JPH10245670A - 高純度チタニウムスパッタリングターゲット - Google Patents

高純度チタニウムスパッタリングターゲット

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JPH10245670A
JPH10245670A JP3980198A JP3980198A JPH10245670A JP H10245670 A JPH10245670 A JP H10245670A JP 3980198 A JP3980198 A JP 3980198A JP 3980198 A JP3980198 A JP 3980198A JP H10245670 A JPH10245670 A JP H10245670A
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Hideaki Fukuyo
秀秋 福世
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コリメーションスパッタ法における成膜速度
の問題を解決し、パーティクル問題を軽減しまた膜厚分
布を改善しうるTiターゲットの開発。 【解決手段】 (a) スパッタ面においてX線回折法で測
定され、定義された数式により算出したターゲットの各
部位での(002),(103),(014),(015) 面と関連しての結晶
方位含有比Aが80%以下、特に50%以下を基本と
し、(b) スパッタ面においてX線回折法で測定され、定
義された数式により算出したターゲット各部位での(00
2) 面と関連しての結晶方位含有比Bが20%以下、(c)
結晶組織が再結晶組織、(d) ターゲット各部位での平
均結晶粒径が500μm以下、好ましくは100μm以
下及び(e) 各部位の平均結晶粒径を平均化したターゲッ
ト全体の平均結晶粒径に対する各部位の平均粒径のバラ
ツキが±20%以内の要件を単独で或いは組合せて採用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度チタニウム
からなるスパッタリングターゲットに関するものであ
り、特には今後の半導体デバイスに対応して従来とは異
なる結晶方位、更には結晶組織及び結晶粒径を備えた高
純度チタニウムからなる、成膜速度を改善したスパッタ
リングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングターゲットは、スパッタ
リングにより各種半導体デバイスの電極、ゲート、配
線、素子、絶縁膜、保護膜等を基板上に形成するための
スパッタリング源となる、通常は円盤状の板である。加
速された粒子がターゲット表面に衝突するとき運動量の
交換によりターゲットを構成する原子が空間に放出され
て対向する基板上に堆積する。スパッタリングターゲッ
トとしては、Al及びAl合金ターゲット、高融点金属
及び合金(W、Mo、Ti、Ta、Zr、Nb等及びW
−Tiのようなその合金)ターゲット、金属シリサイド
(MoSiX 、WSix 、NiSix 等)ターゲット等
が代表的に使用されてきた。
【0003】こうしたターゲットの中でも重要なものと
して注目を浴びているものの一つがTi配線、Ti保護
膜等の形成用のTiターゲットである。
【0004】回路配線の幅が0.5μm以下と微細化す
るに従って、スルーホール及びコンタクトホールのアス
ペクト比が2以上と大きくなってきており、これらホー
ルへの下地TiまたはTiNの埋め込み技術としてコリ
メーションスパッタ法が注目されている。コリメーショ
ンスパッタ法とは、ターゲットと基板との間にコリメー
ターを介在させた状態でスパッタを行う方法であり、ス
パッタされた原子のうち基板に垂直な方向のもののみが
コリメーターを通して基板に達するようにしたものであ
る。コリメーションスパッタ法の特徴として、従来から
の通常のスパッタではホールのアスペクト比が2以上で
はボトムカバレッジ率が10%未満であるのに対して、
コリメーションスパッタ法を用いることによりプロセス
上要求されるボトムカバレッジ率10%以上の要件を達
成できることがあるが、成膜速度が従来のスパッタ法と
比較して約1/5に落ちるという問題がある。
【0005】一方、成膜中に発生するパーティクルが回
路断線及び短絡の原因として大きく問題視されており、
回路配線幅の微細化に伴っていかにパーティクルの発生
を抑えるかがLSI製造歩留を高める上で成膜プロセス
のキーファクターとなっている。特に、近年、Tiター
ゲットの窒素雰囲気下でのレアクティブスパッタリング
により成膜するTiNがバリア層として広く用いられ始
めているが、TiN堆積層膜は膜応力が高く且つ脆いた
めに、ウエハー以外のスパッタチャンバー内に連続的に
厚く堆積したTiN膜は剥離しやすく、パーティクルの
主発生源となっている。このようなレアクティブスパッ
