JP3459528B2 - 水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法

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JP3459528B2 JP32897396A JP32897396A JP3459528B2 JP 3459528 B2 JP3459528 B2 JP 3459528B2 JP 32897396 A JP32897396 A JP 32897396A JP 32897396 A JP32897396 A JP 32897396A JP 3459528 B2 JP3459528 B2 JP 3459528B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケル−水素
二次電池等のアルカリ二次電池において、その負極に使
用される水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法
関するものであり、この水素吸蔵合金電極に使用する水
素吸蔵合金を改質して、初期におけ活性度を向上させ、
この水素吸蔵合金電極を用いたアルカリ二次電池におけ
る初期放電特性や内圧特性を向上させた点に特徴を有す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルカリ二次電池の1つとし
て、ニッケル−水素二次電池が知られており、このニッ
ケル−水素二次電池においては、一般にその負極に水素
吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極が使用されていた。
【0003】ここで、この負極に使用する水素吸蔵合金
としては、希土類元素の混合物であるミッシュメタル
(Mm)を用いたMm系の水素吸蔵合金や、ラーベス
(Laves)相系の水素吸蔵合金が使用されていた。
【0004】しかし、これらの水素吸蔵合金は、一般に
自然酸化等によってその表面に酸化物等の被膜が形成さ
れており、このような水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合
金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をニッケル−水
素二次電池等のアルカリ二次電池における負極に使用し
た場合には、その初期における水素吸蔵合金の活性度が
低くて、水素ガスの吸収が十分に行なわれず、初期にお
ける電池容量が低くなったり、電池内における圧力が増
加する等の問題があった。
【0005】このため、近年においては、特開平5−2
25975号公報等に示されるように、水素吸蔵合金を
塩酸等の酸性溶液中に浸漬させて、水素吸蔵合金の表面
における酸化被膜を除去するようにしたものが提案され
た。
【0006】ここで、このように水素吸蔵合金を酸性溶
液中に浸漬させて、この水素吸蔵合金の表面における酸
化被膜等を除去した場合、水素吸蔵合金の表面に活性な
部位がある程度出現するが、この表面における活性な部
位が再度酸化されたりして、水素吸蔵合金における初期
の活性度が十分に向上されず、依然として初期において
水素ガスの吸収が十分に行なわれず、電池容量が低くな
ったり、電池内における圧力が高くなる等の問題が存在
した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ニッケル
−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用する
水素吸蔵合金電極における上記のような様々な問題を解
決することを課題とするものであり、水素吸蔵合金電極
に使用する水素吸蔵合金の初期におけ活性度を十分に向
上させて、初期より水素ガスが十分に吸収されるように
し、この水素吸蔵合金電極を使用したアルカリ二次電池
における初期放電特性や内圧特性を向上させるようにす
ることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法におい
ては、上記のような課題を解決するために、ABx型で
Aがミッシュメタル、Bがニッケル,コバルトの少なく
とも1つを含む元素からなり、上記の原子比xが4.4
≦x≦5.4になったミッシュメタル系の水素吸蔵合金
を、pHが0.7〜1.8の範囲の酸性溶液中において
処理し、その後、pHが2〜6の範囲になった時点でア
ルカリを添加し、その最表面から80Åの内部までにお
ける上記のA成分とB成分との原子比B/Aが3.0〜
6.5の範囲になるようにしたのである
【0009】ここで、この請求項1における水素吸蔵合
金電極用水素吸蔵合金の製造方法において、ABx型の
ミッシュメタル系の水素吸蔵合金に含有されるBの元素
としては、ミッシュメタル系の水素吸蔵合金において一
般に含有される公知の元素を含有させることができ、上
記のニッケルやコバルトの他に、例えば、アルミニウ
