JPH10240536A - 事例検索装置及び事例検索方法並びに事例ベース構築装置及び事例ベース構築方法 - Google Patents

事例検索装置及び事例検索方法並びに事例ベース構築装置及び事例ベース構築方法

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JPH10240536A
JPH10240536A JP9043385A JP4338597A JPH10240536A JP H10240536 A JPH10240536 A JP H10240536A JP 9043385 A JP9043385 A JP 9043385A JP 4338597 A JP4338597 A JP 4338597A JP H10240536 A JPH10240536 A JP H10240536A
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Yamahiko Ito
山彦 伊藤
泰博 ▲高▼山
Yasuhiro Takayama
Katsushi Suzuki
克志 鈴木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直面している問題の解決に結びつく事例検索
を効率のよい対話的に行う装置を提供する。 【解決手段】 過去の問題の症状に関する記述と、問題
の発生状況を対話形式で記述した状況把握質問回答対
と、問題の原因特定用情報を対話式形で記述した原因検
証質問回答対と、問題解決用対策とが記録された事例ベ
ースと、解決すべき問題の症状に関する情報を入力する
入力手段と、上記事例ベースを検索する検索手段と、事
例に記述されている情報を表示する表示手段とからな
り、検索手段は、問題の症状を特定する症状特定手段、
問題の発生状況を把握するための状況把握手段、ユーザ
入力と事例の記述を照合して事例の尤度を計算する原因
推定手段、最尤と推定された事例に対応する原因を検証
する原因検証手段からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、顧客相談業務等
の分野において、過去の問い合わせとその解決策を事例
として記録しておき、新たな問い合わせに対して類似し
た事例を検索・参照し、問題解決に利用する装置及びそ
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、故障診断などの分野におい
て、過去の故障の症状、原因、処置などを「事例」とし
て登録しておき、新たな故障が起きたときに検索・参照
するシステムが提案されてきた。
【0003】図51は、特開平5-45186に示された従来
の事例に基づく設備故障診断装置の例である。図におい
て、3501は過去の故障に関する症状、原因、処置、所見
を記憶する事例記憶手段、3502は故障あるいは設備を表
現する概念を上位/下位関係や全体/部分関係などによ
って構造化する概念記憶手段、3503はユーザからの症状
の入力を受け取る症状指定支援手段、3504はユーザが指
定する特定の症状を持つ過去の事例を事例記憶手段3501
から探索する類似症状探索手段、3505は症状指定支援手
段3503から入力された症状を持つ過去の事例を事例記憶
手段3501から探索してその故障原因を提示する類似故障
探索手段である。
【0004】3506は故障原因をユーザから受け取る原因
指定支援手段、3507はユーザが指定する特定の原因に類
似の原因を持つ過去の事例を事例記憶手段3501から探索
する類似原因探索手段、3508は故障に対する処置をユー
ザから受け取る処置指定支援手段、3509はユーザが指定
する特定の処置に類似の処置を持つ過去の事例を事例記
憶手段3501から探索する類似処置探索手段、3510は故障
に関する全般的な覚書をユーザから受け取る所見指定支
援手段である。
【0005】次に動作について説明する。図52のフロ
ーチャートにおいて、ユーザは故障が発生した場合に
は、症状指定支援手段3503から症状を属性とその値との
組によって指定する(ステップST5301)。このとき、症状
指定支援手段3503は、入力のためのテンプレートをユー
ザに提示する。値はすべて概念記憶手段3502に登録され
たものを使用する。またユーザは、類似の症状を持つ過
去の事例を調べることができる(ステップST5302)。類似
症状探索手段3504が指定された属性と値の組をキーワー
ドとする部分マッチによる探索を行い、できるだけ多く
のキーワードと一致する症状を持つ過去の事例を探索す
る。
【0006】症状の指定が終了した段階で、類似故障探
索手段3505により、指定された症状に最も近い内容の症
状を持つ過去の事例が事例記憶手段3501より探索され、
その事例における故障原因が提示される(ステップST530
3)。
【0007】原因が判明した段階で、原因指定支援手段
3506から原因を指定する(ステップST5304)。このとき、
原因指定支援手段3506は、入力のためのテンプレートを
ユーザに提示する。またユーザは、過去の類似の原因を
持つ事例を調べることができる(ステップST5305)。
【0008】次にユーザは施した処置を処置指定支援手
段3508から指定する(ステップST5306)。このとき、処置
指定支援手段3508は、入力のためのテンプレートをユー
ザに提示する。またユーザは、過去の類似の処置を持つ
事例を調べることができる(ステップST5307)。
【0009】最後にユーザは所見指定支援手段3510よ
り、注意すべき事柄などを所見として指定できる(ステ
ップST5308)。
【0010】以上のような動作によって、 (1)故障発生報告書が、診断と同時に作成できる。 (2)症状、原因、処置を過去の類似事例を参考にして指
定できる。 (3)計算負荷の少ない部分マッチによる類似事例探索で
あるため、診断のための時間が短い。 (4)テンプレートを用意したことにより、指定が容易。 という効果をもたらしている。
【0011】また、図53は特開平6-195379に示された
事例ベース及びその入力・蓄積装置の例である。図にお
いて、単文入力部9100で単文を入力し、過去に入力され
た事例から生成された、基本単文と修飾句の組及びその
組の出現頻度情報、参照時刻情報を持った履歴ファイル
9300を基に、ソート手段9500で入力された基本単文を修
飾する頻度の高い順、最近参照された順に並べ、メニュ
ーとして今入力した基本単文にふさわしい修飾句を修飾
句メニュー作成・提示手段9600により入力者に提示し、
メニューから修飾句を修飾句メニュー選択手段9700で選
択させる。この流れを入力文の数だけ繰り返し、最後に
頻度計算手段11100で頻度を再計算し、履歴ファイルを
関連履歴更新手段11200により更新、事例ベース登録を
実行し終了する。
【0012】以上の構成と動作によって、事例を複数の
単文で表現することを可能とした事例ベースを提供する
ことができ、また1単文に複数の修飾句を持たせ複雑な
表現を可能とした事例ベースの入力・蓄積装置を提供す
ることができるという効果をもたらしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平5-45186では、
症状、原因、処置は、テンプレートによって入力されて
いた。症状から原因を探索する処理においては、テンプ
レートによって入力された属性と値から類似度を計算す
ることにより、症状の近さから原因を推定していた。
【0014】一般に症状が近ければ同じ原因である可能
性が高いが、同じ症状が異なる原因によって引き起こさ
れる場合も多い。症状のみからでは原因を特定できない
場合、さらなる絞り込み情報が必要となる。
【0015】例えば、「パソコンのワープロソフトから
ファイルをプリントアウトできない」という症状を考え
た場合、パソコン側に原因がある場合、プリンタ側に原
因がある場合、ケーブルの接続に原因がある場合など様
々な可能性があり、パソコン側に問題があるときには、
OSの設定に原因がある場合、アプリケーションにおける
プリンタの指定に問題がある場合など、原因の可能性を
絞り込んでいかなければならない。
【0016】このように症状のみでは原因が特定できな
い場合には、原因を特定するための絞り込みの処理を実
現する必要がある。特開平5-45186のような、テンプレ
ートの項目を提示して入力を受け取り、類似度を利用し
て事例を検索するシステムにおいては、絞り込み機能を
実現できないという問題点があった。
【0017】事例の絞り込みを行うためには、絞り込み
の手順を決定木で表現し、システムの誘導にユーザが回
答することによって事例を絞り込む方法がある。しかし
この場合は、絞り込みが決定的であるため、検索できる
のはユーザの入力と完全に一致した事例のみで、類似し
た事例を検索できないという問題点があった。
【0018】この発明は、上記のような問題を解消する
ためになされたもので、事例の絞り込みを効率的に行え
るとともに、類似した事例も検索できる方法を提供する
ことを目的としている。
【0019】また、特開平5-45186のように、症状を属
性とその値との組によって指定すると、表現力が限られ
てしまい、症状の細かい記述ができないという問題点が
ある。この発明の第2の目的は、症状に関するユーザの
入力と事例の記述との照合を自然言語によって行う方法
を提供することである。
【0020】過去の故障や不具合等の問題は、自然言語
で記録されていることが多い。この発明の第3の目的
は、自然言語で記録されている記述を、一括して検索し
やすい事例の形式に整理・編集する方法を提供すること
である。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける事例検索方法は、過去の問題の症状記述、問題の発
生状況に関する情報を対話の形で記述した状況把握質問
回答対、問題原因を特定するための情報を対話の形で記
述した原因検証質問回答対及び問題解決の対策が記録さ
れている事例ベースと、解決すべき問題の症状に関する
検索情報を入力する入力手段とこの入力手段により入力
された検索情報を基に上記事例ベースから問題解決の対
策を検索する検索手段と、この検索手段の途中経過を選
択的に表示する表示手段とを備え、上記検索手段は、上
記入力手段からの上記検索情報を基に上記事例ベースの
事例を絞り込む症状特定手段と、この症状特定手段で絞
り込んだ事例の状況把握質問回答対を基にユーザに質問
を提示し回答を得る状況把握手段と、この状況把握手段
のユーザ回答と上記症状特定手段で絞り込まれた事例の
記述との間で照合をとり、照合結果による類似度を基
に、事例の尤度を計算する原因推定手段と、この原因推
定手段で得られた事例の尤度により、尤度の高い事例の
順に、該事例に記録されている原因検証質問回答対を基
に、ユーザに質問を提示して回答を得、ユーザの回答と
提示事例の記述が一致した場合、該事例に記述されてい
る対策を提示する原因検証手段とを有したものである。
【0022】また、この発明の請求項2における事例検
索方法は、解決すべき問題の症状に関する検索情報を入
力する入力ステップとこの入力ステップにより入力され
た検索情報を基に、過去の問題の症状に関する記述と、
問題が発生した状況に関する情報を対話の形で記述した
状況把握に関する質問回答対と、問題の原因を特定する
ための情報を対話の形で記述した原因検証に関する質問
回答対と、問題を解決するための対策とが記録されてい
る事例ベースから解決すべき問題の対策を検索する検索
ステップと、この検索ステップの途中経過を選択的に表
示する表示ステップと、を備え、上記検索ステップは、
上記入力ステップからの検索情報問題を基に上記事例ベ
ースの事例を絞り込む症状特定ステップと、この症状特
定ステップで絞り込んだ事例の状況把握質問回答対を基
にユーザに質問を提示し回答を得る状況把握ステップ
と、この状況把握ステップのユーザ回答と上記症状特定
ステップにより絞り込まれた事例の記述との間で照合を
とり、照合結果による類似度を基に、事例の尤度を計算
する原因推定ステップと、この原因推定ステップで得ら
れた事例の尤度により、尤度の高い事例の順に、該事例
に記録されている原因検証質問回答対を基に、ユーザに
質問を提示して回答を得、ユーザの回答と提示事例の記
述が一致した場合、該事例に記述されている対策を提示
する原因検証ステップとを有したものである。
【0023】また、この発明の請求項3における事例検
索方法は、解決すべき問題の症状に関する検索情報を入
力する入力ステップと、上記入力ステップより入力され
た情報を基に、過去の問題の症状に関する記述と、問題
が発生した状況に関する情報を対話の形で記述した状況
把握に関する質問回答対と、問題の原因を特定するため
の情報を対話の形で記述した原因検証に関する質問回答
対と、問題を解決するための対策と、問題解決に該事例
が参照された頻度が記録された上記事例ベースを検索す
る検索ステップと、上記検索ステップによって検索した
事例に記述されている情報をユーザに表示する表示ステ
ップを持ち、上記検索ステップは、問題の症状に関する
記述を基に上記事例ベースの事例を絞り込む症状特定ス
テップと、上記症状特定ステップによって絞り込んだ事
例のうち、頻度の高い事例を選択して、状況把握に関す
る質問回答対を基に、ユーザに質問を提示し回答を得る
状況把握ステップと、上記状況把握ステップに関して
は、ユーザの回答と上記症状特定ステップによって絞り
込まれた事例の記述との間で照合をとり、照合結果によ
る類似度と事例の頻度を基に、事例の尤度を計算する原
因推定ステップと、上記原因推定ステップによって得ら
れた事例の尤度より、尤度の高い事例を優先して、該事
例に記録されている原因検証に関する質問回答対を基
に、ユーザに質問を提示し回答を得、ユーザの回答と事
例の記述が一致した場合は、該事例に記述されている対
策を提示する原因検証ステップからなるものである。
