JPH10251395A - コポリカーボネート重合体およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

コポリカーボネート重合体およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH10251395A
JPH10251395A JP5615197A JP5615197A JPH10251395A JP H10251395 A JPH10251395 A JP H10251395A JP 5615197 A JP5615197 A JP 5615197A JP 5615197 A JP5615197 A JP 5615197A JP H10251395 A JPH10251395 A JP H10251395A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
bis
hydroxyphenyl
copolycarbonate
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JP5615197A
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English (en)
Inventor
Noriyoshi Ogawa
典慶 小川
Jun Tajima
純 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オゾン性および耐熱性に優れ、かつキャス
トフィルム用樹脂溶液として長期保存性に優れた電子感
光体用バインダー樹脂を提供する。 【解決手段】 下記一般式(A)および(B)で表され
る構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構造単
位中 4〜70 mol%であり、かつ極限粘度が0.3 〜2.0 dl
/gのコポリカーボネート重合体。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なコポリカー
ボネート重合体に係わり、更に詳細には特定のビスフェ
ノール類より誘導された構造を有し、耐オゾン性、電子
写真特性等に優れた電子写真感光体バインダー樹脂およ
び電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真技術は、その高速性、高
画質である事等により、複写機、レーザープリンター、
ファックス等に広く応用されている。この電子写真技術
における電子写真感光体としては、従来は、セレン、セ
レン/テルル合金、セレン/砒素合金、硫化カドミウム
等の無機系光導電性物質が主に用いられてきた。しか
し、毒性、安全性、価格、生産性、等の点から、最近で
は、有機系光導電性物質を使用した電子写真感光体が開
発されている。
【0003】この有機系光導電性物質が低分子物質の場
合、バインダー樹脂と混合して塗膜を形成する事が通常
行われている。バインダー樹脂としてはポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル
重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂等の各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂が用いられてきている。これらの樹脂の内、ポリカ
ーボネート樹脂が比較的優れた特性を有しており、良く
用いられている。
【0004】バインダー樹脂として、各種のポリカーボ
ネート樹脂を用いる事が報告されており、例えば特開昭
60−172044には1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンからのポリカーボネート樹脂が、特
開昭63−170647には2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンからのポリカーボネート樹脂が、特開
昭63−148263には2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-
メチルフェニル)プロパンからのポリカーボネート樹脂
が、特開平4−44048には1,1-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)-1−フェニルエタンからのポリカーボネート
樹脂が、それぞれバインダー樹脂として使用する事が開
示されている。中でも2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパンからのポリカーボネート樹脂は安価であ
り、また、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサンからのポリカーボネート樹脂は溶媒溶解性が良好
であることから、これら2種類のポリカーボネート樹脂
がバインダー樹脂に最も多く使用されている。
【0005】これらの公知有機系光導電性物質(以下、
OPCと記す。)と各種バインダー樹脂とを使用する電
子写真感光体(以下、OPC感光体と記す。)において
は、感度等の点では無機系光導電性物質を使用した電子
写真感光体に匹敵するものが得られている。これらOP
C感光体は、キャスト製膜法等により容易に薄膜とする
事が可能で、大量生産に向いており、価格も比較的安価
である。OPC感光体はこのように優れた面がある反
面、従来のポリカーボネートを主体とするバインダー樹
脂では耐摩耗性や長期耐久性などがかならずしも十分で
ない場合があり、バインダー樹脂としては改善の余地が
あった。特に耐久性については、電子写真プロセスにお
けるコロナ帯電時にオゾンが発生し、そのオゾンがOP
C感光体を酸化劣化させ、耐摩耗性や帯電特性に影響を
与えることが知られていた。
【0006】そのため、帯電方式を正帯電に変更しオゾ
ン発生を抑える方法(特開昭63−85751)がある
が、感光体に使用される電荷輸送剤や電荷発生剤の種類
が少なく、一般的ではない。また、耐オゾン剤として特
殊なスピロビクロマン化合物を添加する方法(特開昭6
3−71857)がある。この方法では帯電特性への影
響は改善されるものの、低分子物質である耐オゾン剤を
添加するため機械的強度が低下し、耐摩耗性は劣る傾向
がある。
【0007】一方、6,6'−ジヒドロキシ-4,4,7,4',4',
7'-ヘキサメチル-2,2'-スピロビクロマンから誘導され
たポリカーボネートが知られていた(特開平3−162
413)。このポリカーボネートは、耐熱性が高く、低
複屈折を有することから特に光ディスクに好適であった
が、この樹脂をOPC感光体に応用したところ、OPC
感光体を製造するキャストフィルム用樹脂溶液として長
期保存した場合、帯電特性が劣り、実際のOPC感光体
