JP2002205074A - 無機粒子懸濁液の処理方法 - Google Patents

無機粒子懸濁液の処理方法

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JP2002205074A
JP2002205074A JP2001158252A JP2001158252A JP2002205074A JP 2002205074 A JP2002205074 A JP 2002205074A JP 2001158252 A JP2001158252 A JP 2001158252A JP 2001158252 A JP2001158252 A JP 2001158252A JP 2002205074 A JP2002205074 A JP 2002205074A
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mol
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Yasuhiro Sakasai
逆井康裕
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から実施されているカチオン性重縮合系
高分子物質とアニオン性水溶性高分子の組合せでは、砂
利の採掘現場によっては効率的な沈降速度が得られない
場合がある。本発明の目的は、砂利の採掘現場の排水に
かかわらず効率的な沈降速度が達成可能で、しかもカチ
オン性重縮合系高分子物質を使用した場合に較べ添加量
も節約可能な砂利排水の処理方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 砂利洗浄排水などの無機粒子懸濁水に、
塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤
共存下で分散重合法により製造された粒径100μm以
下の高分子微粒子の分散液からなる重合系カチオン性水
溶性高分子と、同様な重合法で製造された、粒径100
μm以下の高分子微粒子の分散液からなるアニオン性水
溶性高分子をこの順で添加、混合し凝集させ固液分離す
ることによって達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂利洗浄排水のよ
うな無機粒子懸濁水の処理方法に関するものであり、詳
しくは無機粒子懸濁水に特定の条件下で分散重合された
重合系カチオン性水溶性高分子を添加、混合した後、特
定の条件下で分散重合されたアニオン性水溶性高分子を
添加、混合し凝集させ固液分離することを特徴とする無
機粒子懸濁水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、砂利洗浄排水などは一般的に、硫
酸バンドやポリ塩化アルミニウムなど無機凝集剤、ある
いは重縮合系高分子物質を排水に添加、混合した後、ア
ニオン性の高分子量凝集剤を添加、混合し凝集させるこ
とにより固液分離し処理していた。これは排水中の微細
な砂などの無機粒子表面電荷を中和し、細かなフロック
とした後、アニオン性の高分子量凝集剤によってフロッ
クを大きく成長させ、沈降分離し易くし、固液分離する
という方法である。しかしながらこの方法では、第一段
階の無機粒子表面の電荷中和は通常通りに行われても、
第二段階のフロック粗大化の過程では、攪拌強度や排水
中無機物濃度によって混合状態が左右され、適度な沈降
速度とスラッジ密度を有するフロックが生成しない場合
が発生する。
【0003】また、コスト的な面から見てみると、処理
第一段階で無機凝集剤、あるいは重縮合系高分子物質を
用い無機粒子表面電荷を中和するのでは、ほぼ一対一の
関係で電荷の中和が行われ多量の薬品が必要になる。従
来、重合系カチオン性高分子を用いたのでは、処理水上
澄み中に取り残し粒子が浮遊し、処理が完全には達成で
きないと考えられていた。そのため重合系カチオン性高
分子のカチオン当量や分子量を検討し、無機粒子表面電
荷を中和するに適した重合系カチオン性高分子は、まだ
開発されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来から実施されてい
るカチオン性重縮合系高分子物質とアニオン性水溶性高
分子の組合せでは、砂利の採掘現場によっては効率的な
沈降速度が得られない場合がある。本発明の目的は、砂
利の採掘現場の排水にかかわらず効率的な沈降速度が達
成可能で、しかもカチオン性重縮合系高分子物質を使用
した場合に較べ添加量も節約可能な砂利排水の処理方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、以下に述べるような
発明に到達した。即ち、請求項1の発明は、無機粒子懸
濁液に、無機粒子懸濁液に、下記のような重合系カチオ
ン性水溶性高分子(a)を添加、混合した後、下記のよ
うなアニオン性水溶性高分子(b)を添加、混合し凝集
させ固液分離することを特徴とする無機粒子懸濁液の処
理方法。 (a)カチオン性ビニル単量体5〜100モル%、アク
リルアミド0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオ
ン性単量体0〜20モル%からなる単量体(混合物)
を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分
散剤共存下で分散重合法により製造された粒径100μ
m以下の高分子微粒子分散液からなること。 (b)(メタ)アクリル酸を5〜100モル%、アクリ
ルアミドを0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオ
ン性単量体0〜20モル%からなる単量体(混合物)を
塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤
共存下、分散重合法により製造された粒径100μm以
下の高分子微粒子分散液からなること。
【0006】請求項2の発明は、前記高分子分散剤がイ
