JPH102533A - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼状態が急激に変動した場合や、可燃性廃棄
物が大量であったり、発熱量の高い物質を含むときに
も、耐酸加工部材を保護できる焼却炉を提供する。 【解決手段】焼却炉１，１４の上部に設けられた補助燃
焼空間と、排気の排出手段３と、該排気中に含まれる粉
塵の除塵手段７と、焼却炉１，１４内に燃焼用酸素を供
給する燃焼用酸素供給手段４ａとを備える。除塵手段７
に設けられた温度検知手段８の検知温度により、焼却炉
１内の燃焼を制御して補助燃焼空間の燃焼熱を所定の範
囲に維持するように、燃焼用酸素供給手段４ａから供給
される酸素量を制御する酸素供給量制御手段９を設け
る。補助燃焼空間と除塵手段７との間に冷却用酸素供給
手段４ｂを設ける。酸素供給量制御手段９は、温度検知
手段８の検知温度により、燃焼用酸素供給手段４ａ及び
冷却用酸素供給手段４ｂから供給される酸素量を制御す
る。補助燃焼空間は、補助燃焼炉２か、上部空間２ａで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭、事業所等か
ら排出される一般雑芥等の可燃性廃棄物等を焼却する焼
却炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般雑芥等の可燃性廃棄物等を焼
却する焼却炉として、図３示のように、焼却炉１の上部
に設けられた補助燃焼炉２と、補助燃焼炉２の排気を排
出する煙突３と、焼却炉１に燃焼用酸素を供給する燃焼
用酸素導管４と、導管４に酸素を供給するファン５とを
備えたものが知られている。

【０００３】図３示の焼却炉１において、補助燃焼炉２
は焼却炉１内で前記可燃性廃棄物を燃焼させる際に発生
する排気を導入し、前記排気中に含まれる可燃物を完全
燃焼させるために設けられている補助燃焼空間である。
補助燃焼炉２は、焼却炉１の上部に連通するとともに排
気ダクト６を介して煙突３に接続されており、排気ダク
ト６と煙突３との接続部には前記排気中に含まれる粉塵
を除去する除塵装置として、アロマ加工等の耐酸加工が
施されたサイクロン７が設けられている。また、焼却炉
１の壁部１ａには図示しない冷却用ジャケットが設けら
れており、該ジャケットに流通される冷却水の沸騰防止
のために、焼却炉１の上部に水蒸気排出口１１が設けら
れている。

【０００４】図３示の焼却炉１では、壁部１ａに設けら
れた投入扉１２から前記可燃性廃棄物を投入して点火し
た後、投入扉１２を閉じ、ファン５から燃焼用酸素導管
４を介して焼却炉１内に供給される燃焼用酸素により、
前記可燃性廃棄物の燃焼が行われる。前記排気中には、
前記可燃性廃棄物の熱分解により生成した可燃性ガスや
不完全燃焼物等の可燃物が含まれているが、図３示の焼
却炉によれば前記補助燃焼炉２を備えているので、この
可燃物が補助燃焼炉２内で完全燃焼し、窒素酸化物等の
大気汚染物質の排出を防止することができる。また、補
助燃焼炉２内における完全燃焼後の排気は排気ダクト６
を介してサイクロン７に導かれ、サイクロン７で排気中
の粉塵が除塵された後、煙突３から大気中に排出される
ので、前記粉塵による大気汚染を防止することができ
る。

【０００５】前記サイクロン７には、低温腐食を防止す
ると共に、耐熱性を付与するために、鉄材に溶融アルミ
ニウムをコーティングする耐酸加工（アロマ加工）が施
されている。図３示の焼却炉１によれば、投入される前
記可燃性廃棄物が少量で発熱量が少ないときには、前記
補助燃焼炉２における燃焼熱は前記アロマ加工の耐熱限
界内であり、前記アロマ加工で十分な耐熱性が得られ
る。

