JPH10251339A - ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH10251339A
JPH10251339A JP9084395A JP8439597A JPH10251339A JP H10251339 A JPH10251339 A JP H10251339A JP 9084395 A JP9084395 A JP 9084395A JP 8439597 A JP8439597 A JP 8439597A JP H10251339 A JPH10251339 A JP H10251339A
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vinyl chloride
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resin
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JP9084395A
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English (en)
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Sadahito Kobayashi
貞仁 小林
Daizo Yamamoto
大三 山本
Masahiro Kubo
昌宏 久保
Taizo Furuike
泰三 古池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F14/02Monomers containing chlorine
    • C08F14/04Monomers containing two carbon atoms
    • C08F14/06Vinyl chloride

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチゾルとした時の流動性が良好で、該
ゾルを加熱成型した成型物の物性が優れており、樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後排水の
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製
造方法を提供する。 【解決手段】 懸濁安定剤として、20℃、4重量%水
溶液粘度が20〜110cpsで鹸化度が86〜99モ
ル%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール(A)
と、20℃、4重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸
化度が70〜80モル%である水溶性部分鹸化ポリビニ
ルアルコール(B)を(A)/(B)の重量比が99/
1〜50/50の割合で併用し、塩化ビニル系単量体1
00重量部に対して0.1〜1.0重量部の範囲で用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系単量
体の懸濁重合方法に関する。更に詳しくは、ポリ塩化ビ
ニルペースト樹脂に混在させ、可塑剤と混合してペース
トゾルとするのに適し、かつ樹脂製造時の排水処理が容
易で処理後の排水水質が良好なペーストブレンド用塩化
ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂(以下、
ペースト樹脂と記す)は、可塑剤、希釈剤、安定剤、そ
の他充填剤等の配合剤と共に攪拌混練してゾルとなし、
これをディッピング、スラッシュ、ローテーションある
いはコーティング等の方法により成型した後、これを加
熱ゲル化する加工法が採用される。この加工時の成型性
は、ゾルの流動性に大きく支配されるが、特にコーティ
ング用途ではゾルの粘度を低下させ流動性をよくするた
めに、ペーストブレンド樹脂(以下、ブレンド樹脂と記
す)が併用される。
【0003】一般にペースト樹脂は微細懸濁重合または
乳化重合で製造されており、前者の方法では0.1〜3
μmの多分散の粒子径分布を持ち、また後者の方法では
0.1〜3μmの間の複数の単分散の粒子径分布を持つ
のが通常である。一方、ゾルの流動性改良剤として用い
られるブレンド樹脂の粒子径は、ペースト樹脂より大き
く、通常の100〜200μmのポリ塩化ビニル系樹脂
(以下、PVC樹脂と記す)より小さい20〜60μm
の平均粒子径であり、その粒子形態はガラス状の低ポロ
シティー粒子で滑らかな表面をもつ単一の球状粒子がよ
く、また適度な可塑剤との親和性を持ち加熱成型物の物
性が優れていることが望ましく、この製造に際しては塩
化ビニル系単量体の懸濁重合法が用いられるのが一般的
