JP2002302480A - 安定化有機過酸化物組成物 - Google Patents

安定化有機過酸化物組成物

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    • C07C407/006Stabilisation; Use of additives

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造安
全性が高められた新規の製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)少なくとも1種のペルオキシに炭
酸ジアルキル及び(b)構造式I: (式中、R及びRは同一又は異なっており、1〜2
0個の炭素のアルキル、6〜10個の炭素のシクロアル
キル、6〜10個の炭素のアリール、7〜11個の炭素
のアラルキル、及びそれらの混合物よりなる群から選択
される)の化合物の安定剤として有効な量を含む熱安定
化用開始剤組成物、その製造方法及びその使用が開示さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の背景 本発明は、ペルオキシ二炭酸ジアルキルのように化学の
技術に分類される組成物に関し、より詳しくは、不飽和
ジカルボン酸のジエステルよりなる群から選択される少
なくとも1種の安定化用化合物の安定剤として有効な量
を添加することにより安定化されたペルオキシ二炭酸ジ
アルキルを含む新規な熱安定化された開始剤組成物に関
する。さらに、本発明は、エチレン性不飽和単量体、低
重合体及び重合体の重合又は硬化の開始剤として、この
ような新規組成物を使用することに関する。本発明は、
さらに、ペルオキシ二炭酸ジアルキルが製造反応の開始
前に、製造反応の開始時に又は製造反応中に製造される
べき反応体の混合物に、不飽和ジカルボン酸の非加水分
解性ジエステルよりなる群から選択される少なくとも1
種の安定化用化合物の安定剤として有効な量を混入する
ことによりペルオキシ二炭酸ジアルキルをその製造中に
安定化させることに関する。
【0002】
【従来の技術】先行技術の開示 一般的に、約10℃以上で液体状(溶融又は溶液状)で
あるペルオキシ二炭酸ジアルキルは、ペルオキシ二炭酸
ジアルキルの分解を誘発する原因とされる自動促進性分
解のために大変危険である。
【0003】ストレイン等(J. Am. Chem. Soc., 1950,
72, 1254-1263)は、ペルオキシ二炭酸ジイソプロピル
(IPP)の室温での自動促進性分解が少量の添加剤、
例えば、沃素(1%)、フェノール(1%)、ヒドロキ
ノン(1%)、レソルシノール(1%)、ピロガロール
(1%)、テトラリン(1%)、アセト酢酸エチル(1
%)、アセトアニリド(1%)、トリニトロベンゼン
(1%)、30%過酸化水素(1%)及びその他いくつ
かの添加剤を混和することにより大いに抑制され得るこ
とを発見した。しかし、このような安定化用組成物が塩
化ビニル単量体(VCM)を重合するのに使用される時
には、その結果得られたPVC樹脂をその添加剤で汚染
する可能性がある。この汚染は、PVC樹脂並びに環境
の双方にとって好ましくない。本発明の熱安定化された
ペルオキシ二炭酸ジアルキル組成物はオレフィン性不飽
和を包含するため、その希釈剤はVCMによってとても
少ない量で共重合され、従って重合操作からのPVC樹
脂又は流出液を汚染しない。
【0004】米国特許第5155192は、ヒドロペル
オキシ基を包含する少量(0.03〜3.0パーセント
相当)の化合物を含有する安定化されたペルオキシ二炭
酸エステル組成物を開示している。このような組成物は
自動促進性分解に対する感度を減少させ、安全貯蔵温度
を増大させ及び自己促進性分解温度(SADTs)を増
大させることが請求項に記載されている。しかし、重合
体生産者、例えばPVC生産者は、かなりの量のヒドロ
ペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロオキシド及びク
メンヒドロペルオキシドを含有する開始剤を用いるのを
好まない。なぜならこれらの不純物は遊離基連鎖移動剤
であってペルオキシ末端基として樹脂分子鎖の中に組み
込まれるようになり得るからである。このような不安定
な末端基は樹脂の熱及び色の安定性に悪影響を及ぼしう
る。さらに、低分子量のt−アルキルヒドロペルオキシ
ド、例えばt−ブチル及びt−アミルヒドロペルオキシ
ドは塩化ビニル及びその他の単量体の再循環の間に問題
を生じさせるほどに十分に揮発性である。
【0005】本発明の熱安定化されたペルオキシ二炭酸
ジアルキル組成物はオレフィン性不飽和を有する化合物
を含有しており、それらは上記の樹脂安定性の問題又は
単量体再循環の問題の原因にはならないため、ペルオキ
シド技術及び重合技術を発達させる。
【0006】米国特許5541151及び554804
6は、アセチレン又はニトリル官能基と共役したエチレ
ン性不飽和官能基を有する少量(0.05〜1.4当量
%)の化合物を含有する安定化されたペルオキシ二炭酸
エステル溶液を開示している。このような組成物は純粋
な液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造、貯蔵、取
り扱い及び使用についての安全性を高めることが記載さ
れている。ポリ塩化ビニル製造業者のようなポリマー生
産者は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルのよ
うなアセチレン又はニトリル基と共役したエチレン性不
飽和を有する化合物によって安定化された開始剤は毒性
及び廃水のために使用したくないと思っている。これら
の化合物は有毒及び/又は発癌性があり、特別な廃水の
管理及び許可を必要とする。
【0007】米国特許5654463は、ペルオキシ二
炭酸エステルのような有機過酸化物の分解の速度を遅延
させるために過酸化α−ヒドロキシアルキル化合物を使
用することを開示している。しかし、このような長い半
減期の過酸化物の添加は、塩化ビニル又はその他の単量
体の再循環の間に問題となる可能性があると共に樹脂の
ストリッピングの間にゲルを形成する可能性がある。
【0008】米国特許5654464は、ペルオキシ二
炭酸エステルのような有機過酸化物の分解の速度を遅延
させるために環状α−ジケトン化合物を使用することを
開示している。米国特許5714626は、ペルオキシ
二炭酸エステルのような有機過酸化物の分解の速度を遅
延させるためにβ−ジカルボニル化合物を使用すること
を開示している。米国特許5719304は、ペルオキ
シ二炭酸エステルのような有機過酸化物の分解の速度を
遅延させるために燐モリブデン酸を使用することを開示
している。しかし、ポリ塩化ビニル製造業者も含めてポ
リマー生産者は、これらの物質を使用して安定化した過
酸化物を使用するのを好まない。なぜならそれを使用す
ることで毒性及び品質問題の可能性となる不純物を最終
樹脂の中に取り入れてしてしまうからである。
【0009】米国特許4131728及び米国特許41
78263は、衝撃感受性過酸化物と希釈剤の混合物を
含む衝撃減感性過酸化物組成物を開示している。この希
釈剤は容易には単独重合しないオレフィン性不飽和を含
有する単量体材料である。ペルオキシ二炭酸エステル
は、これらの特許発明において使用するのに好適なもの