【０００６】しかしながら、前記可燃性廃棄物の燃焼状
態が急激に変動すると、補助燃焼炉２の燃焼温度が一時
的に高くなり、その燃焼熱が排気ダクト６を介してサイ
クロン７に伝えられた際に、サイクロン７に施されてい
る耐酸加工（アロマ加工）が前記燃焼熱に耐えられなく
なるため、特殊な耐酸加工が必要になるという不都合が
ある。また、投入される前記可燃性廃棄物が大量であっ
たり、少量であってもプラスチック類等のように発熱量
の高い物質を含むときにも、補助燃焼炉２の燃焼温度が
高くなり、前記可燃性廃棄物の燃焼状態が急激に変動し
た場合と同様の不都合がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、可燃性廃棄物の燃焼状態が急激に変動し
た場合や、可燃性廃棄物が大量であったり、発熱量の高
い物質を含むときにも、通常の耐酸加工で前記可燃性廃
棄物を燃焼させることができる焼却炉を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の焼却炉は、焼却炉内で可燃性廃棄物を燃
焼させる際に発生する排気を導入し該排気中に含まれる
可燃物を完全燃焼させるために該焼却炉の上部に設けら
れた補助燃焼空間と、該補助燃焼空間の排気を排出する
排出手段と、該排出手段の途中に設けられ該排気中に含
まれる粉塵を除去する除塵手段と、該焼却炉に燃焼用酸
素を供給する燃焼用酸素供給手段とを備える焼却炉にお
いて、該除塵手段に導入される排気温度を検知する温度
検知手段と、該温度検知手段で検知される排気温度に従
って該焼却炉内の燃焼を制御して、該補助燃焼空間で生
じる燃焼熱が所定の範囲に維持されるように、該燃焼用
酸素供給手段から供給される酸素量を制御する酸素供給
量制御手段とを設けたことを特徴とする。

【０００９】尚、本明細書において前記「酸素」との用
語は、酸素を含有する気体を意味し、通常は空気が使用
される。

【００１０】本発明の焼却炉によれば、焼却炉内で前記
可燃性廃棄物を燃焼させる際に発生する可燃性廃棄物の
排気中に含まれる可燃物は前記補助燃焼空間で完全燃焼
されるが、このとき、前記温度検知手段で検知される排
気温度に従って、前記酸素供給量制御手段により前記燃
焼用酸素供給手段から前記焼却炉に供給される燃焼用酸
素の量が増減されるので、前記焼却炉内での前記可燃性
廃棄物の燃焼状態が制御される。この結果、前記補助燃
焼空間に導入される前記可燃性廃棄物の排気中に含まれ
る可燃物の量も、前記可燃性廃棄物の燃焼状態に伴って
制御されることになり、該補助燃焼空間の燃焼熱が所定
の範囲に維持される。

【００１１】従って、前記可燃性廃棄物の燃焼状態が急
激に変動しても、前記補助燃焼空間の燃焼熱が過度に高
くなることを防止して、サイクロン等に施される耐酸加
工を特殊なものとすることなく、前記アロマ加工等の通
常の耐酸加工で前記燃焼熱に耐えることができる。

【００１２】しかし、前記可燃性廃棄物が大量であった
り、少量であってもプラスチック類等のように発熱量の
高い物質を含む場合には、前記のように焼却炉に供給さ
れる燃焼用酸素の量を増減するだけでは、前記可燃性廃
棄物の燃焼状態を十分に制御することができずに、前記
補助燃焼空間の燃焼熱が過度に高くなり、前記アロマ加
工等の通常の耐酸加工が劣化されることがある。そこ
で、本発明の焼却炉は、前記補助燃焼空間と前記除塵手
段との間に冷却用酸素を供給する冷却用酸素供給手段を
設け、前記酸素供給量制御手段は、前記温度検知手段で
検知される排気温度に従って、該焼却炉内の燃焼を制御
して該補助燃焼空間で生じる燃焼熱が所定の範囲に維持
されるように、前記燃焼用酸素供給手段及び該冷却用酸
素供給手段から供給される酸素量を制御することを特徴
とする。

