JPH10245621A - 真空脱ガス処理中の溶鋼へのＣａ添加方法 - Google Patents
真空脱ガス処理中の溶鋼へのＣａ添加方法Info
- Publication number
- JPH10245621A JPH10245621A JP9052896A JP5289697A JPH10245621A JP H10245621 A JPH10245621 A JP H10245621A JP 9052896 A JP9052896 A JP 9052896A JP 5289697 A JP5289697 A JP 5289697A JP H10245621 A JPH10245621 A JP H10245621A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 ＲＨ真空脱ガス処理中の溶鋼３にCaを添
加するに際し、真空槽２ｃ内の溶鋼環流を止めない範囲
に溶鋼環流量を減少させた後、真空槽２ｃからの溶鋼３
吐出部である下降管２ｂの下端部に鉄被覆Ca合金ワイヤ
ー７を供給する。 【効果】 溶鋼流が弱く、溶鋼の静圧の高い溶鋼吐出部
に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給することにより、溶鋼中
へのCa合金粉体の流出促進効果が高くなり、蒸発損失が
少なくなって添加歩留りが向上する。
加するに際し、真空槽２ｃ内の溶鋼環流を止めない範囲
に溶鋼環流量を減少させた後、真空槽２ｃからの溶鋼３
吐出部である下降管２ｂの下端部に鉄被覆Ca合金ワイヤ
ー７を供給する。 【効果】 溶鋼流が弱く、溶鋼の静圧の高い溶鋼吐出部
に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給することにより、溶鋼中
へのCa合金粉体の流出促進効果が高くなり、蒸発損失が
少なくなって添加歩留りが向上する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばＲＨ真空脱
ガス装置を用いて溶鋼を脱ガス処理するに際し、Caを高
歩留りで添加する方法に関するものである。
ガス装置を用いて溶鋼を脱ガス処理するに際し、Caを高
歩留りで添加する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】溶鋼への添加剤のうち、Caは脱酸剤とし
て、あるいは、生成される介在物の球状化を狙って添加
される。しかしながら、Caは溶融点や沸点が低いうえ、
溶鋼への溶解度が小さく、また、溶鋼密度に対して軽い
ので、減圧下の真空槽内に添加した場合には、ほとんど
が高温雰囲気・溶鋼熱によって蒸発し、排気系を経て排
出されることになり、添加歩留りは極めて悪い。また、
作業環境を悪化するという問題もある。
て、あるいは、生成される介在物の球状化を狙って添加
される。しかしながら、Caは溶融点や沸点が低いうえ、
溶鋼への溶解度が小さく、また、溶鋼密度に対して軽い
ので、減圧下の真空槽内に添加した場合には、ほとんど
が高温雰囲気・溶鋼熱によって蒸発し、排気系を経て排
出されることになり、添加歩留りは極めて悪い。また、
作業環境を悪化するという問題もある。
【０００３】そこで、真空槽内の溶鋼へCaを添加する直
前に、槽内圧を溶鋼温度におけるCaの蒸気圧に近づける
ことによって、Caの蒸発を抑制しようという考え方が、
例えば特開昭５３−５８９１８号や特開平５−２３９５
３８号等で提案されている。また、環流中の溶鋼に直接
Ca合金粉体をガスを担体として添加することで、Caの歩
留りを向上しようとするものが、例えば特開昭６３−４
１７号等で提案されている。
前に、槽内圧を溶鋼温度におけるCaの蒸気圧に近づける
ことによって、Caの蒸発を抑制しようという考え方が、
例えば特開昭５３−５８９１８号や特開平５−２３９５
３８号等で提案されている。また、環流中の溶鋼に直接
Ca合金粉体をガスを担体として添加することで、Caの歩
留りを向上しようとするものが、例えば特開昭６３−４
１７号等で提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
５３−５８９１８号や特開平５−２３９５３８号等で提
案されている方法でも、添加したCaの大部分は溶鋼の表
面で蒸発してしまうので、歩留りは９〜１２％と非常に
低い。また、特開昭６３−４１７号等で提案されている
方法は、粉体の吹き込みに要する設備費が高く、キャリ
アーガスや耐火物等のランニングコストが高くつく。
５３−５８９１８号や特開平５−２３９５３８号等で提
