JPH10251201A - 2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジ エン類の製造方法 - Google Patents
2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジ エン類の製造方法Info
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- JPH10251201A JPH10251201A JP9056724A JP5672497A JPH10251201A JP H10251201 A JPH10251201 A JP H10251201A JP 9056724 A JP9056724 A JP 9056724A JP 5672497 A JP5672497 A JP 5672497A JP H10251201 A JPH10251201 A JP H10251201A
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便に、2,3−ジアルコキシカルボニル−
1,3−ブタジエン類を高収率で製造する。 【解決手段】 次式(I) 【化1】 で表わされる2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類を製造するため、次式(II) 【化2】 の2−ブチン−1,4−ジオール類の炭酸エステルをア
ルコールR−OHとパラジウム−ホスフィン触媒の存在
下に、一酸化炭素でカルボニル化反応させる。
1,3−ブタジエン類を高収率で製造する。 【解決手段】 次式(I) 【化1】 で表わされる2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類を製造するため、次式(II) 【化2】 の2−ブチン−1,4−ジオール類の炭酸エステルをア
ルコールR−OHとパラジウム−ホスフィン触媒の存在
下に、一酸化炭素でカルボニル化反応させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、2,3−
ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン類の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の
発明は、ブタジエン誘導体として、アクリル酸エステル
類のカップリング体としての構造を持ち、各種化学品の
合成原料、合成中間体等として有用な、2,3−ジアル
コキシカルボニル−1,3−ブタジエン類を高収率で安
価に大量合成することを可能とする新しい製造方法に関
するものである。
ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン類の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の
発明は、ブタジエン誘導体として、アクリル酸エステル
類のカップリング体としての構造を持ち、各種化学品の
合成原料、合成中間体等として有用な、2,3−ジアル
コキシカルボニル−1,3−ブタジエン類を高収率で安
価に大量合成することを可能とする新しい製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】2,3−ジアルコキシカルボニル−1,
3−ブタジエン類、すなわちビス(メチレン)ブタン二
酸エステル類は、電子不足型のジエン化合物として興味
のあるものであるが、このものを用いた Diels Alder反
応やマイケル付加反応が報告されているものの、その化
学的性質や応用についての検討はあまり進展していな
い。その理由としては、これまでは、2,3−ジアルコ
キシカルボニル−1,3−ブタジエン類を、簡便、安価
に大量に合成することのできる方法が知られていなかっ
たからでもある。
3−ブタジエン類、すなわちビス(メチレン)ブタン二
酸エステル類は、電子不足型のジエン化合物として興味
のあるものであるが、このものを用いた Diels Alder反
応やマイケル付加反応が報告されているものの、その化
学的性質や応用についての検討はあまり進展していな
い。その理由としては、これまでは、2,3−ジアルコ
キシカルボニル−1,3−ブタジエン類を、簡便、安価
に大量に合成することのできる方法が知られていなかっ
たからでもある。
【0003】従来では、この2,3−ジアルコキシカル
ボニル−1,3−ブタジエン類の合成方法としては、た
とえば、α−スタニルアクリレート化合物のCu(II)