である。また、ブレンド樹脂はペーストゾルの一部とし
て使用されるため、その粗粒量はできるだけ少ないのが
好ましく、重合時及び重合後スラリーを脱水、乾燥する
に際して粗粒発生量はできるだけ少ないものにする必要
がある。
【0004】このように、粒子径の小さいブレンド樹脂
を得るためには、通常のPVC樹脂と比較して、懸濁重
合に際して懸濁安定剤を多量に使用する必要があり、そ
のためにブレンド樹脂の重合排水の水質は、通常のPV
C樹脂の重合排水と比較して非常に悪いのが実情であ
る。一方、排水水質の規制は近年になり、生物学的酸素
要求量(BOD)だけでなく化学的酸素要求量(CO
D)によっても規制されるようになり、BOD値的には
問題とならない微生物分解の困難な排水についても大き
くクローズアップされるようになり、かかる環境規制に
適合していくためにも、放流前に技術的にも経済的にも
適切な排水処理をする必要がある。
【0005】ブレンド樹脂の製造方法は種々提案されて
いるが、水溶性高分子を懸濁安定剤として用い、機械的
分散力あるいは乳化剤との併用、特定の単量体との共重
合、特定の化合物の添加等による方法が一般的である。
例えば、懸濁安定剤として水溶性蛋白質(ゼラチン等)
を用いて懸濁重合し、得られた重合体を蛋白分解酵素で
処理する方法(特開昭55−145709)、懸濁安定
剤としてゼラチンとポリビニルピロリドンを用いる方法
(特開昭56−88406)、セルロース系分散剤の存
在下に重合した重合体にセルロース分解酵素を作用させ
る方法(特開昭57−98504)、エチレン/酢酸ビ
ニルコポリマー存在下でセルロース系懸濁剤を使用する
方法(特開昭58−103513)等が提案されてい
る。
【0006】しかし、懸濁安定剤としてゼラチン等の水
溶性蛋白質を用いる方法は、天然高分子物質であり重合
安定性及び品質の変動が大きく、かつ加熱成型物の物性
を保持するために得られた重合体を蛋白分解酵素で処理
する必要があり、製造コストが高くなる。また、懸濁安
定剤としてポリビニルピロリドンを用いる方法は、加熱
成型物の物性は良好ではあるが、20〜80μmの小粒
径粒子を得るのに多量に添加する必要があり、また価格
が高いことから製造コストが高くなり、かつ排水の適切
な処理方法がない。更に、セルロース系分散剤を使用す
る方法は、重合排水中に溶存するセルロース系分散剤を
経済的に排水処理する適切な方法がない。以上のよう
に、従来の方法はいずれも一長一短を有し、満足すべき
ものとは云い難いのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実情に
鑑み、ブレンド樹脂としてゾルの流動性改良効果があ
り、加熱成型後の成型体の物性が優れておりかつ樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後の排水
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂を低
コストで経済的に製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと記す)を主体とした懸
濁安定剤を用いて懸濁重合することにより、ブレンド樹
脂としての優れた物性、特性を備えるとともに、一方、
重合排水については常法により凝集沈殿処理した後に、
活性汚泥処理する方法により、容易に排水処理できるこ
とを見い出し本発明を完成させたものである。
【0009】即ち、本発明の第1は、塩化ビニル系単量
体を水性媒体中で懸濁重合するに際し、懸濁安定剤とし
て、20℃における4重量%水溶液粘度が20〜110
cpsで鹸化度が86〜99モル%である水溶性部分鹸
化PVA(A)と、20℃における4重量%水溶液粘度
が5〜10cpsで鹸化度が70〜80モル%である水
溶性部分鹸化PVA(B)を(A)/(B)の重量比が
99/1〜50/50の割合で併用し、前記(A)と
(B)を前記塩化ビニル系単量体100重量部に対して
0.1〜1.0重量部の範囲で用いることを特徴とする
ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法を、本
発明の第2は、更に、懸濁安定剤として、メトキシ置換
度が18〜26重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が
4〜15重量%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3
500〜35000cpsであるヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(C)を塩化ビニル系単量体100重量
部に対して0.05重量部以下の範囲で前記(A)と
