JPH10244916A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

Info

Publication number
JPH10244916A
JPH10244916A JP5206797A JP5206797A JPH10244916A JP H10244916 A JPH10244916 A JP H10244916A JP 5206797 A JP5206797 A JP 5206797A JP 5206797 A JP5206797 A JP 5206797A JP H10244916 A JPH10244916 A JP H10244916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
pressure
hydraulic
wheel
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5206797A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hara
雅宏 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5206797A priority Critical patent/JPH10244916A/ja
Publication of JPH10244916A publication Critical patent/JPH10244916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は緊急ブレーキ操作が行われた際に通
常時に比して大きな制動力を発生させるBA制御を実行
する制動力制御装置に関し、BA制御の実行に伴って制
動力制御装置の内部に空気が混入されるのを防止するこ
とを目的とする。 【解決手段】 緊急ブレーキ操作が行われた場合にSR
CF30,SRCR32を開弁状態とし、SMFR4
2,SMFL44,SMR46を閉弁状態とし、フロン
トポンプ110およびリアポンプ112をオン状態とし
てBA制御を実行する。残量センサ25によりリザーバ
タンク24内のブレーキフルードの残量が所定量以下で
あることが検出される場合は、BA制御の実行を禁止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御装置に
係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が実行され
た際に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制動
力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平4−12126
0号に開示される如く、運転者によって緊急ブレーキ操
作が行われた際に通常時に比して大きな制動液圧を発生
させる制動力制御装置が知られている。上記従来の制動
力制御装置は、リザーバタンクに貯留されているブレー
キフルードを吸入して圧送するポンプと、ポンプによっ
て昇圧された液圧を適当に減圧制御して各車輪のホイル
シリンダに供給する液圧制御弁とを備えている。
【0003】液圧制御弁は、運転者によって緊急ブレー
キ操作が実行されていない場合は、各車輪のホイルシリ
ンダに、ブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有する制
動液圧を供給する。一方、液圧制御弁は、運転者によっ
て緊急ブレーキ操作が実行された場合は、各車輪のホイ
ルシリンダに、ポンプの発生し得る最大の液圧を供給す
る。
【0004】従って、上記従来の装置によれば、運転者
によって通常のブレーキ操作が実行されている場合は、
各車輪のホイルシリンダに、ブレーキ踏力に応じたホイ
ルシリンダ圧PW/C を発生させることができると共に、
運転者によって緊急ブレーキ操作が実行された場合は、
各車輪のホイルシリンダに、通常時に比して高圧のホイ
ルシリンダ圧PW/C を発生させることができる。以下、
緊急ブレーキ操作が実行された際に通常時に比して高圧
のホイルシリンダ圧PW/C を発生させる制御をブレーキ
アシスト制御と称す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
てブレーキアシスト制御が実行されている間は、各車輪
のホイルシリンダ圧PW/C を速やかに昇圧させるため、
ポンプがブレーキフルードを十分に吸引できることが必
要である。しかし、リザーバタンク内のブレーキフルー
ドは、補充液として消費されることにより、または、リ
ザーバタンクに連通する配管に失陥が生ずることによ
り、ほぼ全量がリザーバタンクから流出することがあ
る。
【0006】上記従来の装置によれば、かかる状況下で
あっても、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行され
れば、ブレーキアシスト制御が開始される。リザーバタ
ンク内に十分なブレーキフルードが貯留されていない状
況下でブレーキアシスト制御が開始されると、ポンプに
よって空気が吸入され、制動力制御装置の内部に空気が
混入する事態が生ずる場合がある。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ブレーキアシスト制御の実行に伴って、その内
部に空気を混入させることのない制動力制御装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、運転者に
よって緊急ブレーキ操作が行われた際に、通常時に比し
て大きな制動液圧を発生させる制動力制御装置におい
て、ブレーキフルードを貯留するリザーバタンクと、緊
急ブレーキ操作が実行された際に、リザーバタンクから
ブレーキフルードを吸入して所定の制動液圧をホイルシ
リンダに供給するアシスト圧発生手段と、リザーバタン
ク内のブレーキフルードの残量を検出するフルード残量
検出手段と、リザーバタンク内のブレーキフルードの残
量が所定値以下である場合に、前記アシスト圧発生手段
の作動を禁止するアシスト制御禁止手段と、を備える制
動力制御装置により達成される。
【0009】本発明において、アシスト圧発生手段は、
リザーバタンク内のブレーキフルードをホイルシリンダ
に供給することにより通常時に比して高圧のホイルシリ
ンダ圧PW/C が発生させる。リザーバタンク内に十分な
ブレーキフルードが貯留されていない場合は、緊急ブレ
ーキ操作が実行されてもアシスト圧発生手段は作動しな
い。このため、アシスト圧発生手段によって制動力制御
装置の内部に空気が圧送されることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例に対応
するポンプアップ式制動力制御装置(以下、単に制動力