促進剤による反応方法(J. Org. Chem. 1992,5
5,1857)、α−ブロモアクリレート化合物のNi
(O)促進剤化合物による反応方法(J. Am. Chem. So
c.,1981,103,6460)、2,3−ジ(ブロ
モメチル)マレエート化合物の脱ブロム反応による方法
(Synthesis,1981,873)等が知られているが、
これらの方法では、多段階の反応が必要であったり、前
駆体を高温で分解することが必要である等の欠点があ
り、合成法としては簡便でないという問題があった。
ボニル−1,3−ブタジエン類の合成方法としては、た
とえば、α−スタニルアクリレート化合物のCu(II)
促進剤による反応方法(J. Org. Chem. 1992,5
5,1857)、α−ブロモアクリレート化合物のNi
(O)促進剤化合物による反応方法(J. Am. Chem. So
c.,1981,103,6460)、2,3−ジ(ブロ
モメチル)マレエート化合物の脱ブロム反応による方法
(Synthesis,1981,873)等が知られているが、
これらの方法では、多段階の反応が必要であったり、前
駆体を高温で分解することが必要である等の欠点があ
り、合成法としては簡便でないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この出願の発
明では、以上のとおりの従来技術の問題点を解消し、各
種の化学反応、重合反応等への利用が期待される2,3
−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン類につ
いて、これをより入手しやすい化合物を原料として、簡
便な反応によって、安価にそして比較的大量に製造する
ことのできる新しい反応方法を提供することを発明の解
決すべき課題としている。
明では、以上のとおりの従来技術の問題点を解消し、各
種の化学反応、重合反応等への利用が期待される2,3
−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン類につ
いて、これをより入手しやすい化合物を原料として、簡
便な反応によって、安価にそして比較的大量に製造する
ことのできる新しい反応方法を提供することを発明の解
決すべき課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、まず第1には、次式
(I)
の課題を解決するものとして、まず第1には、次式
(I)
【0006】
【化5】
【0007】で表わされる2,3−ジアルコキシカルボ
ニル−1,3−ブタジエン類の製造方法であって、次式
(II)
ニル−1,3−ブタジエン類の製造方法であって、次式
(II)
【0008】
【化6】
【0009】で表わされる2−ブチン−1,4−ジオー
ル類の炭酸エステルを、R−OH(Rは前記と同じ)で
表わされるアルコールとパラジウム−ホスフィン系触媒
の存在下に、一酸化炭素でカルボニル化反応させること
を特徴とする2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類の製造方法を提供する。そして、この出
願の発明は、上記方法における態様として、アルコール
またはアルコールと他の有機溶媒とからなる系溶媒中で
反応させることや、パラジウム−ホスフィン触媒は、ホ
スフィン配位子を持つパラジウム錯体化合物、またはパ
ラジウム化合物とホスフィン化合物との混合物であると
すること、一酸化炭素の加圧雰囲気下で反応させること
等を特徴とする方法も提供する。
ル類の炭酸エステルを、R−OH(Rは前記と同じ)で
表わされるアルコールとパラジウム−ホスフィン系触媒
の存在下に、一酸化炭素でカルボニル化反応させること
を特徴とする2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類の製造方法を提供する。そして、この出
願の発明は、上記方法における態様として、アルコール
またはアルコールと他の有機溶媒とからなる系溶媒中で
反応させることや、パラジウム−ホスフィン触媒は、ホ
スフィン配位子を持つパラジウム錯体化合物、またはパ
ラジウム化合物とホスフィン化合物との混合物であると
すること、一酸化炭素の加圧雰囲気下で反応させること
等を特徴とする方法も提供する。
【0010】また、この出願の発明は、第2には、次式
(III)
(III)
【0011】
【化7】
【0012】で表わされる2−ブチン−1,4−ジオー
ル類を、次式(IV)
ル類を、次式(IV)
【0013】
【化8】
【0014】で表わされるハロゲノギ酸エステル類と反
応させ、得られた2−ブチン−1,4−ジオールの炭酸
