JP5847657B2 - 製紙用歩留向上剤およびそれを用いた製紙方法 - Google Patents

製紙用歩留向上剤およびそれを用いた製紙方法 Download PDF

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Description

本発明は、製紙工業の分野で抄紙時の歩留向上剤またはろ水性向上剤として使用される水溶性の両性高分子化合物を含んでなる製紙用歩留向上剤およびそれを用いた製紙方法に関する。
従来、製紙工業における抄紙工程においては、パルプや填料を含む紙料を抄紙機に送入する前に、抄紙網を通過する白水中へのパルプおよび填料流出を抑制して歩留率を向上させ、ろ水性を向上させて乾燥の負荷を低減させるなどの目的で、歩留向上剤等の水溶性高分子化合物が添加されている。
上記のような目的に使用される水溶性高分子化合物としては、通常、水溶性の高分子量ポリエチレンオキサイドやカチオン性ポリアクリルアミド等の水溶性重合体が用いられている。しかしながら、近年の抄紙pHの中性化および原料パルプの節減に伴う填料添加率の増加に対し、これら水溶性高分子化合物は、パルプ等の歩留率をある程度向上させる効果はあるものの、填料の歩留率はいまだ十分に高いとは言えないものであった。
これらの問題を解決するため、種々の方法が提案されている。例えば、全歩留率の向上を目的とした手法として、カチオン性重合体とアニオン性化合物または重合体を併用するデュアルシステムと呼ばれる方法が脚光を浴びている。その代表例としては、カチオン性重合体を添加後にベントナイト等のアニオン性無機化合物を添加する方法や、カチオン性重合体の添加後にアニオン性コロイダルシリカを添加する方法等が挙げられる(特許文献1〜3)。しかしながら、これらの方法は紙質を維持させつつ歩留率を向上させる効果はあるものの、填料の歩留りにおいてはいまだ十分ではなかった。
また、特に炭酸カルシウム填料の歩留率を向上させることを目的とし、両性のアクリルアミド系ポリマーとアルミニウム化合物を併用する方法が提案されている(特許文献4)。しかしながら、この方法は上記特許文献1〜3と同様に薬剤の添加場所、添加率等を精密に制御する必要があり、抄紙工程の管理を煩雑化させる問題があった。
さらに、上記のような2剤以上による処理の問題を改善する目的で、特定の構造修飾ポリマーからなる製紙用添加剤を使用する方法や、カチオン性水溶性高分子と両性の水溶性高分子を含む組成物を添加する方法が提案されている(特許文献5〜6)。これらは1剤でも歩留率を向上させる効果は見られるものの、やはり填料の歩留率においては十分とは言い難かった。
一方、填料と、カチオン性高分子化合物とを予め混合することにより填料を前処理し、これを紙料に添加し抄紙する方法や、添加される填料をあらかじめ微細粒子からなる水溶性重合体分散液を含有する填料処理剤で処理して填料スラリーとした後、紙料に添加する方法(特許文献7〜8)、または予め軽質炭酸カルシウムスラリーにアニオン性ポリマーを添加し凝集させた後、パルプスラリーに添加して抄紙する方法が提案されている(特許文献9)。これらはいずれも填料の歩留率の向上に一定の効果がみられるが、処理後あるいは凝集後の填料スラリーの安定性が低いため添加直前に煩雑な処理工程を設ける必要があった。
特開平4−281095号公報(特許請求の範囲) 特許第2945761号公報(特許請求の範囲) 特開2006−214028号公報(特許請求の範囲) 特開昭62−125096号公報(特許請求の範囲) 特開2007−326952号公報(特許請求の範囲) 特再WO 06/070853公報(特許請求の範囲) 特開2006−118092号公報(解決手段) 特開2012−31530号公報(解決手段) 特開2012−242994号公報(解決手段)
本発明が解決しようとする課題は、上記問題の解決にあたり、1剤でも有効でありかつ高い填料歩留率を示す両性高分子化合物からなる製紙用歩留向上剤およびこれを用いる製紙方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の高分子化合物を検討した結果、アニオン性基を有する高分子化合物の存在下で、カチオン性単量体を必須として重合された両性高分子化合物からなる製紙用組成物を、抄紙工程のパルプスラリーに添加することにより、パルプのみならず炭酸カルシウムに代表される填料も高い歩留率で保持でき、かつろ水性、搾水性も良好なパルプシートを形成させることができることを知得し、本発明を完成するに至った。上記課題を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 アニオン性基を有する重量平均分子量Mwが1000〜100万の高分子化合物Aの存在下に、カチオン性単量体を必須とする単量体混合物を重合して得られる両性高分子化合物からなり、前記単量体混合物100質量部に対する高分子化合物Aの量が0.1〜10質量部である製紙用歩留向上剤。