として例示されている過酸化物の種類の中には包含され
ていない。様々な単量体材料による安定化は、安定化さ
れる過酸化物の衝撃感度を減少させることを特に目的と
し、また単量体材料は最終樹脂の熱変形温度に悪影響を
及ぼさないことが述べられている。衝撃感度を減少させ
る能力と自動促進性分解を減少させて、安全貯蔵温度を
増大させる又はSADTを上昇させる能力との間の相関
関係は知られていない。
【0010】この相関関係の欠如は以下の表におけるデ
ータを用いることで理解できるであろう。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】マレイン酸ジブチルは2つの前記特許にお
いて記載されるように衝撃感度を減少させたが、ペルオ
キシエステルの安全特性を増大させなかった。とても意
外なことに、ペルオキシ二炭酸エステルの安全特性は本
発明の実施により増加する(表I、II、III、I
V)。
【0015】また、上記の2つの特許はどんな溶媒でも
衝撃感度を減少させうるが、いくつかは生成した重合体
の性質に有害作用も及ぼしうることを開示している。こ
れらの特許発明について好適なものとして開示された単
量体希釈剤の中には、有機過酸化物の製造工程中には使
用できないものが多い。固体希釈剤は水性分離を妨害す
るかもしれず、提案された化合物の多くは過酸化物製造
条件下で加水分解して純粋で不安定な過酸化物を反応器
中に高温で残す。これは極度に危険で望ましくない状態
である。さらに、これらの特許に開示された有機過酸化
物は、今日の標準的な試験方法により衝撃感受性である
とはみなされない。
【0016】クロル蟻酸ジアルキルと過酸化水素の水溶
液及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような無
機塩基との反応によりその製造中に液体状である低分子
量のペルオキシ二炭酸ジアルキル(例えば、ペルオキシ
二炭酸ジイソプロピル)は、酸素ガス又は酸素含有ガ
ス、例えば空気を反応混合物に吹き込んで発泡させるこ
とにより製造の間に熱安定化させることができ且つ自動
又は自己促進性分解を防止できることが有機過酸化物生
産者には一般的に知られている(上で引用したストレイ
ンの参照文献を見よ)。しかし、このような方法で、反
応混合物を上部有機相(ペルオキシ二炭酸ジアルキル)
及び下部水性相に少なくとも1回沈降させることが必要
とされる。これらの分離の間に、撹拌が必ず終了され、
酸素ガス又は酸素含有ガスを吹き込んで発泡させること
が中止されて相の分離を完了させる。この静止期間中
に、ペルオキシ二炭酸ジアルキル有機相は酸素安定剤を
奪われてペルオキシ二炭酸ジアルキル液相の危険な自己
促進性分解が起こり得る。
【0017】本発明は、液体状ペルオキシ二炭酸ジアル
キルの製造安全性が高められた新規の製造方法を提供す
る。この方法は、製造中の反応条件下では加水分解しな
い一定量の不飽和ジカルボン酸のジエステルを使用する
ものであり、従って液体状ペルオキシ二炭酸エステルの
自己促進性分解を製造の間抑制すると共に液体ペルオキ
シ二炭酸ジアルキルの熱安定性をその後の貯蔵及び管理
の間に高めさせる。
【0018】純粋な液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキル
の製造、貯蔵、取り扱い及び使用について高められた安
全性を与える新規の方法は、回分型、連続型又は半連続
型であってもよい。
【0019】斯界で知られたペルオキシ二炭酸ジアルキ
ルのための有機ヒドロペルオキシド安定剤、例えば前述
の米国特許5155192により提供されたものを純粋
な液体ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造工程中に添加
することは、ペルオキシ二炭酸ジアルキルを処理加工又
はそれに続く処理加工の間に熱安定化させることには効
果的ではないであろうことを認識すべきである。なぜな
ら、従来技術の有機ヒドロペルオキシド安定剤がクロル
蟻酸アルキルと反応してモノペルオキシ炭酸OO−t−
アルキルO−アルキルを形成するからである。このもの
はペルオキシ二炭酸ジアルキルのための知られた安定剤
ではない。さらに、従来技術の有機ヒドロペルオキシド
の多くが、ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造工程の中
に包含される水性相へと分配されると思われ、そのた
め、熱安定剤は熱安定性が必要とされるペルオキシ二炭
酸ジアルキル有機相の中には存在しないであろう。
【0020】従って、本発明の安定化用化合物はまた、
ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造中に熱安定化させる
のに周知の安定剤よりも優れている。
【0021】定義 この明細書中及び添付した特許請求の範囲において使用
した以下の用語はここに説明する意味を有する。
【0022】事実上純粋とは少なくとも約95%の純粋
さという意味である。安定剤として有効な量とは、構造
式Iの化合物の有効量であり、液体状ペルオキシ二炭酸
ジアルキルの重量を基にして、約10重量%〜約90重
量%を、好ましくは約20重量%〜50重量%を意味す
る。液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキルをその製造中に
安定化させる場合には、安定剤として有効な量とは、反
応から予想されるペルオキシ二炭酸ジアルキルの理論収
量に基づいて算出して、反応に添加された上述の範囲の
構造式Iの化合物(式中、R1及びR2は4個以上の炭素
原子である)の量を意味する。また、安定化用不飽和ジ
カルボン酸のジエステルの混合物、例えば構造式Iの混
合物も同様の全体量比で使用されていてもよい。
【0023】アルキルペルオキシ二炭酸アルキルの製造
の「反応条件下で加水分解しない不飽和ジカルボン酸の
ジエステル」とは、上で定義した構造式Iの化合物であ
るが、ただし式中のアルキル基R1及びR2は4個以上の
炭素原子に限定される。
【0024】
【課題を解決するための手段】発明の要約 本発明は第1の組成物の側面からみれば、構造式I:
【化4】 (式中、R1及びR2は同一又は異なっており、1〜20
個の炭素原子のアルキル、6〜10個の炭素原子のシク
ロアルキル、7〜11個の炭素原子のアラルキル、6〜
10の炭素原子のアリール及びそれらの混合物よりなる
群から選択される)を有する少なくとも1種の化合物を
安定剤として有効な量で含有するペルオキシ二炭酸ジア
ルキルを提供する。
【0025】R1及びR2が上で定義した4又は5個以上
の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アラル
キル、アリール基から選択される構造式Iの化合物が特
に挙げられる。また、ペルオキシ二炭酸ジアルキルが構
造式II:
【化5】 (式中、R4及びR5は同一又は異なっており、2〜22
個の炭素の置換又は非置換のアルキル、5〜12個の炭
素の置換又は非置換のシクロアルキル、7〜9個の炭素
の置換又は非置換のビシクロアルキル及び7〜12個の
炭素の置換又は非置換のアラルキルよりなる群から選択
される。ただし、アルキルについての置換基は1又は2
種以上の1〜4個の炭素のアルキル、1〜6個の炭素の
アルコキシ又はフェノキシであり、シクロアルキルにつ
いての置換基は1又は2種以上の1〜6個の炭素のアル