エステルを前記方法に従ってカルボニル化反応させるこ
とを特徴とする2,3−ジアルコキシカルボニル−1,
3−ブタジエン類の製造方法をも提供する。
応させ、得られた2−ブチン−1,4−ジオールの炭酸
エステルを前記方法に従ってカルボニル化反応させるこ
とを特徴とする2,3−ジアルコキシカルボニル−1,
3−ブタジエン類の製造方法をも提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、以上の方法に
よって、容易に入手することのできる2−ブチン−1,
4−ジオール、そしてその炭酸エステルを原料化合物と
して用い、簡便な反応手段で、収率よく2,3−ジアル
コキシカルボニル−1,3−ブタジエン類を製造するこ
とを可能とするものであるが、以下、詳しく発明の実施
の形態について説明する。
よって、容易に入手することのできる2−ブチン−1,
4−ジオール、そしてその炭酸エステルを原料化合物と
して用い、簡便な反応手段で、収率よく2,3−ジアル
コキシカルボニル−1,3−ブタジエン類を製造するこ
とを可能とするものであるが、以下、詳しく発明の実施
の形態について説明する。
【0016】まず、目的化合物としての前記式(I)で
表わされる2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−
ブタジエン類については、Rは、置換基を有してもよい
炭化水素基であって、カルボニル化反応を阻害すること
のない適宜な炭化水素基や置換基を持ったそれらの炭化
水素のうちの任意のものであってよい。炭化水素基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、オクチル等の脂肪族炭化水素基、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル等の脂環式炭化
水素基、フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、ベ
ンジル基等の芳香脂肪族炭化水素基等が例示される。置
換基としては、カルボニル化反応を阻害せずにカルボニ
ル化反応に不活性の、たとえばニトロ基、シアノ基、カ
ルボニル基等の適宜なものが例として挙げられる。
表わされる2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−
ブタジエン類については、Rは、置換基を有してもよい
炭化水素基であって、カルボニル化反応を阻害すること
のない適宜な炭化水素基や置換基を持ったそれらの炭化
水素のうちの任意のものであってよい。炭化水素基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、オクチル等の脂肪族炭化水素基、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル等の脂環式炭化
水素基、フェニル、ナフチル等の芳香族炭化水素基、ベ
ンジル基等の芳香脂肪族炭化水素基等が例示される。置
換基としては、カルボニル化反応を阻害せずにカルボニ
ル化反応に不活性の、たとえばニトロ基、シアノ基、カ
ルボニル基等の適宜なものが例として挙げられる。
【0017】また、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、各
々、同一または別異に、水素原子、または各種の有機基
であってよい。有機基としては炭化水素基や、置換炭化
水素基、あるいは各種の置換基であってよい。炭化水素
基や置換基については、前記Rの場合と同様の、カルボ
ニル化反応を阻害せずに、カルボニル化反応に対して不
活性であるものであれば任意のものとすることができ
る。
々、同一または別異に、水素原子、または各種の有機基
であってよい。有機基としては炭化水素基や、置換炭化
水素基、あるいは各種の置換基であってよい。炭化水素
基や置換基については、前記Rの場合と同様の、カルボ
ニル化反応を阻害せずに、カルボニル化反応に対して不
活性であるものであれば任意のものとすることができ
る。
【0018】このような目的化合物としての2,3−ジ
アルコキシ−1,4−ブタジエン類に対応して、原料化
合物としての前記の式(II)の2−ブチン−1,4−ジ
オール類の炭酸エステルがこの発明の製造方法において
用いられる。この炭酸エステルそのものについては、た
とえば前記の式(III)で表わされる容易に入手できる2
−ブチン−1,4−ジオール類を、式(IV)のハロゲノ
ギ酸エステル類と、たとえばアミン化合物の存在下に反
応させることで容易に合成することができる。