【0024】また、この発明の請求項4における事例検
索方法は、事例に言語表現およびその関連情報を蓄積
し、語の概念・属性等、言語表現の分類の基準となる情
報を格納した分類情報辞書と、検索症状を言語表現で入
力する言語表現入力ステップと、上記言語表現入力ステ
ップによって入力された言語表現から検索語を抽出する
検索語抽出ステップと、上記検索語抽出ステップによっ
て抽出された検索語をキーにして、上記事例ベース中に
蓄積されている言語表現を検索対象として事例を検索す
る事例候補検索ステップと、上記事例候補検索ステップ
によって検索された事例候補より、上記分類情報辞書を
参照して、検索対象を絞り込むための絞り込み表現を抽
出する絞り込み表現抽出ステップと、上記絞り込み表現
抽出ステップによって抽出された絞り込み表現を、絞り
込み表現の意味的特徴または文法的特徴に従って分類す
る絞り込み表現分類ステップと、上記絞り込み表現分類
ステップによって分類された絞り込み表現を表示する表
示ステップと、上記事例候補検索ステップによって検索
された事例候補のうち、上記表示ステップによって表示
された絞り込み表現をユーザが選択する絞り込み情報入
力ステップと、上記絞り込み情報入力ステップによって
選択された絞り込み表現を含む言語表現のみを症状の事
例候補とする事例候補絞り込みステップを持つものであ
る。
【0025】また、この発明の請求項5における事例ベ
ース構築装置は、問題及びその解決策を記録した問い合
わせ記録の記述内容を入力する入力手段と、入力手段で
入力された記述内容中の自然言語文を入力文章として形
態素解析する形態素解析手段と、形態素解析した結果か
ら、上記入力文章中の各文を単位文に分割する文分割手
段と、文と文または節と節の接続形式を優先順位ととも
に格納した接続形式優先テーブル、及び接続形式とその
意味的な接続関係を対応づけた接続形式−接続関係対応
テーブルを用いて、上記入力文章中の単位文の間の接続
構造を抽出する接続構造抽出手段と、類義の語を蓄積し
た類義語辞書を用いて、上記分割された単位文に対して
文の表記を統一する文表記統一手段と、上記表記統一処
理を受けた単位文の関連付けを行う事例関連付け手段か
らなり、上記問い合わせ記録を検索可能な事例に変換し
て事例ベースに登録するものである。
【0026】また、この発明の請求項6における事例ベ
ース構築方法は、問題及びその解決策を記録した問い合
わせ記録の記述内容を入力する入力ステップと、この入
力ステップで入力された記述内容中の自然言語文を入力
文章として形態素解析する形態素解析ステップと、形態
素解析した結果から、上記入力文章中の各文を単位文に
分割する文分割ステップと、文と文または節と節の接続
形式を優先順位とともに格納した接続形式優先テーブ
ル、及び接続形式とその意味的な接続関係を対応づけた
接続形式−接続関係対応テーブルを用いて、上記入力文
章中の単位文の間の接続構造を抽出する接続構造抽出ス
テップと、類義の語を蓄積した類義語辞書を用いて、上
記分割された単位文に対して文の表記を統一する文表記
統一ステップと、上記表記統一処理を受けた単位文の関
連付けを行う事例関連付けステップからなり、上記問い
合わせ記録を検索可能な事例に変換して事例ベースに登
録するものである。
【0027】また、この発明の請求項7における事例ベ
ース構築方法は、上記文表記統一ステップが、類義の語
を蓄積した類義語辞書と、表層の表現が異なり同じ内容
を表す表現パターンを蓄積した表現パターンテーブルの
両方を用いて文の表記を統一する処理を行うものであ
る。
【0028】また、この発明の請求項8における事例ベ
ース構築方法は、上記事例関連付けステップによって関
連づけた単位文の接続関係を基に、質問−回答対に変換
する質問−回答対生成ステップを持つものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明に係る事例検索装置の実
施の形態1について添付図面を参照して詳述する。図1
はこの発明請求項1に係る事例検索装置の実施の形態を
表す構成図である。図において1は過去の問い合わせを
記録した事例ベースであり、それぞれの事例には症状に
関する記述5、状況把握に関する質問回答対6、原因検証
に関する質問回答対7、対策8が記されている。
【0030】症状に関する記述とは、不具合に関する直
接的な記述であり、例えば、プリンタにおいて「プリン
トできない」、ビデオにおいて「録画できない」、ある
いはテレビにおいて「画面が乱れる」等の不具合の症状
に関する記述を表す。
【0031】状況把握に関する質問回答対6とは、問題
がどのような条件の下に発生したかを記録した質問回答
対である。例えば「プリンタの機種は何を使っているか
?」という質問に対して、回答が「 プリンタ機種1.1」
であった、あるいは「どんな設定変更を行ったか?」と
いう質問に対して、回答が「プリンタをパソコンからワ
ークステーションにつなぎかえた」であった、等の情報
が記録されている。
【0032】原因検証に関する質問回答対7とは、問題
の原因を特定するための直接の裏付けとなる情報を得る
ための質問回答対である。例えば、「lpshutコマンドを
実行したときのメッセージは何であったか?」という質
問に対して回答が「Print services already stopped」
であった、あるいは「プリンタのつなぎかえにおいて、
ディップスイッチの設定を変更したか?」という質問に
対して回答が「変更していない」であった、等の情報が
記録されている。
【0033】対策8とは、不具合を解決するのためにと
った行為であり、例えば「ディップスイッチの設定を計
算機OS2.1用に変更したら解決した」、あるいは「ロッ
クの設定を解除したら解決した」等の情報が記録されて
いる。この発明において取り扱う事例の例を図14に示
す。
【0034】図1の2はキーボードやマウス等の検索情
報を入力する入力手段であり、文字列やメニューの選択
肢などを、検索手段3に入力する。
【0035】3は、ユーザとの対話によって、事例の検
索と絞り込みを行う検索手段であり、症状特定手段9、
状況把握手段10、原因推定手段11、原因検証手段12の各
サブ手段より構成される。各サブ手段における動作につ
いては後述する。4は、検索手段より検索された事例に
基づいて、事例を絞り込むための質問や問題を解決する
ための対策の提示を行う表示手段である。
【0036】このように構成された装置の動作について
説明する。図2はこの装置の各手段の処理を示す構成
図、図3は検索手段3の各サブ手段におけるデータの流
れを表した図である。症状特定手段9では、入力手段2か
ら症状に関するユーザの入力21を受け取り(入力ステッ
プST2)、事例ベース1中の症状に関する記述5と照合
し、ユーザの入力と同じ症状を持つ事例の集合22を取り
出す(症状特定ステップST9)。
【0037】状況把握手段10では、症状特定手段9で検
索した、同じ症状を持つ事例の集合22に記録されている
状況把握に関する質問回答対6を基に、ユーザに状況把
握に関する質問24を提示し(表示ステップST4)、状況
把握に関するユーザの入力23を受け取って、不具合がど
のような環境の下で起きているか、情報を収集する(状
況把握ステップST10)。
【0038】原因推定手段11では、状況把握手段10で収
集した状況把握に関する質問回答25、および原因検証手
段12で収集した原因検証に関する質問回答30を、症状特
定手段9で検索した同じ症状を持つ事例の集合22に記録
されている状況把握に関する質問回答対6、および原因
検証に関する質問回答対7と照合し、各事例に記載され
ている対策8が問題解決に結びつく可能性(以下事例の尤
度と呼ぶ)を計算する(原因推定ステップST11)。
【0039】原因検証手段12では、原因推定手段11で計
算した各事例の尤度を基に、最も問題解決に結びつく可
能性の高い対策8を持つ事例(以下、最尤事例候補26と呼
ぶ)を取り出し、最尤事例候補26の原因検証に関する質
問回答対7を基に、ユーザに原因検証に関する質問28を
提示し、原因検証に関するユーザの入力27を受け取っ
て、原因推定手段11で推定された最尤事例候補26が、ユ
ーザが入力した問題と同じ原因に基づくか否かを検証す
る。原因検証に関するユーザの入力27が、最尤事例候補
26の原因検証に関する質問回答対7の記述と一致した
ら、最尤事例候補26に記載されている対策8を基に、ユ
ーザに対して対策29を提示する(原因検証ステップST1
2)。
【0040】図4は、上記症状特定ステップST9におけ
る処理の流れを表したフローチャートである。例として
「プリントされない」という症状をユーザが入力したと
する。まずステップ41によって入力文を形態素解析し、
「プリント/さ/れ/ない」と分割する。次にステップ
42によって検索語を抽出する。ここでは形態素解析の結
果より、自立語である「プリント」を、検索語として抽
出する。
【0041】次にステップ43によって検索語である「プ
リント」をキーにして事例ベース1を検索し、事例ベー
ス1中の事例の症状に関する記述5のうち「プリント」と
いう語を含む記述を取り出す。次にステップ44によっ
て、「プリント」という語を含む症状に関する記述の一
覧を表示する。図5は、ステップ44によって一覧表示さ
れた様子を表す図である。
【0042】次にステップ45によって、一覧表示した記
述から、ユーザの指示により最も適切な記述を選択す
る。以上の処理によって、「プリントできない」という
症状を持つ事例の集合が得られる。
【0043】なお、上記の症状特定ステップST9の処理
は、実施の形態3に後述する処理に置き換えてもよい。
またステップ42の検索語を抽出する処理において、同義
語辞書を用いて「プリント」と同義である「印刷」も検
索語に含め、ステップ44において「プリント」か「印
刷」のどちらかを含む語を検索する処理にしてもよい。
【0044】次に上記状況把握ステップST10における処
理を説明する。図6の事例01、事例02、事例03は、症状
特定ステップST9によって検索された、同じ症状を持つ
事例の集合を表している。図において、状況把握に関す
る質問はCQ(i)、原因検証に関する質問はIQ(j)、各質問
に対するユーザの回答は、A(k)で表している。
【0045】状況把握ステップST10においては、症状特
定ステップST9によって検索された、各事例に含まれて
いる状況把握質問を全てユーザに提示する。図6の例に
おいては、ユーザに提示する質問は、CQ(1)、CQ(2)、CQ
(3)、CQ(4)の4つである。それぞれの質問に対するユー
ザの回答が、A(01)、A(02)、A(03)、A(04)であるとして
説明を続ける。
【0046】原因推定ステップST11においては、状況把
握ステップST10によって得られた質問回答を基に各事例
の尤度を計算する。尤度は、各事例に登録されている状
況把握に関する質問回答対と、システムの質問の提示に
対して入力されたユーザの回答との間での類似度より算
出される。類似度の計算方法は後述する。
【0047】図7は、各事例に登録されている状況把握
に関する質問とその回答を表の形式で表した図である。
類似度は、各事例に登録されている質問回答を対象に行
われるため、以下のように算出する。 問い合わせと事例01の類似度: A(01)とA(1)の類似度、
及びA(02)とA(2)の類似度より算出 問い合わせと事例02の類似度: A(02)とA(3)の類似度、
及びA(03)とA(4)の類似度より算出 問い合わせと事例03の類似度: A(03)とA(5)の類似度、
及びA(04)とA(6)の類似度より算出 尤度計算の結果、事例の尤度は、事例01、事例02、事例
03の順に高いと算出されたとする。
【0048】原因検証ステップST12においては、尤度の
高い事例から、原因検証に関する質問回答対に登録され
ている順番にしたがって、質問を提示する。ユーザの回
答が事例に登録されている回答と異なった場合は、該事
例を検索対象から外す。
【0049】図8は、図6の各事例に登録されている原
因検証に関する質問とその回答を決定木の形式で表した
図である。事例01の事例の尤度が最も高いことより、最
初にIQ(11)の質問を提示する。IQ(11)の質問に対するユ
ーザの回答がA(11)であれば、次にIQ(12)の質問を提示
する。IQ(11)の質問に対するユーザの回答がA(11)以外
であれば、事例01を検索対象から外す。IQ(11)の質問に
対するユーザの回答がA(11)以外であり、かつA(21)以外
であれば、事例01と事例02の両方を検索対象から外す。
IQ(11)の質問に対するユーザの回答がA(11)であり、か
つIQ(12)の質問に対する回答がA(12)であれば、事例01
の対策を提示する。事例が検索対象から外された場合、
検索対象として残っている事例から次の最尤事例を取り
出し、原因検証に関する質問を提示し回答を得る、とい
う処理を行う。
【0050】図9は実施の形態1の動作を示すフローチ
ャートである。例として「プリントされない」という症
状がユーザによって入力された場合の処理を考える。キ
ーボード等の入力手段によって入力ステップST2で「プ
リントされない」と入力すると、ステップ81によって不
具合症状を特定する。不具合症状を特定する処理は、図
4のフローに従って、前述した手順によって行うものと
する。ここで、症状として「プリントできない」が特定
され、その結果、図14に示す3つの候補が検索された
とする。
【0051】次にステップ82によって状況把握に関する
質問を行い、回答を得る。この例では、状況把握に関す
る質問は、「プリンタサーバのOSは何か?」、「プリン
タの機種は何か?」、「設定の変更を行ったか?」の3つ
である。
【0052】ユーザの回答が「プリンタサーバのOSは何
か?」という問いに対して「計算機OS2.1」、「プリンタ
の機種は何か」という問いに対して「 プリンタ機種1.