用の材料として満足いくものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリカーボネー
ト樹脂に対して、耐熱性が高く、耐オゾン性も優れ、し
かもOPC感光体を製造するためのキャストフィルム用
樹脂溶液の長期保存性能の優れたポリカーボネート樹脂
を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のスピロビ
クロマン構造を有するビスフェノール化合物と他の少な
くとも1種類以上のビスフェノール化合物より誘導され
たコポリカーボネート重合体は従来の電子写真感光体用
バインダー樹脂に比して、耐摩耗性、耐オゾン性や長期
保存安定性に優れることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は下記一般式(A)およ
び下記一般式(B)で表される構造単位を有し、一般式
(A)の構造単位が全構成単位中 4〜70mol%であり、か
つ極限粘度が0.3 〜2.0dl/g であるコポリカーボネート
重合体およびそれを使用した電子写真感光体である。
【0011】
【化7】 (式中、R1 〜R4 は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1
〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。)
【0012】
【化8】 (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよ
い、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5の
アルコキシ基又は炭素数7〜17のアラルキル基を表
し、Yは、
【0013】
【化9】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、あるいは
置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アル
ケニル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基
を表すか、R9 ,R10が一緒に結合して、炭素環または
複素環を形成する基を表し、a は0〜20の整数、b は
1〜100の整数を表す。)
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の前記一般式(A)および
(B)の構造単位を有するコポリカーボネート重合体
は、下記一般式(C)で表されるビスフェノール化合物
および下記一般式(D)で表されるビスフェノール化合
物とを炭酸エステル形成性化合物と反応させて製造する
ことができる。
【0015】
【化10】 (式中、R1 〜R4 は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1
〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。)
【0016】
【化11】 (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよ
い、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5の
アルコキシ基又は炭素数7〜17のアラルキル基を表
し、Yは、
【0017】
【化12】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、各々置換
基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アルケニ
ル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基を表
すか、R9 ,R100が一緒に結合して、炭素環または複
素環を形成する基を表し、a は0〜20の整数、b は1
〜100の整数を表す。)
【0018】前記一般式(C)で表されるビスフェノー
ル化合物は、特定の位置に水酸基を有するスピロビクロ
マン化合物であり、具体的には、
【化13】 が挙げられる。これらのビスフェノール化合物は2種類
以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】この中でも7,7'- ジヒドロキシ-4,4,4',4'
- テトラメチル-2,2'-スピロビクロマン、7,7'- ジヒド
ロキシ-4,4,6,4',4',6'-ヘキサメチル-2,2'-スピロビク
ロマンがアルカリ溶解性、反応性、安全性等より好まし
い。
【0020】前記一般式(D)で表されるビスフェノー
ル化合物としては、具体的には、4,4'−ビフェニルジオ
ール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-
ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルファイ
ド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA)、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ
−ルZ;BPZ )、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロ
モフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-
ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ
−3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シ−3-クロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシ−3-メチルフェニル)プロパン(ジメチルビスフェ
ノールA;DMBPA )、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジ
メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)-1- フェニルエタン(ビスフェノールAP;BP
AP)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン、2 ,2- ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3- アリルフェニ
ル)プロパン、α,ω−ビス[2-(p-ヒドロキシフェニ
ル)エチル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス
[3-(o-ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチル
シロキサン、9,9-ビス(3-メチル−4-ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3- アリルフ
ェニル)プロパン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチ
ルエチリデン)]ビスフェノール、4,4'-[1,3-フェニレ
ンビス(1-メチルエチリデン)]ビスフェノールなどが
例示される。これらは、2種類以上併用することも可能
である。
【0021】これらの中でも特に、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-メ
チルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)-1- フェニルエタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルファ
イド、α,ω−ビス[2-(p-ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3-(o-ヒ
ドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン
から選ばれることが好ましい。
【0022】一方、炭酸エステル形成性化合物として
は、例えばホスゲンやオキザリルクロライドまたはジフ
ェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フ
ェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェ
ニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビス
アリルカーボネートが挙げられる。
【0023】本発明のコポリカーボネート重合体におけ
る一般式(A)の構造単位は、一般式(C)のモノマー
の反応性の観点から、全構成単位中 4〜 70mol%である
ことが好ましく、70mol %を超えると合成時の未反応モ
ノマーが増加し、分子量制御が著しく低下する。4mol%
未満では従来のビスフェノールA型ポリカーボネートと
物性や溶媒溶解性ではほとんど差がなくなる。さらに、
良好な反応性、物性、溶媒溶解性のバランスを考慮した
場合、10〜50mol %が好適である。
【0024】また重合度を調節するために、従来から使
用されているフェノール、p−t−ブチルフェノール、
p−クミルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール等
一官能基化合物が分子量調節剤として使用される。さら
に、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイ
トなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビス
フェノールなど分岐化剤を小量添加してもよい。
【0025】本発明のコポリカーボネート重合体の製法
としては、ビスフェノールAからポリカーボネートを製
造する際に用いられている公知の方法、例えば二価フェ
ノールとホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるい
は二価フェノールとビスアリールカーボネートとのエス
テル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用する
ことができる。
【0026】前者のホスゲン法においては、通常酸結合
剤および溶媒の存在下において、前記ビスフェノール化
合物とホスゲンとを反応させる。酸結合剤としては、例
えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属の水酸化物などが用いらる。また、所
望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなど
の酸化防止剤を少量添加してもよい。
【0027】また溶媒としては、例えば塩化メチレン、
クロロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いら
れる。さらに、縮重合反応を促進するために、第三級ア
ミンおよび/または第四級アンモニウム塩などの触媒
を、ホスゲンの吹き込み前、あるいはホスゲン吹き込み
後に、加えることが好ましい。更に、本発明のコポリカ
ーボネート樹脂を円滑に重合させるためには、ホスゲン
の吹き込み前から、第四級アンモニウム塩を加えること
が好ましい。
【0028】本発明に使用される三級アミン触媒として
は、トリエチルアミン、トリ-n−プロピルアミン、トリ
-n−ブチルアミンなどが例示され、原料ビスフェノール
化合物の合計量に対して、0.02〜1.0 mol%使用する
のが好ましい。0.02mol%未満であると重合の促進効
果がほとんどなく、1.0 mol%を超えると洗浄工程で
の触媒除去に多大な労力がかかるうえ、重合の促進効果
が頭打ちとなる。また、本発明に使用される第四級アン
モニウム塩触媒としては、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライド、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどが
例示され、原料ビスフェノール化合物の合計量に対し
て、0.02〜1.0 mol%使用するのが好ましい。0.02m
ol%未満であると重合の促進効果がほとんどなく、1.
0 mol%を超えると洗浄工程での触媒除去に多大な労
力がかかるうえ、重合の促進効果が頭打ちとなる。
【0029】反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜
40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温
度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好
ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系
のpHを10以上に保持することが望ましい。
【0030】反応終了後、一般的には、重合液を水相と
有機相に分離し、有機相をリン酸などでで中和した後、
洗液のpHが中性になるまで水洗する。その後、得られた
重合樹脂液を、温水に滴下し、溶媒を蒸発除去しながら
重合物を粒状化する。次に、得られた粉末状重合物を濾
過後、乾燥して粉末状樹脂として取り出される。
【0031】一方、後者のエステル交換法においては、
前記ビスフェノール化合物とビスアリールカーボネート
とを混合し、減圧下で高温において反応させる。反応は