アルコキシ−1,4−ブタジエン類に対応して、原料化
合物としての前記の式(II)の2−ブチン−1,4−ジ
オール類の炭酸エステルがこの発明の製造方法において
用いられる。この炭酸エステルそのものについては、た
とえば前記の式(III)で表わされる容易に入手できる2
−ブチン−1,4−ジオール類を、式(IV)のハロゲノ
ギ酸エステル類と、たとえばアミン化合物の存在下に反
応させることで容易に合成することができる。
【0019】なお、符号R5 については、前記Rと同じ
であってもよいし、別異であってもよい。異なる場合で
も、前記Rと同様の置換基を有してもよい炭化水素基の
うちの任意のものとすることができる。原料化合物とし
ての前記の式(II)で表わされる2−ブチン−1,4−
ジオール類の炭酸エステルを用いてのこの発明カルボニ
ル化反応は、アルコールR−OH(Rは前記と同じもの
を示す)の存在下に行う。このアルコールR−OHは、
カルボニル化反応の反応剤として欠かせないものである
が、反応溶媒として用いるのが実際的である。この意味
においては、アルコールは、前記の原料化合物に対して
過剰割合で、たとえば5〜100倍モル以上の割合で使
用することが好ましい。
であってもよいし、別異であってもよい。異なる場合で
も、前記Rと同様の置換基を有してもよい炭化水素基の
うちの任意のものとすることができる。原料化合物とし
ての前記の式(II)で表わされる2−ブチン−1,4−
ジオール類の炭酸エステルを用いてのこの発明カルボニ
ル化反応は、アルコールR−OH(Rは前記と同じもの
を示す)の存在下に行う。このアルコールR−OHは、
カルボニル化反応の反応剤として欠かせないものである
が、反応溶媒として用いるのが実際的である。この意味
においては、アルコールは、前記の原料化合物に対して
過剰割合で、たとえば5〜100倍モル以上の割合で使
用することが好ましい。
【0020】なお、溶媒としては、これらのアルコール
単独、あるいはアルコールにテトラヒドロフラン、エー
テル、ジオキサン、ベンゼン、DMF、DMSO等の他
の有機溶媒を加えたものであってもよい。そして、反応
にはパラジウム−ホスフィン系触媒が用いられるが、こ
の触媒は、ホスフィン化合物を配位子とするパラジウム
錯体化合物であってよいし、またはパラジウム化合物と
ホスフィン化合物との混合物として反応系に加えてもよ
い。いずれの場合にも、ホスフィン化合物としては、ト
リフェニルホスフィン(PPh3 )、トリブチルホスフ
ィン(PBu3 )、トリトリルホスフィン(P(to
l)3 )等の単座配位ホスフィン、ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン(dppe)、ビス(ジフェニルホス
フィノ)プロパン(dppp)、ビス(ジフェニルホス
フィノ)ブタン等の二座配位ホスフィン等のうちの適宜
なものが用いられる。なかでも、入手容易で活性の大き
な単座配位ホスフィン、特にトリフェニルホスフィン
(PPh3 )が好適なものとして挙げられる。
単独、あるいはアルコールにテトラヒドロフラン、エー
テル、ジオキサン、ベンゼン、DMF、DMSO等の他
の有機溶媒を加えたものであってもよい。そして、反応
にはパラジウム−ホスフィン系触媒が用いられるが、こ
の触媒は、ホスフィン化合物を配位子とするパラジウム
錯体化合物であってよいし、またはパラジウム化合物と
ホスフィン化合物との混合物として反応系に加えてもよ
い。いずれの場合にも、ホスフィン化合物としては、ト
リフェニルホスフィン(PPh3 )、トリブチルホスフ
ィン(PBu3 )、トリトリルホスフィン(P(to
l)3 )等の単座配位ホスフィン、ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン(dppe)、ビス(ジフェニルホス
フィノ)プロパン(dppp)、ビス(ジフェニルホス
フィノ)ブタン等の二座配位ホスフィン等のうちの適宜
なものが用いられる。なかでも、入手容易で活性の大き
な単座配位ホスフィン、特にトリフェニルホスフィン
(PPh3 )が好適なものとして挙げられる。
【0021】これらのホスフィンを配位子とするパラジ
ウム錯体からなる触媒の場合には、Pd(O)化合物と
して、Pd(PPh3 )4 、Pd(PBu3 )4 等とし
て用いられる。また、触媒が、パラジウム化合物とホス
フィン化合物との混合物として用いられる場合には、P
d(II)化合物としての有機酸塩、塩酸塩、硝酸塩、錯
体等として、ホスフィン化合物とともに使用される。こ
の場合のPd(II)化合物としては、たとえばPd(O
Ac)2 ,PdCl2 ,Pd(NO3 )2 ,Pd(ac
