JPH10279610A - ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法Info
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- JPH10279610A JPH10279610A JP9803797A JP9803797A JPH10279610A JP H10279610 A JPH10279610 A JP H10279610A JP 9803797 A JP9803797 A JP 9803797A JP 9803797 A JP9803797 A JP 9803797A JP H10279610 A JPH10279610 A JP H10279610A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチゾルとした時の流動性が良好で、該
ゾルを加熱成型した成型物の物性が優れており、樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後排水の
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製
造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
重合するに際し、懸濁安定剤として、20℃における4
重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜8
0モル%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール
(A)と、20℃における4重量%水溶液粘度が20〜
110cpsで鹸化度が86〜99モル%である水溶性
部分鹸化ポリビニルアルコール(B)を(A)/(B)
の重量比が99/1〜50/50で併用し、前記塩化ビ
ニル系単量体100重量部に対して0.1〜1.0重量
部用いる。
ゾルを加熱成型した成型物の物性が優れており、樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後排水の
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製
造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
重合するに際し、懸濁安定剤として、20℃における4
重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜8
0モル%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール
(A)と、20℃における4重量%水溶液粘度が20〜
110cpsで鹸化度が86〜99モル%である水溶性
部分鹸化ポリビニルアルコール(B)を(A)/(B)
の重量比が99/1〜50/50で併用し、前記塩化ビ
ニル系単量体100重量部に対して0.1〜1.0重量
部用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系単量
体の懸濁重合方法に関する。更に詳しくはポリ塩化ビニ
ルペースト樹脂に混在させ、可塑剤と混合してペースト
ゾルとするのに適しかつ樹脂製造時の排水処理が容易で
処理後の排水水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法に関する。
体の懸濁重合方法に関する。更に詳しくはポリ塩化ビニ
ルペースト樹脂に混在させ、可塑剤と混合してペースト
ゾルとするのに適しかつ樹脂製造時の排水処理が容易で
処理後の排水水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルペースト樹脂(以下、ペ
ースト樹脂という)は可塑剤、希釈剤、安定剤その他充
填剤等の配合剤と共に攪拌混練してゾルとなし、これを
ディッピング、スラッシュ、ローテーションあるいはコ
ーティング等の方法により成型した後、これを加熱ゲル
化する加工法が採用される。この加工時の成型性は、ゾ
ルの流動性に大きく支配されるが、特にコーティング用
途ではゾルの粘度を低下させ流動性をよくするためにペ
ーストブレンド樹脂(以下、ブレンド樹脂という)が併
用される。
ースト樹脂という)は可塑剤、希釈剤、安定剤その他充
填剤等の配合剤と共に攪拌混練してゾルとなし、これを
ディッピング、スラッシュ、ローテーションあるいはコ
ーティング等の方法により成型した後、これを加熱ゲル
化する加工法が採用される。この加工時の成型性は、ゾ
ルの流動性に大きく支配されるが、特にコーティング用
途ではゾルの粘度を低下させ流動性をよくするためにペ
ーストブレンド樹脂(以下、ブレンド樹脂という)が併
用される。
【0003】一般にペースト樹脂は微細懸濁重合または
乳化重合で製造されており、前者の方法では0.1〜3
μmの多分散の粒子径分布をもち、また後者の方法では
0.1〜3μmの間の複数の単分散の粒子径分布をもつ
のが通常である。一方、ゾルの流動性改良剤として用い
られるブレンド樹脂の粒子径は、ペースト樹脂より大き
く、通常の100〜200μmのポリ塩化ビニル樹脂
(以下PVC樹脂という)より小さい20〜60μmの
平均粒子径であり、その粒子形態はガラス状の低ポロシ
ティー粒子で滑らかな表面をもつ単一の球状粒子がよ
く、また適度な可塑剤との親和性を持ち加熱成型物の物
性が優れていることが望ましく、この製造に際しては塩
化ビニル系単量体の懸濁重合法が用いられるのが一般的
である。
乳化重合で製造されており、前者の方法では0.1〜3
μmの多分散の粒子径分布をもち、また後者の方法では
0.1〜3μmの間の複数の単分散の粒子径分布をもつ
のが通常である。一方、ゾルの流動性改良剤として用い
られるブレンド樹脂の粒子径は、ペースト樹脂より大き
く、通常の100〜200μmのポリ塩化ビニル樹脂
(以下PVC樹脂という)より小さい20〜60μmの
平均粒子径であり、その粒子形態はガラス状の低ポロシ
ティー粒子で滑らかな表面をもつ単一の球状粒子がよ
く、また適度な可塑剤との親和性を持ち加熱成型物の物
性が優れていることが望ましく、この製造に際しては塩
化ビニル系単量体の懸濁重合法が用いられるのが一般的
である。
【0004】ペースト樹脂及びブレンド樹脂は、その利
便性から種々の用途に用いられているが、近年の生活様
式の変化及び居住空間の快適性、利便性を求めるニーズ