制御装置と称す)のシステム構成図を示す。本実施例の
制動力制御装置は、フロントエンジン・リアドライブ式
車両(FR車両)用の制動力制御装置として好適な装置
である。本実施例の制動力制御装置は、電子制御ユニッ
ト10(以下、ECU10と称す)により制御されてい
る。
【0011】制動力制御装置は、ブレーキペダル12を
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ブレーキスイッチ14
は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオン
信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力信号はE
CU10に供給されている。ECU10は、ブレーキス
イッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が
踏み込まれているか否かを判別する。
【0012】ブレーキペダル12は、バキュームブース
タ16に連結されている。バキュームブースタ16は、
マスタシリンダ18に固定されている。バキュームブー
スタ16は、ブレーキペダル12が踏み込まれた場合
に、ブレーキ踏力Fに対して所定の倍力比を有するアシ
スト力Faを発生する。マスタシリンダ18は、タンデ
ムセンターバルブタイプのマスタシリンダであり、その
内部に第1油圧室20および第2油圧室22を備えてい
る。第1油圧室20および第2油圧室22には、ブレー
キ踏力Fとアシスト力Faとの合力に応じたマスタシリ
ンダ圧PM/C が発生する。
【0013】マスタシリンダ18の上部にはリザーバタ
ンク24が配設されている。リザーバタンク24には、
ブレーキフルードが貯留されている。マスタシリンダ1
8の第1油圧室20および第2油圧室22は、ブレーキ
ペダル12の踏み込みが解除されている場合にリザーバ
タンク24と導通状態となる。リザーバタンク24に
は、ブレーキフルードの残量が所定値以下となった場合
にローレベル信号を出力する残量センサ25が配設され
ている。残量センサ25の出力信号は、ECU10に供
給されている。ECU10は、残量センサ25の出力信
号に基づいて、リザーバタンク24内のブレーキフルー
ドの残量がローレベルであるか否かを判断する。
【0014】リザーバタンク24には、フロントリザー
バ通路26、および、リアリザーバ通路28が連通して
いる。フロントリザーバ通路26には、フロントリザー
バカットソレノイド30(以下、SRCF30と称す)
が連通している。同様に、リアリザーバ通路28には、
リアリザーバカットソレノイド32(以下、SRCR3
2と称す)が連通している。
【0015】SRCF30には、更に、フロントポンプ
通路34が連通している。同様に、SRCR32には、
リアポンプ通路36が連通している。SRCF30は、
オフ状態とされることでフロントリザーバ通路26とフ
ロントポンプ通路34とを遮断し、かつ、オン状態とさ
れることでそれらを導通させる2位置の電磁弁である。
また、SRCR32は、オフ状態とされることでリアリ
ザーバ通路28とリアポンプ通路36とを遮断し、か
つ、オン状態とされることでそれらを導通させる2位置
の電磁弁である。
【0016】マスタシリンダ18の第1油圧室20、お
よび、第2油圧室22には、それぞれ第1液圧通路3
8、および、第2液圧通路40が連通している。第1液
圧通路38には、右前マスタカットソレノイド42(以
下、SMFR42と称す)、および、左前マスタカット
ソレノイド44(以下、SMFL44と称す)が連通し
ている。一方、第2液圧通路40には、リアマスタカッ
トソレノイド46(以下、SMR46と称す)が連通し
ている。
【0017】SMFR42には、右前輪FRに対応して
設けられた液圧通路48が連通している。同様に、SM
FL44には、左前輪FLに対応して設けられた液圧通
路50が連通している。更に、SMR46には、左右後
輪RL,RRに対応して設けられた液圧通路52が連通
している。SMFR42、SMFL44およびSMR4
6の内部には、それぞれ定圧開放弁54,56,58が
設けられている。SMFR42は、オフ状態とされた場
合に第1液圧通路38と液圧通路48とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁54を介
して第1液圧通路38と液圧通路48とを連通させる2
位置の電磁弁である。また、SMFL42は、オフ状態
とされた場合に第1液圧通路38と液圧通路50とを導
通状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁
56を介して第1液圧通路38と液圧通路50とを連通
させる2位置の電磁弁である。同様に、SMR46は、
オフ状態とされた場合に第2液圧通路40と液圧通路5
2とを導通状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定
圧開放弁58を介して第2液圧通路40と液圧通路52
とを連通させる2位置の電磁弁である。
【0018】第1液圧通路38と液圧通路48との間に
は、また、第1液圧通路38側から液圧通路48側へ向
かうフルードの流れのみを許容する逆止弁60が配設さ
れている。同様に、第1液圧通路38と液圧通路50と
の間、および、第2液圧通路40と液圧通路52との間
には、それぞれ第1液圧通路38側から液圧通路50側
へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁62、およ
び、第2液圧通路40側から液圧通路52側へ向かう流
体の流れのみを許容する逆止弁64が配設されている。
【0019】右前輪FRに対応する液圧通路48には、
右前輪保持ソレノイド66(以下、SFRH66と称
す)が連通している。同様に、左前輪FLに対応する液
圧通路50には左前輪保持ソレノイド68(以下、SF
LH68と称す)が、左右後輪RL,RRに対応する液
圧通路52には右後輪保持ソレノイド70(以下、SR
RH70と称す)および左後輪保持ソレノイド72(以
下、SRLH72と称す)が、それぞれ連通している。
以下、これらのソレノイドを総称する場合は「保持ソレ
ノイドS**H」と称す。
【0020】SFRH66には、右前輪減圧ソレノイド
74(以下、SFRR74と称す)が連通している。同
様に、SFLH68、SRRH70およびSRLH72
には、それぞれ左前輪減圧ソレノイド76(以下、SF
LR76と称す)、右後輪減圧ソレノイド78(以下、
SRRR78と称す)および左後輪減圧ソレノイド80
(以下、SRLR80と称す)が、それぞれ連通してい
る。以下、これらのソレノイドを総称する場合には「減
圧ソレノイドS**R」と称す。
【0021】SFRH66には、また、右前輪FRのホ
イルシリンダ82が連通している。同様に、SFLH6
