JPH10244769A - 感熱転写リボン - Google Patents

感熱転写リボン

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JPH10244769A
JPH10244769A JP9047954A JP4795497A JPH10244769A JP H10244769 A JPH10244769 A JP H10244769A JP 9047954 A JP9047954 A JP 9047954A JP 4795497 A JP4795497 A JP 4795497A JP H10244769 A JPH10244769 A JP H10244769A
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JP
Japan
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thickness
unevenness
thermal transfer
film
longitudinal direction
Prior art date
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Application number
JP9047954A
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English (en)
Inventor
Mika Aeba
美加 饗場
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】長手方向の厚みむらが0.3%以上、5%
以下であることを特徴とする感熱転写リボン。 【効果】本発明の感熱転写リボンにより、厚み均一性、
熱寸法安定性に優れ、また、感熱転写時の印字性、走行
性に優れた感熱転写リボンを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
ーに用いられる感熱転写リボンに関するものであり、更
に詳しくは、厚み均一性、印字性、熱寸法安定性、走行
性に優れた感熱転写リボンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱転写リボンは大別すると、ワックス
などのバインダ中に、熱溶融性を有する各種顔料を混入
したインク層(溶融型インク層)を熱によって溶融し、
被転写紙に転写させる溶融転写型と、バインダ中に昇華
性を有する染料を混入した染料層(昇華型インク層)
の、染料のみを熱によって昇華し、被転写紙の受容層に
吸着させ、階調性の画像を形成する昇華型がある。これ
らの、感熱転写方式は、いずれも、250℃以上といっ
た高温のサーマルヘッドでリボンの背面から加熱し、イ
ンクや染料を転写させている。このため、サーマルプリ
ンターに用いられる感熱転写リボンのベースフィルムに
は、ポリエステルフィルムが、高い結晶性、高い融点、
耐熱性、耐薬品性、強度、弾性率等の優れた性質を有す
ることから利用されている。この転写材は、特公平4−
34519号公報などで知られているように、印字時の
長手方向の張力によるフィルムの伸びを防止するため
に、長手方向に強力化された二軸延伸フィルムが用いら
れている。しかしながら、このように長手方向に強力化
することはできても、フィルムの厚みむらまでは十分に
抑制することができない。厚みむらが大きいと、外部加
熱による印字を行う時に、熱の伝達むらやフィルム厚み
に起因する物性むらから、印字に乱れが生じ、印字性に
優れたものが得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決し、優れた機械特性などを損なわずに、厚み均一
性、印字性、熱寸法安定性、走行性に優れた感熱転写リ
ボンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、長
手方向の厚みむらが0.3%以上、5%以下であること
を特徴とする感熱転写リボンに関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
感熱転写リボンに用いられるベースフィルムとしては、
ポリエステル、中でもポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレート、およびそれらの共重合体や他
のポリマーとのブレンド体、さらには積層体などの複合
体が優れた特性を有していることから好ましい。さらに