の高まりにより、壁紙用途に使用される比率が多くなり
つつある状況にある。その壁紙の加工方法としては、ロ
ータリースクリーン法で製造されるのが一般的であり、
その加工法においては、作業性、効率性の観点より、他
の加工方法より一層粗粒の少ない樹脂が求められ、使用
するゾルのレオロジー特性とのバランスより、ブレンド
樹脂としては比較的小粒子径の20〜30μm程度のも
のが好んで用いられる。
便性から種々の用途に用いられているが、近年の生活様
式の変化及び居住空間の快適性、利便性を求めるニーズ
の高まりにより、壁紙用途に使用される比率が多くなり
つつある状況にある。その壁紙の加工方法としては、ロ
ータリースクリーン法で製造されるのが一般的であり、
その加工法においては、作業性、効率性の観点より、他
の加工方法より一層粗粒の少ない樹脂が求められ、使用
するゾルのレオロジー特性とのバランスより、ブレンド
樹脂としては比較的小粒子径の20〜30μm程度のも
のが好んで用いられる。
【0005】このように、通常のPVC樹脂と比較して
粒子径の小さいブレンド樹脂を得るためには、懸濁重合
に際して懸濁安定剤を多量に使用する必要があり、その
ためにブレンド樹脂の重合排水の水質は、通常のPVC
樹脂の重合排水と比較して悪くなるのが実情である。一
方、排水水質の規制は近年になり、生物学的酸素要求量
(BOD)だけでなく化学的酸素要求量(COD)によ
っても規制されるようになり、BOD値的には問題とな
らない微生物分解の困難な排水についても、大きくクロ
ーズアップされるようになり、環境規制に適合していく
ためにも、放流前に技術的にも経済的にも適切な排水処
理をする必要がある。
粒子径の小さいブレンド樹脂を得るためには、懸濁重合
に際して懸濁安定剤を多量に使用する必要があり、その
ためにブレンド樹脂の重合排水の水質は、通常のPVC
樹脂の重合排水と比較して悪くなるのが実情である。一
方、排水水質の規制は近年になり、生物学的酸素要求量
(BOD)だけでなく化学的酸素要求量(COD)によ
っても規制されるようになり、BOD値的には問題とな
らない微生物分解の困難な排水についても、大きくクロ
ーズアップされるようになり、環境規制に適合していく
ためにも、放流前に技術的にも経済的にも適切な排水処
理をする必要がある。
【0006】ブレンド樹脂の製造方法は種々提案されて
いるが、水溶性高分子を懸濁安定剤として用い、機械的
分散力あるいは乳化剤との併用、特定の単量体との共重
合、特定の化合物の添加等による方法が一般的である。
例えば、懸濁安定剤として水溶性蛋白質(ゼラチン等)
を用いて懸濁重合し、得られた重合体を蛋白分解酵素で
処理する方法(特開昭55−145709)、懸濁安定
剤としてゼラチンとポリビニルピロリドンを用いる方法
(特開昭56−88406)、セルロース系分散剤の存
在下に重合した重合体にセルロース分解酵素を作用させ
る方法(特開昭57−98504)、エチレン/酢酸ビ
ニルコポリマー存在下でセルロース系懸濁剤を使用する
方法(特開昭58−103513)等が提案されてい
る。しかし、懸濁安定剤としてゼラチン等の水溶性蛋白
質を用いる方法は、天然高分子物質であり重合安定性及
び品質の変動が大きく、かつ加熱成型物の物性を保持す
るために得られた重合体を蛋白分解酵素で処理する必要
があり、製造コストが高くなる。また、懸濁安定剤とし
てポリビニルピロリドンを用いる方法は、加熱成型物の
物性は良好な特徴はあるが、20〜80μmの小粒径粒
子を得るのに多量添加する必要があり、また価格が高い
ことから製造コストが高く、かつ排水の適切な処理方法
がない。更に、セルロース系分散剤を使用する方法は重
合排水中に溶存するセルロース系分散剤を経済的に排水
処理する適切な方法がない。等の欠点がある。以上のよ
うに、従来の方法はいずれも一長一短があり、満足すべ
きものとは云い難いのが実情である。
いるが、水溶性高分子を懸濁安定剤として用い、機械的
分散力あるいは乳化剤との併用、特定の単量体との共重
合、特定の化合物の添加等による方法が一般的である。
例えば、懸濁安定剤として水溶性蛋白質(ゼラチン等)
を用いて懸濁重合し、得られた重合体を蛋白分解酵素で
処理する方法(特開昭55−145709)、懸濁安定
剤としてゼラチンとポリビニルピロリドンを用いる方法
(特開昭56−88406)、セルロース系分散剤の存
在下に重合した重合体にセルロース分解酵素を作用させ
る方法(特開昭57−98504)、エチレン/酢酸ビ
ニルコポリマー存在下でセルロース系懸濁剤を使用する
方法(特開昭58−103513)等が提案されてい
る。しかし、懸濁安定剤としてゼラチン等の水溶性蛋白
質を用いる方法は、天然高分子物質であり重合安定性及
び品質の変動が大きく、かつ加熱成型物の物性を保持す
るために得られた重合体を蛋白分解酵素で処理する必要
があり、製造コストが高くなる。また、懸濁安定剤とし
てポリビニルピロリドンを用いる方法は、加熱成型物の
物性は良好な特徴はあるが、20〜80μmの小粒径粒
子を得るのに多量添加する必要があり、また価格が高い
ことから製造コストが高く、かつ排水の適切な処理方法
がない。更に、セルロース系分散剤を使用する方法は重
合排水中に溶存するセルロース系分散剤を経済的に排水
処理する適切な方法がない。等の欠点がある。以上のよ
うに、従来の方法はいずれも一長一短があり、満足すべ
きものとは云い難いのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実情に
鑑み、ブレンド樹脂としてゾルの流動性改良効果があ
り、加熱成型後の成型体の物性が優れておりかつ樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後の排水
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂を低
コストで経済的に製造する方法を提供することを目的と
するものである。
鑑み、ブレンド樹脂としてゾルの流動性改良効果があ
り、加熱成型後の成型体の物性が優れておりかつ樹脂製
造時の粗粒量が少なく、排水処理が容易で処理後の排水
水質が良好なペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂を低
コストで経済的に製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと記す)を主体とした懸
濁安定剤を用いて懸濁重合し、重合排水については常法
