JP2000153676A - 感熱転写用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱転写用二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2000153676A
JP2000153676A JP10332304A JP33230498A JP2000153676A JP 2000153676 A JP2000153676 A JP 2000153676A JP 10332304 A JP10332304 A JP 10332304A JP 33230498 A JP33230498 A JP 33230498A JP 2000153676 A JP2000153676 A JP 2000153676A
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shrinkage stress
heat
polyester film
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Shigehiro Masuda
成裕 増田
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクリボンを作成する際に、溶剤を含む耐
熱層およびインク層を塗布し、張力をかけて加熱して
も、フィルムにシワが生じることが少なく、溶融型ある
いは昇華型の感熱転写用インクリボンの支持体として好
適なフィルムを提供する。 【解決手段】 100℃におけるフィルム長手方向の収
縮応力が1.0〜4.0MPaの範囲内にあり、80〜
130℃の温度範囲でフィルム幅方向の収縮応力最大値
が1.0MPa以下であり、かつ、フィルム長手方向の
収縮応力温度変化曲線おいて、170〜210℃の温度
領域に極大点を有することを特徴とする感熱転写用二軸
配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写記録媒体
に用いる基材フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式による印刷は、操作性、保
守性およびコストの点で優れ、広く用いられている。こ
のプリンター用転写材のベースフィルムとしては、耐熱
性、耐薬品性、機械的特性等の点において優れるポリエ
ステル、特にポリエチレンテレフタレートの二軸配向フ
ィルムが用いられてきている。
【0003】近年、感熱転写方式に関して、印字の高速
化、印字の高精細化、印字エネルギーの低減、インクリ
ボンの長尺化、インクリボンカセットの小型化、プリン
ターの小型化等を目的として、インクリボンの基材フィ
ルムを薄くすることが要求されている。しかしながら、
この要求に対応するためには、従来のフィルムでは必ず
しも十分ではなく、より適切な特性を有するフィルムが
望まれている。すなわち、感熱転写用のベースフィルム
は、通常、片面に熱溶融性または昇華性のインク層を設
け、また反対面に耐熱層を設けるが、ベースフィルムが
薄くなるにつれて、インク層または耐熱層の塗布時に波
シワが発生しやすくなり、これが原因となって塗布スジ
が発生したり、折れシワが発生する問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、インクリ
ボンを作成する際に、溶剤を含む耐熱層およびインク層
を塗布し、張力をかけて加熱しても、フィルムにシワが
生じることが少なく、溶融型あるいは昇華型の感熱転写
用インクリボンの支持体として好適なフィルムを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の物性を有するポリエステ
ルフィルムを基材フィルムとして用いたならば、上記問
題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明の要旨は、100℃におけるフ
ィルム長手方向の収縮応力が1.0〜4.0MPaの範
囲内にあり、80〜130℃の温度範囲でフィルム幅方
向の収縮応力最大値が1.0MPa以下であり、かつ、
フィルム長手方向の収縮応力温度変化曲線おいて、17
0〜210℃の温度領域に極大点を有することを特徴と
する感熱転写用二軸配向ポリエステルフィルムに存す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるポリエステルフィルムのポリエステルと
は、その繰り返し単位の通常80モル%以上、好ましく
は90モル%以上がエチレンテレフタレートであるもの
を指す。10モル%以下の割合であれば、例えば、グリ
コール成分として、プロピレンングリコール、ジエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチレング
リコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分
など、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸、2,6ナ
フタレンジカルボン酸、アジピン酸、オキシ安息香酸等
のオキシカルボン酸などを共重合成分とするコポリエス
テルであってもよい。
【0007】本発明で用いるポリエステルフィルムは、
必要に応じて、無機粒子、有機系潤滑剤、帯電防止剤、
安定剤、染料、顔料、有機高分子等を含有していてもよ
い。特に、ポリエステルフィルムの製造時やインクリボ
ンと成した際の走行性等を改良するために、無機粒子や
有機粒子をポリエステルフィルムに含有させ、ポリエス
テルフィルムの表面を粗面化することが好ましく、具体
的には、フィルム表面の平均表面粗さを0.03〜0.