ム,マンガン,ホウ素,バナジウム,タングステン,モ
リブデン等の元素を含有させることができる。
【0010】そして、この水素吸蔵合金電極用水素吸蔵
合金の製造方法のように、ABx型のミッシュメタル系
の水素吸蔵合金をpHが0.7〜1.8の範囲の酸性溶
液中において処理し、その後、pHが2〜6の範囲まで
上昇した時点でアルカリを添加し、その最表面から80
Åの内部までにおける上記のA成分とB成分との原子比
B/Aが3.0〜6.5の範囲になるようにすると、こ
の水素吸蔵合金の表面における導電性が低下するという
ことがなく、その活性度が向上し、ニッケル−水素二次
電池等のアルカリ二次電池の負極に使用した初期からこ
の水素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるようにな
り、初期における電池容量が向上すると共に、電池にお
ける内圧の上昇も抑制されるようになる。
【0011】また、この発明の請求項2における水素吸
蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法においては、AB
x型でAがジルコニウム,チタンの少なくとも1つを含
む元素、Bが少なくともニッケルを含む元素からなり、
上記の原子比xが1.8≦x≦2.2になったラーベス
相系の水素吸蔵合金を、pHが0.7〜1.8の範囲の
酸性溶液中において処理し、その後、pHが2〜6の範
囲まで上昇した時点でアルカリを添加し、その最表面か
ら80Åの内部までにおける上記のA成分とB成分との
原子比B/Aが1.5〜3.5の範囲になるようにした
のである。
【0012】ここで、この請求項2における水素吸蔵合
金電極用水素吸蔵合金の製造方法において、ABx型の
ラーベス相系の水素吸蔵合金に含有されるBの元素とし
ては、ラーベス相系の水素吸蔵合金において一般に含有
される公知の元素を含有させることができ、上記のニッ
ケルの他に、例えば、コバルト,バナジウム,マンガ
ン,銅,鉄等の元素を含有させることができる。
【0013】そして、この水素吸蔵合金電極用水素吸蔵
合金の製造方法のように、ABx型のラーベス相系の水
素吸蔵合金をpHが0.7〜1.8の範囲の酸性溶液中
において処理し、その後、pHが2〜6の範囲まで上昇
した時点でアルカリを添加し、その最表面から80Åの
内部までにおける上記のA成分とB成分との原子比B/
Aが1.5〜3.5の範囲になるようにすると、上記の
ミッシュメタル系の水素吸蔵合金の場合と同様に、この
水素吸蔵合金の表面における導電性が低下することな
く、その活性度が向上し、ニッケル−水素二次電池等の
アルカリ二次電池の負極に使用した初期からこの水素吸
蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるようになり、初期
における電池容量が向上すると共に、電池における内圧
の上昇も抑制されるようになる。
【0014】ここで、上記の請求項1及び請求項2に記
載した水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法にお
いて、水素吸蔵合金を初期pHが0.7〜1.8の範囲
の酸性溶液中で処理するようにしたのは、酸性溶液の初
期pHが0.7より低いと、水素吸蔵合金の酸化が急激
に生じ、水素吸蔵合金の内部まで溶解されて、水素吸蔵
合金の特性が低下する一方、酸性溶液の初期pHが1.
8より高いと、水素吸蔵合金の表面における酸化物等の
被膜を十分に除去させることができなくなるためであ
る。
【0015】 そして、このように水素吸蔵合金を初期p
Hが0.7〜1.8の範囲の酸性溶液中で処理すると共
に、この酸性溶液のpHが2〜6の範囲まで上昇した時
においてアルカリを添加させると、水素吸蔵合金の表
面における酸化物等の被膜が十分に除去された状態にな
ると共に、水素吸蔵合金における成分の溶出が制御さ
れ、その最表面から80Åの内部までにおけるA成分と
B成分との原子比B/Aが、上記の請求項1,2に記載
したように、内部におけるバルクの組成と同じようにな
った水素吸蔵合金が得られるようになる。
【0016】 そして、このようにして得た水素吸蔵合金
を用いて水素吸蔵合金電極を製造すると、水素吸蔵合金
の表面における導電性が低下することがなく、その活性
度が向上し、ニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次
電池の負極に使用した初期からこの水素吸蔵合金内に水
素が効率良く吸蔵されるようになり、初期における電池
容量が向上すると共に、電池における内圧の上昇も抑制
されるようになる。
【0017】 また、上記のようにアルカリを添加させる
にあたり、その量が少ないと、水素吸蔵合金における成
分の溶出を十分に制御することができなくなる一方、そ
の量が多くなり過ぎると、水素吸蔵合金の表面に多くの
水酸化物が生成されて、水素吸蔵合金における導電性が
低下するため、pHが14以上のアルカリを上記の酸性
溶液に対して5〜25%添加させるようにすることが好