【００１３】前記構成の本発明の焼却炉によれば、焼却
炉に供給される燃焼用酸素の量を増減するだけでは前記
可燃性廃棄物の燃焼状態を制御することができないとき
には、前記冷却用酸素供給手段から前記補助燃焼空間と
前記除塵手段との間に冷却用酸素を供給することによ
り、前記補助燃焼空間の燃焼熱が過度に高くなることを
抑制して、前記通常の耐酸加工の劣化を防止することが
できる。

【００１４】前記酸素供給量制御手段による燃焼用酸素
の供給量の制御は、前記温度検知手段で検知される排気
温度の上昇に伴って前記燃焼用酸素供給手段による酸素
供給量を低減すると共に前記冷却用酸素供給手段による
酸素供給量を増加させ、該排気温度の下降に伴って前記
燃焼用酸素供給手段による酸素供給量を増加すると共に
前記冷却用酸素供給手段による酸素供給量を低減するよ
うに行われる。

【００１５】また、本発明の焼却炉は、前記補助燃焼空
間が、前記焼却炉内に収容された可燃性廃棄物の上部空
間または前記焼却炉の上部に該焼却炉に連通して設けら
れた補助燃焼炉であることを特徴とする。本発明の焼却
炉によれば、前記可燃性廃棄物の排気中に含まれる可燃
物が前記可燃性廃棄物の上部空間または補助燃焼炉で完
全燃焼されるので、装置構成を簡単なものにすることが
できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
１は本発明の焼却炉の第１の実施形態を示すシステム構
成図であり、図２は本発明の焼却炉の第２の実施形態を
示す説明的断面図である。

【００１７】まず、本発明の焼却炉の第１の実施形態に
ついて説明する。

【００１８】本実施形態の焼却炉は、図１示のように、
内部に収容された可燃性廃棄物を酸素により燃焼させて
焼却する焼却炉１と、焼却炉１の上部に焼却炉１に連通
して設けられた補助燃焼空間としての補助燃焼炉２と、
補助燃焼炉２の排気を排出する煙突３と、焼却炉１の底
部及び側面に燃焼用酸素を送る燃焼用酸素導管４ａと、
燃焼用酸素導管４ａの途中から分岐して補助燃焼炉２に
冷却用酸素を送る冷却用酸素導管４ｂと、導管４ａ，４
ｂに酸素を供給するファン５とを備え、補助燃焼炉２は
排気ダクト６を介して煙突３に接続されている。排気ダ
クト６と煙突３との接続部には前記排気中に含まれる粉
塵を除去する除塵装置としてのサイクロン７が設けられ
ている。

【００１９】尚、前記酸素として、通常は酸素を含有す
る気体である空気が用いられる。また、前記サイクロン
７には、低温腐食を防止すると共に、耐熱性を付与する
ために、鉄材に溶融アルミニウムをコーティングする耐
酸加工（アロマ加工）が施されている。

【００２０】サイクロン７の入口には、サイクロン７に
導入される排気の温度を検知する温度センサ８が設けら
れており、酸素供給量制御装置９と電気的に接続されて
いる。酸素供給量制御装置９は、導管４ａ，４ｂの途中
に設けられた流量調整弁１０ａ，１０ｂと電気的に接続
され、温度センサ８で検知される排気の温度に従って流
量調整弁１０ａ，１０ｂの開度を調整するようになって
いる。尚、煙突３内には、ファン５から供給される酸素
の一部を放出するイジェクト管４ｃが付設されている。

【００２１】また、焼却炉１の壁部１ａには図示しない
冷却用ジャケットが設けられており、該ジャケットに流
通される冷却水の沸騰防止のために、焼却炉１の上部に
水蒸気排出口１１が設けられている。また、焼却炉１の
壁部１ａには焼却炉１内に可燃性廃棄物を投入するため
の投入扉１２が設けられている。