タリングプロセスにおけるパーティクル発生源の一つと
して、Tiターゲットの外周部或いは中心部等のスパッ
タリングによるエロージョンが比較的浅い若しくはエロ
ジョンされない領域に層状または島状にに堆積するTi
N層があり、これらのTiN層からのパーティクルの発
生を抑えるためスパッタ装置、スパッタ条件等について
改善及び検討がなされている。
【0006】また、近年、ウエハサイズが6インチから
8インチと大型化し、かつ回路配線の幅が0.5μm以
下と微細化するにしたがってスパッタリングによりウエ
ハ上に形成された薄膜の均一性を改善することを目的と
して検討がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記コリメーションス
パッタ法における成膜速度の問題、併せて、パーティク
ル問題及び膜厚分布の改善については、従来、主にスパ
ッタ装置、スパッタ条件等の面から改善及び検討がなさ
れているだけであり、特にターゲット自体の品質につい
ては深く考慮されていなかったのが実情である。一般
に、結晶性材料の表面及び内部の組織及び結晶構造(結
晶粒径や結晶配向性等)がターゲットからのスパッタ原
子の放出特性に大きな影響を与えることが一般に知られ
ている。このことから、Tiターゲットにおいても、そ
の組織及び結晶構造の差異及び不均一性がスパッタ原子
の放出特性及びその方向指向特性等に大きく影響を及ぼ
していると考えられる。
【0008】たとえば、J. Vac. Sci. Technol. A Vol
5, No4, Jul/Aug 1967 の1755〜1768頁に掲載
された、シー・イ−・ウイッカーシャーム・ジュニアに
よる論文「Crystallographic target effects in magne
tron sputtering 」は、スパッタリング薄膜の膜厚均一
性に対する結晶方位の影響について記載している。チタ
ンではなく、アルミニウムターゲットについてはこれま
で多くの研究がなされている。特開昭63−31297
5号は、スパッタリングによりウエハ上に形成されたア
ルミニウム薄膜の膜厚が中央部が厚くそして周辺部が薄
い分布を有していることに鑑み、アルミニウムターゲッ
ト中心部の結晶方位含有比{220}/{200}が外
周部のそれより大きいことを特徴とするアルミニウムス
パッタリングターゲットを記載している。特開平2−1
5167号は、ターゲット表面の面積の50%以上を
(111)結晶面より構成したアルミニウムスパッタリ
ングターゲットを記載する。特開平3−2369号は、
マグネトロンスパッタリングによりアルミニウムターゲ
ットが消耗するにつれ、マグネットの回転に沿ってリン
グ状の溝が表面に形成されると共に原子の放出方向が変
化し、膜厚分布が悪くなることを解決するべく、結晶方
位強度比{100}/{110}をターゲット表面から
内部に入るにつれ小さくすることを提唱している。特開
平3−10709号は、アルミニウムターゲットのスパ
ッタ面の結晶方位含有比{220}/{200}が0.
5以上であることを特徴とするターゲットを記載してい
る。更には、特開平4−2346170号は、2mm以
下の粒度及び〈110〉繊維組織を有するアルミニウム
ターゲットにおいて繊維軸をランダムの20倍以上のX
線回析強度を有するものとするターゲットを記載してい
る。
【0009】本発明の課題は、結晶方位について配慮さ
れたことのなかったTiターゲットにおいて、コリメー
ションスパッタ法における成膜速度の問題を軽減或いは
解決することができ、またそれと併せて、パーティクル
問題の軽減及び膜厚分布の改善を可能とするTiターゲ
ットを開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、従来のTiターゲットでは考慮されてい
なかった結晶配向性、更には結晶組織及び結晶粒径の膜
厚分布への影響を検討した結果、(a)ターゲットのス
パッタ面においてX線回折法で測定された、次の数式
【数3】 により算出したターゲットの各部位での結晶方位含有比
Aが80%以下、好ましくは50%以下であることを基
本とし、加えて、(b)ターゲットのスパッタ面におい
てX線回折法で測定された、次の数式
【数4】 により算出したターゲットの各部位での結晶方位含有比
Bが20%以下であること、(c)ターゲット結晶組織
が再結晶組織であること及び(d)ターゲットの各部位
での平均結晶粒径が500μm以下、好ましくは100
μm以下であること、並びに(e)各部位の平均結晶粒
径を平均化したターゲット全体の平均結晶粒径に対する
各部位の平均粒径のバラツキが±20%以内であるよう
に調整することを単独で或いは一つ以上組合せて採用す
ることにより、従来のTiターゲットの品質では達成す
ることができなかった前記問題を軽減或いは解決しうる
ことが明らかになった。
