JPH10255775A - 水素吸蔵合金電極及びその作製方法 - Google Patents
水素吸蔵合金電極及びその作製方法Info
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- JPH10255775A JPH10255775A JP9055667A JP5566797A JPH10255775A JP H10255775 A JPH10255775 A JP H10255775A JP 9055667 A JP9055667 A JP 9055667A JP 5566797 A JP5566797 A JP 5566797A JP H10255775 A JPH10255775 A JP H10255775A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内圧を上昇させることなく、すぐれた高率放
電特性を確保できる水素吸蔵合金電極を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金電極1は、集電体12の上に
複数の水素吸蔵合金層14、16を設けて構成され、該水素
吸蔵合金層のうち、集電体側の水素吸蔵合金層(内側層1
4)は、親水性にすぐれる水素吸蔵合金から構成し、電解
液側の水素吸蔵合金層(外側層16)は、疎水性の水素吸蔵
合金から構成する。
電特性を確保できる水素吸蔵合金電極を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金電極1は、集電体12の上に
複数の水素吸蔵合金層14、16を設けて構成され、該水素
吸蔵合金層のうち、集電体側の水素吸蔵合金層(内側層1
4)は、親水性にすぐれる水素吸蔵合金から構成し、電解
液側の水素吸蔵合金層(外側層16)は、疎水性の水素吸蔵
合金から構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池等
の金属−水素化物蓄電池の負極として利用される水素吸
蔵合金電極に関するものであり、金属−水酸化物蓄電池
の高容量化を図ることのできる水素吸蔵合金電極に関す
るものである。
の金属−水素化物蓄電池の負極として利用される水素吸
蔵合金電極に関するものであり、金属−水酸化物蓄電池
の高容量化を図ることのできる水素吸蔵合金電極に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】水素を可逆的に吸蔵/放出する水素吸蔵
合金を負極として利用した金属−水素化物蓄電池(例え
ばNi−MH電池)が知られている。水素吸蔵合金電極
は、水素吸蔵合金粉末を結着剤と共にパンチングメタ
ル、発泡メタル、ニッケルメッシュ等の集電体に塗着し
て、その後焼結や乾燥を行なうことにより作製される。
合金を負極として利用した金属−水素化物蓄電池(例え
ばNi−MH電池)が知られている。水素吸蔵合金電極
は、水素吸蔵合金粉末を結着剤と共にパンチングメタ
ル、発泡メタル、ニッケルメッシュ等の集電体に塗着し
て、その後焼結や乾燥を行なうことにより作製される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属−水素化物蓄電池
は、高容量化が要請され、該電池に使用される水素吸蔵
合金電極は、すぐれた高率放電特性が要求されている。
水素吸蔵合金電極においてすぐれた高率放電特性を確保
するには、該電極を構成する水素吸蔵合金は、電解液と
の親和性、即ち親水性に優れるものでなければならな
い。親水性にすぐれた水素吸蔵合金は、負極において、
次式1に表す充放電反応が良好に行なわれる。
は、高容量化が要請され、該電池に使用される水素吸蔵
合金電極は、すぐれた高率放電特性が要求されている。
水素吸蔵合金電極においてすぐれた高率放電特性を確保
するには、該電極を構成する水素吸蔵合金は、電解液と
の親和性、即ち親水性に優れるものでなければならな
い。親水性にすぐれた水素吸蔵合金は、負極において、
次式1に表す充放電反応が良好に行なわれる。
【0004】
【数1】
【0005】しかしながら、親水性に優れる水素吸蔵合
金は、過充電時、電極の負極表面で酸素ガス吸収反応
(次式2参照)がうまく行なわれず、内圧が上昇する不都
合があった。
金は、過充電時、電極の負極表面で酸素ガス吸収反応
(次式2参照)がうまく行なわれず、内圧が上昇する不都
合があった。
【0006】
【数2】
【0007】一方、疎水性の水素吸蔵合金を用いて電極
を作製した場合、式2に表される酸素ガス吸収反応が負
極表面にて良好に起こり、内圧の上昇を抑えることがで
きる反面、式1で表される充放電反応が親水性の水素吸
蔵合金ほど良好に行なわれないため、すぐれた高率放電
特性を得ることができなかった。
を作製した場合、式2に表される酸素ガス吸収反応が負
極表面にて良好に起こり、内圧の上昇を抑えることがで
きる反面、式1で表される充放電反応が親水性の水素吸
蔵合金ほど良好に行なわれないため、すぐれた高率放電
特性を得ることができなかった。
【0008】本発明の目的は、内圧を上昇させることな
く、すぐれた高率放電特性を確保できる水素吸蔵合金電
極を提供することである。
く、すぐれた高率放電特性を確保できる水素吸蔵合金電