により凝集沈殿処理した後に、活性汚泥処理する方法に
より、所期の目的を達成できることを見い出し本発明を
完成させたものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと記す)を主体とした懸
濁安定剤を用いて懸濁重合し、重合排水については常法
により凝集沈殿処理した後に、活性汚泥処理する方法に
より、所期の目的を達成できることを見い出し本発明を
完成させたものである。
【0009】即ち、本発明の第1は、塩化ビニル単量体
またはこれと共重合し得る単量体との混合物(以下、塩
化ビニル系単量体と記す)を水性媒体中で懸濁重合する
に際し、懸濁安定剤として、20℃における4重量%水
溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜80モル%
である水溶性部分鹸化PVA(A)と、20℃における
4重量%水溶液粘度が20〜110cpsで且つ鹸化度
が86〜99モル%である水溶性部分鹸化PVA(B)
を(A)/(B)の重量比が99/1〜50/50の割
合で併用し、前記(A)と(B)を前記塩化ビニル系単
量体100重量部に対して0.1〜1.0重量部の範囲
で用いることを特徴とするペーストブレンド用塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法(請求項1)を内容とする。
またはこれと共重合し得る単量体との混合物(以下、塩
化ビニル系単量体と記す)を水性媒体中で懸濁重合する
に際し、懸濁安定剤として、20℃における4重量%水
溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜80モル%
である水溶性部分鹸化PVA(A)と、20℃における
4重量%水溶液粘度が20〜110cpsで且つ鹸化度
が86〜99モル%である水溶性部分鹸化PVA(B)
を(A)/(B)の重量比が99/1〜50/50の割
合で併用し、前記(A)と(B)を前記塩化ビニル系単
量体100重量部に対して0.1〜1.0重量部の範囲
で用いることを特徴とするペーストブレンド用塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法(請求項1)を内容とする。
【0010】本発明の第2は、請求項1において、更
に、懸濁安定剤として、メトキシ置換度が18〜30重
量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%
で、20℃での2重量%水溶液粘度が3500〜350
00cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース
(以下、HPMCと記す)(C)を塩化ビニル系単量体
100重量部に対して0.05重量部以下の範囲で併用
するペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法
(請求項2)を内容とする。
に、懸濁安定剤として、メトキシ置換度が18〜30重
量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%
で、20℃での2重量%水溶液粘度が3500〜350
00cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース
(以下、HPMCと記す)(C)を塩化ビニル系単量体
100重量部に対して0.05重量部以下の範囲で併用
するペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法
(請求項2)を内容とする。
【0011】本発明の第3は、塩化ビニル系単量体を水
性媒体中で懸濁重合するに際し、前記塩化ビニル系単量
体100重量部に対して、懸濁安定剤として、20℃に
おける4重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が
70〜80モル%である水溶性部分鹸化PVA(A)を
0.1〜1.0重量部、及びメトキシ置換度が18〜3
0重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量
%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3500〜35
000cpsであるHPMC(C)を0.05重量部以
下の範囲で併用することを特徴とするペーストブレンド
用塩化ビニル系樹脂の製造方法(請求項3)を内容とす
る。
性媒体中で懸濁重合するに際し、前記塩化ビニル系単量
体100重量部に対して、懸濁安定剤として、20℃に
おける4重量%水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が
70〜80モル%である水溶性部分鹸化PVA(A)を
0.1〜1.0重量部、及びメトキシ置換度が18〜3
0重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量
%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3500〜35
000cpsであるHPMC(C)を0.05重量部以
下の範囲で併用することを特徴とするペーストブレンド
用塩化ビニル系樹脂の製造方法(請求項3)を内容とす
る。
【0012】本発明においては、懸濁安定剤として、P
VA(A)を主体として、これとPVA(B)、HPM
C(C)と組み合わせて、PVA(A)とPVA(B)
(請求項1)、PVA(A)とPVA(B)とHPMC
(C)(請求項2)、及びPVA(A)とHPMC
(C)(請求項3)と併用することを特徴とする。PV
A(A)単独では重合が不安定であり、凝集状の重合粗
粒が発生し、極端なケースにおいては重合スラリー全体
が凝集し、そのスラリー粘度が異常に高くなる場合があ
る。従って、PVA(A)を主体として、PVA(B)
及び/又はHPMC(C)と併用することにより工業的
生産が可能となる。
VA(A)を主体として、これとPVA(B)、HPM
C(C)と組み合わせて、PVA(A)とPVA(B)
(請求項1)、PVA(A)とPVA(B)とHPMC
(C)(請求項2)、及びPVA(A)とHPMC
(C)(請求項3)と併用することを特徴とする。PV
A(A)単独では重合が不安定であり、凝集状の重合粗
粒が発生し、極端なケースにおいては重合スラリー全体
が凝集し、そのスラリー粘度が異常に高くなる場合があ
