーが小さくなるために、磁気的にソフト
なFe3O4、またはFe3O4を主成分とする強磁性体とするこ
とができる。これは、Fe 3O4に限らず、酸化物フェライ
ト全体に共通する。
に、d電子を含む元素を含有させると磁気抵抗の変化率
が大きくなる傾向が見られる。d電子を含む元素とは、
周期律表の原子番号が21番以降の元素である。
たは窒素と遷移金属とを含有する化合物磁性薄膜を、化
合物磁性ターゲットを用いたスパッタリング法により形
成する場合には、酸素や窒素の組成ずれが生じやすい。
しかし、化合物磁性薄膜を形成する基板または下地層に
バイアスを印加して薄膜に含まれる酸素および/または
窒素の量を制御しながら成膜すると、再現性が高く化合
物磁性薄膜を形成できる。この方法は、不活性ガスとと
もに酸素および/または窒素を含むスパッタリングガス
を用いる反応性スパッタリング法と併用してもよい。
的にグランドから浮かして、放電電力、ガス圧力等によ
り定まるプラズマ密度条件により印加されるバイアスを
制御する、基板を電気的にグランドから浮かして、外
部の電源により直流(DC)または高周波(RF)バイ
アスを印加することによって行えばよい。RFバイアス
の周波数は、通常使用されている範囲であればよく、例
えば10MHz以上とすればよい。
ばRFマグネトロンスパッタリング法に適している。こ
れらのスパッタリング法に適用する場合は、ターゲット
とする化合物磁性体にRF電圧を印加しながら、基板に
DCまたはRFバイアスを印加して成膜すればよい。タ
ーゲットおよび基板へのRF電圧供給は、膜最表面の磁
気劣化層の形成を抑制するために、同期させることが好
ましい。
化物磁性薄膜の形成に特に適している。一般に、酸化物
磁性ターゲットは、比較的電気抵抗が高く、これを用い
て無バイアスで成膜すると、酸素が過剰に供給される傾
向がある。膜中の酸素を低減するためには負バイアスの
印加が有効であり、電気抵抗が高い膜であるためRFバ
イアスの適用が好ましい。ただし、酸化物フェライトを
含む上記素子の製造方法が、上記成膜方法に制限される
わけではない。例えば、酸素量を化学量論比以下とした
化合物磁性ターゲットを用い、通常のスパッタリング法
による組成ずれを利用してもよい。また、上記ターゲッ
トを用い、不足酸素を反応性スパッタリング法により補
ってもよい。
めには、基板温度を250℃以上700℃以下とするとよい。
基板の加熱には、バイアスを印加するため、輻射加熱が
適している。
の膜面に垂直に電流を流す垂直電流型素子(CPP−G
MR素子、TMR素子)に有用であるが、膜面方向に電
流を流す素子(CIP−GMR素子)にも効果がある。
素、炭素および硼素から選ばれる少なくとも1種の元素
を含む絶縁体または半導体を用いればよい。好ましい材
料としては、SiO2、SiC、 Si3N4、Al2O3、AlN、Cr2O3、
TiC、HfO2、HfN、HfC、Ta2O5、TaN、TaC、BN, B4C、DLC
(タ゛イヤモント゛・ライク・カーホ゛ン)、C60、これらの混合物が挙げ
られる。
素を含む導電体を用いればよい。遷移金属と、酸素、窒
素および炭素から選ばれる少なくとも1種とを含む導電
性化合物を用いてもよい。また、CPP−GMR素子と
する場合には、素子面積(電流が通過する中間層の面
積)を0.1μm2以下とするとよい。素子面積を制限する
ことにより、素子抵抗が上昇し、同時に耐熱性も向上す
るからである。中間層としては、特に、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Cu、Ag、Au、Ru、Rh、Ir、ReおよびOsから選
ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属を導電
性を失わない程度に酸化、窒化または炭化してもよい。
また、遷移金属Xと化合物R(SiO2、SiC、Si3N4、Al2O
3、AlN、Cr2O3、Cr2N、TiO、TiN、TiC、HfO2、HfN、Hf
C、Ta2O5、TaN、TaC、BNおよびB4Cから選ばれる少なく
とも1種)との混合物を用いてもよい。また、X/Rの
ように2層以上の多層膜とすると、素子抵抗および耐熱
性が向上することがある。
いればよい。磁性体層を静磁結合させる非磁性体層の好
ましい材料としては、例えば、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Al、Rh、Pt、Pd等が挙げられる。磁性体
層を反強磁性結合させる非磁性体層の好ましい材料とし
ては、例えば、Cr、Cu、Ag、Au、Ru、Rh、Ir、Re、Os等
が挙げられる。
は、材料により相違するが、概ね0.2〜1.3nm程度であ
る。この厚みは、例えば非磁性体がCrである場合には0.
