JPH10251122A - 酵素複合体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

酵素複合体及びこれを配合した化粧料

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JPH10251122A
JPH10251122A JP7071897A JP7071897A JPH10251122A JP H10251122 A JPH10251122 A JP H10251122A JP 7071897 A JP7071897 A JP 7071897A JP 7071897 A JP7071897 A JP 7071897A JP H10251122 A JPH10251122 A JP H10251122A
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colloidal
complex
cosmetic
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JP7071897A
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Yukiko Hashimoto
由紀子 橋本
Hiroshi Fukui
寛 福井
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧料中における酵素活性の経時的安定性を向
上させる手段を提供し、さらに液状の系内において均一
に分散した状態を保つ手段を提供すること。 【解決手段】その粒径が200nm以下のコロイド状微粒
子にイオン的相互作用により酵素を複合化してなる微粒
子・酵素複合体、特にコロイド状微粒子が化粧料として
許容される範囲のpHにおいて、その粒径が200nm以
下のコロイド状微粒子が正又は負の電荷を帯びるコロイ
ド状微粒子であり、かつ複合化する酵素の,その活性と
は直接関係を持たない部分がこのコロイド状微粒子にお
ける電荷とは逆の電荷を帯びる酵素と,前記微粒子との
微粒子・酵素複合体、並びにこの酵素複合体を配合した
化粧料を提供することによって、上記の課題が解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に化粧料の配合
成分として有用な酵素の早期の失活を防ぐ目的から、こ
の酵素とコロイド状の微粒子を複合化させてなる微粒子
・酵素複合体、及びこの微粒子・酵素複合体を含んでな
る化粧料に関する技術分野に属する発明である。より詳
細には、この微粒子と酵素の複合化の手段としてイオン
的相互作用を用いて複合化させてなる微粒子・酵素複合
体、及びこの微粒子・酵素複合体を含んでなる化粧料に
関する技術分野に属する発明である。
【0002】
【従来の技術】近年、化粧料をより機能的にするため
に、その有効成分として種々の生体由来成分を用いる試
みがなされている。この生体由来成分の代表的なものと
して、いわば生体における触媒的な役割を担っている酵
素を化粧料に配合することの有用性がクローズアップさ
れている。例えば、角質層によって皮膚は保護されてい
るという面が大きいが、この著しく堆積した角質層にお
ける角化した表皮細胞であるスケールが皮膚上に残存す
ることで皮膚の表面が粉をふいたようになり,感触及び
外観が損なわれるという一面も有している。よって、こ
のスケールを除去することができれば、この面で肌状態
を良好に保つことができるのであるが、このスケールの
除去にはプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が非常に
有効であることが知られている。
【0003】また、この角質層は角質細胞からなり、角
質細胞間は脂質によって満たされ、細胞同士の接着には
タンパク質が関与していることが、近年証明されつつあ
る(特開平8−38175号公報等参照のこと)。セリ
ンプロテアーゼは、この細胞間接着タンパク質に作用し
角質細胞の剥離に作用しているため、その機能が低下す
ると落屑が発生したり肌あれ状態を生じることになる。
従って、セリンプロテアーゼを角質に供給することによ
り、異常な角化や角質層のターンオーバーの異常をコン
トロールし、表皮を適正な状態に維持することができる
と考えられている。しかしながらこのプロテアーゼをは
じめとした酵素は、各種の薬品,pH,温度等に対し極
めて不安定である。そのため、これらの酵素をそのまま
化粧料に配合すると,その失活が早まり、使用時初期は
おろか,貯蔵中や製造中においても失活してしまい、配
合した酵素の効果を化粧料使用時に期待することは困難
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような技術的背景
において、化粧料中における酵素の安定性を向上させる
等の目的から、各種の酵素を様々な担体と複合化する試
みが従来から行われているが、未だ十分満足の行く段階
には達していないのが現状である。また、担体と複合化
した酵素は、化粧水等の液状の剤型中で均一に分散した
状態を保つのが難しいという問題がある。
【0005】そこで本発明が解決すべき課題は、化粧料
中における酵素活性の経時的安定性を向上させる手段を
提供し、さらに液状の系内において均一に分散した状態
を保つ手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、液状の系内
において均一に分散させるために,その粒径が200nm
以下のコロイド状微粒子を担体として、さらにこのコロ
イド状の微粒子と酵素とを、各々の荷電性に基づくイオ
ン的相互作用に着目して、酵素の活性中心が基質と接触
しやすい位置関係で複合化することにより、系内での酵
素活性の経時的安定性を飛躍的に向上させ得ることを見
出して、本発明を完成した。すなわち本発明者は、以下
の発明を本願において提供する。
【0007】請求項1において、その粒径が200nm以
下のコロイド状微粒子にイオン的相互作用により酵素を
複合化してなる微粒子・酵素複合体を提供する。
【0008】請求項2において、コロイド状微粒子が化
粧料として許容される範囲のpHにおいて、その粒径が
200nm以下のコロイド状微粒子が正又は負の電荷を帯
びるコロイド状微粒子であり、かつ複合化する酵素の,
その活性とは直接関係を持たない部分がこのコロイド状
微粒子における電荷とは逆の電荷を帯びる酵素である、
前記請求項1記載の微粒子・酵素複合体を提供する。