キルであり、ビシクロアルキルについての置換基は1又
は2種以上の1〜4個の炭素のアルキルであり及びアラ
ルキルについての置換基は1又は2種以上の1〜4個の
炭素のアルキル、クロル、ブロム、メトキシ及びカルボ
キシである)を有する化合物から選択される本発明の第
1の組成物の側面からみた組成物が特に挙げられる。さ
らに、R4及びR5のいずれか又は両方が2〜22個の炭
素、好ましくは2〜18個の炭素、さらに好ましくは3
〜16個の炭素の置換又は非置換のアルキル基であっ
て、置換基が1〜4個の炭素のアルキル基、1〜6個の
炭素のアルコキシ基又はフェノキシ基よりなる群から選
択される組成物が挙げられる。さらにまた、R4及びR5
のいずれか又は両方が、5〜12個の炭素、好ましくは
5〜7個の炭素の置換のシクロアルキル基から選択さ
れ、置換基が1又は2種以上の1〜6個の炭素原子のア
ルキル基である組成物が挙げられる。
【0026】本発明は、第1の方法の側面からみれば、
1又は2種以上のエチレン性不飽和化合物を、本発明の
第1の組成物の側面からみた少なくとも1種の化合物を
重合を開始させるのに十分な量によって、重合を開始さ
せるのに十分な時間、温度及び圧力条件下で処理するこ
とを含むエチレン性不飽和化合物の重合方法を提供す
る。
【0027】重合させようとする少なくとも1種の不飽
和化合物が不飽和ポリエステル樹脂ブレンド、塩化ビニ
ル、スチレン、ジエチレンビス(アリルカーボネート)
よりなる群から選択され、且つペルオキシ二炭酸エステ
ルが構造式IIを有する少なくとも1種の化合物から選択
される本発明の第1の方法の側面からみた方法が特に挙
げられる。
【0028】本発明は、第2の方法の側面からみれば、
少なくとも1種のクロル蟻酸アルキルと過酸化水素水と
をペルオキシ二炭酸ジアルキルを形成させるのに有効な
条件下で、反応条件下で加水分解しない不飽和ジカルボ
ン酸のジエステルである構造式Iを有する少なくとも1
種の化合物の安定剤として有効な量の存在下に反応させ
ることを含む本発明の第1の組成物の側面からみた熱安
定化された開始剤組成物を製造するための方法を提供す
る。
【0029】本発明の安定化されたペルオキシ二炭酸ジ
アルキル組成物は、上述した構造式Iの化合物の安定剤
としての量が存在することを除けば、事実上純粋な液体
状ペルオキシ二炭酸ジアルキルを含有する液体状であり
得、事実上純粋な固体状ペルオキシ二炭酸ジアルキルと
して固体状であり得、10〜50%の固体状ペルオキシ
二炭酸ジアルキル含有する分散体の形状であり得又は1
0〜70%の液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキルを含有
するエマルジョンの形状であり得る。2又は3種以上の
クロル蟻酸エステルと過酸化水素水との同時反応によっ
て製造されたペルオキシ二炭酸ジアルキルの混合物が、
本発明で特に意図される。
【0030】
【発明の実施の形態】好ましい具体例の詳細な説明 A.例示例の項目 1.成分 本発明の熱安定化されたペルオキシ二炭酸ジアルキル組
成物を製造するのに役立つ適当なペルオキシ二炭酸ジア
ルキルは、液体状ペルオキシ二炭酸ジアルキル[融点
(mp)15℃以上]、例えばペルオキシ二炭酸ジエチ
ル、ペルオキシ二炭酸ジ−n−プロピル、ペルキシ二炭
酸ジイソプロピル(mp=10℃)、ペルオキシ二炭酸
ジ−n−ブチル、ペルオキシ二炭酸ジイソブチル、ペル
オキシ二炭酸ジ−n−ヘキシル、ペルオキシ二炭酸ジ−
(2−エチルヘキシル)及びペルオキシ二炭酸ジ−(2
−メトキシプロピル)、或いは固体状ペルオキシ二炭酸
ジアルキル(mpが15℃以上)、例えばペルオキシ二
炭酸ジ−(n−トリデシル)(mp=43℃〜45
℃)、ペルオキシ二炭酸ジ−(n−ヘキサデシル)(m
p=52℃)、ペルオキシ二炭酸ジベンジル(mp=1
01℃〜102℃)、ペルオキシ二炭酸ジシクロヘキシ
ル(mp=46℃)、ペルオキシ二炭酸ジ−(cis−
3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)(mp=81
℃〜82℃)、ペルオキシ二炭酸ジ−(4−t−ブチル
シクロヘキシル)(mp=91℃〜92℃)、ペルオキ
シ二炭酸ジボルニル(94℃〜96℃)及びペルオキシ
二炭酸ジ−(2−フェノキシエチル)(mp=97°〜
100℃)を包含するが、この例に限定されない。
【0031】安定化用化合物は不飽和ジカルボン酸のジ
エステルである。構造式I及び請求項に記載した化合物
が典型的であるが、本発明は特に、α位にカルボン酸エ
ステル官能基と共役したエチレン性不飽和を有し且つ構
造式Iの化合物がその意図された濃度で使用される時に
この化合物によって与えられる量と同等量の共役不飽和
カルボン酸エステル系を与えることができる濃度で安定
化されるペルオキシ二炭酸ジアルキルと混和性であるど
んな化合物も全く均等物として意図する。本発明の熱安
定化されたペルオキシ二炭酸ジアルキルを熱安定化し製
造するのに有用である好適な構造式Iの不飽和ジカルボ
ン酸のジエステルは、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジ
ブチル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ジエチル、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ(3−メチルフェニ
ル)、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジベンジル、
マレイン酸ジシクロヘキシル、マレイン酸ジ−t−ブチ
ル、マレイン酸ジ−t−アミルを包含するが、この例に
限定されない。一般的なカテゴリーの中に入るその他の
化合物は文献で周知であり、当業者に周知の方法でたや
くす製造される。
【0032】本発明の熱安定化されたペルオキシ二炭酸
ジアルキル溶液を製造するのに随意に使用できる好適な
溶媒は、無臭ミネラルスピリット(OMS)、トルエ
ン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル及びフタル酸
ジオクチルを包含するが、この例に限定されない。
【0033】2.製造方法 また、本発明は、ペルオキシ二炭酸ジアルキルの製造の
安全性が高められた新規な製造方法を提供すると同時
に、ペルオキシ二炭酸ジアルキルを安定化させるのに十
分な量の安定化用化合物、即ち、ペルオキシ二炭酸ジア
ルキルに基にして約10〜約90重量%、好ましくは2
0〜50重量%の反応条件下で加水分解しない構造式I
の化合物を含有する新規な安定化されたペルオキシ二炭
酸ジアルキル組成物を製造するための別方法も提供す
る。
【0034】この方法は、反応条件下では加水分解しな
い構造式Iの化合物の一定量(ペルオキシ二炭酸ジアル
キルを基にして10〜90重量%、好ましくは20〜5
0重量%)を、製造中のペルオキシ二炭酸ジアルキルの
熱安定性を高めるための処理中に使用し、それによりそ
の後の貯蔵及び取り扱い中にペルオキシ二炭酸ジアルキ
ルの自己促進性分解を抑制させる。
【0035】ペルオキシ二炭酸ジアルキルを製造するた
めの新規な製造方法は以下の製造工程を包含する。 a.反応工程A 事実上純粋なクロル蟻酸アルキル、又は事実上純粋なク
ロル蟻酸アルキルの混合物(過酸化水素1モルにつき
1.8〜2.2モル、好ましくは1.9〜2.1モル)