【００２２】次に、図１示の焼却炉１の作動について説
明する。

【００２３】図１示の焼却炉１では、壁部１ａに設けら
れた投入扉１２から前記可燃性廃棄物を投入して点火し
た後、投入扉１２を閉じ、ファン５から燃焼用酸素導管
４ａを介して焼却炉１内に供給される燃焼用酸素によ
り、前記可燃性廃棄物の燃焼が行われる。このとき、焼
却炉１内における可燃性廃棄物の燃焼により生じた排気
中には、前記可燃性廃棄物の熱分解により生成した可燃
性ガスや不完全燃焼物等の可燃物が含まれているが、焼
却炉１の上部にはこのような可燃物を完全燃焼させるた
めの補助燃焼空間として補助燃焼炉２が設けられてい
る。従って、前記可燃物は、補助燃焼炉２に導かれるこ
とにより完全燃焼し、窒素酸化物等の大気汚染源となる
物質の排出を防止することができる。

【００２４】次に、前記補助燃焼炉２の排気は、排気ダ
クト６を介してサイクロン７に導かれ、サイクロン７で
排気中の粉塵が除塵された後、煙突３から大気中に排出
される。このとき、前記可燃性廃棄物の燃焼状態が急激
に変動すると、前記のように補助燃焼炉２で排気中の可
燃物を完全燃焼させる燃焼熱が、一時的に前記アロマ加
工の耐熱限界を上回るほど高温になることがあり、前記
アロマ加工が前記燃焼熱により劣化される。

【００２５】そこで、本実施形態の焼却炉では、サイク
ロン７の入口に設けられた温度センサ８により、サイク
ロン７に導入される排気の温度を検知して、その検知信
号を酸素供給量制御装置９に出力し、燃焼用酸素導管４
ａに供給される酸素の量を制御することにより、焼却炉
１内で焼却される可燃性廃棄物の燃焼を制御して、補助
燃焼炉２における燃焼熱が前記アロマ加工を劣化させる
温度以下の範囲に維持されるようにしている。即ち、前
記酸素供給量制御装置９は、温度センサ８で検知される
前記排気の温度が上昇するときには、流量調整弁１０ａ
の開度を小さくして燃焼用酸素導管４ａから焼却炉１に
送られる酸素供給量を低減する。このようにすることに
より、焼却炉１内における可燃性廃棄物の燃焼が抑制さ
れるので、相対的に補助燃焼炉２に導入される排気中に
含まれる可燃物の量も減少し、補助燃焼炉２の燃焼熱が
低くなる。

【００２６】一方、前記酸素供給量制御装置９は、温度
センサ８で検知される前記排気の温度が下降するときに
は、前記と逆に、流量調整弁１０ａの開度を大きくして
燃焼用酸素導管４ａから焼却炉１に送られる酸素供給量
を増加させる。

【００２７】また、前記可燃性廃棄物が大量であった
り、少量であってもプラスチック類等のように発熱量の
高い物質を含む場合には、前記のように補助燃焼炉２で
排気中の可燃物を完全燃焼させる燃焼熱が前記アロマ加
工の耐熱限界を上回るほど高温になり、前記アロマ加工
が前記燃焼熱により劣化されやすくなる。そこで、本実
施形態の焼却炉では、前記酸素供給量制御装置９によ
り、燃焼用酸素導管４ａに加えて冷却用酸素導管４ｂに
供給される酸素の量をも制御することにより、焼却炉１
内で焼却される可燃性廃棄物の燃焼を制御すると共に、
補助燃焼炉２における燃焼熱を制御して、補助燃焼炉２
の燃焼熱が前記アロマ加工を劣化させる温度以下の範囲
に維持されるようにしている。