〔2〕 高分子化合物Aの一部または全部が、カチオン性単量体を必須とする単量体混合物の重合体と化学的に結合していることを特徴とする〔1〕に記載の製紙用歩留向上剤。
〔3〕 高分子化合物Aが、下記式(1)(但し、式(1)中、R11は水素原子またはメチル基、Mは水素原子、アンモニウム基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。)で表される単量体単位を含むことを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の製紙用歩留向上剤。
Figure 0005847657
〔4〕 単量体混合物がノニオン性単量体単位を含む〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製紙用歩留向上剤。
〔5〕 単量体混合物がアニオン性単量体単位を含む〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製紙用歩留向上剤。
〔6〕 紙料に対して、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製紙用歩留向上剤を添加した後、抄紙することを特徴とする製紙方法。
〔7〕 紙料が、パルプの絶乾質量100部に対して17質量部以上の填料を含むことを特徴とする〔6〕に記載の製紙方法
〔8〕 全填料のうち、炭酸カルシウムが50質量%以上である〔7〕に記載の製紙方法。
本発明における両性高分子化合物は、填料、特に炭酸カルシウムと強い親和性を有しており、これらとパルプを効果的に結合できるので極めて高い凝集作用およびろ水性向上作用を有する。よって抄紙系の紙料の歩留率を向上、抄紙系内の安定化および乾燥負荷の大幅な低減ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、アクリロイル基またはメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリル酸またはメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリレートまたはメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
(a)両性高分子化合物
本発明における両性高分子化合物は、アニオン性基を有する重量平均分子量Mwが1000〜100万の高分子化合物Aの存在下に、カチオン性単量体を必須とする単量体の混合物を重合して得られる。
両性高分子化合物は、高分子化合物Aの一部または全部が、カチオン性単量体を必須とする単量体混合物の重合物と化学的に結合していることが好ましい。即ち、本発明の両性高分子化合物は、カチオン性単量体単位を有する主鎖と、アニオン性基を有する重量平均分子量Mwが1000〜100万の高分子化合物Aの側鎖と、から構成されるグラフト共重合体を含んで成ることが好ましい。
(b)高分子化合物A
本発明における両性高分子化合物を製造する際の原料として用いられる高分子化合物Aは、アニオン性基を有している。重量平均分子量は1000〜100万であり、5000〜50万であることが好ましく、8000〜25万であることが特に好ましい。重量平均分子量が1000未満の場合、得られる重合体の填料との作用能力が乏しい。一方、重量平均分子量が100万を超える場合、得られる重合体の不溶解分が多くなり、水溶性化合物としての機能を発揮し難い。なお、高分子化合物Aの重量平均分子量Mwは、標準PEO(ポリエチレンオキサイド)を分子量標準としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる測定値である。
高分子化合物Aは、下記式(1)の単量体単位を有していることが好ましい。
Figure 0005847657
式(1)中、R11は水素原子またはメチル基、Mは水素原子、アンモニウム基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。
高分子化合物Aは、ビニル基を1個有する不飽和カルボン酸単量体の重合により製造される。特に(メタ)アクリル酸の重合により製造される高分子化合物が好ましい。重合の方法は、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相エマルション重合等が採用できる。簡便且つ容易に取扱いが可能である水溶液重合が好ましい。
水溶液重合の場合、上記単量体の濃度は、30〜70質量%とすることが好ましく、40〜60質量%とすることが特に好ましい。反応温度は50〜150℃の範囲から適宜選択される。
得られた重合体は水溶液の状態または乾燥、粉砕等の工程を経て粉末化して使用される。
