JPH10252166A - 断熱ブロック、断熱壁、断熱屋根および断熱屋根の施工方法 - Google Patents

断熱ブロック、断熱壁、断熱屋根および断熱屋根の施工方法

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JPH10252166A
JPH10252166A JP8205397A JP8205397A JPH10252166A JP H10252166 A JPH10252166 A JP H10252166A JP 8205397 A JP8205397 A JP 8205397A JP 8205397 A JP8205397 A JP 8205397A JP H10252166 A JPH10252166 A JP H10252166A
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JP
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heat insulating
insulating block
rafters
wall
roof
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Application number
JP8205397A
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Inventor
Naoaki Shibata
直秋 柴田
Bunichi Tamura
文一 田村
Masaki Katou
正材 加藤
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Kyosho Corp
Original Assignee
Kyosho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い断熱性と結露を防止する効果とを有する
とともに、施工性に優れ、安価で構築することができる
断熱壁および断熱屋根を提供する。 【解決手段】 複数の柱又は間柱1の外面に壁下地材2
が取り付けられ、これらの柱又は間柱の間に板状の断熱
ブロック6が嵌め込まれる。この断熱ブロックは、柱又
は間柱と隣接する縁辺付近に、上記壁下地材の内面に当
接される突起6aを有し、この断熱ブロックの外面と前
記壁下地材との間に通気用の空隙8が形成されている。
また、この断熱ブロックは、容易に弾性変形が生じる材
料からなり、柱の間隔方向に圧縮変形が生じた状態で嵌
め込まれ、柱又は間柱の側面との間に作用する圧接力に
よって支持される。そして、その内側に現場発泡による
合成樹脂層7が形成される。一方、断熱屋根では、同じ
断熱ブロックが垂木の間に嵌め込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係る発明は、建物の壁
または屋根であって高い断熱性能を有するとともに結露
を防止することができる断熱壁または断熱屋根、および
これらに用いる断熱ブロック、並びに上記断熱屋根の施
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における住宅等の建物は、高断熱・
高気密構造とし、空気調和装置によって快適な居住環境
を作り出そうという傾向が強くなっている。このような
構造では、壁内および屋根の下面または天井裏に断熱層
が設けられるが、外気と居室内との温度差が大きくなる
と壁内や屋根の下面で結露が生じることがある。このよ
うな結露が生じると構造部材の腐食等の原因となり建物
の耐久性が著しく低下することになる。
【0003】このような結露を防止するために、壁内又
は屋根の下側に通気を行なう構造が提案されており、例
えば、図11に示すようなものがある。この断熱壁で
は、柱又は間柱101の外側に断熱下地材102が取り
付けられ、内装下地材106との間に断熱材107が充
填されている。断熱下地材102の外側には桟木103
を介して外装下地材104が取り付けられ、この外装下
地材104と断熱下地材102との間に通気路となる間
隙108が設けられている。そして、外装下地材104
の外側には外装材105が設けられる。このような断熱
壁では、外装下地材104又は外装材105の透湿抵抗
が大きい場合にも、外装下地材104と断熱下地材10
2との間に通気が確保されているため、居室内側からの
湿気は上記間隙108(通気路)から屋外に排出され、
結露が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような断熱壁では構築時の工数が多くなるとともに、材
料費も多く必要となり、施工費用が多大になるという問