極を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水素吸蔵合金電極(1)は、集電体(12)の上
に複数の水素吸蔵合金層(14)(16)を設けて構成され、該
水素吸蔵合金層のうち、集電体側の水素吸蔵合金層(以
下「内側層(14)」という)は、親水性にすぐれる水素吸
蔵合金から構成し、セパレータに接するいわゆる電解液
側の水素吸蔵合金層(以下「外側層(16)」という)は、疎
水性の水素吸蔵合金から構成するものである。該水素吸
蔵合金電極は、水素吸蔵合金粉末を集電体に塗着する工
程の前に、集電体側の水素吸蔵合金層(14)を構成する水
素吸蔵合金粉末にのみ、酸処理又はアルカリ処理を施す
ことにより作製することができる。上記水素吸蔵合金層
を構成する水素吸蔵合金として、例えば、一般式ABx
(但し、xは4.4〜5.4)で表され、AはMm(ミッシ
ュメタル)、BはNi、Co、Al及びMnである水素
吸蔵合金や、一般式ABx(但し、xは1.8〜2.2)で
表され、Aは少なくともZrを含み、Bは少なくともN
iを含む水素吸蔵合金を例示することができる。これら
水素吸蔵合金は、以下に示す酸処理及びアルカリ処理を
施さなければ疎水性である。内側層(14)を構成する水素
吸蔵合金は、親水性を確保するために、水素吸蔵合金粉
末に酸処理又はアルカリ処理を施している。外側層(16)
を構成する水素吸蔵合金には、酸処理、アルカリ処理の
どちらの処理も施しておらず、疎水性のままである。
に、本発明の水素吸蔵合金電極(1)は、集電体(12)の上
に複数の水素吸蔵合金層(14)(16)を設けて構成され、該
水素吸蔵合金層のうち、集電体側の水素吸蔵合金層(以
下「内側層(14)」という)は、親水性にすぐれる水素吸
蔵合金から構成し、セパレータに接するいわゆる電解液
側の水素吸蔵合金層(以下「外側層(16)」という)は、疎
水性の水素吸蔵合金から構成するものである。該水素吸
蔵合金電極は、水素吸蔵合金粉末を集電体に塗着する工
程の前に、集電体側の水素吸蔵合金層(14)を構成する水
素吸蔵合金粉末にのみ、酸処理又はアルカリ処理を施す
ことにより作製することができる。上記水素吸蔵合金層
を構成する水素吸蔵合金として、例えば、一般式ABx
(但し、xは4.4〜5.4)で表され、AはMm(ミッシ
ュメタル)、BはNi、Co、Al及びMnである水素
吸蔵合金や、一般式ABx(但し、xは1.8〜2.2)で
表され、Aは少なくともZrを含み、Bは少なくともN
iを含む水素吸蔵合金を例示することができる。これら
水素吸蔵合金は、以下に示す酸処理及びアルカリ処理を
施さなければ疎水性である。内側層(14)を構成する水素
吸蔵合金は、親水性を確保するために、水素吸蔵合金粉
末に酸処理又はアルカリ処理を施している。外側層(16)
を構成する水素吸蔵合金には、酸処理、アルカリ処理の
どちらの処理も施しておらず、疎水性のままである。
【0010】内側層(14)を構成する水素吸蔵合金は、酸
処理又はアルカリ処理を施しているから、内側層はすぐ
れた親水性を呈する。従って、内側層と集電体間では前
記式1で表す充放電反応が活発に起こり、放電特性の高
率化を達成することができる。また、電解液と接する外
側層(16)を構成する水素吸蔵合金は、酸処理、アルカリ
処理のどちらの処理も施していないため疎水性であり、
過充電時に前記式2で表す酸素ガス吸収反応が活発に起
こるから、内圧の上昇を抑制することができる。
処理又はアルカリ処理を施しているから、内側層はすぐ
れた親水性を呈する。従って、内側層と集電体間では前
記式1で表す充放電反応が活発に起こり、放電特性の高
率化を達成することができる。また、電解液と接する外
側層(16)を構成する水素吸蔵合金は、酸処理、アルカリ
処理のどちらの処理も施していないため疎水性であり、
過充電時に前記式2で表す酸素ガス吸収反応が活発に起
こるから、内圧の上昇を抑制することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】水素吸蔵合金粉末の調製に際し
て、その調製方法を特に限定するものではないが、実施
例にて詳述する急冷後熱処理もしくは熱処理を施した水
素吸蔵合金又は熱処理を施さない水素吸蔵合金を粉砕し
たり、アトマイズ法により得ることが望ましい。
て、その調製方法を特に限定するものではないが、実施
例にて詳述する急冷後熱処理もしくは熱処理を施した水
素吸蔵合金又は熱処理を施さない水素吸蔵合金を粉砕し
たり、アトマイズ法により得ることが望ましい。
【0012】得られた水素吸蔵合金粉末のうち、内側層
を構成する水素吸蔵合金粉末には、酸処理又はアルカリ
処理を施す。なお、酸処理又はアルカリ処理の方法につ
いては、実施例にて詳述する。
を構成する水素吸蔵合金粉末には、酸処理又はアルカリ
処理を施す。なお、酸処理又はアルカリ処理の方法につ
いては、実施例にて詳述する。
【0013】図1に示す水素吸蔵合金電極(1)は、以下
の方法により作製することができる。酸処理又はアルカ
リ処理を施した水素吸蔵合金粉末と、どちらの処理も施
さない水素吸蔵合金粉末を準備し、夫々結着剤と混合し
てスラリー状のペーストを作製する。つぎに、酸処理又
はアルカリ処理を施した水素吸蔵合金粉末のペーストを
パンチングメタル、発泡メタル、ニッケルメッシュ等の
集電体(12)の両面に塗着して内側層(14)を作製する。な
お、図1では、集電体(12)の両面に内側層(14)を形成し
