JPH1023869A - レトルト処理耐性を有する餅又は団子とその製造方法及びレトルト食品 - Google Patents
レトルト処理耐性を有する餅又は団子とその製造方法及びレトルト食品Info
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- JPH1023869A JPH1023869A JP8182192A JP18219296A JPH1023869A JP H1023869 A JPH1023869 A JP H1023869A JP 8182192 A JP8182192 A JP 8182192A JP 18219296 A JP18219296 A JP 18219296A JP H1023869 A JPH1023869 A JP H1023869A
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Abstract
理を行っても溶けたりせず、餅や団子の形状と餅や団子
本来のテクスチャーと味を保有する、レトルト処理耐性
を有する餅又は団子及びこれらを含むレトルト食品を提
供すること。 【解決手段】 原材料粉中にワキシーコーンスターチを
5〜50重量%となるように配合し、得られた混合粉体
に水を粉体全量に対して0〜60重量%加え、これを粉
体全量に対する水の割合が10〜70重量%になる迄蒸
練したことを特徴とする餅又は団子及びこの餅又は団子
入りレトルト食品。
Description
のいわゆる米粉やコーンスターチ、カタクリ粉等の澱粉
質を原材料としたレトルト処理耐性を有する餅又は団子
及び餅又は団子入りレトルト食品に関する。
餅などの澱粉質食品は、約70℃前後からα−化が始ま
り、粘性が増大し、いわゆる餅らしい粘りを生じるが、
100℃を超え、レトルト処理といわれる120℃で数
分間の熱処理を行うと、粘りを失い、溶け出す。このよ
うになった餅は冷却しても粥状になるだけで餅としての
形状をとどめないため、餅はレトルト処理する食品には
向かないものとされてきた。しかしながら、レトルト処
理をしないと、例えば、おしるこ等は冷蔵庫で保存しな
ければならず、また、流通上低温保持という制約を受け
るばかりでなく、販売方法にも注意を要することとな
る。
方法として、特開平5−236892号公報には、餅原
材料粉にジェランガム及びカルシウム塩、マグネシウム
塩等の塩類を添加して製造した餅の浸透圧と調味液の浸
透圧をほぼ同一にすることが開示されている。また、特
公平4−40979号公報には、餅原料粉にペクチンや
アルギン酸ナトリウムを添加して製造した餅の浸透圧
と、カルシウム塩、例えば塩化カルシウム、乳酸カルシ
ウム等を溶解した外液の浸透圧をほぼ等しくすることが
開示されている。さらに、餅に乾燥卵白や乳アルブミン
を含ませ、加熱時に生じる蛋白質の熱変性を利用して餅
の形状を保持しようとする方法も提案されている(特開
昭63−287445号公報参照)。しかしながら、こ
れら澱粉質以外の添加物を餅に含ませると、餅本来の
「ねばり」や「こし」といった好ましい物性や味の面に
おいて、かなり餅とは異質なものになってしまうという
問題があった。また、アルギン酸ナトリウム等のゲル化
剤を固化するために外液に添加するカルシウム塩は舌に
苦みと収斂性を生じさせるので、商品の品質低下につな
がるという欠点があった。
の固化剤を使用せず、レトルト処理を行っても溶けたり
せず、餅や団子の形状と餅や団子本来のテクスチャーと
味を保有する、レトルト処理耐性を有する餅又は団子及
びこれらを含むレトルト食品を提供することを目的とす
る。
理耐性を有する餅又は団子は、原材料粉中にワキシーコ
ーンスターチを5〜50重量%となるように配合し、得
られた混合粉体に水を粉体全量に対して0〜60重量%
加え、これを粉体全量に対する水の割合が10〜70重
量%になる迄蒸練したことを特徴としている。『蒸練』
は、原材料粉その他を蒸練機に投入し、蒸気を吹き込み
ながら混練する処理である。また、本発明によるレトル
ト処理耐性を有する餅又は団子の製造方法は、原材料粉
中にワキシーコーンスターチを5〜50重量%となるよ
うに配合するステップ;得られた混合粉体に水を混合粉
体全量に対して0〜60重量%加えるステップ;及びこ
の混合粉体と水の混合物を蒸練して混合粉体全量に対す
る水の混合割合を10〜70重量%とするステップ;を
含むことを特徴としている。本発明は、さらに、上記の
餅又は団子と調味液を含むことを特徴とするレトルト食
品を提供するものである。
ンスターチを原材料粉中に5〜50重量%、好ましくは
20〜50重量%含まれるように添加する。ワキシーコ
ーンスターチの含有量が5重量%未満では餅原材料粉が
蒸練時に団子状になりやすく、充分に混捏されず、50
重量%を超えると、ワキシーコーンスターチの低ゲル化
性により、レトルト処理で餅が溶けて形状を保持できな
くなる。なお、ワキシーコーンスターチとは、アミロペ
クチン100%のコーンスターチと定義されているが、
本発明においては若干のアミロースが含まれるコーンス
ターチも使用可能である。
原材料粉、すなわち、米粉などの餅又は団子の原料粉及
びワキシーコーンスターチやその他の粉末添加物を含む
混合粉体に対して、蒸練後において10〜70重量%、
好ましくは30〜50重量%とする。通常、餅類は原料
粉に対して70重量%を超える加水量で製造されるが、
70重量%を超える加水量で作った餅類は、120℃で
加熱するレトルト条件の下では、どうしても澱粉質が溶
解してしまい、餅の形状を保持できない。また、加水量
が10重量%未満であると、生地が固くなりすぎて、成
型ができなくなる。加水量は、蒸練工程によって加えら
れる約10重量%の加水量を考慮して、蒸練前において
は、0〜60重量%、好ましくは20〜40重量%とす
るのがよい。
料粉に上記のワキシーコーンスターチの他、必要に応じ
て増粘多糖類、乳化剤、浸透圧調整成分などを添加する
ことができる。本発明の餅又は団子は、原料粉にワキシ
ーコーンスターチ及び必要に応じて他の添加剤を混合し
た後、好ましくはこれを水と共に蒸練し、成形し、冷却
することによって製造することができる。
は、レトルト食品の種類に応じて、種々の具や調味液と