(B)と併用するペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂
の製造方法をそれぞれ内容とするものである。
【0010】本発明においては、PVA(A)を主体と
してPVA(B)を併用することを特徴とする。PVA
(A)単独ではペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂と
して所定の粒子径を得るのに多量のPVA量を要し、重
合後の脱水、乾燥時に粗粒発生量が多くなる。
【0011】本発明で用いるPVA(A)の20℃にお
ける4重量%水溶液粘度は20〜110cps、好まし
くは60〜110cpsであり、鹸化度は86〜99モ
ル%であり、好ましくは86〜90モル%である。該水
溶液粘度が20cps未満では重合が不安定で凝集状の
粗粒が発生し、110cpsより高いと重合系の粘度が
高くなり、粒子径が小さくならない。また鹸化度が86
モル%未満では多孔性の粒子形態となり、嵩比重が低く
ゾル粘度が高いものとなる。
【0012】PVA(B)の20℃における4重量%水
溶液粘度は5〜10cps、好ましくは5〜7cpsで
あり鹸化度は70〜80モル%である。該水溶液粘度が
上記範囲外のもの及び鹸化度が70モル%未満のもの
は、1次分散剤としての機能が少なくなり併用効果が得
られなくなる。鹸化度が80モル%を越えると界面活性
能が小さくなり、PVA総量を少なくすることができな
い。PVA(A)にPVA(B)を併用することによ
り、同じ粒子径のものを得るのに必要なPVA総量を減
量することができ、重合後スラリーの脱水樹脂が加熱乾
燥時に崩れ易くなり、乾燥工程での粗粒発生量を低減す
ることができる。
【0013】PVA(A)/PVA(B)の使用比率
は、重量比で99/1〜50/50の範囲、好ましくは
97/3〜80/20の範囲である。PVA(B)の使
用比率が50より大きくなると、重合時に凝集状の粗粒
が発生し、嵩比重が低くゾル粘度が高いものとなり、一
方、1より小さくなるとPVA総量を少なくすることが
できず、乾燥工程での粗粒発生量が多くなる。そして、
PVA(A)とPVA(B)の合計添加量は、塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して0.1〜1.0重量
部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。0.1重
量部未満ではブレンド樹脂として適切な粒径のものが得
られず、重合粗粒量が増大し、一方、1.0重量部を越
えると乾燥工程での粗粒量が多くなる。
【0014】また、PVA(A)/PVA(B)併用系
に、更にヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、
HPMCと記す)(C)を併用することにより、重合時
の粗粒量及び乾燥工程での粗粒発生量を一層低減するこ
とができ、加えて嵩比重が高くゾル粘度が低いブレンド
樹脂が得られる。
【0015】HPMC(C)はメトキシ置換度が18〜
26重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重
量%で、20℃における2重量%水溶液粘度は3500
〜35000cps、好ましくは12000〜3500
0cpsの範囲である。メトキシ置換度が18重量%未
満のものは入手が困難で、一方、26重量%を越えると
重合安定化効果が小さく嵩比重も高くならない。またヒ
ドロキシプロポキシ置換度が上記範囲外のものは入手が
困難である。更に、20℃における2重量%水溶液粘度
が3500cps未満では重合粗粒量が少なくならず、
一方、35000cpsを越えると加熱成型時の成型品
の物性が低下する。HPMC(C)の添加量は、塩化ビ
ニル系単量体100重量部に対して0.05重量部以下
である。HPMC(C)の添加量が0.05重量部を越
えると、重合排水を凝集沈殿処理及び活性汚泥処理して
も、排水CODが十分低下しなくなる。
【0016】本発明において、塩化ビニル単量体と共重
合し得る他の単量体としては、例えばエチレン、プロピ
レンなどのオレフィン類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類、マレイン
酸またはフマル酸などの酸のエステル類及び無水物、ア
クリロニトリルなどのニトリル化合物、あるいは塩化ビ
ニリデンの如きビニリデン化合物等が挙げられ、これら
は単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0017】本発明において使用される重合開始剤とし
ては、塩化ビニルの懸濁重合において通常用いられる開
始剤、例えばラウロイルパーオキサイド、3、5、5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート及びア
セチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド等の
ような有機過酸化物、並びにα、α‘−アゾビスイソブ
チロニトリル及びα、α‘−アゾビス2、4−ジメチル
バレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられ、これらは単
独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0018】本発明においては、必要に応じて、アニオ
ン系またはノニオン系界面活性剤、PH調整剤、連鎖移
動剤及び重合禁止剤等を1種又は2種以上組み合わせて
使用してもよい。本発明における重合反応温度範囲は通
常35〜70℃であるが、特に限定されない。水/単量
体の仕込重量比は、通常0.8〜3.0の範囲で実施さ
れるが、特に限定されない。また、重合の進行に伴う体
積収縮を越えない範囲で、重合中に連続的または間欠的
に水を追加することもできる。
【0019】本発明により得られた重合スラリーは、脱
水、乾燥工程を経て製品化される。脱水工程より排出さ
れる重合排水は、通常、凝集沈殿処理及び活性汚泥処理
を経て、各種の排水規制値をクリアーできる排水水質に
した上で放流される。凝集沈殿処理は、一般的に重合排
水を攪拌条件下において凝集剤を添加し、中和剤を加え
ることによりPHを7付近(PH=6〜8)に調整した
後、高分子凝集剤を添加することにより行う。
【0020】凝集剤としては、塩化アルミニウム、硫酸
アルミニウム、塩化第二鉄等の無機金属塩または、必要
に応じて、フェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、
タンニン酸等のフェノール系化合物等が用いられる。中
和剤としては特に限定されないが、一般的には、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウム等が用いられる。高分子
凝集剤としては、ポリアクリルアミド等のノニオン系高
分子凝集剤、アクリルアミド/アクリル酸塩高分子共重
合物等のアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系アクリ
ル酸エステル、液状アミン縮合ポリマー等をベースとし
たカチオン系高分子凝集剤が用いられる。上記凝集剤、
中和剤、高分子凝集剤は、いずれも排水水質に応じて適
宜1種又は2種以上選択して用いられる。
【0021】凝集沈殿処理により排水中の微少ポリマー
固形分を取り除くことはできるが、水相中に溶存した水
溶性高分子懸濁安定剤を除去することは困難である。こ
のような水溶性高分子懸濁安定剤は、生物的な活性汚泥
処理により除去する。活性汚泥処理は、該水溶性高分子
物質を分解する分解資化菌を含有する活性汚泥を曝気槽
中で一定期間馴養したのち、常法により処理すればよ
い。
【0022】本発明のPVA(A)とPVA(B)、又
は更にこれらにHPMC(C)を組み合わせた懸濁安定
剤を用いて懸濁重合したペーストブレンド用塩化ビニル
系樹脂の重合排水は、処理前の排水CODは500〜2
000ppm 程度あるが、上記の凝集沈殿処理及び活性汚
泥処理を行うことにより、排水CODを20ppm 程度の
水準まで低減することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に示す
が、これらは何ら本発明を限定するものではない。尚、
評価は下記の方法により行った。
【0024】平均粒径;重合後スラリーを、コールター
・エレクトロニクス・リミティド(Coulter Electronic
s Limited )製MULTISIZER II を用いて測定
し、累積重量分布で50%となる粒子径をもって平均粒
径とした。 嵩比重;JIS K−6721による。 重合粗粒量;120メッシュのJIS標準篩を用いて、
重合後スラリー1KGを篩い、その未通量を全ポリマー
量に対する重量%で求めた。 乾燥粗粒量;重合後スラリーを120M(メッシュ)の
JIS標準篩を通した後、脱水し50℃で乾燥した後の
60M〜120M間の粗粒量を全ポリマー量に対する重
量ppm で求めた。 ゾル粘度;ペースト樹脂(鐘淵化学工業社製カネビニー
ルペーストXH27A)60重量部、ブレンド樹脂40
重量部、DOP50重量部、Ba−zn系安定剤2.5
重量部をプロペラ混合機で攪拌分散し、脱泡してプラス
チゾルを調製し、1時間後と3日後にBM型粘度計を用
いて、6rpm 及び60rpm でのゾル粘度を測定した。 キャストフィルムの作製と引張強度試験;上記プラスチ
ゾルをガラス板上に0.5mm厚でコーティングし、20
0℃で5分間加熱してフィルムを作製し、このフィルム