ているが、ペーストを片面だけに塗着して、集電体の片
面だけに水素吸蔵合金層を有する電極を作製することも
できる。内側層(14)を作製した後、該内側層の上面に、
酸処理及びアルカリ処理のどちらの処理も施していない
水素吸蔵合金粉末のペーストを塗着して、外側層(16)を
作製することにより水素吸蔵合金電極が作製される。な
お、内側層(14)を集電体(12)の両面に作製した場合、外
側層(16)は図1に示すように両面に形成する。集電体に
内側層、外側層を形成した後、乾燥させ、所定の寸法に
切断することにより、水素吸蔵合金電極を作製すること
ができる。なお、ペーストには、必要に応じてニッケル
粉末などの導電剤を混合してもよい。
の方法により作製することができる。酸処理又はアルカ
リ処理を施した水素吸蔵合金粉末と、どちらの処理も施
さない水素吸蔵合金粉末を準備し、夫々結着剤と混合し
てスラリー状のペーストを作製する。つぎに、酸処理又
はアルカリ処理を施した水素吸蔵合金粉末のペーストを
パンチングメタル、発泡メタル、ニッケルメッシュ等の
集電体(12)の両面に塗着して内側層(14)を作製する。な
お、図1では、集電体(12)の両面に内側層(14)を形成し
ているが、ペーストを片面だけに塗着して、集電体の片
面だけに水素吸蔵合金層を有する電極を作製することも
できる。内側層(14)を作製した後、該内側層の上面に、
酸処理及びアルカリ処理のどちらの処理も施していない
水素吸蔵合金粉末のペーストを塗着して、外側層(16)を
作製することにより水素吸蔵合金電極が作製される。な
お、内側層(14)を集電体(12)の両面に作製した場合、外
側層(16)は図1に示すように両面に形成する。集電体に
内側層、外側層を形成した後、乾燥させ、所定の寸法に
切断することにより、水素吸蔵合金電極を作製すること
ができる。なお、ペーストには、必要に応じてニッケル
粉末などの導電剤を混合してもよい。
【0014】
【実施例】実施例を挙げて本発明を説明する。実施例1 実施例1では、表1に示すように、異なる方法で調製し
た水素吸蔵合金粉末に適宜酸処理を施して、内側層、外
側層を形成した。なお、使用した水素吸蔵合金は、AB
5型であり、その成分組成はMmNi3.2Co0.8Al0.3
Mn0.5(数値はモル比)である。
た水素吸蔵合金粉末に適宜酸処理を施して、内側層、外
側層を形成した。なお、使用した水素吸蔵合金は、AB
5型であり、その成分組成はMmNi3.2Co0.8Al0.3
Mn0.5(数値はモル比)である。
【0015】
【表1】
【0016】なお、表1中の各水素吸蔵合金粉末の調製
方法を具体的に説明すると、以下のとおりである。 ・急冷後熱処理合金 所定速度で回転している単ロール又は双ロール上に、上
記組成の水素吸蔵合金を溶解して流し込み、薄体状の水
素吸蔵合金を作製し、その後、所定温度、所定時間で熱
処理を行ない、粉砕することにより調製するものであ
る。上記急冷後熱処理の各条件は以下のように設定する
ことが望ましい。単ロールを使用する場合、回転数は5
0〜1000cm/secが望ましい。双ロールを使用する場
合、回転数は50〜500cm/secが望ましい。薄体状の
水素吸蔵合金の厚さは、0.08〜0.35mmとすること
が望ましい。熱処理の温度は620〜1000℃、処理
時間は1〜10時間が望ましい。本実施例では、単ロー
ルの回転数を300cm/secとし、熱処理は、900℃で
10時間行なった。
方法を具体的に説明すると、以下のとおりである。 ・急冷後熱処理合金 所定速度で回転している単ロール又は双ロール上に、上
記組成の水素吸蔵合金を溶解して流し込み、薄体状の水
素吸蔵合金を作製し、その後、所定温度、所定時間で熱
処理を行ない、粉砕することにより調製するものであ
る。上記急冷後熱処理の各条件は以下のように設定する
ことが望ましい。単ロールを使用する場合、回転数は5
0〜1000cm/secが望ましい。双ロールを使用する場
合、回転数は50〜500cm/secが望ましい。薄体状の
水素吸蔵合金の厚さは、0.08〜0.35mmとすること
が望ましい。熱処理の温度は620〜1000℃、処理
時間は1〜10時間が望ましい。本実施例では、単ロー
ルの回転数を300cm/secとし、熱処理は、900℃で
10時間行なった。
【0017】・熱処理合金 上記組成の水素吸蔵合金の鋳造合金を700〜1100
℃にて、1〜10時間熱処理し、粉砕することにより調
製するものである。本実施例では、1000℃で10時
間の熱処理を行なった。
℃にて、1〜10時間熱処理し、粉砕することにより調
製するものである。本実施例では、1000℃で10時
間の熱処理を行なった。
【0018】・アトマイズ合金 上記組成の水素吸蔵合金溶湯をガス圧力によって噴出し
て冷却させ、不活性ガス又は真空中で620〜1000
℃の温度で1〜10時間熱処理することにより水素吸蔵
合金粒子を調製するものである。本実施例では、溶湯を
噴出するガスとして、アルゴンガスを用い、熱処理は9
00℃で10時間行なった。
て冷却させ、不活性ガス又は真空中で620〜1000
℃の温度で1〜10時間熱処理することにより水素吸蔵
合金粒子を調製するものである。本実施例では、溶湯を
噴出するガスとして、アルゴンガスを用い、熱処理は9
00℃で10時間行なった。
【0019】・鋳造合金(熱処理なし) 上記組成の水素吸蔵合金溶湯を金型中に流し込んで冷却