る。従って、PVA(A)を主体として、PVA(B)
及び/又はHPMC(C)と併用することにより工業的
生産が可能となる。
【0013】本発明で用いるPVA(A)の20℃にお
ける4重量%水溶液粘度は5〜10cps、好ましくは
5〜7cpsであり、鹸化度は70〜80モル%であ
る。該水溶液粘度が10cpsより大きくなったり、鹸
化度が80モル%より大きくなると、20〜30μm程
度の小粒子径のものが得られない。また、該水溶液粘度
が5cps未満のもの及び鹸化度が70モル%未満のも
のは1次分散剤としての機能が小さくなる。
ける4重量%水溶液粘度は5〜10cps、好ましくは
5〜7cpsであり、鹸化度は70〜80モル%であ
る。該水溶液粘度が10cpsより大きくなったり、鹸
化度が80モル%より大きくなると、20〜30μm程
度の小粒子径のものが得られない。また、該水溶液粘度
が5cps未満のもの及び鹸化度が70モル%未満のも
のは1次分散剤としての機能が小さくなる。
【0014】PVA(A)にPVA(B)を併用して使
用することにより、重合安定性が大きくなり、凝集状の
重合粗粒を低減することができ、嵩比重の高い樹脂が得
られる。PVA(B)の20℃における4重量%水溶液
粘度は20〜110cps、好ましくは40〜110c
psであり、鹸化度は86〜99モル%、好ましくは8
6〜90モル%である。該水溶液粘度が20cpsより
小さくなると重合安定性効果が小さくなり、鹸化度が8
6モル%より小さくなると、嵩比重が低くなり、ゾル粘
度が高くなる傾向がある。PVA(A)/PVA(B)
の使用比率は重量比で99/1〜50/50の範囲、好
ましくは90/10〜50/50の範囲である。PVA
(B)の混合比率が50を越えると小粒子径のブレンド
樹脂が得られない。そして、PVA(A)とPVA
(B)の合計添加量は、塩化ビニル系単量体100重量
部に対して0.1〜1.0重量部、好ましくは0.1〜
0.5重量部である。0.1重量部未満ではブレンド樹
脂として適切な粒径のものが得られず、重合粗粒量が増
大し、一方、1.0重量部を越えると乾燥工程での粗粒
量が多くなる。
用することにより、重合安定性が大きくなり、凝集状の
重合粗粒を低減することができ、嵩比重の高い樹脂が得
られる。PVA(B)の20℃における4重量%水溶液
粘度は20〜110cps、好ましくは40〜110c
psであり、鹸化度は86〜99モル%、好ましくは8
6〜90モル%である。該水溶液粘度が20cpsより
小さくなると重合安定性効果が小さくなり、鹸化度が8
6モル%より小さくなると、嵩比重が低くなり、ゾル粘
度が高くなる傾向がある。PVA(A)/PVA(B)
の使用比率は重量比で99/1〜50/50の範囲、好
ましくは90/10〜50/50の範囲である。PVA
(B)の混合比率が50を越えると小粒子径のブレンド
樹脂が得られない。そして、PVA(A)とPVA
(B)の合計添加量は、塩化ビニル系単量体100重量
部に対して0.1〜1.0重量部、好ましくは0.1〜
0.5重量部である。0.1重量部未満ではブレンド樹
脂として適切な粒径のものが得られず、重合粗粒量が増
大し、一方、1.0重量部を越えると乾燥工程での粗粒
量が多くなる。
【0015】更に、PVA(A)/PVA(B)併用系
にHPMC(C)を併用することにより、重合時の粗粒
量を低減することができ、加えて嵩比重が高く、ゾル粘
度が低いブレンド樹脂が得られる。HPMC(C)はメ
トキシ置換度が18〜30重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度が4〜15重量%であり、かつ20℃における
2重量%水溶液粘度は3500〜35000cps、好
ましくは12000〜35000cpsの範囲である。
メトキシ置換度が18重量%未満のものは入手が困難
で、一方、30重量%を越えると重合安定化効果が小さ
い。またヒドロキシプロポキシ置換度が上記範囲外のも
のは入手が困難である。更に、20℃における2重量%
水溶液粘度が3500cps未満では重合粗粒量が少な
くならず、一方、35000cpsを越えると加熱成型
時の成型品の物性が低下する。PVA(A)とPVA
(B)を併用する場合のHPMC(C)の添加量は、塩
化ビニル系単量体100重量部に対して0.05重量部
以下である。HPMC(C)の添加量が0.05重量部
を越えると、重合排水を凝集沈殿処理及び活性汚泥処理
しても、排水CODが十分低下しなくなる。また、PV
A(A)とHPMC(C)を併用する場合は、塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して、PVA(A)を0.
1〜1.0重量部、HPMC(C)を0.05重量部以
下の範囲で使用する。PVA(A)が0.1重量部未満
ではブレンド樹脂として適切な粒径のものが得られず、
重合粗粒量が増大し、一方、1.0重量部を越えると乾
燥工程での粗粒量が多くなる。またHPMC(C)が
0.05重量部を越えると、重合排水を凝集沈殿処理及
び活性汚泥処理しても、排水CODが十分低下しなくな
る。
にHPMC(C)を併用することにより、重合時の粗粒
量を低減することができ、加えて嵩比重が高く、ゾル粘
度が低いブレンド樹脂が得られる。HPMC(C)はメ
トキシ置換度が18〜30重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度が4〜15重量%であり、かつ20℃における
2重量%水溶液粘度は3500〜35000cps、好
ましくは12000〜35000cpsの範囲である。
メトキシ置換度が18重量%未満のものは入手が困難
で、一方、30重量%を越えると重合安定化効果が小さ
い。またヒドロキシプロポキシ置換度が上記範囲外のも
のは入手が困難である。更に、20℃における2重量%
水溶液粘度が3500cps未満では重合粗粒量が少な
くならず、一方、35000cpsを越えると加熱成型
時の成型品の物性が低下する。PVA(A)とPVA
(B)を併用する場合のHPMC(C)の添加量は、塩
化ビニル系単量体100重量部に対して0.05重量部
以下である。HPMC(C)の添加量が0.05重量部
を越えると、重合排水を凝集沈殿処理及び活性汚泥処理
しても、排水CODが十分低下しなくなる。また、PV
A(A)とHPMC(C)を併用する場合は、塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して、PVA(A)を0.