2μm、さらには0.04〜0.1μmとした場合に、
走行性と高精細な画像とを得ることができて特に好まし
い。また、製造途中で発生するフィルムのスクラップを
リサイクル使用する目的で、フィルム表面のコート層成
分が、フィルム中に混入したものであってもよい。
【0008】本発明のポリエステルフィルムは、その極
限粘度が0.50〜0.80の範囲内にあることが、フ
ィルムの生産性と感熱転写用フィルムとしての特性とを
両立できて好ましい。また、特に4.0μm以下の薄い
フィルムの場合には、極限粘度の下限は0.58以上、
さらには0.63以上であることが好ましい。本発明の
ポリエステルフィルムは、二軸配向が施され、その後に
熱固定されて製膜されることが必要であり、未延伸の状
態や一軸延伸フィルムでは、本発明の目的を達し得な
い。
【0009】また、ポリエステルフィルムの厚みに関し
ては特に限定はないが、感熱転写用として、通常1〜1
0μmの厚みのフィルムが好ましく用いられるが、特に
1〜4μmの薄いフィルムである場合に、本発明の効果
が良く発現し好ましい。本発明の感熱転写用二軸配向ポ
リエステルフィルムは、100℃におけるフィルム長手
方向の収縮応力が1.0〜4.0MPaの範囲内にある
ことが必要であり、2.0〜3.0MPaの範囲内にあ
ることが好ましい。フィルム長手方向の収縮応力が1.
0未満である場合には、フィルムが伸びやすく、逆に収
縮応力が4.0を超える場合には、フィルムが収縮しや
すくなるため、インク層または耐熱層の塗布時あるいは
乾燥時において、いずれの場合にも波シワが発生しやす
くなり、これが原因となって塗布スジが発生したり、折
れシワが生ずるため好ましくない。
【0010】また、フィルム幅方向に関しては、80〜
130℃の温度範囲で、収縮応力最大値が1.0MPa
以下であることが必要であり、0.5MPa以下である
ことが好ましい。この温度範囲でフィルム幅方向の収縮
応力最大値が1.0MPaを超える場合には、インク層
または耐熱層の塗布時あるいは乾燥時において、幅縮み
が発生して波シワが発生し、これが原因となって塗布ス
ジが発生したり、折れシワが生ずるため好ましくない。
【0011】ところで、インク層あるは耐熱層を基材フ
ィルム上に塗布した後、溶剤を乾燥してインクリボンに
なす際には、用いる乾燥温度としては溶剤の種類によっ
ても異なるが、通常70〜130℃程度であるのが普通
である。しかしながら、この温度領域のフィルム熱特性
を制御するだけでは、フィルムの熱負けによる変形を防
ぐことはできないことを本発明者らは見いだした。すな
わち、溶剤の乾燥温度よりもはるかに高い温度でのフィ
ルムの収縮特性をコントロールすることで、薄いフィル
ム上で溶剤が存在して加熱される際の変形を抑止できる
ことを見いだしたのである。
【0012】本発明の感熱転写用二軸配向ポリエステル
フィルムは、前述のとおりのフィルム長手方向および幅
方向の収縮応力の特性を有していて、かつ、フィルム長
手方向の収縮応力温度変化曲線において、170〜21
0℃の温度領域に極大点を有することが必要であり、1
80〜200℃の温度領域に極大点を有することが好ま
しい。ここで収縮応力温度変化曲線とは、フィルムの両
端を把持して一定長として、加熱炉の中で温度を一定割
合で昇温したときに、発生するフィルムの収縮応力を連
続して測定してグラフで示したものである。
【0013】収縮応力の極大点が存在する温度が170
℃未満の場合には、このフィルムにインク層あるいは耐
熱層を塗布した後、溶剤を乾燥する際に、熱負けによる
平面性の悪化が生じて波シワが発生して好ましくない。
また、極大点が210℃を超える場合にも波シワが発生
しやすくなり、好ましくない。さらに、上記極大点での
収縮応力が3.0〜5.0MPaの範囲内にあるときに
最も平面性の悪化を防ぐことができ、好ましい。
【0014】また、本発明のポリエステルフィルムは、
その幅方向の収縮応力温度変化曲線に関しても、200
℃以上の温度領域に極大点が存在し、その極大点の収縮
応力が1.0〜3.0MPaの範囲内にあることが、熱
負けによる平面性の悪化を防ぐ点で好ましい。本発明の
感熱転写用二軸配向ポリエステルフィルムは、平均屈折
率が1.604〜1.607、面配向度が0.170〜
0.178の範囲内にあることが好ましい。ここで平均
