JP3433027B2 - 水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents
水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法Info
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Description
二次電池等のアルカリ二次電池において、その負極に使
用される水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造
方法に関するものであり、この水素吸蔵合金電極に使用
する水素吸蔵合金を改質し、水素吸蔵合金電極における
活性度や耐食性等を向上させた点に特徴を有するもので
ある。
て、ニッケル−水素二次電池が知られており、このニッ
ケル−水素二次電池においては、一般にその負極に水素
吸蔵合金が使用されていた。
については、従来より様々な開発が行なわれ、このよう
な水素吸蔵合金としては、例えば、希土類元素の混合物
であるミッシュメタル(Mm)を用いたMm系の水素吸
蔵合金や、ラーベス(Laves)相系の水素吸蔵合金
が使用されていた。
等によってその表面に酸化物等の被膜が形成され、この
水素吸蔵合金をニッケル−水素二次電池における負極に
使用した場合、その初期における水素吸蔵合金の活性度
が低く、初期における電池容量が低くなると共に電池内
における圧力が増加するという問題があり、また水素吸
蔵合金の耐食性も十分ではなく、充放電サイクル特性が
悪くなるという問題があった。
0054号公報に示されるように、上記のような水素吸
蔵合金における耐食性を向上させるため、メカニカルア
ロイングやスパッタリング等によって水素吸蔵合金の表
面に非晶質層を形成することが提案された。
メカニカルアロイングやスパッタリング等によって非晶
質層を設ける場合、水素吸蔵合金の表面全体に非晶質層
を均一に設けることが困難で、水素吸蔵合金の耐食性を
十分に向上させることができず、充放電サイクル特性が
依然として悪く、また水素吸蔵合金における初期の活性
度の向上も十分ではなく、初期における電池容量が低
く、また電池内における内圧が高くなる等の問題が存在
した。
−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用する
水素吸蔵合金電極における上記のような様々な問題を解
決することを課題とするものである。
合金をニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電池の
負極に使用する場合において、初期における水素吸蔵合
金の活性度を十分に向上させて、初期より十分な電池容
量が得られると共に、その内圧が上昇するということも
少なく、更に水素吸蔵合金における耐食性が向上され
て、充放電サイクル特性に優れたアルカリ二次電池が得
られるようにすることを課題とするものである。
水素吸蔵合金電極においては、上記のような課題を解決
するため、ABx型でAがミッシュメタル、Bがニッケ
ル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からなり、原
子比xが4.4≦x≦5.4であるミッシュメタル系の
水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極において、上記
の水素吸蔵合金の表面に上記のA,Bの原子比B/Aが
10以上になった非晶質層を形成したのである。
いて、上記のABx型ミッシュメタル系の水素吸蔵合金
に含有されるBの元素としては、ミッシュメタル系の水
素吸蔵合金において一般に含有される公知の元素を含有
させることができ、上記のニッケルNi,コバルトCo
の他に、例えば、アルミニウムAl,マンガンMn,ホ
ウ素B,バナジウムV,タングステンW,モリブデンM
o等の元素を含有させることができる。
うに、ミッシュメタル系の水素吸蔵合金の表面に、上記
のA,Bの原子比B/Aが10以上になった非晶質層を
設けると、この表面の非晶質層に活性度の高いNi,C
oが多く出現し、この非晶質層によって水素吸蔵合金に
おける初期の活性度が向上され、ニッケル−水素二次電
池等のアルカリ二次電池の負極に使用した初期からこの
水素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるようにな
り、初期における電池容量が向上すると共に、電池にお
ける内圧の上昇が抑制される。また、上記の非晶質層に
よって水素吸蔵合金における耐食性が向上され、この水
素吸蔵合金電極を使用した電池における充放電サイクル
特性も向上する。
金電極においては、上記のような課題を解決するため、
ABx型でAがジルコニウム,チタンの少なくとも1つ
を含む元素、Bが少なくともニッケルを含む元素からな
り、原子比xが1.8≦x≦2.2であるラーベス相系
の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極において、上