重合の際に用いられる重合開始剤は特に制限されない。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酢酸、t−ブチルハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の過酸化物からなるラジカル重合開始剤、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、アゾビスシアノバレリン酸、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルおよび2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、アゾビスシアノバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物からなるアゾ系開始剤、過酸化水素、過硫酸ナトリウム等の過酸化物と、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸等還元剤との組み合わせからなるレドックス系開始剤、および光重合開始剤等を、重合方法に応じて適宜利用できる。重合開始剤の使用量は単量体の合計質量に対し0.05〜20質量%が好ましい。
分子量を調節する目的で連鎖移動剤を使用しても良い。連鎖移動剤としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、メチルアミン、ジメチルアミン等のアミン類、メタンチオール、エタンチオール、メタリルスルホン酸メルカプトエタノールおよびメルカプトプロピオン酸等のチオール化合物や、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸水素ナトリウムおよび次亜リン酸ナトリウム等の還元性無機塩類等が挙げられる。
不飽和カルボン酸単量体の重合の際には、不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体を含んでいても良い。共重合可能な単量体としては、特に制限されないが、以下に記載するビニル基を1個有するアニオン性単量体やビニル基を1個有するノニオン性単量体が例示される。
アニオン性単量体としては、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸、およびこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が例示される。ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルが例示される。これらの共重合可能な他の単量体は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
また、高分子化合物Aとしては、市販のポリ(メタ)アクリル酸(塩)類も使用できる。
(c)両性高分子化合物の製造方法
本発明に用いられる両性高分子化合物は、高分子化合物Aの存在下,カチオン性単量体を必須成分とし、共重合可能な他の単量体を任意成分とする単量体混合物を重合して製造される。
カチオン性単量体としては、下記式(2)で示される化合物が好ましい。
Figure 0005847657
式(2)中、R21は水素原子またはメチル基を示す。Aは酸素原子またはNHを示す。R22は炭素数が2〜8のアルキレン基を示す。R23は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはベンジル基を示す。R24およびR25は炭素数1〜8のアルキル基を示し、それぞれは同一であっても異なっていても良い。(X)は陰イオンを示す。(X)としては、塩素イオン等のハロゲンイオンや硫酸イオンが例示される。
上記式(2)で示されるカチオン性単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートや、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩が例示される。また、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド付加物または塩化ベンジル付加物等の第4級塩が例示される。
上記の他、本発明において使用できるカチオン単量体としては以下の化合物が例示される。
(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアミンおよびその塩酸塩または硫酸塩、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジアリルジアルキルアンモニウムハライドなどが例示され、これらのカチオン性単量体は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
共重合可能な単量体としては、特に制限されないが、以下に記載するノニオン性単量体やアニオン性単量体が例示される。
ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルが例示される。
特に好ましいノニオン性単量体としては、下記式(3)で示される(メタ)アクリルアミド化合物を挙げることができる。
