JPH10252088A - スリップ防止鉄蓋 - Google Patents

スリップ防止鉄蓋

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JPH10252088A
JPH10252088A JP9074355A JP7435597A JPH10252088A JP H10252088 A JPH10252088 A JP H10252088A JP 9074355 A JP9074355 A JP 9074355A JP 7435597 A JP7435597 A JP 7435597A JP H10252088 A JPH10252088 A JP H10252088A
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Masahiko Nagakuni
雅彦 永国
Katsuo Okada
勝男 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下水道のマンホール蓋などに設けられる鉄
蓋の上で、車や人がスリップしにくくできるスリップ防
止鉄蓋を提供する。 【解決手段】 鉄蓋1の上表面に、0.5mmから5m
mの粒径を有する硬質骨材を、バインダー樹脂材により
固定して配置する。固定配置する場所は、鉄蓋の上表面
に形成され凹凸の模様形態の凹部21である。硬質骨材
は、鉱石またはセラミック粒子であり、バインダー樹脂
材と混合された状態凹部に流し込んで固定する。また
は、硬質骨材を、凹部に流し込まれたバインダー樹脂材
の上からまぶして、押し込み、固定する。 硬質骨材の
先端の平均位置は、凹凸の模様の凸部表面から最大約2
mm低い位置とし、硬質骨材の剥離を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上下水道のマン
ホールや消火栓の蓋などに用いられる鉄蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】道路の表面に形成された開口部を覆う鉄
蓋には、上水道または下水道のマンホール蓋、消火栓の
蓋、都市ガスの設備を覆う蓋、電話線などの通信設備を
覆う蓋、雨水を逃がす通路を覆う蓋、側溝を覆う蓋など
種々のものがある。
【0003】これらの鉄蓋は、アスファルトなどの道路
面に比べ車や人がスリップしやすい。特に雨の日などに
は、例えば車道に設けられた下水道のマンホール鉄蓋の
上にさしかかったオートバイが急ブレーキをかけたはず
みにスリップして転倒事故をおこしたり、歩道に設けら
れた消火栓の鉄蓋の上で、急いでいた歩行者がスリップ
したりすることがある。このため、鉄蓋の上表面には文
字や模様を表す凹凸を形成して、摩擦力を大きくし、少
しでもスリップしにくいように工夫されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鉄蓋に形成さ
れる凹凸をあまり深く、細かいものにすることはデザイ
ン上の制限もあって困難である。また、車両等の重量物
による凹凸の摩耗によって凹凸部が徐徐に平滑化され摩
擦力が低下し、大きな摩擦力を得ることができず、スリ
ップを十分には防止出来なかった。そこで、この発明
は、以上の問題点を解決するためになされたもので、ス
リップを十分に防ぐことが出来るスリップ防止鉄蓋を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、下記の発明を提供する。第1の発明は、道路の表
面に形成された開口部を覆う鉄蓋において、上表面に、
0.5mmから5mmの粒径を有する硬質骨材が、バイ
ンダー材により固定されていることを特徴とするスリッ
プ防止鉄蓋である。
【0006】第2の発明は、前記鉄蓋は、さらに、上表
面に凹凸の模様を有し、前記硬質骨材は着色されたもの
であり、凹凸の凹部に着色された硬質骨材を配置し、化
粧鉄蓋としたことを特徴とするスリップ防止鉄蓋であ
る。
【0007】第3の発明は、前記硬質骨材は、鉱石また
はセラミック粒子であり、バインダー材は鉄蓋及び硬質
骨材と接着性の良く、且つ耐久性のある樹脂であり、硬
質骨材がバインダー材と混合された状態で固定がなされ