ましい。
【0018】また、請求項1又は2に記載した水素吸蔵
合金電極用水素吸蔵合金の製造方法において、水素吸蔵
合金を酸性溶液中で処理するにあたっては、請求項3に
記載したように、水素吸蔵合金をニッケル化合物とコバ
ルト化合物の少なくとも1種を含む酸性溶液中で処理す
ことが好ましい。
【0019】 ここで、上記のように水素吸蔵合金をニッ
ケル化合物とコバルト化合物の少なくとも1種を含む酸
性溶液中で処理すると、水素吸蔵合金の表面における酸
化物等の被膜が除去される一方、水素吸蔵合金の表面に
おけるニッケルやコバルトの溶出が抑制されると共に、
この水素吸蔵合金の表面にニッケルやコバルトが析出さ
れて、水素吸蔵合金の表面に活性度の高いニッケルやコ
バルトが多く存在するようになる。
【0020】 そして、このようにして得た水素吸蔵合金
を用いて水素吸蔵合金電極を製造すると、水素吸蔵合金
電極における活性度が初期より向上し、ニッケル−水素
二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用した初期か
らこの水素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるよう
になり、初期における電池容量が向上すると共に、電池
における内圧の上昇も抑制されるようになる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る水素吸蔵合金
電極用水素吸蔵合金の製造方法について具体的に説明す
ると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例の方法によ
って製造された水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極
をアルカリ二次電池に使用した場合に、初期における電
池の内圧の上昇が抑制されると共に、初期における放電
特性が向上されることを明らかにする。なお、この発明
における水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法
は、特に、下記の実施例に示したものに限定されるもの
ではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更
して実施できるものである。
【0022】 (実験例1) この実験例1においては、希土類元素の混合物であるミ
ッシュメタル(Mm)に対して純度が99.9%のNi
とCoとAlとMnを適当なモル比で混合させてアルゴ
ン雰囲気下のアーク溶解炉で溶解させた後、これらを自
然放冷させて、Mm(Ni0.6 Co0.2 Al0.1 Mn
0.1 )xの組成式で表され、下記の表1に示すように、
このxの値が4.0、4.2、4.4、4.8、5.
0、5.4、5.6、6.0になったABx型のミッシ
ュメタル(Mm)系の水素吸蔵合金からなる各インゴッ
トを得た。
【0023】 次に、このようにして得たMm系の各水素
吸蔵合金のインゴットを空気中で機械的に粉砕して、平
均粒径が80μmになった各水素吸蔵合金の粉末を得
た。
【0024】 そして、このようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末をpH0.7の塩酸酸性溶液中で処理するよう
にし、各水素吸蔵合金の粉末を酸性溶液中に15分間浸
漬させ、この酸性溶液のpHが4になった時点で、下記
の表1に示すように、この酸性溶液に対して、KOHを
用いたpHが14以上で比重が1.30のアルカリ溶液
を適当な割合で添加させて処理する一方、この酸性溶液
に対してアルカリ溶液を加えないで各水素吸蔵合金の粉
末を処理するようにした。
【0025】 そして、上記のようにして処理した各水素
吸蔵合金粉末の最表面から80Åの内部までの部分にお
ける組成を調べ、この部分における上記のAに対応する
Mmと、Bに対応するNi、Co、Al、Mnとの原子
B/Aを求め、その結果を下記の表1に示した。
【0026】 ここで、上記の各水素吸蔵合金粉末の最表
面から80Åの内部までの部分における組成を調べるに
あたっては、走査型透過型電子顕微鏡とエネルギー分散
型X線分析計を用いて測定した。
【0027】
【表1】
【0028】この結果、Mm(Ni0.6 Co0.2 Al
0.1 Mn0.1 )xの組成式で表され、その原子比xの値
が4.4〜5.4の範囲になったMm系の水素吸蔵合金
を用いると共に、酸性溶液に対して上記のアルカリ溶液
を添加させる割合を5〜25%にして処理した場合に、
上記のB/Aの値が3.0〜6.5の範囲になり、この
発明の請求項1に示した条件を満たす水素吸蔵合金が得
られた。
【0029】 次に、上記のようにして処理した各水素吸
蔵合金を100重量部に対して、それぞれ結着剤である
ポリエチレンオキサイドの5重量%水溶液を20重量部
加えて混合させ、各ペーストを調整し、このペーストを
それぞれニッケルメッキしたパンチングメタルからなる