8〜1.3nmが、Ruである場合には0.2〜0.5nmまたは0.
6〜1.0nmが、Irである場合に0.3〜0.5nmが、Rhであ
る場合には0.4〜0.8nmが、それぞれ特に好ましい。
なく、従来から用いられてきた材料や厚みを適用すれば
よい。なお、静磁結合を用いる場合は、磁性体層の厚み
を1.5〜20nmとするとよい。1.5nmよりも薄くなると
静磁結合による静磁エネルギーの低下が小さく、20nm
よりも厚くなると各磁性体層からの漏れ磁界が閉磁され
にくくなるからである。
0.5nm以内の領域では、以下の材料から構成することが
好ましい。CoNbZr、CoTaZr、CoFeB、CoTi、CoZr、CoN
b、CoMoBZr、CoVZr、CoMoSiZr、CoMoZr、CoMoVZrまたは
CoMnB等のCo系アモルファス材料、FeSiNb、Fe(Si,Al,
Ta,Nb,Ti)N等のFe系微結晶材料、Fe、CoおよびNiから
選ばれる強磁性元素を50wt%以上含む材料、例えばFeCo
合金, NiFe合金、NiFeCo合金、またはFeCr、FeSiAl、Fe
Si、FeAl、FeCoSi、FeCoAl、FeCoSiAl、FeCoTi、Fe(Ni)
Co)Pt、Fe(Ni)(Co)Pd、Fe(Ni)(Co)Rh、Fe(Ni)(Co)Ir、F
e(Ni)(Co)Ru等の強磁性、もしくは希薄磁性合金、Fe
N、FeTiN、FeAlN、FeSiN、FeTaN、FeCoN、FeCoTiN、FeC
oAlN、FeCoSiN、FeCoTaN等の窒化物、Fe3O4、XMnSb
(Xは、Ni、CuおよびPtから選ばれる少なくとも1種)、L
aSrMnO、LaCaSrMnO、CrO2等ハーフメタリック材料、
ペロブスカイト型酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェラ
イト等のスピネル型酸化物、ガーネット型酸化物。こ
れらを50wt%以上含む強磁性体またはフェリ磁性体とし
てもよい。なお、本明細書においてカッコ内の元素また
は層は、任意の元素または層である。
2に例示する。この素子では、基板14上に、下部電極
兼下地層13、第1磁性層17、中間層16、第2磁性
層15、上部電極11がこの順に積層されている。磁性
層と中間層とからなるメサ型の素子部は、層間絶縁膜1
2により囲まれている。第1、第2のいずれの磁性層が
自由磁性層(固定磁性層)であってもよく、またはいず
れの磁性層が酸化物フェライトを含んでいてもよい。磁
性層、中間層は多層膜であってもよく、さらに反強磁性
層等その他の層が配置されていてもよい。素子の構成
は、図2の例示に制限されない。
各種の気相成膜法により形成すればよい。気相成膜法と
しては、イオンビームデポジション(IBD)、クラス
ターイオンビーム、RF、DC、ECR、ヘリコン、I
CP、対向ターゲット等の各種スパッタリング法、MB
E法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これら
のPVD法に加え、特に層間絶縁膜の作製にはCVD法
(化学蒸着法)を用いてもよい。
ームエピタキシ法、ガスソースMBE法、反応性蒸着
法、反応性スパッタリング法等を用いれば、直接成膜で
きる。プラズマの発生を伴う方法(例えば反応性スパッ
タリング法)により中間層を形成する場合には、露出し
た磁性層表面の酸化等を抑制するために、磁性層上に、
予めバリア層を形成しておくとよい。バリア層として
は、Al、Si、Ti、Ta、Hf、Nb、V、Cr等のごく薄い層、
例えば1原子〜数原子層程度の層、が適している。プラ
ズマの発生を伴わない反応性蒸着法等により、1原子層
程度の酸化物、窒化物、炭化物、硼化物層等を成膜して
磁性層を保護してもよい。化合物である中間層は、直接
成膜するのではなく、中間層を構成する元素(例えばA
l)を磁性層上に成膜し、これを酸素等を含む反応ガス
の原子、分子、イオン(プラズマ)、ラジカル等の雰囲
気に、適当な分圧、反応温度および時間だけ曝すことで
化合物(例えばAl2O3)としてもよい。成膜/酸化等の
プロセスを複数回繰り返して所望の厚みの中間層として
もよい。
されず、通常の微細加工プロセスで用いられるイオンミ
リング、RIE、EB、FIB等の物理的または化学的