題がある。つまり、断熱壁の外側に断熱下地材102と
外装下地材104とを二重に設ける必要があり、下地材
として用いる板材は、一般的な壁構造の約2倍が必要と
なる。また、断熱下地材102の施工が終了した後、桟
木103を取り付け、さらに外装下地材104を固着す
ることになり、施工の手間が多大となるものである。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、高い断熱性と結露を防
止する効果とを有するとともに、施工性に優れ、安価で
構築することができる断熱壁および断熱屋根を提供する
こと、およびこれらに用いられる断熱ブロックを提供す
ること、並びに上記断熱屋根の施工方法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 建物を構成する複数
の柱もしくは間柱の間、または屋根を構成する複数の垂
木の間に嵌め入れられる長方形の板状の断熱ブロックで
あって、 前記柱、間柱または垂木と当接される縁辺付
近に、屋根または壁の下地材の内面に当接されてこの断
熱ブロックと前記下地材の内面との間に通気用の空隙を
形成する突出部が設けられている断熱ブロックを提供す
るものである。
【0007】この断熱ブロックは、熱伝導率が小さく板
状に成型することができる材料であれば、様々なものを
用いることができ、例えば、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ウレタン等の発泡成型品、グラス
ウール、ロックウール、木質繊維等にバインダー樹脂を
添加して成型したもの等を用いることができる。
【0008】このような断熱ブロックでは、上記突出部
が屋根又は壁の下地材の内面に当接するように取り付け
られることによって、下地材との間に所定の幅の空隙を
容易に形成することができる。つまり、突出部の高さに
相当する空隙が下地材と断熱ブロックとの間に形成さ
れ、この空隙を建物の外部と連通させることによって断
熱層の外側の通気路とすることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、 請求項1に記
載の断熱ブロックにおいて、 該断熱ブロックが、容易
に弾性変形を生じる材料からなるものとし、 前記柱、
間柱または垂木と当接される端面が、該断熱ブロックの
厚さ方向に傾斜しているものとする。上記断熱ブロック
に用いることができる材料は、柱もしくは間柱の間隔又
は垂木の間隔よりやや大きい幅の断熱ブロックを弾性変
形を生じさせて上記柱又は垂木等の間に容易に嵌め込む
ことができる程度の弾性を有するものである。そして、
その弾性的な復元力で断熱ブロック自体を柱又は垂木等
の間に保持することができるものである。また、上記端
面の傾斜は、断熱ブロックを柱又は垂木等の間に容易に
嵌め込むことができるように角度および傾斜の方向が設
定されるものである。
【0010】このような断熱ブロックでは、柱又は垂木
等の間に容易に嵌め込むことができるとともに、断熱ブ
ロックの弾性的な復元力で柱又は垂木間に保持されるの
で施工性が著しく向上し、工期の短縮、施工費用の低減
が可能となる。
【0011】請求項3に記載の発明は、 複数の柱また
は間柱の外面に壁下地材が取り付けられ、これらの柱ま
たは間柱の間に板状の断熱ブロックが嵌め込まれ、 こ
の断熱ブロックは、前記柱または間柱と隣接する縁辺付
近に、前記壁下地材の内面と当接される突起を有するも
のであり、 該断熱ブロックの外面と前記壁下地材の内
面との間に通気用の空隙が形成されている断熱壁を提供
するものである。
【0012】この断熱壁では、板状の断熱ブロックと壁
下地材との間に突起の高さに相当する空隙が形成され、
これを通気路として用いることができるので、室内側か
ら透過される湿気が、この通気路を通して室外に排出さ
れる。このため、壁下地材又は外装材に透湿性の悪い材
料が用いられたとしても壁内で結露を生じることがな
く、壁体の耐久性も向上する。また、断熱ブロックを壁
下地材の裏面へ取り付けるだけで断熱層と外側通気路と
が形成されるので、材料費の低減、施工性の向上を図る
ことができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、 請求項3に記
載の断熱壁において、 前記断熱ブロックを、容易に弾
性変形が生じる材料からなるものとし、 前記柱または
間柱の間隔方向に圧縮変形が生じた状態で該柱または間
柱の間に嵌め込まれ、該柱または間柱の側面との間に作
用する圧接力によって支持されるものとする。この断熱
壁では、断熱ブロックの取り付けおよび保持に手間がか
からず、施工性が著しく向上して、工事費を低減するこ
とができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、 傾斜して支持