1〜1.0重量部、HPMC(C)を0.05重量部以
下の範囲で使用する。PVA(A)が0.1重量部未満
ではブレンド樹脂として適切な粒径のものが得られず、
重合粗粒量が増大し、一方、1.0重量部を越えると乾
燥工程での粗粒量が多くなる。またHPMC(C)が
0.05重量部を越えると、重合排水を凝集沈殿処理及
び活性汚泥処理しても、排水CODが十分低下しなくな
る。
【0016】本発明において塩化ビニル単量体と共重合
し得る他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチルなどのアクリル酸エステル類、マレイン酸
またはフマル酸などの酸のエステル類及び無水物、アク
リロニトリルなどのニトリル化合物、あるいは塩化ビニ
リデンの如きビニリデン化合物等が挙げられ、これらは
単独または2種以上組み合わせて用いられる。
し得る他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチルなどのアクリル酸エステル類、マレイン酸
またはフマル酸などの酸のエステル類及び無水物、アク
リロニトリルなどのニトリル化合物、あるいは塩化ビニ
リデンの如きビニリデン化合物等が挙げられ、これらは
単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0017】本発明において使用される重合開始剤とし
ては、塩化ビニルの懸濁重合において通常用いられる開
始剤、例えばラウロイルパーオキサイド、3、5、5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート及びア
セチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド等の
ような有機過酸化物並びにα、α‘−アゾビスイソブチ
ロニトリル及びα、α‘−アゾビス2、4−ジメチルバ
レロニトリル等のアゾ化合物の一種または二種以上の混
合物が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わ
せて用いられる。
ては、塩化ビニルの懸濁重合において通常用いられる開
始剤、例えばラウロイルパーオキサイド、3、5、5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート及びア
セチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド等の
ような有機過酸化物並びにα、α‘−アゾビスイソブチ
ロニトリル及びα、α‘−アゾビス2、4−ジメチルバ
レロニトリル等のアゾ化合物の一種または二種以上の混
合物が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0018】本発明においては、必要に応じてアニオン
系またはノニオン系界面活性剤、PH調整剤、連鎖移動
剤及び重合禁止剤等を1種または2種以上組み合わせて
使用してもよい。本発明における重合反応温度範囲は通
常35〜70℃であるが、特に限定されない。水/単量
体の仕込重量比は通常0.8〜3.0の範囲で実施され
るが、特に限定されない。また、重合の進行に伴う体積
収縮を越えない範囲で、重合中に連続的または間欠的に
水を追加することもできる。
系またはノニオン系界面活性剤、PH調整剤、連鎖移動
剤及び重合禁止剤等を1種または2種以上組み合わせて
使用してもよい。本発明における重合反応温度範囲は通
常35〜70℃であるが、特に限定されない。水/単量
体の仕込重量比は通常0.8〜3.0の範囲で実施され
るが、特に限定されない。また、重合の進行に伴う体積
収縮を越えない範囲で、重合中に連続的または間欠的に
水を追加することもできる。
【0019】本発明により得られた重合スラリーは、脱
水、乾燥工程を経て製品化される。脱水工程より排出さ
れる重合排水は、通常、凝集沈殿処理及び活性汚泥処理
を経て、各種の排水規制値をクリアーできる排水水質に
した上で放流される。凝集沈殿処理は、一般的に重合排
水を攪拌条件下において凝集剤を添加し、中和剤を加え
ることによりPHを7付近(PH=6〜8)に調整した
後、高分子凝集剤を添加することにより行う。
水、乾燥工程を経て製品化される。脱水工程より排出さ
れる重合排水は、通常、凝集沈殿処理及び活性汚泥処理
を経て、各種の排水規制値をクリアーできる排水水質に
した上で放流される。凝集沈殿処理は、一般的に重合排
水を攪拌条件下において凝集剤を添加し、中和剤を加え
ることによりPHを7付近(PH=6〜8)に調整した
後、高分子凝集剤を添加することにより行う。
【0020】凝集剤としては、塩化アルミニウム、硫酸
アルミニウム、塩化第二鉄等の無機金属塩または、必要
に応じて、フェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、
タンニン酸等のフェノール系化合物等が用いられる。中
和剤としては特に限定されないが、一般的には、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウム等が用いられる。高分子
凝集剤としては、ポリアクリルアミド等のノニオン系高
分子凝集剤、アクリルアミド/アクリル酸塩高分子共重
合物等のアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系アクリ
ル酸エステル、液状アミン縮合ポリマー等をベースとし
たカチオン系高分子凝集剤が用いられる。上記凝集剤、
中和剤、高分子凝集剤は、いずれも排水水質に応じて適
宜1種または2種以上選択される。
アルミニウム、塩化第二鉄等の無機金属塩または、必要
に応じて、フェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、
タンニン酸等のフェノール系化合物等が用いられる。中
和剤としては特に限定されないが、一般的には、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウム等が用いられる。高分子
凝集剤としては、ポリアクリルアミド等のノニオン系高
分子凝集剤、アクリルアミド/アクリル酸塩高分子共重
合物等のアニオン系高分子凝集剤及びカチオン系アクリ
ル酸エステル、液状アミン縮合ポリマー等をベースとし
たカチオン系高分子凝集剤が用いられる。上記凝集剤、
中和剤、高分子凝集剤は、いずれも排水水質に応じて適
宜1種または2種以上選択される。
【0021】凝集沈殿処理により排水中の微少ポリマー
固形分を取り除くことはできるが、水相中に溶存した水
溶性高分子懸濁安定剤を除去することは困難である。こ
のような水溶性高分子懸濁安定剤は、生物的な活性汚泥