の引張強度をJIS K−6723に準じて測定した。 排水COD;重合後スラリーの排水及びそれを凝集沈殿
処理続いて活性汚泥処理した後の排水の各々をJIS
K−0102に準じて測定した。
【0025】実施例1 300L重合機に、懸濁安定剤として20℃における4
重量%水溶液粘度が95cpsで鹸化度が88モル%で
ある水溶性部分鹸化PVA(A)を0.315重量部及
び20℃における4重量%水溶液粘度が6.3cpsで
鹸化度が78モル%である水溶性部分鹸化PVA(B)
を0.035重量部を溶解した水140重量部を仕込
み、開始剤ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート0.037重量部と3,5,5−トリメチルヘキ
サノイルパーオキサイド0.019重量部、及びシリコ
ン消泡剤0.001重量部を添加し、脱気後、塩化ビニ
ル単量体100重量部を仕込み、54℃まで昇温して重
合を開始し、缶内圧が3Kg/cm2 低下した時、未反応単
量体を回収し、得られた重合スラリーを脱水、乾燥して
塩化ビニル樹脂を得た。得られた樹脂は表1に示す如
く、平均粒径は38μm、嵩比重0.551、ゾル粘度
(6rpm)は1時間後2300cps、3日後2380c
psであり、引張強度19.7MPa、伸び279%と
ペーストブレンド樹脂として非常に優れた品質のもので
あり、重合粗粒量0.13%、乾燥粗粒量1250ppm
と少なく良好であった。また、重合スラリー排水のCO
Dは580ppm であるが、この排水に対してタンニン酸
300ppm 、硫酸アルミニウム500ppm を加えた後、
水酸化カルシウムにてPH=7に中和し、更に高分子凝
集剤(アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合体)1
ppm を加えて凝集沈殿処理すると清澄な上澄液が得ら
れ、この上澄液をPVA資化菌を含有した活性汚泥によ
り処理することにより、処理後排水CODは13ppm と
非常に良好なものであった。
【0026】実施例2〜5 懸濁安定剤として下記の6種類を以下の実施例2〜5に
示すように組み合わせた懸濁安定剤に変更したほかは、
実施例1に準じて重合を行い、同様に樹脂の品質評価、
重合及び乾燥での粗粒量評価、更に排水処理を行った。
その結果、表1に示すように、いずれもペーストブレン
ド樹脂としての品質、粗粒量、排水処理後のCOD共に
非常に優れたものであった。 PVA(A);20℃、4重量%水溶液粘度=95cp
s、鹸化度=88モル% PVA(A−2);20℃、4重量%水溶液粘度=23
cps、鹸化度=88モル% PVA(B);20℃、4重量%水溶液粘度=6.3c
ps、鹸化度=78モル% PVA(B−2);20℃、4重量%水溶液粘度=6.
3cps、鹸化度=71モル% HPMC(C);メトキシ置換度=23重量%、ヒドロ
キシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量%水
溶液粘度=30000cps HPMC(C−2);メトキシ置換度=23重量%、ヒ
ドロキシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量
%水溶液粘度=4500cps 実施例2 PVA(A−2)/PVA(B)=0.31
5/0.035重量部 実施例3 PVA(A)/PVA(B−2)=0.31
5/0.035重量部 実施例4 PVA(A)/PVA(B)/HPMC
(C)=0.297/0.033/0.02重量部 実施例5 PVA(A)/PVA(B)/HPMC(C
−2)=0.297/0.033/0.02重量部
【0027】比較例1 実施例1において、懸濁安定剤をメトキシ置換度が23
重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が7重量%であ
り、かつ20℃における2重量%水溶液粘度が100c
psであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(C−
3)0.45重量部に変えたほかは、実施例1に準じて
重合を行い、同様に樹脂の品質評価、重合及び乾燥での
粗粒量評価、更に排水処理を行った。その結果、表1に
示すように、嵩比重が低くてゾル粘度が高く、引張強
度、伸び共に小さくしかも排水処理後のCODが870
ppm と非常に高く、ペーストブレンド樹脂としては不満
足なものであった。
【0028】比較例2 実施例1において、懸濁安定剤としてのPVA(A)を
0.45重量部仕込んだほかは、実施例1に準じて重合
を行った。その結果、乾燥粗粒量が3170ppm と多く
て、嵩比重が低くてゾル粘度が高く、ペーストブレンド
樹脂としては不満足なものであった。
【0029】比較例3 実施例1において、懸濁安定剤としてPVA(A)0.