8には左前輪FLのホイルシリンダ84が、SRRH7
0には右後輪RRのホイルシリンダ86が、また、SR
LH72には左後輪RLのホイルシリンダ88がそれぞ
れ連通している。更に、液圧通路48とホイルシリンダ
82との間には、SFRH66をバイパスしてホイルシ
リンダ82側から液圧通路48へ向かうフルードの流れ
を許容する逆止弁90が配設されている。同様に、液圧
通路50とホイルシリンダ84との間、液圧通路52と
ホイルシリンダ86との間、および、液圧通路52とホ
イルシリンダ88との間には、それぞれSFLH68、
SRRH70およびSRLH72をバイパスするフルー
ドの流れを許容する逆止弁92,94,96が配設され
ている。
【0022】SFRH66は、オフ状態とされることに
より液圧通路48とホイルシリンダ82とを導通状態と
し、かつ、オン状態とされることにより液圧通路48と
ホイルシリンダ82とを遮断状態とする2位置の電磁弁
である。同様に、SFLH68、SRRH70およびS
RLH72は、それぞれオン状態とされることにより液
圧通路50とホイルシンダ84とを結ぶ経路、液圧通路
52とホイルシンダ86とを結ぶ経路、および、液圧通
路52とホイルシンダ88とを結ぶ経路を遮断する2位
置の電磁弁である。
【0023】左右前輪の保持ソレノイドSFRR74お
よびSFLR76には、フロント減圧通路98が連通し
ている。また、左右後輪の保持ソレノイドSRRR78
およびSRLR80にはリア減圧通路100が連通して
いる。フロント減圧通路98およびリア減圧通路100
には、それぞれフロントリザーバ102およびリアリザ
ーバ104が連通している。
【0024】また、フロント減圧通路98およびリア減
圧通路100は、それぞれ逆止弁106,108を介し
てフロントポンプ110の吸入側、および、リアポンプ
362の吸入側に連通している。フロントポンプ110
の吐出側、および、リアポンプ112の吐出側は、吐出
圧の脈動を吸収するためのダンパ114,116に連通
している。ダンパ114は、右前輪FRに対応して設け
られた右前ポンプ通路118および左前輪FLに対応し
て設けられた左前ポンプ通路120に連通している。一
方、ダンパ116は、液圧通路52に連通している。
【0025】右前ポンプ通路118は、右前ポンプソレ
ノイド122(以下、SPFL122と称す)を介して
液圧通路48に連通している。また、左前ポンプ通路1
20は、左前ポンプソレノイド124(以下、SPFR
124と称す)を介して液圧通路50に連通している。
SPFL122は、オフ状態とされることにより右前ポ
ンプ通路118と液圧通路48とを導通状態とし、か
つ、オン状態とされることによりそれらを遮断状態とす
る2位置の電磁弁である。同様に、SPFR124は、
オフ状態とされることにより左前ポンプ通路120と液
圧通路50とを導通状態とし、かつ、オン状態とされる
ことによりそれらを遮断状態とする2位置の電磁弁であ
る。
【0026】液圧通路48と右前ポンプ通路118との
間には、液圧通路48側から右前ポンプ通路118側へ
向かう流体の流れのみを許容する定圧開放弁126が配
設されている。同様に、液圧通路50と左前ポンプ通路
120との間には、液圧通路50側から左前ポンプ通路
120側へ向かう流体の流れのみを許容する定圧開放弁
128が配設されている。
【0027】各車輪の近傍には、車輪速センサ130,
132,134,136が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ130〜136の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ18に連通する第2液圧通路40には、液圧センサ1
38が配設されている。ECU10は、液圧センサ13
8の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出
する。
【0028】次に、本実施例の制動力制御装置の動作を
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図1に示す如く、制動力制御装
置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより実
現される。以下、図1に示す状態を通常ブレーキ状態と
称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ機能
を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
【0029】図1に示す通常ブレーキ状態において、左
右前輪FL,FRのホイルシリンダ82,84は、共に
第1液圧通路38を介してマスタシリンダ18の第1油
圧室20に連通している。また、左右後輪RL,RRの
ホイルシリンダ86,88は、第2液圧通路40を介し
てマスタシリンダ18の第2油圧室22に連通してい
る。この場合、ホイルシリンダ82〜88のホイルシリ
ンダ圧PW/C は、常にマスタシリンダ圧PM/C と等圧に
制御される。従って、図1示す状態によれば、通常ブレ
ーキ機能が実現される。
【0030】ABS機能は、図1に示す状態におい
て、フロントポンプ110およびリアポンプ112をオ
ン状態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動
することにより実現される。以下、制動力制御装置にお
いてABS機能を実現するための制御をABS制御と称
す。
【0031】ECU10は、車両が制動状態にあり、か
つ、何れかの車輪について過剰なスリップ率が検出され
た場合にABS制御を開始する。ABS制御は、ブレー
キペダル12が踏み込まれている状況下、すなわち、マ
スタシリンダ18が高圧のマスタシリンダ圧PM/C を発
生している状況下で開始される。ABS制御の実行中
は、マスタシリンダ圧PM/C が、第1液圧通路38およ
び第2液圧通路40を介して、それぞれ左右前輪に対応
して設けられた液圧通路48,50、および、左右後輪
に対応して設けられた液圧通路52に導かれる。従っ
て、かかる状況下で保持ソレノイドS**Hを開弁状態
とし、かつ、減圧ソレノイドS**Rを閉弁状態とする
と、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を増圧することが
できる。以下、この状態を(i) 増圧モードと称す。
【0032】また、ABS制御の実行中に、保持ソレノ
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
【0033】ECU10は、ABS制御中に、各車輪毎
に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、およ
び、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪のス
リップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび減圧
ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS**
Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御され
ると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応する
車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適当な
圧力に制御される。このように、上記の制御によれば、
制動力制御装置においてABS機能を実現することがで
きる。
【0034】ABS制御の実行中に、各車輪で減圧モー
ドが行われる際にはホイルシリンダ82〜88内のブレ
ーキフルードが、フロント減圧通路98およびリア減圧
通路100を通ってフロントリザーバ102およびリア
リザーバ104に流入する。フロントリザーバ102お
よびリアリザーバ104に流入したブレーキフルード
は、フロントポンプ110およびリアポンプ112に汲
み上げられて液圧通路48,50,52へ供給される。
【0035】液圧通路48,50,52に供給されたブ
レーキフルードの一部は、各車輪で増圧モードが行われ
る際にホイルシリンダ82〜88に流入する。また、そ
のブレーキフルードの残部は、ブレーキフルードの流出
分を補うべくマスタシリンダ18に流入する。このた
め、本実施例のシステムによれば、ABS制御の実行中
にブレーキペダル12に過大なストロークが生ずること
はない。
【0036】図2は、BA機能を実現するための制動
力制御装置の状態を示す。すなわち、BA機能は、図
2に示す如く、リザーバカットソレノイドSRCF3
0,SRCR32、および、マスタカットソレノイドS
MFR42,SMFL44,SMR46をオン状態と
し、かつ、フロントポンプ110およびリアポンプ11
2をオン状態とすることで実現される。以下、図2に示
す状態をBA作動状態と称す。また、制動力制御装置に
おいてBA機能を実現すうための制御をBA制御と称
す。
【0037】ECU10は、液圧センサ138の検出値
に基づいて、運転者によって制動力を速やかに増圧する
ことを意図するブレーキ操作、すなわち、緊急ブレーキ
操作が実行されたか否かを判別する。そして、ECU1
0は、運転者によって緊急ブレーキ操作が実行されたと
判別される場合に制動力制御装置をBA作動状態とす
る。
【0038】制動力制御装置がBA作動状態とされる
と、リザーバタンク24に貯留されているブレーキフル
ードがフロントポンプ110およびリアポンプ112に
汲み上げられて液圧通路48,50,52に供給され
る。BA作動状態では、液圧通路48,50,52の内
圧が、定圧開放弁54,56,58の開弁圧を超えてマ
スタシリンダ圧PM/C に比して高圧となるまでは、液圧
通路48,50,52からマスタシリンダ18へ向かう
フルードの流れがSMFR42,SMFL44,SMR
46によって阻止される。
【0039】このため、BA制御が開始されると、その
後、液圧通路48,50,52には、マスタシリンダ圧
M/C に比して高圧の液圧が発生する。BA作動状態で
は、ホイルシリンダ82〜88と対応する液圧通路4
8,50,52とが導通状態に維持されている。従っ
て、BA制御が開始されると、その後、全ての車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C は、フロントポンプ110または
リアポンプ112を液圧源として、速やかにマスタシリ
ンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧される。このように、
図2に示す状態によれば、制動力を速やかに立ち上げる
機能、すなわち、BA機能を実現することができる。
【0040】ところで、図2に示すBA作動状態におい
て、液圧通路50,48,52は、それぞれ逆止弁6
0,62,64を介してマスタシリンダ18に連通して
いる。このため、マスタシリンダ圧PM/C が各車輪のホ
イルシリンダ圧PW/C に比して大きい場合は、BA作動
状態においてもマスタシリンダ18を液圧源としてホイ
ルシリンダ圧PW/C を昇圧することができる。
【0041】上述の如く、制動力制御装置は、運転者に
よって緊急ブレーキ操作が実行された際に、リザーバタ
ンク24に貯留されているブレーキフルードをフロント
ポンプ110およびリアポンプ112で圧送することに
よりBA機能を実現する。従って、BA制御の実行中
は、リザーバタンク24からフロントポンプ110およ
びリアポンプ112に対して、十分な量のブレーキフル
ードを供給することが必要となる。
【0042】リザーバタンク24内のブレーキフルード
は、ブレーキペダル12の踏み込みが解除される毎に、
各車輪のブレーキパッドの摩耗分等を補うべくマスタシ
リンダ18に補充される。従って、リザーバタンク24
内のブレーキフルードの残量は、制動力制御装置の経時
変化により徐々に減少する。また、例えば、リザーバタ
ンク24に連通するフロントリザーバ通路26、また
は、リアリザーバ通路28に失陥が生じた場合には、そ
の失陥部分からブレーキフルードが漏出することによ
り、リザーバタンク24内のブレーキフルードの残量が
少量となる。
【0043】リザーバタンク24内のブレーキフルード
が、上記の如く少量である状況下でBA制御が実行され
ると、フロントポンプ110およびリアポンプ112に
よって空気が吸入され、制動力制御装置の油圧回路内に
空気が混入することがある。従って、リザーバタンク2
4の内部に十分なブレーキフルードが残留していない場
合には、BA制御を実行しないことが適切である。本実
施例の制動力制御装置は、かかる機能を実現し得る点に
特徴を有している。
【0044】図3は、上記の機能を実現すべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図3に示すルーチンは、車両のイグニッションスイ
ッチがオンとされた後、繰り返し起動される。図3に示
すルーチンが起動されると、先ずステップ200の処理
が実行される。ステップ200では、BA制御の開始条
件が成立しているか否かが判別される。本実施例におい
ては、液圧センサ138の検出値に基づいて、運転者に
よって緊急ブレーキ操作が実行されたと判断された後、
マスタシリンダ18を液圧源とするよりも、フロントポ
ンプ110およびリアポンプ112を液圧源とする方
が、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を速やかに立ち上
げることができる状況が形成された時点で、BA制御の
開始条件が成立したと判別される。本ステップ200