記の水素吸蔵合金の表面に上記のA,Bの原子比B/A
が5以上になった非晶質層を形成したのである。
いて、上記のABx型ラーベス相系の水素吸蔵合金に含
有されるBの元素としては、ラーベス相系の水素吸蔵合
金において一般に含有される公知の元素を含有させるこ
とができ、上記のニッケルNiの他に、例えば、コバル
トCo,バナジウムV,マンガンMn,銅Cu,鉄Fe
等の元素を含有させることができる。
うに、ラーベス相系の水素吸蔵合金の表面に上記のA,
Bの原子比B/Aが5以上になった非晶質層を設ける
と、第1の水素吸蔵合金の場合と同様に、この表面の非
晶質層に活性度の高いNi等が多く出現し、この非晶質
層によって水素吸蔵合金における初期の活性度が向上さ
れ、ニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負
極に使用した初期からこの水素吸蔵合金内に水素が効率
良く吸蔵されるようになり、初期における電池容量が向
上すると共に、電池における内圧の上昇が抑制される。
また、上記の非晶質層によって水素吸蔵合金における耐
食性が向上され、この水素吸蔵合金電極を使用したアル
カリ二次電池における充放電サイクル特性も向上する。
金電極の製造方法においては、上記のような課題を解決
するため、ABx型でAがミッシュメタル、Bがニッケ
ル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からなり、原
子比xが4.4≦x≦5.4であるミッシュメタル系の
水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を製造するにあ
たり、上記のミッシュメタル系の水素吸蔵合金を2回以
上酸性溶液中で処理して、この水素吸蔵合金の表面に、
上記のA,Bの原子比B/Aが10以上になった非晶質
層を形成するようにしたのである。
金電極の製造方法においては、上記のような課題を解決
するため、ABx型でAがジルコニウム,チタンの少な
くとも1つを含む元素、Bが少なくともニッケルを含む
元素からなり、原子比xが1.8≦x≦2.2であるラ
ーベス相系の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を
製造するにあたり、上記のラーベス相系の水素吸蔵合金
を2回以上酸性溶液中において処理して、この水素吸蔵
合金の表面に、上記のA,Bの原子比B/Aが5以上に
なった非晶質層を形成するようにしたのである。
金電極の製造方法に示すように、前記のミッシュメタル
系やラーベス相系の各水素吸蔵合金を2回以上酸性溶液
中で処理すると、1回目の酸性溶液による処理によって
これらの水素吸蔵合金の表面に形成された酸化物等の被
膜が溶解されると共に、これらの水素吸蔵合金に含まれ
るイオン化傾向の高いミッシュメタル等が溶解され、水
素吸蔵合金の表面に活性なニッケル等が多く分散された
状態で出現するようになる。そして、このように表面に
活性なニッケル等が多く分散された水素吸蔵合金を再度
酸性溶液中で処理すると、これらの水素吸蔵合金の表面
にニッケル等が多く含有された非晶質層が均一に形成さ
れるようになる。
合金電極のように、ニッケル−水素二次電池等のアルカ
リ二次電池の負極に使用した初期から水素吸蔵合金内に
水素が効率良く吸蔵されるようになり、初期における電
池容量が向上すると共に、電池における内圧の上昇が抑
制されると共に、この水素吸蔵合金電極を使用したアル
カリ二次電池における充放電サイクル特性も向上する。
性溶液中で処理するにあたっては、この酸性溶液におけ
るpHが低すぎると、ミッシュメタル等の他に水素の取
り込みに対して活性なニッケル等の金属も溶解されて、
形成された非晶質層におけるニッケル等の活性な元素の
含有量が少なくなる一方、この酸性溶液におけるpHが
高すぎると、水素吸蔵合金の表面に形成された酸化物の
被膜の除去やミッシュメタル等の溶解が十分に行なえな
くなるため、好ましくは、pHが0.7〜2.0の範囲
にある酸性溶液中で処理することが望ましい。
電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法について具体的に
説明すると共に、この発明の実施例の水素吸蔵合金電極
をニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電池に用い
た場合、水素吸蔵合金電極における活性度や耐食性等が
向上されることを比較例を挙げて明らかにする。なお、
この発明における水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電
極の製造方法は、特に下記の実施例に示したものに限定
されるものではなく、その要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更して実施できるものである。
希土類元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)に対
して、純度が99.9%のNi,Co,Al,Mnの金