【0009】請求項3において、その粒径が200nm以
下のコロイド状微粒子が,金属酸化物のコロイド状微粒
子又はケイ酸塩鉱物のコロイド状微粒子である、前記請
求項1又は請求項2記載の微粒子・酵素複合体を提供す
る。
【0010】請求項4において、複合化する酵素がプロ
テアーゼである前記請求項1乃至請求項3のいずれかの
請求項記載の微粒子・酵素複合体を提供する。
【0011】請求項5において、プロテアーゼがセリン
プロテアーゼである、前記請求項4記載の微粒子・酵素
複合体を提供する。
【0012】請求項6において、その粒径が200nm以
下のコロイド状微粒子がpH3から11の範囲内のpH
において,正の電荷を帯びるコロイド状微粒子である、
前記請求項1乃至請求項5のいずれかの請求項記載の微
粒子・酵素複合体を提供する。
【0013】請求項7において、その粒径が200nm以
下のコロイド状微粒子が、少なくとも表層にアルミナが
存在するコロイド状微粒子である、前記請求項6記載の
微粒子・酵素複合体を提供する。
【0014】請求項8において、セリンプロテアーゼが
トリプシンである、前記請求項6又は請求項7記載の微
粒子・酵素複合体を提供する。
【0015】請求項9において、前記請求項1乃至請求
項8のいずれかの請求項に記載の微粒子・酵素複合体を
含んでなる化粧料を提供する。
【0016】請求項10において、前記請求項1乃至請
求項8のいずれかの請求項に記載の微粒子・酵素複合体
及び保湿剤を含んでなる化粧料を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 A.本発明複合体について:本発明は、その粒径が20
0nm以下のコロイド状微粒子にイオン的相互作用により
酵素を複合化してなる微粒子・酵素複合体(以下,本発
明複合体という)に関する発明である。
【0018】本発明複合体の構成要素の一つである微粒
子は、複合化させるべき酵素とイオン的相互作用で結合
させることが可能な微粒子であれば特に限定されない。
このイオン的相互作用に関わる条件を満たすには、この
微粒子が化粧料として許容される範囲のpHにおいて,
正又は負の電荷を有することが必要になる。なお、「化
粧料として許容される範囲のpH」は、一般的にはpH
3〜11の範囲内である。
【0019】また、化粧料に配合するには、コロイド状
のゾルとしての形態をとることが好ましく、また液状の
系内において均一に分散した状態を保つためには、微粒
子の粒径が200nm以下程度であることが必要である。
なお、粒径の下限については特に制約はないが、1nm以
下は入手が困難である
【0020】上記のゾルとしては、例えば二酸化ケイ素
(シリカ)ゾル,アルミナゾル,ジルコニアゾル,酸化
鉄ゾル,亜鉛華ゾル,二酸化チタン(チタニア)ゾル等
の金属酸化物のゾル;金のゾル,銀のゾル等の金属ゾ
ル;カオリン族,モンモリロナイト族ゾル,モンモリロ
ナイト族,粘土雲母族等のケイ酸塩鉱物のゾル等を例示
可能であり、さらにこれらのゾルに限定されるものでも
ないが、その一般的な入手容易性を考慮すると金属酸化
物のゾルが好ましい。なお、この金属酸化物ゾルは系内
で水和されている状態でもよい。
【0021】なお、本発明複合体の構成要素である微粒
子は、上記のような1種類の素材の微粒子以外にも、2
種類以上の素材が混合した微粒子や2種類以上の素材が
コーティング処理等により複合化している微粒子や、そ
の表面を有機基で置換する等の処理が施されている微粒
子も本発明複合体の構成要素としての微粒子とすること
ができる。
【0022】これらの微粒子が、系内において正又は負
のいずれの電荷を有するかは、その微粒子の素材自体の
性質と、系内のpHによって概ね決定付けられる。例え
ば、チタニア等電点はpH6〜7,二酸化スズの等電点
はpH6〜7,酸化亜鉛の等電点はpH9〜10,酸化
マグネシウムの等電点はpH12〜13,シリカの等電
点はpH1.5〜2.5,アルミナの等電点はpH9〜
10である。
【0023】このような微粒子の電気的性質に基づい
て、例えばシリカの微粒子はpH9〜10付近におい
て,負電荷を帯び、アルミナの微粒子はpH4〜6付近
において,正電荷を帯びる。
【0024】上記の微粒子は、それぞれの素材の微粒子
において通常公知の方法を用いて製造することができ
る。例えば、上記金属酸化物ゾルにおいて、アルミナゾ
ルは、塩化アルミニウム,硫酸アルミニウム等のアルミ
ニウム塩を含む水溶液に、アンモニア水,水酸化ナトリ
ウム水溶液等の塩基性水溶液を添加して、水和酸化アル
ミニウムゾルを調製することができる。
【0025】また、シリカゾルは、金属ケイ素,水ガラ
ス又はアルコキシシラン等のケイ素化合物を用いて,ま
ずケイ酸の溶液を生成させ、つぎにこのケイ酸の重合に
よりコロイドサイズのシリカ粒子を成長させ、このコロ
イド粒子がゲル化しないための安定化処理を行い、さら
に濃縮して、所望のシリカゾルを調製することができ
る。これらに準じた方法によって、他の金属における金
属酸化物のゾルを得ることができる。
【0026】なおこれらのゾルは、本発明複合体を形成
させる際には、水溶液又は多価アルコールの分散液とし
て用いられる。上記の微粒子の市販品としては、例えば
シリカゾルでは日産化学工業社製のST−30,ST−
SX,ST−O等の他、触媒化成工業社製、デュポン社
製等のシリカゾルを挙げることができる。またアルミナ
ゾルでは、例えば日産化学工業社製のAS−100,A
S−200,AS−520等の他、触媒化成工業社製、
日揮ユニバーサル社製等のアルミナゾルを挙げることが
できる。またアルミナ被覆シリカゾルでは、例えば日産
化学工業社製のST−AK等を挙げることができる。
【0027】上述した、その粒径が200nm以下のコロ
イド状微粒子にイオン的相互作用によって複合化する酵
素としては特に限定されるものではないが、本発明複合
体の主要な用途は化粧料の配合成分としての用途である
ことを鑑みると、代表的な酵素として、例えばプロテア
ーゼ,アミラーゼ,リパーゼ等を挙げることができる。
【0028】タンパク質分解酵素であるプロテアーゼ
は、前述のように皮膚のスケールの除去や皮膚の角化異
常や角質層のターンオーバーの異常をコントロールし、
表皮の適正な状態の維持を図ることができる。
【0029】本発明おいては各種のプロテアーゼを用い
ることが可能であり、例えばトリプシン,キモトリプシ
ン等のセリンプロテアーゼ;パパイン,キモパパイン,
ブロメライン,フィシン,アクチニジン等のチオールプ
ロテアーゼ等を用いることができる。