処理により除去する。活性汚泥処理は、該水溶性高分子
物質を分解する分解資化菌を含有する活性汚泥を曝気槽
中で一定期間馴養したのち、定法により処理すればよ
い。
固形分を取り除くことはできるが、水相中に溶存した水
溶性高分子懸濁安定剤を除去することは困難である。こ
のような水溶性高分子懸濁安定剤は、生物的な活性汚泥
処理により除去する。活性汚泥処理は、該水溶性高分子
物質を分解する分解資化菌を含有する活性汚泥を曝気槽
中で一定期間馴養したのち、定法により処理すればよ
い。
【0022】本発明の懸濁安定剤を用いて懸濁重合し
た、ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の重合排水で
は、処理前の排水CODは100〜1000ppm 程度あ
るが、上記の凝集沈殿処理及び活性汚泥処理を行うこと
により、排水CODを20ppm程度の水準まで低減する
ことができる。
た、ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の重合排水で
は、処理前の排水CODは100〜1000ppm 程度あ
るが、上記の凝集沈殿処理及び活性汚泥処理を行うこと
により、排水CODを20ppm程度の水準まで低減する
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し本発明を更に
具体的に説明するが、これらは何ら本発明を限定するも
のではない。尚、評価は下記の方法により行った。
具体的に説明するが、これらは何ら本発明を限定するも
のではない。尚、評価は下記の方法により行った。
【0024】1.平均粒径;重合後スラリーを、コール
ター・エレクトロニクス・リミティド(Coulter Electr
onics Limited )製MULTISIZERIIを用いて測
定し、累積重量分布で50%となる粒子径をもって平均
粒径とした。 2.嵩比重;JIS K−6721による。 3.重合粗粒量;120メッシュのJIS標準篩を用い
て、重合後スラリー1KGを篩い、その未通量を全ポリ
マー量に対する重量%で求めた。
ター・エレクトロニクス・リミティド(Coulter Electr
onics Limited )製MULTISIZERIIを用いて測
定し、累積重量分布で50%となる粒子径をもって平均
粒径とした。 2.嵩比重;JIS K−6721による。 3.重合粗粒量;120メッシュのJIS標準篩を用い
て、重合後スラリー1KGを篩い、その未通量を全ポリ
マー量に対する重量%で求めた。
【0025】4.発泡配合評価; 1)ゾル粘度;ペースト樹脂(鐘淵化学工業社製カネビ
ニールペーストPSM−270R)70重量部、ブレン
ド樹脂30重量部、DOP50重量部、炭酸カルシウム
50重量部、二酸化チタン10重量部、Ba−zn系安
定剤3重量部、発泡剤(アゾジカルボンアミド)3重量
部、希釈剤(ミネラルスピリット)10重量部をプロペ
ラ混合機で攪拌分散し、脱泡してゾルを調製し、1時間
後と3日後にBM型粘度計を用いて、6rpm 及び60rp
m でのゾル粘度を測定した。 2)発泡性評価:上記ゾルを用いて、200℃で加熱時
間を変えて発泡させた時の発泡倍率及び発泡セル状態を
評価した。発泡セル状態は下記の基準で評価した。 ○:発泡セルが小さく均一 △:発泡セルがやや不均一
ニールペーストPSM−270R)70重量部、ブレン
ド樹脂30重量部、DOP50重量部、炭酸カルシウム
50重量部、二酸化チタン10重量部、Ba−zn系安
定剤3重量部、発泡剤(アゾジカルボンアミド)3重量
部、希釈剤(ミネラルスピリット)10重量部をプロペ
ラ混合機で攪拌分散し、脱泡してゾルを調製し、1時間
後と3日後にBM型粘度計を用いて、6rpm 及び60rp
m でのゾル粘度を測定した。 2)発泡性評価:上記ゾルを用いて、200℃で加熱時
間を変えて発泡させた時の発泡倍率及び発泡セル状態を
評価した。発泡セル状態は下記の基準で評価した。 ○:発泡セルが小さく均一 △:発泡セルがやや不均一
【0026】5.引張強度試験;ペースト樹脂(鐘淵化
学工業社製カネビニールペーストXH27A)60重量
部、ブレンド樹脂40重量部、DOP50重量部、Ba
−zn系安定剤2.5重量部をプロペラ混合機で攪拌分
散し、脱泡してプラスチゾルを調製し、これをガラス板
上に0.5mm厚でコーティングし、200℃で5分間加
熱してフィルムを作製し、このフィルムの引張強度をJ
IS K−6723に準じて測定した。 6.排水COD;重合後スラリーの排水及びそれを凝集
沈殿処理続いて活性汚泥処理した後の排水の各々をJI
S K−0102に準じて測定した。
学工業社製カネビニールペーストXH27A)60重量
部、ブレンド樹脂40重量部、DOP50重量部、Ba
−zn系安定剤2.5重量部をプロペラ混合機で攪拌分
散し、脱泡してプラスチゾルを調製し、これをガラス板
上に0.5mm厚でコーティングし、200℃で5分間加
熱してフィルムを作製し、このフィルムの引張強度をJ
IS K−6723に準じて測定した。 6.排水COD;重合後スラリーの排水及びそれを凝集
沈殿処理続いて活性汚泥処理した後の排水の各々をJI
S K−0102に準じて測定した。
【0027】実施例1 10m3重合機に、懸濁安定剤として20℃における4重
量%水溶液粘度が6.3cpsで且つ鹸化度が78モル
%である水溶性部分鹸化PVA(A)を0.36重量部
と20℃における4重量%水溶液粘度が95cpsで且
つ鹸化度が88モル%である水溶性部分鹸化PVA
(B)を0.09重量部を溶解した水200重量部を仕
込み、開始剤ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート0.045重量部及びシリコン消泡剤0.00
1重量部を添加し、脱気後、塩化ビニル単量体100重
量部を仕込み、54℃まで昇温して重合を開始し、缶内
圧が3Kg/cm2 低下した時、未反応単量体を回収し、得
られた重合スラリーを脱水、乾燥して塩化ビニル樹脂を
得た。得られた樹脂は表1に示す如く、平均粒径は25
μm、嵩比重0.495であり、発泡配合でのゾル粘度
(6rpm)は1時間後7310cps、3日後10700
cpsと問題なく、発泡倍率及び発泡セルの状態共に良
好であった。また引張強度19.6MPa、伸び248
%と非常に優れており、重合粗粒量0.04%と少なく
良好であった。また、重合スラリー排水のCODは61
0ppm であるが、この排水に対して、硫酸アルミニウム
500ppm を加えた後、水酸化カルシウムにてPH7に
中和し、更に高分子凝集剤(アクリルアミド・アクリル
酸ソーダ共重合体)1ppm を加えて凝集沈殿処理すると
清澄な上澄液が得られ、この上澄液をPVA資化菌を含
