JPH10239797A - 記録材料用支持体及びその製造方法 - Google Patents

記録材料用支持体及びその製造方法

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JPH10239797A
JPH10239797A JP4414897A JP4414897A JPH10239797A JP H10239797 A JPH10239797 A JP H10239797A JP 4414897 A JP4414897 A JP 4414897A JP 4414897 A JP4414897 A JP 4414897A JP H10239797 A JPH10239797 A JP H10239797A
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paper
support
resin
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JP4414897A
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Seiichiro Katsura
精一郎 桂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種記録材料用支持体として好適で、表面平
滑性及び剛度を同時にバランスよく向上させた高品質の
記録材料用支持体を経済的にかつ効率よく製造し得る記
録材料用支持体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 パルプのスラリーに、比表面積が6,0
00〜20,000cm 2 /gである炭酸カルシウムを
5〜25重量%添加し、これを抄紙して原紙を得た後、
この原紙の少なくとも一方の表面にフィルム形成能のあ
る樹脂を被覆して被覆層を形成することを特徴とする記
録材料用支持体の製造方法である。該パルプのスラリー
に、更に変性澱粉を2.0〜5.0重量%添加する態
様、更にコロイダルシリカを0.005〜0.16重量
%添加する態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材料用支持体
及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、写真印画
紙、感熱記録紙等の各種記録材料用支持体として好適で
あり、表面平滑性及び剛度を同時にバランスよく向上さ
せた高品質の記録材料用支持体、及び該記録材料用支持
体を経済的にかつ効率よく製造し得る記録材料用支持体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、写真印画紙、感熱記録紙等の
記録材料用支持体の改良に関する開発研究が盛んに行わ
れている。例えば、耐水性を改善した記録材料用支持体
として、原紙にポリオレフィン、特にポリエチレンを押
出しコート法によりラミネートしてなる被覆層を設けた
ものが一般に知られている。さらに、前記被覆層に、二
酸化チタン、顔料、ブルーイング剤(青色顔料も含
む)、蛍光増白剤などが添加させることも知られている
(米国特許第3501298号明細書)。しかしなが
ら、このような被覆層を設けた記録材料用支持体の製造
は、条件の制御等が難しく、前記被覆層に割れや押出機
ダイリップ部による筋が発生することがあり、生産性が
高くなかった。一方、このような記録材料用支持体に使
用される原紙には、表面平滑性及び剛度にバランス良く
優れることが要求されるが、従来においては、良好な表
面平滑性と剛度とを同時に有する原紙を効率よく得るこ
とができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、写真印画紙、感熱記録紙等
の各種記録材料用支持体として好適であり、表面平滑性
及び剛度を同時にバランスよく向上させた高品質の記録
材料用支持体、及び該記録材料用支持体を経済的にかつ
効率よく製造し得る記録材料用支持体の製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の手段
によって達成された。即ち、 <1> パルプのスラリーに、比表面積が6,000〜
20,000cm2 /gである炭酸カルシウムを5〜2
5重量%添加し、これを抄紙して原紙を得た後、この原
紙の少なくとも一方の表面にフィルム形成能のある樹脂
を被覆して被覆層を形成することを特徴とする記録材料
用支持体の製造方法である。 <2> パルプのスラリーに、更に変性澱粉を2.0〜
5.0重量%添加する前記<1>に記載の記録材料用支
持体の製造方法である。 <3> パルプのスラリーに、更にコロイダルシリカを
0.005〜0.16重量%添加する前記<1>又は<
2>に記載の記録材料用支持体の製造方法である。 <4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録
材料用支持体の製造方法により得られることを特徴とす
る記録材料用支持体である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の記録材料用支持体は、本
発明の記録材料用支持体の製造方法により製造すること
ができる。以下、本発明の記録材料用支持体の製造方法
について説明する。本発明の記録材料用支持体の製造方
法は、原紙製造工程と樹脂被覆工程とを含む。前記原紙
製造工程においては、パルプのスラリーを抄紙して原紙
を製造する。前記樹脂被覆工程においては、前記原紙製
造工程で得られた原紙の少なくとも一方の表面に樹脂を