案されている方法でも、添加したCaの大部分は溶鋼の表
面で蒸発してしまうので、歩留りは９〜１２％と非常に
低い。また、特開昭６３−４１７号等で提案されている
方法は、粉体の吹き込みに要する設備費が高く、キャリ
アーガスや耐火物等のランニングコストが高くつく。
【０００５】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、Ca合金添加率の飛躍的に向上させ
ることができる真空脱ガス処理中の溶鋼へのCa添加方法
を提供することを目的としている。
なされたものであり、Ca合金添加率の飛躍的に向上させ
ることができる真空脱ガス処理中の溶鋼へのCa添加方法
を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、真空槽内で溶鋼を環流させながら、
鉄被覆CaSiワイヤーを供給する直前に、溶鋼環流を止め
ない範囲に溶鋼環流量を減少させ、真空槽からの溶鋼吐
出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給することとしてい
る。そして、このようにすることで、溶鋼の静圧の高い
位置にCa合金粉体を添加でき、溶鋼中への流出促進効果
が高くなる。
ために、本発明は、真空槽内で溶鋼を環流させながら、
鉄被覆CaSiワイヤーを供給する直前に、溶鋼環流を止め
ない範囲に溶鋼環流量を減少させ、真空槽からの溶鋼吐
出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給することとしてい
る。そして、このようにすることで、溶鋼の静圧の高い
位置にCa合金粉体を添加でき、溶鋼中への流出促進効果
が高くなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明の真空脱ガス処理中の溶鋼
へのCa添加方法は、真空脱ガス処理中の溶鋼にCaを添加
するに際し、真空槽内の溶鋼環流を止めない範囲に溶鋼
環流量を減少させた後、真空槽からの溶鋼吐出部に鉄被
覆Ca合金ワイヤーを供給するものである。
へのCa添加方法は、真空脱ガス処理中の溶鋼にCaを添加
するに際し、真空槽内の溶鋼環流を止めない範囲に溶鋼
環流量を減少させた後、真空槽からの溶鋼吐出部に鉄被
覆Ca合金ワイヤーを供給するものである。
【０００８】すなわち、本発明では、溶鋼環流を止めな
い範囲の溶鋼環流量にして溶鋼流を弱くした後に、溶鋼
の静圧の高い溶鋼吐出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給
することにより、溶鋼中へのCa合金粉体の流出促進効果
が高くなり、蒸発損失が少なくなって添加歩留りが向上
する。
い範囲の溶鋼環流量にして溶鋼流を弱くした後に、溶鋼
の静圧の高い溶鋼吐出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを供給
することにより、溶鋼中へのCa合金粉体の流出促進効果
が高くなり、蒸発損失が少なくなって添加歩留りが向上
する。
【０００９】
【実施例】以下、本発明の真空脱ガス処理中の溶鋼への
Ca添加方法を図１に示す一実施例に基づいて説明する。
図１はＲＨ脱ガス処理中に本発明によって鉄被覆Ca合金
ワイヤーを供給する方法を説明する図である。
Ca添加方法を図１に示す一実施例に基づいて説明する。
図１はＲＨ脱ガス処理中に本発明によって鉄被覆Ca合金
ワイヤーを供給する方法を説明する図である。
【００１０】図１において、１は取鍋、２は取鍋１内の
溶鋼３中に上昇管２ａと下降管２ｂが浸漬されたＲＨ真
空脱ガス装置である。そして、取鍋１内の溶鋼３は、上
昇管２ａの下部から吹き込まれる環流用ガス４によるガ
スリフト作用で、上昇管２ａを通って減圧下に維持され
ている真空槽２ｃ内に至った後、下降管２ｂを介して取
鍋１に流下するという溶鋼循環を繰り返す。なお、図１
中の５はスラグである。
溶鋼３中に上昇管２ａと下降管２ｂが浸漬されたＲＨ真
空脱ガス装置である。そして、取鍋１内の溶鋼３は、上
昇管２ａの下部から吹き込まれる環流用ガス４によるガ
スリフト作用で、上昇管２ａを通って減圧下に維持され
ている真空槽２ｃ内に至った後、下降管２ｂを介して取
鍋１に流下するという溶鋼循環を繰り返す。なお、図１
中の５はスラグである。
【００１１】本発明の真空脱ガス処理中の溶鋼へのCa添
加方法は、例えば上記したようなＲＨ真空脱ガス装置２
を用いた真空脱ガス処理中に、効率良くCaを添加する方
法であり、例えば以下に説明するような装置を用いて行
う。
加方法は、例えば上記したようなＲＨ真空脱ガス装置２