芯体の両面に塗着させて室温で乾燥させた後、所定の寸
法に切断して、各水素吸蔵合金電極を作製した。
【0030】 そして、このように作製した各水素吸蔵合
金電極を負極に使用する一方、正極に、従来より一般に
使用されている焼結式ニッケル極を使用し、またセパレ
ータに耐アルカリ性の不織布を用い、電池容量が100
0mAhになった図1に示すようなニッケル−水素二次
電池を作製した。
【0031】 ここで、上記の各ニッケル−水素二次電池
を作製するにあたっては、図1に示すように、上記の正
極1と各負極2との間にそれぞれセパレータ3を介在さ
せ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容さ
せた後、この電池缶4内にアルカリ電解液として30重
量%の水酸化カリウム水溶液を注液して封口し、正極1
を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、
負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、電
池缶4と正極蓋6とを絶縁パッキン8により電気的に分
離させるようにし、また、正極蓋6と正極外部端子9と
の間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常
に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮
されて電池内部のガスが大気中に放出されるようにし
た。
【0032】 そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池に対し、常温下において、それぞれ
充電電流0.2Cで6時間充電した後、放電電流0.2
Cで放電を行ない、これらの各ニッケル−水素二次電池
における初期放電容量を求め、その結果を下記の表2に
示した。
【0033】 さらに、上記の各ニッケル−水素二次電池
に対し、それぞれ電池の内圧を測定しながら常温下にお
いて1000mA(1C)で充電を行ない、電池の内圧
が10kgf/cm2 に達するまでの充電時間を測定
し、これを各ニッケル−水素二次電池における初期の内
圧特性として下記の表3に示した。なお、この内圧特性
を定めるにあたっては、それぞれ4個のニッケル−水素
二次電池について試験を行ない、その平均値を示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】表2及び表3に示す結果から明らかなよう
に、上記のように処理前におけるMm(Ni0.6 Co
0.2 Al0.1 Mn0.1 )xの組成式で表されるMm系の
水素吸蔵合金におけるxの値が4.4〜5.4の範囲で
あって、アルカリ溶液を酸性溶液に対して添加させる割
合を5〜25%にして処理し、上記のB/Aの値が3.
0〜6.5の範囲になった水素吸蔵合金を用いて作製し
た各ニッケル−水素二次電池は、B/Aの値が3.0〜
6.5の条件を満たしていない水素吸蔵合金を用いて作
製した各ニッケル−水素二次電池に比べて、一般に初期
放電容量が高くなっていると共に、電池の内圧特性を示
す充電時間が長くなっており、初期におけるガスの発生
が抑制され、初期より十分な放電容量が得られた。
【0037】 (実験例2) この実験例2においては、純度が99.9%のZrとN
iとVとMnとを適当なモル比で混合させてアルゴン雰
囲気下のアーク溶解炉で溶解させた後、これらを自然放
冷させて、Zr(Ni0.6 0.2 Mn0.2 )xの組成式
で表され、下記の表4に示すように、このxの値が1.
6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.
3、2.5になったABx型のラーベス相系の水素吸蔵
合金からなる各インゴットを得た。
【0038】 次に、このようにして得た各水素吸蔵合金
のインゴットを空気中で機械的に粉砕して、平均粒径が
80μmになった各水素吸蔵合金の粉末を得た。
【0039】 また、このようにして得た得た各水素吸蔵
合金の粉末をpH0.7の塩酸酸性溶液中で処理するよ
うにし、各水素吸蔵合金の粉末を酸性溶液中に15分間
浸漬させ、この酸性溶液のpHが約4になった時点で、
下記の表4に示すように、この酸性溶液に対して、KO
Hを用いたpHが14以上で比重が1.30のアルカリ
溶液を適当な割合で添加させて処理する一方、この酸性
溶液に対してアルカリ溶液を加えないで各水素吸蔵合金
粉末を処理するようにした。
【0040】 そして、上記のようにして処理した各水素
吸蔵合金粉末の最表面から80Åの内部までの部分にお
ける組成を調べ、この部分における上記のAに対応する
Zrと、Bに対応するNi、V、Mnとの原子比B/A
を、上記の実験例1の場合と同様にして求め、その結果
を下記の表に示した。
【0041】
【表4】
【0042】この結果、Zr(Ni0.6 0.2
0.2 )xの組成式で表され、その原子比xの値が1.