1」、「設定の変更を行ったか?」という問いに対して
「プリンタ機種1.2から プリンタ機種1.1につなぎかえ
た」であったとする。
【0053】次にステップ83によって、ユーザの回答と
事例の記述の類似度から事例の尤度を計算する。計算機
のOSの間の類似度は予め図10のように定義されてお
り、プリンタ機種の間の類似度は予め図11のように定
義されているとする。
【0054】「設定の変更を行ったか?」という問いに
対する回答を照合するためには、自然言語表現の類似度
の定義が必要になる。ここでは、類似度を図12のよう
に定義し、自然言語表現の類似度を(入力文と事例の記
述との間で一致した文節数/入力文全体の文節数)と定
義する。
【0055】また、各値の類似度より事例全体の尤度を
計算する式は、Σ(各値の類似度)/(類似度計算に関係す
る状況把握に関する質問回答対の数)と定義する。
【0056】事例3301の原因に結びつく状況の要因は
「プリンタサーバOS」と「設定変更」であり、プリンタ
サーバのOSの類似度が計算機OS1.2 と 計算機OS2.1との
違いにより、図10の定義に従って類似度が0.1、変更
の違いは、ユーザの回答と事例の記述が共にyesであ
り、かつ入力文中に事例の記述と一致する文節がないた
め、図12の定義にしたがって 0.5 + 0.5 * 0 = 0.5で
ある。以上より、事例3301の尤度は、(0.1 + 0.5) / 2
= 0.3 と算出される。
【0057】事例3302の原因に結びつく状況の要因は
「プリンタ機種」と「設定変更」であり、プリンタ機種
に関しては、ユーザの回答と事例の記述が、共に プリ
ンタ機種1.1であるため、図11の定義に従って類似度
が1.0、設定変更に関しては、入力文の3文節中「つなぎ
かえた」という文節が一致していることにより、図12
の定義にしたがって 0.5 + 0.5 * (1/3) = 0.667であ
る。以上より、事例3302の尤度は、(1.0 + 0.667) / 2
= 0.83 と算出される。
【0058】事例3303の原因に結びつく状況の要因は
「プリンタサーバOS」と「設定変更」であり、プリンタ
サーバのOS関しては、ユーザの回答が計算機OS2.1、事
例の記述が計算機OS2.2であるので、類似度は0.8、設定
変更に関しては、入力文の3文節中「つなぎかえた」と
いう文節が一致していることにより、図12の定義にし
たがって 0.5 + 0.5 * (1/3) = 0.667である。以上よ
り、事例3303の尤度は、(0.8 + 0.667) / 2 = 0.73 と
算出される。以上より、上記3つの事例の中では、事例
3302、事例3303、事例3301の順に尤度が高いと判断され
る。
【0059】次にステップ84において、ステップ83で計
算された事例の尤度を基に、最も尤度の高い事例3302が
最尤事例候補として取り出される。
【0060】次にステップ85において、原因検証に関す
る質問を行い回答を得る。事例3302における原因検証に
関する質問は「自己診断印刷はできますか?」と、「デ
ィップスイッチの設定を確認しましたか?」であり、ユ
ーザの回答がそれぞれ「自己診断印刷はできる」、「デ
ィップスイッチはOK」であったとする。
【0061】ステップ86では、ユーザの回答が事例の記
述と一致しなかったので、「N」のパスを通りステップ8
9で事例3302の尤度を0とし、検索対象からはずす。
【0062】ステップ90では、ステップ89の処理の結
果、まだ検索対象の事例が残っているか否かをチェック
する。この時点で、検索対象の事例は、事例3301と事例
3303が残っているので、「Y」のパスを通り、再びステ
ップ83に戻る。
【0063】ステップ83では、再び尤度を計算する。状
況把握に関する質問の他に、事例3302の原因検証に関す
る質問「自己診断印刷はできますか?」と「ディップス
イッチの設定を確認しましたか?」の質問が加わった
が、ユーザの回答が、事例3301および事例3303の記述と
矛盾するものではないので、尤度に変更はない。
【0064】ここで、もし「自己診断印刷はできますか
?」に対するユーザの回答が「できない」であれば、事
例3303の原因検証に関する質問回答対と矛盾するので、
事例3303も検索対象から外される。
【0065】ステップ84では、この時点で尤度最大の事
例として事例3303を取り出す。事例3303に登録されてい
る原因検証に関する質問のうち、「自己診断印刷はでき
ますか?」の回答は得られ、かつ事例3303の記述と一致
しているので、次の「プリンタドライバは組み込まれて
いますか?」が提示される。ここで、ユーザの回答は
「いいえ」であるとする。
【0066】事例3303の原因検証に関するユーザの回答
と事例の記述が一致したので、ステップ86において、
「Y」のパスをたどり、ステップ87によって、対策を提
示する。この場合は、プリンタドライバをインストール
するために、設定方法を説明する。ステップ88によっ
て、問題が解決したことが確認されたら、事例検索の処
理は終了する。
【0067】図13は、実施の形態1に係る事例検索方
法の処理のデータの流れの例を請求項2の検索ステップ
を構成する各サブステップに関連付けして示したもので
ある。
【0068】図13において、1201は症状に関するユー
ザの入力の例、1202は事例ベース中に登録されている事
例の症状に関する記述の例、1203は症状特定ステップ9
によって特定された症状を持つ事例の集合の例、1204は
状況把握に関するユーザの入力の例、1205は状況把握に
関するシステムの質問の例、1206は状況把握ステップ10
によって得られた状況把握に関する質問回答の例、1207
は、原因推定ステップ11によって算出された事例の尤度
の順番の例、1208および1209は原因検証に関するユーザ
の入力の例、1210および1211は、原因検証に関するシス
テムの質問の例、1212は原因検証ステップ12によって得
られた原因検証に関する質問回答の例、1213はユーザに
提示する対策の例である。
【0069】図13では、まず、症状に関するユーザの
入力として「プリントされない」1201が入力されると、
症状特定ステップ9において、事例ベース中に登録され
ている事例の症状に関する記述1202を参照して、ユーザ
の症状と同一の内容の記述を特定する。ここでは、「プ
リントできない」と特定され、「プリントできない」と
いう症状をもつ事例の集合1203が検索される。
【0070】次に状況把握ステップ10において、状況把
握に関する質問1205を提示し、ユーザからの回答1204を
得る。質問回答の結果1206は原因推定ステップ11の入力
となる。原因推定ステップ11では、システムが提示した
質問に対するユーザの回答と事例の記述とを照合し、症
状特定ステップ9によって検索された事例の集合を尤度
によって順位付けする。順位付けされた結果は1207の通
りとなる。
【0071】次に原因検証ステップ12によって最も尤度
の高い事例を取り出す。ここでは、事例3302を取り出
す。次に事例3302に記載されている原因検証に関する質
問1210を提示し、質問に対する回答1208を得る。この例
では、ユーザの回答が事例の記述と一致しないので、事
例3302は候補事例から取り除かれる。
【0072】原因検証に関する質問回答対1212は再び原
因推定ステップ11に送られ、候補事例に対して再び順位
付けがされる。次の最尤事例は、事例3303であるので、
原因検証ステップ12において、事例3303の原因検証に関
する未回答の質問1211を提示し、回答1209を得る。ここ
では、ユーザの回答が事例の記述と一致したので、事例
に記載されている対策1213を提示する。
【0073】実施の形態2.図15はこの発明の実施の
形態2を表す構成図である。図において1301は過去の問
い合わせを記録した事例ベースであり、それぞれの事例
には症状に関する記述1305、状況把握に関する質問回答
対1306、原因検証に関する質問回答対1307、対策1308、
その事例が問題解決に利用された頻度1309が記されてい
る。
【0074】症状に関する記述1305、状況把握に関する
質問回答対1306、原因検証に関する質問回答対1307、対
策1308については、図1における症状に関する記述5、状
況把握に関する質問回答対6、原因検証に関する質問回
答対7、対策8と同様であるので説明を省略する。1309は
該事例を参照することによって問題が解決した回数を表
す頻度である。この発明において取り扱う事例の例を図
21に示す。
【0075】図15において1302は入力ステップ、1304
は表示ステップであり、機能は図2の入力ステップST
2、表示ステップST4と同様である。
【0076】1303は、ユーザとの対話によって、事例の
検索と絞り込みを行う検索ステップであり、症状特定ス
テップ1310、状況把握ステップ1311、原因推定ステップ
1312、原因検証ステップ1313のサブステップより構成さ
れる。各サブステップにおける処理については後述す
る。
【0077】図16は検索ステップ1303の各サブステッ
プにおけるデータの流れを表した図である。症状特定ス
テップ1310では、入力ステップ1302から症状に関するユ
ーザの入力1401を受け取り、事例ベース1301中の症状に
関する記述1305と照合し、ユーザの入力と同じ症状を持
つ事例の集合1402を取り出す。
【0078】状況把握ステップ1311では、症状特定ステ
ップ1310で検索した事例のうち、検索対象から削除され
た事例1411以外から、同じ症状を持つ事例の集合1402に
記録されている状況把握に関する質問回答対1306を基
に、頻度1309の高い事例に関連する状況把握に関する質
問1404を優先させてユーザに提示し、状況把握に関する
ユーザの入力1403を受け取って、不具合がどのような環
境の下で起きているか、情報を収集する。
【0079】原因推定ステップ1312では、状況把握ステ
ップ1311で収集した状況把握に関する質問回答1405、お
よび原因検証ステップ1313で収集した原因検証に関する
質問回答1410を、症状特定ステップ1310で検索した同じ
症状を持つ事例の集合1402に記録されている状況把握に
関する質問回答対1306、および原因検証に関する質問回
答対1307と照合することによる類似度と、事例の頻度か
ら、事例の尤度を計算する。
【0080】原因検証ステップ1313では、原因推定ステ
ップ1312で計算した各事例の尤度を基に、最尤事例候補
1406を取り出し、最尤事例候補1406の原因検証に関する
質問回答対1307を基に、ユーザに原因検証に関する質問
1408を提示し、原因検証に関するユーザの入力1407を受
け取って、原因推定ステップ1312で推定された最尤事例
候補1406が、ユーザが入力した問題と同じ原因に基づく
か否かを検証する。原因検証に関するユーザの入力1407
が、最尤事例候補1406の原因検証に関する質問回答対13
07の記述と一致したら、最尤事例候補1406に記載されて
いる対策1308を基に、ユーザに対して対策1409を提示す
る。
【0081】症状特定ステップ1310における処理は、実
施の形態1の処理と同様であり、前述した図4のフロー
チャートまたは、後述する実施の形態3で説明されるの
で、ここでは省略する。
【0082】次に状況把握ステップ1311における処理を
説明する。図17の事例11、事例12、事例13は、症状特
定ステップ1310によって検索された、同じ症状を持つ事
例の集合を表している。図において、状況把握に関する
質問はCQ(i)、原因検証に関する質問はIQ(j)、各質問に
対するユーザの回答はA(k)、頻度はf(l)で表している。
【0083】状況把握ステップ1311においては、症状特
定ステップ1310によって検索された、各事例に含まれて
いる状況把握に関する質問を、頻度の高い事例に関連し
ているものからユーザに提示する。
【0084】図18は、状況把握ステップ1311における
処理の流れを表したフローチャートである。まずステッ
プ1601によって、検索対象の事例から、相対頻度>閾値
である事例を、検証対象の事例として取り出す。相対頻
度は、(該事例の頻度/検索対象の事例の頻度の和)と定
義する。症状が特定された直後の段階では、同じ症状を
持つ事例の集合全てが検索対象である。全ての事例の相
対頻度が閾値より低い場合は、最も頻度の高い事例を取
り出す。ここで、閾値をtで表し、例えばf(1)/(f(1)+f