で、BA制御の開始条件が成立しないと判別される場合
は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチ
ンが終了される。一方、BA制御の開始条件が成立して
いると判別された場合は、次にステップ202の処理が
実行される。
【0045】ステップ202では、リザーバタンク24
内のブレーキフルードの残量が所定量以下であるか、す
なわち、ローレベルであるかが判別される。本ステップ
202では、残量センサ25からオン信号が出力されて
いる場合にブレーキフルードの残量がローレベルである
と判別される。本ステップ202で、ブレーキフルード
の残量がローレベルでないと判別された場合は、リザー
バタンク24内に十分な量のブレーキフルードが貯留さ
れていると判断することができる。この場合、次にステ
ップ204の処理が実行される。
【0046】ステップ204では、制動力制御装置にお
いてBA制御を実行するための処理、具体的には、リザ
ーバカットソレノイドSRCF30およびSRCR32
をオン状態とし、マスタカットソレノイドSMFR4
2,SMFL44およびSMR46をオン状態とし、更
に、フロントポンプ110およびリアポンプ112をオ
ン状態として、上記図2に示すBA作動状態を実現する
処理が実行される。本ステップ204の処理が終了する
と、次にステップ206の処理が実行される。
【0047】ステップ206では、BA制御の終了条件
が成立しているか否かが判別される。本ステップ206
では、液圧センサ138の検出値に基づいて、ブレーキ
ペダル12の踏み込みが解除されたと判別される場合
に、BA制御の終了条件が成立したと判別される。上記
の判別の結果、BA制御の終了条件が未だ成立していな
いと判別される場合は、以後、上記ステップ202以降
の処理が繰り返し実行される。一方、上記の判別の結
果、BA制御の終了条件が成立したと判別される場合
は、次にステップ208の処理が実行される。
【0048】ステップ208では、BA制御を終了させ
るための処理、具体的には、制動力制御装置のソレノイ
ドおよびポンプを全てオフ状態として、上記図1に示す
通常ブレーキ状態を実現する処理が実行される。本ステ
ップ208の処理が終了すると、今回のルーチンが終了
される。本ルーチンにおいて、上記ステップ202で、
リザーバタンク24内のブレーキフルードの残量がロー
レベルであると判別される場合は、上述したステップ2
04および206がジャンプされ、ステップ202に次
いで上記ステップ208の処理が実行される。
【0049】上記の処理によれば、BA制御の開始条件
が成立した後、BA制御の終了条件が成立するまでの
間、リザーバタンク24内のブレーキフルードの残量が
ローレベルであると判別されない限り、制動力制御装置
においてBA制御が実行される。また、リザーバタンク
24内のブレーキフルードの残量がローレベルである場
合は、BA制御の開始条件が成立しても、または、BA
制御の実行中であっても、その後BA制御の実行が禁止
される。
【0050】リザーバタンク24内のブレーキフルード
の残量がローレベルである場合に、上記の如くBA制御
の実行が禁止されると、フロントポンプ110およびリ
アポンプ112に空気が吸入されるのを確実に防止する
ことができる。従って、本実施例の制動力制御装置によ
れば、BA制御の実行に伴って、制動力制御装置の内部
に空気が混入するのを確実に防止することができる。
【0051】尚、上記の実施例においては、残量センサ
25が前記した「フルード残量検出手段」に相当してい
ると共に、ECU10が上記ステップ200および20
4の処理を実行してSRCF30,SRCR32,SM
FR42,SMFL44,SMR46,フロントポンプ
110およびリアポンプ112を制御することにより前
記した「アシスト圧発生手段」が、ECU10が上記ス
テップ202および208の処理を実行することにより
前記した「アシスト制御禁止手段」が、それぞれ実現さ
れている。
【0052】次に、図4および図5を参照して、本実施
例の第2実施例について説明する。図4は、本発明の第
2実施例に対応するポンプアップ式制動力制御装置(以
下、単に制動力制御装置と称す)のシステム構成図を示
す。尚、図4において、上記図1に示す構成部分と同一
の部分については、同一の符号を付してその説明を省略
または簡略する。
【0053】本実施例の制動力制御装置は、フロントエ
ンジン・フロントドライブ式車両(FF車両)用の制動
力制御装置として好適な装置である。本実施例の制動力
制御装置は、ECU10により制御されている。ECU
10は、上述した第1実施例の場合と同様に、上記図3
に示すルーチンを実行することにより、制動力制御装置
の動作を制御する。
【0054】制動力制御装置は、ブレーキペダル12を
備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレーキ
スイッチ14が配設されている。ECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル1
2が踏み込まれているか否かを判別する。ブレーキペダ
ル12は、バキュームブースタ16に連結されている。
また、バキュームブースタ16は、マスタシリンダ18
に固定されている。マスタシリンダ18の内部には第1
油圧室20および第2油圧室22が形成されている。第
1油圧室20および第2油圧室22の内部には、ブレー
キ踏力Fと、バキュームブースタ16が発生するアシス
ト力Faとの合力に応じたマスタシリンダ圧PM/Cが発
生する。
【0055】マスタシリンダ18の上部にはリザーバタ
ンク24が配設されている。リザーバタンク24には、
ブレーキフルードの残量が所定値以下となった場合にロ
ーレベル信号を出力する残量センサ25が配設されてい
る。ECU10は、残量センサ25の出力信号に基づい
て、リザーバタンク24内のブレーキフルードの残量が
ローレベルであるか否かを判断する。
【0056】リザーバタンク24には、第1リザーバ通
路300、および、第2リザーバ通路302が連通して
いる。第1リザーバ通路300には、第1リザーバカッ
トソレノイド304(以下、SRC-1304と称す)が
連通している。同様に、第2リザーバ通路302には、
第2リザーバカットソレノイド306(以下、SRC -2
306と称す)が連通している。
【0057】SRC-1304には、更に、第1ポンプ通
路308が連通している。同様に、SRC-2306に
は、第2ポンプ通路310が連通している。SRC-1
04は、オフ状態とされることで第1リザーバ通路30
0と第1ポンプ通路308とを遮断し、かつ、オン状態
とされることでそれらを導通させる2位置の電磁弁であ
る。また、SRC-2306は、オフ状態とされることで
第2リザーバ通路302と第2ポンプ通路310とを遮
