JPH10236238A - 自動車用内装材 - Google Patents
自動車用内装材Info
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- JPH10236238A JPH10236238A JP9048042A JP4804297A JPH10236238A JP H10236238 A JPH10236238 A JP H10236238A JP 9048042 A JP9048042 A JP 9048042A JP 4804297 A JP4804297 A JP 4804297A JP H10236238 A JPH10236238 A JP H10236238A
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- Japan
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- fiber
- layer
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- fiber assembly
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- Laminated Bodies (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 周波数全域、特に特定周波数の遮音性能を向
上させることを目的とした自動車用内装材を提供するこ
と。 【解決手段】 車体パネルの車室内側に位置するように
設置された、密度の異なる少なくとも3層以上の合成繊
維を主成分とする積層繊維集合体から構成される繊維集
合体層と、通気性を有さない高分子層とで構成されてい
ることを特徴とする自動車用内装材。
上させることを目的とした自動車用内装材を提供するこ
と。 【解決手段】 車体パネルの車室内側に位置するように
設置された、密度の異なる少なくとも3層以上の合成繊
維を主成分とする積層繊維集合体から構成される繊維集
合体層と、通気性を有さない高分子層とで構成されてい
ることを特徴とする自動車用内装材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用内装材に
関するもので、周波数全域、特に特定周波数の遮音性能
を向上させることを目的とした自動車用内装材に関する
ものである。
関するもので、周波数全域、特に特定周波数の遮音性能
を向上させることを目的とした自動車用内装材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の静粛性に対する要求が高
まっており、車室内への騒音を低減させる材料が要求さ
れている。その要求は、内装材に対して特に高く、ドア
の内装トリム材、ヘッドライニング、フロアカーペッ
ト、ダッシュインシュレータ等には、高い遮音性能や吸
音性能が要求されている。
まっており、車室内への騒音を低減させる材料が要求さ
れている。その要求は、内装材に対して特に高く、ドア
の内装トリム材、ヘッドライニング、フロアカーペッ
ト、ダッシュインシュレータ等には、高い遮音性能や吸
音性能が要求されている。
【0003】特にダッシュインシュレータ1は、図1に
示すように、エンジンルームと車室とを区画するダッシ
ュパネル2の車室内面上に位置し、エンジンルームから
車室への騒音の伝達を防止する役目を持っている。
示すように、エンジンルームと車室とを区画するダッシ
ュパネル2の車室内面上に位置し、エンジンルームから
車室への騒音の伝達を防止する役目を持っている。
【0004】このダッシュインシュレータ1は、図2に
示すように、充填材を混入した塩化ビニルシートやゴム
シート等の通気性を有さない高分子高密度層3と、フェ
ルト、ポリウレタンフォームおよび不織布等の多孔質基
材からなる低密度層4との積層構造体で構成されてい
る。そして、このダッシュインシュレータ1は、上記低
密度層4によりエンジンルームからの騒音を吸音すると
共に、ダッシュパネル5と高分子層3との2重壁遮音構
造体の構成により、良好な防音性能を発揮するように構
成されている。
示すように、充填材を混入した塩化ビニルシートやゴム
シート等の通気性を有さない高分子高密度層3と、フェ
ルト、ポリウレタンフォームおよび不織布等の多孔質基
材からなる低密度層4との積層構造体で構成されてい
る。そして、このダッシュインシュレータ1は、上記低
密度層4によりエンジンルームからの騒音を吸音すると
共に、ダッシュパネル5と高分子層3との2重壁遮音構
造体の構成により、良好な防音性能を発揮するように構
成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ダッシュインシュレータ1では、ダッシュアッパー部等
の薄肉部において、吸音材が圧縮されるため、これに伴
って低密度層が圧縮されて高密度化する現象が起きた。