ac)2 等が例示される。
ウム錯体からなる触媒の場合には、Pd(O)化合物と
して、Pd(PPh3 )4 、Pd(PBu3 )4 等とし
て用いられる。また、触媒が、パラジウム化合物とホス
フィン化合物との混合物として用いられる場合には、P
d(II)化合物としての有機酸塩、塩酸塩、硝酸塩、錯
体等として、ホスフィン化合物とともに使用される。こ
の場合のPd(II)化合物としては、たとえばPd(O
Ac)2 ,PdCl2 ,Pd(NO3 )2 ,Pd(ac
ac)2 等が例示される。
【0022】反応系に存在する触媒は、前記のホスフィ
ン配位子を有するパラジウム錯体化合物、パラジウム化
合物とホスフィン化合物との混合物の各々としてでもよ
いし、あるいは両者の共存、さらにはパラジウム錯体化
合物とホスフィン化合物との共存としてあってもよい。
反応系における、パラジウム−ホスフィン触媒について
は、通常は、Pd/ホスフィンのモル比として、1/1
〜1/10、より好ましくは1/2〜1/8程度とす
る。前記の式(II)の原料化合物2−ブチン−1,4−
ジオール類の炭酸エステルに対する触媒の使用量につい
ては、触媒が0.5〜30モル%程度の割合で存在させ
るのが好ましい。さらには、1〜20モル%程度で存在
させるのが好ましい。
ン配位子を有するパラジウム錯体化合物、パラジウム化
合物とホスフィン化合物との混合物の各々としてでもよ
いし、あるいは両者の共存、さらにはパラジウム錯体化
合物とホスフィン化合物との共存としてあってもよい。
反応系における、パラジウム−ホスフィン触媒について
は、通常は、Pd/ホスフィンのモル比として、1/1
〜1/10、より好ましくは1/2〜1/8程度とす
る。前記の式(II)の原料化合物2−ブチン−1,4−
ジオール類の炭酸エステルに対する触媒の使用量につい
ては、触媒が0.5〜30モル%程度の割合で存在させ
るのが好ましい。さらには、1〜20モル%程度で存在
させるのが好ましい。
【0023】Pd/ホスフィンのモル比、並びに原料化
合物に対する触媒の使用割合が上記の範囲未満の場合に
は充分な触媒作用は得られず、また上記範囲を超えて
も、それ以上の作用効果は得られない。過剰な触媒の添
加は、反応後の分離精製にとって好ましくもない。カル
ボニル化反応は、一酸化炭素の雰囲気下において実施さ
れるが、この場合の一酸化炭素の圧力は、常圧から10
0気圧程度までを目安とすることができ、常圧でも反応
は進行するが、効率的に反応を進めるためには、5〜3
0気圧程度の加圧雰囲気とするのがよい。圧力があまり
過大となると、設備面等での負担が増加することからも
好ましくない。
合物に対する触媒の使用割合が上記の範囲未満の場合に
は充分な触媒作用は得られず、また上記範囲を超えて
も、それ以上の作用効果は得られない。過剰な触媒の添
加は、反応後の分離精製にとって好ましくもない。カル
ボニル化反応は、一酸化炭素の雰囲気下において実施さ
れるが、この場合の一酸化炭素の圧力は、常圧から10
0気圧程度までを目安とすることができ、常圧でも反応
は進行するが、効率的に反応を進めるためには、5〜3
0気圧程度の加圧雰囲気とするのがよい。圧力があまり
過大となると、設備面等での負担が増加することからも
好ましくない。
【0024】反応温度については、室温から100℃程
度の、比較的温和な条件でよい。実際的には、反応を効
率的に進めるために、30〜70℃程度に加温するのが
好ましい。反応時間は各種条件によっても異なるが、通
常は、0.5〜5時間程度であってよい。カルボニル化
反応の終了後は、溶媒を留去し、減圧蒸留する等の各種
の常法によって目的とする2,3−ジアルコキシカルボ
ニル−1,3−ブタジエン類を容易に取得することがで
きる。
度の、比較的温和な条件でよい。実際的には、反応を効
率的に進めるために、30〜70℃程度に加温するのが
好ましい。反応時間は各種条件によっても異なるが、通
常は、0.5〜5時間程度であってよい。カルボニル化
反応の終了後は、溶媒を留去し、減圧蒸留する等の各種
の常法によって目的とする2,3−ジアルコキシカルボ
ニル−1,3−ブタジエン類を容易に取得することがで
きる。
【0025】そこで以下、実施例を示し、さらに詳しく
この出願の発明について説明する。
この出願の発明について説明する。
【0026】
【実施例】実施例1 磁気攪拌手段を備えた容量50mlのステンレス製オー
トクレーブに、前記式(II)においてR=C2 H5 の2
−ブチン−1,4−ジオールのエチル炭酸エステル化合
物(0.96mmol)、エタノール(5ml)および
触媒としての酢酸パラジウム(Pd(OAc)2 (0.