属単体をそれぞれ所定のモル比で混合させ、これらの混
合物をそれぞれアルゴン雰囲気のアーク溶解炉で溶解さ
せた後、これらを自然冷却させ、それぞれMm(Ni
0.6 Co0.2 Al0.1 Mn0.1 )xの組成式で表され、
その原子比xが下記の表1に示すように4.0〜6.0
の範囲で変化したMm系の各水素吸蔵合金を作製した。
合金を空気中で機械的に粉砕して、平均粒径が80μm
になった各水素吸蔵合金を調整し、各水素吸蔵合金をそ
れぞれpH=1.2の塩酸中に30分間浸漬させた後、
これを吸引濾過し、さらにこれを水洗して乾燥させるよ
うにし、このような酸処理の回数を、下記の表1に示す
ように、比較例1〜8においては1回、実施例1〜4及
び比較例9〜12においては2回、実施例5〜8及び比
較例13〜16においては3回行ない、各水素吸蔵合金
の表面を非晶質化させた。
て、Mm(Ni0.6 Co0.2 Al0.1 Mn0.1 )xの組
成式で表され、その原子比xが下記の表2に示すように
4.0〜6.0の範囲で変化したMm系の各水素吸蔵合
金を作製し、これらの水素吸蔵合金を13000rpm
の高速で回転するロータ内に10分間投入し、これらの
水素吸蔵合金に衝撃力や摩擦力等による機械的な熱エネ
ルギーを繰り返し与えて、これらの各水素吸蔵合金の表
面を非晶質化させた。
8及び比較例1〜24の各水素吸蔵合金の表面を観察
し、各水素吸蔵合金の表面における非晶質層の組成を透
過型電子顕微鏡及び走査透過型電子顕微鏡による表面化
学分析法(EDX法)により分析し、非晶質層における
Mm(A)と、それ以外のNi,Co,Al,Mn元素
(B)の原子比(=B/A)を求め、その結果を下記の
表3に示した。
0.6 Co0.2 Al0.1 Mn0.1 )xの原子比xが4.4
〜5.4の範囲で、かつこのMm系の水素吸蔵合金を2
回以上酸性溶液中で処理した上記の実施例1〜8のもの
においては、B/Aの値が10以上になっており、水素
吸蔵合金の表面に、Mm以外のNi,Co,Al,Mn
の元素を多く含有する非晶質層が形成された。
及び比較例1〜24の各水素吸蔵合金を使用して水素吸
蔵合金電極を作製するにあたっては、上記の各水素吸蔵
合金100重量部に対して、それぞれ結着剤として用い
るポリエチレンオキサイドの5重量%水溶液を20重量
部加え、これを混合させて各ペーストを調製し、このペ
ーストをニッケル鍍金を施したパンチングメタルからな
る芯体の両面に塗着させて室温で乾燥した後、所定の寸
法に切断して、上記の各水素吸蔵合金を使用した水素吸
蔵合金電極を作製した。
吸蔵合金電極を負極として使用する一方、正極に従来よ
り公知の焼結式ニッケル極を用い、また電解液として3
0重量%水酸化カリウム水溶液を使用して、図1に示す
ような円筒型のニッケル−水素二次電池を作製するよう
にした。
するにあたっては、図1に示すように、正極1と負極2
との間にそれぞれセパレータ3として耐アルカリ性の不
織布を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶
4内に収容させた後、この電池缶4内に上記の電解液を
注液して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋
6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して
電池缶4に接続させて、電池缶4と正極蓋6とを絶縁パ
ッキン8により電気的に分離させるようにし、また正極
蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を
設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイ
ルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気中
に放出されるようにした。
〜8及び比較例1〜24の各ニッケル−水素二次電池を
それぞれ常温下において、充電電流0.2Cで6時間充
電した後、放電電流0.2Cで1.0Vまで放電し、こ
れを1サイクルとして充放電を行ない、初期放電容量
(1サイクル目の放電容量)(mAh)と100サイク
ル後の放電容量(mAh)とを求め、初期放電容量の結
果を下記の表4に、100サイクル後の放電容量の結果
を下記の表5に示した。
(Ni0.6 Co0.2 Al0.1 Mn0.1)xのMm系の水
素吸蔵合金における原子比xが4.4〜5.4の範囲に
あり、かつこのMm系の水素吸蔵合金を2回以上酸性溶
液中で処理した実施例1〜8の各水素吸蔵合金を使用し
た各ニッケル−水素二次電池は、機械的な熱エネルギー
を繰り返し与えて水素吸蔵合金の表面を非晶質化させた
比較例17〜24の水素吸蔵合金を使用した各ニッケル
−水素二次電池や、上記の原子比xが4.0〜4.2や
5.6〜6.0のものを酸処理した比較例1,2,7〜
12の各水素吸蔵合金を用いた各ニッケル−水素二次電
池に比べて、初期及び100サイクル後における放電容
量が著しく向上していた。また、上記の原子比xが4.