オン性であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒
子懸濁液の処理方法である。
【0007】請求項3の発明は、前記高分子分散剤のイ
オン当量が1.5〜15meq/gであることを特徴と
する請求項1に記載の無機粒子懸濁液の処理方法であ
る。
【0008】請求項4の発明は、重合系カチオン性水溶
性高分子の重量平均分子量が、10万以上、500万以
下であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子懸
濁液の処理方法である。
【0009】請求項5の発明は、アニオン性水溶性高分
子の分子量が、100万以上、2000万以下であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の無機粒子懸濁液の処理
方法である。
【0010】請求項6の発明は、塩水溶液を構成する塩
が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを
特徴とする請求項1に記載のアニオン性水溶性重合体分
散液である。
【0011】請求項7の発明は、請求項1あるいは4に
記載の粒径100μm以下の高分子微粒子分散液からな
る重合系カチオン性水溶性高分子(a)と請求項1ある
いは5に記載の粒径100μm以下の高分子微粒子分散
液からなるアニオン性水溶性高分子(b)を、それぞれ
水に溶解し、水溶液とした後、無機懸濁液に添加するこ
とを特徴とする無機粒子懸濁液の処理方法である。
【0012】請求項8の発明は、無機懸濁液が、砂利洗
浄排水であることを特徴とする請求項1に記載の無機懸
濁液の処理方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用する重合系カチオン
性水溶性高分子は、一種以上のカチオン性ビニル単量体
の重合体あるいは共重合体、あるいは前記カチオン性ビ
ニル単量体とアクリルアミドとの共重合体、あるいは前
記カチオン性ビニル単量体、アクリルアミド及び他の非
イオン性単量体との共重合体である。高分子の製品形態
は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、多価
アニオン塩水中あるいはポリエチレングリコ−ル中分散
重合法などで得た溶液、分散液、粉末でも使用可能では
あるが、最も好ましい製品形態は、塩水中分散重合法に
よって得た高分子分散液からなるカチオン性水溶性高分
子である。
【0014】すなわち多価アニオン塩水溶液中で、たと
えばアクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモ
ニウム塩化物の(共)重合体のように、前記多価アニオ
ン塩水溶液に溶解しない重合体を微細粒子として塩水中
に分散した分散液を製造する方法は、特公平4−394
81号公報や特公平6−51755号公報に記載されて
いる。前者の公報は、分散剤として多価アルコ−ルを重
合時共存させる方法が開示され、後者の公報では、分散
剤として多価アニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高
分子を重合時共存させる方法が開示されている。これら
分散液を製造する場合、アクリロイルオキシエチルベン
ジルジメチルアンモニウム塩化物を共重合すると、重合
が容易でしかも安定な分散液がえられる。
【0015】この発明で用いる多価アニオン塩水溶液と
して用いられる塩は、多価塩類である硫酸塩又は燐酸塩
が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸
水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリ
ウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%
以上の水溶液として用いると好ましい。
【0016】重合条件は通常、使用する単量体や共重合
モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜10
0℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使
用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちら
でも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれで
も重合することが可能である。
【0017】重合時使用するカチオン性ビニル単量体の
例として、三級アミノ含有単量体は、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ジアリルメチルアミンあるいはジアリルベンジル
アミンなどが上げられる。
【0018】また、四級アンモニウム基含有単量体の例
として、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化
ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオ
キシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)ア
クリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルア
ンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピ
ルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、
(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジ
メチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロ
イルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化
物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物あるいはジア
リルメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。
【0019】また、他の共重合し得る非イオン性単量体
の例は、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジ
アセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどであ
る。
【0020】また、上記のようなアクリル型あるいはジ
アリル型単量体の(共)重合体のほか、ポリビニルアミ
ン系重合体、ポリアミジン系重合体なども使用できる。
【0021】重合系カチオン性水溶性高分子のカチオン
化度としては、分子中のカチオン性基として5モル%〜
100モル%であり、好ましくは10モル%〜100モ
ル%である。カチオン当量で表わすと約1.0〜約10
meq/gであり、好ましくは約2.4〜約10meq
/gである。5モル%未満では、無機物表面電荷の中和
には十分ではなく、処理液中に浮遊粒子を多く残し、透
明なうわ澄み液が得られない。
【0022】重合系カチオン性水溶性高分子の重量平均
分子量としては、10万〜500万であり、好ましくは
50万〜300万である。排水処理第一段階では、主と
して表面電荷の中和であるが、本発明の重合系カチオン
性水溶性高分子を使用することによって粒子同志の架橋
吸着作用も同時に起き、粒子の凝集を助け、フロック成
長を促進する。したがって薬品添加量もそれだけ減少で
きる。そのため分子量をあまり高くしすぎると、架橋吸
着作用が主反応となり、凝集時、無機粒子の取り残しが
多くなり、上澄み液が透明に成らない。以上の理由で分
子量は、10万〜500万であり、好ましくは、50万
〜300万である。
【0023】使用する高分子分散剤としては、イオン性
あるいは非イオン性とも使用可能であるが、好ましくは
イオン性である。まずカチオン性高分子としては、カチ
オン性単量体である(メタ)アクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアン
モニウム塩化物などであるが、これらカチオン性単量体
と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非
イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビ
ニルホルムアミド、、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、ア
クリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどであるが、ア
クリルアミドとの共重合体が好ましい。
【0024】一方アニオン性分散剤としては、アクリル
アミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)やスチレン
スルホン酸(塩)などのアニオン性単量体の(共)重合
体も使用可能である。これらアニオン性単量体とカルボ
キシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などとの共重合体も使用可能である。さ
らに非イオン性の単量体であるアクリルアミド、N−ビ
ニルホルムアミド、、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、ア
クリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどとの共重合体
も使用可能である。さらに無水マレイン酸/ブテン共重
合物の部分アミド化物も使用可能であるが、アクリルア
ミドとの共重合体が最も好ましく用いられる。
【0025】また、非イオン性高分子としては、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラ
クタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体あ
るいは無水マレイン酸/ブテン共重合物の完全アミド化
物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性高分子
が有効である。
【0026】これらカチオン性あるいはアニオン性高分
子分散剤の分子量としては、5、000から300万、
好ましくは5万から200万である。また、非イオン性
高分子分散剤の分子量としては、1,000〜20万で
あり、好ましくは1,000〜5万である。これら非イ
オン性あるいはイオン性高分子分散剤の単量体に対する
添加量は、単量体に対して1/100〜1/10であ
り、好ましくは2/100〜8/100である。
【0027】次ぎにアニオン性水溶性高分子について説
明する。カチオン性水油性高分子と同様に、高分子の製
品形態は、既知の重合方法により水溶液重合法、油中水
型エマルジョン重合法、多価アニオン塩水中あるいはポ
リエチレングリコ−ル中分散重合法などで得た水溶液、
分散液、粉末でも使用可能ではあるが、最も好ましい製
品形態は、塩水中分散重合法によって得た高分子分散液
からなるカチオン性水溶性高分子である。
【0028】本発明で使用する分散重合法により製造さ
れた分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、(メ
タ)アクリル酸を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中
で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共
存下で分散重合法により製造された高分子分散液であ
る。使用する酸の単量体としては、メタクリル酸、アク
リル酸あるいはイタコン酸などである。さらにこの高分