して得られた水素吸蔵合金鋳塊を、不活性雰囲気下のボ
ールミルで機械的に粉砕することにより調製するもので
ある。
して得られた水素吸蔵合金鋳塊を、不活性雰囲気下のボ
ールミルで機械的に粉砕することにより調製するもので
ある。
【0020】各製法により調製された水素吸蔵合金粉末
に、適宜酸処理を行なった。酸処理は、塩酸水溶液(p
H=0.5)に水素吸蔵合金粉末を入れて撹拌し、pH=
7となった時を反応の終点とし、該水素吸蔵合金粉末を
純水で洗浄することにより行なった。
に、適宜酸処理を行なった。酸処理は、塩酸水溶液(p
H=0.5)に水素吸蔵合金粉末を入れて撹拌し、pH=
7となった時を反応の終点とし、該水素吸蔵合金粉末を
純水で洗浄することにより行なった。
【0021】得られた酸処理水素吸蔵合金粉末及び未処
理水素吸蔵合金粉末を、夫々2.5%のポリエチレンオ
キサイド(PEO)水溶液10重量部と混ぜてスラリー状
のペーストを作製した。内側層の形成 上記ペーストを、集電体(鉄にニッケルメッキを施した
パンチングメタル)の両面に塗着した。なお、内側層に
酸処理を施した水素吸蔵合金粉末のペーストを塗着した
実施例については、表1中の内側層の欄に丸印を付して
いる。外側層の形成 内側層の上からペーストを塗着して、外側層を形成し
た。なお、外側層に酸処理を施した水素吸蔵合金粉末の
ペーストを塗着した実施例については、表1中の外側層
の欄に丸印を付している。
理水素吸蔵合金粉末を、夫々2.5%のポリエチレンオ
キサイド(PEO)水溶液10重量部と混ぜてスラリー状
のペーストを作製した。内側層の形成 上記ペーストを、集電体(鉄にニッケルメッキを施した
パンチングメタル)の両面に塗着した。なお、内側層に
酸処理を施した水素吸蔵合金粉末のペーストを塗着した
実施例については、表1中の内側層の欄に丸印を付して
いる。外側層の形成 内側層の上からペーストを塗着して、外側層を形成し
た。なお、外側層に酸処理を施した水素吸蔵合金粉末の
ペーストを塗着した実施例については、表1中の外側層
の欄に丸印を付している。
【0022】[表面組成比の測定]まず、得られた各水素
吸蔵合金電極を構成する水素吸蔵合金の表面組成比(B
/A)を測定した。組成の同定は、走査透過型顕微鏡に
よるEDX法により、粒子最表面から30Åの間で行な
った。結果を表1に示す。本実施例の水素吸蔵合金はA
B5型であるため、理論的には表面組成比(B/A)は5
となるはずであるが、表1を参照すると、酸処理を施し
ていない水素吸蔵合金で表面組成比(B/A)が約5.8
〜8.3となっていることがわかる。これに対して、酸
処理を施した水素吸蔵合金は、表面組成比(B/A)が1
0以上となっている。これは、酸処理を施すことによっ
て、Aの構成成分であるMmが溶出して、Bを構成する
元素が表面に析出したためと考えられる。
吸蔵合金電極を構成する水素吸蔵合金の表面組成比(B
/A)を測定した。組成の同定は、走査透過型顕微鏡に
よるEDX法により、粒子最表面から30Åの間で行な
った。結果を表1に示す。本実施例の水素吸蔵合金はA
B5型であるため、理論的には表面組成比(B/A)は5
となるはずであるが、表1を参照すると、酸処理を施し
ていない水素吸蔵合金で表面組成比(B/A)が約5.8
〜8.3となっていることがわかる。これに対して、酸
処理を施した水素吸蔵合金は、表面組成比(B/A)が1
0以上となっている。これは、酸処理を施すことによっ
て、Aの構成成分であるMmが溶出して、Bを構成する
元素が表面に析出したためと考えられる。
【0023】[試験電池の作製]内側層、外側層を形成し
た水素吸蔵合金電極を規定の大きさに切断し、得られた
水素吸蔵合金電極を負極として、図2に示す正極支配型
の試験電池(AAサイズ、電池容量1200mAh)を、
以下の要領で作製した。試験電池(5)は、図2に示す如
く、正極(6)及び負極(7)がセパレータ(8)を介して巻
き取られた状態で、負極缶(51)内に収容されている。正
極(6)は、正極リード(61)を介して封口蓋(52)に接続さ
れ、負極(7)は負極リード(71)を介して負極缶(51)に接
続されている。負極缶(51)の内部には、電解液が充填さ
れており、封口蓋(52)との接合部には絶縁性のパッキン
(53)が設けられ、電池は密閉されている。封口蓋(52)の
上部には、コイルスプリング(54)を介して正極外部端子
(62)が連繋されており、電池内圧が異常上昇すると、コ
イルスプリング(54)が圧縮されて、電池内部のガスが大
気中に放出される構成である。正極(6)は公知の焼結式
ニッケル極、セパレータ(8)はナイロンセパレータを使
用し、電解液は30重量%の水酸化カリウム水溶液を使
用した。
た水素吸蔵合金電極を規定の大きさに切断し、得られた
水素吸蔵合金電極を負極として、図2に示す正極支配型
の試験電池(AAサイズ、電池容量1200mAh)を、
以下の要領で作製した。試験電池(5)は、図2に示す如
く、正極(6)及び負極(7)がセパレータ(8)を介して巻
き取られた状態で、負極缶(51)内に収容されている。正
極(6)は、正極リード(61)を介して封口蓋(52)に接続さ
れ、負極(7)は負極リード(71)を介して負極缶(51)に接
続されている。負極缶(51)の内部には、電解液が充填さ
れており、封口蓋(52)との接合部には絶縁性のパッキン