(2)+f(3))>t かつf(2)/(f(1)+f(2)+f(3))>t かつf(3)
/(f(1)+f(2)+f(3))< t であるならば、事例11と事例12
が検証対象の事例として取り出される。
【0085】次にステップ1602によって、ステップ1601
で取り出した事例から未回答の状況把握に関する質問を
取り出す。ここでは、事例11と事例12が取り出されたこ
とより、CQ(1)、CQ(2)、CQ(3)を取り出す。
【0086】次にステップ1603によって、ステップ1602
で取り出した質問を提示し、ステップ1604でユーザから
回答を受け取る。ステップ1605で質問が完了したか否か
を判断し、ステップ1602で取り出した全ての質問を提示
する。
【0087】原因推定ステップ1312においては、状況把
握ステップ1311によって得られた質問回答を基に各事例
の尤度を計算する。尤度は、各事例に登録されている状
況把握に関する質問回答対と、システムの質問の提示に
対して入力されたユーザの回答との間での類似度、およ
び事例の頻度より算出される。
【0088】尤度計算の結果、事例の尤度は、事例11の
方が事例12より大きいとする。原因検証ステップ12にお
いては、尤度の高い事例から、原因検証に関する質問回
答対に登録されている順番にしたがって、質問を提示す
る。ユーザの回答が事例に登録されている回答と異なっ
た場合は、該事例の尤度を0として検索対象から外す。
【0089】事例11、事例12が共に検索対象から外され
た場合は、状況把握ステップ1311にもどり、図18のフ
ローチャートに従い、ステップ1601で事例13を取り出
し、ステップ1602で事例13の未回答の状況把握に関する
質問であるCQ(4)を取り出し、ステップ1603でCQ(4)をユ
ーザに提示し、ステップ1604で回答を受け取り、状況把
握に関する質問を完了させる。
【0090】以降の処理は、事例11、事例12の場合と同
様に、原因推定ステップ1312で事例の尤度を計算し、原
因検証ステップ1313で原因検証に関する質問を提示して
回答を得る。
【0091】図19は実施の形態2の動作を示すフロー
チャートである。例として「プリントされない」という
症状がユーザによって入力された場合の処理を考える。
【0092】キーボード等の入力手段によって入力ステ
ップ1302で「プリントされない」と入力すると、ステッ
プ1701によって不具合症状を特定する。不具合症状を特
定する処理は、図9のステップ81の処理と同様に図4の
フローチャートに従って行うものとする。ここで、症状
として「プリントできない」が特定され、その結果、図
21に示す3つの候補が検索されたとする。
【0093】次にステップ1702によって相対頻度より、
検証対象事例を選定する。この処理は、図18のフロー
チャートに従って行うものとする。閾値を0.2と定める
と、 事例3401の相対頻度 = 5/(5+10+20) = 0.14 事例3402の相対頻度 = 10/(5+10+20) = 0.29 事例3403の相対頻度 = 20/(5+10+20)
= 0.57 であることより、事例3402と事例3403が検証対象と
して選定される。
【0094】次にステップ1703によって事例3402と事例
3403に関係する状況把握に関する質問を行い、回答を得
る。この例では、状況把握に関する質問は、「プリンタ
サーバのOSは何か?」、「プリンタの機種は何か?」、
「設定の変更を行ったか?」の3つである。
【0095】ユーザの回答が「プリンタサーバのOSは何
か?」という問いに対して「計算機OS2.1」、「プリンタ
の機種は何か」という問いに対して「 プリンタ機種1.
1」、「設定の変更を行ったか?」という問いに対して
「プリンタ機種1.2から プリンタ機種1.1につなぎかえ
た」であったとする。
【0096】次にステップ1704によって、ユーザの回答
と事例の記述の類似度から事例の尤度を計算する。状況
把握に関する各質問の回答の類似度は、実施の形態1に
おける例と同様、図10、図11、および図12のよう
に定義し、自然言語表現の類似度を(入力文と事例の記
述との間で一致した文節数/入力文全体の文節数)と定
義する。
【0097】また、事例全体の尤度を計算する式は、 問題と事例の類似度= Σ(各値の類似度)/(類似度計算に
関係する状況把握に関する質問回答対)とし、 事例の尤度 = (問題と事例の類似度+事例の相対頻度)/
2 と定義する。
【0098】事例3402と問題の類似度は、実施の形態1
における事例の尤度と同じ計算式によって、0.83であ
り、事例3402の相対頻度は、0.29であることより、事例
3402の尤度は(0.83 + 0.29)/2 = 0.56 と算出される。
【0099】事例3403と問題の類似度は、実施の形態1
における事例の尤度と同じ計算式によって、0.73であ
り、事例3402の相対頻度は、0.57であることより、事例
3402の尤度は(0.73 + 0.57)/2 = 0.65 と算出される。
【0100】次にステップ1705より、最も尤度の高い事
例である事例3403を取り出す。次にステップ1706によ
り、事例3403に登録されている原因検証に関する質問
「自己診断印刷はできますか?」と「プリンタドライバ
は組み込まれていますか?」を提示し、回答を得る。ユ
ーザの回答がそれぞれ「自己診断印刷はできる」、「プ
リンタドライバは組み込まれていない」であれば、ステ
ップ1707により、ユーザの回答と事例の記述が一致した
ことにより、ステップ1708で対策を提示し、ステップ17
09で問題が解決したことが確認できたら終了する。
【0101】以降、ステップ1706において、ユーザの回
答と事例の記述が一致しなかった場合の例について説明
する。ステップ1706で、ユーザの回答が「自己診断印刷
はできる」、「プリンタドライバは組み込まれている」
であれば、ステップ1707でユーザの回答が事例の記述と
一致しないことより、ステップ1710によって、事例3403
の尤度を0とし、検索対象から外す。
【0102】次にステップ1711より、検証対象の事例が
残っているか否かを確認し、この時点では事例3402が残
っているので、「Y」のパスをたどり、再びステップ170
4に戻る。事例3403の原因検証に関する質問「自己診断
印刷はできますか?」と「プリンタドライバは組み込ま
れていますか?」の質問が加わったが、ユーザの回答
が、事例3402の記述と矛盾するものではないので、尤度
に変更はない。
【0103】ステップ1702では、この時点で尤度最大の
事例として事例3402を取り出す。事例3402に登録されて
いる原因検証に関する質問のうち、「自己診断印刷はで
きますか?」の回答は得られ、かつ事例3402の記述と一
致しているので、次の「ディップスイッチの設定を確認
しましたか?」が提示される。ここで、ユーザの回答は
「はい」であるとする。
【0104】再びユーザの回答が事例の記述と一致しな
いので、ステップ1707では「N」のパスをたどり、ステ
ップ1710において事例3402の尤度を0とし検索対象から
外す。ステップ1711において、検索対象の事例が残って
いるか否かを調べ、今度は事例が残っていないので、
「N」のパスをたどり、ステップ1712に進む。
【0105】ステップ1712では、同じ症状を持つ事例が
残っているか否かをチェックする。この場合は、事例34
01が残っているので、Yのパスをたどり、ステップ1702
に進む。ステップ1702では、相対頻度によって検証対象
の事例を選択するが、この時点で検索対象として残って
いる事例は、事例3401のみであるので、 事例3401の相対頻度 = 5/5 = 1.0 となり、閾値の0.2より大きいので、事例3401が検証対
象の事例となる。
【0106】ステップ1703により、事例3401に関係する
未回答の状況把握に関する質問を提示し回答を得ること
になるが、事例3401に登録されている状況把握に関する
質問「プリンタサーバのOSは何か?」、「設定の変更を
行ったか?」に対してはすでに回答が得られているの
で、そのまま1704に進み、事例3401の尤度を計算する。
【0107】事例3401の類似度は、実施の形態1におけ
る事例の尤度と同じ計算式によって、0.30であり、事例
3402の相対頻度は、1.00であることより、事例3402の尤
度は(0.30 + 1.00)/2 = 0.65 と算出される。
【0108】次にステップ1705において、最も尤度の高
い事例を取り出す。ここでは、検索対象の事例が事例34
01のみであるので、事例3401が取り出され、ステップ17
06において、原因検証に関する質問を提示する。まず、
「lpshut を実行した時のエラーメッセージは何か?」が
提示され、計算機OS2.1においては、lpshutコマンドが
ないとすると、回答は事例3401に登録されている「Prin
t services already stopped.」にはなり得ず、この時
点でユーザの回答が事例の記述と一致しないことより、
ステップ1707で「N」のパスを通る。
【0109】ステップ1710で、事例3401を検索対象から
外し、ステップ1711で検証対象の事例が残っていないの
で、「N」のパスをたどり、ステップ1712で、同じ症状
を持つ事例も残っていないので、「N」のパスをたど
り、問題は未解決として終了する。
【0110】図20は、実施の形態2に係る事例検索方
法の処理のデータの流れの例を検索ステップを構成する
各サブステップに関連付けして示したものである。図2
0において、1801は症状に関するユーザの入力の例、18
02は事例ベース中に登録されている事例の症状に関する
記述の例、1803は症状特定ステップ1310によって特定さ
れた症状を持つ事例の集合の例、1804は状況把握に関す
るユーザの入力の例、1805は状況把握に関するシステム
の質問の例、1806は状況把握ステップ1311によって得ら
れた状況把握に関する質問回答の例、1807は、原因推定
ステップ1312によって算出された事例の尤度の順番の
例、1808は原因検証に関するユーザの入力の例、1809は
原因検証に関するシステムの質問の例、1810は原因検証
ステップ1313によって得られた原因検証に関する質問回
答の例、1811は検索対象から外された事例の例である。
【0111】図20では、まず、症状に関するユーザの
入力として「プリントされない」1801が入力されると、
症状特定ステップ1310において、事例ベース中に登録さ
れている事例の症状に関する記述1802を参照して、ユー
ザの症状と同一の内容の記述を特定する。ここでは、
「プリントできない」と特定され、「プリントできな
い」という症状を持つ事例の集合1803が検索される。
【0112】次に状況把握ステップ1311において、相対
頻度が閾値より高い事例を取り出す。ここでは事例3403
と事例3402が検証対象の事例として取り出される。次に
取り出された事例に関連する状況把握に関する質問1805
を提示し、ユーザからの回答1804を得る。質問回答の結
果1806は原因推定ステップ1312の入力となる。原因推定
ステップ1312では、システムが提示した質問に対するユ
ーザの回答と事例の記述とを照合し、症状特定ステップ
1310によって検索された事例の集合を類似度と頻度によ
って順位付けする。順位付けされた結果は1807の第1回
目の検証対象の通りとなる。
【0113】次に原因検証ステップ1313によって最も尤
度の高い事例を取り出す。ここでは、事例3403を取り出
す。次に事例3403に記載されている原因検証に関する質
問1809の質問11と質問12を提示し、質問に対する回答18
08の回答11と回答12を得る。この例では、ユーザの回答
が事例の記述と一致しないので、事例3403は候補事例か
ら取り除かれる。
【0114】原因検証に関する質問回答対1810の1回目
の質問回答は原因推定ステップ1312に送られ、候補事例
に対して再び順位付けがされる。次の最尤事例は、事例
3402であるので、原因検証ステップ1313において、事例
3402の原因検証に関する未回答の質問1809の質問21を提
示し、それに対する回答1808の回答21を得る。
【0115】ここでもユーザの回答と事例の記述が一致
しないので、事例3402は候補から取り除かれ、原因検証
に関する質問回答対1810の2回目の質問回答は原因推定
ステップ1312に送られる。ここで検証対象の事例は存在
せず、同じ症状を持つ事例として、事例3401が存在する
ので、検証対象の事例が2つ削除されたという情報1811