好ましくは、固有粘度が0.55以上、0.63以上の
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタ
レートである。なお、該フィルム中には、相溶化剤、可
塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑り剤、ブロッ
キング防止剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤な
どを添加含有させてもよい。もちろん、該フィルムは単
膜でもよいが、これに他のポリマー層、例えばポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデ
ン、アクリル系ポリマーなどを積層してもよい。サーマ
ルヘッドが接する側のベースフィルム表面には、例え
ば、特開平4−126293号公報などに記載されてい
るような、高温スティック防止離型コートを施しておく
ことが好ましい。また、転写インクの接する側のベース
フィルム表面には、コロナ放電処理やウレタン、アクリ
ル、エステルなどで代表される昜接着樹脂のコーティン
グなどの表面活性化処理をしてもよい。
【0006】本発明の感熱転写リボンにおいては、長手
方向の厚みむらは0.3%以上、5%以下である必要が
ある。好ましくは、厚みむらが4%以下、さらに好まし
くは2%以下である。厚みむらが5%を超えると、外部
加熱による印字時に、厚みの厚い部分と薄い部分とで、
熱の伝達が大きく異なり、また、フィルム厚みに起因す
る物性むらも生じてくる。このため、印字むらが生じ、
仕上がりが不鮮明となり好ましくない。また、厚みむら
が0.3%未満のものは、実用上、特に必要とされてい
ない。
【0007】本発明において、長手方向の厚みむらと
は、溶融転写型のリボンにおいては、熱剥離法により溶
融型インク層を剥離したリボンの厚みむらであり、昇華
型のリボンにおいては、混合溶媒による溶解除去法によ
り、昇華型インク層を除去したリボンの厚みむらであ
る。熱剥離法とは、まず、リボンのインクが塗布されて
いる側を、表面が平滑である他のフィルム(A)と合わ
せる。次いで、インクが塗布されていない側のリボンの
表面に、通温50〜100℃の熱をかけ、フィルム
(A)の表面にインクを転写させて、リボンから溶融型
インク層を剥離するという方法である。また、混合溶媒
による溶解除去法とは、メチルエチルケトンとトルエン
の混合溶媒(重量比1:1)に、室温で30分間浸漬
し、昇華型インク層を溶解して、かるく柔らかいガーゼ
等で拭き取り、リボンからインク層を除去するという方
法である。上記の方法でリボンのインク層を剥離、また
は除去した後、長手方向に10mm幅で10m長にサン
プリングする。次に、長手方向の厚みを、アンリツ株式
会社製フィルムシックネステスタ KG601Aおよび
電子マイクロメーター K306Cを用いて、搬送速度
3m/分で連続的に測定する。この測定結果から、10
m長の厚みの最大値をTmax(μm)、最小値をTm
in(μm)、平均厚みをTave(μm)とし、R=
Tmax−Tminを求め、RとTave(μm)から
厚みむら(%)=R/Tave×100を求めた。
【0008】また、本発明においては、長手方向の厚み
むらの波形をフーリエ解析した際の、1(1/m)以
上、2(1/m)以下の波数におけるスペクトル強度和
Pwの、全波数帯域におけるスペクトル強度和PwTに
対する比Pw/PwTが0.15以下であることが好ま
しく、さらに好ましくはPw/PwTが0.1以下であ
る。フーリエ交換により厚みむらの波形を解析した結
果、波数が1(1/m)以上、2(1/m)以下の成分
の厚みむらは、縦延伸における延伸のむらに多く起因し
ており、Pw/PwTが0.15を超えると、良好な印
字性、取扱性を確保することが困難となり好ましくな
い。
【0009】さらに、本発明においては、150℃で3
0分の熱収縮率が、長手方向が−0.1%以上、1.5
%以下で、かつ、幅方向が−0.1%以上、0.3%以
下であることが好ましい。さらに好ましくは、長手方向
が0%以上、1.4%以下で、かつ、幅方向が0%以
上、0.1%以下である。ここでいう熱収縮率とは、熱
剥離法により溶融型インク層を剥離、または混合溶媒に
よる溶解除去法により、昇華型インク層を除去した後の
リボンの熱収縮率である。また、熱収縮率の符号が“−
(負)”の場合は伸びを示しており、0%とは伸縮して
いないことを示している。印字を行う際、感熱ヘッドの
ピーク温度は250℃以上であるため、感熱ヘッドに接