された複数の垂木と、 この複数の垂木上に取り付けら
れる野地板と、 この野地板の上に敷設され、雨水を流
下させる屋根表面材と、 前記野地板の下側に形成され
た断熱層とを有する断熱屋根であって、 前記断熱層
は、前記複数の垂木の間に嵌め込まれた板状の断熱ブロ
ックを含むものであり、 この板状の断熱ブロックの前
記垂木と隣接する縁辺付近に、前記野地板の下面と当接
される突出部が設けられており、 該板状の断熱ブロッ
クの上面と前記野地板の下面との間に通気用の空隙が形
成されている断熱屋根を提供するものである。
【0015】このような断熱屋根では、垂木の間に板状
の断熱ブロックを嵌め込むだけで断熱層とその外側の通
気層とが形成されるので、施工性に優れたものとなる。
このため、断熱性が高く、結露を生じない屋根を少ない
工事費で構築することが可能となる。
【0016】請求項6に記載の発明は、 前記断熱ブロ
ックを、容易に弾性変形が生じる材料からなるものと
し、前記垂木の間隔方向に圧縮変形が生じた状態で該垂
木間に嵌め込まれ、該垂木の側面との間に作用する圧接
力によって支持されるものとする。この断熱屋根では、
断熱ブロックが自らの弾性復元力によって保持されるの
で、取り付けに接着剤や釘等を必要とせず、施工性が著
しく向上する。
【0017】請求項7に記載の発明は、 複数の垂木を
所定の間隔で平行に取り付ける工程と、 上面に突出部
が設けられた板状の断熱ブロックを、前記垂木の間隔方
向に弾性的な圧縮変形を生じさせながら該垂木間に嵌め
込む工程と、 野地板を、前記断熱ブロックの突出部お
よび前記垂木の上面に当接させ、該垂木に固定する工程
と、を含む断熱屋根の施工方法を提供するものである。
【0018】このような断熱屋根の施工方法では、複数
の垂木が設けられ、野地板が未だ取り付けられていない
段階で、断熱ブロックを垂木の間に容易に嵌め込み、自
らの弾性的な復元力で保持させることができる。そし
て、その後野地板を断熱ブロックの突出部に当接し、上
記垂木の上面に押し当てて固着することにより野地板の
下側に通気層と断熱層とを形成することができる。した
がって、断熱性に優れるとともに、結露を防止すること
ができる断熱屋根を、少ない工数で容易に施工すること
が可能となる。
【0019】請求項8に記載の発明は、 請求項7に記
載の断熱屋根の施工方法において、前記複数の垂木の間
に嵌め込まれた断熱ブロックの下側に、現場発泡による
発泡合成樹脂層を形成する工程を含むものとする。この
断熱屋根の施工方法では、上記断熱ブロックに現場発泡
による発泡合成樹脂層を積層して形成することができ、
高い断熱性能を有する屋根を容易に得ることができる。
また、上記断熱ブロックは、垂木と固着された発泡合成
樹脂層に包囲されるので垂木等の構造部材に、経年によ
るひずみ等が生じても、断熱ブロックの位置がずれた
り、脱落するのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は請求項3又は請求項
4に記載の発明の一実施形態である断熱壁を示す断面図
である。この断熱壁は、木造建築物の外壁として構築さ
れたものであり、間隔をおいて立設された柱及び間柱1
の外側には壁下地材2が固定され、その上に外装材3が
取り付けられている。また柱及び間柱1の内側には内装
下地材4及び内装材5が設けられ、上記壁下地材2と内
装下地材4との間に断熱材が装填されている。
【0021】上記断熱材は、板状に成型された断熱ブロ
ック6と現場発泡により形成された発泡合成樹脂層7と
が用いられており、断熱ブロック6はポリプロピレンの
発泡成型品であり、ビーズ状に発泡させ、これらを固め
て板状に成型したものであってもよいし、押出連続発泡
成型されたものでもよい。この板状の断熱ブロック6
は、厚さが約20mmで柱又は間柱1の間隔とほぼ同じ
幅を有し、図2に示すように、柱又は間柱に沿った両側
の縁辺付近に外側への突出部6aを有している。そし
て、図1に示すようにこの突出部6aの頂部が壁下地材
2に当接するように配設され、壁下地材2とこの断熱ブ
ロック6の表面との間に突出部6aの高さに相当する幅
(約20mm)の空隙が形成されている。また、この断
熱ブロック6は柱又は間柱1の間隔よりやや広い幅を有
し、端面が厚さ方向のほぼ中央部で突き出し、両側が後
退する傾斜面となっている。このような構成により、柱
又は間柱1間に取り付ける際には、図3に示すように、
内側から容易に嵌め込むことができ、発泡ポリプロピレ
ンからなる断熱ブロック6に生じた弾性変形の復元力に
よって、柱又は間柱1間に保持される。なお、この断熱
ブロックは請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施
形態である。一方、発泡合成樹脂層7はポリウレタンを