を状況把握ステップ1311に送る。状況把握ステップで
は、相対頻度の計算より、事例3401を検証対象とする。
状況把握に関する未回答の質問はないので、この事例は
原因推定ステップ1312を経て原因検証ステップ1313で原
因検証に関する質問1809の質問31を提示し、1808の回答
31で回答を受ける。
【0116】ここでもユーザの回答と事例の記述が一致
しないので、事例3401も検索対象から外し、症状特定ス
テップ1310で検索された事例が全て検索対象から外れた
ことにより、未解決として検索が終了する。
【0117】実施の形態3.図22はこの発明の実施の
形態3を表す構成図である。図において1901は事例ベー
スであり、言語表現及びその関連情報を格納している。
1902はキーボード等の入力手段、または他のプログラム
からのデータを受け取ることによる言語表現入力ステッ
プである。
【0118】1903は言語表現入力ステップ1902より入力
された言語表現を単語に分割して、事例ベース1901を検
索するための検索語を抽出するための検索語抽出ステッ
プである。1904は検索語抽出ステップ1903によって抽出
された検索語をキーとし、事例ベース中の言語表現を検
索対象として検索を行う事例候補検索ステップである。
1905は事例候補検索ステップ1904によって検索された事
例の言語表現より、検索結果をさらに絞り込むための情
報となる絞り込み表現を抽出する絞り込み表現抽出ステ
ップである。
【0119】1906は絞り込み表現抽出ステップ1905によ
って抽出された絞り込み表現を、その意味的特徴または
文法的特徴によって分類する絞り込み表現分類ステップ
である。1907は絞り込み表現分類ステップ1907によって
分類された絞り込み表現をディスプレイ装置等の表示手
段に表示する表示ステップである。1908は表示ステップ
1907によって表示された絞り込み表現を、マウスのクリ
ックや、キーボードからの入力による指定などによって
選択する、絞り込み情報入力ステップである。
【0120】1909は絞り込み情報入力ステップ1908によ
って入力された情報に従って、事例候補検索ステップ19
04で検索された事例を絞り込む事例候補絞り込みステッ
プである。1910は、シソーラスや専門用語辞書のよう
な、事例中の言語表現の単語や句がどのような概念・属
性に分類可能かという情報を格納した分類情報辞書であ
る。
【0121】図23は、全体のデータの流れを表した図
である。言語表現入力ステップ1902では、ユーザより言
語表現が入力される。検索語抽出ステップ1903では、ユ
ーザが入力した言語表現2001を単語分割して検索語2002
を抽出する。
【0122】事例候補検索ステップ1904では、検索語20
02をキーとして事例ベース1901を検索して、検索語2002
を含む言語表現を持つ事例2003を取り出す。絞り込み表
現抽出ステップ1905では、検索語2002を含む言語表現を
持つ事例2003から、分類情報辞書1910を参照して、事例
の絞り込みに用いる絞り込み表現2004を抽出する。絞り
込み表現分類ステップ1906では、絞り込み表現2004を、
その意味的特徴または文法的特徴によって分類する。
【0123】表示ステップ1907では、分類された絞り込
み表現2005を表示する。絞り込み情報入力ステップ1908
では、表示ステップ1907によって表示された、分類され
た絞り込み表現2005を参照して、ユーザが絞り込み情報
を入力する。事例候補絞り込みステップ1908では、ユー
ザが入力した絞り込み情報2006より、事例候補検索ステ
ップ1904によって検索された事例2003を絞り込み、絞り
込まれた事例候補2007を出力する。
【0124】図24は実施の形態3の動作を示すフロー
チャートである。例として「画面が乱れる」という文が
ユーザによって入力された場合の処理を考える。最初に
ステップ2101によって入力文「画面が乱れる」を受け取
る。次にステップ2102によって、入力文を形態素解析す
る。形態素解析の結果、入力文を「画面/が/乱れる」
と単語に分割する。
【0125】次にステップ2103によって、単語に分割さ
れた入力文より、検索語を抽出する。ここでは、名詞を
検索語とすることとし、「画面」を抽出する。次にステ
ップ2104によって、「画面」を検索のキーとして事例ベ
ースを検索する。事例ベース中の事例に含まれる言語表
現のうち、「画面」という語を含む事例が検索される。
検索される事例の言語表現の例を図25に示す。なお、
ステップ2104では、図25の言語表現を持つ事例の他に
も、多数の事例が検索されたとする。
【0126】次にステップ2105によって、検索された事
例の言語表現から、絞り込みのための情報となる表現を
抽出する。この発明の利用分野の1つである相談業務支
援では、不具合の症状を特定するために、人間の知覚に
関係する概念を持つ語や、機能、用途、方式、規格、部
品を表す単語、または文の述語にあたる表現が、絞り込
みのための情報として重要である。絞り込み表現を抽出
するためには、シソーラスや階層構造を持つ専門用語辞
書のような、分類情報辞書を用いる。図26に知覚に関
する概念を持つ単語の例を示す。
【0127】次にステップ2106によって、同じ意味的特
徴、文法的特徴を持つ表現をグルーピングする。例え
ば、図25の検索結果の例では、文1の「白黒」と文3の
「真っ青」は、共に「色」の概念を持つため、同じ意味
的特徴を持つ表現である。また文1の「トラッキング」
と文2の「ロック」は、共に「機能」を表す単語である
ため、同じ意味的特徴を持つ表現である。また、文2の
「動かない」と文3の「表示される」は共に述語である
ため、同じ文法的特徴を持つ表現である。
【0128】次に、ステップ2107によって、グルーピン
グした結果を表示する。図27に意味的特徴によってグ
ルーピングした結果を表示した例、図28に文法的特徴
によってグルーピングした結果を表示した例を示す。ユ
ーザはマウスのクリックや、キーボードでの入力などに
よって表示された表現を選択して事例の絞り込む。ステ
ップ2108では、ユーザから絞り込み情報を受け取る。
【0129】次にステップ2109によって、事例ベースか
ら検索された事例の集合からステップ2108で指定された
表現を持つ事例を選択することにより、事例の絞り込み
を行う。例えば、図27より「白黒」という表現を選択
すれば、事例候補が「画面」と「白黒」という単語の両
方を含む言語表現を持つ事例のみに絞り込まれる。
【0130】図29は、実施の形態3に係る事例絞り込
み方法の処理のデータの流れの例を各ステップに関連付
けして示したものである。図29において、2601はユー
ザが入力した言語表現の例、2602は検索語の例、2603は
検索語を含む言語表現を持つ事例の例、2604は絞り込み
表現の例、2605は分類された絞り込み表現の例、2606は
ユーザが入力した絞り込み情報の例、2607は絞り込まれ
た事例候補の例である。
【0131】言語表現入力ステップ1902において、ユー
ザが「画面が乱れる」2601と入力すると、検索語抽出ス
テップ1903において、入力中に含まれる名詞である「画
面」2602が検索語として抽出される。次に事例候補検索
ステップ1904において、「画面」2602をキーとして事例
ベース1901を検索する。その結果、2603のような、言語
表現中に「画面」という語を含む事例が検索される。次
に絞り込み表現抽出ステップ1905において、分類情報辞
書1910を参照して、2603の言語表現中から絞り込み表現
を抽出する。その結果、2604のような「色」の概念を持
つ語や、「機能」を表す語が抽出される。次に、絞り込
み表現2604を絞り込み表現分類ステップ1906により、26
05のように分類する。分類された結果は、表示ステップ
1907によりユーザに表示される。
【0132】表示された情報を参照して、ユーザは、絞
り込み情報入力ステップ1908において、「白黒」を選択
する。このとき事例候補絞り込みステップ1909におい
て、事例候補検索ステップによって検索された事例候補
2603のうち、「白黒」という語を含む言語表現を持つ事
例2607を出力する。
【0133】実施の形態4.図30はこの発明の実施の
形態4である事例構築装置を表す構成図、図34はその
動作の説明図である。図において5201は入力手段であ
り、過去の問い合わせ記録中に現れる言語表現をユーザ
が入力する(図34の入力ステップ3801)。5202は形態
素解析手段であり、入力手段5201によって入力された言
語表現を形態素解析する(図34の形態素解析ステップ
3802)。5203は文分割手段であり、形態素解析手段5202
によって解析された結果に基づいて述語表現を抽出して
長い文を短く分割する点(以降、分割点と呼ぶ)を求
め、分割点において入力文を分割する(図34のは文分
割ステップ3803)。以降、文分割手段で分割された入力
文を単位文と呼ぶ。
【0134】5204は接続構造抽出手段であり、接続形式
優先テーブル3807、接続形式−接続関係対応テーブル38
08に基づいて、単位文の間の係り受け関係と接続関係を
求める(図34の接続構造抽出ステップ3804)。ここ
で、接続形式とは、分割点における接続助詞、入力文に
現れる接続詞、「次のような」「このとき」など照応を
表す定型表現など、接続の表層の形態を表すものであ
り、接続関係とは接続形式の持つ意味的な関係を表すも
のである。
【0135】図31は接続形式優先テーブルの例であ
る。図において、1、2、3の順に優先度が高く、優先度
の低い接続形式を含む述部は優先度の高い接続形式を含
む述部に係るが、優先度の高い接続形式を含む述部は優
先度の低い接続形式を含む述部には係らないことを示
す。図32は接続形式−接続関係対応テーブルの例であ
る。図32において、C1、C2は節を表し、S1、S2は
文を表す。例えば、C1とC2が「ても」という接続助詞
を介して接続したときは、C1はC2に「逆条(逆態条
件)」の関係でつながり、S1とS2が「このとき」とい
う接続詞的表現で接続したとき、S2はS1に「添加」の
関係でつながることを表す。
【0136】5205は文表記統一手段であり、類義語辞書
3809を用いて、同じ意味を表す文を同じ表現に統一する
(図34の文表記統一ステップ3805)。図33は類義語
辞書3809の例である。類義語辞書3809は、単語表記と標
準表記の2つのフィールドからなるものとし、単語表記
は標準表記に置き換えられて処理される。5206は事例関
連付け手段であり、上記表記統一処理を受けた単位文の
関連付けを行って事例を構築する(図34の事例関連付
けステップ3806)。
【0137】図35は実施の形態4におけるデータの流
れをステップごとに表した図である。入力ステップ3801
は、問い合わせ記録4107より言語表現を受け取る。形態
素解析ステップ3802では、入力文4101を受け取り、形態
素解析を行って、形態素に分割した入力文4102を出力す
る。文分割ステップ3803では、形態素解析結果から分割
点を求め、単位文4103を出力する。
【0138】接続構造抽出ステップ3804では、単位文41
03を受け取り、接続形式優先テーブル3807と接続形式−
接続関係対応テーブル3808を参照して、単位文間の接続
構造4104を出力する。文表記統一ステップ3805では、単
位文の接続構造4104を受け取り、同じ内容を表す単位文
は同じ表記に統一して、表記を統一された単位文4105を
出力する。事例関連付けステップ3806では、表記を統一
された単位文4105を関連づけて事例を生成し、事例と関
連付けされた単位文及び事例の分類4106を事例ベース41
08に格納する。
【0139】図36は、実施の形態4のフローチャート
である。例として、問い合わせ記録に C1:プリントジョブを送ってもジョブがキューに追加
されない。 C2:プリントジョブを送るとワークステーションがハ
ングアップする。このとき*I/O Problem* と表示され
る。 C3:ディスクをマウントすると、ワークステーション
が異常終了する。 の3つの問い合わせが記録されているものとする。
【0140】ステップ4201によって、入力文に対し形態
素解析を行う。その結果上記の入力文は、 C1:プリントジョブ/を/送っ/ても/ジョブ/が/
キュー/に/追加/さ/れ/ない/。 C2:プリントジョブ/を/送る/と/ワークステーシ
ョン/が/ハングアップ/する/。 このとき/*I/O Problem*/と/表示/さ/れる/。 C3:ディスク/を/マウント/する/と/、/ワーク