する側のフィルム温度は加熱されて高温となっている。
また、転写インクの接する側のフィルム温度でも100
℃近傍となっている。このため、150℃で30分にお
ける熱収縮率が上記範囲を外れると、高温の感熱ヘッド
が感熱転写リボンに接する際に、フィルムが伸縮や変形
を起こし、皺が生じ易くなる。また、高温・多湿下での
長期保存によるフィルムの伸縮や変形も生じ易くなる。
このため、良好な印字性、走行性、取扱性を確保するこ
とが困難となり好ましくない。
【0010】本発明においては、長手方向のF5値が1
10MPa以上、160MPa以下であることが好まし
く、さらに好ましくは、115MPa以上、150MP
a以下である。ここでいうF5値とは、熱剥離法により
溶融型インク層を剥離、または混合溶媒による溶解除去
法により、昇華型インク層を除去した後のリボンのF5
値である。長手方向のF5値が110MPa未満である
と感熱転写リボンが伸びたり、また、カールや皺が生じ
易くなり感熱転写時の印字性、走行性、取扱性の点で好
ましくない。また、160MPaを超えると、剛性が強
くなるため走行性、取扱性の点で好ましくない。
【0011】また、本発明のベースフィルムの表面は平
滑であることが好ましく、中心線平均粗さ(Ra)が
0.02μm〜1μmの範囲のものが感熱転写時の印字
性、走行性、取扱性、耐久性などの点で好ましい。
【0012】さらに、本発明のベースフィルムの厚さ
は、好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは2〜6
μmである。これは印字性、加工適正、取扱性などによ
り適宜決めることができる。
【0013】次に本発明のリボンの製造法について説明
するが、かかる例に限定されるものではない。
【0014】熱可塑性ポリマーを乾燥後に通常の押出機
に供給して該融点以上に加熱後、定量的にTダイ口金か
ら吐出させ、高電圧を印加しながら冷却ドラムに密着固
化させ未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを80
〜130℃の加熱ロール群で加熱し、長手方向に4〜8
倍延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。ここで
本発明においては、最終的に得られるリボンの長手方向
の厚みむらを0.3%以上、5%以下に抑え、また、縦
延伸における延伸むらに起因している波数である1(1
/m)以上、2(1/m)以下の成分の厚みむらを抑え
るために、少なくとも2段以上で縦延伸を行うことが好
ましい。この際、最初(1段階目)の縦延伸は、延伸温
度が(Tg(ガラス転移点)+10)℃〜(Tg+5
5)℃、好ましくは(Tg+30)℃〜(Tg+45)
℃となる温度で、延伸倍率が1.1〜2.5倍、好まし
くは1.5〜2.3倍の延伸(予備延伸)をするのがよ
い。また、より厚み均一性のよいフィルムを得るため
に、Tダイから押出す際のポリマーの温度を該ポリマー
の融解終了温度(Tme)未満、降温結晶化開始温度
(Tcb)を超える温度にして、押出時の膜振動による
厚みむらを抑えてもよい。さらに、予備延伸後(二段目
以降)の縦延伸の条件(延伸倍率配分、延伸温度など)
を最適化させることにより、好適なF5値を得ることが
できる。また、1段目の延伸後に(Tg+15)℃〜
(Tg+60)℃、好ましくは(Tg+30)℃〜(T
g+55)のロール熱処理を行うことにより、延伸性が
向上し、総合縦倍率が4〜8倍の縦延伸を行う上で有効
である。なお、最終的に昇華型リボンを得る場合は、ベ
ースフィルムとインク層との接着性を向上させるため
に、縦延伸後に、インクを塗布する側のフィルム面に、
易接着層形成塗液を塗布するのが好ましい。この際、用
いる易接着層形成塗液は、例えば、ポリエステル樹脂や
アクリル樹脂を各々単独、または、それらを混合したも
の、また、易接着層中にメラミン系架橋剤を含有したも
のを用いてもよい。
【0015】続いて、テンタに導いてこのフィルムの両
端をクリップで把持しながら、80〜130℃に加熱さ
れた熱風雰囲気中で予熱し、幅方向に3〜5倍延伸し、
必要に応じて熱固定、弛緩処理を行ってもよい。この
際、熱処理温度は220〜255℃、好ましくは、23
5〜250℃に、また、弛緩処理温度は100〜220
℃とするのが、熱寸法安定性に優れたフィルムを得るの
に有効である。もちろん、各処理条件(温度、時間、リ
ラックス率など)を適宜変更し、最適化するのも好まし
いことである。かくして得られた二軸延伸配向フィルム