Figure 0005847657
式(3)中、R31は水素原子またはメチル基、R32、R33はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基である。
これらのうちでも、特にアクリルアミドが好ましい。
これらのノニオン性単量体は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
アニオン性単量体としては、下記式(4)で示される(メタ)アクリル酸およびこれらの塩類が例示される。塩類としてはアンモニウム塩、またはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
Figure 0005847657
式(4)中、R41は水素原子またはメチル基を示す。Mは水素原子、アンモニウム基またはアルカリ金属を示す。
アニオン性単量体としては、この他にビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸、およびこれらのアルカリ金属塩等が例示される。
これらのアニオン性単量体は単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。
単量体混合物中の各単量体の配合比(モル比)は、カチオン性単量体:ノニオン性単量体:アニオン性単量体=1〜100:0〜99:0〜99モル%である。ノニオン性単量体を用いる場合、単量体混合物中におけるノニオン性単量体の含有量は、5〜95モル%が好ましく、10〜85モル%が特に好ましい。
本発明の両性高分子化合物を構成する単量体混合物に対する高分子化合物Aの配合量は、単量体混合物の合計質量100部に対して、0.1〜10質量部であり、0.5〜8質量部が好ましく、0.75〜5質量部が特に好ましい。配合量が0.1質量部未満の場合、得られる重合体の歩留能力が乏しい。一方、10質量部を超える場合、得られる化合物が溶解時にゲル化または析出してしまい、化合物としての機能を大きく低減させる。
重合の方法は、水溶液ゲル重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相エマルション重合等が採用できる。簡便且つ容易に取扱いが可能である水溶液ゲル重合または逆相エマルション重合が好ましい。
水溶液ゲル重合の場合、上記単量体混合物の濃度は、25〜60質量%とすることが好ましく、35〜55質量%とすることが特に好ましい。単量体水溶液のpHは2〜4に調製することが好ましい。
逆相エマルション重合の場合、上記単量体混合物の濃度は、全体量に対して25〜50質量%とすることが好ましく、35〜45質量%とすることが特に好ましい。単量体水溶液のpHは2〜6に調製することが好ましい。
重合の際に用いられる重合開始剤は特に制限されない。上記(b)に記載の重合開始剤が同様に使用できる。重合開始剤の使用量は高分子化合物Aおよび単量体の合計質量対し0.005〜2質量%が好ましい。
また、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。上記(b)に記載の連鎖移動剤が同様に使用できる。重合開始剤の使用量は連鎖移動剤の種類および目的とする0.5%塩粘度(分子量)により適宜調整される。
また、必要に応じて架橋剤を使用してもよい。架橋剤としては、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ジメタクリル酸エチレングリコール、N−ビニルアクリルアミド等を挙げることができる。
本発明における両性高分子化合物の0.5%塩粘度は、25〜100mPa・sであることが好ましい。0.5%塩粘度は、平均分子量の代替指標であり、測定方法は後述する。25〜100mPa・sの範囲は重量平均分子量Mwが概ね100万〜1000万の範囲に相当する。
0.5%塩粘度が25mPa・sより低いと十分な大きさのフロックができない。また100mPa・sを超えると溶解した際の不溶解物が発生しやすくなる。また処理水の粘度上昇により反応性が低下するなどの問題が生じる。
なお,上記の重量平均分子量Mwは、JIS K7361−1に準じて1.0N−硝酸ナトリウム水溶液を溶媒としてpH=3.0±0.1、30℃で測定した固有粘度[η](dl/g)から、下記式により求めたポリアクリルアミド換算分子量である。
[η] =3.73×10−4×Mw0.66 (式1)
このような方法で製造される両性高分子化合物は、カチオン性単量体単位を有する主鎖と、アニオン性基を有する重量平均分子量Mwが1000〜100万の側鎖と、から構成されるグラフト共重合体を含み、かつ高分子化合物A、および高分子化合物Aと結合していない単量体混合物の重合体との混合物であると考えられる。上記グラフト共重合体は、両性高分子化合物100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましい。