吹き付けて現場発泡させたものである。また、壁下地材
2は合板、ラス下地板等、内装下地材は合板、石膏ボー
ド等、一般に壁下地材又は内装下地材として用いられて
いるものである。
【0022】このような断熱壁では、壁下地材2と内装
下地材4との間に断熱層が形成されているので高い断熱
性能を有する。また、断熱ブロック6と壁下地材2との
間に形成された空隙8を外気と連通させることによっ
て、この空隙8が通気路となり、内装下地材4・断熱層
を透過した湿気が室外に排出される。これにより壁内で
の結露が防止される。
【0023】[第2の実施の形態]図4は、請求項4又
は請求項5に記載の発明の一実施形態である断熱屋根を
示す断面図である。この断熱屋根は、棟木(図示しな
い)および母屋24に支持された垂木11の上に野地板
12を固定し、その上を鋼薄板13でふいたものであ
り、野地板12下側の垂木11間には発泡ポリプロピレ
ンからなる断熱ブロック16が嵌め込まれ、さらにその
下側に発泡ウレタン層16が形成されている。
【0024】上記断熱ブロック16は、図1に示す断熱
壁に用いられるものと同じ構成を有しており、厚さが約
20mmで垂木11の間隔とほぼ同じ幅となるように形
成されている。そして、両縁に野地板12の下面に当接
される突出部16aを有し、この突出部16aの高さが
約20mmとなっている。また、発泡ウレタン層17は
現場発泡により形成されたものであり、厚さが約65m
mとなっている。
【0025】次に、上記断熱屋根の施工方法について説
明する。なお、この施工方法は請求項7又は請求項8に
記載の発明の一実施形態である。図5に示すように、軒
げた21、梁22、この梁22上に立ち上げられる小屋
づか23、この小屋づか23上に支持される母屋24お
よび棟木(図示しない)等によって小屋組みが構築され
ると、上記棟木、母屋24及び軒げた21の上に垂木1
1を傾斜して取り付ける。この垂木11は間隔が正確に
所定の寸法となるように取り付けるのが望ましい。
【0026】垂木11が設けられると、図6(a)に示
すように、これらの間に上方から断熱ブロック16を嵌
め込む。断熱ブロック16の幅は垂木11の間隔よりわ
ずかに大きくなっているが、端面の傾斜部を垂木11の
側面に沿わせて押し込むと発泡ポリプロピレンからなる
断熱ブロック16は容易に圧縮変形を生じ、図6(b)
に示すように垂木11間に嵌め込まれ、弾性変形にとも
なう復元力によって支持される。このとき、断熱ブロッ
ク16の突出部16aは垂木11の上面より少し上方に
突き出すようにしておき、野地板12を突出部16aに
当接させ、さらに断熱ブロック16を押し込んで、図6
(c)に示すように野地板12を垂木11に取り付け
る。このようにして、断熱ブロック16は、野地板12
の下面との間に突出部16aの高さ(約20mm)に相
当する空隙18を形成した状態で垂木11間に支持され
る。その後、断熱ブロック16及び垂木11の下側を覆
うように現場発泡によるウレタン層17を形成する。
【0027】このような施工方法では断熱ブロック16
を嵌め込む作業を屋根構造の上方から行うことができ、
屋根の下側全域に足場を設けて下方から垂木間に嵌め込
む方法に比べて作業性が向上するとともに、足場等を設
ける工程が省略でき効率の良い施工が可能となる。
【0028】なお、上記断熱ブロック16を垂木11の
間に嵌め込む際に、断熱ブロックの寸法又は垂木の間隔
に誤差があると断熱ブロックの弾性復元力で支持できな
いことも生じるが、図7に示すように支持金具19を垂
木11に取り付け、これによって断熱ブロック16を支
持することもできる。また、上記実施の形態において断
熱ブロックの端面は厚さ方向の中央部から両側に傾斜部
を有しているが、垂木の間に上方から嵌め込む断熱ブロ
ックは、図8(a)に示すように下側に幅が縮小する連
続した傾斜部を有するものであってもよい。また、下側
から嵌め込む場合や、図1に示すような断熱壁では、図
8(b)に示すように、突出部の先端部から反対側に幅
が連続して拡大するように傾斜した端面を備えた断熱ブ
ロックを用いてもよい。
【0029】[断熱壁、断熱屋根を用いた木造建築物の
通気構造]次に、図1に示す断熱壁および図4に示す断
熱屋根を用いた木造建築物の、壁内及び屋根内の通気に
ついて説明する。図9は、図1に示す断熱壁の下端部分
及び二階の床の取り付け部分を示す断面図である。ま
た、図10は、図4に示す断熱屋根の頂部及び軒部を示
す断面図である。図9に示すように、断熱壁の壁下地材
2(ラス下地)と断熱ブロック6との間に形成された空
隙8は土台31の上部から床下32に連通し、図9中の
矢印Aで示すように、床下から上記空隙8内に空気が流
入できるようになっている。また、胴差し33が設けら
れる部分では、その外側に打ち付けられた壁下地材2a