有した活性汚泥により処理することにより、処理後排水
CODは12ppm と非常に良好なものであった。
量%水溶液粘度が6.3cpsで且つ鹸化度が78モル
%である水溶性部分鹸化PVA(A)を0.36重量部
と20℃における4重量%水溶液粘度が95cpsで且
つ鹸化度が88モル%である水溶性部分鹸化PVA
(B)を0.09重量部を溶解した水200重量部を仕
込み、開始剤ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート0.045重量部及びシリコン消泡剤0.00
1重量部を添加し、脱気後、塩化ビニル単量体100重
量部を仕込み、54℃まで昇温して重合を開始し、缶内
圧が3Kg/cm2 低下した時、未反応単量体を回収し、得
られた重合スラリーを脱水、乾燥して塩化ビニル樹脂を
得た。得られた樹脂は表1に示す如く、平均粒径は25
μm、嵩比重0.495であり、発泡配合でのゾル粘度
(6rpm)は1時間後7310cps、3日後10700
cpsと問題なく、発泡倍率及び発泡セルの状態共に良
好であった。また引張強度19.6MPa、伸び248
%と非常に優れており、重合粗粒量0.04%と少なく
良好であった。また、重合スラリー排水のCODは61
0ppm であるが、この排水に対して、硫酸アルミニウム
500ppm を加えた後、水酸化カルシウムにてPH7に
中和し、更に高分子凝集剤(アクリルアミド・アクリル
酸ソーダ共重合体)1ppm を加えて凝集沈殿処理すると
清澄な上澄液が得られ、この上澄液をPVA資化菌を含
有した活性汚泥により処理することにより、処理後排水
CODは12ppm と非常に良好なものであった。
【0028】実施例2〜6 懸濁安定剤として、下記の6種類を用い、以下の実施例
2〜6に示すように組み合わせた懸濁安定剤に変更した
ほかは、実施例1に準じて重合を行い、同様に樹脂の品
質評価、重合粗粒量評価、更に排水処理を行った。その
結果、表1に示すように、ペーストブレンド樹脂として
の品質、粗粒量、排水処理後のCOD共に非常に優れた
ものであった。
2〜6に示すように組み合わせた懸濁安定剤に変更した
ほかは、実施例1に準じて重合を行い、同様に樹脂の品
質評価、重合粗粒量評価、更に排水処理を行った。その
結果、表1に示すように、ペーストブレンド樹脂として
の品質、粗粒量、排水処理後のCOD共に非常に優れた
ものであった。
【0029】PVA(A);20℃、4重量%水溶液粘
度=6.3cps、鹸化度=78モル% PVA(A−2);20℃、4重量%水溶液粘度=6.
3cps、鹸化度=71モル% PVA(B);20℃、4重量%水溶液粘度=95cp
s、 鹸化度=88モル% PVA(B−2);20℃、4重量%水溶液粘度=23
cps、 鹸化度=88モル% HPMC(C);メトキシ置換度=23重量%、ヒドロ
キシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量%水
溶液粘度=30000cps HPMC(C−2);メトキシ置換度=23重量%、ヒ
ドロキシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量
%水溶液粘度=4500cps 実施例2 PVA(A−2)/PVA(B) =0.3
6/0.09重量部 実施例3 PVA(A)/PVA(B−2) =0.3
6/0.09重量部 実施例4 PVA(A)/HPMC(C)=0.40/
0.02重量部 実施例5 PVA(A)/HPMC(C−2)=0.4
0/0.02重量部 実施例6 PVA(A)/PVA(B)/HPMC
(C)=0.32/0.08/0.02重量部
度=6.3cps、鹸化度=78モル% PVA(A−2);20℃、4重量%水溶液粘度=6.
3cps、鹸化度=71モル% PVA(B);20℃、4重量%水溶液粘度=95cp
s、 鹸化度=88モル% PVA(B−2);20℃、4重量%水溶液粘度=23
cps、 鹸化度=88モル% HPMC(C);メトキシ置換度=23重量%、ヒドロ
キシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量%水
溶液粘度=30000cps HPMC(C−2);メトキシ置換度=23重量%、ヒ
ドロキシプロポキシ置換度=7重量%、20℃、2重量
%水溶液粘度=4500cps 実施例2 PVA(A−2)/PVA(B) =0.3
6/0.09重量部 実施例3 PVA(A)/PVA(B−2) =0.3
6/0.09重量部 実施例4 PVA(A)/HPMC(C)=0.40/
0.02重量部 実施例5 PVA(A)/HPMC(C−2)=0.4
0/0.02重量部 実施例6 PVA(A)/PVA(B)/HPMC
(C)=0.32/0.08/0.02重量部
【0030】比較例1 実施例1において、懸濁安定剤をメトキシ置換度が23
重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が7重量%であ
り、かつ20℃における2重量%水溶液粘度が100c
psであるHPMC(C−3)0.50重量部に変えた
ほかは、実施例1に準じて重合を行い、同様に樹脂の品
質評価、重合粗粒量評価、更に排水処理を行った。その
結果、表1に示すように、引張強度、伸びが小さく、し
かも重合スラリー排水のCODが2180ppm と高く、
排水処理後のCODも950ppm と非常に高く、ペース
トブレンド樹脂としては不満足なものであった。
重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が7重量%であ
り、かつ20℃における2重量%水溶液粘度が100c
psであるHPMC(C−3)0.50重量部に変えた
ほかは、実施例1に準じて重合を行い、同様に樹脂の品
質評価、重合粗粒量評価、更に排水処理を行った。その
結果、表1に示すように、引張強度、伸びが小さく、し
かも重合スラリー排水のCODが2180ppm と高く、
排水処理後のCODも950ppm と非常に高く、ペース
トブレンド樹脂としては不満足なものであった。
【0031】比較例2 実施例1において、懸濁安定剤としてのPVA(A)を
0.45重量部単独で用いたほかは、実施例1に準じて
重合を行った。その結果、平均粒径が50μmと大き
く、重合スラリーは凝集してドロドロの状態であり、工
業的製造には不適当なものであった。
0.45重量部単独で用いたほかは、実施例1に準じて
重合を行った。その結果、平均粒径が50μmと大き
く、重合スラリーは凝集してドロドロの状態であり、工
業的製造には不適当なものであった。
【0032】比較例3 実施例1において、懸濁安定剤としてPVA(B)0.