ステーション/が/異常終了/する/。 と形態素に分割される。
【0141】次にステップ4202によって、形態素解析を
行った結果より述語表現の抽出を行い、重文や複文を短
く分割する分割点を求める。ここでは、接続助詞や連用
中止表現を文分割の対象とする。ステップ4202による処
理の結果、C1に対しては「送っても」、C2に対しては
「送ると」、C3に対しては「マウントすると」が述語
表現として抽出され、分割点となる。
【0142】次にステップ4203によって、分割点におい
て文を単位文に分割する。同時に、接続助詞や連用中止
表現は、述部を終止形に修正することによって、文末表
現に変換する。また、接続詞は削除される。この結果入
力文は C1:S11 プリントジョブ/を/送る/。 S12 ジョブ/が/キュー/に/追加/さ/れ/ない
/。 C2:S21 プリントジョブ/を/送る/。 S22 ワークステーション/が/ハングアップ/する
/。 S23 *I/O Problem*/と/表示/さ/れる/。 C3:S31 ディスク/を/マウント/する/。 S32 ワークステーション/が/異常終了/する/。 と変換される。S11、 S12、 S21、 S22、 S23、
S31、 S32は、それぞれ単位文を表す。
【0143】次にステップ4204によって、接続形式優先
テーブル3807と接続形式−接続関係対応テーブル3808を
参照して、単位文の間の接続構造を求める。図31の接
続関係優先テーブル3807は1つの文に3つ以上の節が含
まれるときに、係り受けの優先度を決定する。例えば図
において「が」の方が「ので」より優先度が高いため、
「ので」を末尾に持つ節は「が」を末尾に持つ節に係る
が、「が」を末尾に持つ節は「ので」を末尾に持つ節に
は係らないことを示す。例えば、エラーが表示されたの
で設定ファイルを書き換えたが現象は変わらない。とい
う文においては、「エラーが表示された」という節は
「設定ファイルを書き換えた」という節に係るが、設定
ファイルを書き換えたがエラーが表示されたので現象は
変わらない。という文においては、「設定ファイルを書
き換えた」という節は「エラーが表示された」という節
に係らず、「現象は変わらない」という節に係る。
【0144】接続形式優先テーブル3807で決定される係
り受け構造に接続形式−接続関係対応テーブル3808で決
定される接続関係を対応づけることによって、入力文の
接続構造が抽出される。例の入力文からは、「ても」
「と」「ここでは」という接続形式より、次のように接
続構造が決定される。なお、以下、係り受け構造の「係
り」にあたる文を従属文、係り受け構造の「受け」にあ
たる文を主文と記す。 C1:S11 プリントジョブ/を/送る/。(S12, 逆
条) S12 ジョブ/が/キュー/に/追加/さ/れ/ない
/。(主文) C2:S21 プリントジョブ/を/送る/。(S22, 条
件) S22 ワークステーション/が/ハングアップ/する
/。(主文) S23 *I/O Problem*/と/表示/さ/れる/。(S22,
添加) C3:S31 ディスク/を/マウント/する/。(S32,
条件) S32 ワークステーション/が/異常終了/する/。
(主文) 上記の例で、従属文は(係り先の文, 接続関係)という
形式で表現され、主文は(主文)と記してある。
【0145】次にステップ4205によって、単位文の表記
を統一する。ここでは、図33に示す類義語辞書を用い
て単語を置換することにより行う。S11とS21の表記が
同一であり、S32は「異常終了」を標準表記である「ハ
ングアップ」に置き換えると、S22と同一になるので、
文表記統一処理の結果は以下のようになる。 C1:S11 プリントジョブ/を/送る/。(S12, 逆
条) S12 ジョブ/が/キュー/に/追加/さ/れ/ない
/。(主文) C2:S11 プリントジョブ/を/送る/。(S22, 条
件) S22 ワークステーション/が/ハングアップ/する
/。(主文) S23 *I/O Problem*/と/表示/さ/れる/。(S22,
添加) C3:S31 ディスク/を/マウント/する/。(S32,
条件) S22 ワークステーション/が/ハングアップ/する
/。(主文)
【0146】次にステップ4206によって、上記の一連の
処理によって変換された単位文を問い合わせ記録に対応
づけ、同じ主文を持つものをグルーピングして、事例の
分類を行う。対応関係は図37のような表で表され、C
2とC3が同じグループとして分類される。
【0147】図38はこの発明の実施の形態4に係る処
理のデータの流れの例を各ステップに関連付けて示した
ものである。図38において、4401は入力文の例、4402
は形態素に分割された入力文の例、4403は形態素に分割
された単位文の例、4404は単位文間の接続構造の例、44
05は表記を統一された単位文の例、4406は事例と関連付
けられた単位文および、事例の分類の例である。
【0148】入力ステップ3801によって4401のC1、C
2、C3で示される入力文が入力される。次に形態素解析
ステップ3802によって形態素解析処理を行い、解析結果
4402を出力する。次に文分割ステップ3803によって入力
文を分割し、4403で示されるS11、S12、S21、 S2
2、 S23、 S31、 S32を出力する。次に接続構造抽出
ステップ3804によって単位文が関連付けられ、単位文間
の接続構造4404が出力される。次に文表記統一ステップ
3805によって、類義語の置換が行われ、S32の「異常終
了」が「ハングアップ」に置換される。同時にS11がS
21と同一の文であることが検出され、表記を統一された
単位文4405が出力される。次に事例関連付けステップ38
06によって、単位文と事例が関連付けられ、同じ主文を
持つ事例として、C2とC3が同じグループとして分類さ
れる。
【0149】実施の形態5 図39はこの発明の実施の形態5を表す構成図である。
入力ステップ4501、形態素解析ステップ4502、文分割ス
テップ4503、接続構造抽出ステップ4504、事例関連付け
ステップ4506は、実施の形態4の動作を説明する図34
記載の入力ステップ3801、形態素解析ステップ3802、文
分割ステップ3803、接続構造抽出ステップ3804、文表記
統一ステップ3805、事例関連付けステップ3806と同じ機
能を有するものであり、説明を省略する。接続形式優先
テーブル4607、接続形式−接続関係対応テーブル4608、
類義語辞書4609も、図30における接続形式優先テーブ
ル3807、接続形式−接続関係対応テーブル3808、類義語
辞書3809と同一のものである。4510は言語表現の表現パ
ターンを蓄積し、表層の表現が異なっても同じ内容を表
すパターンは、同じ内容であると識別できるように記録
した表現パターンテーブルである。
【0150】図40は実施の形態5の文表記統一ステッ
プ4505の処理の構成を表した図である。 2702は、言語
表現を単語分割することにより、表現のパターンを抽出
する表現パターン抽出ステップである。
【0151】2703は、表現パターン抽出ステップ2702に
よって抽出された表現パターンを、表現パターンテーブ
ル4510中の表現パターンを参照して、同じ内容を表すパ
ターンに分類する表現パターン分類ステップである。27
04は、類義語辞書を用いて単語を置換し、同じ内容を表
す単語の表記を統一する類義語置換ステップである。
【0152】2705は、同じ内容を表す表現パターンの分
類と、類義を置換した結果の表現より、同じ内容を表す
と判断できる表現を分類する類似表現分類ステップであ
る。2706は、類似表現分類ステップ2705によって分類さ
れた結果にしたがって、入力ステップ2701で入力された
言語表現の分類をユーザに表示する表示ステップであ
る。2707は、表示ステップ2706の表示をユーザが確認
し、システムの分類が正しいか否かをユーザが判定する
確認ステップである。
【0153】図41は、実施の形態5において文表記統
一の各ステップごとにデータの流れを表した図である。
表現パターン抽出ステップ2702では、入力文2801を受け
取り、単語分割などの処理によって、入力文の表現パタ
ーン2802を出力する。
【0154】表現パターン分類ステップ2703では、入力
文の表現パターン2802を、表現パターンテーブル4510に
記録されている表現パターンと照合し、同じ内容を表す
パターンに分類して、分類された入力文のパターン2803
を出力する。類義語置換ステップ2704では、類義語辞書
4509を参照して、分類された入力文のパターン2803中の
類義語の表記を統一した、パターンで分類され、類義語
が置換された入力文2804を出力する。
【0155】類似表現分類ステップ2705では、パターン
で分類され、類義語が置換された入力文2805を受け取
り、パターンによる分類と、語による分類を基に、パタ
ーンと類義語で分類された入力文2805を出力する。
【0156】表示ステップ2706では、パターンと類義語
で分類された入力文2805をユーザに表示する。確認2707
ステップでは、表示ステップ2706で表示した結果の確認
情報をユーザから受け取り、同じ内容を表す言語表現は
同じ表記に統一し、統一された言語表現2806を出力す
る。
【0157】図42は実施の形態5の動作を示すフロー
チャートである。例として、「印刷がかすれる」「印刷
の方法がわからない」「どうすればプリントできるか」
「用紙設定の方法がわからない」という4つの文につい
て考える。
【0158】入力文は形態素解析されており、「印刷/
が/かすれる」「印刷/の/方法/が/わから/ない」
「どう/すれば/プリント/できる/か」「用紙設定/
の/方法/が/わから/ない」のように分割されている
ものとする。
【0159】ステップ2902において、文のパターンを抽
出する。ここでは、用語辞書などを用いて対象分野に関
連する用語を抜き出すことによって、パターンの抽出を
行うこととする。上記の例では、「印刷」「プリント」
「用紙設定」が抜き出され、パターンとして、「○○が
かすれる」「○○の方法がわからない」「どうすれば○
○できるか」というパターンが抽出される。
【0160】次にステップ2903において、表現パターン
テーブル4510を参照して、同じ内容を示すパターンを分
類する。表現パターンテーブル4510の例を図43に示
す。表現パターンテーブル4510は、表現パターンと分類
IDの2つのフィールドからなるものとし、同じ分類IDを
持つ表現パターンは同じ内容を示す表現パターンであ
る。この例では、「○○の方法がわからない」と「どう
すれば○○できるか」が同じ内容を表すパターンと判断
され、入力文は、「○○がかすれる」というパターン
と、「○○の方法がわからない」および「どうすれば○
○できるか」というのパターンのグループの2つに分類
される。
【0161】次にステップ2904において、類義語辞書45
09を参照して、類義語を標準の表記に統一する。図33
は類義語辞書の例である。類義語辞書4509は、単語表記
と標準表記の2つのフィールドからなるものとし、入力
文中に現れる単語表記は、標準表記に置き換えられて照
合される。ここでは、「どうすればプリントできるか」
という入力文の「プリント」が「印刷」に置き換えら
れ、「どうすれば印刷できるか」という表記に変換され
る。
【0162】次にステップ2905において、入力文を同じ
内容を表す文に分類する。ここでは、ステップ2903のパ
ターンによる分類とステップ2904の類義語の置き換えに
より、「印刷の方法がわからない」「どうすれば印刷で
きるか」が同じ内容を表す文であると判断され、入力文
は、「印刷がかすれる」というグループと、「印刷の方
法がわからない」および「どうすれば印刷できるか」の
グループと、「用紙設定の方法がわからない」のグルー
プの3つに分類される。
【0163】次にステップ2906によって、分類した結果
を表示する。ここでは、入力文のうち、「印刷の方法が
わからない」と「どうすればプリントできるか」が同じ
内容を表す文であるとシステムが判断したことを表示す
る。
【0164】次にステップ2907によって、表示した結果
をユーザに確認させる。ユーザが「印刷の方法がわから
ない」と「どうすればプリントできるか」が同じ内容を
表す文であるというシステムの判断を承認すれば、2つ
の表記は一方に統一される。ユーザがシステムの判断を
承認しなければ、異なる内容を表す文として扱われる。
