JPH1025310A - 重合開始剤組成物及びそれを用いるビニル系単量体の重合方法 - Google Patents

重合開始剤組成物及びそれを用いるビニル系単量体の重合方法

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JPH1025310A
JPH1025310A JP18189196A JP18189196A JPH1025310A JP H1025310 A JPH1025310 A JP H1025310A JP 18189196 A JP18189196 A JP 18189196A JP 18189196 A JP18189196 A JP 18189196A JP H1025310 A JPH1025310 A JP H1025310A
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butyl
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Katsuki Taura
克樹 田浦
Hideyo Ishigaki
秀世 石垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機過酸化物を製造する際、溶剤希釈の状態
で製造でき、また貯蔵安定性が優れている重合開始剤組
成物、及びこの重合開始剤組成物を用いて重合した時に
連鎖移動が少ないため高分子量の重合体を得ることがで
きるビニル系単量体の重合方法を提供する。 【解決手段】 10時間半減期温度が30℃〜125℃
である有機過酸化物と下記一般式(1)で示される化合
物からなる重合開始剤組成物、及びこれを用いたビニル
系単量体の重合方法。 【化1】 (式中、nは0或いは1、Rはメチル基或いはt−ブチ
ル基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の有機溶剤を
含む重合開始剤組成物、及びそれを用いるビニル系単量
体の重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機過酸化物は、比較的低い温度で熱的
或いは還元性物質と反応して、容易に遊離ラジカルを生
成する。そのため重合開始剤としてオレフィン等のビニ
ル系単量体の重合や不飽和ポリエステルの硬化等に利用
されている。しかしながらその熱や異物に対する不安定
さ、更に摩擦、衝撃等に対する感度の高さから、取扱い
には充分な注意が必要である。そのため一般には、有機
過酸化物に対して相互作用が少なく、貯蔵安定性に対す
る影響が少ないもので有機過酸化物を希釈した重合開始
剤組成物が知られている。 例えば、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム等により希釈した重合開始剤組成物、水
により湿潤化または乳化した重合開始剤組成物、ジオク
チルフタレート等の可塑剤或いは脂肪族や芳香族炭化水
素等の有機溶剤により希釈した重合開始剤組成物が知ら
れている。更に、最近では特定の有機溶剤、カウリブタ
ノール価で規定された炭素数8〜15の脂肪族炭化水素
により希釈した重合開始剤組成物が特公昭61−600
82号公報で開示されている。さらに前記重合開始剤組
成物を用いるビニル系単量体の重合方法も開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の様な
重合開始剤組成物及びそれを用いるビニル系単量体の重
合方法は夫々以下の欠点を有し、使用しづらい面があっ
た。一般的にビニル系単量体の重合に於いては、無機系
の希釈剤の混入には異物問題があり、また水による湿潤
化或いは乳化では懸濁重合或いは乳化重合に限られる問
題がある。更に、有機溶剤の一つであるジオクチルフタ
レート等の可塑剤は溶解性が高く、ほとんどの場合有機
過酸化物と均一となり取り扱い上安全性が高まるが、有
機過酸化物を製造する初期の段階に添加すると、製造条
件、特にアルカリ系の触媒を用いる製造条件においては
希釈溶剤が反応に大きく関与するため問題となる。また
重合開始剤として用いた場合、可塑剤の沸点が200℃
以上の場合には、最終重合体に混入してくるという問題
もある。また芳香族系炭化水素は溶解性に優れているも
のの、芳香環による健康上の問題もあり、また安全性を
高めるため有機過酸化物を製造する際に初期段階から添
加すると着色を起こすという問題がある。一方、脂肪族
系炭化水素は上記問題に対し最も優れているが、それを
用いたビニル系単量体の重合時、その連鎖移動剤的働き
により、得られる重合体の物性に悪影響を及ぼすという
場合がある。
【0004】本発明は以上の従来技術に存在する問題に
着目してなされたものである。その目的とするところ
は、溶剤希釈の状態で有機過酸化物を製造でき、安全性
及び安定性に優れた重合開始剤組成物を提供することで
あり、またこの重合開始剤組成物を用いて高分子量の重
合体を得るためのビニル系単量体の重合方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
10時間半減期温度が30℃〜125℃である有機過酸
化物と下記一般式(1)で示される化合物とからなる重
合開始剤組成物である。
【化2】 (式中、nは0或いは1、Rはメチル基或いはt−ブチ
ル基である。) また、第2の発明は、第1の発明において、有機過酸化
物が25℃で液状である重合開始剤組成物である。ま
た、第3の発明は、第1の発明の重合開始剤組成物を用
いることを特徴とするビニル系単量体の重合方法であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて、より詳細に説明する。本発明の重合開始剤組成物
に用いられる有機過酸化物は、10時間半減期温度が3