本発明においては、上記混合物からグラフト共重合体を分離して、これのみを両性高分子化合物として用いてもよい。または、上記混合物を分離せずにそのまま用いてもよい。
このグラフト共重合体が良好な歩留性能を示す理由は定かではないが、本発明者らは主鎖から離れて局在化するアニオン性基が、炭酸カルシウム等の無機填料に対し高い親和性を示し、かつカチオン性を有する主鎖がパルプ等と有効に結合できるためと考えている。
(d)製紙用歩留向上剤
本発明の製紙用歩留向上剤は、少なくとも上記両性高分子化合物を含んでなる。この組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の水溶性高分子化合物を含めることができる。他の水溶性高分子化合物としては、特に制限されないが、上記式(2)で示されるカチオン性単量体からなるカチオン性水溶性高分子、上記式(2)および式(4)で示される単量体からなる両性水溶性高分子、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール等があげられる。
また本発明の製紙用歩留向上剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、pH調整剤、消泡剤、酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。特に両性高分子化合物の溶解安定性を高めるためにpH調整剤を含めることが好ましい。pH調整剤としては酸性物質であれば特に制限されないが、安全性、粉末とした場合の取り扱いの容易性から、有機酸類が推奨される。有機酸類としては、スルファミン酸、クエン酸(塩)類、リンゴ酸等が揚げられる。添加量としては特に制限されないが、製紙用歩留向上剤全質量に対し2〜20質量%、好ましくは5〜10質量%である。
これらの組成物の調整法は、両性高分子化合物が水溶液ゲル重合による乾燥粉末品であれば、必要な水溶性高分子化合物および添加剤を常法で混合すればよい。逆相エマルジョン重合品に他の水溶性高分子化合物のエマルジョン重合品を混合する場合は、エマルジョン状態のまま混合することが可能である。
また、これらを別々に水溶液としてから、混合して使用することもできる。
(e)製紙方法
本発明の製紙用歩留向上剤を用いる製紙方法は、紙種は制限されない。通常の製紙工程で使用されるものであればよく、通常、少なくともパルプおよび填料を含み、必要に応じて填料以外の添加剤、具体的には、サイズ剤、定着剤、紙力増強剤および着色剤等を含むものである。抄紙機の形式も特に制限されることはなく、長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円筒型抄紙機等いずれの形式でも使用できる。
本発明の製紙用歩留向上剤は填料を多く含む紙料に好適である。填料としては、白土、カオリン、アガライト、タルク、重質または軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸石灰、硫酸バリウム、酸化亜鉛および酸化チタン等が挙げられる。特に重質または軽質炭酸カルシウムを多く含む紙料の抄紙に適する。具体的な紙種としてはオフセット印刷用紙、コピー用紙などの上質紙、インクジェット印刷用紙、中性新聞用紙等があげられる。また、填料のほか再生パルプを多く含む紙種にも好適に使用される。
添加方法は常法に従えばよい。本発明の組成物はあらかじめ水溶液の状態とされ、通常はファンポンプの前段からの抄紙機のヘッドボックス直前の工程で注入される。添加する水溶液の濃度としては特に制限されないが、0.01〜2質量%が好ましい。
添加割合としては、紙料中の絶乾パルプ質量当たり、50〜500ppmが好ましく、より好ましくは100〜500ppmである。
添加後の紙料のpHとしては、5〜9に維持することが好ましく、より好ましくは6〜8である。抄紙温度は特に制限されないが、60℃以下が好ましい。
本発明の製紙用歩留向上剤は、1剤でも高い歩留性能を示すものであるが、必要に応じて無機凝結剤、有機カチオン性凝結剤またはアニオン性物質を併用することができる。これらは本発明の製紙用歩留向上剤の添加前または添加後のいずれかの工程で注入されるが、それぞれの添加物が紙料と個々に反応できる間隔を採ることが好ましい。
無機凝結剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄が例示される。
有機カチオン性凝結剤としては、ジアルキルアミン類とエピハロヒドリン重縮合物、アルキレンジアミン類とジアルキルアミンおよびエピハロヒドリンの重縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩化物塩、ジシアンジアミドとホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミドとホルムアルデヒドと塩化アンモニウム重縮合物、ポリアルキレンイミン、(メタ)アクリレート系カチオン性基を含む水溶性高分子、およびカチオン性界面活性剤が例示される。