8〜2.2の範囲になったラーベス相系の水素吸蔵合金
を用いると共に、酸性溶液に対して上記のアルカリ溶液
を添加させる割合を5〜25%にして処理した場合に、
上記のB/Aの値が1.5〜3.5の範囲になり、この
発明の請求項2に示した条件を満たす水素吸蔵合金が得
られた。
【0043】 次に、上記のようにして処理した各水素吸
蔵合金を用い、上記の実験例1の場合と同様にして、各
水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製し
た各水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が10
00mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電池
を作製した。
【0044】 そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池を用い、上記の実験例1の場合と同
様にして、各ニッケル−水素二次電池における初期放電
容量を求め、その結果を下記の表5に示すと共に、各ニ
ッケル−水素二次電池における初期の内圧特性を求め、
その結果を下記の表6に示した。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表5及び表6に示す結果から明らかなよう
に、上記のように処理前におけるZr(Ni0.6 0.2
Mn0.2 )xの組成式で表されるラーベス相系の水素吸
蔵合金におけるxの値が1.8〜2.2の範囲であっ
て、アルカリ溶液を酸性溶液に対して添加させる割合を
5〜25%にして処理し、上記のB/Aの値が1.5〜
3.5の範囲になった水素吸蔵合金を用いて作製した各
ニッケル−水素二次電池は、B/Aの値が1.5〜3.
5の条件を満たしていない水素吸蔵合金を用いて作製し
た各ニッケル−水素二次電池に比べて、一般に初期放電
容量が高くなっていると共に、電池の内圧特性を示す充
電時間が長くなっており、初期におけるガスの発生が抑
制され、初期より十分な放電容量が得られた。
【0048】 (実施例1〜3及び比較例1) これらの実施例1〜3及び比較例1においては、希土類
元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)に対して純
度が99.9%のNiとCoとAlとMnを適当なモル
比で混合させてアルゴン雰囲気下のアーク溶解炉で溶解
させた後、これらを自然放冷させて、MmNi3.1 Co
1.0 Mn0.5 Al0.4 の組成式で表されるMm系の水素
吸蔵合金からなるインゴットを得た。
【0049】 そして、このようにして得たMm系の水素
吸蔵合金のインゴットを空気中で機械的に粉砕して、平
均粒径が80μmになった水素吸蔵合金の粉末を得た。
【0050】 次に、上記のようにして得た水素吸蔵合金
の粉末を酸性溶液中で処理するにあたり、実施例1では
塩化コバルトCoCl2 を0.2重量%添加させたpH
0.7の塩酸酸性溶液を、実施例2では塩化ニッケルN
iCl2 を0.2重量%添加させたpH0.7の塩酸酸
性溶液を、実施例3では塩化コバルトCoCl2 と塩化
ニッケルNiCl2 とをそれぞれ0.1重量%に添加さ
せたpH0.7の塩酸酸性溶液を用い、これらの酸性溶
液中にそれぞれ15分間浸漬させて処理し、各酸性溶液
のpHが約4になった時点で、各酸性溶液に対して、p
H14以上で比重が1.30になったKOHのアルカリ
溶液をそれぞれ10%添加させて処理した。
【0051】 一方、比較例1においては、上記の水素吸
蔵合金の粉末を、塩化コバルトCoCl2 や塩化ニッケ
ルNiCl2 を添加させていないpH0.7の塩酸酸性
溶液中に15分間浸漬させて処理した。
【0052】 そして、上記のようにして処理した各水素
吸蔵合金の粉末を吸引濾過した後、これを水洗し、乾燥
させた。
【0053】 ここで、上記のようにして得た各水素吸蔵
合金の粉末について、それぞれX線光電子分光法(XP
S)によりその表面分析を行ない、各水素吸蔵合金の表
面における金属に対する水酸化物の割合(水酸化物/金
属)を求め、その結果を下記の表7に示した。
【0054】 また、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末を用い、前記の実験例1の場合と同様にして、
各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製
した各水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が1
000mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電
池を作製した。
【0055】 そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池を用い、上記の実験例1の場合と同
様にして、各ニッケル−水素二次電池における初期放電
容量を求めると共に、各ニッケル−水素二次電池におけ
る初期の内圧特性を求め、これらの結果を下記の表7に
示した。
【0056】
【表7】
【0057】この結果から明らかなように、Mm系の水
素吸蔵合金を塩化コバルトや塩化ニッケルを添加させた
酸性溶液中で処理した場合、塩化コバルトや塩化ニッケ
ルを添加させない酸性溶液中で処理した場合に比べて、
その表面における水酸化物の量が増加していた。
【0058】 また、塩化コバルトや塩化ニッケルを添加
させた酸性溶液中で処理したMm系の水素吸蔵合金を用
いた実施例1〜3の各水素吸蔵合金電極を使用したニッ
ケル−水素二次電池は、塩化コバルトや塩化ニッケルを
添加させない酸性溶液中で処理したMm系の水素吸蔵合
金を用いた比較例1の水素吸蔵合金電極を使用したニッ
ケル−水素二次電池に比べて、初期放電容量が高くなっ
ていると共に、電池の内圧特性を示す充電時間が長くな
っていた。
【0059】 (実施例4〜6及び比較例2) これらの実施例4〜6及び比較例2においては、純度が
99.9%のZrとNiとVとMnとを適当なモル比で
混合させてアルゴン雰囲気下のアーク溶解炉で溶解させ
た後、これらを自然放冷させて、ZrNi1.0 0.7
0.3 の組成式で表されるラーベス相系の水素吸蔵合金
からなるインゴットを得た。
【0060】 そして、このようにして得た水素吸蔵合金
のインゴットを空気中で機械的に粉砕して、平均粒径が
80μmになった水素吸蔵合金の粉末を得た。
【0061】 次に、上記のようにして得た水素吸蔵合金
の粉末を、実施例4では塩化コバルトCoCl2 を0.