【００２８】即ち、前記酸素供給量制御装置９は、温度
センサ８で検知される前記排気の温度が上昇するときに
は、流量調整弁１０ａの開度を小さくして燃焼用酸素導
管４ａから焼却炉１に送られる酸素供給量を低減すると
共に、流量調整弁１０ｂの開度を大きくして冷却用酸素
導管４ｂから補助燃焼炉２に送られる酸素供給量を増加
させる。

【００２９】前記のようにすることにより、焼却炉１内
における可燃性廃棄物の燃焼が抑制されて、補助燃焼炉
２の燃焼熱が低くなると共に、補助燃焼炉２は冷却用酸
素導管４ｂから供給される酸素により冷却され、その燃
焼熱がさらに低くなる。

【００３０】尚、このとき、ファン５から供給される酸
素の一部は、煙突３内に設けられたイジェクト管４ｃか
ら大気に放出される。このようにすることにより、補助
燃焼炉２の排気が、イジェクト管４ｃから放出される酸
素により吸引されるので、排気ダクト６内の気圧を冷却
用酸素導管４ｂから送られる酸素圧より低くして、補助
燃焼炉２に対する酸素の導入が容易になる。

【００３１】一方、前記酸素供給量制御装置９は、温度
センサ８で検知される前記排気の温度が下降するときに
は、前記と逆に、流量調整弁１０ａの開度を大きくして
燃焼用酸素導管４ａから焼却炉１に送られる酸素供給量
を増加させると共に、流量調整弁１０ｂの開度を小さく
して冷却用酸素導管４ｂから補助燃焼炉２に送られる酸
素供給量を減少させる。

【００３２】次に、本発明の焼却炉の第２の実施形態に
ついて説明する。

【００３３】本実施形態の焼却炉は、図２示のように、
内部に収容された可燃性廃棄物Ａを酸素により燃焼させ
て焼却する焼却炉１４と、焼却炉１４の上部に設けられ
た補助燃焼空間としての可燃性廃棄物Ａの上部空間２ａ
と、該上部空間２ａの排気を排出する煙突３と、焼却炉
１４の側面に燃焼用酸素を送る燃焼用酸素導管４ａと、
燃焼用酸素導管４ａの途中から分岐して該上部空間２ａ
に冷却用酸素を送る冷却用酸素導管４ｂと、導管４ａ，
４ｂに酸素を供給するファン５とを備え、該上部空間２
ａは排気ダクト６を介して煙突３に接続されている。排
気ダクト６と煙突３との接続部には前記排気中に含まれ
る粉塵を除去する除塵装置として、アロマ加工等の耐酸
加工が施されたサイクロン７が設けられている。

【００３４】尚、ファン５はファンボックス５ａ内に設
けられている。また、前記酸素として、通常は酸素を含
有する気体である空気を用いることは、前記第１の実施
態様の場合と同様である。

【００３５】サイクロン７の入口には、サイクロン７に
導入される排気の温度を検知する温度センサ８が設けら
れており、酸素供給量制御装置９と電気的に接続されて
いる。酸素供給量制御装置９は、前記第１の実施態様の
場合と同様に、導管４ａ，４ｂの途中に設けられた流量
調整弁１０ａ，１０ｂと電気的に接続され、温度センサ
８で検知される排気の温度に従って流量調整弁１０ａ，
１０ｂの開度を調整するようになっている。尚、煙突３
内には、前記第１の実施態様の場合と同様に、ファン５
から供給される酸素の一部を放出するイジェクト管４ｃ
が付設されている。

【００３６】また、焼却炉１４の壁部１４ａには図示し
ない冷却用ジャケットが設けられており、該ジャケット
に流通される冷却水の沸騰防止のために、焼却炉１４の
上部に水蒸気排出口１１が設けられている。また、焼却
炉１４の壁部１ａには焼却炉１４内に可燃性廃棄物Ａを
投入するための投入扉１２が設けられている。