05mmol)とトリフェニルホスフィン(PPh3 )
(0.10mmol)を入れ、内部空気を一酸化炭素
(CO)によって置換した後に、一酸化炭素10atm
を圧入し、50℃に加熱して3.5時間攪拌して反応さ
せた。
トクレーブに、前記式(II)においてR=C2 H5 の2
−ブチン−1,4−ジオールのエチル炭酸エステル化合
物(0.96mmol)、エタノール(5ml)および
触媒としての酢酸パラジウム(Pd(OAc)2 (0.
05mmol)とトリフェニルホスフィン(PPh3 )
(0.10mmol)を入れ、内部空気を一酸化炭素
(CO)によって置換した後に、一酸化炭素10atm
を圧入し、50℃に加熱して3.5時間攪拌して反応さ
せた。
【0027】反応終了後、反応混合液を濾過し、エタノ
ールを留去した。3mmHgでの減圧蒸留によって、
2,3−ジエトキシカルボニル−1,3−ブタジエンを
70%の収率で得た。また、このものの物性値は次のと
おりであった。
ールを留去した。3mmHgでの減圧蒸留によって、
2,3−ジエトキシカルボニル−1,3−ブタジエンを
70%の収率で得た。また、このものの物性値は次のと
おりであった。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 実施例1において、トリフェニルホスフィンの使用量を
0.20mmolに変更して同様にして反応を行った。
その結果、収率60%において、2,3−ジエトキシカ
ルボニル−1,3−ブタジエンを得た。比較例1 実施例1において、トリフェニルホスフィンを添加する
ことなく同様にして反応を行った。
0.20mmolに変更して同様にして反応を行った。
その結果、収率60%において、2,3−ジエトキシカ
ルボニル−1,3−ブタジエンを得た。比較例1 実施例1において、トリフェニルホスフィンを添加する
ことなく同様にして反応を行った。
【0030】2,3−ジエトキシカルボニル−1,3−
ブタジエンの生成は確認できなかった。比較例2 原料化合物として2−ブチン−1,4−ジオール(0.
96mmol)を用いて、エタノール(5ml)の共存
下に、触媒として酢酸パラジウム(0.05mmo
l)、トリフェニルホスフィン(0.10mmol)、
沃素(0.05mmol)を添加し、一酸化炭素45a
tm、100℃の温度の条件下に3.5時間反応させ
た。実施例1に比べより高圧、高温での反応にもかかわ
ず、2,3−ジエトキシカルボニル−1,3−ブタジエ
ンの収率は23%にしかすぎなかった。 実施例3 実施例1において、原料の2−ブチン−1,4−ジオー
ルの炭酸エステル化合物として、メチルエステル(R=
CH3 )(1.61mmol)を用い、溶媒としてメタ
ノール(5ml)を用いて反応を行った。
ブタジエンの生成は確認できなかった。比較例2 原料化合物として2−ブチン−1,4−ジオール(0.