ているか、または、硬質骨材がバインダー材の上表面に
中ほどまで埋め込まれて固定がなされていることを特徴
とするスリップ防止鉄蓋である。
【0008】第4の発明は、硬質骨材の先端の平均位置
は、凹凸の模様の凸部表面から最大約2mm低い位置と
することを特徴とするスリップ防止鉄蓋である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図1及
び図3に示す。この実施形態において、道路の表面に形
成された開口部は、下水道のマンホールであり、このマ
ンホールを覆う蓋に鉄蓋1が使用される。鉄蓋1はマン
ホールの縁部を形成する受け部3に支持されている。こ
の鉄蓋1の上表面に、多数粒の硬質骨材5が、バインダ
ー材7により固定されている(図3)。
【0010】鉄蓋1は、通常鋳鉄製で、上表面に凹凸の
模様形態を有する。模様形態は、例えば図1に示すよう
に、中央に百合の花9が一つ大きく配置され、その周囲
を二重の円11が囲んでいる。二重の円11の外側には
椿の花13、15が合計7つ環状に配列されている。更
に、これら椿の花の配列の中に、一つのマーク17が配
置されている。
【0011】これら花9、13、15などの輪郭は、図
2に示されるように、凹凸の凸部19で形成されてい
る。輪郭以外のところは凹部21になっている。硬質骨
材5は、粒径が2.0mmから3.3mmの着色された
セラミック粒子である。
【0012】このセラミック粒子は、着色硬質磁器素地
を1300℃で焼成して製造され、化学組成(%とはw
t%である)は、SiO2 が75.3%、Al2 3
20.6%、Na2 Oが1.1%、K2 Oが2.3%で
ある。このセラミック粒子の硬度は、ダイヤモンドを1
0として、7から8である。着色の色彩は、黄、赤、
緑、青、白、黒などがある。
【0013】そして、凹凸の所定の凹部21に、所定の
色彩に着色された硬質骨材5を、配置する。たとえば、
百合の花には白、椿の花には赤を用いる。これにより、
カラフルな化粧鉄蓋となっている。上記所定の色彩は鉄
蓋と同一色彩であってもよい。バインダー材7は、樹脂
である。すなわち、鉄蓋と接着性の良いように、可撓性
変成エポキシ樹脂を主剤とし、ポリアミン系などの硬化
剤よりなる混合剤を用いる。
【0014】このようなバインダー材7に対し、硬質骨
材5が骨材の中ほど、またはそれ以上まで埋め込まれて
固定されている。図3に示すように、固定された硬質骨
材5の先端の位置は、凹凸の模様の凸部19の表面より
も低い方が、車のタイヤ23などから受ける衝撃などに
より硬質骨材5が剥離するなどの損耗を抑えることがで
きる。
【0015】更に、鉄蓋の凸部表面が磨耗して滑りやす
い状態になった場合、凹部の硬質骨材5の位置が相対的
に表面に突出し、スリップ防止に寄与する。しかし、あ
まり低くしすぎると、スリップ防止の効果が少なくな
る。この実施形態では、硬質骨材5の先端の位置と、凹
凸の模様の凸部19の表面との差dは、最大約2mmの
範囲とする。
【0016】(処理工程)次に、この実施形態のスリッ
プ防止鉄蓋1に、硬質骨材5を固定する処理工程を説明
する。まず、鉄蓋の凹部21を中心に金属面用のプライ
マーを塗布し、バインダー樹脂材7の定着を良くする。
必要に応じ、凸部19の頂面を粘着テープなどでマスキ
ングする。
【0017】その後に、主剤であるバインダー樹脂材7
と硬化剤を混合したものを凹部に流し込む。この流し込
む深さは、後に押し込まれる硬質骨材5が中ほどまで埋
め込まれる深さとする。
【0018】混合により硬化が始まった樹脂が、完全に
硬化してしまわないうちに、上から硬質骨材5をまぶ
す。このとき、所定の凹部21には所定の色の硬質骨材
5を用いる。そして、平らな面を有する道具で、硬質骨
材5をバインダー樹脂材7へ押し込む。
【0019】その後に、一定の時間養生を行う。そし
て、必要であれば、硬質骨材5の剥がれを特に防止した
いときなどには、硬質骨材5の上からアクリル系の樹脂
などを薄く塗布する。更に、一定の時間が経ちアクリル
系樹脂の養生がなされたら、工程が終了する。
【0020】(実施形態の効果)以上の実施形態によれ
ば、以下の効果を得る。すなわち、鉄蓋1の上表面に、