4〜5.4の範囲であっても、酸処理を1回しか行なわ
なかった比較例4〜6の各水素吸蔵合金を用いた各ニッ
ケル−水素二次電池と比べた場合には、100サイクル
後における放電容量が著しく向上していた。
〜8及び比較例1〜24の各ニッケル−水素二次電池に
おける内圧特性を調べるため、各ニッケル−水素二次電
池をそれぞれ常温下において、充電電流1000mA
(=1C)で充電を行ない、各ニッケル−水素二次電池
内における内圧が10kgf/cm2 に達するまでの充
電時間をそれぞれ4個のニッケル−水素二次電池につい
て測定し、それぞれ充電時間の平均値を求めて、この結
果を下記の表6に示した。
0.6 Co0.2 Al0.1 Mn0.1 )xのMm系の水素吸蔵
合金における原子比xが4.4〜5.4の範囲にあり、
かつこのMm系の水素吸蔵合金を2回以上酸性溶液中で
処理した実施例1〜8の各水素吸蔵合金を使用した各ニ
ッケル−水素二次電池は、電池内における内圧が10k
gf/cm2 に達するまでの充電時間が、上記の初期放
電容量の場合と同様に、機械的な熱エネルギーを繰り返
し与えて水素吸蔵合金の表面を非晶質化させた比較例1
7〜24の水素吸蔵合金を使用した各ニッケル−水素二
次電池や、上記の原子比xが4.0〜4.2や5.6〜
6.0のものを酸処理した比較例1,2,7〜12の各
水素吸蔵合金を用いた各ニッケル−水素二次電池に比べ
て長くなっており、ニッケル−水素二次電池における内
圧の上昇が少なくなっていた。
は、純度99.9%のZrに対して、純度99.9%の
Ni,V,Mnの金属単体をそれぞれ所定のモル比で混
合させ、これらの混合物をアルゴン雰囲気のアーク溶解
炉で溶解させた後、これらを自然冷却させ、Zr(Ni
0.5 V0.3 Mn0.2 )xの組成式で表され、その原子比
xが下記の表7に示すように1.5〜2.5の範囲で変
化したラーベス相系の各水素吸蔵合金を作製した。
合金を空気中で機械的に粉砕して平均粒径が80μmに
なった各水素吸蔵合金を調整し、各水素吸蔵合金をそれ
ぞれpH=1.2の塩酸中に30分間浸漬させた後、こ
れを吸引濾過し、さらにこれを水洗して乾燥させるよう
にし、このような酸処理の回数を、下記の表7に示すよ
うに、比較例25〜32においては1回、実施例9〜1
2及び比較例33〜36においては2回、実施例13〜
16及び比較例37〜40においては3回行ない、各水
素吸蔵合金の表面を非晶質化させた。
て、Zr(Ni0.5 V0.3 Mn0.2 )xの組成式で表さ
れ、その原子比xが下記の表8に示すように1.6〜
2.5の範囲で変化したラーベス相系の各水素吸蔵合金
を作製し、これらの水素吸蔵合金を13000rpmの
高速で回転するロータ内に10分間投入し、これらの水
素吸蔵合金に衝撃力や摩擦力等による機械的な熱エネル
ギーを繰り返し与えて、これらの各水素吸蔵合金の表面
を非晶質化させた。
8及び比較例1〜24の各水素吸蔵合金の表面を観察
し、各水素吸蔵合金の表面における非晶質層の組成を透
過型電子顕微鏡及び走査透過型電子顕微鏡による表面化
学分析法(EDX法)により分析し、非晶質層における
Zr(A)と、それ以外のNi,V,Mn元素(B)の
原子比(=B/A)を求め、その結果を下記の表9に示
した。