0℃〜125℃であって、ビニル系単量体の重合開始剤
として使用できるものである。 これらの化合物として
は、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジ
アルキルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール、イソブチ
リルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、3,
3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の
ジアシルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート等の
パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカ
ネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキ
シネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネ
ート、t−アミルパーオキシネオデカネート、t−ブチ
ルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネ
オオクタネ−ト、t−ブチルパーオキシネオヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチル2−
エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパ
ーオキシ−2エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等の
パーオキシエステル、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノ
カーボネート等のパーオキシモノカーボネートが挙げら
れる。
【0007】特に、25℃で液状のものが溶解性が高
く、均一になるため好ましい。これらの化合物として
は、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン、イソブチリルパーオキサイド、
3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシブチルパー
オキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネー
ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネ
オデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネー
ト、t−アミルパーオキシネオデカネート、t−ブチル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
オクタネ−ト、t−ブチルパーオキシネオヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチル2−
エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパ
ーオキシ−2エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t
−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートが挙げられ
る。
【0008】なお、前記10時間半減期温度とは、ベン
ゼン中0.1モル/リットルの濃度で10時間後に有機
過酸化物濃度が半分となる温度であり、熱的特性を表す
一つの指標である。
【0009】一般式(1)で示される化合物を具体的に
示すと、t−ブチルアセテート、t−ブチルピバレー
ト、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエー
テルである。これらはビニル系単量体の重合時に連鎖移
動を起こしやすい活性水素を持つ官能基、例えばメチレ
ン基やメテン基が一分子中になく、更に沸点が200℃
以下の化合物であり、前記有機過酸化物の希釈剤として
用いる。
【0010】本発明の重合開始剤組成物は、有機過酸化
物の含有量5〜90重量%と一般式(1)で示される化
合物10〜95重量%の割合からなり、好ましくは有機
過酸化物の含有量が10〜80重量%である。有機過酸
化物含有量が5重量%以下では製造、貯蔵及び輸送コス
トがかかり現実的ではなく、また90重量%以上では重
合体の物性への影響は少なくて済むが、安全性の点から
好ましくない。
【0011】本発明の重合開始剤組成物の製造方法とし
ては、一般に工業的に行われている製造法と同様にして
行うことができる。触媒としては、例えば硫酸、塩酸或
いは過塩素酸等の酸系、ピリジン、炭酸ソーダ、苛性ソ
ーダ、苛性カリウム等の塩基系が良く用いられる。本発
明の一般式(1)で示される希釈剤の添加は、有機過酸
化物の工業的純品を製造してから行っても構わないが、
安全性の面から有機過酸化物を製造する初期段階に添加
する方が好ましい。
【0012】また本発明の重合開始剤組成物は更に安全
を確保するために、水、乳化剤、保護コロイド剤等を添
加して乳化状態にして使用することもできる。
【0013】また本発明の重合開始剤組成物は塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、更に乳化重合に適用できる。
この場合、重合条件は前述した各重合方法に於いて一般
的に行われている条件が用いられる。即ち、本発明の重
合開始剤組成物の添加量は、通常ビニル系単量体に対し
0.001〜2.0重量%、好ましくは0.01〜1.