粒径が2.0mmから3.3mmのセラミック粒子を硬
質骨材5として固定することで、雨天時などで鉄蓋1の
上表面が濡れているときでも、車のタイヤや歩行者の靴
底に対し、摩擦力を非常に大きくでき、スリップが生じ
るのを十分に防止できる。
【0021】さらに、着色されたセラミック粒子によ
り、白の百合の花や赤の椿の花などの色彩を表現でき、
スリップ防止鉄蓋としてだけでなくカラフルな化粧鉄蓋
として、町並みの美観の向上に大いに役立つことにな
る。また、硬質骨材5の先端の位置は、凹凸の模様の凸
部19表面から最大約2mm低い位置とすることで、摩
擦力を維持できるとともに、必要以上に車のタイヤ23
などから衝撃を受けることを避けられ、硬質骨材5がバ
インダー樹脂材7から剥がれたりするのを防止できる。
【0022】(他の実施形態)以上の実施形態では、鉄
蓋1はマンホール蓋であったが、他の実施形態では、消
火栓の蓋、都市ガスの設備を覆う蓋、通信設備を覆う
蓋、雨水を逃がす通路を覆う蓋、側溝を覆う蓋など種々
のものに実施可能である。例えば、図4に示すように、
消火栓の蓋に用いられる鉄蓋1の模様形態の凹部21に
対し硬質骨材5を固定しても良い。
【0023】また、例えば図5に示すように、側溝を覆
うメッシュ状の蓋に用いられる鉄蓋1に形成される凹部
25に対し硬質骨材5を固定しても良い。この凹部25
は、メッシュ状の形状によって形成される多数の貫通孔
27の周囲近傍と、鉄蓋1の周囲近傍とを除くほぼ全面
に形成されている。従って硬質骨材5も、ほぼ全面に固
定され配置される。
【0024】尚、図4または図5において、図1乃至図
3と同様の機能を有する部分については同一の符号を付
す。また、以上の実施形態では、硬質骨材の剥がれをよ
り防止するために、硬質骨材の上からアクリル系の樹脂
などを薄く塗布するものであったが、他の実施形態で
は、そのような塗布を行わず、硬質骨材の上半分はバイ
ンダー樹脂のみならずアクリル系樹脂をかぶらずに露出
させ、摩擦をより以上に大きくすることができる。
【0025】また、以上の実施形態では、硬質骨材がバ
インダー材の上表面に中ほどまで埋め込まれて固定がな
されているが、他の実施形態では、予め硬質骨材がバイ
ンダー樹脂材と混合された状態で、凹部に流し込まれて
固定がなされるものとしても良い。
【0026】また、以上の実施形態では、硬質骨材の先
端の平均位置は、凹凸の模様の凸部表面から最大2mm
低い位置とするものであったが、他の実施形態では、2
mmよりも大きく、あるいは小さくすることが可能であ
る。
【0027】また、以上の実施形態では、凹凸による模
様形態は、百合の花や椿の花などのように具体的なもの
の形を表すものであったが、他の実施形態では模様形態
が、文字、記号、数字などのように抽象的な意味を表示
する表示機能を有するものであっても良い。その場合に
は、色彩の働きにより表示機能をより一層高めることが
できる。
【0028】また、以上の実施形態では、硬質骨材は粒
径が2.0mmから3.3mmであるとしたが、他の実
施形態では他の粒径幅の硬質骨材を採用することができ
る。たとえば、3.3mmから5.0mm、1.0mm
から2.0mm、0.5mmから1.0mm、などであ
る。また、粒径幅を広くすることも可能である。たとえ
ば、2.5mmから5.0mmのものなどである。
【0029】また、以上の実施形態では、硬質骨材はセ
ラミック粒子であったが、他の実施形態では鉱石を採用
しても良い。たとえば、天然の鉱石であるエメリーを採
用できる。エメリーは、コランダム、鉄スピネルを含有
し、標準の化学組成は、Al2 3 が33.4%、Fe
2 3 が24.4%、FeOが27.9%、SiO2
6.6%、CaOが4.5%で、硬度が8から9であ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、第1、2、3、ま
たは4の発明によれば、鉄蓋の上表面に、0.5mmか
ら数mmの粒径を有する硬質骨材がバインダー材により
固定されているので、これら多数の硬質骨材が摩擦力を
大きくし、スリップを十分に防止できる。
【0031】第2の発明によれば、さらに、上表面に形
成された凹凸の模様形態の凹部に着色された硬質骨材を