子微粒子からなる分散液は、他の非イオン性の単量体と
の共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミドなどがあげられ、これら酸の単量体ある
いは非イオン性単量体のうちから一種または二種以上と
組み合わせ共重合が可能である。最も好ましい組み合わ
せとしては、アクリル酸とアクリルアミドである。これ
ら酸の単量体が(共)重合体中でしめる割合は5〜10
0モル%であり、好ましくは10〜100モル%であ
る。
【0029】分散液を構成する高分子の分子量として
は、100万〜2000万であり、好ましくは、500
万〜2000万である。100万以下では凝集力が不足
しフロックが大きく成長しない。2000万以上になっ
ても凝集力はあまり変わらず、また溶液粘度も高くなり
過ぎ分散性も悪くなるほか、水溶液の取り扱いも悪くな
る。
【0030】使用する高分子分散剤としては、イオン性
あるいは非イオン性とも使用可能であるが、好ましくは
イオン性であり、更に好ましくはアニオン性である。ア
ニオン性分散としては、アクリルアミド2−メチルプロ
パンスルホン酸(塩)やスチレンスルホン酸(塩)単独
あるいは上記単量体の二つ以上からなる共重合体、ある
いはアクリルアミドとの共重合体などである。さらに無
水マレイン酸/ブテン共重合物の部分アミド化物も使用
可能である。
【0031】また、非イオン性高分子としては、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラ
クタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体あ
るいは無水マレイン酸/ブテン共重合物の完全アミド化
物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性高分子
が有効である。
【0032】これらアニオン性高分子分散剤の分子量と
しては、5、000から300万、好ましくは5万から
200万である。また、非イオン性高分子分散剤の分子
量としては、1,000〜20万であり、好ましくは
1,000〜5万である。これら非イオン性あるいはイ
オン性高分子分散剤の単量体に対する添加量は、単量体
に対して1/100〜1/10であり、好ましくは2/
100〜8/100である。
【0033】本発明で使用する高分子微粒子からなる分
散液を構成する高分子中の酸は、原料として使用する
(メタ)アクリル酸の10〜20モル%を中和した後、
非イオン性単量体などと混合し攪拌下重合する。重合条
件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜
決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。
重合はラジカル重合開始剤を使用する。たとえば、アン
モニウムやカリウムのペルオキソニ硫酸塩と亜硫酸水素
ナトリウムのようなレドックス系、あるいは水溶性のア
ゾ開始剤、たとえば2、2−アゾビスアミジノプロパン
ニ塩化水素化物、2、2−アゾビス[2−(5−メチル
−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩化水素
化物、油溶性のアゾビスイソブチロニトリル、過酸化物
では、ラウリルパ−オキサイドなどがある。油溶性の開
始剤を使用する場合は、水混和性の溶剤に一度溶解して
重合溶液に添加する。最も好ましい開始剤は、レドクッ
ス系であり、アンモニウムやカリウムのペルオキソニ硫
酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどの組合せである。
【0034】本発明で使用する分散重合法により製造さ
れた分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、水溶液
重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重
合法により製造されたアニオン性高分子に較べ、水に溶
解した場合の見かけ粘度が非常に低い。たとえば、アク
リル酸ナトリウムとアクリルアミドを30/70のモル
比で含有する共重合体の場合、分子量約1300万で
0.2重量%の水溶液の粘度は、水溶液重合法、油中水
型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法による重合
物では、400〜800mPa・sであるのに対し、本
発明で使用する分散重合法により製造された分散液から
なるアニオン性水溶性高分子は、20〜100mPa・
sである。これは重合時共存させる無機塩類の影響もあ
る。また、重合時使用する単量体の酸のうち10〜20
モル%を中和するのみであることも一因である。しかし
これらの影響を差し引いても、これだけでは説明できな
い。この現象は、塩水溶液中で生成した高分子を析出さ
せながら重合していることも原因していると推定される
が、詳細な機構は未解明である。そのため、見かけ粘度
が低いということは、それだけ砂利洗浄排水中への分散
性が良く、排水濃度が高くなっても十分使用に耐えるこ
とになり、実用的な価値は高い。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0036】(合成例1)攪拌機、還流冷却管、温度計
および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブル
フラスコに脱イオン水:107.7g、硫酸アンモニウ
ム26.8g、硫酸ナトリウム17.9g、60アクリ
ル酸:32.7g、50%アクリルアミド:90.3g
を加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.8gにより
アクリル酸の16モル%を中和した。また15重量%の
メタクリル酸/アクリルアミド2-メチルプロパンスル
ホン酸=3/7(モル比、酸の90モル%を中和)共重
合体水溶液(溶液粘度42、600mPa・s)18.