の表面に易接着処理や離型処理を施してもよいが、製膜
ラインの途中で該表面処理をする方が好ましい。かくし
て得られた厚さ1〜15μmのベースフィルムの易接着
処理を施した表面に感熱転写インクをコーティングし、
離型処理を施した表面に、必要に応じてスティック防止
コートをすることにより本発明の感熱転写リボンを得
る。
【0016】感熱転写リボン用の転写インク層は、特に
限定されるものではなく、各種のものを用いることがで
きる。具体的には、バインダ成分、着色成分などを主成
分とし、必要に応じて柔軟剤、融点調整剤、平滑剤、分
散剤などを含有させてもよい。
【0017】上記主成分の具体例としては、溶融型イン
ク層においては、バインダー成分としては、パラフィン
ワックス、カルナウバワックス、エステルワックスなど
の各種のワックス類や、低融点ポリマーの各種高分子類
を用いることができ、着色剤成分としては、カーボンブ
ラックや各種の有機、無機顔料ないしは染料を用いるこ
とができる。また、昇華型インク層においては、染料を
分散させるバインダ成分としては、セルロース類、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセター
ル化物、ポリアミド等を用いることができ、着色成分と
しては各種分散染料、塩基性染料などを用いることがで
きる。
【0018】設けられる転写インク層の厚みは、特に限
定されないが、通常は0.5〜15μm、好ましく1〜
7μmである。また、転写インク層のコーティング方法
は各種の方法、溶融型インク層の場合はホットメルト
法、溶剤コート法などを用い、昇華型インク層の場合は
リバース法、スプレーコート法、バーコート法、グラビ
アコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用い
る。用途に合わせて適当にスリットし、必要に応じて感
熱転写リボン用のカセットケースに入れる。
【0019】
【物性値の評価法】
(1)厚みむら 溶融転写型の感熱転写リボンにおいては、溶融型インク
層を熱剥離法により剥離したものを、また、昇華型の感
熱転写リボンにおいては、昇華型インク層を混合溶媒
(メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒)により除
去したものを、長手方向に10mm幅で10m長にサン
プリングする。次に、フィルムの長手方向の厚みを、ア
ンリツ(株)製フィルムシックネステスタ KG601
Aおよび電子マイクロメーター K306Cを用いて、
搬送速度3m/分で連続的に測定する。この測定結果か
ら、10m長の厚みの最大値をTmax(μm)、最小
値をTmin(μm)、平均厚みをTave(μm)と
し、R=Tmax−Tminを求め、RとTave(μ
m)から厚みむら(%)=(R/Tave)×100を
求めた。
【0020】(2)フィルムの長手方向の厚みむらのフ
ーリエ解析 上述の長手方向厚みむら測定時に、電子マイクロメータ
ーからの出力をアナログデジタルコンバータ(A/Dコ
ンバータ)を介して、数値化処理し、コンピューターに
取り込んだ。この際、電子マイクロメーターとA/Dコ
ンバーターの間にプリアンプを設けてもよい。本発明に
おいては、電子マイクロメーターの出力を、自作のプリ
アンプを介して、カノープス電子(株)A/Dコンバー
ター ADX−98Eおよび専用トリガユニット AD
T−98Eに接続し、日本電気(株)製パーソナルコン
ピューター PC−9801VMにデーターを取り込ん
だ。データーの取り込みソフトウェアは自作したものを
用いた。データーの取り込みは、10m長の厚みむら測
定中に、0.195秒の間隔で1024点サンプリング
した(3m/分で搬送測定しているため、0.195秒
×1024×3m/分÷60秒/分=9.98mで、
9.98mの厚みむらデーターを取り込み)。もちろ
ん、これらの機器に限定される必要はなく、同様の機能
を持つ各種の機器は多数存在する。このように取り込ん
だデーターを上述のコンピューターにおいて、自作のソ
フトウェアを用い、高速フーリエ変換(FFT)処理を
施した。この際、流れ方向の変数に、フィルムの製膜速
度と測定時の搬送速度から換算した、製膜時間(秒)を
取ると、FFT処理により、周波数(Hz)に対する強
度分布が得られ、また、流れ方向の波数に、フィルムの
長さ(m)を取ると、FFT処理により、波数(1/
m)に対する強度分布が得られる。FFT処理について
は、例えば、「技術者の数学1」初版(共立出版株式会
社 共立全書516)などにフーリエ交換の理論につい