通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の
範囲の温度において行われ、また減圧度を最終に、好ま
しくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により副生
した該ビスアリールカーボネートに由来するフェノール
類を系外へ留去させる。この様にして得られた重合物
は、通常、ノズルを通して水槽に押出した後、ペレタイ
ザーでカッテングされペレットの形で取り出される。
【0032】反応時間は反応温度や減圧度などによって
左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素
やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ま
しい。エステル交換触媒としては、アルカリ金属化合
物、第四級アンモニウム化合物およびホスホニウム化合
物などが用いられる。また、所望に応じ、前記の分子量
調節剤、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行って
もよい。
【0033】本発明のコポリカーボネート重合体は、電
子写真感光体製造で使用される溶液流延法、キャスト
法、スプレー法、浸漬塗布法(ディップ法)等公知の湿
式成形法で成形が可能で、特にディップ法による成形に
好適な重合体の粘度は極限粘度で0.3 〜2.0(dl/g)であ
る。極限粘度が0.3dl/g より小さくなると湿式成形によ
って得られるフィルムの強度が低下し、2.0dl/g 以上で
は湿式成形による生産性が低下する場合が多く、また重
合後の処理が困難な場合が多い。
【0034】本発明で用いるコポリカーボネート重合体
には所望に応じて、従来、ポリカーボネート樹脂に用い
られた公知の種々の添加剤類が配合可能であり、これら
としては安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離
型剤、染料、顔料、難燃剤などが挙げられる。例えば、
安定剤としては特に亜リン酸、又はホスファイトが好適
である。又、離型剤としては飽和脂肪酸のモノ−或いは
多価アルコールのエステルが挙げられ、ステアリルステ
アレート、ベヘニルベヘネート、ペンタエリスリトール
テトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサオ
クトエートなどが好適なものとして例示される。さらに
通常のポリカーボネートのほかに、ポリエステルカーボ
ネート、ポリアリレートなどの樹脂類も当然に目的に応
じて適宜添加する事も可能である。
【0035】本発明中のコポリカーボネート重合体がバ
インダー樹脂として用いられる電子写真感光体は、導電
性支持体上に単一層の光導電層を有するものでも、機能
分離した積層型のものでも良い。最近は、露光により電
荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層
との二層からなる積層型の電子写真感光体が主流となっ
ている。又、必要に応じて下引き層、保護層、接着層等
を設けても良い。
【0036】導電性支持体には、アルミニウム、ステン
レス鋼又はニッケル等の金属材料、あるいは、表面にア
ルミニウム、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウム等
の導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール
樹脂、紙等が使用される。
【0037】前記電荷発生層は、たとえば浸漬法、スプ
レー法、塗布などの公知の方法により、導電性支持体上
に形成される。電荷発生物質としては、例えば、アゾキ
シベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズイミ
ダゾール系、多環式キノリン系、インジゴイド系、キナ
クリドン系、フタロシアニン系、ペリレン系、メチン系
等の有機顔料が使用できる。これらの電荷発生物質は、
その微粒子をポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホ
ルマール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、各種セルロース等のバイ
ンダー樹脂に分散させた形で使用される。
【0038】また、前記電荷輸送層は、電荷発生層上に
たとえば浸漬法、スプレー法、塗布公知の方法により、
本発明のコポリカーボネート重合体をバインダー樹脂と
して、電荷輸送物質(CT剤)を分散させる事により形
成される。CT剤としては、例えば、ポリテトラシアノ
エチレン;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン
等のフルオレノン系化合物;ジニトロアントラセン等の
ニトロ化合物;無水コハク酸;無水マレイン酸;ジブロ
モ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化合物;2,
5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;9−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチ
リル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカル
バゾール系化合物;1−フェニル−3−(p−ジメチル
アミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物;
4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)
トリフェニルアミン等のアミン誘導体;1、1ービス
(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合物;4−
(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;イン
ドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾ
ール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系
化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、
ピラゾリン系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素
環式化合物;縮合多環式化合物等が挙げられる。上記C
T剤は単独で使用しても、複数種併用しても良い。
【0039】電荷発生層及び電荷輸送層は、上記の電荷
発生物質、又は、電荷輸送物質を、それぞれバインダー