を用いた真空脱ガス処理中に、効率良くCaを添加する方
法であり、例えば以下に説明するような装置を用いて行
う。
【００１２】６は鉄被覆Ca合金ワイヤー７を巻き取った
ワイヤーリールであり、このワイヤーリール６に巻き取
られた鉄被覆Ca合金ワイヤー７は、変速装置を具備した
供給装置８によってガイドパイプ９を通って送り出され
るようになっている。
ワイヤーリールであり、このワイヤーリール６に巻き取
られた鉄被覆Ca合金ワイヤー７は、変速装置を具備した
供給装置８によってガイドパイプ９を通って送り出され
るようになっている。
【００１３】本発明の真空脱ガス処理中の溶鋼へのCa添
加方法は、例えば上記したような供給装置８を用いて、
鉄被覆Ca合金ワイヤー７を、真空槽２ｃからの溶鋼吐出
部、すなわち、取鍋１内に浸漬した下降管２ｂの下端近
傍の溶鋼３中に供給するのである。そして、この鉄被覆
Ca合金ワイヤー７の供給に際しては、これに先立って、
ＲＨ真空脱ガス装置２の真空槽２ｃ内の溶鋼環流を止め
ない範囲に溶鋼環流量を減少させて溶鋼流を弱くするの
である。
加方法は、例えば上記したような供給装置８を用いて、
鉄被覆Ca合金ワイヤー７を、真空槽２ｃからの溶鋼吐出
部、すなわち、取鍋１内に浸漬した下降管２ｂの下端近
傍の溶鋼３中に供給するのである。そして、この鉄被覆
Ca合金ワイヤー７の供給に際しては、これに先立って、
ＲＨ真空脱ガス装置２の真空槽２ｃ内の溶鋼環流を止め
ない範囲に溶鋼環流量を減少させて溶鋼流を弱くするの
である。
【００１４】すなわち、本発明の真空脱ガス処理中の溶
鋼へのCa添加方法は、前記したようにして、溶鋼流を弱
くした後に、溶鋼３の静圧の高い下降管２ｂの下端近傍
の溶鋼３中に鉄被覆Ca合金ワイヤー７を供給することに
より、溶鋼３によって溶解した被覆鉄から露出したCa合
金粉体は、溶鋼環流にそって移動し、蒸発し終わるまで
に、溶鋼３中に埋没される。
鋼へのCa添加方法は、前記したようにして、溶鋼流を弱
くした後に、溶鋼３の静圧の高い下降管２ｂの下端近傍
の溶鋼３中に鉄被覆Ca合金ワイヤー７を供給することに
より、溶鋼３によって溶解した被覆鉄から露出したCa合
金粉体は、溶鋼環流にそって移動し、蒸発し終わるまで
に、溶鋼３中に埋没される。
【００１５】因みに、取鍋１内の溶鋼３を１６０トン、
ＲＨ真空脱ガス処理中において、図１に示す装置を用い
て鉄被覆CaSiワイヤーを供給する直前に、真空槽２ｃ内
の真空度を１００〜１５０torrに減圧し、環流用ガス４
の流量を８００〜１０００Ｎリットル／分に下げた後、
下降管２ｂからの溶鋼３吐出流中に鉄被覆CaSiワイヤー
を供給したところ、Ca歩留りを２０％まで上げることが
できた。なお、特開平５−２３９５３８号の方法ではCa
歩留りは約１０％であった。
ＲＨ真空脱ガス処理中において、図１に示す装置を用い
て鉄被覆CaSiワイヤーを供給する直前に、真空槽２ｃ内
の真空度を１００〜１５０torrに減圧し、環流用ガス４
の流量を８００〜１０００Ｎリットル／分に下げた後、
下降管２ｂからの溶鋼３吐出流中に鉄被覆CaSiワイヤー
を供給したところ、Ca歩留りを２０％まで上げることが
できた。なお、特開平５−２３９５３８号の方法ではCa
歩留りは約１０％であった。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空脱ガ
ス処理中の溶鋼へのCa添加方法は、溶鋼環流を止めない
範囲に溶鋼環流量を減少させて溶鋼流を弱くした後に、
溶鋼の静圧の高い溶鋼吐出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを
供給するので、高価な設備投資を行うことなく、安価な
ランニングコストで、溶鋼中へのCa合金粉体の流出促進
効果が高くなり、蒸発損失が少なくなって添加歩留りが
向上する。
ス処理中の溶鋼へのCa添加方法は、溶鋼環流を止めない
範囲に溶鋼環流量を減少させて溶鋼流を弱くした後に、
溶鋼の静圧の高い溶鋼吐出部に鉄被覆Ca合金ワイヤーを
供給するので、高価な設備投資を行うことなく、安価な
ランニングコストで、溶鋼中へのCa合金粉体の流出促進
効果が高くなり、蒸発損失が少なくなって添加歩留りが
向上する。
【図１】ＲＨ脱ガス処理中に本発明によって鉄被覆Ca合
金ワイヤーを供給する方法を説明する図である。
金ワイヤーを供給する方法を説明する図である。
１ 取鍋 ２ ＲＨ真空脱ガス装置 ２ｂ 下降管 ２ｃ 真空槽 ４ 環流用ガス ７ 鉄被覆Ca合金ワイヤー
Claims (1)
- 【請求項１】 真空脱ガス処理中の溶鋼にCaを添加する