断し、かつ、オン状態とされることでそれらを導通させ
る2位置の電磁弁である。
【0058】マスタシリンダ18の第1油圧室20、お
よび、第2油圧室22には、それぞれ第1液圧通路3
8、および、第2液圧通路40が連通している。第1液
圧通路38には、第1マスタカットソレノイド312
(以下、SMC-1312と称す)が連通している。一
方、第2液圧通路40には、第2マスタカットソレノイ
ド314(以下、SMC-2314と称す)が連通してい
る。
【0059】SMC-1312には、第1ポンプ圧通路3
16と左後輪RLに対応して設けられた液圧通路318
とが連通している。第1ポンプ圧通路316には、第1
ポンプソレノイド320(以下、SMV-1320と称
す)が連通している。SMV-1320には、更に、右前
輪FRに対応して設けられた液圧通路322が連通して
いる。SMV-1320の内部には定圧開放弁324が設
けられている。SMV-1320は、オフ状態とされた場
合に第1ポンプ圧通路316と液圧通路322とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁3
24を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1ポンプ圧通路316と液圧通路322との間に
は、また、第1ポンプ圧通路316側から液圧通路32
2側へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁32
6が配設されている。
【0060】SMC-2314には、第2ポンプ圧通路3
28と右後輪RRに対応して設けられた液圧通路330
とが連通している。第2ポンプ圧通路328には、第2
ポンプソレノイド332(以下、SMV-2332と称
す)が連通している。SMV-2332には、更に、左前
輪FLに対応して設けられた液圧通路334が連通して
いる。SMV-2332の内部には定圧開放弁336が設
けられている。SMV-2332は、オフ状態とされた場
合に第2ポンプ圧通路328と液圧通路334とを導通
状態とし、かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁3
36を介してそれらを連通させる2位置の電磁弁であ
る。第1液圧通路328と液圧通路334との間には、
また、第2ポンプ圧通路328側から液圧通路334側
へ向かうフルードの流れのみを許容する逆止弁338が
配設されている。
【0061】SMC-1312およびSMC-2314の内
部には、それぞれ定圧開放弁340,342が設けられ
ている。SMC-1312は、オフ状態とされた場合に第
1液圧通路38と液圧通路318(および第1ポンプ圧
通路316)とを導通状態とし、かつ、オン状態とされ
た場合に定圧開放弁340を介してそれらを連通させる
2位置の電磁弁である。また、SMC-2314は、オフ
状態とされた場合に第2液圧通路40と液圧通路330
(および第2ポンプ圧通路328)とを導通状態とし、
かつ、オン状態とされた場合に定圧開放弁342を介し
てそれらを連通させる2位置の電磁弁である。
【0062】第1液圧通路38と液圧通路318との間
には、第1液圧通路38側から液圧通路318側へ向か
うフルードの流れのみを許容する逆止弁344が配設さ
れている。同様に、第2液圧通路40と液圧通路330
との間には、第2液圧通路40側から液圧通路330側
へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁346が配設
されている。
【0063】左右前輪および左右後輪に対応して設けら
れた4本の液圧通路318,322,330,334に
は、第1実施例および第2実施例の場合と同様に保持ソ
レノイドS**H、減圧ソレノイドS**R、ホイルシ
リンダ82〜88および逆止弁90〜96が連通してい
る。また、右前輪FRおよび左後輪RLの減圧ソレノイ
ドSFRR74およびSRLR80には、第1減圧通路
348が連通している。更に、左前輪FLおよび右後輪
RRの減圧ソレノイドSFLR76およびSRRR78
には、第2減圧通路350が連通している。
【0064】第1減圧通路348および第2減圧通路3
50には、それぞれ第1リザーバ352および第2リザ
ーバ354が連通している。また、第1リザーバ352
および第2リザーバ354は、それぞれ逆止弁356,
358を介して第1ポンプ360の吸入側、および、第
2ポンプ362の吸入側に連通している。第1ポンプ3
60の吐出側、および、第2ポンプ362の吐出側は、
吐出圧の脈動を吸収するためのダンパ364,366に
連通している。ダンパ364,366は、それぞれ液圧
通路322,334に連通している。
【0065】各車輪の近傍には、車輪速センサ130,
132,134,136が配設されている。ECU10
は、車輪速センサ130〜136の出力信号に基づいて
各車輪の回転速度VW を検出する。また、マスタシリン
ダ18に連通する第2液圧通路40には、液圧センサ1
38が配設されている。ECU10は、液圧センサ13
8の出力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出
する。
【0066】次に、本実施例の制動力制御装置の動作を
説明する。本実施例の制動力制御装置は、油圧回路内に
配設された各種の電磁弁の状態を切り換えることによ
り、通常ブレーキ機能、ABS機能、および、B
A機能を実現する。 通常ブレーキ機能は、図4に示す如く、制動力制御装
置が備える全ての電磁弁をオフ状態とすることにより実
現される。以下、図4に示す状態を通常ブレーキ状態と
称す。また、制動力制御装置において通常ブレーキ機能
を実現するための制御を通常ブレーキ制御と称す。
【0067】図4に示す通常ブレーキ状態において、右
前輪FRのホイルシリンダ82および左後輪RLのホイ
ルシリンダ88は、共に第1液圧通路38を介してマス
タシリンダ18の第1油圧室20に連通している。ま
た、左前輪FLのホイルシリンダ84および右後輪RR
のホイルシリンダ86は、共に第2液圧通路40を介し
てマスタシリンダ18の第2油圧室22に連通してい
る。この場合、ホイルシリンダ82〜88のホイルシリ
ンダ圧PW/C は、常にマスタシリンダ圧PM/C と等圧に
制御される。従って、図4示す状態によれば、通常ブレ
ーキ機能が実現される。
【0068】ABS機能は、図4に示す状態におい
て、第1ポンプ360および第2ポンプ362をオン状
態とし、かつ、保持ソレノイドS**Hおよび減圧ソレ
ノイドS**RをABSの要求に応じて適当に駆動する
ことにより実現される。以下、制動力制御装置において
ABS機能を実現するための制御をABS制御と称す。
ABS制御の実行中は、左右前輪および左右後輪に対応
して設けられた4本の液圧通路318,322,33
0,334の全てに高圧のマスタシリンダ圧PM/ C が導