エッチング法や、フォトリソグラフィー技術を用いれば
よい。また、下部電極の平坦化のために、CMP法、ク
ラスターイオンビームエッチング法を用いて表面処理す
ると、磁気抵抗変化率の向上に効果がある。
によりSi熱酸化基板上に以下のサンプルを作製した。
(3)/Al2O3(1)/CoFe(3)/Ru(0.8)/CoFe(3)/PtMn(20)/Ta
(3) (サンプル2)Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)/CoFe(3)/Al2O3(1)/
CoFe(7)/Ta(3) (サンプル3)Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)/CoFe(3)/Al2O3(1)/
CoFe(3)/Ta(3)/CoFe(10)/Ta(3) (サンプル4)Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)/CoFe(3)/Al2O3(1)/
CoFe(3)/Ta(3)/CoPt(4.4)/Ta(3) (サンプル5)Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)/CoFe(3)/Al2O3(1)/
CoFe(3)/Ta(3)/CoFe(3)/PtMn(20)/Ta(3) (サンプル6)Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)/CoFe(3)/Cu(2.2)/C
oFe(3)/Ta(3)/CoFe(3)/PtMn(20)/Ta(3)
以下同様)。ここで、Ta(3)/Cu(50)/Ta(3)は下部電極兼
下地層、CoFe(3)/Ru(0.8)/CoFe(3)/PtMn(20)は積層フェ
リ構造を用いた固定磁性層、CoFe(3)/Ta(3)/CoPt(4.
4)、CoFe(3)/Ta(3)/CoFe(3) またはCoFe(3)/Ta(3)/CoFe
(10)は静磁結合を用いた固定磁性層、Al2O3またはCuは
中間層、残りが自由磁性層(ただし、最表面Ta(3)は保
護膜)である。なお、CoPt(4.4)の保磁力は500(Oe)であ
る。
A/m)の磁界中、1.5時間の熱処理を行った。次い
で、各多層膜を、ステッパを用いて、中間層において電
流が流れる素子面積が0.1〜20μm2、この層の面の形状
比が4:1となるようにメサ型に微細加工した。引き続
き、層間絶縁膜および上部電極を形成して垂直電流型の
磁気抵抗素子とした。なお、素子の長手方向と熱処理時
の磁場印加方向とは同一方向とした。
向に±1000(Oe)(79.6kA/m)の外部磁場を印加す
ることで測定した磁気抵抗変化率(MR値)を示す。
(MR値:%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― サンプル 素子面積(μm2) 番号 0.1 0.5 2 10 20 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 16 17 18 19 20 2 25 21 18 15 12 3 35 31 23 20 17 4 36 35 29 27 26 5 40 39 34 32 29 6 27 25 22 20 13 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
方性による保磁力差を利用したサンプル2と比較して、
素子面積が10μm2以下では、サンプル3〜6のMR値
が高くなった。サンプル2と比較して、サンプル3〜6
のMR値が高いのは、静磁結合により自由磁性層への漏
れ磁界の影響が低減したためと考えられる。サンプル4
および5では、反強磁性体または高保磁力磁性体を用い
ているために、MR値の素子面積依存性が小さくなって
いる。Cuを中間層に用いたサンプル6は、反強磁性体を
含んでいるが、素子面積が小さくなるにつれて面積当た
りの電流が実質的に増えるために、素子面積依存性が高
くなる。
であるTaの膜厚Xを変化させたときのMR値を調べた。
表2に結果を示す。熱処理条件を含め、上記と同様の条
件で作製し、素子形状比も4:1とした。素子面積は0.