315重量部の代わりに20℃における4重量%水溶液
粘度が9cpsで且つ鹸化度が88モル%である水溶性
部分鹸化ポリビニルアルコール(A−3)0.315重
量部を用いた他は実施例1に準じて重合を行った。その
結果、平均粒径51μmと大きく、重合粗粒量が0.5
6%と多く、しかも嵩比重は低くてゾル粘度が高くペー
ストブレンド樹脂としては不満足なものであった。
【0030】比較例4 実施例1において、懸濁安定剤としてPVA(A)0.
315重量部の代わりに20℃における4重量%水溶液
粘度が48cpsで且つ鹸化度が80モル%である水溶
性部分鹸化ポリビニルアルコール(A−4)0.315
重量部を用いた他は実施例1に準じて重合を行った。そ
の結果、嵩比重が0.503と低くてゾル粘度が高く、
ペーストブレンド樹脂としては不満足なものであった。
【0031】比較例5 実施例4において、懸濁安定剤としてHPMC(C)
0.02重量部の代わりに、比較例1で用いたHPMC
(C−3)0.02重量部を用いた他は実施例4に準じ
て重合を行った。その結果、重合粗粒量が0.78%と
多く、しかも嵩比重が0.501と低くゾル粘度が高
く、ペーストブレンド樹脂としては不満足なものであっ
た。
【0032】比較例6 実施例1において、懸濁安定剤としてのPVA(A)を
0.07重量部仕込んだほかは、実施例1に準じて重合
を行った。その結果、重合スラリー排水のCODは45
ppm と良好な点を除いては、平均粒径が125μmとP
VC樹脂並みの大きさであり、120M未通重合粗粒量
は49.5%と非常に多く、ペーストブレンド樹脂とし
ては極めて不適当なものであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ブレンド樹脂としてゾ
ルの流動性改良効果があり、加熱成型後の成型体の物性
が優れておりかつ樹脂製造時の粗粒量が少なく、排水処
理が容易で処理後の排水水質が良好なペーストブレンド
用塩化ビニル系樹脂を低コストで経済的に製造すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 古池 泰三 大阪府摂津市三島2丁目13−13 クレール ミシマ201号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体またはこれと共重合し
    得る単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体と記
    す)を水性媒体中で懸濁重合するに際し、懸濁安定剤と
    して、20℃における4重量%水溶液粘度が20〜11
    0cpsで鹸化度が86〜99モル%である水溶性部分
    鹸化ポリビニルアルコール(A)と、20℃における4
    重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜8
    0モル%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール
    (B)を(A)/(B)の重量比が99/1〜50/5
    0の割合で併用し、前記(A)と(B)を前記塩化ビニ
    ル系単量体100重量部に対して0.1〜1.0重量部
    の範囲で用いることを特徴とするペーストブレンド用塩
    化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、懸濁安定剤として、メトキシ置換
    度が18〜26重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が
    4〜15重量%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3
    500〜35000cpsであるヒドロキシプロピルメ
    チルセルロース(C)を塩化ビニル系単量体100重量
    部に対して0.05重量部以下の範囲で併用する請求項
    1記載の製造方法。
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