【0165】図44は、この発明の実施の形態5に係る
文表記統一ステップの処理のデータの流れの例を示した
ものである。図44において、3201は入力文の例、3202
は入力文の表現パターンの例、3203は分類された入力文
のパターンの例、3204はパターンで分類され、類義語が
置換された入力文の例、3205はパターンと類義語で分類
された入力文の例、3206は表示ステップに表示される入
力文の分類の例、3207は最終的に表記が統一された言語
表現の例である。
【0166】図44では、まず「印刷がかすれる」「印
刷の方法がわからない」「どうすればプリントできる
か」「用紙設定の方法がわからない」という4つの文32
01が入力される。
【0167】次に、表現パターン抽出ステップ2702によ
って、入力された4つの文から、形態素解析と対象分野
に関連する用語を抜き出す処理によって、「<印刷>がか
すれる」「<印刷>の方法がわからない」「どうすれば<
プリント>できるか」「<用紙設定>の方法がわからな
い」のように表現パターンが抽出される。ここで<>で囲
まれている語は、抜き出された用語を表す。
【0168】次に表現パターン分類ステップ2703によっ
て、表現パターンテーブル4510を参照して、入力文を同
じ内容を表すパターンに分類する。表現パターンテーブ
ル4510に記載されている「○○の方法がわからない」と
いうパターンと「どうすれば○○できるか」というパタ
ーンが同じ内容を表すという情報から、分類1として「<
印刷>がかすれる」、分類2として「<印刷>の方法がわか
らない」「どうすれば<プリント>できるか」「<用紙設
定>の方法がわからない」の2つに分類される(3203)。
【0169】次に類義語置換ステップ2704によって、類
義語辞書4509を参照して、類義語の表記を統一する。類
義語辞書4509に記載されている、「プリント」の標準表
記は「印刷」である、という情報から、「どうすれば<
プリント>できるか」という文は、「どうすれば<印刷>
できるか」と置き換わる(3204)。
【0170】次に類似表現分類ステップ2705によって、
3203をさらに単語の違いによって分類し、3203の分類2
は、さらに「<印刷>の方法がわからない」および「どう
すれば<印刷>できるか」というグループと「用紙設定の
方法がわからない」というグループに分割される(320
5)。
【0171】次に表示ステップ2706によって、分類され
た入力文がユーザに対して表示される(3206)。次に確認
ステップ2707によって、分類が正しいことをユーザが確
認すると、同じ分類に属す文は同じ表記に統一される(3
207)。なお、本実施の形態においては、表現パターンに
よる分類を行った後、類義語による単語の置換を行った
が、逆に類義語による単語の置換を行った後で表現パタ
ーンの分類を行ってもよい。
【0172】実施の形態6.図45はこの発明の実施の
形態6を表す構成図である。入力ステップ4601、形態素
解析ステップ4602、文分割ステップ4603、接続構造抽出
ステップ4604、文表記統一ステップ4605、事例関連付け
ステップ4606は、実施の形態4を説明する図34記載の
入力ステップ3801、形態素解析ステップ3802、文分割ス
テップ3803、接続構造抽出ステップ3804、文表記統一ス
テップ3805、事例関連付けステップ3806と同じ機能を有
するものであり、説明を省略する。
【0173】接続形式優先テーブル4607、接続形式−接
続関係対応テーブル4608、類義語辞書4609も、図31、
図32、図33における接続形式優先テーブル3807、接
続形式−接続関係対応テーブル3808、類義語辞書3809と
同一のものである。
【0174】4610は、上記事例関連付けステップ4606に
よってグルーピングされた事例の集合ごとに、主文と従
属文の接続関係を基に従属文を質問−回答対に変換する
質問−回答対生成ステップである。
【0175】図46は実施の形態6に係る事例構築方法
におけるデータの流れをステップごとに表した図であ
る。質問−回答対生成ステップ4610では、事例関連付け
ステップ4606によって生成された、事例に関連付けられ
た単位文のうち、従属文を質問−回答対に変換して事例
ベース4709に格納する。従属文は、回答をyesまたはno
で受け取るyes-no型、または回答を自由入力または選択
肢で受け取るWh型の質問−回答対に変換される。
【0176】図47は、質問−回答対生成ステップの処
理の流れを示すフローチャートである。事例関連付けス
テップによって生成された図37の対応表を処理する例
を用いて説明する。図のS11、 S12、 S22、 S23、
S31は、それぞれ、 S11 プリントジョブ/を/送る/。 S12 ジョブ/が/キュー/に/追加/さ/れ/ない
/。 S22 ワークステーション/が/ハングアップ/する
/。 S23 *I/O Problem*/と/表示/さ/れる/。 S31 ディスク/を/マウント/する/。 である。また、C1、C2、C3は、主文を共有する事例
ごとに、「C1」がグループ1として、「C2およびC3」
の組がグループ2として分類されているものとする。
【0177】まずステップ4801によって、グループ1を
事例のグループとして取り出す。次にステップ4802によ
って、従属文の主文に対する接続関係を取り出す。ここ
では、S11のS12に対する接続関係として、「逆条」が
取り出される。次にステップ4803によって、グループ1
中に「逆条」の接続関係に対応する従属文の表現の数が
1表現であるか否かをチェックする。ここでは、主文と
「逆条」の関係にあるのはS11だけであるので、Yのパ
スをたどる。次にステップ4805において、従属文をyes-
no型の質問回答対に変換する。S11は質問として「プリ
ントジョブを送ったか?」と変換され、回答はyesとな
る。
【0178】次にステップ4807によって、全ての接続関
係をチェックしたか否かを調べる。この場合、全ての接
続関係をチェックしたので、Yのパスをたどる。次にス
テップ4808によって、全ての事例のグループを処理した
か否かを調べる。この場合、まだグループ2の事例が残
っているので、Nのパスをたどる。
【0179】再びステップ4801に戻り、グループ2を取
り出す。次にステップ4802によって、従属文の主文に対
する接続関係を取り出す。今度の場合接続関係として
「条件」と「添加」があり、まず「条件」を取り出す。
次にステップ4803によって、接続関係に対応する従属文
が1表現であるか否かをチェックする。この場合、主文
と「条件」の関係にあるのはS11とS31の2表現あるの
で、Nのパスをたどる。次にステップ4804によって、S1
1とS31が異なる事例に現れるか否かをチェックする。
S11はC2に現れ、S31はC3に現れるので、Yのパスを
たどる。
【0180】次に、ステップ4806によってS11とS31を
Wh型の質問回答対に変換する。 Wh型への変換は、図4
8に示すように、接続関係ごとに質問回答対作成のテン
プレートを用意し、それに従って変換する。S11は「ど
んな場合にワークステーションがハングアップするか
?」という質問と、「プリントジョブを送る」という回
答に変換され、S31は「どんな場合にワークステーショ
ンがハングアップするか?」という質問と、「ディスク
をマウントする」という回答に変換される。
【0181】次にステップ4807によって、全ての接続関
係をチェックしたか否かを調べる。「添加」の接続関係
が残っているので、Nのパスをたどり、ステップ4802に
戻る。
【0182】ステップ4802において、「添加」の接続関
係を取り出し、ステップ4803において、「添加」の関係
にある従属節がS23のみであるので、Yのパスをたど
り、ステップ4805において、S23をyes-no型の質問回答
対に変換する。これによって、S23は「*I/O Problem*
と表示されるか?」という質問と「yes」という回答に
変換される。
【0183】ステップ4807によって、全てに接続関係を
チェックしたのでYのパスをたどり、ステップ4808によ
って、全ての事例のグループを処理したのでYのパスを
たどり、終了する。
【0184】以上の処理によって、質問−回答対が生成
される。図49に質問−回答対生成処理を行った後の事
例と文の対応関係を示す。
【0185】図50はこの発明の実施の形態6に係る処
理のデータの流れの例を各ステップに対応付けて示した
ものである。5101から5106までの例は、図38における
4401から4406までの例と同じである。質問−回答生成ス
テップ4610によって、従属文が質問−回答対に変換され
た事例5107が生成される。
【0186】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1及び
請求項2によれば、類似度を基に最尤の事例から効率的
に事例を絞り込んで検索することが可能になる。
【0187】またこの発明の請求項3によれば、類似度
と頻度を基に最尤の事例から効率的に事例を絞り込んで
検索することが可能になる。
【0188】またこの発明の請求項4によれば言語表現
の意味的特徴または文法的特徴を基に複数の観点から絞
り込みができ、効率的に事例を検索することが可能にな
る。
【0189】またこの発明の請求項5及び請求項6によ
れば、ユーザは確認を行うだけで、半自動的に同じ内容
を表す言語表現を同じ表記に統一できるので、事例の構
築の負担を軽減することができる。またこの発明の請求
項5及び請求項6によれば、問い合わせ記録を検索しや
すい形式に変換し、事例として事例ベースに登録するこ
とができる。
【0190】またこの発明の請求項7によれば、表層の
表現パターンが異なっても文表記統一処理を可能とな
り、事例構築の負担を軽減することができる。
【0191】またこの発明における請求項8によれば、
事例中に質問の形を生成して格納しておくので、対話的
な検索を可能とする事例を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における構成図であ
る。
【図2】 実施の形態1における全体の処理動作の構成
図である。
【図3】 実施の形態1における検索ステップのデータ
の流れを表した図である。
【図4】 実施の形態1における症状特定ステップの処
理の流れを表した図である。
【図5】 実施の形態1における症状特定ステップの症
状選択のための画面を表した図である。
【図6】 症状を共有する事例の例を示した図である。
【図7】 図6の事例の状況把握に関する質問回答対を
表の形式で表した図である。
【図8】 図6の事例の原因検証に関する質問回答対を
決定木の形式で表した図である。
【図9】 実施の形態1全体の処理の流れを表した図で
ある。
【図10】 計算機のOSの類似度の定義を示した図であ
る。
【図11】 プリンタの機種類似度の定義を示した図で
ある。
【図12】 自然言語の記述を照合が含まれる際の類似
度の定義を示した図である。
【図13】 実施の形態1の検索ステップにおけるデー
タの流れの例を表した図である。
【図14】 実施の形態1の説明で用いる事例の例を示
した図である。
【図15】 この発明の実施の形態2における構成図で
ある。
【図16】 実施の形態2における検索ステップのデー
タの流れを表した図である。
【図17】 実施の形態2における症状を共有する事例
の例を示した図である。
【図18】 実施の形態2における状況把握ステップの
処理の流れを表した図である。
【図19】 実施の形態2における全体の処理の流れを
表した図である。
【図20】 実施の形態2の検索ステップにおけるデー
タの流れの例を表した図である。
【図21】 実施の形態2の説明で用いる事例の例をし
た図である。
【図22】 この発明の実施の形態3における構成図で
ある。
【図23】 実施の形態3におけるデータの流れを表し
た図である。
【図24】 実施の形態3における全体の処理の流れを
表した図である。
【図25】 実施の形態3において、検索語によって検
索された文の例を示した図である。
【図26】 同じ概念を共有する語の例を示した図であ
る。
【図27】 絞り込み表現の意味的特徴による分類を画
面に表示した例を示した図である。
【図28】 絞り込み表現の文法的特徴による分類を画
面に表示した例を示した図である。
【図29】 実施の形態3におけるデータの流れの例を
表した図である。
【図30】 この発明の実施の形態4における構成図で
ある。
【図31】 接続形式優先テーブルの例を示した図であ