96mmol)を用いて、エタノール(5ml)の共存
下に、触媒として酢酸パラジウム(0.05mmo
l)、トリフェニルホスフィン(0.10mmol)、
沃素(0.05mmol)を添加し、一酸化炭素45a
tm、100℃の温度の条件下に3.5時間反応させ
た。実施例1に比べより高圧、高温での反応にもかかわ
ず、2,3−ジエトキシカルボニル−1,3−ブタジエ
ンの収率は23%にしかすぎなかった。 実施例3 実施例1において、原料の2−ブチン−1,4−ジオー
ルの炭酸エステル化合物として、メチルエステル(R=
CH3 )(1.61mmol)を用い、溶媒としてメタ
ノール(5ml)を用いて反応を行った。
【0031】2,3−ジメトキシカルボニル−1,3−
ブタジエンを収率51%で得た。実施例4 実施例1において、原料のエチル炭酸エステル化合物を
1.01mmol用い、溶媒としてメタノール(5m
l)を用いて反応を行った。その結果、2,3−ジメト
キシカルボニル−1,3−ブタジエンを収率63%で得
た。
ブタジエンを収率51%で得た。実施例4 実施例1において、原料のエチル炭酸エステル化合物を
1.01mmol用い、溶媒としてメタノール(5m
l)を用いて反応を行った。その結果、2,3−ジメト
キシカルボニル−1,3−ブタジエンを収率63%で得
た。
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、より温和な条件下で、簡便に、高収率で
2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン
類を製造することができ、このものの安価で、大量の供
給が可能になる。
発明によって、より温和な条件下で、簡便に、高収率で
2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン
類を製造することができ、このものの安価で、大量の供
給が可能になる。
Claims (5)
- 【請求項1】 次式(I) 【化1】 で表わされる2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類の製造方法であって、次式(II) 【化2】 で表わされる2−ブチン−1,4−ジオール類の炭酸エ
ステルを、R−OH(Rは前記と同じ)で表わされるア
ルコールとパラジウム−ホスフィン系触媒の存在下に、
一酸化炭素でカルボニル化反応させることを特徴とする
2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン
類の製造方法。 - 【請求項2】 アルコールまたはアルコールと他の有機
溶媒からなる溶媒中で反応させる請求項1の2,3−ジ
アルコキシカルボニル−1,3−ブタジエン類の製造方
法。 - 【請求項3】 パラジウム−ホスフィン系触媒は、ホス
フィン配位子を持つパラジウム錯体化合物、またはパラ
ジウム化合物とホスフィン配位子化合物との混合物とす
る請求項1の2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3
−ブタジエン類の製造方法。 - 【請求項4】 一酸化炭素の加圧雰囲気下で反応させる
請求項1の2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−
ブタジエン類の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの方法にお
いて、次式(III) 【化3】 で表わされる2−ブチン−1,4−ジオール類を、次式
(IV) 【化4】 で表わされるハロゲノギ酸エステル類と反応させ、得ら
れた2−ブチン−1,4−ジオールの炭酸エステルをカ
ルボニル化反応させることを特徴とする2,3−ジアル
コキシカルボニル−1,3−ブタジエン類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056724A JPH10251201A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジ エン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056724A JPH10251201A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジ エン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251201A true JPH10251201A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13035453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9056724A Pending JPH10251201A (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 2,3−ジアルコキシカルボニル−1,3−ブタジ エン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10251201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117659769A (zh) * | 2023-12-01 | 2024-03-08 | 宁波旺氏环保材料有限公司 | 一种连接料及其制备方法和应用 |
-
1997
- 1997-03-11 JP JP9056724A patent/JPH10251201A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117659769A (zh) * | 2023-12-01 | 2024-03-08 | 宁波旺氏环保材料有限公司 | 一种连接料及其制备方法和应用 |
CN117659769B (zh) * | 2023-12-01 | 2024-05-31 | 宁波旺氏环保材料有限公司 | 一种连接料及其制备方法和应用 |
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