を過酸化水素の水溶液(過酸化水素1モルにつき1.0
モル)及び水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム(過酸
化水素1モルにつき1.9〜2.6モル、好ましくは
2.0〜2.2モル)と約−10℃〜30℃、好ましく
は0℃〜20℃で速やかに反応させ、この反応物を約1
5〜60分間、好ましくは20〜40分間、0℃〜30
℃、好ましくは0℃〜20℃で撹拌する。 b.初期の有機相/水性相分離 撹拌を中止し、この反応物を有機上層と水性下層とに0
℃〜25℃、好ましくは5℃〜20℃で5〜40分、好
ましくは10〜30分間にわたって分離させる。水性層
を流し出し、廃棄する。 c.水洗及び分離 工程bからの粗製のペルオキシ二炭酸ジアルキルに飽和
塩水溶液(例えば、塩化、硫酸及び燐酸アンモニウム、
ナトリウム及びカリウム、好ましくは塩化ナトリウムに
由来する飽和塩溶液)を0℃〜25℃、好ましくは5℃
〜20℃で添加し、この混合物を約1〜30分間0℃〜
25℃、好ましくは5℃〜20℃で撹拌する。撹拌を止
め、この反応物を有機上層と水性下層とに0℃〜25
℃、好ましくは5℃〜20℃で、5〜40分、好ましく
は10〜30分間にわたって分離させる。水性層を流し
出し、廃棄する。この塩洗浄を繰り返して又は違う洗浄
処理を必要であれば行ってペルオキシ二炭酸ジアルキル
を精製することができる。 d.乾燥工程 工程cからの湿ったペルオキシ二炭酸ジアルキルを約1
〜10重量%、好ましくは5重量%の無水硫酸ナトリウ
ム又は無水硫酸マグネシウムにより0℃〜25℃、好ま
しくは0℃〜15℃で乾燥させ、使用した乾燥剤を濾過
又は遠心分離により0℃〜25℃、好ましくは0℃〜1
5℃で分離し、又は湿ったペルオキシ二炭酸ジアルキル
を比較的乾性のガス(例えば、乾燥空気)を0℃〜25
℃、好ましくは0℃〜15℃で吹き付ける。次いで乾燥
過酸化物を梱包し、冷却してから約−25℃〜−5℃で
貯蔵する。
【0036】反応条件下では加水分解しない構造式Iの
化合物を本方法に添加することは、該方法のいくつかの
工程のうちのどこかで実施することができる。好ましく
は、構造式Iの適切な化合物の添加は初期の有機相/水
性相分離工程のすぐ前に行われ(例えば、工程aの終了
時)、撹拌が1〜5分間0℃〜30℃で続けられ、本方
法のこの段階では、適切な構造式Iの安定化用化合物
(熱安定剤)は、さもなければ事実上純粋なペルオキシ
二炭酸ジアルキルを含有するであろう有機相中に存在す
る。熱安定剤は、この製造のその後の工程において並び
に貯蔵及び取り扱い中に事実上純粋なペルオキシ二炭酸
ジアルキル相に存在したままである。C1〜C3のアルキ
ルジエステル、例えば構造式I中に包含されるものを反
応段階の開始時(例えば、工程aの開始時)に添加する
ことは、活性なジエステルが少なくとも一部分加水分解
して水性相に抽出される不活性な不飽和モノエステル又
はジカルボン酸になるため、結果として熱安定化活性の
多少の損失となり得る。
【0037】純粋なペルオキシ二炭酸ジアルキルについ
ての新規な製造方法は回分型、連続型又は半連続型であ
ってもよい。
【0038】回分方法 経済的な商業用回分方法のためには、大型の反応器、攪
拌機及び冷却能力が要求され、それぞれの大きさは、本
方法の間に出くわした最大の反応物と本方法の間に必要
とした最高の熱負荷の大きさによって決定される。大量
の生成物が回分方法の間又はその終わりに粗製の状態で
又は純粋な形で存在する。大量の生成物は様々な時点で
断続的に生成される。ペルオキシ二炭酸ジアルキルにつ
いての典型的な回分方法が化学文献に記載されている
(例えば、上に引用したストレインの参照文献を見
よ)。
【0039】連続方法 経済的な商業用連続方法のためには、反応体が少量のた
め比較的小さい反応器、攪拌機及び冷却能力で足り、洗
浄処理が本法の様々な段階で連続的に付加され、少量の
生成物が連続的に製造される。
【0040】連続方法が確立されたならば、本法の中の
異なる時点での反応体の添加及び洗浄処理と生成物の製
造は連続するだけでなく同時に起こる。連続方法は、有
機過酸化物のような爆発性の危険な生成物を製造するた
めの回分方法よりも本質的に安全である。純粋な液体の
ペルオキシ二炭酸ジアルキルを製造するための連続方法
は米国特許第3950375に記載されている。
【0041】半連続方法 この方法は、回分処理を都合の良い本法の段階で使用す
る回分及び連続方法を組み合わせたものである。一般
に、小さい反応器、攪拌機及び冷却能力がこの半連続方
法の様々な連続段階で用いられる。大きい反応器、攪拌
機及び冷却能力がこの方法の回分段階の間には必要とさ
れる。有機過酸化物を製造するための半連続製造は、一
般に回分方法よりも危険性が少ない。
【0042】ペルオキシ二炭酸ジアルキルのための有機
ヒドロペルオキシド安定剤を純粋なペルオキシ二炭酸ジ
アルキルの製造中に添加すること(予め参照した米国特
許第5155192に記載したように)は、処理中にす
ることができないことに注意すべきである。なぜなら、
このような有機ヒドロペルオキシド安定剤がクロル蟻酸
アルキルと反応性であり、ペルオキシ二炭酸ジアルキル
のため知られた安定剤ではないモノペルオキシ炭酸OO
−t−アルキルO−アルキルを形成するからである。さ
らに、有機ヒドロペルオキシドの多くはペルオキシ二炭
酸ジアルキル法に係った水性相へと分配されると思われ
るので、熱安定化が必要とされる有機ペルオキシ二炭酸
ジアルキル相の中には存在しないだろう。従って、本発
明の構造式Iの不飽和ジカルボン酸のジエステルは、製
造中にペルオキシ二炭酸ジアルキルを熱安定化させるた
めの従来の熱安定剤よりも優れている。 3.組成物
【0043】本発明の新規な熱安定化されたペルオキシ
二炭酸ジアルキル組成物は、例として挙げたものに加え
て、表Aに示したものを包含するが、この例に限定され
ない。
【0044】
【表4】
【0045】B.有用性 1.エチレン性不飽和単量体の重合 エチレン性不飽和単量体の好適な温度及び圧力での遊離
基重合において、本発明の新規な安定化されたペルオキ
シ二炭酸エステル開始剤組成物は効率(開始剤要件等)
に関して有効な開始剤であることが分かった。エチレン
性不飽和単量体は、オレフィン、例えばエチレン、プロ
ピレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、塩化ビニル
ベンジル、ビニルピリジン及びジビニルベンゼン;ジオ
レフィン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン及び
クロルプレン;ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル
及び炭酸ジビニル;不飽和ニトリル、例えばアクリロニ
トリル及びメタクリロニトリル;アクリル酸及びメタク
リル酸或いはそれらの無水物、エステル及びアミド、例
えばアクリル酸無水物、アクリル酸アリル、メチル、エ
チル、n−ブチル、2−ヒドロキシエチル、グリシジ
ル、ラウリル及び2−エチルヘキシル並びにメタクリル
酸アリル、メチル、エチル、n−ブチル、2−ヒドロキ
シエチル、グリシジル、ラウリル及び2−エチルヘキシ
ル、或いはアクリルアミド及びメタクリルアミド;無水
マレイン酸及び無水イタコン酸;マレイン酸、イタコン
酸及びフマル酸或いはそれらのエステル;ビニルハロ及