屈折率および面配向度は、後述するようにAbbe屈折計で
測定した屈折率から算出したものである。
【0015】フィルムの平均屈折率が1.604未満の
場合には、インク層または耐熱層の塗布時あるいは乾燥
時において、フィルムの収縮により波シワが発生しやす
くなり、これが原因となって塗布スジが発生したり、折
れシワが生ずることがある。また、1.607を超える
場合には、フィルム自体が脆くなり、スリット時に切れ
や破断が多発しやすくなる傾向がある。
【0016】フィルムの面配向度が0.170未満の場
合には、インク層および耐熱層を付与した後に所定の幅
に裁断する際に、スリット性に劣る傾向がある。また、
0.178を超えるフィルムは、それ自体の製膜連続性
が劣る傾向がある。本発明の感熱転写用ポリエステルフ
ィルムは、長手方向に任意の15m長区間で、厚さムラ
が10%以下であることが好ましい。厚みムラが10%
を超える場合には、これをベースフィルムとして用いた
インクリボンで高精細なフルカラー画像を印刷した時
に、濃度変動による色調の差が目視でも分かるようにな
り、画像品位が損なわれる恐れがある。厚みムラの範囲
は7%以下であるとさらに好ましく、5%以下であるな
らば、ほとんど問題にならないレベルとなる。
【0017】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法に関して述べるが、本発明は下記の製造方法に限定
されるものではない。ポリエステルチップを公知の手段
で乾燥し、ダイスより融点〜320℃の温度で溶融押出
しを行い、キャスティングドラム上に冷却固化させる。
その際、フィルムをドラムに密着保持する手段として静
電密着法を用いることが好ましい。
【0018】かくして得られた未延伸フィルムは、次の
延伸工程に供される。延伸工程においては、初めにロー
ル延伸法を用いた縦延伸を行い、ついでテンター法を用
いた横延伸を行う逐次二軸延伸が好ましい。延伸倍率・
延伸温度に関しては、縦延伸では、フィルム温度が70
〜120℃の範囲で3.0〜6.0倍となるように1段
もしくは多段で長手方向に延伸を行うことが好ましく、
横延伸では80〜130℃で3.0〜6.0倍に1段も
しくは多段で延伸することが好ましい。この時、縦延伸
が終了した段階で、必要に応じて、後述する水を媒体と
したコーティングを行い次いで横延伸を行う、いわゆる
インラインコートを施すこともできる。さらには、テン
ターでの横延伸が終了した段階で、縦方向、横方向ある
いは縦・横両方向に再度延伸を行うこともできる。この
場合、縦・横共に延伸倍率として1.01〜1.50
倍、延伸温度として90〜200℃の範囲のなかから選
択することができる。
【0019】次にこのフィルムを200〜245℃にて
1〜30秒間熱固定を行う。この熱固定のあとに、熱固
定温度よりも0〜100℃低い温度で再熱固定を行うこ
ともできる。これらの熱固定あるいは再熱固定の際に
は、幅方向に0.1〜10%弛緩させるか、あるいは
0.1〜10%幅出しさせるか、またはそれらを両方組
み合わせて行ってもよい。さらにテンター出口でフィル
ムの巻き取りテンションをコントロールすることで、縦
方向にも弛緩処理を施すこともできる。この後、除冷し
て巻き取り、二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
【0020】本発明の感熱転写用ポリエステルフィルム
は、その少なくとも片面に、ポリエステルフィルムの製
膜工程内で、水溶性あるいは水分散体として塗布した
後、乾燥・延伸・熱固定を行う方法を用いてもよいし、
延伸工程内で水を媒体とした塗布液をコーティングし、
その後乾燥し、配向結晶化を完結させた塗布層を有して
いてもよい。この塗布層の組成には公知のものを用いる
ことができ、その目的は、例えばインクの下引きとし
て、易接着性を有したりあるいは逆に離型性を有すも
の、あるいは背面耐熱層の下引きとして、易接着性を有
するものなどを挙げることができる。
【0021】本発明の感熱転写用二軸配向ポリエステル
フィルムは、フィルムの片面に溶融型あるいは昇華型の
インク層が付与される。これらのインク層は、顔料や染
料の色材と高分子化合物バインダーなどを主成分とする
公知の組成のものを、公知の方法で塗布あるいはホット