樹脂と、適当な溶媒に溶解させ、その溶液を浸漬塗布
(ディップ)法やスプレー法等により塗布し、乾燥させ
る事により形成できる。この溶媒としては、ハロゲン系
有機溶媒と非ハロゲン系溶媒の2種類に大別できるが、
一般的に可燃性が少ないハロゲン系溶媒が多用される。
近年は、安全性や環境保全の観点から、非ハロゲン系溶
媒が使用される比率が大きくなっており、本発明で用い
られるコポリカーボネート重合体も非ハロゲン系溶媒の
多くに良溶である。
【0040】非ハロゲン系溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸
エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。
【0041】また、ハロゲン系溶媒としては塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラ
クロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられ、これらの
溶媒は非ハロゲン、ハロゲンを問わず単独で使用しても
良く、又は、2種以上を併用し混合用溶媒として使用し
ても良い。
【0042】溶液の濃度は通常 1〜30重量%、好ましく
は 5〜20重量%である。本発明のコポリカーボネート重
合体は一般的なビスフェノールA型ポリカーボネート樹
脂とは異なり、トルエンなどの非ハロゲン系溶剤に対し
ても高い溶解性を示し、溶液の安定性が高いという利点
を有する。
【0043】本発明中のコポリカーボネート重合体をバ
インダー樹脂として用いる場合、電荷発生物質とバイン
ダー樹脂の混合比は、10:1〜1:20の範囲内が好
ましい。この電荷発生層の厚さは、0.01〜20μ
m、好ましくは0.1〜2μmが好適である。また、電
荷輸送物質とバインダー樹脂との混合比は、10:1〜
1:10の範囲内が好ましい。この電荷輸送層の厚さ
は、2〜100μm、好ましくは5〜30μmが好適で
ある。
【0044】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0045】実施例1 8.8%(w/v) の水酸化ナトリウム水溶液 600mlに、7,7'-
ジヒドロキシ-4,4,4',4'- テトラメチル-2,2'-スピロビ
クロマン 34g(以下SC-1、0.1mol)と2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPA 、0.3mol)
68.4g 及びハイドロサルファイト0.1gを加え溶解した。
これにメチレンクロライド400ml を加え、15℃に保ちな
がら撹拌しつつ、トリエチルベンジルアンモニウムクロ
ライド0.05g を加え、ついでホスゲン51g を50分かけて
吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p-tーブチルフ
ェノール(以下PTBP)1.5g加え激しく撹拌して、反応液
を乳化させ、乳化後0.4ml のトリエチルアミン(TEA )
を加え、約1時間撹拌し重合させた。重合液を水相と有
機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液のpHを中
性になるまで水洗を繰り返した。得られた重合樹脂液
を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去しな
がら重合物を粒状化した。得られた白色粉末状重合物を
濾過後、105℃、6時間乾燥して粉末状樹脂を得た。
この重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl
の溶液の温度20℃における極限粘度[η]は0.52dl/g
であった。得られた上記重合体を赤外線吸収スペクトル
より分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基
による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合による
吸収が認められ、カーボネート結合を有することが確認
された。本コポリカーボネートのIRチャートを図1に
示す。このポリカーボネート中のモノマーをGPC分析
で測定した場合、SC-1及びBPA はいずれも100ppm以下で
あった。
【0046】次に、アルミニウムを厚さ約50nm蒸着
したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、τ型銅
フタロシアニン10部とフェノキシ樹脂5部、ポリビニ
ルブチラール樹脂5部、ジメトキシエタン100部とを
混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行っ
た塗布液を用いて塗布し、乾燥し、厚さ約0.5μmの
電荷発生層を設けた。次に、4−(N,N−ジエチルア
ミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン(CTB)を50部、実施例1で得られたコポリカー
ボネート重合体を50部、テトラヒドロフランを350
部使用した塗布液を作製し、上記電荷発生層上に塗布
し、風乾後100℃、8時間乾燥し、厚さ約30μmの
電荷輸送層を設けて、積層型電子写真感光体を作製し
た。この電子写真感光体の評価を、約50ppm オゾン雰
囲気下において(株)川口電気製作所製EPA−810
0静電気帯電試験装置にて、帯電特性およびスガ試験機
(株)製テーバ摩耗試験機により耐摩耗性を調べた。ま
た、CTBと実施例1のポリカーボネート重合体のテト
ラヒドロフラン溶液を1カ月間保存間後の帯電特性の評
価を行った。
【0047】実施例2 SC-1を68g (0.2mol)、BPA を45.6g (0.2mol)に変更
し、塩化メチレンを450ml 、PTBPを1.7gに変更した以外
は、実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限粘
度[η]は0.58dl/gで、赤外吸収スペクトル分析等より
この重合体は共重合比以外は実施例1と同等のコポリカ
ーボネート重合体と認められた。
【0048】実施例3 SC-1の代わりに7,7'- ジヒドロキシ-4,4,6,4',4',6'-ヘ
キサメチル-2,2'-スピロビクロマン(以下SC-2、0.1mo
l)を36.8g用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた重合体の極限粘度[η]は0.50dl/gであった。
【0049】実施例4 BPA の代わりに、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン80.4g (以下BPZ 、0.3mol)を用いた以外
は実施例1と同様に行った。得られた重合体の極限粘度