被覆して被覆層を形成する。以下、これらの工程の詳細
について説明する。
【0006】(原紙製造工程)本発明における前記原紙
製造工程で使用できるパルプとしては、例えば、針葉樹
や広葉樹等を原料とした砕木パルプ(GP)、リファイ
ナーグラウンドパルプ(RGP)及びサーモメカニカル
パルプ(TMP)等の機械パルプ(MP)、亜硫酸パル
プ(SP)及びクラフトパルプ(KP)等の化学パルプ
(CP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)、セミケミ
カルパルプ(SCP)、古紙を原料とした脱インクパル
プ(DIP)などが挙げられる。
【0007】前記パルプの叩解には、ビータやリファイ
ナーを使用できる。本発明においては、前記パルプを叩
解した後に得られるパルプのスラリーには、炭酸カルシ
ウムが添加され、好ましくは更に変性澱粉及び/又はコ
ロイダルシリカが添加され、更に必要に応じて各種添加
材、例えば、炭酸カルシウム以外の填料、変性澱粉以外
の乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着
剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
【0008】前記炭酸カルシウムの比表面積は、6,0
00〜20,000cm2 /gであることが必要であ
り、好ましくは6,500〜12,000cm2 /gで
あり、より好ましくは7.000〜10.000cm2
/gである。前記比表面積が、6,000cm2 /g未
満であると、ワイヤー磨耗性が悪化し製造が困難にな
り、20,000cm2 /gを越えると、得られる原紙
乃至記録材料用支持体の表面平滑性が悪化する点で、い
ずれも好ましくない。一方、6,000〜20,000
cm2 /gであると、そのような欠点がなく、記録材料
用支持体の表面平滑性が良好である。
【0009】前記炭酸カルシウムの前記パルプのスラリ
ーへの添加量は、5〜25重量%であることが必要であ
り、好ましくは10〜20重量%である。前記添加量
が、5重量%未満であると、原紙乃至記録材料用支持体
の表面平滑性及び白色度安定性が低下してしまい、結果
として記録材料用支持体の表面平滑性及び剛度を同時に
バランスよく向上させることができない点で好ましくな
く、25重量%を越えると、剛度が低下することがある
点で好ましくない。なお、本発明においては、前記炭酸
カルシウムとして、適宜調製したものを用いてもよい
し、市販品を用いてもよい。
【0010】前記変性澱粉としては、変性基を有するそ
れ自体公知の各種の変性澱粉の中から適宜選択すること
ができ、例えば、両性澱粉、カチオン澱粉、アニオン澱
粉等が挙げられる。本発明においては、これらの中でも
両性澱粉、カチオン澱粉が好ましく、特に化1に示す一
般式で表される両性澱粉、化2に示す一般式で表される
カチオン澱粉がより好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】化1において、Rは、置換基を有するアル
キレン基を表し、該置換基が水酸基であるのが好まし
く、2−ヒドロキシエチレン基(−CH2 CH(OH)
CH2)であるのが特に好ましい。R1 、R2 及びR3
は、アルキル基を表し、メチル基(−CH3 )であるの
が特に好ましい。
【0013】
【化2】
【0014】化2において、Rは、アルキレン基を表
し、エチレン基(−CH2 CH2 −)であるのが特に好
ましい。R1 及びR2 は、アルキル基を表し、エチル基
(−CH2 CH3 )であるのが特に好ましい。
【0015】前記変性澱粉の前記パルプのスラリーへの
添加量は、2.0〜5.0重量%であることが必要であ
り、好ましくは2.5〜4.0重量%である。前記添加
量が、2.0重量%未満であると、原紙乃至記録材料用
支持体の剛度が低下してしまい、結果として記録材料用
支持体の表面平滑性及び剛度を同時にバランスよく向上
させることができない点で好ましくなく、5.0重量%
を越えると、脱水性が悪化し、製造が困難になることが
ある点で好ましくない。本発明においては、前記変性澱
粉を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。また、前記変性澱粉として、適宜調製したもの
を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
【0016】前記コロイダルシリカは、SiO2 ・xH
2 Oで表され、無水ケイ酸の超微粒子をコロイド溶液と
して利用し易く・安定な状態にしたものであり、シリカ
ゾルとも呼ばれる。無水ケイ酸の超微粒子の大きさは1
0〜100μm程度であり、比率が1.1〜1.3程度
のものが好ましい。この場合のコロイド溶液のpHは4
〜10程度が好ましい。前記コロイダルシリカの前記パ
ルプのスラリーへの添加量は、0.005〜0.16重
量%であることが必要であり、好ましくは0.02〜
0.12重量%である。前記添加量が、0.005重量
%未満であると、脱水性が悪化し、製造が困難になるこ
とがある点で好ましくなく、0.16重量%を越える
と、地合が悪化してしまうことがある点で好ましくな
い。本発明においては、前記コロイダルシリカを1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、前記コロイダルシリカとして、適宜調製したものを
用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
【0017】本発明においては、前記パルプのスラリー
に、前記変性澱粉及び前記コロイダルシリカを添加する