2重量%添加させたpH0.7の塩酸酸性溶液中に、実
施例5では塩化ニッケルNiCl2 を0.2重量%添加
させたpH0.7の塩酸酸性溶液中に、実施例6では塩
化コバルトCoCl2 と塩化ニッケルNiCl2 とをそ
れぞれ0.1重量%に添加させたpH0.7の塩酸酸性
溶液中に、それぞれ15分間浸漬させて処理し、各酸性
溶液のpHが約4になった時点で、各酸性溶液に対し
て、pH14以上で比重が1.30になったKOHのア
ルカリ溶液をそれぞれ10%添加させて処理した。
【0062】 一方、比較例2においては、上記の水素吸
蔵合金の粉末を、塩化コバルトCoCl2 や塩化ニッケ
ルNiCl2 を添加させていないpH0.7の塩酸酸性
溶液中に15分間浸漬させて処理した。
【0063】 そして、上記のようにして処理した各水素
吸蔵合金の粉末を吸引濾過した後、これを水洗し、乾燥
させた。
【0064】 ここで、上記のようにして得た各水素吸蔵
合金の粉末について、それぞれX線光電子分光法(XP
S)によりその表面分析を行ない、各水素吸蔵合金の表
面における金属に対する水酸化物の割合(水酸化物/金
属)を求め、その結果を下記の表8に示した。
【0065】 また、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末を用い、前記の実験例1の場合と同様にして、
各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製
した各水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が1
000mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電
池を作製した。
【0066】 そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池を用い、上記の実験例1の場合と同
様にして、各ニッケル−水素二次電池における初期放電
容量を求め、また各ニッケル−水素二次電池における初
期の内圧特性を求め、これらの結果を下記の表8に示し
た。
【0067】
【表8】
【0068】この結果から明らかなように、ラーベス相
系の水素吸蔵合金を塩化コバルトや塩化ニッケルを添加
させた酸性溶液中で処理した場合、塩化コバルトや塩化
ニッケルを添加させない酸性溶液中で処理した場合に比
べて、その表面における水酸化物の量が増加していた。
【0069】 また、塩化コバルトや塩化ニッケルを添加
させた酸性溶液中で処理したラーベス相系の水素吸蔵合
金を用いた実施例4〜6の各水素吸蔵合金電極を使用し
たニッケル−水素二次電池は、塩化コバルトや塩化ニッ
ケルを添加させない酸性溶液中で処理したラーベス相系
の水素吸蔵合金を用いた比較例2の水素吸蔵合金電極を
使用したニッケル−水素二次電池に比べて、初期放電容
量が高くなっていると共に、電池の内圧特性を示す充電
時間が長くなっていた。
【0070】 (実験例3) この実験例においては、上記の実施例2の場合と同様
に、MmNi3.1 Co1.0 Mn0.5 Al0.4 の組成式で
表される水素吸蔵合金の粉末を、塩化ニッケルNiCl
2 を0.2重量%添加させたpH0.7の塩酸酸性溶液
中に浸漬させるようにし、この酸性溶液のpHがそれぞ
れ下記の表9に示すpHになった時点で、各酸性溶液に
対して、pH14以上で比重が1.30になったKOH
のアルカリ溶液をそれぞれ10%添加させて処理し、こ
のように処理した各水素吸蔵合金の粉末を吸引濾過した
後、これを水洗し、乾燥させた。
【0071】 そして、このようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末を用い、前記の実験例1の場合と同様にして、
各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製
した各水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が1
000mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電
池を作製し、各ニッケル−水素二次電池における初期放
電容量及び初期の内圧特性を、前記の実験例1の場合と
同様にして求め、これらの結果を下記の表9に合わせて
示した。
【0072】
【表9】
【0073】(実験例4) この実験例においては、上記の実施例5の場合と同様
に、ZrNi1.0 0.7Mn0.3 の組成式で表される水
素吸蔵合金の粉末を、塩化ニッケルNiCl2 を0.2
重量%添加させたpH0.7の塩酸酸性溶液中に浸漬さ
せるようにし、この酸性溶液のpHがそれぞれ下記の表
10に示すpHになった時点で、各酸性溶液に対して、
pH14以上で比重が1.30になったKOHのアルカ
リ溶液をそれぞれ10%添加させて処理し、このように
処理した各水素吸蔵合金の粉末を吸引濾過した後、これ
を水洗し、乾燥させた。
【0074】 そして、このようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末を用い、前記の実験例1の場合と同様にして、