[η]は0.46dl/gであった。
【0050】実施例5 BPA の代わりに、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフ
ェニル)プロパン76.8g (以下DMBPA 、0.3mol)を用い
た以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体の極
限粘度[η]は0.47dl/gであった。
【0051】実施例6 BPA を45.6g (0.2mol)に変更し、更にビス(4-ヒドロ
キシフェニル)エーテル20.2g (以下DHPE、0.1mol)を
用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体
の極限粘度[η]は0.50dl/gであった。
【0052】実施例7 PTBP0.5gに変更した以外は実施例1と同様に行った。得
られた重合体の極限粘度[η]は1.10dl/gであった。
【0053】比較例1 SC-1の代わりに、6,6'- ジヒドロキシ-4,4,7,4',4',7'-
ヘキサメチル-2,2'-スピロビクロマン36.8g (以下SC-
3、0.1mol)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
得られた重合体の極限粘度[η]は0.46dl/gであった。
【0054】比較例2 実施例1のポリカーボネート重合体の代わりに、市販の
BPA型ホモポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製ユ
ーピロンS-2000、極限粘度[η]0.5dl/g )を用いて、
実施例1と同等の評価試験を行った。
【0055】比較例3 実施例1のポリカーボネート重合体の代わりに、市販の
BPZ型ホモポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製ユ
ーピロンPCZ、極限粘度[η]0.49dl/g)を用いて、
実施例1と同等の評価試験を行った。
【0056】比較例4 実施例1のポリカーボネートネート重合体の代わりに、
市販のBPA型ホモポリカーボネート(三菱ガス化学
(株)製ユーピロンS-2000、極限粘度[η]0.5dl/g)
100部に、7,7'- ジヒドロキシ-4,4,4',4'- テトラメ
チル-2,2'-スピロビクロマン20部添加した混合物を用
いて、実施例1と同等の評価試験を行ったが、膜強度が
無く、均一表面の膜が形成できないため、評価試験でき
なかった。
【0057】実施例1〜7および比較例1〜3のポリカ
ーボネートのオゾン雰囲気下の帯電特性、オゾン処理後
の耐摩耗性、長期樹脂溶液保存後の帯電特性について測
定を行った結果を表1に示す。
【0058】(測定方法) 極限粘度:0.5g/100ccジクロロメタン樹脂溶液を20℃で
極限粘度[η](dl/g)を求めた。 オゾン条件:朝日理化硝子工業(株)製ラボオゾン250
にてオゾンを発生させ、北川式ガス検知管182SB にて、
測定値が平均 50ppmになるようにした。 オゾン下初期帯電:オゾン条件下で、50μA電流がアル
ミニウムに流入するように設定し、100 回帯電露光後の
初期帯電量(−V)を測定。 オゾン下残留電位:オゾン条件下で、100 回帯電露光の
のち、初期電位測定後、露光(除電 10Lux)した4秒後
の残留電位(−V)を測定。 耐摩耗性:オゾン下での帯電露光試験終了後の試験片を
テーバ摩耗試験(荷重300Kg,CS-17 輪)1000回往復後摩
耗量を測定。 長期保存後残留電位:CTBを含んだ電荷輸送層用樹脂
溶液を1カ月常温暗所に密封して保管後、実施例1と同
様の電荷輸送層を形成した試験片を通常の雰囲気下(非
オゾン下)にて、前記と同様に残留電位を測定。
【0059】
【表1】 実1 実2 実3 実4 実5 ビスフェノール化合物(C) SC-1 SC-1 SC-2 SC-1 SC-1 (mol%) 25 50 25 25 25 ビスフェノール化合物(D) BPA BPA BPA BPZ DMBPA (mol%) 75 50 75 75 75 極限粘度(dl/g) 0.52 0.58 0.50 0.46 0.47 オゾン下初期電位(-V) 581 602 576 588 594 オゾン下残留電位(-V) 15 10 16 13 13 オゾン処理後耐摩耗性(mg) 5.4 4.1 5.0 4.8 5.1 長期保存後残留電位(-V) 11 9 11 9 10 実6 実7 比1 比2 比3 ビスフェノール化合物(C) SC-1 SC-1 SC-3 − − (mol%) 25 25 25 − − ビスフェノール化合物(D) BPA:DHPE BPA BPA BPA BPZ (mol%) 50:25 75 75 100 100 極限粘度(dl/g) 0.50 1.10 0.46 0.50 0.49 オゾン下初期電位(-V) 585 581 590 582 598 オゾン下残留電位(-V) 14 11 18 45 31 オゾン処理後耐摩耗性(mg) 5.2 4.8 5.6 8.5 7.2 長期保存後残留電位(-V) 12 8 37 28 16
【0060】(表1の記号の説明) BPA :2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン BPZ :1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン DMBPA:2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3- メチルフェニル)プ
ロパン DHPE :ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル SC-1 :7,7'- ジヒドロキシ-4,4,4',4'- テトラメチル-
2,2'-スピロビクロマン SC-2 :7,7'- ジヒドロキシ-4,4,6,4',4',6'-ヘキサメチ
ル-2,2'-スピロビクロマン SC-3 :6,6'- ジヒドロキシ-4,4,7,4',4',7'-ヘキサメチ
ル-2,2'-スピロビクロマン
【0061】
【発明の効果】本発明に係るコポリカーボネート重合体
は、電子写真感光体バインダー樹脂として用いる場合に
優れた耐摩耗性、耐オゾン性、低残留電位性等の電子写
真感光体として要求される特性を有するものであり、そ
のため複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ
バインダー樹脂などの電子写真感光体が用いられる分野
に好適に使用される。特に、耐オゾン性が問題となる負
帯電方式を用いた電子写真感光体に使用された場合に、
電子写真感光体の高寿命化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたコポリカーボネート重合体