場合、これらのいずれか一方のみを添加してもよいが、
両方を添加するのが好ましい。
【0018】前記填料としては、例えば、クレー、カオ
リン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げ
られる。前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオ
ン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化
ポリアクリルアミド、カルボキシ変成ポリビニルアルコ
ール等が挙げられる。前記サイズ剤としては、例えば、
脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導
体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、ア
ルケニル無水琥珀酸(ASA)等が挙げられる。前記湿
潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミド
エピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキ
シ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。前記定着剤として
は、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の
多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等
が挙げられる。前記pH調整剤としては、例えば苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
【0019】前記その他の薬剤としては、例えば、消泡
剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙
げられる。また、必要に応じて柔軟化剤等を添加しても
よい。前記柔軟化剤については、例えば、新・紙加工便
覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発
行)に記載があるが、特に分子量200以上のものが好
ましい。この柔軟化剤は、炭素数10以上の疎水性基を
有し、セルロースと自己定着するアミン塩又は第4級ア
ンモニウム塩となっている。前記柔軟化剤の具体例とし
ては、無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンポリア
ミンとの反応生成物、高級脂肪酸とポリアルキレンポリ
アミンとの反応生成物、ウレタンアルコールとアルキル
化剤との反応生成物、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩
等が挙げられるが、特に無水マレイン酸共重合体とポリ
アルキレンポリアミンとの反応生成物、ウレタンアルコ
ールとアルキル化剤との反応生成物が好ましい。
【0020】本発明においては、これらの各種添加材等
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。また、これらの各種添加材等の前記パルプのス
ラリー中への添加量としては、本発明の目的を害しない
範囲において適宜選択でき、通常0.1〜1.0重量%
が好ましい。
【0021】前記パルプのスラリーを抄紙する手段とし
ては、例えば、手抄紙機、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツ
インワイヤマシン、コンビネーションマシンなどを用い
ることができる。本発明においては、これらの手段によ
って抄造され、乾燥され、巻き取られた原紙に、サイズ
プレス、タブサイズなどの公知の方法により、表面サイ
ズ処理やカレンダー処理を施すことができる。一般に、
前記表面サイズ処理は、前記乾燥の前後のいずれかにお
いて行われ、前記カレンダー処理は、前記乾燥の後から
前記巻取りの間に行われる。
【0022】前記表面サイズ処理に使用される処理液に
は、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、吸湿性物質、顔
料、pH調整剤、エポキシ化脂肪酸アミド(EFA)、
ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、染料、蛍光
増白剤などが含まれていてもよい。
【0023】前記水溶性高分子としては、例えば、カチ
オン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、
ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0024】前記サイズ剤としては、例えば、石油樹脂
エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アル
キルエステルのアンモニウム塩、ロジン、高級脂肪酸
塩、アルキルケテンダイマー(AKD)等が挙げられ
る。
【0025】前記吸湿性物質としては、例えば、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテッ
クス・エマルジョン類、グリセリン、ポリエチレングリ
コール等が挙げられる。
【0026】前記顔料としては、例えば、クレー、カオ
リン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられ
る。前記pH調整剤としては、例えば、塩酸、苛性ソー
ダ、炭酸ソーダ等が挙げられる。