かれている。従って、かかる状況下で保持ソレノイドS
**Hを開弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**R
を閉弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C
を増圧することができる。以下、この状態を(i) 増圧モ
ードと称す。
【0069】また、ABS制御の実行中に、保持ソレノ
イドS**Hおよび減圧ソレノイドS**Rの双方を閉
弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧PW/C を保
持することができる。以下、この状態を(ii)保持モード
と称す。更に、ABS制御の実行中に、保持ソレノイド
S**Hを閉弁状態とし、かつ、減圧ソレノイドS**
Rを開弁状態とすると、各車輪のホイルシリンダ圧P
W/C を減圧することができる。以下、この状態を(iii)
減圧モードと称す。
【0070】ECU10は、ABS制御の実行中に、各
車輪毎に適宜上記の(i) 増圧モード、(ii)保持モード、
および、(iii) 減圧モードが実現されるように、各車輪
のスリップ状態に応じて保持ソレノイドS**Hおよび
減圧ソレノイドS**Rを制御する。保持ソレノイドS
**Hおよび減圧ソレノイドS**Rが上記の如く制御
されると、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C が対応
する車輪に過大なスリップ率を発生させることのない適
当な圧力に制御される。このように、上記の制御によれ
ば、制動力制御装置においてABS機能を実現すること
ができる。
【0071】ABS制御の実行中に、各車輪で減圧モー
ドが行われる際にはホイルシリンダ82〜88内のブレ
ーキフルードが、第1減圧通路348および第2減圧通
路350を通って第1リザーバ352および第2リザー
バ354に流入する。第1リザーバ352および第2リ
ザーバ354に流入したブレーキフルードは、第1ポン
プ360および第2ポンプ362に汲み上げられて液圧
通路322,334へ供給される。
【0072】液圧通路322,334に供給されたブレ
ーキフルードの一部は、各車輪で (i)増圧モードが行わ
れる際にホイルシリンダ82〜88に流入する。また、
そのブレーキフルードの残部は、ブレーキフルードの流
出分を補うべくマスタシリンダ18に流入する。このた
め、本実施例のシステムによれば、ABS制御の実行中
にブレーキペダル12に過大なストロークが生ずること
はない。
【0073】図5は、BA機能を実現するための制動
力制御装置の状態を示す。すなわち、BA機能は、図
5に示す如く、リザーバカットソレノイドSRC-130
4,SRC-2306、および、マスタカットソレノイド
SMC-1312,SMC-2314をオン状態とし、か
つ、第1ポンプ360および第2ポンプ362をオン状
態とすることで実現される。以下、図5に示す状態をB
A作動状態と称す。また、制動力制御装置においてBA
機能を実現するための制御をBA制御と称す。
【0074】ECU10は、液圧センサ138の検出値
に基づいて運転者によって緊急ブレーキ操作が実行され
たことを検出すると、制動力制御装置をBA作動状態と
する。制動力制御装置がBA作動状態とされると、リザ
ーバタンク24に貯留されているブレーキフルードが第
1ポンプ360および第2ポンプ362に汲み上げられ
て液圧通路322,334に供給される。BA作動状態
では、液圧通路322,334は、それぞれ第1ポンプ
圧通路316および第2ポンプ圧通路328と導通状態
に維持される。
【0075】また、BA作動状態では、第1ポンプ圧通
路316の内圧が定圧開放弁340の開弁圧を超えてマ
スタシリンダ圧PM/C に比して高圧となるまでは、第1
ポンプ圧通路316側からマスタシリンダ18側へ向か
うフルードの流れがSMC-1312によって阻止され
る。同様に、BA作動状態では、第2ポンプ圧通路32
8の内圧が定圧開放弁342の開弁圧を超えてマスタシ
リンダ圧PM/C に比して高圧となるまでは、第2ポンプ
圧通路328側からマスタシリンダ18側へ向かうフル
ードの流れがSMC-2314によって阻止される。
【0076】このため、BA制御が開始されると、その
後、各車輪に対応して設けられた4本の液圧通路31
8,322,328,330には、マスタシリンダ圧P
M/C に比して高圧の液圧が発生する。BA作動状態で
は、ホイルシリンダ82〜88と、それらと対応する液
圧通路318,322,330,334とが導通状態に
維持される。従って、BA制御が開始されると、その
後、全ての車輪のホイルシリンダ圧PW/C は、第1ポン
プ360または第2ポンプ362を液圧源として、速や
かにマスタシリンダ圧PM/C を超える圧力に昇圧され
る。このように、図5に示す状態によれば、制動力を速
やかに立ち上げる機能、すなわち、BA機能を実現する
ことができる。
【0077】ところで、本実施例においても、ECU1
0が上記図3に示すルーチンを実行することにより、リ
ザーバタンク24内のブレーキフルードの残量がローレ
ベルである場合にはBA制御の実行が禁止される。この
ため、本実施例の制動力制御装置によっても、BA制御
の実行に伴って、制動力制御装置の内部に空気が混入す
るのを確実に防止することができる。
【0078】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、リザーバ
タンクに十分な量のブレーキフルードが貯留されていな
い場合にはブレーキアシスト制御の実行が禁止される。
このため、ブレーキアシスト制御の実行に伴う空気の混
入を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に対応する制動力制御装置
の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシステ
ム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に対応する制動力制御装置
のBA作動状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例に対応する制動力制御装置
において実行される制御ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図4】本発明の第2実施例に対応する制動力制御装置
の通常ブレーキ状態およびABS作動状態を示すシステ
ム構成図である。
【図5】本発明の第2実施例に対応する制動力制御装置