びビニリデンジハロ化合物、例えば塩化ビニル、臭化ビ
ニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン及び弗化ビニリデ
ン;ペルハロオレフィン、例えばテトラフルオルエチレ
ン、ヘキサフルオルプロピレン及びクロルトリフルオル
エチレン;ビニルエステル、例えばメチルビニルエステ
ル、エチルビニルエステル及びn−ブチルビニルエステ
ル、アリルエステル、例えば酢酸アリル、安息香酸アリ
ル、炭酸アリルエチル、燐酸トリアリル、フタル酸ジア
リル、フマル酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピ
ン酸ジアリル、炭酸ジアリル、ジエチレングリコールビ
ス(アリルカーボネート)(即ち、ADC);アクロレ
イン;メチルビニルケトン;又はこれらの混合物を包含
する。
【0046】25℃〜100℃、好ましくは30℃〜9
0℃、さらに好ましくは30℃〜75℃の温度及び単量
体を基にして0.002〜3重量%、好ましくは0.0
05〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.75
重量%の新規なペルオキシ二炭酸エステル開始剤組成物
(純粋基準)の量(開始に有効な量)が、慣用のエチレ
ン性不飽和単量体の重合及び共重合で通常使用される。
当業者であれば、上に挙げた単量体の幾つかがさらに低
い温度で本発明により意図されたペルオキシ二炭酸エス
テルの存在下で重合を受け得ること並びにある種の単量
体、例えばエチレンが大気圧よりも高い圧力で慣例的に
重合されることを認識しうる。本発明によって意図され
た方法は、このような慣用の処理条件を包含する。本発
明の新規な安定化されたペルオキシ二炭酸エステル組成
物は、その他の遊離基開始剤、例えば米国特許4525
308のカラム4の下段及びカラム5の上段で開示した
ものと併用することができる。本発明の過酸化物の組成
物とこれらの開始剤とを併用すると、重合体生産者の方
法に融通性が付与され、彼らがその重合操作を「調整す
る」のが可能になる。
【0047】本発明の安定化されたペル炭酸エステルを
塩化ビニル重合中に使用すると、食品と接触する用途に
好適なポリ塩化ビニルが提供される。
【0048】ポリ塩化ビニル(PVC)重合体は、幅広
い様々の有益な物品、例えば靴、テーブル掛け、壁紙、
床タイル、レコード、家具類、管、家屋の羽目板及び包
装の高分子成分として使用される。PVC自体は実質的
に加工処理されない。PVCは、成形、押出し、圧延及
び注型により熱成形され得るように幅広い多数の添加剤
及び変性剤と配合されなければならない。添加剤及び変
性剤は、滑剤、可塑剤、耐電防止剤、顔料、濾過用物
質、衝撃調節剤、高分子加工助剤及び熱安定剤を包含す
る。
【0049】PVC及びPVCを基材とした配合物のあ
る種類は、食品と接触する用途を意図したものである。
これらは、通常、食肉包装用の可塑化軟質フィルム、キ
ャンディー包装用の硬質フィルム、油性及び水性食品用
の硬質透明ボトル、食品及び薬剤用の熱成形包装容器並
びに飲料水用の配管設備の形態をとる。食品と接触する
用途を意図したPVC及びPVC配合物に対する厳しい
規格を満たすためには、PVC重合体の製造中に使用さ
れる又は添加剤及び変性剤として添加される全ての物質
が、その意図された使用のための適切な安全性のもので
あることが要求される。従って、この添加剤及び加工助
剤は、問題を示さず又は本質的に最終商品から抽出され
得ず、そのため特別な規制を必要とする食品添加物とは
ならないように十分に低い毒性のものでなければならな
い。さらに、重合触媒は、有毒であるか又は規制された
許容限度を超える残渣を最小限であっても樹脂中に残し
てはならない。
【0050】本発明の範囲内では、ペルオキシ二炭酸ジ
アルキル及び特定のエチレン性不飽和ジカルボン酸ジア
ルキルエステルを含む特定の有機過酸化物重合触媒組成
物が、食品に接するPVC及びPVC配合物の重合のた
めの好ましい重合触媒である。最適なものは、マレイン
酸のジアルキルエステルであってアルキル基がC4以上
よりなるものを有するを含有する組成物である。上述し
たように、C4以下のマレイン酸のジアルキルエステル
は、過酸化物の製造の間に加水分解して不安定化する傾
向にはあるが、過酸化物自体に安定剤として添加するこ
とができる。
【0051】上述したように、有機過酸化物の混合物中
でのエチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル
の主な機能は、分解に対して有機過酸化物を安定化させ
ることである。この点では、有機過酸化物の保全性及び
触媒強度が維持されるので、このような安定化触媒組成
物がその製造中に使用される時にはより高純度のPVC
が生成する。このことは、食品用に意図されるPVCの
製造では抽出物を最小にするために特に重要である。こ
の食品等級の重合触媒混合物の安定化用部分の抽出が、
一部は、PVCの製造中にエチレン性不飽和ジカルボン
酸部分と塩化ビニル単量体との共重合を通して減少し、
その結果これらが低濃度でPVC重合体鎖の中に組み込
まれ、従って抽出できなくなるものと考えられる。
【0052】食品と接触する用途を意図したPVC化合
物の製造では、重合触媒と重合触媒安定剤との反応から
の望ましくない抽出残渣が回避されることが重要であ
る。
【0053】2.不飽和ポリエステル樹脂の硬化 不飽和樹脂組成物(これはまたエチレン性不飽和の配合
物でもある)を好適な硬化温度で遊離基硬化剤の存在下
に加熱することにより硬化させる場合には、本発明の新
規な安定化されたペルオキシ二炭酸エステル開始剤組成
物は硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物において高め
られた硬化活性を示す。本発明の新規な熱安定化された
ペルオキシ二炭酸ジアルキル組成物により硬化され得る
不飽和ポリエステル樹脂は、通常不飽和ポリエステル及
び1又は2種以上の不飽和単量体を含有する。
【0054】不飽和ポリエステルは、例えばポリエステ
ルである。なぜならば、それらは少なくとも1種のエチ
レン性不飽和ジ又はポリカルボン酸、無水物又は酸ハロ
ゲン化物、例えばマレイン酸、アリルマロン酸、テトラ
ヒドロフタル酸及びその他のものと、飽和及び不飽和ジ
又はポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−及び
1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−及び
1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−
プロパンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル
−1,3−プロパンジオール、2−ブテン−1,4−ジ
オール、2−ブチン−1,4−ジオール、2,4,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、
ペンタエリトリット、マンニット及びその他のものをエ
ステル化することによって得られるからである。このよ
うなジ又はポリカルボン酸の混合物は、飽和ジ又はポリ
カルボン酸、例えばアジピン酸、琥珀酸、セバシン酸及
びその他のものにより及び/又は芳香族ジ又はポリカル
ボン酸、例えばフタル酸、トリメリト酸、ピロメリト