が水平方向に所定間隔で切断されており、図9中の矢印
Bで示すように、この切断部で上下方向の通気路が確保
されている。したがって、一階部分の壁下地材2と断熱
ブロック6との間の空隙8は上記壁下地材の切断部を介
して二階部分の空隙と連通しており、一階部分の空隙内
から二階部分の空隙内への通気が確保される。さらに、
二階部分の壁頂部では、図10に示すように、壁下地材
2と断熱ブロック6との間の空隙は軒34と軒天井35
との間の空間と連通している。
【0030】一方、野地板12と屋根の断熱ブロック1
6との間に形成された空隙の下端は、断熱ブロック16
が軒げた21付近で途切れることによって軒34と軒天
井35との間の空間に連通し、上端は棟木36上の空間
から棟がわら37の下側を回り込むようにして外気と連
通している。したがって、壁内の壁下地材2と断熱ブロ
ック6との間を通過した空気は軒34と軒天井35との
間の空間から野地板12と屋根の断熱ブロック16との
間に導かれ、屋根面に沿って上昇した後、棟木36上か
ら外部に排出される。
【0031】このように床下から屋根上への通気路が確
保されることによって、室内から内装材および断熱層等
を透過した湿気が外部に排出され、壁内及び屋根の下側
での結露が防止される。なお、ここで説明した実施の形
態では金属板ぶきの屋根となっているが、本発明は、瓦
ぶき、スレート板ぶき等、様々な形態の屋根に適用し得
る。また、軒天井35は、通気口を有するものとし、軒
34と軒天井35との間の空間を外気と連通するものと
してもよい。
【0032】さらに、断熱壁の下端付近で通気用の空隙
に空気を取り込む構造としては、図11に示すような構
造を採用することもできる。この構造は、壁下地材42
が壁の下端部で断続的に取り付けられ、外装材43の下
方から壁内に通じる通気路40を形成している。これに
より、外気が断熱ブロック46と壁下地材42との間の
空隙48に導入され、図9及び図10に示される構造と
同様に壁内及び屋根の通気が確保される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る断
熱ブロックを用いることによって、壁・屋根等に断熱層
とこれに隣接する通気層とを容易に形成することがで
き、高い断熱性能を有するとともに結露が生じない壁又
は屋根を少ない工数及び工事費で構築することが可能と
なる。また、本願発明に係る断熱壁および断熱屋根で
は、壁下地材又は野地板の内側に形成された断熱層によ
って優れた断熱性能を有するとともに、断熱層と下地材
との間に形成された通気路によって、室内側から室外側
へ透過しようとする湿気を効率よく排出し、壁内又は屋
根の下側で結露するのを有効に防止することができる。
そして、上記通気路が断熱ブロックを柱・間柱・垂木等
の間に嵌め込むことによって形成されるので、少ない工
数で構築することができ、工事費も低廉となる。さら
に、本願発明に係る断熱屋根の施工方法では、母屋・棟
木等の上に固定された垂木の間に断熱ブロックを嵌め込
み、その上から野地板を取り付けることによって断熱層
及び外側通気層とを形成することができ、効率の良い施
工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形
態である断熱壁の断面図である。
【図2】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である断熱ブロックの斜視図である。
【図3】図2に示す断熱ブロックを柱・間柱・垂木等の
間に嵌め込む状態を示す概略図である。
【図4】請求項5又は請求項6に記載の発明の一実施形
態である断熱屋根を示す概略断面図である。
【図5】請求項7又は請求項8に記載の発明の一実施形
態である断熱屋根の施工方法を示す概略斜視図である。
【図6】図4に示す断熱屋根の施工において、断熱ブロ
ックを垂木間に嵌め込む状態および野地板の取り付けを
示す概略図である。
【図7】図4に示す断熱屋根の施工において、断熱ブロ
ックを垂木の間に支持するための補助的方法を示す概略
断面図である。
【図8】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である断熱ブロックの、端縁部の形状の他の例を示す
概略図である。
【図9】図1に示す断熱壁の下端部分及び二階の床の取
り付け部分を示す断面図である。
【図10】図4に示す断熱屋根の頂部及び軒部を示す断
面図である。
【図11】断熱壁の下端部分の構造の他の例を示す断念
図である。
【図12】外側通気層を有する断熱壁の従来例を示す断
面図である。