【0011】この知見に基づいて、本発明は、(1)タ
ーゲットのスパッタ面においてX線回折法で測定された
ターゲットの各部位での前記結晶方位含有比Aが80%
以下であることを特徴とする高純度チタニウムスパッタ
リングターゲット、(2)各部位での前記結晶方位含有
比Aが50%以下であることを特徴とする(1)の高純
度チタニウムスパッタリングターゲット、(3)各部位
での前記結晶方位含有比Bが20%以下であることを特
徴とする(1)〜(2)の高純度チタニウムスパッタリ
ングターゲット、(4)ターゲット結晶組織が再結晶組
織であることを特徴とする(1)〜(3)の高純度チタ
ニウムスパッタリングターゲット、(5)ターゲットの
各部位での平均結晶粒径が500μm以下であることを
特徴とする(1)〜(4)の高純度チタニウムスパッタ
リングターゲット、(6)ターゲット全体の平均結晶粒
径に対する各部位の平均結晶粒径のバラツキが±20%
以内であることを特徴とする(1)〜(5)の高純度チ
タニウムスパッタリングターゲット、及び(7)ターゲ
ットの各部位での平均結晶粒径が100μm以下である
ことを特徴とする(1)〜(6)の高純度チタニウムス
パッタリングターゲットを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】純チタニウムにおいてターゲット
の製造工程の中で塑性加工を鍛造または圧延等で行なっ
た場合、その加工比の増加にともなってターゲットスパ
ッタ面に対して(002)面が±35°以内の傾きを有
する集合組織が形成される。X線回折法により(00
2)面が±35°以内の傾きを有するこのチタニウムの
代表的な集合組織の結晶配向性を評価する場合、各回折
ピークはターゲットスッパタ面に平行な結晶面に対応し
たものであることから、表1に示すように、(002)
面から面間角が35°以内である結晶面、すなわち、3
0°傾いた(103)面、24°傾いた(014)面、
20°傾いた(015)面の回折ピークが上記集合組織
とともに増大する傾向があり、これらの結晶面も(00
2)面に加えて考慮する必要がある。こうした事実に基
づいて、本発明においては、結晶方位含有比A及び結晶
方位含有Bが定義される。その測定方法については、測
定試料は試料表面の加工変質層を電解研磨等で化学的に
除去した後、X線回折計で各結晶方位に対応する回折線
の強度を測定する。得られた回折線の強度値は各結晶方
位の回折線の相対強度比{JCPDS Cardを参
照}で補正し、その補正強度から結晶方位含有比A及び
Bを算出する。なお、結晶方位含有比の算出方法を表1
に示す。
【0013】
【表1】
【0014】ターゲットのスパッタ面においてX線回折
法で測定された各部位の結晶方位含有比Aが80%以下
とされる。加えて、結晶方位含有比Bが20%以下とす
ることが好ましい。ここで、各部位の結晶方位含有比A
が80%以下であり、好ましくは結晶方位含有比Bが2
0%以下と規定したのは、一般に、スパッタ原子は最稠
密原子列方向に飛び出す確率が高いことが知られてお
り、ターゲットが(002)面に強く結晶配向した場
合、ターゲットエロージョン面を構成する各結晶粒面は
(002)面である割合が強くなり、最稠密原子面であ
る(002)面内に最稠密原子列方向があることから、
スパッタ原子はエロージョン面に平行に飛び出す確率が
高くなるためである。結果として、ターゲットエロージ
ョン面のミクロ凹凸に対応した斜面に捕獲されるスパッ
タ原子の数は(002)面の結晶配向性が大きくなる程
高くなることを意味しており、ターゲット外周部及び中
心部に層状または島状に堆積するTiN層が増大する。
各部位の結晶方位含有比Aが80%以上ではまた結晶方
位含有比Bが20%以上では、この傾向が一層顕著化す
る。
【0015】ターゲット結晶組織が再結晶組織であり、
ターゲットの各部位での平均結晶粒径が100μm以下
であり、各部位の平均結晶粒径を平均化したターゲット
全体の平均結晶粒径に対する各部位の平均粒径のバラツ
キが±20%以内であることが好ましい。ここで、再結
晶組織でありターゲット全体の平均結晶粒径に対する各
部位の平均粒径のバラツキが±20%以下とした規定は
膜厚分布の均一性を狙ったものである。また、ターゲッ
トの各部位での平均結晶粒径が100μm以下としたの
は、一般にターゲットのエロージョン面のミクロモホロ
ジーはターゲットの結晶組織に対応した結晶粒から構成
され、結晶粒径が大きくなる程エロージョン面のミクロ
的な凹凸は大きくなる。このことは、ターゲットエロー
ジョン面に平行にスパッタされた原子がこの凹凸に対応
した斜面に捕獲される確率は結晶粒径が大きくなる程高
くなることを意味しており、結果として、ターゲット外
周部及び中心部に層状または島状に堆積するTiN層が
増大する。平均結晶粒径が100μm以上ではこの傾向
が顕著化する。