メルトコートするなどして、ポリエステルフィルム上に
インク層として設けることができる。
【0022】また、通常、インク層を付与した面とは反
対の面に、耐熱層が設けられる。この背面の耐熱層は、
サーマルヘッドと接する際に、熱によるスティッキング
を防止する目的で付与されるのもで、これには従来知ら
れている公知のものを使用することができる。たとえ
ば、ワックス類・高級脂肪酸およびその誘導体・シリコ
ン系化合物・フッ素系化合物などの潤滑剤を主成分とし
たもの、あるいは高分子化合物バインダー・無機粒子・
架橋有機粒子・フッ素樹脂粒子を潤滑剤に併用したもの
などを用いることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、実施例
中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較
例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。 (1)収縮応力、収縮応力最大値、および収縮応力温度
変化曲線 インテスコ(株)製微小定荷重伸び試験機を用いて、所
定温度の収縮応力、および収縮応力の温度変化曲線を測
定した。ただし、サンプルサイズは幅10mmで長さ2
00mmとし、初期荷重は室温下で0.53MPaをか
け、昇温速度は4℃/分とした。 (2)平均屈折率nAVE、面配向度ΔP アタゴ光学(株)製Abbe屈折計を用いて、フィルム面内の
屈折率の最大値nγ、それに直角方向の屈折率nβ、お
よび厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式より面配向度
ΔP、平均屈折率nAVE を各々算出した。なお屈折率の
測定は、光源としてナトリウムD線を用い、23℃で測
定した。
【0024】
【数1】nAVE =(nα+nβ+nγ)/3 ΔP=((nβ+nγ)/2)−nα (3)表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。
小坂研究所株式会社製表面粗さ計SE−3Fを用いて次
のように求めた。すなわち、フィルム断面積曲線からそ
の中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方
向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次
の式で与えられた値をμmで表す。中心線平均粗さは、
試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これら
の断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線粗さの平均
値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、触針加重
30mg、カットオフ値0.08mmとした。
【0025】
【数2】Ra=(1/L)∫0 L|f(x)|dx (4)ポリエステルフィルムの固有粘度 ポリエステルフィルムの固有粘度は、フェノール/テト
ラクロルエタン=50/50(重量比)の混合溶媒に溶
解させて、30℃の温度下で測定した。 (5)フィルムの厚みムラ アンリツ株式会社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイ
クロメーター使用)により、長手方向は二軸配向フィル
ムの15m長区間を無作為に20点抽出した。それぞれ
のサンプル毎に最大厚み(μm)および最小厚み(μ
m)を測定し、さらにその区間での平均厚み(μm)か
ら以下の式に従って厚みムラを算出し、最も大きな値
を、そのサンプルの厚みムラとした。
【0026】
【数3】厚みムラ(%)={(最大厚み−最小厚み)/
平均厚み)}×100 なお、ここで用いた平均厚みは、測定したサンプルの面
積と、重量と、密度から算出したした値であり、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの密度は、一律に1.4
00を用いた。 (6)インクリボン加工時の適性 二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、バーコート方