【符号の説明】 1 間柱 2 壁下地材 3 外装材 4 内装下地材 5 内装材 6 断熱ブロック 7 発泡合成樹脂層 8 空隙 11 垂木 12 野地板 13 鋼薄板 16 断熱ブロック 17 発泡ウレタン層 18 空隙 19 支持金具 21 軒げた 22 はり 23 小屋づか 24 母屋 31 土台 32 床下 33 胴差し 34 軒 35 軒天井 36 棟木 37 棟かわら 40 通気路 42 壁下地材 43 外装材 46 断熱ブロック 48 空隙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物を構成する複数の柱もしくは間柱
    の間、または屋根を構成する複数の垂木の間に嵌め入れ
    られる長方形の板状の断熱ブロックであって、 前記柱、間柱または垂木と当接される縁辺付近に、屋根
    または壁の下地材の内面に当接されてこの断熱ブロック
    と前記下地材の内面との間に通気用の空隙を形成する突
    出部が設けられていることを特徴とする断熱ブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の断熱ブロックにおい
    て、 該断熱ブロックは、容易に弾性変形を生じる材料からな
    り、 前記柱、間柱または垂木と当接される端面が、該断熱ブ
    ロックの厚さ方向に傾斜していることを特徴とする断熱
    ブロック。
  3. 【請求項3】 複数の柱または間柱の外面に壁下地材が
    取り付けられ、これらの柱または間柱の間に板状の断熱
    ブロックが嵌め込まれ、 この断熱ブロックは、前記柱または間柱と隣接する縁辺
    付近に、前記壁下地材の内面と当接される突起を有する
    ものであり、 該断熱ブロックの外面と前記壁下地材の内面との間に通
    気用の空隙が形成されていることを特徴とする断熱壁。
  4. 【請求項4】 前記断熱ブロックは、容易に弾性変形
    を生じる材料からなり、前記柱または間柱の間隔方向に
    圧縮変形が生じた状態で該柱または間柱の間に嵌め込ま
    れ、該柱または間柱の側面との間に作用する圧接力によ
    って支持されるものであることを特徴とする請求項3に
    記載の断熱壁。
  5. 【請求項5】 傾斜して支持された複数の垂木と、 この複数の垂木上に取り付けられる野地板と、 この野地板の上に敷設され、雨水を流下させる屋根表面
    材と、 前記野地板の下側に形成された断熱層とを有する断熱屋
    根であって、 前記断熱層は、前記複数の垂木の間に嵌め込まれる板状
    の断熱ブロックを含むものであり、 この板状の断熱ブロックの前記垂木と隣接する縁辺付近
    に、前記野地板の下面と当接される突出部が設けられて
    おり、 該板状の断熱ブロックの上面と前記野地板の下面との間
    に通気用の空隙が形成されていることを特徴とする断熱
    屋根。
  6. 【請求項6】 前記断熱ブロックは、容易に弾性変形
    を生じる材料からなり、前記垂木の間隔方向に圧縮変形
    が生じた状態で該垂木間に嵌め込まれ、該垂木の側面と
    の間に作用する圧接力によって支持されるものであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の断熱屋根。
  7. 【請求項7】 複数の垂木を所定の間隔で平行に取り
    付ける工程と、 上面に突出部が設けられた板状の断熱ブロックを、前記
    垂木の間隔方向に弾性的な圧縮変形を生じさせながら該
    垂木間に嵌め込む工程と、 野地板を、前記断熱ブロックの突出部および前記垂木の
    上面に当接させ、該垂木に固定する工程と、を含むこと
    を特徴とする断熱屋根の施工方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の断熱屋根の施工方法
    において、 前記複数の垂木の間に嵌め込まれた断熱ブロックの下側
    に、現場発泡による発泡合成樹脂層を形成する工程を含
    むことを特徴する断熱屋根の施工方法。
JP8205397A 1997-03-14 1997-03-14 断熱ブロック、断熱壁、断熱屋根および断熱屋根の施工方法 Pending JPH10252166A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118166A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Misawa Homes Co Ltd 遮熱材および遮熱材を備えた屋根構造
KR20220114432A (ko) * 2021-02-08 2022-08-17 주식회사 라이프단열 폼 단열재를 이용한 단열 시스템 및 이의 시공 방법

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