0重量%である。重合温度もビニル系単量体或いは得ら
れる重合体の物性を考慮して行えばよいが、一般的に1
0〜150℃で行うのが好ましい。
【0014】また本発明の重合開始剤組成物は、エチレ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリ
ル、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、四フッ化エチレ
ン、フッ化ビニリデン等のビニル系単量体の重合或いは
共重合に好適に使用される。また他のパーオキサイド系
或いはアゾ系重合開始剤と併用して前記ビニル系単量体
の重合或いは共重合することもできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明する。以下%は重量%を示す。 実施例1(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカー
ボネートを含む重合開始剤組成物) 攪拌機を備えた300cc4つ口フラスコに30%苛性
カリウム水溶液40.7gを入れ、攪拌下温度を10℃
に保ちながら、69%t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド水溶液60.6gを添加する。更にジ−t−ブチルエ
ーテルを20g添加する。その後液温を10℃に保ちな
がらイソプロピルクロロホルメート36.8gを滴下す
る。更に1時間、10℃で反応を続けた後、冷水を80
cc加え静置分離を行う。油層を5%苛性ソーダ水溶液
80gで洗浄した後、水80gで洗浄を3回行った。得
られた油層に無水硫酸マグネシウムを加え、乾燥した
後、濾過を行い無色透明液体のt−ブチルパーオキシイ
ソプロピルモノカーボネートを含む重合開始剤組成物6
5.3gを得た。純度は69.7%(活性酸素量として
6.32%)であり、収率86.1%であった。前記重
合開始剤組成物の20℃での2ヶ月間の貯蔵安定性を純
度(活性酸素量)の低下率で見たところ0.3%であっ
た。このことをジ−t−ブチルエーテルの代わりにトル
エンで希釈した同純度のt−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネートを含む重合開始剤組成物と比較し
たところ、純度(活性酸素量)の低下は大差は見られな
かったが、着色が見られた。
【0016】実施例2(t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサネートを含む重合開始剤組成物) 実施例1で使用した300cc4つ口フラスコに30%
苛性カリウム水溶液69.2gを入れ、攪拌下温度を1
0℃に保ちながら、69%t−ブチルハイドロパーオキ
サイド水溶液39.1gを添加した。更に酢酸t−ブチ
ルを12g添加した。その後液温を20℃に保ちながら
2−エチルヘキシル酸クロライドを40.6gを滴下し
た。更に2時間、30℃で反応を続けた後、冷水を60
cc加え静置分離を行った。油層を5%苛性ソーダ水溶
液60gで洗浄した後、水洗を3回行った。得られた油
層に無水硫酸マグネシウムを加え、乾燥した後、濾過を
行い無色透明液体59.0gのt−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサネートを含む重合開始剤組成物を得
た。活性酸素量は5.96%で純度80.6%、収率9
1.0%であった。前記重合開始剤組成物の5℃での1
ヶ月間の強制劣化による貯蔵安定性を純度(活性酸素
量)の低下率で見たところ0.2%であった。
【0017】実施例3(イソブチリルパーオキサイドを
含む重合開始剤組成物) 実施例1で使用した300cc4つ口フラスコに20%
苛性カリウム水溶液92.6gを入れ、攪拌下温度を1
0℃に保ちながら、60%過酸化水素水溶液9.4gを
添加する。更にピバリン酸t−ブチルを40g添加す
る。その後、液温を0℃に保ちながらイソ酪酸クロライ
ドを32.0gを滴下する。更に30分、0℃で反応を
続けた後、水層を分離し、油層を水80gで3回洗浄し
た。得られた油層に無水硫酸マグネシウムを加え、乾燥
した後、濾過を行い無色透明液体のイソブチリルパーオ
キサイドを含む重合開始剤組成物59.9gを得た。純
度は34.9%(活性酸素量として3.20%)であ
り、収率80.0%であった。前記重合開始剤組成物の
0℃での1ヶ月間の強制劣化による貯蔵安定性を純度
(活性酸素量)の低下率で見たところ0.3%であっ
た。
【0018】実施例4(ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネートを含む重合開始剤組成物) 実施例1で使用した300ccの4つ口フラスコに10
%苛性ソーダ水溶液88.0gを入れ、攪拌下温度を1
0℃に保ちながら、60%過酸化水素水溶液9.4gを
添加する。更にメチルt−ブチルエーテルを39g添加
する。その後液温を0℃に保ちながらイソプロピルクロ
ロホルメートを36.8gを滴下する。更に30分、0
℃で反応を続けた後、水相を分離し、その後、油層を水
80gで3回洗浄した。得られた油層に無水硫酸マグネ
シウムを加え、乾燥した後、濾過を行い無色透明液体の
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートを含
む重合開始剤組成物65.1gを得た。純度は40.7
%(活性酸素量として3.76%)であり、収率85.