アニオン性物質としては、アニオン性ポリアクリルアミド等の有機アニオン性高分子化合物、コロイダルシリカやベントナイト等の無機アニオン性物質、有機アニオン性微粒子等が例示される。
抄出された紙料マットは、通常の工程で搾水・乾燥され、オンコート処理、カレンダー処理等を経て製品紙となる。
以下、本発明における物性の測定方法および性能の評価方法、また製造例および実施例を示し、さらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、各単量体の名称を以下の通り略記する。
AA : アクリル酸
AM : アクリルアミド
DAC : ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩
DMC : ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル4級塩
〔0.1%不溶解分量〕
純水400mLに試料(重合体)を0.1質量%となる量を加えて十分に溶解し、目開き180μm(83メッシュ)の網でろ過後の残渣をメスシリンダーを用いて測定した。
〔0.5%塩粘度〕
純水500mLに塩化ナトリウム20.8g、および試料(高分子化合物)の濃度が0.50質量%となる量を加えて十分に溶解し、試料溶液を調製した。液温を25±1℃に調整し、M1ローターを付けた東機産業社製TV−10M型B型粘度計を用いて30rpm、3分間回転後の値を読み取りこれを0.5%溶液粘度とした。粘度がM1ローターの測定上限を超えた場合は、M2ローターを使用した。
〔絶乾質量〕
紙料の約1gを秤量びんに採り、105℃に設定した乾燥機中で恒量になるまで乾燥した後の質量を測定した。
〔パルプのろ水度〕
JIS 8221「パルプのろ水度試験法」に準じて、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)値として求めた。
〔全歩留率〕
BTG社製Mutec−DFR05型自動リテンション測定器を用い、全歩留率を測定した。抄網は24メッシュサイズを用い、ろ過時の撹拌回転数を800rpmとした。その他の設定はメーカーの推奨値によった。
〔填料歩留率〕
全歩留率と同装置が示すファイン歩留率を填料歩留率とした。なお填料歩留率は、別途灰分歩留率をJIS 8251「紙、板紙およびパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」により求め、この測定値をもとに検量線を作成して求めた。
〔高分子化合物A〕
(高分子化合物A1〜A3)
高分子化合物Aとして、市販されているポリアクリル酸ナトリウムA1〜A3を使用した。それぞれの重量平均分子量を表1に示す。
(製造例1 高分子化合物A4の製造)
還流冷却器および攪拌機を備えた容量3リットルのガラスフラスコに水400gを仕込み、80℃に加温した。次いで、80質量%AA水溶液625gと、30質量%の過硫酸ナトリウム(以下「NaPS」)水溶液33.3g(AA100質量部に対してNaPSとして2質量部)と、30質量%亜硫酸水素ナトリウム(以下「NaHSO3」と略す)33.3g(AA100質量部に対してNaHSO3として5質量部)とを、それぞれ滴下ノズルから4時間かけて攪拌下に反応器に滴下した。滴下終了後さらに30分間反応液を80℃に保持し重合を完結させた。
重合終了後、反応液を攪拌し、その中に48%水酸化ナトリウム水溶液575gを滴下して中和した。このようにして固形分濃度が41%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液A4(以下A4と略記する。以下同様)を得た。この高分子化合物物A4の重量平均分子量Mwをゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したところ、重量平均分子量Mwは25万であった。その結果を表1に示す。
(製造例2〜4 高分子化合物A5〜A7の製造)
NaPSとNaHSOを表1に示した添加量とした以外は、製造例1と同様の操作を行い、高分子化合物A5〜A7を得た。その結果を表1に示す。
Figure 0005847657
(製造例5 両性高分子化合物B1の製造;水溶液ゲル重合)
ステンレス製反応容器に、79質量%DAC水溶液を88.3g、50質量%AM水溶液を461g投入し、さらに蒸留水を451g加え、全単量体の合計濃度が30質量%で全質量が1.0kgとなる重合液とした。これに高分子化合物A5の21.0gを添加し均一に混合した。この重合液の高分子化合物Aおよび単量体の組成比は表2に示したとおりである。
この溶液をpH=4に調整し、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液温度を10℃に調節した。その後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(以下「V−50」と略記する)およびNaHSO3を、各単量体の合計質量に対して固形分換算で、それぞれ2000ppm、20ppmとなるように加えた。次いで、反応容器の上方からこの溶液に光照射して重合を行い、含水ゲル状の重合体を得た。光照射には13Wブラックライトを用いた。照射強度は0.4mW/cmで、照射時間は60分間である。