1μm2とした。
(3)/Al2O3(1)/CoFe(3)/Ta(X)/CoFe(3)/PtMn(20)/Ta(3)
る範囲(好ましくは2.6〜10nm程度)であるときに、
高いMR値が得られた。同様の実験の結果、磁性体層の
好ましい厚みは、1.5〜20nmの範囲であった。また、
同様の実験を、上記に例示した各種強磁性体、各種非磁
性体、各種高保磁力材料(反強磁性体)についても、同
様の傾向が測定される。
を有する素子を作製した。
Fe(3)/Al2O3/CoFe(3)/NiFe(4)/Ta(3)
を変えて、それぞれについてMHカーブを測定し、磁界
シフト量を求めた。結果を図3に示す。Alの膜厚が薄く
なるにつれて、磁界シフト量は大きくなった。この理由
の詳細は明らかではないが、Al2O3層が薄くなるにつれ
て、自由磁性層と固定磁性層との間のオレンジピールカ
ップリングにより、両磁性層の間に正の磁気結合が生じ
たと考えられる。
成を有する素子を作製した。
(3)/Ru(0.7)/CoFe(5)/Al2O3/CoFe(3)/NiFe(4)/Ta(3) (サンプル12)Ta(3)/Cu(500)/Ta(3)/CoFe(5)/Ru(0.7)/
CoFe(3)/Al2O3/CoFe(3)/NiFe(4)/Ta(3)
ろ、磁界シフト量は、サンプル11では抑制され、サン
プル12ではむしろ増大する傾向が見られた。さらにサ
ンプル11について、多層膜をメサ型に加工してMR値
を測定したところ、RA(規格化接合抵抗)15Ωμm2
で30%のMR値を得た。磁界シフト量は、ほぼ0(Oe)に
抑制されていた。
には、中間層側の磁性体層の飽和磁化と膜厚との積がよ
り大きいと磁界シフトを抑制できる。さらに詳細な実験
の結果、上記Mde/Mdoが0.5を越え1未満である
ときに、磁界シフトが少ない磁気抵抗素子が得られるこ
とが確認できた。
RFマグネトロンスパッタリング法により、Si熱酸化基
板上に室温でFe酸化物を成膜した。成膜時には、0、5
または10WでRFバイアスを印加した。こうして成膜し
たFe酸化物膜のX線回折の結果を図4に示す。RFバイ
アスが0WではFe2O3が、5WではFe3O4が、10WではFe
Oがそれぞれ成膜されており、バイアスを増すにつれて
酸素量は減少した。Fe3O4は、基板面に平行に(111)面が
観察され、(111)面配向していることが確認された。ま
た、MHカーブの測定等から、膜面内では無配向である
ことも確認された。基板温度を変化させてFe3O4を形成
したところ、基板温度が250℃〜700℃の範囲内で、高い
結晶性を有するFe3O4を容易に作製できることが確認さ
れた。
し、膜厚300nmのPt膜を成膜し、バイアス5Wの条件
で、膜厚50nmのFe3O4膜を成膜した。次いで、基板温
度を室温に戻した後、Al2O3膜を形成し、さらに膜厚20
nmのCoFe膜を積層した。この多層膜のMR値を測定し
たところ3%程度であった。この値は、印加磁界の方向
によらず一定であった。
上記と同様にして多層膜を形成した。各多層膜のMHカ
ーブと微細加工した後のMRカーブを図5〜7に示す。
図5では(100)面内の<100>または<010>軸方向に、図6
では(110)面内の<110>または<001>軸方向に、図7では
(111)面内の任意の方位から、それぞれ外部磁場を印加
したときの結果が示されている。
外部磁場を印加したときに得られた。この結果は、それ
ぞれの膜面内での異方性エネルギー分布図(図8)から
わかるように、磁化容易軸方向とみなせる方向に外部磁
界を印加すると最も高いMRが得られることを示唆して
いる。Fe3O4のように、高いスピン分極率を持ちなが
ら、比較的結晶磁気異方性が大きい材料をデバイスとし
て用いる場合には、磁化困難軸方向を用いると、実用的
な磁場範囲では磁気飽和しない。このため、高いMRを
得ることが困難となる。
d電子を含む元素(例えばTa)を含有する中間層を用い