09重量部の代わりに、20℃における4重量%水溶液
粘度が9cpsで且つ鹸化度が88モル%である水溶性
部分鹸化PVA(B−3)0.09重量部を用いた他は
実施例1に準じて重合を行った。その結果、平均粒径3
7μmと大きく、重合粗粒量が0.34%と多く、しか
も嵩比重は低くてゾル粘度が高く、ペーストブレンド樹
脂としては不満足なものであった。
09重量部の代わりに、20℃における4重量%水溶液
粘度が9cpsで且つ鹸化度が88モル%である水溶性
部分鹸化PVA(B−3)0.09重量部を用いた他は
実施例1に準じて重合を行った。その結果、平均粒径3
7μmと大きく、重合粗粒量が0.34%と多く、しか
も嵩比重は低くてゾル粘度が高く、ペーストブレンド樹
脂としては不満足なものであった。
【0033】比較例4 実施例1において、懸濁安定剤としてPVA(B)0.
09重量部の代わりに、20℃における4重量%水溶液
粘度が48cpsで且つ鹸化度が80モル%である水溶
性部分鹸化PVA(B−4)0.09重量部を用いた他
は実施例1に準じて重合を行った。その結果、嵩比重が
0.435と低くてゾル粘度が高く、ペーストブレンド
樹脂としては不満足なものであった。
09重量部の代わりに、20℃における4重量%水溶液
粘度が48cpsで且つ鹸化度が80モル%である水溶
性部分鹸化PVA(B−4)0.09重量部を用いた他
は実施例1に準じて重合を行った。その結果、嵩比重が
0.435と低くてゾル粘度が高く、ペーストブレンド
樹脂としては不満足なものであった。
【0034】比較例5 実施例4において、懸濁安定剤としてHPMC(C)
0.02重量部の代わりに、比較例1で用いたHPMC
(C−3)0.02重量部を用いた他は実施例4に準じ
て重合を行った。その結果、重合粗粒量が0.51%と
多く、しかも嵩比重が0.437と低くてゾル粘度が高
く、ペーストブレンド樹脂としては不満足なものであっ
た。
0.02重量部の代わりに、比較例1で用いたHPMC
(C−3)0.02重量部を用いた他は実施例4に準じ
て重合を行った。その結果、重合粗粒量が0.51%と
多く、しかも嵩比重が0.437と低くてゾル粘度が高
く、ペーストブレンド樹脂としては不満足なものであっ
た。
【0035】比較例6 実施例1において、懸濁安定剤としてPVA(A)を
0.07重量部単独で用いたほかは、実施例1に準じて
重合を行った。その結果、重合スラリー排水のCODは
32ppm と良好な点を除いては、平均粒径が119μm
とPVC樹脂並みの大きさであり、120M未通重合粗
粒量は47.0%と非常に多く、ペーストブレンド樹脂
としては極めて不適なものであった。
0.07重量部単独で用いたほかは、実施例1に準じて
重合を行った。その結果、重合スラリー排水のCODは
32ppm と良好な点を除いては、平均粒径が119μm
とPVC樹脂並みの大きさであり、120M未通重合粗
粒量は47.0%と非常に多く、ペーストブレンド樹脂
としては極めて不適なものであった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ブレンド樹脂としてゾ
ルの流動性改良効果があり、加熱成型後の成型体の物性
が優れておりかつ樹脂製造時の粗粒量が少なく、排水処
理が容易で処理後の排水水質が良好なペーストブレンド
用塩化ビニル系樹脂を低コストで経済的に製造すること
ができる。
ルの流動性改良効果があり、加熱成型後の成型体の物性
が優れておりかつ樹脂製造時の粗粒量が少なく、排水処
理が容易で処理後の排水水質が良好なペーストブレンド
用塩化ビニル系樹脂を低コストで経済的に製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古池 泰三 大阪府摂津市三島2丁目13−13 クレール ミシマ201号
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体またはこれと共重合し
得る単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体と記
す)を水性媒体中で懸濁重合するに際し、懸濁安定剤と
して、20℃における4重量%水溶液粘度が5〜10c
psで鹸化度が70〜80モル%である水溶性部分鹸化
ポリビニルアルコール(A)と、20℃における4重量
%水溶液粘度が20〜110cpsで鹸化度が86〜9
9モル%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール
(B)を(A)/(B)の重量比が99/1〜50/5
0の割合で併用し、前記(A)と(B)を前記塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して0.1〜1.0重量部
の範囲で用いることを特徴とするペーストブレンド用塩
化ビニル系樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 更に、懸濁安定剤として、メトキシ置換
度が18〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が
4〜15重量%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3
500〜35000cpsであるヒドロキシプロピルメ
チルセルロース(C)を塩化ビニル系単量体100重量
部に対して0.05重量部以下の範囲で併用する請求項
1記載の製造方法。 - 【請求項3】 塩化ビニル系単量体を水性媒体中で懸濁
重合するに際し、前記塩化ビニル系単量体100重量部
に対して、懸濁安定剤として、20℃における4重量%
水溶液粘度が5〜10cpsで鹸化度が70〜80モル
%である水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール(A)を
0.1〜1.0重量部、及びメトキシ置換度が18〜3
0重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量
%で、20℃での2重量%水溶液粘度が3500〜35
000cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(C)を0.05重量部以下の範囲で併用することを
特徴とするペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9803797A JPH10279610A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9803797A JPH10279610A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10279610A true JPH10279610A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14208865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9803797A Withdrawn JPH10279610A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | ペーストブレンド用塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10279610A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017191899A1 (ko) * | 2016-05-03 | 2017-11-09 | 주식회사 엘지화학 | 염화비닐계 중합체의 제조방법 및 이에 따라 제조된 염화비닐계 중합체 |
US10889668B2 (en) | 2016-05-03 | 2021-01-12 | Lg Chem, Ltd. | Method for preparing vinyl chloride-based polymer, and vinyl chloride-based polymer prepared thereby |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9803797A patent/JPH10279610A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017191899A1 (ko) * | 2016-05-03 | 2017-11-09 | 주식회사 엘지화학 | 염화비닐계 중합체의 제조방법 및 이에 따라 제조된 염화비닐계 중합체 |
US10889668B2 (en) | 2016-05-03 | 2021-01-12 | Lg Chem, Ltd. | Method for preparing vinyl chloride-based polymer, and vinyl chloride-based polymer prepared thereby |
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