(53)が設けられ、電池は密閉されている。封口蓋(52)の
上部には、コイルスプリング(54)を介して正極外部端子
(62)が連繋されており、電池内圧が異常上昇すると、コ
イルスプリング(54)が圧縮されて、電池内部のガスが大
気中に放出される構成である。正極(6)は公知の焼結式
ニッケル極、セパレータ(8)はナイロンセパレータを使
用し、電解液は30重量%の水酸化カリウム水溶液を使
用した。
【0024】各試験電池について、常温(25℃)にて電
流120mAで16時間充電した後、60℃にて120
mAで0.95Vまで放電することにより、活性化処理
を行なった。 [高率放電特性試験]活性化処理した試験電池について、
下記条件で充放電を行ない、その放電容量を測定して放
電特性を調べた。結果を表1に示す。表1において、電
池容量(1200mAh)の75%である900mAhを
閾値とし、この閾値を越える試験電池がすぐれた高率放
電特性を有するものとみなして、表1で評価の欄に丸印
を付している。 充 電: 120mA(0.1C)×16時間(室温下) 休 止: 1時間 放 電: 4800mA(4C)・放電終止電圧1.0V
(室温下) [充電時内圧特性試験]活性化処理した試験電池を室温
にて、1200mA(1C)で充電し、その間の電池内
圧を測定し、内圧が10kg/cm2に達するまでの充電時間
を測定した。なお、測定は各電池4個について実施し、
その平均を内圧特性とした。結果を表1に示す。なお、
内圧特性については、100分を閾値とし、この閾値を
越える試験電池について、表1で評価の欄に丸印を付し
ている。
流120mAで16時間充電した後、60℃にて120
mAで0.95Vまで放電することにより、活性化処理
を行なった。 [高率放電特性試験]活性化処理した試験電池について、
下記条件で充放電を行ない、その放電容量を測定して放
電特性を調べた。結果を表1に示す。表1において、電
池容量(1200mAh)の75%である900mAhを
閾値とし、この閾値を越える試験電池がすぐれた高率放
電特性を有するものとみなして、表1で評価の欄に丸印
を付している。 充 電: 120mA(0.1C)×16時間(室温下) 休 止: 1時間 放 電: 4800mA(4C)・放電終止電圧1.0V
(室温下) [充電時内圧特性試験]活性化処理した試験電池を室温
にて、1200mA(1C)で充電し、その間の電池内
圧を測定し、内圧が10kg/cm2に達するまでの充電時間
を測定した。なお、測定は各電池4個について実施し、
その平均を内圧特性とした。結果を表1に示す。なお、
内圧特性については、100分を閾値とし、この閾値を
越える試験電池について、表1で評価の欄に丸印を付し
ている。
【0025】表1を参照すると、内側層に酸処理を施し
た水素吸蔵合金を用いた実施例は、すぐれた高率放電特
性を有している。これは、酸処理を施すことによって、
水素吸蔵合金粉末の親水性が良好となって、上記式1で
示した充放電反応が良好に行なわれるためである。これ
に対して、内側層に酸処理を施していない水素吸蔵合金
を用いた実施例は、式1に示す充放電反応が良好に行な
われていないため、高率放電特性に劣っている。また、
外側層に酸処理を施していない水素吸蔵合金を用いた実
施例は、過充電時に、負極の表面で酸素ガス吸収反応
(上記式2)が良好に行なわれているため、内圧があまり
上昇していない。これに対して、外側層に酸処理を施し
た水素吸蔵合金を用いた実施例は、式2に示す酸素ガス
吸収反応が、電極表面でうまく行なわれないため、酸素
ガスが発生して内圧が上昇している。これら結果より、
高率放電特性及び内圧特性に共にすぐれるのは、内側層
に酸処理を施した水素吸蔵合金を用い、外側層には酸処
理を施さない未処理の水素吸蔵合金を用いた本発明の水
素吸蔵合金電極(No.1、No.5、No.9及びNo.13)であ
ることがわかる。
た水素吸蔵合金を用いた実施例は、すぐれた高率放電特
性を有している。これは、酸処理を施すことによって、
水素吸蔵合金粉末の親水性が良好となって、上記式1で
示した充放電反応が良好に行なわれるためである。これ
に対して、内側層に酸処理を施していない水素吸蔵合金
を用いた実施例は、式1に示す充放電反応が良好に行な
われていないため、高率放電特性に劣っている。また、
外側層に酸処理を施していない水素吸蔵合金を用いた実
施例は、過充電時に、負極の表面で酸素ガス吸収反応
(上記式2)が良好に行なわれているため、内圧があまり
上昇していない。これに対して、外側層に酸処理を施し
た水素吸蔵合金を用いた実施例は、式2に示す酸素ガス
吸収反応が、電極表面でうまく行なわれないため、酸素
ガスが発生して内圧が上昇している。これら結果より、
高率放電特性及び内圧特性に共にすぐれるのは、内側層
に酸処理を施した水素吸蔵合金を用い、外側層には酸処
理を施さない未処理の水素吸蔵合金を用いた本発明の水
素吸蔵合金電極(No.1、No.5、No.9及びNo.13)であ
ることがわかる。
【0026】[耐過充電特性]つぎに、急冷後熱処理によ
り調製された水素吸蔵合金粉末を用いて、水素吸蔵合金
電極を作製し、上記と同様に試験電池を組み立てて、耐
過充電特性を測定した。予め、調製された水素吸蔵合金
粉末の各化学成分の量を測定して、B/Aを求めたとこ
ろ表2に示すとおりであった。活性化処理した試験電池