に際し、真空槽内の溶鋼環流を止めない範囲に溶鋼環流
量を減少させた後、真空槽からの溶鋼吐出部に鉄被覆Ca
合金ワイヤーを供給することを特徴とする真空脱ガス処
理中の溶鋼へのCa添加方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9052896A JPH10245621A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 真空脱ガス処理中の溶鋼へのＣａ添加方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9052896A JPH10245621A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 真空脱ガス処理中の溶鋼へのＣａ添加方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10245621A true JPH10245621A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12927632
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9052896A Pending JPH10245621A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 真空脱ガス処理中の溶鋼へのＣａ添加方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10245621A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100851804B1 (ko) * | 2001-12-11 | 2008-08-13 | 주식회사 포스코 | 탈산 용강에 칼슘 투입시 실수율 향상 방법 |
| WO2013131213A1 (zh) | 2012-03-08 | 2013-09-12 | 宝山钢铁股份有限公司 | 磁性优良的无取向电工钢板及其钙处理方法 |
| CN111575446A (zh) * | 2020-06-25 | 2020-08-25 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种rh真空钙化炉工艺处理方法 |
| WO2020255917A1 (ja) | 2019-06-17 | 2020-12-24 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 溶鋼へのＣａ添加方法 |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP9052896A patent/JPH10245621A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100851804B1 (ko) * | 2001-12-11 | 2008-08-13 | 주식회사 포스코 | 탈산 용강에 칼슘 투입시 실수율 향상 방법 |
| WO2013131213A1 (zh) | 2012-03-08 | 2013-09-12 | 宝山钢铁股份有限公司 | 磁性优良的无取向电工钢板及其钙处理方法 |
| WO2020255917A1 (ja) | 2019-06-17 | 2020-12-24 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 溶鋼へのＣａ添加方法 |
| KR20220008897A (ko) | 2019-06-17 | 2022-01-21 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용강으로의 Ca 첨가 방법 |
| CN111575446A (zh) * | 2020-06-25 | 2020-08-25 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种rh真空钙化炉工艺处理方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A762 | Written abandonment of application |
Effective date: 20040326 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 |