酸、イソフタル酸により部分的に置換されていてもよ
い。使用される酸はハロゲンのような基で置換されてい
てもよい。このような好適なハロゲン化酸の例は、例え
ば、テトラクロルフタル酸、テトラブロムフタル酸、
5,6−ジカルボキシ−1,2,3,4,7,7−ヘキ
サクロルビシクロ(2.2.1)−2−ヘプテン及びそ
の他のものである。
【0055】不飽和ポリエステル樹脂組成物のその他の
成分である重合性単量体は、エチレン性不飽和単量体、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、クロルスチレン、ブロムスチレン、塩化ビニルベ
ンジル、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリル、フマ
ル酸ジブチル、燐酸トリアリル、シアヌル酸トリアリ
ル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸エチル及びその他のもの、又はこれらの
混合物であることが好ましく、これらのものは、前記不
飽和ポリエステルと共重合性である。
【0056】好適な不飽和ポリエステル樹脂組成物は、
不飽和ポリエステル成分としての1,2−プロパンジオ
ール(ポリオール)、無水マレイン酸(不飽和ポリカル
ボン酸の無水物)及び無水フタル酸(芳香族ジカルボン
酸の無水物)のエステル化した生成物並び単量体成分と
してのスチレンを含有する。
【0057】その他のタイプの不飽和ポリエステル樹脂
組成物は、本発明の新規な安定化されたペルオキシ二炭
酸エステル開始剤組成物を硬化触媒として使用して硬化
することができる。これら樹脂は、不飽和ビニルエステ
ル樹脂と呼ばれるが、ビニルエステル樹脂部分及び1又
は2種以上の重合性単量体成分よりなる。
【0058】ビニルエステル樹脂成分は、エピクロルヒ
ドリンのようなクロルエポキシドを適切な量のビスフェ
ノール、例えばビスフェノールA[2,2−(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン]と水酸化ナトリウムのよう
な塩基の存在下に反応させて、クロルエポキシドに由来
する末端エポキシ基を有する縮合生成物を生成させるこ
とにより製造できる。次いで、この縮合生成物を重合性
不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸及びメタクリル酸
と、酸性又は塩基性触媒の存在下又は非存在下で引き続
き反応させると、ビニルエステル樹脂成分が製造され
る。通常、不飽和ビニルエステル樹脂組成物の製造を完
全にするためにスチレンがこの重合性単量体成分として
添加される。
【0059】約20℃〜200℃の温度及び硬化性不飽
和ポリエステル樹脂組成物について約0.05〜5重量
%以上、好ましくは0.10〜4重量%、さらに好まし
くは0.25〜3重量%の新規安定化ペルオキシ二炭酸
エステル開始剤組成物の量(重合又は硬化を開始するの
に十分な量)が通常使用される。
【0060】上記した不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、様々な物質、例えば硫黄、ガラス、炭素及び硼素繊
維、カーボンブラック、シリカ、珪酸金属、クレー、炭
酸金属、酸化防止剤(AO)、熱、紫外線(UV)及び
光安定剤、増感剤、染料、顔料、促進剤、酸化金属、例
えば酸化亜鉛、発泡剤、核剤及びその他のものを充填す
ることができる。
【0061】3.アリルジグリコールカーボネート(A
DC)樹脂の硬化 ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(A
DC)[CH2=CHCH2−O−C(=O)−O−CH
2CH2−O−CH2CH2−O−C(=O)−O−CH2
CH=CH2]を、好適な温度で遊離基硬化剤の存在下
に加熱することによってこのADC単量体を硬化又は重
合させる場合には、本発明の新規な熱安定化されたペル
オキシ二炭酸エステル開始剤組成物は、ADC単量体組
成物について増大した硬化又は重合活性を示す。ADC
はピッツバーグプレートグラス社(PPG)によりCR
−39単量体(CASREG番号142−22−3)が
商品化されており、ジエチレングリコールビス(クロル
ホーメート)とアリルアルコールとをアルカリの存在下
で反応させることにより製造される(R.ドウベンコ、
J.I.クロシュビッツ及びM.ハウグラント編、カー
クオスマーの化学工学のエンシクロペンディア、「アリ
ル単量体及び重合体」、第5版、Vol.2、ワイリーイン
ターサイエンス 出版、ニューヨーク、ジョンウィリー
アンドソンズ社、1992、pp163-168)。ADC単量
体は、単独で又はその他の共単量体、例えばアクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、アリルエステル、ジ
カルボン酸ジアリル(例えば、フタル酸ジアリル)、無
水マレイン酸及びその他の単量体と硬化又は重合させて
透明で強靱な、破損に強く及び溶媒に抵抗力のある透明
な注型又はレンズを成形することができる。ADC単量
体組成物の硬化又は重合は塊状で行われる(溶媒は存在
しない)。一般に、注型シート及びレンズを成形するた
めのADC単量体組成物の硬化又は重合は二段階で行わ
れる。第一段階は、重合の大部分を包含し、硬化用開始
剤、通常はペルオキシ二炭酸低級ジアルキルの存在下
で、35℃〜120℃の温度で行う。硬化又は重合時間
は約5時間〜50時間に変動する。一般的に時間−温度
のプロフィルが第一段階で用いられる。時間−温度プロ
フィルの例を以下に示す。
【0062】
【表5】
【0063】ADC単量体組成物の硬化又は重合の第二
段階は、ADC樹脂を1〜数時間、100℃〜150℃
で後硬化又はアニールすることを包含する。ADC樹脂
の後硬化の例は115℃で2時間であろう。
【0064】硬化性又は重合性ADC単量体組成物につ
いての約1〜6重量%以上、好ましくは2〜5重量%、
さらに好ましくは2.5〜4重量%の新規な熱安定化さ
れたペルオキシ二炭酸エステル開始剤組成物の量(重合
又は硬化を開始させるのに十分な量)が一般的に使用さ
れる。
【0065】上記したADC樹脂組成物には、様々な物
質、例えば酸化防止剤(AO)、熱、紫外線(UV)及
び光安定剤、色味剤、ホトクロミック添加剤及び染料を
充填することができる。さらに、ADC樹脂組成物は、
添加剤、例えばアクリル重合体及び米国特許第4217
433に開示された防縮性低分子量のアクリル樹脂を含
有できる。このような防縮性添加剤は、ADC単量体が
重合される時に起こる14%の収縮率を防止するために
使用される。
【0066】全ての場合に、どの重合でも使用される時
間、温度及び圧力の条件は、本発明によって臨界的なも
のと意図されず、当業者により一般的に使用される条件
を本発明の方法において同様に使用することができる。
【0067】C.製造方法 新規な安定化されたペルオキシ二炭酸エステル組成物の
製造 本発明の新規な熱安定化されたペルオキシ二炭酸エステ
ル開始剤組成物のペルオキシ二炭酸ジアルキル部分は当
業者に周知の方法で製造することができる(F.ストレ
イン等、J. Am, Chem. Soc., 1950, 72, 1254-1263、及
び米国特許第3950375)。
【0068】構造式Iの化合物は既知の化合物であり、