【0027】前記カレンダー処理は、前記表面サイズ処
理を乾燥後に行う場合には、表面サイズ処理の前後のい
ずれにおいても実施することができるが、各種処理を実
行した最終の仕上げ工程でカレンダー処理を実施するの
が好ましい。カレンダー処理に使用する金属ロールや弾
性ロールは、通常の紙の製造に用いられる公知のものが
使用される。
【0028】前記カレンダー処理により、記録材料用支
持体に使用される原紙は、最終的に50〜250μmの
厚みに調整される。なお、原紙の密度としては、0.8
〜1.3g/m3 が好ましく、1.0〜1.2g/m3
が好ましい。
【0029】こうして得られる記録材料用支持体に使用
される原紙としては、通常の天然パルプを主成分とする
天然パルプ紙の外、天然パルプと合成繊維とから成る混
抄紙等であってもよいが、記録材料用支持体としては天
然パルプ紙(以下、単に原紙という)が特に好ましく用
いられる。
【0030】なお、本発明における記録材料用支持体に
は、帯電防止、カール防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、前記バックコート
層には、特公昭52−18020号、特公昭57−90
59号、特公昭57−53940号、特公昭58−56
859号、特開昭59−214849号、特開昭58−
184144号等の各公報に記載されている無機帯電防
止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテック
ス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含
有させてもよい。
【0031】(樹脂被覆工程)本発明における前記樹脂
被覆工程において形成する被覆層は、単層であってもよ
いし、2層、3層等の多層であってもよい。また、該被
覆層は、前記原紙の一方の表面のみに形成してもよい
し、両方の表面に形成してもよく、目的に応じて適宜決
定することができる。
【0032】前記被覆層を形成する樹脂としては、フィ
ルム形成能のある樹脂が選択され、このようなフィルム
形成能のある樹脂の中でも耐水性樹脂が好適に挙げられ
る。このような耐水性樹脂としては、170〜345℃
で溶融押出することのできるものの中から適宜選択して
用いることができるが、通常は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン樹脂が用いられる。
【0033】前記ポリエチレンとしては、密度が0.9
41g/cm3 である高密度ポリエチレン(HDP
E)、0.910〜0.925g/cm3 である低密度
ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン
(L−LDPE)等の何れでもよいが、記録材料用支持
体の剛性を重視する場合には、ポリプロピレン、前記高
密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレ
ン(L−LDPE)等を用いるのが好ましい。これらの
樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合
して併用してもよい。
【0034】本発明においては、乳剤を塗布する側の被
覆層について、該被覆層が単層である場合には該被覆層
に、該被覆層が多層である場合にはその内の少なくとも
1層に、画質を良好にする観点から、二酸化チタン等の
無機顔料、ブルーイング剤、蛍光増白剤、酸化防止剤等
を含有させてもよく、特に二酸化チタンを含有させるの
が好ましい。また、該被覆層が多層である場合には原紙
に接する最下層に、原紙との接着性を良好にする観点か
ら、粘着性付与剤樹脂、接着性樹脂等を含有させること
もできる。さらに必要に応じて、適宜、酸化防止剤、剥
離剤、中空ポリマー等を含有させてもよい。
【0035】前記二酸化チタンを前記被覆層に含有させ
る場合、その形態としては、アナターゼ型であっても、
ルチル型であってもよいが、白色度を優先する場合には
アナターゼ型が好ましく、鮮鋭度を優先する場合にはル
チル型が好ましい。また、白色度及び鮮鋭度の双方を考
慮して、アナターゼ型とルチル型とをブレンドして用い
てもよいし、二酸化チタンを含有する被覆層を2層とし
て、一方の層にアナターゼ型二酸化チタンを含有させ、
他方の層にルチル型二酸化チタンを含有させてもよい。
【0036】二酸化チタンの平均粒子サイズとしては、
0.1〜0.4μmが好ましい。前記平均粒子サイズ
が、0.1μm未満であると被覆層中に均一に混合分散
することが困難となり、0.4μmを超えると十分な白
色度が得られない上、被覆層の表面に突起が生じ、画質
に悪影響を及ぼすことがある。
【0037】前記二酸化チタンは、粒子表面がシランカ
ップリング剤で処理されているのが好ましく、前記シラ
ンカップリング剤としては、末端がエトキシ変性あるい
はメトキシ変性されているものが好ましい。前記シラン
カップリング剤の処理量としては、二酸化チタンに対し
0.05〜2.5重量%が好ましく、0.5〜2.0重
量%がより好ましい。前記処理量が、0.05重量%未
満であると、シランカップリング剤による表面処理効果
が十分でないことがあり、2.5重量%を超えると二酸
化チタンに対し過剰な処理となる。
【0038】また、二酸化チタン表面には、二酸化チタ
ン顔料の活性を抑制するため、該シランカップリング剤
表面処理を実施する前に無機表面処理剤で表面処理する
ことが好ましい。前記無機表面処理剤としては、例え
ば、Al2 3 、SiO2 の少なくとも1つであること
が好ましく、この無機表面処理剤の処理量は、二酸化チ
タンに対して0.01〜1.8重量%が好ましく、0.