を、40℃にて240mA(0.2C)で10日間充電
し、1時間休止して周囲温度を室温に戻した後、120
0mAで1.0Vまで放電する工程を1サイクルとする
充放電サイクル試験を行ない、各電池の放電容量が1サ
イクル目の放電容量の80%以下に低下するまでの充放
電サイクル数を測定した。測定は、各電池10個につい
て実施し、最大、最小のサイクル数を電池を除く8個の
電池の充放電サイクル数の平均を耐過充電特性として評
価した。結果を表2に示す。
り調製された水素吸蔵合金粉末を用いて、水素吸蔵合金
電極を作製し、上記と同様に試験電池を組み立てて、耐
過充電特性を測定した。予め、調製された水素吸蔵合金
粉末の各化学成分の量を測定して、B/Aを求めたとこ
ろ表2に示すとおりであった。活性化処理した試験電池
を、40℃にて240mA(0.2C)で10日間充電
し、1時間休止して周囲温度を室温に戻した後、120
0mAで1.0Vまで放電する工程を1サイクルとする
充放電サイクル試験を行ない、各電池の放電容量が1サ
イクル目の放電容量の80%以下に低下するまでの充放
電サイクル数を測定した。測定は、各電池10個につい
て実施し、最大、最小のサイクル数を電池を除く8個の
電池の充放電サイクル数の平均を耐過充電特性として評
価した。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】No.21及びNo.26の耐過充電特性は、本
発明のNo.22〜No.25に比べて半分程度となってい
る。これは、B/Aの値を参照すると、母相とは異なる
第2相(No.21の場合A2B7相、No.26の場合Niの
相)が生成しているものと考えられ、この第2相により
合金の酸化が進んだためと推察される。
発明のNo.22〜No.25に比べて半分程度となってい
る。これは、B/Aの値を参照すると、母相とは異なる
第2相(No.21の場合A2B7相、No.26の場合Niの
相)が生成しているものと考えられ、この第2相により
合金の酸化が進んだためと推察される。
【0029】実施例2 つぎに、使用する水素吸蔵合金をZrNi1.2V0.4Mn
0.4で表されるAB2型の合金に代えて測定を行なった。
なお、使用する水素吸蔵合金の種類以外、実施例1と同
じであるため説明を省略する。また、各測定結果を表3
及び表4に示す。
0.4で表されるAB2型の合金に代えて測定を行なった。
なお、使用する水素吸蔵合金の種類以外、実施例1と同
じであるため説明を省略する。また、各測定結果を表3
及び表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表3を参照すると、本実施例においても、
実施例1と同様の結果がでていることがわかる。つま
り、高率放電特性及び内圧特性にすぐれるのは、内側層
に酸処理を施した水素吸蔵合金を用い、外側層には酸処
理を施さない未処理の水素吸蔵合金を用いた本発明の水
素吸蔵合金電極(No.31、No.35、No.39及びNo.4
3)であることがわかる。なお、本実施例の水素吸蔵合
金はAB2型であるため、理論的には表面組成比(B/
A)は2となるはずであるが、表4を参照すると、酸処
理を施していない水素吸蔵合金で表面組成比(B/A)が
約2〜4であり、酸処理を施した水素吸蔵合金は、表面
組成比(B/A)が4以上となっている。これは、実施例
1と同様に、酸処理を施すことによって、Aの構成成分
であるZrが溶出して、Bを構成する元素が表面に析出
したためであると考えられる。
実施例1と同様の結果がでていることがわかる。つま
り、高率放電特性及び内圧特性にすぐれるのは、内側層
に酸処理を施した水素吸蔵合金を用い、外側層には酸処
理を施さない未処理の水素吸蔵合金を用いた本発明の水
素吸蔵合金電極(No.31、No.35、No.39及びNo.4
3)であることがわかる。なお、本実施例の水素吸蔵合
金はAB2型であるため、理論的には表面組成比(B/
A)は2となるはずであるが、表4を参照すると、酸処
理を施していない水素吸蔵合金で表面組成比(B/A)が
約2〜4であり、酸処理を施した水素吸蔵合金は、表面
組成比(B/A)が4以上となっている。これは、実施例
1と同様に、酸処理を施すことによって、Aの構成成分
であるZrが溶出して、Bを構成する元素が表面に析出
したためであると考えられる。
【0033】実施例3 本実施例は、実施例1、実施例2の酸処理に代えて、ア
ルカリ処理を施した水素吸蔵合金粉末を用いて水素吸蔵
合金電極を作製した実施例である。酸処理をアルカリ処
理に変えた点以外は、実施例1、実施例2と同じである
ため説明を省略する。なお、使用する水素吸蔵合金の種
類も実施例1、実施例2に示した合金と同じである。
ルカリ処理を施した水素吸蔵合金粉末を用いて水素吸蔵
合金電極を作製した実施例である。酸処理をアルカリ処
理に変えた点以外は、実施例1、実施例2と同じである
ため説明を省略する。なお、使用する水素吸蔵合金の種
類も実施例1、実施例2に示した合金と同じである。
【0034】[アルカリ処理]アルカリ処理は、各調製方
法により得られた水素吸蔵合金粉末を、約60℃〜80
℃のアルカリ水溶液に浸漬して撹拌する処理である。ア
ルカリ処理後は、アルカリ水溶液の残存成分を除去する
ために、水洗することが望ましい。本実施例では、アル
カリ水溶液として、水酸化カリウム水溶液を用いた。