配置することで、着色した模様形態を得ることができ、
カラフルな化粧鉄蓋として、町並みの美観の向上に役立
つ。また、模様形態に表示機能を有するものを採用すれ
ば、色彩の働きにより表示機能をより一層高めることが
できる。
【0032】第3の発明によれば、さらに、硬質骨材
を、鉱石またはセラミック粒子とすることで摩擦力を非
常に大きくすることができる。また、バインダー材を、
鉄蓋と接着性の良い樹脂とし、硬質骨材がバインダー材
と混合された状態で固定がなされているか、または、硬
質骨材がバインダー材の上表面に中ほどまで埋め込まれ
て固定がなされていることとすることで、硬質骨材を容
易に固定できる。さらに、硬質骨材が中ほどまで埋め込
まれた状態では、硬質骨材の上半分は樹脂をかぶらずに
露出しており、摩擦をより以上に大きくできる。
【0033】第4の発明によれば、さらに、硬質骨材の
先端の位置は、凹凸の模様の凸部表面から最大2mm低
い位置とすることで、十分な摩擦量を維持した状態で、
硬質骨材が樹脂から剥がれたりする損耗を効果的に防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る鉄蓋の全体平面図
である。
【図2】(A)は図1のII部拡大図、(B)は(A)
の一部拡大図である。
【図3】図2(A)のIII−III断面図である。
【図4】他の実施形態に係る鉄蓋の全体平面図である。
【図5】さらに他の実施形態に係る鉄蓋の全体斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 鉄蓋 3 受け部 5 硬質骨材 7 バインダー材 19 凸部 21、25 凹部 23 タイヤ 27 メッシュ形状によ
る貫通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路の表面に形成された開口部を覆う鉄
    蓋において、上表面に、0.5mmから5mmの粒径を
    有する硬質骨材が、バインダー材により固定されている
    ことを特徴とするスリップ防止鉄蓋。
  2. 【請求項2】 前記鉄蓋は、上表面に凹凸の模様形態を
    有し、前記硬質骨材は着色されたものであり、凹凸の凹
    部に着色された硬質骨材を配置することで、化粧鉄蓋と
    したことを特徴とする請求項1記載のスリップ防止鉄
    蓋。
  3. 【請求項3】 前記硬質骨材は、鉱石またはセラミック
    粒子であり、バインダー材は鉄蓋と接着性の良い樹脂で
    あり、硬質骨材がバインダー材と混合された状態で固定
    がなされているか、または、硬質骨材がバインダー材の
    上表面に中ほどまで埋め込まれて固定がなされているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のスリップ防止鉄
    蓋。
  4. 【請求項4】 前記硬質骨材の先端の平均位置は、凹凸
    の模様の凸部表面から最大約2mm低い位置とすること
    を特徴とする請求項2または3記載のスリップ防止鉄
    蓋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2399585A (en) * 2003-03-20 2004-09-22 Saint Gobain Pipelines Plc Surface access cover
GB2445150A (en) * 2006-12-22 2008-07-02 Saint Gobain Pipelines Plc Surface access cover

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2399585A (en) * 2003-03-20 2004-09-22 Saint Gobain Pipelines Plc Surface access cover
GB2445150A (en) * 2006-12-22 2008-07-02 Saint Gobain Pipelines Plc Surface access cover
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