て、また、「光工学」初版(共立出版株式会社)などに
FFT処理の手法について記載があるなど公知の処理で
ある。ここで、取り込んだデーターに下式のようにフー
リエ交換処理を施し、スペクトル強度和を求めた。
【0021】
【数1】 (3)表面粗さ JIS−B−0601に従い、求めた。
【0022】(4)熱収縮率 溶融転写型の感熱転写リボンにおいては、溶融型インク
層を熱剥離法により剥離し、また、昇華型の感熱転写リ
ボンにおいては、昇華型インク層を混合溶媒(メチルエ
チルケトンとトルエンの混合溶媒)により除去し、幅1
0mm、長さ550mmにサンプリングした試料に、約
500mm間隔となるように直線を引き、その間隔の長
さを定規により測定し、L0 (mm)とする。サンプル
のひとつの片側を把持し、もう一方の端に重さ100m
gの重りをぶら下げ、所定の温度(150℃)に加熱さ
れたオーブン中で30分間保持した。その後、室温で2
時間冷却した後、再び、直線の間隔を定規で正確に測定
し、L(mm)とした際、熱収縮率=((L0 −L)/
0 )×100(%)とし、n数5サンプルの平均値を
採用した。
【0023】(5)F5値 溶融転写型の感熱転写リボンにおいては、溶融型インク
層を熱剥離法により剥離したものを、また、昇華型の感
熱転写リボンにおいては、昇華型インク層を混合溶媒
(メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒)により除
去したものを、オリエンテック(株)製フィルム強伸度
自動測定装置“テンシロン”AMF/RTA−100を
用いて、幅10mm、試長100mmとなるようにセッ
トし、引張り速度200mm/分、温度25℃、湿度6
5RH%の条件でフィルムの長手方向の5%伸長に対す
る強度をF5値とした。
【0024】(6)熱特性 示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)製の
“ロボット”DSC RDC220を用い、データ解析
装置として、同社製ディスクステーション SSC/5
200を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製の
受皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素中で急冷
固化した後、室温から20℃/分で昇温した。この時観
測されるガラス状態からゴム状態への転移に基づく、各
ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にあ
る直線と、ガラス転移の段階状変化部分の曲線とが交わ
る点の温度をガラス転移点(Tg)とした。また、融解
ピークの頂点の温度を融点(Tm)とし、高温側のベー
スラインを低温側に延長した直線と、融解ピークの高温
側の曲線に、こう配が最大になる点で引いた接線の交点
の温度を融解終了温度(Tme)とした。その後、30
0℃まで昇温後、300℃で5分間溶融保持し、降温速
度20℃/分で降温した。この際観測される降温結晶化
の発熱ピークで、高温側のベースラインを低温側に延長
した直線と、結晶化ピークの高温側の曲線のこう配が最
大になる点で引いた接線の交点の温度を、降温結晶化開
始温度(Tcb)とした。
【0025】(7)樹脂温度 Tダイから押出されたポリマーに熱電対を挿入し、ポリ
マーの温度を測定した。
【0026】(8)印字性 感熱転写プリンターとしてセイコー電子工業(株)製高
精細プリンター Color Printer 2の8
階調ソフト“PALMIX”を用い、印字の鮮明さにつ
いて肉眼と100倍の実体顕微鏡で観察・評価した。印
字された文字にかすれ、伸び、変形などの欠点がなく、
また、印字以外の部分に余分な印字がない場合を○と
し、表1に示すように判定した。
【0027】
【表1】 (9)走行性 感熱転写プリンターとしてセイコー電子工業(株)製高
精細プリンター Color Printer 2の8
階調ソフト“PALMIX”を用い、感熱転写リボンの
プリンター通過時、および通過後の状態で、以下のよう
に走行性を判定した。
【0028】 ○:プリンター通過時にリボンが詰まらず、通過後のリ
ボンに皺がないもの ×:プリンター通過時にリボンが詰まったり、通過後の
リボンに皺が入ったもの
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0030】実施例1 o−クロロフェノール中で測定した固有粘度0.65の
ポリエチレンテレフタレート(添加剤として、平均粒径