法により得られた水素吸蔵合金粉末を、約60℃〜80
℃のアルカリ水溶液に浸漬して撹拌する処理である。ア
ルカリ処理後は、アルカリ水溶液の残存成分を除去する
ために、水洗することが望ましい。本実施例では、アル
カリ水溶液として、水酸化カリウム水溶液を用いた。
【0035】アルカリ処理を施した水素吸蔵合金粉末
と、アルカリ処理を施さない水素吸蔵合金粉末を適宜用
いて内側層、外側層を形成した水素吸蔵合金電極につい
て、実施例1と同様に試験電池を組み立てて、表面組成
比、高率放電特性及び内圧特性を調べた。結果を表5、
表6に示す。なお、表5はAB5型の水素吸蔵合金(Mm
Ni3.2Co0.8Al0.3Mn0.5)、表6はAB2型の水素
吸蔵合金(ZrNi1.2V0.4Mn0.4)の結果を示してい
る。
と、アルカリ処理を施さない水素吸蔵合金粉末を適宜用
いて内側層、外側層を形成した水素吸蔵合金電極につい
て、実施例1と同様に試験電池を組み立てて、表面組成
比、高率放電特性及び内圧特性を調べた。結果を表5、
表6に示す。なお、表5はAB5型の水素吸蔵合金(Mm
Ni3.2Co0.8Al0.3Mn0.5)、表6はAB2型の水素
吸蔵合金(ZrNi1.2V0.4Mn0.4)の結果を示してい
る。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】表5を参照すると、AB5型の水素吸蔵合
金について、アルカリ処理を施さない場合、表面組成比
(B/A)が10以下であるのに対し、アルカリ処理を施
すことによって10以上となっていることがわかる。こ
れは、アルカリ処理を施すことにより、Aの構成成分で
あるMmが溶出して、Bを構成する元素が表面に析出し
たためであると考えられる。同様に、表6を参照する
と、AB2型の水素吸蔵合金について、アルカリ処理を
施さない場合、表面組成比(B/A)が4以下であるのに
対し、アルカリ処理を施すことにより4以上となってい
ることがわかる。これも、上記と同様の理由によるもの
と考えられる。また、表5、表6を参照すると、本実施
例についても、高率放電特性及び内圧特性にすぐれるの
は、アルカリ処理を施した水素吸蔵合金を内側層に用
い、アルカリ処理を施さない水素吸蔵合金を外側層に用
いた本発明の水素吸蔵合金電極(No.61及びNo.71)で
あることがわかる。
金について、アルカリ処理を施さない場合、表面組成比
(B/A)が10以下であるのに対し、アルカリ処理を施
すことによって10以上となっていることがわかる。こ
れは、アルカリ処理を施すことにより、Aの構成成分で
あるMmが溶出して、Bを構成する元素が表面に析出し
たためであると考えられる。同様に、表6を参照する
と、AB2型の水素吸蔵合金について、アルカリ処理を
施さない場合、表面組成比(B/A)が4以下であるのに
対し、アルカリ処理を施すことにより4以上となってい
ることがわかる。これも、上記と同様の理由によるもの
と考えられる。また、表5、表6を参照すると、本実施
例についても、高率放電特性及び内圧特性にすぐれるの
は、アルカリ処理を施した水素吸蔵合金を内側層に用
い、アルカリ処理を施さない水素吸蔵合金を外側層に用
いた本発明の水素吸蔵合金電極(No.61及びNo.71)で
あることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金電極によれば、集
電体側の内側層に酸処理又はアルカリ処理を施した水素
吸蔵合金粉末を用いているから、内側層はすぐれた親水
性を呈し、内側層と集電体間で充放電反応が活発に起こ
り、放電特性の高率化を達成することができる。また、
電解液と接する側の外側層には、酸処理、アルカリ処理
のどちらも施していない水素吸蔵合金粉末を用いている
から、外側層は疎水性であり、外側層と電解液との間で
は、過充電時に酸素ガス吸収反応が活発に起こるから、
内圧の上昇を抑えることができる。つまり、本発明の水
素吸蔵合金電極は、すぐれた高率放電特性と、内圧特性
の低減を同時に実現できる。従って、本発明の水素吸蔵
合金電極を用いた電池は、内圧が上昇しないから長期に
亘って、すぐれた放電特性を具えることができる。
電体側の内側層に酸処理又はアルカリ処理を施した水素
吸蔵合金粉末を用いているから、内側層はすぐれた親水
性を呈し、内側層と集電体間で充放電反応が活発に起こ
り、放電特性の高率化を達成することができる。また、
電解液と接する側の外側層には、酸処理、アルカリ処理
のどちらも施していない水素吸蔵合金粉末を用いている
から、外側層は疎水性であり、外側層と電解液との間で
は、過充電時に酸素ガス吸収反応が活発に起こるから、
内圧の上昇を抑えることができる。つまり、本発明の水
素吸蔵合金電極は、すぐれた高率放電特性と、内圧特性
の低減を同時に実現できる。従って、本発明の水素吸蔵
合金電極を用いた電池は、内圧が上昇しないから長期に
亘って、すぐれた放電特性を具えることができる。
【図1】本発明の水素吸蔵合金電極の拡大断面図であ
る。
る。
【図2】試験電池の断面図である。
(1) 水素吸蔵合金電極 (12) 集電体 (14) 内側層 (16) 外側層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 野上 光造 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 集電体(12)の上に複数の水素吸蔵合金層