式を用いて下記組成の耐熱層を塗布した後、フィルム張
力18MPa、加熱温度120℃、加熱時間20秒の条
件下で溶剤を乾燥と架橋反応を行い、厚み0.2μmの
耐熱層を形成した。 <耐熱層組成> ポリアクリル酸エステル 12.9部 アミノ変性シリコーン 7.0部 イソシアネート 0.1部 トルエン 40.0部 メチルエチルケトン 40.0部 続いて耐熱層の反対面に、下記組成のインク層をグラビ
アコーターを用いて塗布した後、フィルム張力18MP
a、加熱温度100℃、加熱時間15秒の条件下で乾燥
を行い、厚み1.5μmのインク層を形成した。 <インク層組成> エチレン−酢酸ビニル共重合体 30部 水添ロジンワックス 7部 カーボンブラック 13部 トルエン 43部 エチレングリコールモノメチルエーテル 7部 このインクリボンの加工により、正常に加工できたかど
うか、工程内での観察およびインクリボンを目視で調べ
て、下記のランクに区分けした。ランクC、Bは不合格
である。
【0027】 ランクAA 工程内でシワは全く発生せず、折れシワ・塗布スジはない ランクA 工程内で波シワが発生するが、折れシワ、塗布スジには至らない ランクB 工程内で波シワが発生し、塗布スジが発生した ランクC 工程内で波シワが著しく、塗布スジ・折れシワが発生した 実施例1 平均粒径1.0μmのシリカ粒子を0.6%含有するポ
リエチレンテレフタレートを常法に従い乾燥を行った
後、290℃で溶融押出して、静電密着法を用いなが
ら、キャストドラム上で未延伸フィルムを作成した。こ
の未延伸フィルムを、ロール延伸装置へ導き、縦方向へ
98℃で2.7倍延伸した後、さらに縦方向へ85℃で
1.52倍延伸した。次いでテンター法により横方向に
105℃で4.5倍延伸した。ここでロール延伸方を用
いて再度縦方向へ125℃で1.10倍延伸した。この
フィルムを再びテンターに導き、230℃で5秒間熱固
定した後、190℃で幅方向に5%の弛緩処理を行い、
テンター出口で縦方向に2%の弛緩処理を行って、厚さ
3.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。こ
のポリエステルフィルムの固有粘度は0.66であっ
た。また、このフィルムの長手方向の厚さムラは、5%
であった。
【0028】得られたポリエステルフィルムの評価結果
を下記表1に示すが、縦横ともに100℃付近の収縮応
力が適切であり、なおかつ収縮応力の極大値の温度も適
切な範囲にあるため、耐熱層およびインク層を塗布する
際に、溶剤の存在下で張力をかけて加熱してもフィルム
にシワが生じることがなく、良好であった。 実施例2 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートを用い
て、実施例1と同様にキャスティングを行い未延伸フィ
ルムを作成した。この未延伸フィルムを、ロール延伸装
置へ導き、縦方向へ95℃で2.7倍延伸した後、さら
に縦方向へ80℃で1.47倍延伸した。次いでテンタ
ー法により横方向に120℃で4.5倍延伸した。ここ
でロール延伸方を用いて再度縦方向へ125℃で1.1
5倍延伸した。このフィルムを再びテンターに導き、2
25℃で5秒間熱固定した後、190℃で幅方向に5%
の弛緩処理を行い、テンター出口で縦方向に2%の弛緩
処理を行って、厚さ3.5μmの二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。このポリエステルフィルムの固有粘度
は0.66であった。また、このフィルムの長手方向の
厚さムラは、5%であった。
【0029】得られたポリエステルフィルムの評価結果
を表1に示すが、縦横ともに100℃付近の収縮応力が
適切であり、なおかつ収縮応力の極大値の温度も適切な
範囲にあるため、耐熱層およびインク層を塗布する際
に、溶剤の存在下で張力をかけて加熱してもフィルムに
シワが生じることがなく、良好であった。 比較例1 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートを用い
て、実施例1と同様にキャスティングを行い未延伸フィ
ルムを作成した。この未延伸フィルムを、ロール延伸装
置へ導き、縦方向へ98℃で2.7倍延伸した後、さら