各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製
した各水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が1
000mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電
池を作製し、各ニッケル−水素二次電池における初期放
電容量及び初期の内圧特性を、前記の実験例1の場合と
同様にして求め、これらの結果を下記の表10に合わせ
て示した。
【0075】
【表10】
【0076】表9及び表10に示すように、Mm系やラ
ーベス相系の水素吸蔵合金を塩化コバルトや塩化ニッケ
ルを添加させた酸性溶液中で処理するにあたり、この酸
性溶液のpHが2〜6の範囲でアルカリ溶液を添加させ
て処理した水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を作
製した場合、この水素吸蔵合金電極を使用したニッケル
−水素二次電池における初期放電容量が高くなっている
と共に、電池の内圧特性を示す充電時間が長くなってい
た。
【0077】 (実験例4) この実験例においては、上記の実施例2の場合と同様
に、MmNi3.1 Co1.0 Mn0.5 Al0.4 の組成式で
表される水素吸蔵合金粉末を、塩化ニッケルNiCl2
を0.2重量%添加させたpH0.7の塩酸酸性溶液中
に15分間浸漬させ、この酸性溶液のpHが4になった
時点で、この酸性溶液に対して、pH14以上で比重が
1.30になったKOHのアルカリ溶液をそれぞれ下記
の表11に示す割合で添加させて処理し、このように処
理された各水素吸蔵合金粉末を吸引濾過した後、これを
水洗し、乾燥させた。
【0078】 そして、このようにして得た各水素吸蔵合
金の粉末について、それぞれX線光電子分光法(XP
S)によりその表面分析を行ない、各水素吸蔵合金の表
面における金属に対する水酸化物の割合(水酸化物/金
属)を求め、その結果を下記の表11に示した。
【0079】 次に、上記のようにして得た各水素吸蔵合
金を用い、前記の実験例1の場合と同様にして、各水素
吸蔵合金電極を作製すると共に、このように作製した各
水素吸蔵合金電極を負極に使用して電池容量が1000
mAhになった図1に示すニッケル−水素二次電池を作
製し、各ニッケル−水素二次電池における初期放電容量
及び初期の内圧特性を、前記の実験例1の場合と同様に
して求め、これらの結果を下記の表11に合わせて示し
た。
【0080】
【表11】
【0081】この結果、上記のMm系の水素吸蔵合金を
塩化コバルトや塩化ニッケルを添加させた酸性溶液中で
処理するにあたり、この酸性溶液のpHが4になった時
点でpH14以上のアルカリ溶液を添加させて処理する
場合、上記の酸性溶液に対してこのアルカリ溶液の5〜
25%の範囲で添加させて処理した水素吸蔵合金を用い
て水素吸蔵合金電極を作製した場合、この水素吸蔵合金
電極を使用したニッケル−水素二次電池における初期放
電容量が高くなっていると共に、電池の内圧特性を示す
充電時間が長くなっていた。
【0082】 一方、上記の酸性溶液に対して上記のアル
カリ溶液の30%添加させた場合には、水素吸蔵合金の
表面における水酸化物の量が多くなり過ぎ、水素吸蔵合
金における導電性が低下し、この水素吸蔵合金を用いて
作製した水素吸蔵合金電極をニッケル−水素二次電池に
使用した場合、初期放電容量や電池の内圧特性が悪くな
っていた。
【0083】 なお、この実験例4においては、Mm系の
水素吸蔵合金を用いた場合について示したが、ラーベス
相系の水素吸蔵合金を用いた場合においても、同じよう
な傾向になった結果が得られた。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の請求項
1に記載した水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方
のように、ABx型でAがミッシュメタル、Bがニッ
ケル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からなり、
上記の原子比xが4.4≦x≦5.4になったミッシュ
メタル系の水素吸蔵合金を、pHが0.7〜1.8の範
囲の酸性溶液中において処理し、その後、pHが2〜6
の範囲まで上昇した時点でアルカリを添加し、その最表
面から80Åの内部までにおける上記のA成分とB成分
との原子比B/Aが3.0〜6.5の範囲になるように
すると、この水素吸蔵合金の表面における導電性が低下
することなく、その活性度が向上し、ニッケル−水素二
次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用した初期から
この水素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるように
なり、アルカリ二次電池の初期における電池容量が向上
すると共に、電池における内圧の上昇も抑制されるよう
になった。