【0030】本発明においては、これらのプロテアーゼ
のうちセリンプロテアーゼが、角質のターンオーバーに
関与しており、この点で選択することが好ましい。ま
た、セリンプロテアーゼの中でも、トリプシンを選択す
ることが好ましい。
【0031】糖質分解酵素であるアミラーゼは,皮膚の
汚れの原因である糖質を分解することが可能であり、脂
質分解酵素であるリパーゼは,皮膚上の過剰な皮脂及び
皮膚の汚れの原因である脂質を分解することが可能であ
る。これらの酵素は、通常公知の方法により天然物から
抽出することも可能であり、市販品を用いることも可能
である。
【0032】本発明複合体は、上述の微粒子と酵素とを
イオン的相互作用で結合させることにより作出すること
ができる。ただし本発明複合体が、「系内での酵素活性
の経時的安定性を飛躍的に向上させ得る」という所期の
効果を十分に発揮するには、コロイド状微粒子が化粧料
として許容される範囲のpHにおいて、上記微粒子が正
又は負の電荷を帯びるコロイド状微粒子であり、かつ複
合化する酵素の,その活性とは直接関係を持たない部分
がこのコロイド状微粒子における電荷とは逆の電荷を帯
びる酵素であることが好ましい。
【0033】すなわち、仮に微粒子が帯びている電荷
と、酵素の活性中心付近が帯びている電荷が異なる電荷
である場合には、その酵素の活性中心と微粒子が引き合
って、その結果その酵素の活性中心が微粒子により隠蔽
されることになり、所望する酵素活性をその酵素に発揮
させること自体が困難になるおそれがある。かかる点に
おいて、本発明複合体の形成の際には、上述の微粒子と
上記酵素との組み合わせは、このような電荷の組み合わ
せに十分考慮して選択することが好ましい。
【0034】このような好適な上述の微粒子と上記酵素
との組み合わせとしては、例えば正に帯電している状態
のコロイド状微粒子であるアルミナゾルやチタニアゾル
と、その活性とは直接関係ないと考えられている部分が
負に帯電している状態のセリンプロテアーゼであるトリ
プシンを挙げることができる。本発明複合体は、上述の
微粒子と酵素とを系の中で共存させることで、互いのイ
オン的相互作用によりこれらを結合させることで製造す
ることができる。
【0035】例えば、酵素を溶解させた緩衝液に、微粒
子を添加して混合して,放置することにより,容易に製
造することができる。また、本発明複合体を形成させる
際の上述の微粒子と酵素との重量比は、〔微粒子:酵
素〕で1:1から1000:1、好ましくは5:1から
500:1の範囲である。このようにして得られたプロ
テアーゼ複合体は、凍結乾燥、ゲル化、凝集分離などに
よる回収も可能である。
【0036】B.本発明化粧料について:本発明複合体
を化粧料に配合することにより、その化粧料において,
その本発明複合体において複合化した酵素の有する性質
を発揮させ、なおかつその性質を長期間持続させること
が可能になる。すなわち本発明は、上記本発明複合体を
含んでなる化粧料(以下,本発明化粧料という)を提供
する。
【0037】本発明化粧料における上記本発明複合体の
配合量は、本発明複合体を構成する酵素の種類,複合体
1単位当りの酵素量,化粧料の剤型,目的等に応じて適
宜選択されるものであり、特に限定されるものではな
い。
【0038】例えば、上記のアルミナゾルとトリプシン
との複合体の場合は、概ね化粧料全体の0.1重量%以
上,10.0重量%以下、好ましくは同0.2重量%以
上,5.0重量%以下である。
【0039】化粧料全体の0.1重量%未満では、トリ
プシンによる所望の肌改善効果を発揮させることが困難
であり好ましくなく、同10.0重量%を超えて配合し
ても配合量の増大に見合った効果の向上が認められなく
なり好ましくない。
【0040】このように、化粧料中に上記の本発明複合
体を配合することにより、その複合体を構成する酵素の
酵素活性を長時間持続させることが可能になる。また、
本発明複合体を構成する微粒子の径は200nm以下と非
常に細かいため、特に本発明化粧料の剤型が化粧水等の
水系の剤型である場合の分散性において非常に優れてい
る。
【0041】この本発明化粧料に、さらに保湿剤を組み
合わせて配合することにより皮膚の角質層の水分量を増
加させることで、化粧量中に配合した本発明複合体にお
ける酵素活性を角質層において向上させることが可能で
ある。
【0042】例えば、本発明複合体の酵素がトリプシン
又はキモトリプシン等のプロテアーゼである場合は、保
湿剤との組み合わせて化粧料中に配合することにより、
角質層のターンオーバーを一層促進させて、皮膚の状態
を良好な状態に向けることが可能である。
【0043】この本発明化粧料中に、上記本発明複合体
と組み合わせて配合する保湿剤は、特に限定されるもの
ではなく、化粧料中に一般的に保湿剤として配合されて
いるものを広く配合することができる。
【0044】例えば、ポリエチレングリコール,プロピ
レングリコール,ジプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール,ヘキシレングリコール,グリセリ
ン,エリスリトール,ジグリセリン,キシリトール,マ
ルチトール,マルトース,D−マンニット,水アメ,ブ
ドウ糖,果糖,乳糖,コンドロイチン硫酸ナトリウム,
ヒアルロン酸ナトリウム,アデノシンリン酸ナトリウ
ム,乳酸ナトリウム,胆汁酸塩,ピロリドンカルボン酸
塩,グルコサミン,シクロデキストリン,トレハロース
等を挙げることができる。
【0045】これらの保湿剤を選択する際には、組み合
わせて配合する本発明複合体に結合している酵素の性質
等に応じて、組み合わせ配合による相乗作用を可能な限
り発揮させ得る保湿剤を選択することが好ましい。
【0046】例えば、本発明複合体の酵素がトリプシン
又はキモトリプシン等のプロテアーゼである場合は、保
湿剤としてグリセリン及び/又はジプロピレングリコー
ルを組み合わせて配合することが好ましい。
【0047】本発明化粧料におけるこれらの保湿剤の配
合量は、本発明化粧料中に配合する上記本発明複合体の
酵素の種類や,具体的に選択する保湿剤の種類等に応じ
て適宜選択されるべきものであり、特に限定されるもの
ではないが、概ね化粧料全体の0.1重量%以上,5
0.0重量%以下、好ましくは同0.5重量%以上,3
0.0重量%以下である。
【0048】配合量が化粧料全体の0.1重量%未満で
あると、保湿剤の配合による上記の相乗効果が発揮され
難く好ましくなく、50.0重量%を超えて配合する
と、配合量の増加に見合った上記の相乗効果が発揮され