に縦方向へ85℃で1.68倍延伸した。次いでテンタ
ー法により横方向に115℃で4.5倍延伸した。この
後、再縦延伸は行わずにテンター内で、215℃で5秒
熱固定した後、165℃で幅方向に5%の弛緩処理を行
い、テンター出口での縦方向の弛緩処理は行わずに、厚
さ3.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
このポリエステルフィルムの固有粘度は0.66であっ
た。また、このフィルムの長手方向の厚さムラは、5%
であった。
【0030】得られたポリエステルフィルムの評価結果
を表1に示すが、縦横ともに100℃付近の収縮応力が
不適切であり、収縮応力の極大値の温度も適切な範囲に
ないため、耐熱層およびインク層を塗布する際に、溶剤
の存在下で張力をかけて加熱した時にインクリボンに塗
布スジ・折れシワが生じる結果となった。 比較例2 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートを用い
て、実施例1と同様にキャスティングを行い未延伸フィ
ルムを作成した。この未延伸フィルムを、ロール延伸装
置へ導き、縦方向へ95℃で2.5倍延伸した後、さら
に縦方向へ80℃で1.47倍延伸した。次いでテンタ
ー法により横方向に115℃で4.7倍延伸した。この
後再縦延伸は行わずにテンター内で、230℃で5秒熱
固定した後、190℃で幅方向に5%の弛緩処理を行
い、テンター出口で縦方向に2%の弛緩処理を行って、
厚さ3.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。このポリエステルフィルムの固有粘度は0.66で
あった。また、このフィルムの長手方向の厚さムラは、
5%であった。
【0031】得られたポリエステルフィルムの評価結果
を表1に示すが、縦横ともに100℃付近の収縮応力が
適切であったが、収縮応力の極大値の温度が適切な範囲
ではないため、耐熱層およびインク層を塗布する際に、
溶剤の存在下で張力をかけて加熱した時にインクリボン
に塗布スジが生じる結果となった。得られたフィルムの
評価結果は表1に示すとおりであり、収縮応力の最大値
の温度が適切な範囲にないため、耐熱層・インク層を塗
布する際に、溶剤の存在下で張力をかけて加熱したとき
に、インクリボンに塗布スジが生じた。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の感熱転写用二軸配向ポリエステ
ルフィルムは、これを支持体としてインクリボンを作成
する際に、溶剤を含む耐熱層およびインク層を塗布し、
張力をかけて加熱しても、フィルムにシワが生じること
が少なく、溶融型あるいは昇華型の感熱転写用インクリ
ボンの支持体として好適であり、その工業的価値は高
い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100℃におけるフィルム長手方向の収
    縮応力が1.0〜4.0MPaの範囲内にあり、80〜
    130℃の温度範囲でフィルム幅方向の収縮応力最大値
    が1.0MPa以下であり、かつ、フィルム長手方向の
    収縮応力温度変化曲線おいて、170〜210℃の温度
    領域に極大点を有することを特徴とする感熱転写用二軸
    配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 長手方向の収縮応力温度変化曲線におけ
    る極大点での収縮応力が3.0〜5.0MPaの範囲に
    あることを特徴とする請求項1記載の感熱転写用二軸配
    向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 平均屈折率が1.604〜1.607、
    面配向度が0.170〜0.178の範囲にあることを
    特徴とする請求項1または2記載の感熱転写用二軸配向
    ポリエステルフィルム。
JP10332304A 1998-11-24 1998-11-24 感熱転写用二軸配向ポリエステルフィルム Pending JP2000153676A (ja)

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