【００３７】図２示の焼却炉は、焼却炉１４内に収容さ
れた可燃性廃棄物Ａの上部に空間２ａが設けられてお
り、可燃性廃棄物Ａの燃焼により生じた排気中に含まれ
る可燃物を可燃性廃棄物Ａの上部空間２ａで完全燃焼さ
せるようにした以外は、図１示の焼却炉と全く同一に作
動する。

【００３８】尚、前記各実施形態では、冷却用酸素導管
４ｂから供給される冷却用酸素を補助燃焼炉２または可
燃性廃棄物Ａの上部空間２ａに導入するようにしている
が、冷却用酸素は補助燃焼炉２または該上部空間２ａと
サイクロン７との間に導入されればよく、例えば、排気
ダクト６に導入されるようにしてもよい。また、前記各
実施形態では、冷却用酸素導管４ｂを燃焼用酸素導管４
ａの途中から分岐させて共通のファン５により酸素を供
給するようにしているが、冷却用酸素導管４ｂを燃焼用
酸素導管４ａとは独立に設け、各導管４ａ，４ｂにそれ
ぞれ専用のファンを設けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の焼却炉の第１の実施形態を示すシステ
ム構成図。

【図２】本発明の焼却炉の第２の実施形態を示す説明的
断面図。

【図３】従来の焼却炉の一構成例を示すシステム構成
図。

【符号の説明】

１，１４…焼却炉、 ２…補助燃焼炉、 ２ａ…上部空
間、 ３…排出手段、４ａ…燃焼用酸素供給手段、 ４
ｂ…冷却用酸素供給手段、 ７…除塵手段、８…温度検
知手段。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２３Ｌ 7/00 Ｆ２３Ｌ 7/00 Ａ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】焼却炉内で可燃性廃棄物を燃焼させる際に
   発生する排気を導入し該排気中に含まれる可燃物を完全
   燃焼させるために該焼却炉の上部に設けられた補助燃焼
   空間と、該補助燃焼空間の排気を排出する排出手段と、
   該排出手段の途中に設けられ該排気中に含まれる粉塵を
   除去する除塵手段と、該焼却炉に燃焼用酸素を供給する
   燃焼用酸素供給手段とを備える焼却炉において、 該除塵手段に導入される排気温度を検知する温度検知手
   段と、該温度検知手段で検知される排気温度に従って該
   焼却炉内の燃焼を制御して、該補助燃焼空間で生じる燃
   焼熱が所定の範囲に維持されるように、該燃焼用酸素供
   給手段から供給される酸素量を制御する酸素供給量制御
   手段とを設けたことを特徴とする焼却炉。
2. 【請求項２】前記補助燃焼空間と前記除塵手段との間に
   冷却用酸素を供給する冷却用酸素供給手段を設け、前記
   酸素供給量制御手段は、前記温度検知手段で検知される
   排気温度に従って該焼却炉内の燃焼を制御して、該補助
   燃焼空間で生じる燃焼熱が所定の範囲に維持されるよう
   に、前記燃焼用酸素供給手段及び該冷却用酸素供給手段
   から供給される酸素量を制御することを特徴とする請求
   項１記載の焼却炉。
3. 【請求項３】前記酸素供給量制御手段は、前記温度検知
   手段で検知される排気温度の上昇に伴って前記燃焼用酸
   素供給手段による酸素供給量を低減すると共に前記冷却
   用酸素供給手段による酸素供給量を増加させ、該排気温
   度の下降に伴って前記燃焼用酸素供給手段による酸素供
   給量を増加すると共に前記冷却用酸素供給手段による酸
   素供給量を低減することを特徴とする請求項２記載の焼
   却炉。
4. 【請求項４】前記補助燃焼空間は、前記焼却炉内に収容
   された可燃性廃棄物の上部空間または前記焼却炉の上部
   に該焼却炉に連通して設けられた補助燃焼炉であること
   を特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項記載
   の焼却炉。