難いばかりか,その保湿剤自身のべたついた使用感が顕
著に現れる傾向が強くなり好ましくない。
【0049】このようにして化粧料中に、本発明複合体
と保湿剤とを組み合わせて配合することにより、本発明
複合体が本発明化粧料において発揮すべき作用をより一
層向上させることができる。
【0050】本発明化粧料中には、上記成分の他に、一
般的に化粧料中に配合される薬効成分や基剤成分を本発
明の所期の効果を損なわない限り配合することができ
る。本発明化粧料に紫外線防御効果を付与するために配
合される紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息
香酸等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラ
ミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリ
チル酸オクチル,サリチル酸フェニル,サルチル酸ホモ
メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケ
イ皮酸イソプロピル,パラメトキシケイ皮酸オクチル,
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル,ジパラメト
キシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル,
〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−
メチルブチル〕−3,4,5,−トリメトキシケイ皮酸
エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−トキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸ウロカニン酸エ
チル,2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール,2
−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール,4−tert−ブチル−4’−メトキシジベ
ンゾイルメタン等を配合することができる。
【0051】本発明化粧料に所望の薬効を付与するため
の薬効成分及び/又は動植物の抽出液を配合することが
できる。薬効成分としては、例えばビタミンA油,レチ
ノール,パルミチン酸レチノール,イノシット,塩酸ピ
リドキシン,ニコチン酸ベンジル,ニコチン酸アミド,
ニコチン酸DL−α−トコフェロール,アスコルビン酸
リン酸マグネシウム,ビタミンD2(エルゴカシフェノ
ール),dl−α−トコフェノール,酢酸dl−α−ト
コフェノール,パントテン酸,ビオチン等のビタミン
類;エストラジオール,エチニルエストラジオール等の
ホルモン類;アルギニン,アスパラギン酸,シスチン,
システイン,メチオニン,セリン,ロイシン,トリプト
ファン等のアミノ酸類;アラントイン,グリチルレチン
酸,アズレン等の坑炎症剤;アルブチン等の美白剤;酸
化亜鉛,タンニン酸等の収斂剤;L−メントール,カン
フル等の清涼剤;イオウ,塩化リゾチーム,塩酸ピリド
キシン,γ−オリザノール等を配合することができる。
【0052】動植物の抽出液としては,例えばドクダミ
エキス,オウバクエキス,メリロートエキス,オドリコ
ソウエキス,カンゾウエキス,シャクヤクエキス,ザボ
ンソウエキス,ヘチマエキス,キナエキス,ユキノシタ
エキス,クララエキス,コウホネエキス,ウイキョウエ
キス,サクラソウエキス,バラエキス,ジオウエキス,
レモンエキス,シコンエキス,アロエエキス,ショウブ
根エキス,ユーカリエキス,スギナエキス,セージエキ
ス,タイムエキス,茶エキス,海藻エキス,キューカン
バーエキス,チョウジエキス,キイチゴエキス,メリッ
サエキス,ニンジンエキス,カロットエキス,マロニエ
エキス,モモエキス,桃葉エキス,クワエキス,ヤグル
マギクエキス,ハマメリス抽出液,プラセンタエキス,
胸線抽出物,シルク抽出液等を配合することができる。
【0053】一般的な基剤成分は、所望する本発明化粧
料の剤型に応じて選択することができる。すなわち、低
級アルコール,界面活性剤,水溶性高分子,金属イオン
封鎖剤,中和剤,pH調整剤,酸化防止剤,抗菌剤,液
体油脂,固体油脂,ロウ類,エステル油,炭化水素油,
シリコーン油,ステロール等を、目的に応じて適宜配合
することができる。
【0054】低級アルコールとしては、例えばメタノー
ル,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等を
挙げることができる。
【0055】アニオン界面活性剤としては、例えばセッ
ケン用素地,ラウリン酸ナトリウム,パルミチン酸ナト
リウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム,
ラウリル硫酸K等の高級アルキル硫酸エステル塩、PO
Eラウリル硫酸トリエタノールアミン,POEラウリル
硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、
ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコ
シン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリ
ウム,ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム,ラウ
リルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミド
スルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウ
ム,POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステ
ル塩、ジー2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウ
ム,モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエ
チレンスルホコハク酸ナトリウム,ラウリルポリプロピ
レングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコ
ハク酸塩、リニアドテシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム,リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノール
アミン,リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸
モノナトリウム,N−ステアロイルグルタミン酸ジナト
リウム,N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナト
リウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪
酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫
酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキル
エーテルカルボン酸,POEアルキルアリルエーテルカ
ルボン酸塩,α−オレフィンスルホン酸塩,高級脂肪酸
エステルスルホン酸塩,二級アルコール硫酸エステル
塩,高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩,ラ
ウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム,N
−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミ
ン,カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0056】活性剤親油性非イオン界面活性剤としては
例えば、ソルビタンモノオレエート,ソルビタンモノイ
ソステアレート,ソルビタンモノラウレート,ソルビタ
ンモノパルミテート,ソルビタンモノステアレート,ソ
ルビタンセスキオレエート,ソルビタントリオレエー
ト,ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソル
ビタン,テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロール
ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実
油脂肪酸グリセリン,モノエルカ酸グリセリン,セスキ
オレイン酸グリセリン,モノステアリン酸グリセリン,
α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン,モ
ノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリ
グリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリ
コール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬
化ヒマシ油誘導体,グリセリンアルキルエーテル等が挙
げられる。
【0057】親水性非イオン界面活性剤としては例え
ば、POEソルビタンモノオレエート,POE−ソルビ
タンモノステアレート,POE−ソルビタンモノオレエ
ート,POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOE
ソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノ
ラウレート,POE−ソルビットモノオレエート,PO
E−ソルビットペンタオレエート,POE−ソルビット
モノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル
類、POE−グリセリンモノステアレート,POE−グ
リセリンモノイソステアレート,POE−グリセリント
リイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステ
ル類、POEモノオレエート,POEジステアレート,
POEモノジオレエート,システアリン酸エチレングリ
コール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエ
ーテル,POEオレイルエーテル,POEステアリルエ
ーテル,POEベヘニルエーテル,POE2−オクチル
ドデシルエーテル,POEコレスタノールエーテル等の
POEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエ
ーテル,POEノニルフェニルエーテル,POEジノニ
ルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテ
ル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・
POPセチルエーテル,POE・POP2−デシルテト
ラデシルエーテル,POE・POPモノブチルエーテ
ル,POE・POP水添ラノリンPOE・POPグリセ
リンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、
テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレン
ジアミン縮合物類、POPヒマシ油,POP硬化ヒマシ
油,POP硬化ヒマシ油モノイソステアレート,POE
硬化ヒマシ油トリイソステアレート,POE硬化ヒマシ
油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステ
ル,POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油
硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のP
OEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノ
ールアミド,ラウリン酸モノエタノールアミド,脂肪酸
イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、PO
Eプロピレングリコール脂肪酸エステル,POEアルキ
ルアミン,POE脂肪酸アミド,ショ糖脂肪酸エステ
ル,POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合体,ア
ルキルエトキシジメチルアミンオキシド,トリオレイル
リン酸等が挙げられる。
【0058】両性界面活性剤としては、例えば2−ウン
デシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメ
チル)−2−イミダゾリンナトリウム,2−ココイル−
2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシ
エチロキシ2ナトリウム塩等の,イミダゾリン系両性界
面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン,ラウリ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン,アルキルベタイン,ア
ミドベタイン,スルホベタイン等のベタイン系界面活性
剤等が挙げられる。
【0059】カチオン界面活性剤としては,例えば塩化
ステアリルトリメチルアンモニウム,塩化ラウリルトリ
メチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキ
ルジメチルアンモニウム塩,塩化ポリ(N,N’−ジメ
チル−3,5−メチレンピペリジニウム),塩化セチル
ピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四
級アンモニウム塩,アルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩,アルキスイソキノリニウム塩,ジアルキルモリ
ホニウム塩,POEアルキルアミン,アルキルアミン
塩,ポリアミン脂肪酸誘導体,アミルアルコール脂肪酸
誘導体,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム等
が挙げられる。
【0060】水溶性高分子としては、例えばアラビアゴ
ム,トラガカント,ガラクタン,キャロブガム,グァー
ガム,カラヤガム,カラギーナン,ペクチン,カンテ
ン,クインスシード(マルメロ),デンプン(コメ,ト
ウモロコシ,バレイショ,コムギ),アルゲコロイド
(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン,サク
シノグルカン,プルラン等の微生物系高分子、コラーゲ
ン,カゼイン,アルブミン,ゼラチン等の動物性高分
子、カルボキシメチルデンプン,メチルヒドロキシプロ
ピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロー
ス,ニトロセルロース,エチルセルロース,メチルヒド
ロキシプロピルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス,セルロース硫酸ナトリウム,ヒドロキシプロピルセ
ルロース,カルボキシメチルセルロースナトリウム,結
晶セルロース,セルロース末等のセルロース系高分子、
アルギン酸ナトリウム,アルギン酸プロピレングリコー
ルエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチル
エーテル,カルボキシビニルポリマー(CARBOPO
L等),アルキル変性カルボキビニルポリマー(PEM
ULEN等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン
系高分子,ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重
合体系高分子,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチル
アクリレート,ポリアクリルアミド等のアクリル系高分
子、ポリエチレンイミン,カチオンポリマー,ベントナ
イト,ケイ酸アルミニウムマグネシウム,ラポナイト,
ヘクトライト,無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子が等
を挙げるころができる。
【0061】金属イオン封鎖剤としては、例えばアラニ
ン,エデト酸ナトリウム塩,ポリリン酸ナトリウム,メ
タリン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0062】中和剤としては、例えば2−アミノ−2−
メチル−1−プロパノール,2−アミノ−2−メチル−
1,3−プロパンジオール,水酸化カリウム,水酸化ナ
トリウム,トリエタノールアミン,炭酸ナトリウム等を
挙げることができる。
【0063】pH調整剤としては、例えば乳酸,クエン
酸,グリコール酸,コハク酸,酒石酸,dl−リンゴ
酸,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アン
モニウム等を挙げることができる。
【0064】酸化防止剤としては、例えばアスコルビン
酸,α−トコフェノール,ジブチルヒドロキシトルエ
ン,ブチルヒドロキシアニソール等を挙げることができ
る。
【0065】抗菌剤としては、例えば安息香酸,サリチ
ル酸,石炭酸,ソルビン酸,パラオキシ安息香酸エステ
ル,パラクロルメタクレゾール,ヘキサクロロフェン,
塩化ベンザルコニウム,塩化クロルヘキシジン,トリク
ロロカルバニリド,感光素,フェノキシエタノール等を
挙げることができる。
【0066】液体油脂としては、例えばアマニ油,ツバ
キ油,マカデミアナッツ油,トウモロコシ油,ミンク
油,オリーブ油,アボガド油,サザンカ油,ヒマシ油,
サフラワー油,キョウニン油,シナモン油,ホホバ油,
ブドウ油,ヒマワリ油,アルモンド油,ナタネ油,ゴマ
油,小麦胚芽油,米胚芽油,米ヌカ油,綿実油,大豆
油,落花生油,茶実油,月見草油,卵黄油,牛脚脂,肝
油,トリグリセリン,トリオクタン酸グリセリン,トリ
イソパルミチン酸グリセリン等を挙げることができる。
【0067】固体油脂としては、例えばカカオ脂,ヤシ
油,パーム油,パーム核油,牛脂,羊脂,豚脂,馬脂,
硬化ヒマシ油,モクロウ,シアバター等を挙げることが
できる。
【0068】ロウ類としては、例えばミツロウ,キャン
デリラロウ,綿ロウ,カルナウバロウ,ベイベリーロ
ウ,イボタロウ,鯨ロウ,モンタンロウ,ヌカロウ,ラ
ノリン,還元ラノリン,硬質ラノリン,カポックロウ,
サトウキビロウ,ホホバロウ,セラックロウ等を挙げる
ことができる。
【0069】エステル油としては、例えばオクタン酸セ
チル等のオクタン酸エステル,ラウリン酸ヘキシル等の
ラウリン酸エステル,ミリスチン酸イソプロピル,ミリ
スチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、
パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステ
アリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソス
テアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステ
ル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エ
ステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステ
ル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステ
ル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リ
ンゴ酸ジイソステアリル等を挙げることができる。
【0070】炭化水素油としては、例えば流動パラフィ
ン,オゾケライト,スクワラン,スクワレン,プリスタ
ン,パラフィン,セレシン,ワセリン,マイクロクリス
タリンワックス等を挙げることができる。
【0071】シリコーン油としては、例えばジメチルポ
リシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,メチル
ハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロ
ペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサ
ン等の環状シリコーン等を挙げることができる。
【0072】ステロールとしては、例えばコレステロー
ル,シトステロール,フィトステロール,ラノステロー
ル等を挙げることができる。
【0073】さらに,本発明化粧料には,必要に応じて
適当な香料,色素等を安定性を損なわない範囲で添加で
きる。本発明化粧料は、各種の化粧品〔洗顔料、乳液、
クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マ
スク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメー
キャップ化粧品;口腔化粧品,芳香化粧品,毛髪化粧
品,ボディ化粧品等〕の形態に広く適用可能である。そ
して、これらの形態に、本発明化粧料の採り得る形態が
限定されるものではない。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、この実施例により本発明の技術的範囲が限定
されるものではない。 〔実施例1〕 本発明複合体の調製 (1)試薬トリプシン20mgを0.1Mリン酸緩衝液
(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、これにアル
ミナゾルを粒子濃度が5mg/mlとなるように添加し、十
分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、プロテアーゼ
複合体(1)を得た。
【0075】(2)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにアルミナゾルを粒子濃度が10mg/mlとなるよう
に添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、
プロテアーゼ複合体(2)を得た。
【0076】(3)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにアルミナゾルを粒子濃度が20mg/mlとなるよう
に添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、
プロテアーゼ複合体(3)を得た。
【0077】(4)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにアルミナゾルを粒子濃度が40mg/mlとなるよう
に添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、
プロテアーゼ複合体(4)を得た。
【0078】(5)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにアルミナゾルを粒子濃度が60mg/mlとなるよう
に添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、
プロテアーゼ複合体(5)を得た。
【0079】(6)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにアルミナ被覆シリカゾルを粒子濃度が40mg/ml
となるように添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時
間放置し、プロテアーゼ複合体(6)を得た。
【0080】(7)試薬トリプシン20mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)100mlに溶解し、さらに、
これにチタニアゾルを粒子濃度が40mg/mlとなるよう
に添加し、十分に攪拌した後、30℃、2時間放置し、
プロテアーゼ複合体(7)を得た。
【0081】〔試験例〕 1.プロテアーセ活性の測定:上記実施例において製造
した、プロテアーゼ複合体(1)〜(5)についてカゼ
イン分解活性を測定した。この活性の測定方法を以下に
示す。すなわち、カゼイン(ハマルステン氏法、和光純
薬工業製)5.5gを水10mlと0.2N水酸化ナトリ
ウム10mlの混液に溶かし、これに水60mlを加え透明
溶解した後、0.1N塩酸を用い、pH7.8に調整
し、全量を100mlにした後、90℃で15分間熱した
ものを基質溶液とした。
【0082】試験管に酵素液と0.1Mホウ酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.8)を1.0mlずつとり、上記の基
質溶液1.0mlを加え反応を開始し、30℃で30分間
放置した後、10%トリクロロ酢酸を2.0mlを加えて
反応を停止させ、30℃で20分間放置した。ここで生
じた沈澱を遠心分離により除去し、上清の275nmにお
ける吸光度を測定した。活性の単位は、酵素で作成した
検量線により求めた。
【0083】さらにこの上清0.4mlに対し、2%炭酸
ナトリウム50mlと0.5%硫酸銅溶液1mlの混液2.