る。
【図32】 接続形式−接続関係対応テーブルの例を示
した図である。
【図33】 類義語辞書の例を示した図である。
【図34】 実施の形態4における全体の処理動作の構
成図である。
【図35】 実施の形態4におけるデータの流れを表し
た図である。
【図36】 実施の形態4の処理の流れを表した図であ
る。
【図37】 実施の形態4の事例関連付けステップの出
力となる事例と単位文の対応の例を示した図である。
【図38】 実施の形態4のデータの流れの例を表した
図である。
【図39】 実施の形態5における構成図である。
【図40】 実施の形態5における文表記統一ステップ
の構成図である。
【図41】 実施の形態5における文表記統一ステップ
のデータの流れを表した図である。
【図42】 実施の形態5における文表記統一ステップ
の処理の流れを表した図である。
【図43】 表現パターンテーブルの例を示した図であ
る。
【図44】 実施の形態5における文表記統一ステップ
のデータの流れの例を表した図である。
【図45】 この発明の実施の形態6における構成図で
ある。
【図46】 実施の形態6におけるデータの流れを表し
た図である。
【図47】 実施の形態6の質問−回答対生成ステップ
における処理の流れを表した図である。
【図48】 Wh型の質問を生成するために用いるテンプ
レートを示した図である。
【図49】 実施の形態6の質問−回答対生成ステップ
の出力となる事例と文の対応の例を示した図である。
【図50】 実施の形態6におけるデータの流れの例を
表した図である。
【図51】 従来の事例に基づく設備故障診断装置の構
成図である。
【図52】 従来の事例に基づく設備故障診断装置の動
作フローチャートである。
【図53】 従来の事例ベース及びその入力・蓄積装置
の構成図である。
【符号の説明】
1:事例ベース、 2:入力手段、 3:検索手段、
4:表示手段、5:症状に関する記述、 6:状況
把握に関する質問回答対、7:原因検証に関する質問回
答対、 8:対策、 9:症状特定手段、10:状況把
握手段、 11:原因推定手段、 12:原因検証手
段、ST2:入力ステップ、 ST3:検索ステップ、
ST4:表示ステップ、ST9:症状特定ステップ、 ST1
0:状況把握ステップ、ST11:原因推定ステップ、 S
T12:原因検証ステップ、 1309:頻度、1903:検索
語抽出ステップ、 1904:事例候補検索ステップ、190
5:絞り込み表現抽出ステップ、 1906:絞り込み表現
分類ステップ、1909:事例候補絞り込みステップ、 19
10:分類情報辞書、2702:表現パターン抽出ステップ、
2703:表現パターン分類ステップ、2704:類義語置換
ステップ、 2705:類似表現分類ステップ、270
7:確認ステップ、 3803:文分割ステッ
プ、3804:接続構造抽出ステップ、 3805:文表記
統一ステップ、3806:事例関連付けステップ、 46
10:質問-回答対生成ステップ、5201:入力手段、
5202:形態素解析手段、 5203:文分割手段、52
04:接続構造抽出手段、 5205:文表記統一手段、52
06:事例関連付け手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解決すべき問題に対し、事例ベースを検
    索して解決策を提示する事例検索装置において、 過去の問題の症状記述、問題の発生状況に関する情報を
    対話の形で記述した状況把握質問回答対、問題原因を特
    定するための情報を対話の形で記述した原因検証質問回
    答対及び問題解決の対策が記録されている事例ベース
    と、 解決すべき問題の症状に関する検索情報を入力する入力
    手段とこの入力手段により入力された検索情報を基に上
    記事例ベースから問題解決の対策を検索する検索手段
    と、 この検索手段の途中経過を選択的に表示する表示手段と
    を備え、 上記検索手段は、上記入力手段からの上記検索情報を基
    に上記事例ベースの事例を絞り込む症状特定手段と、こ
    の症状特定手段で絞り込んだ事例の状況把握質問回答対
    を基にユーザに質問を提示し回答を得る状況把握手段
    と、この状況把握手段のユーザ回答と上記症状特定手段
    で絞り込まれた事例の記述との間で照合をとり、照合結
    果による類似度を基に、事例の尤度を計算する原因推定
    手段と、この原因推定手段で得られた事例の尤度によ
    り、尤度の高い事例の順に、該事例に記録されている原
    因検証質問回答対を基に、ユーザに質問を提示して回答
    を得、ユーザの回答と提示事例の記述が一致した場合、
    該事例に記述されている対策を提示する原因検証手段と
    を有したことを特徴とする事例検索装置。
  2. 【請求項2】 解決すべき問題に対し、事例ベースを検
    索して解決策を提示する事例検索方法において、 解決すべき問題の症状に関する検索情報を入力する入力
    ステップとこの入力ステップにより入力された検索情報
    を基に、 過去の問題の症状に関する記述と、問題が発生した状況
    に関する情報を対話の形で記述した状況把握に関する質
    問回答対と、問題の原因を特定するための情報を対話の
    形で記述した原因検証に関する質問回答対と、問題を解
    決するための対策とが記録されている事例ベースから解
    決すべき問題の対策を検索する検索ステップと、 この検索ステップの途中経過を選択的に表示する表示ス
    テップと、を備えたものであって、 上記検索ステップは、上記入力ステップからの検索情報
    問題を基に上記事例ベースの事例を絞り込む症状特定ス
    テップと、この症状特定ステップで絞り込んだ事例の状
    況把握質問回答対を基にユーザに質問を提示し回答を得
    る状況把握ステップと、この状況把握ステップのユーザ
    回答と上記症状特定ステップにより絞り込まれた事例の
    記述との間で照合をとり、照合結果による類似度を基
    に、事例の尤度を計算する原因推定ステップと、この原
    因推定ステップで得られた事例の尤度により、尤度の高
    い事例の順に、該事例に記録されている原因検証質問回
    答対を基に、ユーザに質問を提示して回答を得、ユーザ
    の回答と提示事例の記述が一致した場合、該事例に記述
    されている対策を提示する原因検証ステップとを有した
    ことを特徴とする問題解決を支援する事例検索方法。
  3. 【請求項3】 解決すべき問題に対し、事例ベースを検
    索して解決策を提示する事例検索方法において、 解決すべき問題の症状に関する検索情報を入力する入力
    ステップと、上記入力ステップより入力された情報を基
    に、過去の問題の症状に関する記述と、問題が発生した
    状況に関する情報を対話の形で記述した状況把握に関す
    る質問回答対と、問題の原因を特定するための情報を対
    話の形で記述した原因検証に関する質問回答対と、問題
    を解決するための対策と、問題解決に該事例が参照され
    た頻度が記録された上記事例ベースを検索する検索ステ
    ップと、 上記検索ステップによって検索した事例に記述されてい
    る情報をユーザに表示する表示ステップを持ち、 上記検索ステップは、問題の症状に関する記述を基に上
    記事例ベースの事例を絞り込む症状特定ステップと、 上記症状特定ステップによって絞り込んだ事例のうち、
    頻度の高い事例を選択して、状況把握に関する質問回答
    対を基に、ユーザに質問を提示し回答を得る状況把握ス
    テップと、 上記状況把握ステップに関しては、ユーザの回答と上記
    症状特定ステップによって絞り込まれた事例の記述との
    間で照合をとり、照合結果による類似度と事例の頻度を
    基に、事例の尤度を計算する原因推定ステップと、 上記原因推定ステップによって得られた事例の尤度よ
    り、尤度の高い事例を優先して、該事例に記録されてい
    る原因検証に関する質問回答対を基に、ユーザに質問を
    提示し回答を得、ユーザの回答と事例の記述が一致した
    場合は、該事例に記述されている対策を提示する原因検
    証ステップからなる事例検索方法。
  4. 【請求項4】 上記症状特定ステップは検索症状事例を
    言語表現で入力する言語表現入力ステップと、 上記言語表現入力ステップによって入力された言語表現
    から検索語を抽出する検索語抽出ステップと、 上記検索語抽出ステップによって抽出された検索語をキ
    ーにして、言語表現された事例およびその関連情報が蓄
    積された事例ベースの言語表現を検索対象として事例を
    検索する事例候補検索ステップと、 上記事例候補検索ステップによって検索された事例候補
    より、語の概念・属性等、言語表現の分類の基準となる
    情報が格納された分類情報辞書を参照して、検索対象を
    絞り込むための絞り込み表現を抽出する絞り込み表現抽
    出ステップと、 上記絞り込み表現抽出ステップによって抽出された絞り
    込み表現を、絞り込み表現の意味的特徴または文法的特
    徴に従って分類する絞り込み表現分類ステップと、 上記絞り込み表現分類ステップによって分類された絞り
    込み表現を表示する表示ステップと、 上記表示ステップによって表示された絞り込み表現をユ
    ーザが選択する絞り込み情報入力ステップと、 上記事例候補検索ステップによって検索された事例候補
    のうち、上記絞り込み情報入力ステップによって選択さ
    れた絞り込み表現を含む言語表現のみを事例候補とする
    事例候補絞り込みステップとを有する請求項2記載の事
    例検索方法。
  5. 【請求項5】 問題及びその解決策を記録した問い合わ
    せ記録の記述内容を入力する入力手段と、 入力手段で入力された記述内容中の自然言語文を入力文
    章として形態素解析する形態素解析手段と、 形態素解析した結果から、上記入力文章中の各文を単位
    文に分割する文分割手段と、 文と文または節と節の接続形式を優先順位とともに格納
    した接続形式優先テーブル、及び接続形式とその意味的
    な接続関係を対応づけた接続形式−接続関係対応テーブ
    ルを用いて、上記入力文章中の単位文の間の接続構造を
    抽出する接続構造抽出手段と、 類義の語を蓄積した類義語辞書を用いて、上記分割され
    た単位文に対して文の表記を統一する文表記統一手段
    と、 上記表記統一処理を受けた単位文の関連付けを行う事例
    関連付け手段からなり、 上記問い合わせ記録を検索可能な事例に変換して事例ベ
    ースに登録する事例ベース構築装置。
  6. 【請求項6】 問題及びその解決策を記録した問い合わ
    せ記録の記述内容を入力する入力ステップと、 この入力ステップで入力された記述内容中の自然言語文
    を入力文章として形態素解析する形態素解析ステップ
    と、 形態素解析した結果から、上記入力文章中の各文を単位
    文に分割する文分割ステップと、 文と文または節と節の接続形式を優先順位とともに格納
    した接続形式優先テーブル、及び接続形式とその意味的
    な接続関係を対応づけた接続形式−接続関係対応テーブ
    ルを用いて、上記入力文章中の単位文の間の接続構造を
    抽出する接続構造抽出ステップと、 類義の語を蓄積した類義語辞書を用いて、上記分割され
    た単位文に対して文の表記を統一する文表記統一ステッ
    プと、 上記表記統一処理を受けた単位文の関連付けを行う事例
    関連付けステップからなり、 上記問い合わせ記録を検索可能な事例に変換して事例ベ
    ースに登録する事例ベース構築方法。
  7. 【請求項7】 上記文表記統一ステップは、類義の語を
    蓄積した類義語辞書と、表層の表現が異なり同じ内容を
    表す表現パターンを蓄積した表現パターンテーブルの両
    方を用いて文の表記を統一する処理を行う請求項6記載
    の事例ベース構築方法。
  8. 【請求項8】 上記事例関連付けステップによって関連
    づけた単位文の接続関係を基に、質問−回答対に変換す
    る質問−回答対生成ステップを持つ請求項6記載の事例
    ベース構築方法。
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