2〜1.0重量%がより好ましい(無水物の形で計算し
て)。
【0039】二酸化チタンの表面が無機表面処理されて
いないと、二酸化チタンの耐熱性が低く、320℃前後
の押出ラミネートに使用した場合に、二酸化チタンが黄
変してしまう可能性がある。また、二酸化チタンの活性
が抑制されないため、二酸化チタン粒子が凝集し、押し
出しラミネート出口近傍に異物の押し出しを防ぐために
一般に設けられている20〜400メッシュ相当の金属
製の濾網に引っかかり、押し出し機内の圧力上昇を引き
起こす可能性もある。
【0040】一方、二酸化チタンに対し無機表面処理剤
の処理量が、1.8重量%以上となると無機表面処理剤
の表面に水分が付着し易くなり、押し出しラミネートに
使用すると著しくダイリップ汚れの成長が早くなる。
【0041】二酸化チタンは、高級脂肪酸の金属塩、高
級脂肪酸エチル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸、ポリ
オレフィンワックス等を分散助剤として用い、2本ロー
ル、3本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、連続
混練等の混練機で前記樹脂中に練り込まれる。前記分散
助剤としては、ステアリン酸金属塩が好ましく、ステア
リン酸亜鉛がより好ましい。こうして二酸化チタン顔料
が練り込まれた前記樹脂は、ペレット形状に成形され二
酸化チタン顔料のマスターバッチとして用いられる。
【0042】前記ペレット中の二酸化チタン濃度として
は、30〜75重量%程度であることが好ましく、前記
ペレット中の前記分散助剤の濃度としては、0.5〜1
0重量%程度が好ましい。二酸化チタン濃度が30重量
%未満となるとペレットのカサが大きくなり、逆に75
重量%を超えると二酸化チタンの分散性が悪くなるとと
もにペレットにひび割れが生じ易くなる。また、二酸化
チタンを含有するマスターバッチは、使用前に50〜9
0℃、2時間以上のドライ乾燥あるいは真空乾燥をする
のが好ましい。
【0043】前記被覆層における前記二酸化チタンの含
有量としては、5〜50重量%が好ましく、8〜45重
量%がより好ましい。前記含有量が5重量%未満である
と、解像度が劣ることがあり、50重量%を越えると、
製造時にダイすじが発生することがある。
【0044】前記ブルーイング剤としては、一般に知ら
れる群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナク
リドン系顔料等とそれらの混合物が挙げられる。ブルー
イング剤の粒子径は特に制限されるものではないが、通
常、0.3〜10μmの範囲であることが好ましい。本
発明において、ブルーイング剤を被覆層の最上層に用い
る場合には、0.2〜0.4重量%、下層側に用いる場
合には0〜0.15重量%含有させるのが好ましい。
【0045】前記酸化防止剤の前記被覆層中の含有量と
しては、前記被覆層を形成する樹脂に対し、50〜1、
000ppm程度が好ましい。こうして作製された二酸
化チタン顔料等を含有するマスターバッチは、前記被覆
層を形成する樹脂を用いて適宜希釈し、押し出しラミネ
ート用に供される。
【0046】前記粘着付与剤樹脂としては、ロジン誘導
体樹脂、テルペン樹脂(例えば、高分子β−ピネン)、
クマロン・インデン樹脂及び石油系炭化水素樹脂等の中
から適宜選択される。これらは、1種単独で用いてもよ
く、2種以上を混合して併用してもよい。
【0047】前記石油系炭化水素樹脂としては、例え
ば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、ジシクロペ
ンタジエン系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水添系石油
樹脂及び脂環族系石油樹脂等が挙げられる。前記脂肪族
系石油樹脂としては、特に炭素原子数5のものが好まし
い。前記芳香族系石油樹脂としては、特に炭素原子数9
のものが好ましい。
【0048】前記粘着付与剤樹脂の配合量としては、前
記被覆層を形成する樹脂に対し、通常0.5〜60重量
%であり、10〜35重量%が好ましい。前記配合量
が、0.5重量%未満となると、接着不良となることが
あり、60重量%を超えると製造時のネックインが発生
し易くなることがある。
【0049】前記接着性樹脂としては、例えば、アイオ
ノマー、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸共重合体、これらの金属塩等が挙げら