の赤外吸収スペクトルチャート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)および(B)で表され
    る構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構成単
    位中 4〜70mol%であり、かつ極限粘度が0.3〜2.0dl/g
    であるコポリカーボネート重合体。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
    素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1
    〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
    数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、
    臭素、ヨウ素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよ
    い、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
    ール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5の
    アルコキシ基又は炭素数7〜17のアラルキル基を表
    し、Yは、 【化3】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、あるいは
    置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アル
    ケニル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基
    を表すか、R9 ,R10が一緒に結合して、炭素環または
    複素環を形成する基を表し、a は0〜20の整数、b は
    1〜100の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(A)で表される構造単位が7,7'
    −ジヒドロキシ-4,4,4',4'−テトラメチル-2,2'-スピロ
    ビクロマン、7,7'−ジヒドロキシ-4,4,6,4',4',6'-ヘキ
    サメチル-2,2'-スピロビクロマンより誘導された請求項
    1のコポリカーボネート重合体。
  3. 【請求項3】 一般式(B)で表される構造単位が、2,
    2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス
    (4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス
    (4-ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビ
    ス(4-ヒドロキシフェニル)-1- フェニルエタン、ビス
    (4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキ
    シフェニル)スルファイド、α,ω−ビス[3-(O-ヒド
    ロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、
    α,ω−ビス[2-(p-ヒドロキシフェニル)エチル]ポ
    リジメチルシロキサンの少なくとの1種より誘導された
    請求項1のコポリカーボネート重合体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(A)で表される構造単位
    が、全構成単位中10〜50mol %である請求項1のコポリ
    カーボネート重合体。
  5. 【請求項5】 下記一般式(C)で表されるビスフェノ
    ール化合物と下記一般式(D)で表されるビスフェノー
    ル化合物とを炭酸エステル形成性化合物と反応させて、
    請求項1のコポリカーボネート重合体を得ることを特徴
    とするコポリカーボネート重合体の製造法。 【化4】 (式中、R1 〜R4 は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
    素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1
    〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
    数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基
    又は炭素数7〜17のアラルキル基を表す。) 【化5】 (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、
    臭素、ヨウ素、あるいはそれぞれ置換基を有してもよ
    い、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
    ール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5の
    アルコキシ基又は炭素数7〜17のアラルキル基を表
    し、Yは、 【化6】 であり、ここにR9 ,R10はそれぞれ、水素、あるいは
    置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アル
    ケニル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基
    を表すか、R9 ,R10が一緒に結合して、炭素環または
    複素環を形成する基を表し、a は0〜20の整数、b は
    1〜100の整数を表す。)
  6. 【請求項6】 ホスゲンを炭酸エステル形成性化合物と
    して用いる溶液重合法を用い、かつ触媒として4級アン
    モニウム塩を用いることを特徴とする請求項5のコポリ
    カーボネート重合体の製造法。
  7. 【請求項7】 導電性基体上に、感光層を有する電子写
    真感光体のバインダーとして請求項1のコポリカーボネ
    ート重合体を用いることを特徴とする電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 電荷発生層上に電荷輸送層が形成された
    負帯電方式による2層型電子写真感光体の電荷輸送層バ
    インダーとして請求項1のコポリカーボネート重合体を
    用いることを特徴とする電子写真感光体。
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