7%であった。前記重合開始剤組成物の0℃での1ヶ月
間の強制劣化による貯蔵安定性を純度(活性酸素量)の
低下率で見たところ1.0%であった。
【0019】実施例5(t−ブチルパーオキシピバレー
トを含む重合開始剤組成物) 実施例1で使用した300ccの4つ口フラスコに30
%苛性カリウム水溶液72.9gを入れ、攪拌下温度を
10℃に保ちながら、69%t−ブチルハイドロパーオ
キサイド47.0gを添加する。更に酢酸t−ブチルを
20g添加する。その後液温を0℃に保ちながらピバリ
ン酸クロライドを36.2gを滴下する。更に2時間、
0℃で反応を続けた後、冷水を70cc加え静置分離を
行う。油層を5%苛性ソーダ水溶液70gで洗浄した
後、油層を水80gで3回洗浄した。得られた油層に無
水硫酸マグネシウムを加え、乾燥した後、濾過を行い無
色透明液体のt−ブチルパーオキシピバレートを含む重
合開始剤組成物61.0gを得た。純度は69.4%
(活性酸素量として6.37%)であり、収率85.9
%であった。前記重合開始剤組成物の5℃での2ヶ月間
の強制劣化による貯蔵安定性を純度(活性酸素量)の低
下率で見たところ0.5%であった。
【0020】実施例6(1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサンを含む重合開始剤組成物) 実施例1で使用した300cc4つ口フラスコにシクロ
ヘキサノン27.9gを入れ、攪拌下温度を20℃に保
ちながら、69%t−ブチルハイドロパーオキサイド水
溶液78.3gを添加する。更に酢酸t−ブチルを25
g添加する。その後液温を10℃に保ちながら75%硫
酸を28.8gを滴下する。更に1時間、10℃で反応
を続けた後静置分離を行う。油層を5%苛性ソーダ水溶
液100gで洗浄した後、水洗を3回行った。得られた
油層に無水硫酸マグネシウムを加え、乾燥した後、濾過
を行い無色透明液体98.2gの1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサンを含む重合開始剤組成
物を得た。活性酸素量は8.78%で純度70.0%、
収率89.9%であった。前記重合開始剤組成物の40
℃での1ヶ月間の強制劣化による貯蔵安定性を純度(活
性酸素量)の低下率で見たところ0.2%であった。
【0021】実施例7(スチレンの重合) スチレン100gに実施例1の重合開始剤組成物0.1
4g添加し、これを内容量10ccのガラスアンプルに
入れ、空間部を窒素置換した後、110℃で6時間重合
した。ガスクロマトグラフィー(GLC)による残存ス
チレンの定量により測定した重合転化率は93.3%で
あった。またゲルパーミネーションクロマトグラフィー
(GPC)により求めた数平均分子量は188100、
重量平均分子量は465000であった。
【0022】比較例1 実施例1の重合開始剤組成物を用いる代わりに、トルエ
ンで希釈した同純度のt−ブチルパーオキシイソプロピ
ルモノカーボネートを含む重合開始剤組成物を用いた以
外は実施例6に準じて重合を行った。その結果、転化率
は90.3%、数平均分子量は178000、重量平均
分子量は433000であった。以上の結果から本発明
の重合開始剤組成物は、トルエンで希釈した重合開始剤
組成物に比べ、高分子量の重合体が得られる点で優れて
いることは明らかである。
【0023】実施例8(スチレン、メチルメタクリレー
ト及びメタクリル酸の共重合) 500ccオートクレーブにイオン交換水200cc、
リン酸カルシウム1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ(日本油脂社製、商品名:ニュ−レックスR)0.
04g、実施例2の重合開始剤組成物0.13g、t−
ブチルパーオキシ−ベンゾエート(日本油脂社製、商品
名:パーブチルZ)0.05g、スチレン60g、メチ
ルメタクリレート20g、メタクリル酸20gを入れ、
空間部を窒素置換した後、攪拌しながら80℃から12
0℃まで毎時10℃の割合で昇温しながら4時間重合を
行った。その後、120℃で3時間重合を行った。冷却
後、内容物を取り出し、塩酸で洗浄し、水洗、乾燥し
た。得られた樹脂について実施例6に準じて、重合転化
率、分子量を測定した。その結果は転化率98.1、数
平均分子量206000、重量平均分子量422000
であった。
【0024】比較例2 実施例2の重合開始剤組成物0.13gを用いる代わり
に、脂肪族系炭化水素(シェル石油社製、商品名:シェ
ルゾール71)で希釈した同純度のt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサネートを含む重合開始剤組成物を
用いた以外は実施例8に準じて重合を行った。その結
果、転化率は96.0%、数平均分子量は19400
0、重量平均分子量は398000であった。以上の結
果から本発明の重合開始剤組成物は、シェルゾール71
で希釈した重合開始剤組成物に比べ、高分子量の重合体
が得られる点で優れていることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。第1に、本発明に
よる重合開始剤組成物は溶剤希釈の状態で有機過酸化物
を製造できるので安全性に優れており、また得られた重
合開始剤組成物の貯蔵安定性が優れている。第2に、本
発明の重合開始剤組成物を用いるビニル系単量体の重合
方法によれば高分子量の重合体を得ることができる。従
って、この発明の工業的利用価値は高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10時間半減期温度が30℃〜125℃
    である有機過酸化物と下記一般式(1)で示される化合
    物とからなる重合開始剤組成物。 【化1】 (式中、nは0或いは1、Rはメチル基或いはt−ブチ
    ル基である。)
  2. 【請求項2】 有機過酸化物が25℃で液状である請求
    項1に記載の重合開始剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の重合開始
    剤組成物を用いることを特徴とするビニル系単量体の重
    合方法。
JP18189196A 1996-07-11 1996-07-11 重合開始剤組成物及びそれを用いるビニル系単量体の重合方法 Pending JPH1025310A (ja)

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JP (1) JPH1025310A (ja)

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