【0016】ターゲットのスパッタ面においてX線回折
法で測定された各部位の結晶方位含有比Aが50%以下
であり、加えて結晶方位含有比Bが20%以下であるこ
とが好ましい。ここで、各部位の結晶方位含有比Aが5
0%以下であり、加えて結晶方位含有比Bが20%以下
と規定したのは、上記同様に、一般にスパッタ原子は最
稠密原子列方向に飛び出す確率が高いため、ターゲット
が(002)面結晶配向性を低く抑えることにより、タ
ーゲットエロージョン面を構成する各結晶粒面を(00
2)面以外の結晶面に対してスパッタ原子がエロージョ
ン面に平行に飛び出す確率を低くさせ、ターゲットエロ
ージョン面に対して垂直に飛び出すスパッタ原子の割合
を増加させるためである。結果として、コリメーション
スパッタ時にコリメーターに捕獲されるスパッタ原子は
減少し、コリメーターを通過するスパッタ原子は増加す
ることから成膜速度は増加し、かつホールのボトムカバ
レッジ率が改善される。各部位の結晶方位含有比Bが2
0%以上であり結晶方位含有比Aが50%以上では、
(002)面結晶配向性の影響が顕著化する。
【0017】本発明のスッパタリングターゲットの素材
として用いる高純度チタニウムは4N以上のチタニウム
を意味するものである。そして、本発明のターゲットの
上記品質の調整は圧延や鍛造等の塑性加工と熱処理を組
み合わせることにより行なうことができるが、具体的な
品質調整の程度はターゲット素材の純度、また鋳造組
織、塑性加工及び熱処理の方法等に強く依存して一般的
に規定できない。しかし、ターゲット素材及び鋳造組
織、塑性加工及び熱処理の方法等が特定されれば、容易
に上記所定の品質を得るための塑性及び熱処理条件を見
いだすことは可能である。
【0018】例えば、ターゲットの各部位での結晶方位
含有比Aが80%以下であり、かつ結晶方位含有比Bを
20%以下の条件を実現するには、上記工程の内、加工
比を1.5以下として均一に温間加工を行い、その後素
材の再結晶温度域でターゲット全体に均一な熱処理を施
し、再結晶を完了させることが必要である。
【0019】また、ターゲットの各部位での結晶方位含
有比Aが50%以下であり、かつ結晶方位含有比Bを2
0%以下の条件を実現するには、上記工程の内、加工比
を0.8以下として均一に温間加工を行い、その後素材
の再結晶温度域でターゲット全体に均一な熱処理を施
し、再結晶を完了させることが必要である。
【0020】例えば、ターゲットの各部位での平均結晶
粒径が500μm以下であり、各部位の平均結晶粒径を
平均化したターゲット全体の平均結晶粒径に対する各部
位の平均粒径のバラツキが±20%以内の条件を達成す
るためには、Tiインゴットを素材の再結晶温度以上で
熱間加工し、鋳造組織を破壊して結晶粒度を均一化する
と共に、最終的な均一微細な再結晶組織を付与するた
め、再結晶温度未満で所定の最終形状に均一に温間もし
くは冷間加工を行った後、素材の再結晶温度域でターゲ
ット全体に均一な熱処理を施し、再結晶化を完了させ
る。ここで、素材の再結晶温度は素材の純度、及び熱処
理前の塑性加工状態に主に依存する。
【0021】平均結晶粒径並びに結晶方位含有比の両条
件を実現するためには、上記両方の条件を満たす加工方
法を採用すればよい。
【0022】各部位での平均結晶粒度の測定は、JIS
・H0501に記載される切断法により行った。
【0023】
【実施例】次に、実施例及び比較例を呈示する。
【0024】(実施例1)高純度チタニウムのインゴッ
トを塑性加工及び熱処理により、それぞれ表2に示す結
晶組織及び結晶配向性を有するターゲットA及びターゲ
ットBを製造した。ターゲットの形状は直径約300m
m、厚み約6mmの平板状スパッタリングターゲットで
あり、次のようにして製造した。 (A)ターゲットA:チタンのインゴットを700℃で
熱間加工し、その後、450℃で加工比を0.6として
温間加工を行い、600℃で1時間ターゲット全体に均
一な熱処理を施した。 (B)ターゲットB:チタンのインゴットを700℃で
熱間加工し、その後、275℃で加工比を2.0として
温間加工を行い、630℃で1時間ターゲット全体を均
一な熱処理を施した。
【0025】マグネトロン型スパッタ装置に取付けて、
コリメーションはアスペクト比が1あるものを用い6”
ウエハ基板上に成膜した。表3は各ターゲットについて
のコリメーションを使用しない場合に対する成膜速度比
を示したものである。表3に示すように、結晶方位含有
比Aが低いターゲットAが結晶方位含有比Aが高いター
ゲットBと比較して成膜速度比が高い。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】(実施例2及び比較例1)高純度チタニウ
ムのインゴットを塑性加工及び熱処理により、それぞれ
表4に示す結晶組織及び結晶配向性を有するターゲット
A、ターゲットB及びターゲットCを製造した。ターゲ