一緒にパウチ等の容器に詰め、これをレトルト処理す
る。本発明において、レトルト処理とは、密封下に加圧
加熱殺菌することを意味し、レトルト食品とは、パウ
チ、缶、びんなどの容器内でレトルト処理された調理済
み食品を意味する。本発明のレトルト食品の例として
は、特に制限はなく、雑煮、おしるこ、ぜんざい、白玉
あんみつ、白玉みつまめなどが挙げられる。
ルト処理を行っても澱粉質の膨潤糊化速度が下げられ、
同時に冷却時の澱粉質の固化速度が上げられるため、餅
が溶けにくくなる。また、ワキシーコーンスターチは、
通常の澱粉より低い温度で糊化が始まり、吸水が速いた
め、蒸練による蒸気からの水分を容易に吸収し、少ない
加水量でも生地が団子状態にならず、均一な生地にまと
めあげることができる。
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。
と変え、原材料粉中のワキシーコーンスターチの含有量
を0、5、30、50、80重量%となるように配合し
たものを蒸練機を用いて蒸練した。蒸練時間は10分間
で、蒸練により約10重量%の水分を加えた。但し、加
水量が0のものは、蒸練時間を5分と10分の2種類と
した。蒸練の終了した餅生地をのし餅状にのばし、5℃
の冷蔵庫内に24時間放置し固化させた。これを14g
程度の矩形の餅に切断し、レトル処理用試験品とした。
この試験品の切餅1個、糖液100g及び小豆20gを
レトルト耐性のあるパウチの袋内に入れ、120℃で1
5分間殺菌した。次いで、そのパウチを冷水中に入れて
10℃以下まで冷却し、5℃の冷蔵庫内に24時間放置
した。得られたレトルトしるこを開封し、餅の形状、溶
け具合を調べ、下記の基準で評価し、その結果を表1に
示した。 ○ 餅の形状は、レトルト処理前と変わりがなく、溶け
出しが認められない × 餅の形状は、変化が激しく、溶け出しが認められた
行っても溶けたりせず、餅や団子の形状が保持でき、澱
粉質以外の固化剤を使用していないため、餅や団子本来
のテクスチャーと味を保有し、優れたレトルト処理耐性
を有する。したがって、本発明によれば、食感の良いレ
トルト食品を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 原材料粉中にワキシーコーンスターチを
5〜50重量%となるように配合し、得られた混合粉体
に水を粉体全量に対して0〜60重量%加え、これを粉
体全量に対する水の割合が10〜70重量%になる迄蒸
練したことを特徴とするレトルト処理耐性を有する餅又
は団子。 - 【請求項2】 原材料粉中にワキシーコーンスターチを
5〜50重量%となるように配合するステップ;得られ
た混合粉体に水を混合粉体全量に対して0〜60重量%
加えるステップ;及びこの混合粉体と水の混合物を蒸練
して混合粉体全量に対する水の混合割合を10〜70重
量%とするステップ;を含むことを特徴とするレトルト
処理耐性を有する餅又は団子の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の餅又は団子と調味液を含
むことを特徴とするレトルト食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18219296A JP3688815B2 (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | レトルト処理耐性を有する餅又は団子とその製造方法及びレトルト食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18219296A JP3688815B2 (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | レトルト処理耐性を有する餅又は団子とその製造方法及びレトルト食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1023869A true JPH1023869A (ja) | 1998-01-27 |
JP3688815B2 JP3688815B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=16113956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18219296A Expired - Fee Related JP3688815B2 (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | レトルト処理耐性を有する餅又は団子とその製造方法及びレトルト食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3688815B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009273477A (ja) * | 2009-08-25 | 2009-11-26 | Zushi Kokufun:Kk | 団子・餅類保存用のパッケージ製品 |
KR20230132332A (ko) | 2022-03-08 | 2023-09-15 | 가부시키가이샤 신겐푸즈 | 가열 처리가 완료된 떡이 들어간 식품 및 그 제조 방법, 그리고 떡 가열 처리용의 조미액 및 그 사용 |
-
1996
- 1996-07-11 JP JP18219296A patent/JP3688815B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2009273477A (ja) * | 2009-08-25 | 2009-11-26 | Zushi Kokufun:Kk | 団子・餅類保存用のパッケージ製品 |
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---|---|
JP3688815B2 (ja) | 2005-08-31 |
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