9gを添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より
窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽に
より30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、
0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫
酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこ
の順で0.6g添加し重合を開始させた。重合開始後3
時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、
さらに6時間後にそれぞれ3.0g追加し15時間で反
応を終了した。この試作品を試作−1とする。この試作
−1のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:7
0であり、粘度は200mPa・sであった。なお、顕
微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明
した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電
子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定
した。結果を表1に示す。
【0037】(合成例2)高分子分散剤をアクリロイル
オキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物ホモ重合体
(20重量%粘度8300mPa・s、25℃)に代え
た他は、合成例1と同様にアクリル酸とアクリルアミド
のモル比10:90の試作−2を合成した。この試作品
の粘度は250mPa・sであった。なお、顕微鏡観察
の結果、10〜30μmの粒子であることが判明した。
また、合成例1と同様に分子量を測定した。結果を表1
に示す。
【0038】(合成例3)合成例1と同様にアクリル酸
とアクリルアミドのモル比50:50の試作−3を合成
した。この試作品の粘度は130mPa・sであった。
なお、顕微鏡観察の結果、5〜20μmの粒子であるこ
とが判明した。また、合成例1と同様に分子量を測定し
た。結果を表1に示す。
【0039】(合成例4)合成例1と同様にアクリル酸
とアクリルアミドのモル比70:30の試作−4を合成
した。この試作品の粘度は130mPa・sであった。
なお、顕微鏡観察の結果、5〜20μmの粒子であるこ
とが判明した。また、合成例1と同様に分子量を測定し
た。結果を表1に示す。
【0040】(合成例5)高分子分散剤を無水マレイン
酸/ブテン共重合物完全アミド化物に換え、合成例1と
同様にアクリル酸とアクリルアミドのモル比70:30
の試作−5を合成した。この試作品の粘度は4400m
Pa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35
μmの粒子であることが判明した。また、合成例1と同
様に分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0041】(合成例6)温度計、攪拌機、窒素導入
管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械
製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備え
た500mLの4ツ口フラスコ内にジメチルジアリルア
ンモニウム塩化物(以下DDと略記)(商品名DADM
AC、65重量%品,ダイソ−製)31.1g、アクリ
ルアミド17.8g(商品名:アクリルアマイド、日東
化学製、50%品)、イオン交換水107.2g、硫酸
アンモニウム64.0g、硫酸ナトリウム5.8g、分
散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウム塩化物単独重合体7.3g(20重量%液、粘度
8530mPa・s)をそれぞれしこみ反応器内の温度
を42℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤と
して2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕ニ塩化水素化物の10
%水溶液0.35g(対単量体0.116%)を添加し
重合を開始させた。別に前記アクリルアミド142.1
g、イオン交換水27.5g、硫酸アンモニウム73.
3g、硫酸ナトリウム6.7g、分散剤17.8gを混
合した溶液267.2gを調製した。開始後、1.5時
間この溶液53.4gを添加した。その後1.5時間間
隔でそれぞれ106.8g、80.1gおよび26.7
gを添加していった。全単量体供給後のDDとアクリル
アミドとのモル比は10:90である。また開始後4.
5時間で開始剤溶液0.35gを追加した。開始後20
時間で反応を停止させた。重合後、コロイド滴定法によ
りカチオン当量を、分散液の粘度と重量平均分子量を測
定した。この重合体を試作−6とする。同様の方法によ
りDDとアクリルアミドとのモル比50:50を合成し
た(試作−7)。結果を表1に示す。
【0042】(合成例7)撹拌器、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド(以下DMQと略記)単独重合物の15%水溶液
を16.7g、イオン交換水139g、硫酸アンモニウ
ム112.5g、50%水溶液アクリルアミド(以下A
AMと略記)175.1g、及び80%水溶液アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド3
3.1gを仕込み、窒素置換後、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩の1%水溶液1.9g
を加え、内温35℃にて10時間重合を行った。得られ
た分散液中のポリマー粒径は10μm以下であり、分散
液の粘度は500cpであった。また、しこみ単量体モ
ル組成はDMQ:AAM=10:90である(試作−