0.5 V0.3 Mn0.2 )xの原子比xが1.8〜2.2の
範囲で、かつこのラーベス相系の水素吸蔵合金を2回以
上酸性溶液中で処理した上記の実施例9〜16のものに
おいては、B/Aの値が5以上になっており、水素吸蔵
合金の表面にZr以外のNi,V,Mnの元素を多く含
有する非晶質層が形成された。
6及び比較例25〜48の各水素吸蔵合金を使用し、前
記の実施例1〜8及び比較例1〜24の場合と同様にし
て水素吸蔵合金電極を作製し、さらにこのように作製し
た各水素吸蔵合金電極を負極に使用して、前記の実施例
1〜8及び比較例1〜24の場合と同様に、図1に示す
ような円筒型のニッケル−水素二次電池を作製した。
〜16及び比較例25〜48の各ニッケル−水素二次電
池について、前記の実施例1〜8及び比較例1〜24の
場合と同様に、各ニッケル−水素二次電池をそれぞれ常
温下において、充電電流0.2Cで6時間充電した後、
放電電流0.2Cで1.0Vまで放電し、これを1サイ
クルとして充放電を行ない、初期放電容量(1サイクル
目の放電容量)(mAh)と100サイクル後の放電容
量(mAh)とを求め、初期放電容量の結果を下記の表
10に、また100サイクル後の放電容量の結果を下記
の表11に示した。
(Ni0.5 V0.3 Mn0.2 )xの原子比xが1.8〜
2.2の範囲で、かつこのラーベス相系の水素吸蔵合金
を2回以上酸性溶液中で処理した実施例9〜16の各水
素吸蔵合金を使用した各ニッケル−水素二次電池は、機
械的な熱エネルギーを繰り返し与えて水素吸蔵合金の表
面を非晶質化させた比較例41〜48の各水素吸蔵合金
を使用した各ニッケル−水素二次電池や、上記の原子比
xが1.6、1.7、2.3、2.5になったものを酸
処理した比較例25,26,31〜40の各水素吸蔵合
金を用いた各ニッケル−水素二次電池に比べて、初期及
び100サイクル後における放電容量が著しく向上して
いた。また、上記の原子比xが1.8〜2.2の範囲で
あっても、酸処理を1回しか行なわなかった比較例27
〜30の各水素吸蔵合金を用いた各ニッケル−水素二次
電池と比べた場合には、100サイクル後における放電
容量が著しく向上していた。
〜16及び比較例25〜48の各ニッケル−水素二次電
池における内圧特性を調べるため、前記の実施例1〜8
及び比較例1〜24の場合と同様に、各ニッケル−水素
二次電池をそれぞれ常温下において、充電電流1000
mA(=1C)で充電を行ない、各ニッケル−水素二次
電池内における内圧が10kgf/cm2 に達するまで
の充電時間を測定し、それぞれ4個のニッケル−水素二
次電池について充電時間を測定してその平均値を求め、
この結果を下記の表12に示した。
0.5 V0.3 Mn0.2 )xの原子比xが1.8〜2.2の
範囲で、かつこのラーベス相系の水素吸蔵合金を2回以
上酸性溶液中で処理した実施例9〜16の各水素吸蔵合
金を使用した各ニッケル−水素二次電池は、電池内にお
ける内圧が10kgf/cm2 に達するまでの充電時間
が、上記の初期放電容量の場合と同様に、機械的な熱エ
ネルギーを繰り返し与えて水素吸蔵合金の表面を非晶質
化させた比較例41〜48の各水素吸蔵合金を使用した
各ニッケル−水素二次電池や、上記の原子比xが1.