ットの形状は直径約300mm、厚み約6mmの平板状
スパッタリングターゲットであった。ターゲットA、B
及びCの製造方法は次の通りであった。 (A)ターゲットA:チタンのインゴットを700℃で
熱間加工し、その後、400℃で加工比を1.1として
温間加工を行い、600℃で1時間ターゲット全体に均
一な熱処理を施した。 (B)ターゲットB:チタンのインゴットを700℃で
熱間加工し、その後、400℃で加工比を1.1として
温間加工を行い、700℃で2時間ターゲット全体に均
一な熱処理を施した。 (C)ターゲットC:チタンのインゴットを700℃で
熱間加工し、その後、室温で鍛造材を加工比1.8とし
て、温間加工を行い、700℃で2時間ターゲット全体
に均一な熱処理を施した。
【0029】マグネトロン型スパッタ装置に取付けて
6”ウエハ基板上に成膜した。表5は各ターゲットにつ
いてターゲットのエンドライフまでウエハー処理した際
のウエハー1枚当たりの平均パーティクル数を示したも
のである。なお、ウエハー上のパーティクル数はパーテ
ィクル計測計によりTiNを0.1μm成膜した後の
0.3μm以上のパーティクル数を計測した。表5に示
すように、結晶方位含有比Aが低くかつ結晶粒径が微細
なターゲットAが一番低い平均パーティクル数を示し、
結晶方位含有比Aが低くかつ結晶粒径が大きいターゲッ
トB、そして結晶方位含有比Aが高くかつ結晶粒径が大
きいターゲットCの順で平均パーティクル数が増加し
た。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】
(1)コリメーションスパッタ時、ターゲット間及び同
一ターゲット使用時においても成膜速度のバラツキ及び
その変動が少なく、安定して優れた成膜速度性を示す。
これにより、成膜時のボトムカバレッジ率及びTiター
ゲットの使用歩留が改善される。 (2)Tiターゲットのスパッタリング時において、タ
ーゲット間及び同一ターゲット使用時においてもパーテ
ィクル発生のバラツキ及びその変動が少なく、安定して
優れた低パーティクル性を示す。これにより、ウエハ上
に形成されたLSI等の回路の不良率が改善される。 (3)ターゲット間及び同一ターゲット使用時において
も膜厚分布のバラツキ及びその変動が少なく、安定して
優れた膜厚分布均一性を示す。これにより、ウエハ上に
形成されたLSI等の回路の不良率が改善される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットのスパッタ面においてX線回
    折法で測定され、次の数式1に基づいて算出されたター
    ゲットの各部位での結晶方位含有比Aが80%以下であ
    ることを特徴とする高純度チタニウムスパッタリングタ
    ーゲット。 【数1】
  2. 【請求項2】 各部位での前記結晶方位含有比Aが50
    %以下であることを特徴とする請求項1の高純度チタニ
    ウムスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 ターゲットのスパッタ面においてX線回
    折法で測定され、次の数式2に基づいて算出された各部
    位での結晶方位含有比Bが20%以下であることを特徴
    とする請求項1又は2の高純度チタニウムスパッタリン
    グターゲット。 【数2】
  4. 【請求項4】 ターゲット結晶組織が再結晶組織である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3の高純度チタニウ
    ムスパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 ターゲットの各部位での平均結晶粒径が
    500μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項の高純度チタニウムスパッタリングターゲ
    ット。
  6. 【請求項6】 ターゲット全体の平均結晶粒径に対する
    各部位の平均結晶粒径のバラツキが±20%以内である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項の高純度
    チタニウムスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】 ターゲットの各部位での平均結晶粒径が
    100μm以下であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一項の高純度チタニウムスパッタリングターゲ
    ット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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