得られた含水ゲル状の重合体を、容器から取り出して細断した。これを温度80℃で5時間乾燥後、粉砕して粉末状の両性高分子化合物(B1と略記する。以下同様)を得た。B1の0.1%不溶解分量および0.5%塩粘度を測定した。その結果を表2に示す。
この重合体B1の分子量分布をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで観察したところ、高分子化合物Aを含まない重合体(下記R1)にA5を配合比が同量となるよう混合したものと比較して、A5のピークが明らかに減少していた。よってB1では、A5が他の単量体重合物と化学的に結合しているものと推定された。
(製造例6〜13 両性高分子化合物B2〜B9の製造、製造例14〜20比較高分子化合物R1〜R7の製造)
高分子化合物A1〜A7を表2および表3に示した配合比となるよう仕込み量を調整した以外は実施例3と同様に操作し、高分子化合物B2〜B9および比較高分子化合物R1〜R7を得た。これらの0.1%不溶解分量および0.5%塩粘度を表2および表3に示す。
Figure 0005847657
Figure 0005847657
重量平均分子量Mw(以下「Mw」と略す)が8000〜80万のA1〜A2およびA4〜A6を添加して製造した重合体は、全単量体量に対し10質量部まで添加しても水への溶解性が良好であった。一方、Mwが150万のA3を添加して重合したR3は3.0質量部でも不溶解分が多かった。また、Mwが8000のA1を15質量部、25万のA4を12質量部添加して重合したR5およびR7は、不溶解分が非常に多くほとんど溶解しなかった。R3は、不溶解分が生じるため実際の溶解濃度が低くなり、0.5%塩粘度が下がっている。
(製紙用歩留向上剤の調製)
両性高分子化合物B1〜B9、R1〜R4およびR6の90質量部に対して10質量部(全組成物質量の10質量%)のクエン酸無水塩を添加、混合し製紙用歩留向上剤とした。R5およびR7は実質溶解しなかったので使用しなかった。
(実施例1〜9、比較例1〜7)
市販の広葉樹由来の原料パルプ(以下LBKPと表す)をナイアガラビーターで叩解したものと、国内製紙会社から入手した脱墨パルプ(以下DIPと表す)の約5質量%のスラリーおよび填料を混合し、表4に示した組成の紙料を得た。歩留向上剤を0.10質量%に溶解し、添加率を対絶乾パルプ質量で400ppmとして全歩留率、填料歩留率を測定した。その結果を表5および表6に示す。
なお比較例6および比較例7は、実施例3で使用したB3および実施例7で使用したB7と同一の単量体組成となるように、R1にそれぞれA1およびA4を混合したものを使用したものである。
Figure 0005847657
Figure 0005847657
Figure 0005847657
本発明の歩留向上剤を用いた実施例1〜9は、高分子化合物Aを含まないR1を使用した比較例1と比較し、全歩留率、填料歩留率とも高い値を示した。高分子化合物Aの分子量が1000未満のR2を使用した比較例2は、比較例1と同程度の歩留性能であり実施例1〜9のいずれよりも劣った。高分子化合物Aの添加率が0.1質量部に満たないR4とR6を使用した比較例4と5も比較例1と同程度の歩留性能であり、高分子化合物Aの添加による効果は見られなかった。高分子化合物Aの分子量が100万を超えるR3を使用した比較例3は、さらに歩留性能が劣った。実質的に溶解している濃度が低かったためと考えられる。
後から高分子化合物Aを両性高分子化合物に混合することにより調整した比較例6および7は、比較例1と比べるといくらか歩留性能は向上しているものの、同様の単量体組成となる実施例3および実施例7と比べると填料歩留率が劣った。
以上より、本発明の歩留向上剤は、高い歩留性能を示し、特に填料歩留率の向上に有効といえる。
(製造例21 両性高分子化合物B10の製造;エマルション重合)
1000ml四つ口セパラブルフラスコに79質量%DAC水溶液を91.2g、79質量%DMC水溶液を3.9g、50質量%AM水溶液を196.3g、80質量%AA水溶液を8.4g、連鎖移動剤としてイソプロピルアルコール4.6g(単量体合計質量に対し2.0質量%)、および蒸留水を投入し、濃硫酸でpHを4に調整した後、V−50を0.04g含む20gの水溶液を添加し、全量400gの単量体水溶液になるように調製した。これに高分子化合物A5の22.0gを添加し均一に混合した。この単量体水溶液の高分子化合物Aおよび単量体の組成比は表6に示したとおりである。さらに、この単量体水溶液をHLB8.0のノニオン性界面活性剤10.0gを溶解したパラフィン油155gに加え、ホモジナイザーにて約1分間高速攪拌し乳化した。