れる。前記接着性樹脂の配合量としては、前記被覆層を
形成する樹脂に対し、通常20〜500重量%であり、
50〜200重量%が好ましい。なお、本発明において
は、前記粘着付与剤樹脂と前記接着性樹脂とを併用して
もよい。
【0050】前記被覆層は、加熱溶融した前記二酸化チ
タン等を含有するペレットを溶融し、必要に応じて前記
被覆層を形成する樹脂で希釈して溶融し、走行させた前
記原紙上に、通常ラミネート法、逐次ラミネート法、又
は、フィートブロックタイプ、マルチマニホールドタイ
プ、マルチスロットタイプ等の単層若しくは多層押出ダ
イによるラミネート法のいずれかの方法により被覆する
ことにより、形成される。前記単層若しくは多層押出用
ダイの形状としては、特に制限されるものではないが、
一般に、Tダイ、コートハンガーダイ等が好適に挙げら
れる。
【0051】本発明においては、前記被覆層を形成する
樹脂を前記原紙の一方又は両方の表面に被覆する前に、
前記原紙に、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処
理、又はプラズマ処理などの活性化処理を施すことが好
ましい。
【0052】乳剤塗布側(表面)に形成される被覆層の
厚みとしては、被覆層が単層に形成される場合には、1
5〜60μmが好ましく、被覆層が多層に形成される場
合には、例えば3層に形成される場合、例えば、最上層
の厚みは0.5〜50μm、中間層の厚みは5〜50μ
m、最下層の厚みは0.5〜50μmが好ましい。な
お、乳剤塗布側とは反対側(裏面)に形成される被覆層
の厚みとしては、10〜50μmが好ましい。
【0053】乳剤塗布側(表面)の被覆層の最上層表面
には、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記載
の微細面、マット面又は絹目面の型付けがされ、乳剤塗
布側とは反対側(裏面)の被覆層表面には、無光沢面の
型付けがされる。さらに、型付けした後のこれらの表面
には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施
すことができ、活性化処理後に特開昭61−84644
3号公報に記載のような下引き処理を行うこともでき
る。
【0054】以上の本発明の記録材料用支持体の製造方
法により得られた本発明の記録材料用支持体は、各種の
写真構成層が塗設されるカラー写真印画紙、白黒写真印
画紙、写植印画紙、反転写真材料、銀塩拡散転写法ネガ
及びポジ印刷材料、インク受容層が塗設される感熱記録
紙、インクジェット記録紙、コピー用紙、電子写真用記
録紙などの各種記録材料用支持体として好適に用いるこ
とができる。これらの中でも、特に写真印画紙、感熱記
録紙の支持体として特に好適に用いることができる。
【0055】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】実施例1〜8及び比較例1〜6 (原紙製造工程)パルプ試料として表1に示す通り、1
00%広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を用いた。こ
のパルプをダブルディスクリファイナー(刃型、クリア
ランスを適宜調節した)にて叩解した。このとき、パル
プの濾水度を250ml C.S.F.に調節した。
【0057】こうして得られたパルプのスラリーに、下
記の薬品を添加した(数値は絶対乾燥パルプ100重量
部当たりの重量%(固形分)を示す)。 ・アルキルケテンダイマー(AKD)・・・・・・・・・・・0.5 ・エポキシ化脂肪酸アミド(EFA)・・・・・・・・・・・0.2 ・ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン・・・・・・・・0.3 また、表1に示す量の炭酸カルシウム、変性澱粉及び/
又はコロイダルシリカを添加した。
【0058】以上の薬品を含有するパルプのスラリーを
長網抄紙機を用いて坪量175g/m2 となるように抄
紙した。その後、以下の組成を有する溶液を用いてサイ
ズ処理を行った。 ・ポリビニルアルコール(PVA)・・・・・・・・・・・・5.0 ・塩化カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0 ・蛍光増白剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5 ・消泡剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.005 ・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90.495 そして、このサイズ処理したものに、オンマシンカレン