【0085】また、この発明の請求項2に記載した水素
吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法のように、AB
x型でAがジルコニウム,チタンの少なくとも1つを含
む元素、Bが少なくともニッケルを含む元素からなり、
上記の原子比xが1.8≦x≦2.2になったラーベス
相系の水素吸蔵合金を、pHが0.7〜1.8の範囲の
酸性溶液中において処理し、その後、pHが2〜6の範
囲まで上昇した時点でアルカリを添加し、その最表面か
ら80Åの内部までにおける上記のA成分とB成分との
原子比B/Aが1.5〜3.5の範囲になるようにする
と、上記の請求項1の場合と同様に、この水素吸蔵合金
の表面における導電性が低下することなく、その活性度
が向上し、ニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電
池の負極に使用した初期からこの水素吸蔵合金内に水素
が効率良く吸蔵されるようになり、アルカリ二次電池の
初期における電池容量が向上すると共に、電池における
内圧の上昇も抑制されるようになった。
【0086】また、上記の請求項1又は2に記載した
素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法において、水
素吸蔵合金を酸性溶液中で処理するにあたり、請求項3
に記載したように、水素吸蔵合金をニッケル化合物とコ
バルト化合物の少なくとも1種を含む酸性溶液中で処理
すると、水素吸蔵合金の表面における酸化物等の被膜が
除去されると共に、水素吸蔵合金の表面に活性度の高い
ニッケルやコバルトが多く存在するようになり、このよ
うにして得た水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合金電極を
製造すると、水素吸蔵合金電極における活性度が初期よ
り向上し、ニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電
池の負極に使用した初期からこの水素吸蔵合金内に水素
が効率良く吸蔵されるようになり、初期における電池容
量が向上すると共に、電池における内圧の上昇も抑制さ
れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実験例、実施例及び比較例において
作製したニッケル−水素二次電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極(水素吸蔵合金電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 野上 光造 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 松浦 義典 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−296846(JP,A) 国際公開95/023435(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/14 - 4/62 B22F 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABx型でAがミッシュメタル、Bがニ
    ッケル,コバルトの少なくとも1つを含む元素からな
    り、上記の原子比xが4.4≦x≦5.4になったミッ
    シュメタル系の水素吸蔵合金を、pHが0.7〜1.8
    の範囲の酸性溶液中において処理し、その後、pHが2
    〜6の範囲まで上昇した時点でアルカリを添加し、その
    最表面から80Åの内部までにおける上記のA成分とB
    成分との原子比B/Aが3.0〜6.5の範囲になるよ
    うにした水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金の製造方法
  2. 【請求項2】 ABx型でAがジルコニウム,チタンの
    少なくとも1つを含む元素、Bが少なくともニッケルを
    含む元素からなり、上記の原子比xが1.8≦x≦2.
    2になったラーベス相系の水素吸蔵合金を、pHが0.
    7〜1.8の範囲の酸性溶液中において処理し、その
    後、pHが2〜6の範囲まで上昇した時点でアルカリを
    添加し、その最表面から80Åの内部までにおける上記
    のA成分とB成分との原子比B/Aが1.5〜3.5の
    範囲になるようにした水素吸蔵合金電極用水素吸蔵合金
    の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した水素吸蔵合金
    電極用水素吸蔵合金の製造方法において、上記のように
    水素吸蔵合金を酸性溶液中で処理するにあたり、ニッケ
    ル化合物とコバルト化合物の少なくとも1種を含む酸性
    溶液中で処理することを特徴とする水素吸蔵合金電極用
    水素吸蔵合金の製造方法
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