フラスコに窒素ガス吹き込み管、還流冷却器、温度計を取り付け、攪拌機を通常の化学反応用の攪拌機に代え、攪拌しながらこの乳化液中に30分間窒素ガスを通し脱気した後、50℃に昇温して、窒素ガス雰囲気下で重合を行った。重合終了後、HLBが13.0のノニオン性界面活性剤17.2gを加えてエマルション型の両性高分子化合物B10とした。
(製造例21〜28 両性高分子化合物B10〜B17の製造、製造例29〜33 比較高分子化合物R8〜R12の製造)
高分子化合物A1〜A7(A2を除く)を表7および表8に示した配合比となるよう仕込み量を調整した以外は実施例20と同様に操作し、両性高分子化合物B10〜B17、比較高分子化合物R8〜R12を得た。これらの0.1%不溶解分量および0.5%塩粘度を表7および表8に示す。
Figure 0005847657
Figure 0005847657
Mwが8000〜80万のA1およびA4〜A6を添加して製造した重合体B10〜B18は、全単量体量に対し10質量部まで添加しても水への溶解性が良好であった。一方、Mwが150万のA3を添加して重合したR10は5.0質量部でも溶解時にゲル化するものであった。また、Mwが25万のA4を12質量部添加して重合したR12も溶解時にゲル化した。
(製紙用歩留向上剤)
両性高分子化合物B10〜B18および比較高分子化合物R8、R9およびR11は、他の成分を添加せずそのまま製紙用歩留向上剤として使用した。R10およびR12は実質溶解しなかったため使用しなかった。
(実施例10〜17、比較例8〜10)
市販のLBKPをナイアガラビーターで叩解したものおよび填料を混合し、表9に示した組成の紙料を得た。歩留向上剤を重合体濃度として0.10質量%に溶解し、添加率を対絶乾パルプ質量で350ppmとして全歩留率、填料歩留率を測定した。その結果を表10および表11に示す。
Figure 0005847657
Figure 0005847657
Figure 0005847657
本発明の歩留向上剤を用いた実施例10〜17は、高分子化合物Aを含まないR8を使用した比較例8と比較し、全歩留率、填料歩留率とも高い値を示した。特に填料歩留率は全歩留率との相対比較において比較例8より高い比率であった。高分子化合物Aの分子量が1000未満のR9を使用した比較例9は、比較例8と同程度の歩留性能であり実施例10〜17のいずれよりも劣った。高分子化合物Aの添加率が0.1質量部に満たないR11を使用した比較例10は比較例8と同程度の歩留性能であり、高分子化合物Aの添加による効果は見られなかった。
以上より、本発明の両性高分子化合物を使用した歩留向上剤は、高い歩留性能を示し、特に填料歩留率の向上に有効といえる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるアニオン性単量体単位を有する重量平均分子量Mwが1000〜100万の高分子化合物Aの存在下に、下記式(2)で表されるカチオン性単量体を必須とする単量体混合物を重合して得られる両性高分子化合物からなり、前記単量体混合物100質量部に対する高分子化合物Aの量が0.1〜10質量部である製紙用歩留向上剤。
    Figure 0005847657
    (但し、式(1)中、R11は水素原子またはメチル基、Mは水素原子、アンモニウム基、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。)
    Figure 0005847657
    (但し、式(2)中、R21は水素原子またはメチル基を示す。Aは酸素原子またはNHを示す。R22は炭素数が2〜8のアルキレン基を示す。R23は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはベンジル基を示す。R24およびR25は炭素数1〜8のアルキル基を示し、それぞれは同一であっても異なっていても良い。(X)は陰イオンを示す。)
  2. 高分子化合物Aの一部または全部が、カチオン性単量体を必須とする単量体混合物の重合体と化学的に結合していることを特徴とする請求項1に記載の製紙用歩留向上剤。
  3. 単量体混合物がノニオン性単量体単位を含む請求項1又は2に記載の製紙用歩留向上剤
  4. 単量体混合物がアニオン性単量体単位を含む請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製紙用歩留向上剤
  5. 紙料に対して、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製紙用歩留向上剤を添加した後、抄紙することを特徴とする製紙方法。
  6. 紙料が、パルプの絶乾質量100部に対して17質量部以上の填料を含むことを特徴とする請求項5に記載の製紙方法
  7. 全填料のうち、炭酸カルシウムが50質量%以上である請求項6に記載の製紙方法。
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