0mlを添加し、室温にて10分間以上放置した後、1N
フェノール試薬0.2mlを添加し、十分に攪拌した後、
室温にて30分以上放置し、750nmにおける吸光度を
測定した。
【0084】2.酵素活性持続性の測定 プロテアーゼ複合体の酵素活性維持性を以下の方法で測
定した。すなわち、試験管に一定の活性を持つプロテア
ーセまたはプロテアーゼ複合体をとり、イオン交換水
1.0mlに分散又は溶解し、0.1Mホウ酸ナトリウム
緩衝液(pH7.8)1,0mlを添加した。これらを3
0℃の条件下に放置し、経時で1mlずつサンプリング
し、カゼインを添加し、残存活性を測定した。
【0085】その結果を第1図(縦軸が残存活性で,横
軸が経過期間を表す)に示す。第1図において、トリプ
シン複合体(1)〜(5)の分散液と、複合体を形成し
ていない通常の試薬のトリプシン溶液(0)を、25℃
に7日間放置し、経時で残存酵素活性を測定した結果、
イオン交換水中でトリプシンは急激に活性低下し、1日
後にはほとんど活性を示さなくなったが、トリプシン複
合体(3)〜(5),特に(4)及び(5)は高い活性
安定性を示すことが明らかになった。
【0086】以上の結果により、トリプシン複合体のト
リプシンの酵素活性は,複合体を形成していないトリプ
シンよりも、その安定性が向上していることが判明し
た。よって、本発明複合体を化粧料に配合することで、
系中の酵素活性を少なくとも,その使用時までその活性
を維持することが可能であることが明らかになった。
【0087】次に実施例1において製造したトリプシン
複合体(6)(7)を用いて、本発明化粧料を以下の処
方に基づき調製した。また、以下の処方の本発明化粧料
を用いて、スケールの改善に関する実使用テストを行っ
た。
【0088】すなわち、女性パネル30名において試験
品の1週間連用テストを行い、肌上のスケールの減少効
果についての実使用テストを行った。評価基準 ◎:20名以上のスケールが減少した。 ○:10名以上のスケールが減少した。 ×:10名未満しかスケールが減少しなかった。
【0089】〔実施例2,3〕 化粧水 下記第1表に示す処方の化粧水を,各成分を攪拌混合す
ることにより調製して、上記の実使用テストを行った。
この実使用テストにおける評価も併せて第1表に記載し
た。なお、実施例2,3の化粧水についてはトリプシン
複合体(6)を用いた。このトリプシン複合体の担体と
して用いたアルミナ被覆シリカゾルの平均粒径は13nm
であった。以下配合量は特に断らない限り、化粧料全体
に対する重量%である。
【0090】
【表1】
【0091】この結果より、トリプシン複合体を配合し
た本発明化粧料は「スケールを除去する」という、トリ
プシンが有する酵素活性に基づく作用を有することが明
らかになった。
【0092】また、これらの実施例における化粧水にお
いて、系内のトリプシン複合体の分散性を経時(1週
間)で観察したが、この間系内にトリプシン複合体同士
が凝集する等の変化は何ら認められなかった。すなわ
ち、本発明化粧料が化粧水のような水系の剤型をとる場
合においても、本発明複合体は、その分散状態が安定し
ていることが明らかになった。
【0093】〔実施例4,5〕 クリーム 下記第1表に示す処方のクリームを,常法に従って乳化
することにより調製して、上記の実使用テストを行っ
た。この実使用テストにおける評価も併せて第2表に記
載した。なお、実施例4,5のクリームについてはトリ
プシン複合体(6)を用いた。このトリプシン複合体の
担体として用いたチタニアゾルの平均粒径は20nmであ
った。
【0094】
【表2】
【0095】この結果より、トリプシン複合体を配合し
た本発明化粧料は「スケールを除去する」という、トリ
プシンが有する酵素活性に基づく作用を有することがさ
らに明らかになった。また、系にさらに保湿剤を添加す
ることにより、トリプシンの酵素活性に基づく作用をさ
らに向上させ得ることが明らかになった。
【0096】
【発明の効果】本発明により、化粧料中における酵素活
性の経時的安定性を向上させる手段が提供され、さらに
液状の系内において均一に分散した状態を保つ手段を提
供される。また、本発明によりこれらの手段を活用した
化粧料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリプシン複合体のトリプシンの酵素活性の経
時的変化を検討した図面である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その粒径が200nm以下のコロイド状微粒
    子にイオン的相互作用により酵素を複合化してなる微粒
    子・酵素複合体。
  2. 【請求項2】コロイド状微粒子が化粧料として許容され
    る範囲のpHにおいて、その粒径が200nm以下のコロ
    イド状微粒子が正又は負の電荷を帯びるコロイド状微粒
    子であり、かつ複合化する酵素の,その活性とは直接関
    係を持たない部分がこのコロイド状微粒子における電荷
    とは逆の電荷を帯びる酵素である、請求項1記載の微粒
    子・酵素複合体。
  3. 【請求項3】その粒径が200nm以下のコロイド状微粒
    子が,金属酸化物のコロイド状微粒子又はケイ酸塩鉱物
    のコロイド状微粒子である、請求項1又は請求項2記載
    の微粒子・酵素複合体。
  4. 【請求項4】複合化する酵素がプロテアーゼである請求
    項1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の微粒子・酵
    素複合体。
  5. 【請求項5】プロテアーゼがセリンプロテアーゼであ
    る、請求項4記載の微粒子・酵素複合体。
  6. 【請求項6】その粒径が200nm以下のコロイド状微粒
    子がpH3から11の範囲内のpHにおいて,正の電荷
    を帯びるコロイド状微粒子である、請求項1乃至請求項
    5のいずれかの請求項記載の微粒子・酵素複合体。
  7. 【請求項7】その粒径が200nm以下のコロイド状微粒
    子が、少なくとも表層にアルミナが存在するコロイド状
    微粒子である、請求項6記載の微粒子・酵素複合体。
  8. 【請求項8】セリンプロテアーゼがトリプシンである、
    請求項6又は請求項7記載の微粒子・酵素複合体。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれかの請求項
    に記載の微粒子・酵素複合体を含んでなる化粧料。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項8のいずれかの請求
    項に記載の微粒子・酵素複合体及び保湿剤を含んでなる
    化粧料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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