て上記と同様の実験を行ったところ、さらにMRが向上
した。
を導入した磁気抵抗素子とすることにより、耐熱性が向
上する。また、本発明によれば、固定磁性層を構成する
磁性体層に敢えて負の結合を生じさせた磁気抵抗素子と
することにより、磁界シフト量を低減できる。さらに、
本発明によれば、酸化物フェライトへの外部磁界の印加
方向を特定することにより、高いMRを有する磁気抵抗
素子を提供できる。また、本発明によれば、基板にバイ
アスを印加して酸素等の含有量を調整することにより、
特性に優れた化合物磁性薄膜、例えば酸化物フェライ
ト、を再現性よく成膜することができる。
ある。
の関係の例を示す図面である。
の結晶構造が相違することを例示するためのX線回折図
であり、図4(a)はバイアス0W、図4(b)は同5
W、図4(c)は同10Wを印加したときの回折図であ
る。
から外部磁界を印加したときのMHカーブとMRカーブ
の一例であり、図5(a)は〈100〉軸方向から、図5
(b)は〈010〉方向から、それぞれ外部磁界を印加し
たときの例である。
から外部磁界を印加したときのMHカーブとMRカーブ
の一例である。図6(a)は〈110〉軸方向から、図6
(b)は〈001〉方向から、それぞれ外部磁界を印加し
たときの例である。
したFe3O4に任意の方向から外部磁界を印加したときの
MHカーブとMRカーブの一例である。
示す図であり、図8(a)は(100)面、図8(b)は(1
10)面、図8(c)は(111)面についての分布図であ
る。
Claims (22)
- 【請求項1】 中間層と、前記中間層を挟持する一対の
磁性層とを含み、前記磁性層の一方が、他方の磁性層よ
りも外部磁界に対して磁化回転しにくい固定磁性層であ
り、前記固定磁性層が、少なくとも1層の非磁性体層
と、前記非磁性体層を挟持する磁性体層とからなる多層
膜であって、前記磁性体層が、前記非磁性体層を介して
互いに静磁結合していることを特徴とする磁気抵抗素
子。 - 【請求項2】 素子面積が10μm2以下である請求項1
に記載の磁気抵抗素子。ここで、素子面積とは、中間層
において、電流が流れる方向に垂直な面の面積をいう。 - 【請求項3】 中間層と、前記中間層を挟持する一対の
磁性層とを含み、前記磁性層の一方が、他方の磁性層よ
りも外部磁界に対して磁化回転しにくい固定磁性層であ
り、前記固定磁性層が、少なくとも1層の非磁性体層
と、前記非磁性体層を挟持する磁性体層とからなる多層
膜であって、前記磁性体層が、前記非磁性体層を介して
互いに静磁結合または反強磁性結合しており、中間層側
よりm(mは1以上の整数)番目に配置された前記磁性
体層を磁性体層mとし、前記磁性体層mの平均飽和磁化
および平均膜厚をそれぞれMm、dmとし、mが奇数で
ある磁性体層におけるMm×dmの総和をMdo、mが
偶数であるMm×dmの総和をMdeとすると、 0.5<Mde/Mdo<1 が成立することを特徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項4】 自由磁性層である他方の磁性層の磁界シ
フト量の絶対値が前記自由磁性層の保磁力の50%以下で
ある請求項3に記載の磁気抵抗素子。ここで、磁界シフ
ト量とは、磁界(H)と磁化(M)との関係を示す磁化
−磁界曲線(M−H曲線)において、磁化が0(M=
0)となる2つの磁界をH1、H2(ただし、H1>H2)
としたときに、以下の式により定まる量sである。 s=(H1+H2)/2 - 【請求項5】 固定磁性層を構成する少なくとも1層の
磁性体層が、500(Oe)以上の保磁力を有する請求項1〜
4のいずれかに記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項6】 さらに反強磁性層を含み、前記反強磁性
層が固定磁性層と磁気的に結合している請求項1〜5の