2μmの炭酸カルシウム0.24重量%含有)を用い
た。DSCを用いて熱特性を測定したところ、Tg:7
5℃、Tm:255℃、Tme:267℃、Tcb:2
04℃であった。このポリエチレンテレフタレートを乾
燥後、直径150mmスクリューを有する押出機に供給
し285℃で溶融したのち、ポリマーの温度が248℃
の温度となるようにTダイ口金から押出成形し、25℃
に保たれた冷却ドラム上に静電荷を印加させながら密着
冷却固化した。該キャストフィルムを加熱ロール群で長
手方向に110℃で2倍の予備延伸(1段目の延伸)
後、一旦110℃でロール熱処理し、その後110℃で
2段目の延伸を1.8倍、3段目の延伸を1.1倍、4
段目の延伸を1.3倍し、一旦20〜50のロール群で
冷却した。続いて、テンターに導き、そのフィルムの両
端をクリップで把持しながら、95℃に加熱された熱風
雰囲気中で横方向に3.5倍に横延伸した。引き続き、
テンター中で250℃の熱処理を行い、熱処理後、一旦
200℃まで緊張下で冷却し、200〜120℃の冷却
区間でテンターのレール幅を縮めて幅方向に3%、ま
た、テンターのクリップ間隔を縮めて長手方向に2.5
%リラックス処理を施し、厚さ3.5μmの二軸延伸フ
ィルムを得た。かくして得られたフィルムの片面に耐熱
スティック防止コートを施し、もう一方の面はコロナ放
電処理を施した後、次に示す溶融型インクを、最終的に
得られる感熱転写リボンの厚みが、5μmになるように
ホットメルトコートした。
【0031】 カルナウバワックス :30重量部 エステルワックス :35重量部 カーボンブラック :12重量部 ポリテトラヒドロフラン:10重量部 シリコーンオイル : 3重量部
【0032】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。厚みむら、1〜2(1/m)の波数域における厚み
むら成分がともに小さく、厚み均一性に優れたものが得
られた。また、熱収縮率も小さいものが得られた。該感
熱転写リボンを感熱転写プリンター(セイコー電子工業
(株)製高精細プリンター Color Printe
r 2)の8階調のソフト(“PALMIX”)で印字
性、走行性について評価を行ったところ、いずれも全く
問題のない優れた感熱転写リボンとしての特性を示し
た。
【0033】実施例2 実施例1と同様にして一軸延伸フィルムを得た後、イン
クを塗布する側のフィルム面に、アクリル樹脂/ポリエ
ステル樹脂/メラミン系架橋剤=30/70/10(固
形分重量比)から成る易接着層形成塗液を乾燥後の厚み
が0.15μmとなるように塗布した後、実施例1と同
様にして、基材フィルム厚みが3.6μmの二軸延伸フ
ィルムを得た。かくして得られたフィルムの片面に耐熱
スティック防止コートを施し、もう一方の面はコロナ放
電処理を施した後、次に示す昇華型インクを乾燥後の厚
みが3μmとなるようにバーコータを用いて塗布し、感
熱転写リボンを得た。
【0034】 分散染料KST−B−136(日本化薬(株)製): 4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース : 6重量部 メチルエチルケトン :45重量部 トルエン :45重量部
【0035】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。厚みむら、1〜2(1/m)の厚みむら成分が共に
小さく、厚み均一性に優れたものが得られた。また、熱
収縮率も小さいものが得られた。該感熱転写リボンを感
熱転写プリンターの8階調のソフトで印字性、走行性な
どについて評価を行ったところ、全く問題のないものと
なった。
【0036】比較例1 実施例1での予備延伸温度のみ、130℃に変更させる
以外は、実施例1と全く同様にして厚み3.5μmの二
軸延伸フィルム、および厚み5μmの感熱転写リボンを
得た。
【0037】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、厚みむら、1〜2(1/m)
の波数域における厚みむら成分がともに大きいものとな
った。また、F5値は若干小さいものとなった。該感熱
転写リボンを感熱転写プリンターの8階調のソフトで印
字性、走行性について評価を行ったところ、走行性には
問題はなかったが、印字性の劣ったものとなった。
【0038】比較例2 実施例1と同様にして、予備延伸温度を130℃に、テ
ンター中での熱処理温度を200℃に変更し、また、長
手方向、横方向のリラックス処理を施さずに、厚み3.