8)。結果を表1に示す。
【0043】(合成例8)合成例1と同様な合成方法に
よって、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド(ABC):DMQ:AA=2
0:30:50(モル%)を合成した(試作−9)。結
果を表1に示す。
【0044】
【実施例1〜20】砂利洗浄排水(ss濃度5.75
%、pH7.03)を200mLのメスシリンダ−に2
00mL採取し、試作5〜8の重合系カチオン性水溶性
高分子を各0.2%溶液に調製した後、対排水全量50
ppm添加し、メスシリンダ−を5回転倒することによ
り攪拌した。その後、試作1〜5の塩水溶液中アニオン
性水溶性高分子からなる分散液を0.1%溶液に調製
し、対排水全量5ppm添加し、5回転倒することによ
り攪拌した後、沈降速度を測定した。測定は、凝集スラ
ッジと上澄みからなる境界面が10cm沈降する時間を
測定し、シリンダ−内を境界面が下降する速度に換算し
た。結果を表2に示す。
【0045】
【比較例1〜9】比較試験は、試作5〜8の重合系カチ
オン性水溶性高分子を先に添加、攪拌し、その後粉末の
アニオン性高分子凝集剤としてアクリルアミド/アクリ
ル酸ナトリウム共重合物(分子量約1000万、アニオ
ン化度30モル%、0.1%パ−セント水溶液の粘度2
10mPa・s)(比較−1)重合系カチオン性水溶性
高分子の比較として重縮合系カチオン性物質(ジメチル
アミン/ペンタエチレンヘキサミン/エピクロロヒドリ
ン、分子量約2.4万、カチオン当量7.35meq/
g)(比較−2)を先に添加、攪拌し、その後試作1〜
5の塩水溶液中アニオン性水溶性高分子からなる分散液
を0.1%溶液に調製した水溶液を添加する処方を試験
した。結果を表3に示す。
【0046】
【表1】 分子量:単位は万、 溶液粘度:単位はmPa・s、試作-1〜試作-4は0.1
%水溶液、試作-5〜試作-8は0.2%水溶液
【0047】
【表2】 沈降速度:単位はcm/sec 添加量は対排水液全量、ppm
【0048】
【表3】 沈降速度:単位はcm/sec 添加量は対排水液全量、ppm
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 2/20 C08F 2/20 Fターム(参考) 4D015 BA06 BA09 BA10 BA12 BA19 BB09 CA10 DB07 DB13 DC03 DC07 DC08 EA32 4J011 JA06 JA12 JB04 JB07 JB26 4J100 AG04Q AJ02P AJ08P AL03Q AL08P AL09Q AM02Q AM15Q AM19Q AM21P AM21Q AN04Q AN14P AQ08Q BA03P BA12Q BA30P BA31P BA33P BC43P CA04 DA01 DA28 EA06 FA21 JA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子懸濁液に、下記のような重合系
    カチオン性水溶性高分子(a)を添加、混合した後、下
    記のようなアニオン性水溶性高分子(b)を添加、混合
    し凝集させ固液分離することを特徴とする無機粒子懸濁
    液の処理方法。 (a)カチオン性ビニル単量体5〜100モル%、アク
    リルアミド0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオ
    ン性単量体0〜20モル%からなる単量体(混合物)
    を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分
    散剤共存下で分散重合法により製造された粒径100μ
    m以下の高分子微粒子分散液からなること。 (b)(メタ)アクリル酸を5〜100モル%、アクリ
    ルアミドを0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオ
    ン性単量体0〜20モル%からなる単量体(混合物)を
    塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤
    共存下、分散重合法により製造された粒径100μm以
    下の高分子微粒子分散液からなること。
  2. 【請求項2】 前記高分子分散剤がイオン性であること
    を特徴とする請求項1に記載の無機粒子懸濁液の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高分子分散剤のイオン当量が1.5
    〜15meq/gであることを特徴とする請求項1に記
    載の無機粒子懸濁液の処理方法。
  4. 【請求項4】 重合系カチオン性水溶性高分子の重量平
    均分子量が、10万以上、500万以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の無機粒子懸濁液の処理方法。
  5. 【請求項5】 アニオン性水溶性高分子の分子量が、1
    00万以上、2000万以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の無機粒子懸濁液の処理方法。
  6. 【請求項6】 塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一
    種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項
    1に記載のアニオン性水溶性重合体分散液。
  7. 【請求項7】 請求項1あるいは4に記載の粒径100
    μm以下の高分子微粒子分散液からなる重合系カチオン
    性水溶性高分子(a)と請求項1あるいは5に記載の粒
    径100μm以下の高分子微粒子分散液からなるアニオ
    ン性水溶性高分子(b)を、それぞれ水に溶解し、水溶
    液とした後、無機懸濁液に添加することを特徴とする無
    機粒子懸濁液の処理方法。
  8. 【請求項8】 無機懸濁液が、砂利洗浄排水であること
    を特徴とする請求項1に記載の無機懸濁液の処理方法。
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