6、1.7、2.3、2.5になったものを酸処理した
比較例25,26,31〜40の各水素吸蔵合金を用い
た各ニッケル−水素二次電池に比べて長くなっており、
ニッケル−水素二次電池における内圧の上昇が少なくな
っていた。
第1及び第2の水素吸蔵合金電極においては、ミッシュ
メタル系の水素吸蔵合金やラーベス相系の水素吸蔵合金
の表面に、活性度の高いNi等が多く出現した非晶質層
を設けたため、この非晶質層によって水素吸蔵合金にお
ける初期の活性度が向上され、ニッケル−水素二次電池
等のアルカリ二次電池の負極に使用した初期からこの水
素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるようになり、
初期における電池容量が向上すると共に、電池における
内圧の上昇が抑制され、またこの非晶質層によって水素
吸蔵合金における耐食性も向上されて、この水素吸蔵合
金電極を使用した電池における充放電サイクル特性も向
上し、初期特性や充放電サイクル特性に優れたアルカリ
二次電池が得られるようになった。
素吸蔵合金電極の製造方法においては、ミッシュメタル
系の水素吸蔵合金やラーベス相系の水素吸蔵合金を2回
以上酸性溶液中で処理するようにしたため、この水素吸
蔵合金の表面に非晶質層を形成するようにしたため、こ
れらの水素吸蔵合金の表面にニッケル等が多く含有され
た均一な非晶質層が形成されるようになり、上記の第1
及び第2の水素吸蔵合金電極の場合と同様に、ニッケル
−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用した
初期からこの水素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵され
るようになり、初期における電池容量が向上すると共
に、電池における内圧の上昇が抑制され、またこの非晶
質層によって水素吸蔵合金における耐食性も向上され
て、この水素吸蔵合金電極を使用した電池における充放
電サイクル特性も向上し、初期特性や充放電サイクル特
性に優れたアルカリ二次電池が得られるようになった。
ニッケル−水素二次電池の内部構造を示した概略断面図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ABx型でAがミッシュメタル、Bがニ
ッケル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からな
り、原子比xが4.4≦x≦5.4であるミッシュメタ
ル系の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極におい
て、上記の水素吸蔵合金の表面に上記のA,Bの原子比
B/Aが10以上になった非晶質層が形成されてなるこ
とを特徴とする水素吸蔵合金電極。 - 【請求項2】 ABx型でAがジルコニウム,チタンの
少なくとも1つを含む元素、Bが少なくともニッケルを
含む元素からなり、原子比xが1.8≦x≦2.2であ
るラーベス相系の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電
極において、上記の水素吸蔵合金の表面に上記のA,B
の原子比B/Aが5以上になった非晶質層が形成されて
なることを特徴とする水素吸蔵合金電極。 - 【請求項3】 ABx型でAがミッシュメタル、Bがニ
ッケル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からな
り、原子比xが4.4≦x≦5.4であるミッシュメタ
ル系の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を製造す
るにあたり、上記のミッシュメタル系の水素吸蔵合金を
2回以上酸性溶液中で処理して、この水素吸蔵合金の表
面に、上記のA,Bの原子比B/Aが10以上になった
非晶質層を形成することを特徴とする水素吸蔵合金電極
の製造方法。 - 【請求項4】 ABx型でAがジルコニウム,チタンの
少なくとも1つを含む元素、Bが少なくともニッケルを
含む元素からなり、原子比xが1.8≦x≦2.2であ
るラーベス相系の水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電
極を製造するにあたり、上記のラーベス相系の水素吸蔵
合金を2回以上酸性溶液中において処理して、この水素
吸蔵合金の表面に、上記のA,Bの原子比B/Aが5以
上になった非晶質層を形成することを特徴とする水素吸
蔵合金電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27728996A JP3433027B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法 |
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