5μmの二軸延伸フィルム、および5μmの感熱転写リ
ボンを得た。
【0039】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、厚みむら、1〜2(1/m)
の波数域における厚みむら成分がともに大きく、熱収縮
率も大きいものとなった。該感熱転写リボンを感熱転写
プリンターの8階調のソフトで印字性、走行性について
評価を行ったところ、印字性、走行性ともに劣ったもの
となった。
【0040】比較例3 実施例1と同様にして予備延伸温度を95℃、予備延伸
倍率を2.75倍に変更し、2段目の延伸を1.3倍、
3段目の延伸を1.04倍、4段目の延伸を1.4倍に
変更し、厚み3.5μmの二軸延伸フィルムおよび5μ
mの感熱転写リボンを得た。
【0041】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、厚みむら、1〜2(1/m)
の波数域における厚みむら成分がともに大きく、F5値
も大きすぎるものとなった。該感熱転写リボンを感熱転
写プリンターの8階調ソフトで印字性、走行性について
評価を行ったところ、印字性、走行性ともに劣ったもの
となった。
【0042】実施例3 実施例1でのTダイからポリマーを押出す際のポリマー
の温度を280℃に変更する以外は、実施例1と全く同
様にして厚み3.5μmの二軸延伸フィルムおよび5μ
mの感熱転写リボンを得た。
【0043】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、厚みむらが若干大きいが、該
感熱転写リボンを感熱転写プリンターの8階調のソフト
で印字性、走行性について評価を行ったところ、いずれ
も全く問題のない優れた感熱転写リボンとしての特性を
示した。
【0044】実施例4 実施例1での熱処理温度を235℃に変更させる以外
は、実施例1と同様にして厚み3.5μmの二軸延伸フ
ィルムおよび5μmの感熱転写リボンを得た。
【0045】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、熱収縮率が若干大きくなった
が、該感熱転写リボンを感熱転写プリンターの8階調の
ソフトで印字性、走行性について評価を行ったところ、
全く問題のないものとなった。
【0046】実施例5 実施例1での幅方向のリラックス率を2%、長手方向の
リラックス率を2%に変更させる以外は、実施例1と同
様にして厚み3.5μmの二軸延伸フィルムおよび感熱
転写リボンを得た。
【0047】得られた感熱転写リボンの特性を表2に示
す。実施例1と比較して、熱収縮率が若干大きくなった
が、該感熱転写リボンを感熱転写プリンターの8階調の
ソフトで印字性、走行性などについて評価を行ったとこ
ろ、全く問題のないものとなった。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明は、厚み均一性、熱寸法安定性に
優れ、コーティングなどの加工時に皺などの問題が全く
なく、さらに、感熱転写時の印字性、走行性に優れた感
熱転写リボンを提供するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向の厚みむらが0.3%以上、5
    %以下であることを特徴とする感熱転写リボン。
  2. 【請求項2】 長手方向の厚みむらの波形をフーリエ解
    析した際の、1(1/m)以上、2(1/m)以下の波
    数におけるスペクトル強度和Pwの、全波数帯域におけ
    るスペクトル強度和PwTに対する比Pw/PwTが
    0.15以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    感熱転写リボン。
  3. 【請求項3】 150℃で30分の熱収縮率が、長手方
    向が−0.1%以上、1.5%以下で、かつ、幅方向が
    −0.1%以上、0.3%以下であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の感熱転写リボン。
  4. 【請求項4】 長手方向のF5値が110MPa以上、
    160MPa以下であることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載の感熱転写リボン。
  5. 【請求項5】 ベースフィルムがポリエチレンテレフタ
    レート、ポリエチレンナフタレートおよびその複合体か
    らなる転写材であることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の感熱転写リボン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000305289A (ja) * 1999-02-16 2000-11-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体と、それを用いた画像形成方法及び装置
WO2002043944A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-06 Teijin Limited Film polyester a orientation biaxiale

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