市販されており又は化学技術者に周知の合成方法により
製造されていてもよい。
【0069】新規な安定化されたペルオキシ二炭酸エス
テル開始剤組成物は、また、ペルオキシ二炭酸ジアルキ
ルの重量を基にして10〜90重量%、好ましくは20
〜50重量%の構造式Iの不飽和ジカルボン酸のジエス
テルと前記ペルオキシ二炭酸ジアルキルとを−20℃〜
20℃で完全に混合することにより製造することもでき
る。
【0070】
【実施例】以下の例は、本発明の実施を意図した最良の
態様をさらに説明すること及び詳細な製法の例示を提供
することを示し、また本発明の範囲に限定するのを意図
されない。
【0071】例1 分解時間試験 a)試料の製造 純粋なペルオキシ二炭酸エステル及びそれぞれの希釈剤
の試料は、希釈剤を液体のペルオキシ二炭酸エステルの
中に、0℃で完全溶液が得られるまで(通常1〜2分)
添加して撹拌することにより製造した。この溶液を冷凍
庫に置き、−10℃に平衡化させた。
【0072】b)分解時間 平衡化した150gの試料を発泡蓋材及び熱電対を装備
した500mlのジュワー瓶の中に置いた。このサンプ
ルを加温させた。分解は、分解生成物をジュワー瓶のオ
リフィスから迅速に放出することに伴って液体表面で迅
速に分解することが特徴であった。分解が始まったなら
ば、ジュワー瓶の内容物は10秒以内に消費された。分
解の開始に要する時間を記録した。希釈剤を含有しない
純粋なペルオキシ二炭酸ジ−(2−エチルヘキシル)の
場合には、迅速な分解が7時間後に起こった。熱安定化
用希釈剤は迅速な分解の開始に要する時間を有意に増加
させた。不活性な希釈剤、例えば無臭ミネラルスピリッ
ト(OMS)(25重量%)は分解の時間を24時間に
増加させただけであった。表Iは、様々な添加剤を含有
する標記ペルオキシ二炭酸エステル組成物の150gサ
ンプルについて、使用した希釈剤、希釈剤の量及び分解
時間を表にしている。
【0073】
【表6】
【0074】表Iの結果は、OMS及びマレイン酸ジブ
チルのような希釈剤が純粋なペルオキシ二炭酸ジ−(2
−エチルヘキシル)及びペルオキシ二炭酸ジ(sec−
ブチル)についての分解時間をこの分解時間試験では増
加させたことを示す。しかし、最も有効な熱安定化用希
釈剤は、分解時間試験の時間の有意な増加により評価さ
れるように、構造式Iに従う本発明の熱安定化用希釈剤
であった。
【0075】例2 ペルオキシ二炭酸ジ−(2−エチル
ヘキシル)についての熱安定性の損失 標記の希釈剤を含有する純粋なペルオキシ二炭酸ジ−
(2−エチルヘキシル)(エルフアトケムノースアメリ
カ社製のLUPEROX223)の試料を表IIに示した
温度に、示した時間にわたり保持した浴において熱安定
性を試験した。LUPEROX223についての正規の
推奨された貯蔵温度は−18℃(0°F)であり、その
ため、ペルオキシ二炭酸ジアルキル試料を、添加剤と共
に及び添加剤なしで、正規の推奨された貯蔵温度よりも
有意に高い温度で活性酸素の損失について安定性試験し
た。この安定性試験の結果を表IIに要約する。
【0076】最も予期しなかったことは貯蔵安定性が上
昇したことである。より高い温度では、本発明の希釈剤
によって起こる検定損失の方がその他の希釈剤又は安定
化生成物によるものよりも少ない。
【0077】
【表7】
【0078】例3 表IIIに示す希釈剤を含有するペル
オキシ二炭酸ジ−(2エチルヘキシル)についての自己
促進性分解温度(SADT)試験 自己促進性分解温度(SADT)試験は、有機過酸化組
成物がその大型の商業包装内で1週間以内に自己促進性
分解を受ける最低の温度を決定するために有機過酸化物
生産者により使用される(有機過酸化物の相対危険分類
の提案、有機過酸化生産者安全区分、ニューヨークのTh
e Society of Plastics Industry社、pp. 17-20、19
92)。また、SADT試験はSADT温度で起こる分
解の厳密性も評価する。この試験は有機過酸化物生産者
安全区分(OPPSD)による技術文献の中に十分に記
載されている。
【0079】SADT試験を8ポンド包装(1ガロン)
の純粋なペルオキシ二炭酸ジ−(エチルヘキシル)(L
UPEROX223)で、標記の希釈剤を使用して又は
使用しないで行った。得られたSADTの結果を表III
に要約する。
【0080】
【表8】
【0081】例4 ペルオキシ二炭酸ジアルキルについ
ての補足的な熱安定性損失試験 表記した希釈剤によって希釈した表IVに挙げたペルオキ
シ二炭酸ジアルキルの試料を例2の試験と同じように試
験し、10℃、15℃及び20℃での3日間の損失を測
定した。
【0082】構造式Iの化合物は標準のOMS希釈剤及
びOMS希釈剤/t−ブチルヒドロペルオキシド混合物
よりも優れた安定性を明らかに与えた。
【0083】
【表9】
【0084】例5 標準希釈剤及び典型的な構造式Iの
希釈剤を用いた標準的な低温PVC開始剤であるペルオ
キシ二炭酸ジ−(2−エチルヘキシル)(LUPERO
X223)及びペルオキシネオデカン酸α−クミル(L
UPEROX188)を用いる塩化ビニル懸濁重合効率
の比較、並びにその結果得られた樹脂の性質の比較 塩化ビニルの懸濁重合を、塩化ビニル単量体(VCM)
からポリ塩化ビニルへの転化に及ぼす本発明に従って安
定化された開始剤及び慣用的に安定化された開始剤の効
果を決定するために58℃で実施した。以下の配合をこ
れらの塩化ビニル重合に用いた。
【0085】
【表10】
【0086】重合の手順 塩化ビニル懸濁重合に使用した重合容器に、圧力計、機
械的攪拌機、冷却コイル及び様々の温度測定のための熱
電対を装備した。水及びポリビニルアルコールをこの容
器に添加した。この容器を水浴中に沈めて温度を維持し
た。この内容物が58℃の重合温度に達したならば、必
要量の塩化ビニル単量体及び0.001重量%の開始剤
試料をこの容器に添加した。圧力低下までの時間を測定
し、重合反応が終了したものとみなした。圧力低下まで
の時間を表Vに示す。
【0087】樹脂を単離し且つ標準方法によって精製す
ると共に樹脂の性質を決定した。フタル酸ジオクチル多
孔度及び粉体混合時間を表VIに示す。フタル酸ジオクチ
ル多孔度試験はASTM法D3367に基づく。粉体混
合時間はASTM法D2396に基づく。材料を配合し
て引張試験片へと加工し、ASTM法D−638−99
型4試験に従い試験した。引張試験の結果を表VIIに示
す。又、樹脂の試料を配合し、立方体へと成形し、メト
ラスタット計測器(メトラスタット社製)を使用して試
験した。この試料を30分作業周期で207℃に暴露し
た。この配合試料はこの手順では性能において実質的に
同一であった。
【0088】
【表11】
【0089】
【表12】
【0090】
【表13】
【0091】特に言及し且つ請求項に記載したマレイン
酸及びフマル酸に加えて、2カ所の位置においてアルキ
ル基で置換されたブテン二酸、例えば、シトラコン酸ジ
ブチル、2−(イソプロピル)−2−ブテン−1,4−
二酸ジプロピル、2−エチル−2−ブテン−1,4−二
酸ジブチル並びにそれらの高級アルキル類似体は、ペル
オキシ二炭酸エステルのための安定剤として並びに塩化
ビニルの重合を開始するのにそれを使用することにおい
て十分に均等物であり、構造式Iのマレイン酸及びフマ
ル酸エステルと同一の高品質のポリ塩化ビニルを提供す
ることが同業者には明白であろうし、また本発明の意図
するところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル・サミュエル・メンドリア アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデ ルフィア、ジェサップ・ストリート412 (72)発明者 テリー・ネッド・マイヤーズ アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィーニ クスビル、ジェフォーズ・コート136 (72)発明者 ピーター・アントニー・カライス アメリカ合衆国ペンシルベニア州カレッジ ビル、コットンウッド・ドライブ1000 (72)発明者 ジョーゼフ・マイケル・ブレナン アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデ ルフィア、コットマン・アベニュー2911 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB40 AC48 AD40 BB31 BB45 BC10 BC31 BC35 BC51 BE32 4J015 BA08 BA13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式I: 【化1】 (式中、R1及びR2は同一又は異なっており、1〜20
    個の炭素のアルキル、6〜10個の炭素のシクロアルキ
    ル、6〜10個の炭素のアリール、7〜11個の炭素の
    アラルキル、及びそれらの混合物よりなる群から選択さ
    れる)を有する少なくとも1種の化合物を安定剤として
    有効な量で含有するペルオキシ二炭酸ジアルキルを含む
    組成物。
  2. 【請求項2】 R1及びR2が同一又は異なっており、4
    〜20個の炭素のアルキル、6〜10個の炭素のアリー
    ル、7〜11の炭素のアラルキル、6〜10個の炭素原
    子のシクロアルキル及びそれらの混合物よりなる群から
    選択される請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 R1及びR2が4〜20個の炭素のアルキ
    ル、炭素、及び6〜9個の炭素のアリールよりなる群か
    ら選択される請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 構造式Iを有する化合物がマレイン酸ジ
    −n−ブチル、フマル酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ
    イソブチル、マレイン酸ジ−t−ブチル、フマル酸ジイ
    ソブチル及びフマル酸ジ−t−ブチルよりなる群から選
    択される請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 ペルオキシ二炭酸ジアルキルが構造式I
    I: 【化2】 (式中、R4及びR5は同一又は異なっており、2〜22
    個の炭素の置換又は非置換のアルキル、7〜9個の炭素
    の置換又は非置換のビシクロアルキル、及び7〜12個
    の炭素の置換又は非置換のアラルキルよりなる群から選
    択される。ただし、アルキルについての置換基は1又は
    2個以上の1〜4個の炭素のアルキル、1〜6個の炭素
    のアルコキシ又はフェノキシであり、シクロアルキルに
    ついての置換基は1又は2個以上の1〜4個の炭素のア
    ルキル、及びアラルキルについての置換基は1又は2個
    以上の1〜4個の炭素のアルキル、クロル、ブロム、メ
    トキシ又はカルボキシである)を有する請求項1に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 R4及びR5が同一又は異なっており、且
    つ置換又は非置換のアルキル及び置換又は非置換のシク
    ロアルキルよりなる群から選択される請求項5に記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 R4及びR5が同一又は異なっており且つ
    2〜22個の炭素の置換又は非置換のアルキルである請
    求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 ペルオキシ二炭酸ジアルキルがペルオキ
    シ二炭酸ジ−n−プロピル、ペルオキシ二炭酸ジイソプ
    ロピル、ペルオキシ二炭酸ジ−sec−ブチル及びペル
    オキシ二炭酸ジ−(2−エチルヘキシル)よりなる群か
    ら選択される請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 少なくとも1種のクロル蟻酸アルキルを
    過酸化水素水と水性の塩基を含有する反応混合物の中で
    反応させることを含むペルオキシ二炭酸ジアルキルの製
    造の改良方法において、前記改良が約10〜約90重量
    %の少なくとも1種の構造式I: 【化3】 (式中R1及びR2は同一又は異なっており且つ水素、4
    〜20個の炭素のアルキル、6〜10個の炭素のシクロ
    アルキル、6〜10個の炭素のアリール、7〜11個の
    炭素のアラルキル又はそれらの混合物よりなる群から選
    択される)の化合物を前記反応混合物に、前記クロル蟻
    酸ジアルキルと過酸化水素水との間の反応の開始前に、
    反応開始時に、反応中任意の時点で又はそのように形成
    されたペルオキシ二炭酸ジアルキルに、その精製前に若
    しくは精製中に添加することからなる改良方法。
  10. 【請求項10】 構造式Iの化合物が反応混合物に、ク
    ロル蟻酸ジアルキルと過酸化水素水との間の反応の終了
    時であって粗製のペルオキシ二炭酸ジアルキルをその反
    応混合物から分離する前に添加される請求項9に記載の
    改良方法。
  11. 【請求項11】 形成された粗製のペルオキシ二炭酸ジ
    アルキルをその反応混合物から分離することに引き続
    き、ペルオキシ二炭酸ジアルキルの精製前に又はその精
    製中に、構造式Iの化合物がその粗製のペルオキシ二炭
    酸ジアルキルに添加される請求項9に記載の改良方法。
  12. 【請求項12】 構造式Iの化合物がその反応混合物
    に、クロル蟻酸アルキルと過酸化水素水との間の反応の
    前に又はその反応開始時で添加される請求項9に記載の
    改良方法。
  13. 【請求項13】 構造式Iの化合物がその反応混合物
    に、クロル蟻酸アルキルと過酸化水素水との反応中に添
    加される請求項9に記載の改良方法。
  14. 【請求項14】 開始剤として有効な量の請求項1に記
    載の組成物の分解生成物を含有する食品と接触する用途
    に適したポリ塩化ビニル。
  15. 【請求項15】 製造されるポリ塩化ビニルが食品と接
    触するのに好適であるような塩化ビニルを重合するため
    の方法であって、塩化ビニルを開始剤として有効な量の
    請求項1に記載の組成物によって塩化ビニルの重合を開
    始させ且つ完了させるのに十分な時間、温度及び圧力の
    条件下で処理することからなる塩化ビニルの重合方法。
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