を設けた水素吸蔵合金電極において、集電体側の水素吸
蔵合金層(14)は、酸処理又はアルカリ処理が施された水
素吸蔵合金粉末を用いて構成し、電解液と接する側の水
素吸蔵合金層(16)は、酸処理及びアルカリ処理が施され
ていない水素吸蔵合金粉末を用いて構成したことを特徴
とする水素吸蔵合金電極。 - 【請求項2】 水素吸蔵合金は、一般式ABx(但し、
xは4.4〜5.4)で表され、AはMm(ミッシュメタ
ル)、BはNi、Co、Al及びMnであることを特徴
とする請求項1に記載の水素吸蔵合金電極。 - 【請求項3】 水素吸蔵合金は、一般式ABx(但し、
xは1.8〜2.2)で表され、Aは少なくともZrを含
み、Bは少なくともNiを含むことを特徴とする請求項
1に記載の水素吸蔵合金電極。 - 【請求項4】 水素吸蔵合金粉末を集電体(12)の上に塗
着して水素吸蔵合金層を複数層形成することにより水素
吸蔵合金電極を作製する方法において、水素吸蔵合金粉
末を集電体に塗着する工程の前に、集電体側の水素吸蔵
合金層(14)を構成する水素吸蔵合金粉末にのみ、酸処理
又はアルカリ処理を施すことを特徴とする水素吸蔵合金
電極の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9055667A JPH10255775A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 水素吸蔵合金電極及びその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9055667A JPH10255775A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 水素吸蔵合金電極及びその作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10255775A true JPH10255775A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13005220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9055667A Pending JPH10255775A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 水素吸蔵合金電極及びその作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10255775A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100433419C (zh) * | 2003-09-12 | 2008-11-12 | 三洋电机株式会社 | 碱性蓄电池用贮氢合金及其制造方法和碱性蓄电池 |
WO2015015540A1 (ja) * | 2013-07-27 | 2015-02-05 | エクセルギー・パワー・システムズ株式会社 | 電池用負極材料、電池用負極および電池 |
JP2016204745A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | エクセルギー・パワー・システムズ株式会社 | 水素製造装置および水素製造方法 |
CN114619026A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-06-14 | 厦门钨业股份有限公司 | 一种复合固态贮氢材料及其制备方法 |
-
1997
- 1997-03-11 JP JP9055667A patent/JPH10255775A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100433419C (zh) * | 2003-09-12 | 2008-11-12 | 三洋电机株式会社 | 碱性蓄电池用贮氢合金及其制造方法和碱性蓄电池 |
WO2015015540A1 (ja) * | 2013-07-27 | 2015-02-05 | エクセルギー・パワー・システムズ株式会社 | 電池用負極材料、電池用負極および電池 |
JP5875095B2 (ja) * | 2013-07-27 | 2016-03-02 | エクセルギー・パワー・システムズ株式会社 | 電池用負極材料、電池用負極および電池 |
JP2016204745A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | エクセルギー・パワー・システムズ株式会社 | 水素製造装置および水素製造方法 |
CN114619026A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-06-14 | 厦门钨业股份有限公司 | 一种复合固态贮氢材料及其制备方法 |
CN114619026B (zh) * | 2022-03-15 | 2024-01-12 | 厦门厦钨氢能科技有限公司 | 一种复合固态贮氢材料及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030624 |