いずれかに記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項7】 中間層と、前記中間層を挟持する一対の
磁性層とを含み、前記磁性層の少なくとも一方が、(10
0)、(110)または(111)面配向した酸化物フェライトを含
み、前記面内に外部磁場を導入することにより電気抵抗
の変化を検知することを特徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項8】 (100)、(110)または(111)面内の磁化容
易軸方向に外部磁場を導入する請求項7に記載の磁気抵
抗素子。 - 【請求項9】 酸化物フェライトが(110)面に配向し、
前記面内における<100>軸方向を0度として、前記(110)
面内において、30度以上150度以下の範囲に外部磁場を
導入する請求項8に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項10】 酸化物フェライトが(100)面に配向
し、前記面内における<100>軸方向を0度として、前記
(100)面内において、40度以上50度以下または130度以上
140度以下の範囲に外部磁場を導入する請求項8に記載
の磁気抵抗素子。 - 【請求項11】 酸化物フェライトが(111)面に配向し
た請求項8に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項12】 (100)、(110)または(111)面が面内に
おいて無配向である請求項7に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項13】 酸化物フェライトがマグネタイトであ
る請求項7〜12のいずれかに記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項14】 中間層が、酸素、窒素、炭素および硼
素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む絶縁体また
は半導体である請求項1〜13のいずれかに記載の磁気
抵抗素子。 - 【請求項15】 中間層が、遷移金属元素を含む導電体
である請求項1〜13のいずれかに記載の磁気抵抗素
子。 - 【請求項16】 素子面積が0.1μm2以下である請求項
15に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項17】 中間層と、前記中間層を挟持する一対
の磁性層とを含み、前記磁性層の少なくとも一方が酸化
物フェライトを含む磁気抵抗素子の製造方法であって、
前記酸化物フェライトを、酸化物ターゲットを用いるス
パッタリング法により、前記酸化物フェライトを形成す
べき面を含む基体にバイアス電圧を印加しながら形成す
ることにより、前記酸化物ターゲットから前記酸化物フ
ェライトへと供給される酸素の量を調整することを特徴
とする磁気抵抗素子の製造方法。 - 【請求項18】 高周波バイアス電圧を印加する請求項
17に記載の磁気抵抗素子の製造方法。 - 【請求項19】 基体の温度を250℃以上700℃以下とす
る請求項17または18に記載の磁気抵抗素子の製造方
法。 - 【請求項20】 化合物磁性薄膜を、化合物ターゲット
を用いるスパッタリング法により、前記化合物磁性薄膜
を形成すべき面を含む基体にバイアス電圧を印加しなが
ら形成することにより、前記化合物ターゲットから前記
化合物磁性薄膜へと供給される酸素および窒素から選ば
れる少なくとも一方の量を調整することを特徴とする化
合物磁性薄膜の形成方法。 - 【請求項21】 高周波バイアス電圧を印加する請求項
20に記載の化合物磁性薄膜の形成方法。 - 【請求項22】 基体の温度を250℃以上700℃以下とす
る請求項20または21に記載の化合物磁性薄膜の形成
方法。
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