のBA作動状態を示す図である。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 12 ブレーキペダル 18 マスタシリンダ 24 リザーバタンク 25 残量センサ 30 フロントリザーバカットソレノイド(SRCF) 32 リアリザーバカットソレノイド(SRCR) 42 右前マスタカットソレノイド(SMFR) 44 左前マスタカットソレノイド(SMFL) 46 リアマスタカットソレノイド(SMR) 82,84,86,88 ホイルシリンダ 110 フロントポンプ 112 リアポンプ 138 液圧センサ 304 第1リザーバカットソレノイド(SRC-1) 306 第2リザーバカットソレノイド(SRC-2) 312 第1マスタカットソレノイド(SMC-1) 314 第2マスタカットソレノイド(SMC-2) 360 第1ポンプ 362 第2ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者によって緊急ブレーキ操作が行わ
    れた際に、通常時に比して大きな制動液圧を発生させる
    制動力制御装置において、 ブレーキフルードを貯留するリザーバタンクと、 緊急ブレーキ操作が実行された際に、リザーバタンクか
    らブレーキフルードを吸入して所定の制動液圧をホイル
    シリンダに供給するアシスト圧発生手段と、 リザーバタンク内のブレーキフルードの残量を検出する
    フルード残量検出手段と、 リザーバタンク内のブレーキフルードの残量が所定値以
    下である場合に、前記アシスト圧発生手段の作動を禁止
    するアシスト制御禁止手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
JP5206797A 1997-03-06 1997-03-06 制動力制御装置 Pending JPH10244916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5206797A JPH10244916A (ja) 1997-03-06 1997-03-06 制動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5206797A JPH10244916A (ja) 1997-03-06 1997-03-06 制動力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10244916A true JPH10244916A (ja) 1998-09-14

Family

ID=12904478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5206797A Pending JPH10244916A (ja) 1997-03-06 1997-03-06 制動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10244916A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132214A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
JP2010179799A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Toyota Motor Corp 液面低下判定装置およびブレーキ制御装置
WO2013118632A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132214A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置
JP4697217B2 (ja) * 2007-11-29 2011-06-08 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ制御装置
US8573710B2 (en) 2007-11-29 2013-11-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brake control system
JP2010179799A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Toyota Motor Corp 液面低下判定装置およびブレーキ制御装置
WO2013118632A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置
US9821784B2 (en) 2012-02-09 2017-11-21 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Brake apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3287259B2 (ja) 制動力制御装置
JP3433786B2 (ja) 制動力制御装置
JP2003226232A (ja) 車両用電子制御式ブレーキシステム
US6217133B1 (en) Brake force control apparatus
US6685278B2 (en) Brake control device for a vehicle
JPH10287227A (ja) 液圧ブレーキ制御装置
JP4348754B2 (ja) 制動力制御装置
JP3826963B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JPH10244916A (ja) 制動力制御装置
JP3721834B2 (ja) ブレーキブースタ用負圧制御装置
JP2001140765A (ja) ポンプ制御装置
JPH09240457A (ja) 車両用制動制御装置
JP2003154926A (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP2000211494A (ja) 液圧ブレ―キ装置
JP2000247218A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPH10329675A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPH08295231A (ja) ブレーキ倍力システム
JP3433783B2 (ja) 制動力制御装置
JPH11222115A (ja) 制動液圧制御装置
JPH10244925A (ja) 制動力制御装置
JPH1120673A (ja) 制動力制御装置
JPH1111285A (ja) 液圧ブレーキ装置
JP2592152Y2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JPH11227588A (ja) ブレーキ制御装置
JPH11152030A (ja) 液圧ブレーキ装置