ダーを用いて厚みが168μmの原紙を製造した。
【0059】(樹脂被覆工程)得られた原紙の表面(乳
剤塗布側)に、二酸化チタンを10重量%含有する密度
0.960g/cm3 のポリエチレンを、厚み30μm
に被覆した。また、この原紙の裏面(乳剤塗布側と反対
側)に、密度0.960g/cm3 のポリエチレンを、
厚み30μmに被覆した。こうして、記録材料用支持体
を製造した。得られた記録材料用支持体につき、以下の
評価を行った。その結果を表1に示した。
【0060】<評価> −表面平滑性− 得られた記録材料用支持体に、カラー用感光剤を塗布し
て感光材料を形成し、該感光材料に現像を行い、その表
面の平滑性を目視にて評価した。なお、表1において
は、点数が高い程、良好な表面平滑性を表す。 −剛度− 得られた記録材料用支持体について、JIS P812
5に従って、抄紙方向(MD)の剛度を測定した。な
お、表1においては、数値が高い程、剛度が良好である
こと表す。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果から以下のことが明らかであ
る。即ち、パルプのスラリーに添加した炭酸カルシウム
の比表面積が20,000を越える比較例1〜4では、
表面平滑性が悪化し、表面平滑性及び剛度を同時にバラ
ンスよく向上させることができない。また、パルプのス
ラリーに添加した炭酸カルシウムの比表面積が6,00
0未満である比較例5では、ワイヤー磨耗性が悪く、製
造が困難になる。また、パルプのスラリーに炭酸カルシ
ウムを添加しない比較例6では、表面平滑性のみなら
ず、白色度安定性も向上させることができない。これに
対し、実施例1〜8のように、パルプのスラリーに添加
した炭酸カルシウムの比表面積の値が6,000〜2
0,000であり、かつその添加量が5〜25重量%で
あると、表面平滑性及び剛度を同時にバランスよく向上
させることができる。なお、パルプのスラリーに変性澱
粉を2.0〜5.0重量%添加した実施例1〜3及び5
〜8の場合には、この条件を満たさない実施例4に比べ
て、表面平滑性及び剛度を同時に、よりバランスよく向
上させることができる。また、パルプのスラリーにコロ
イダルシリカを0.005〜0.16重量%添加した実
施例1〜2及び4〜8の場合には、この条件を満たさな
い実施例3に比べて、脱水性により優れ、製造適性がよ
り良好である。
【0063】
【発明の効果】本発明によると、写真印画紙、感熱記録
紙等の各種記録材料用支持体として好適であり、表面平
滑性及び剛度を同時にバランスよく向上させた高品質の
記録材料用支持体、及び該記録材料用支持体を経済的に
かつ効率よく製造し得る記録材料用支持体の製造方法を
提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプのスラリーに、比表面積が6,0
    00〜20,000cm2 /gである炭酸カルシウムを
    5〜25重量%添加し、これを抄紙して原紙を得た後、
    この原紙の少なくとも一方の表面にフィルム形成能のあ
    る樹脂を被覆して被覆層を形成することを特徴とする記
    録材料用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 パルプのスラリーに、更に変性澱粉を
    2.0〜5.0重量%添加する請求項1に記載の記録材
    料用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 パルプのスラリーに、更にコロイダルシ
    リカを0.005〜0.16重量%添加する請求項1又
    は2に記載の記録材料用支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の記録
    材料用支持体の製造方法により得られることを特徴とす
    る記録材料用支持体。
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JP2005154996A (ja) * 2003-10-29 2005-06-16 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録材料用支持体及びその製造方法、並びに、画像記録材料

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