また、一般の部位においても、特にホットプレス成形を
した製品は低密度層の表面が硬化する可能性が高い。
ダッシュインシュレータ1では、ダッシュアッパー部等
の薄肉部において、吸音材が圧縮されるため、これに伴
って低密度層が圧縮されて高密度化する現象が起きた。
また、一般の部位においても、特にホットプレス成形を
した製品は低密度層の表面が硬化する可能性が高い。
【0006】このように低密度層である吸音材層4が硬
いとダッシュパネル5からの振動をこの低密度層4を介
して高分子高密度層3に伝達しやすく、高分子高密度層
3の振動が騒音となり、車室内の静粛性を阻害する可能
性が高くなった。
いとダッシュパネル5からの振動をこの低密度層4を介
して高分子高密度層3に伝達しやすく、高分子高密度層
3の振動が騒音となり、車室内の静粛性を阻害する可能
性が高くなった。
【0007】従って本発明は、このような事情に鑑みて
なされたもので、成形体からなる低密度層を使用した自
動車用ダッシュインシュレータ等の遮音構造体におい
て、車体パネルからの振動を高密度層に伝達するのを抑
える機能を有すると共に、特定の周波数の振動伝達を抑
える機能を有する低密度層を開発することにより、防音
性能を著しく高めた自動車用内装材を提供することを目
的とする。
なされたもので、成形体からなる低密度層を使用した自
動車用ダッシュインシュレータ等の遮音構造体におい
て、車体パネルからの振動を高密度層に伝達するのを抑
える機能を有すると共に、特定の周波数の振動伝達を抑
える機能を有する低密度層を開発することにより、防音
性能を著しく高めた自動車用内装材を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、車
体パネルの車室内側に位置するように設置された、密度
の異なる少なくとも3層以上の合成繊維を主成分とする
積層繊維集合体から構成される繊維集合体層と、通気性
を有さない高分子層とで構成されていることを特徴とす
る自動車用内装材により達成された。
体パネルの車室内側に位置するように設置された、密度
の異なる少なくとも3層以上の合成繊維を主成分とする
積層繊維集合体から構成される繊維集合体層と、通気性
を有さない高分子層とで構成されていることを特徴とす
る自動車用内装材により達成された。
【0009】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明は、遮音を目的として設置される自動車用内
装材に関するものであり、繊維集合体層と通気を有さな
い高分子層とを積層一体化してなる遮音構造体におい
て、繊維集合体層が配合される繊維の種類等を規定した
少なくとも3層を有する積層構造体であることを特徴と
する。
る。本発明は、遮音を目的として設置される自動車用内
装材に関するものであり、繊維集合体層と通気を有さな
い高分子層とを積層一体化してなる遮音構造体におい
て、繊維集合体層が配合される繊維の種類等を規定した
少なくとも3層を有する積層構造体であることを特徴と
する。
【0010】まず、繊維集合体層について説明する。自
動車用内装材の遮音性能は、繊維集合体層の吸音率と振
動伝達率の測定により推定することができ、遮音性能を
向上させるためには、この2つの性能を上げることが必
要となる。
動車用内装材の遮音性能は、繊維集合体層の吸音率と振
動伝達率の測定により推定することができ、遮音性能を
向上させるためには、この2つの性能を上げることが必
要となる。
【0011】第1に吸音率の効果であるが、遮音性能を
向上させるためには、繊維集合体層の吸音率が高いほう
が良い。吸音率は、繊維集合体層の面密度や平均径等の
様々な要因に起因して決定されており、面密度を上げる
ことや繊維集合体層に配合される繊維の平均径を小さく
することは、吸音率を向上させるのに非常に有効な手段
である。しかし、密度を上げると言うことは、重量が上
り、材料が高価になる。
向上させるためには、繊維集合体層の吸音率が高いほう
が良い。吸音率は、繊維集合体層の面密度や平均径等の
様々な要因に起因して決定されており、面密度を上げる
ことや繊維集合体層に配合される繊維の平均径を小さく
することは、吸音率を向上させるのに非常に有効な手段
である。しかし、密度を上げると言うことは、重量が上
り、材料が高価になる。
【0012】第2に振動伝達率の効果についであるが、
繊維集合体層の振動伝達率は小さいほど遮音性能に対し
て効果が大きい。ここで振動伝達率は、その物体の動的
ばね定数に大きく依存し、遮音性能を向上させるために
は、動的ばね定数を低減させることが必要である。
繊維集合体層の振動伝達率は小さいほど遮音性能に対し
て効果が大きい。ここで振動伝達率は、その物体の動的
ばね定数に大きく依存し、遮音性能を向上させるために
は、動的ばね定数を低減させることが必要である。
【0013】従って自動車用内装材の遮音性能を向上さ
せるためには、その繊維集合体層が高吸音率および低ば
ね定数であることが理想であるが、両性能は一般に相反
し、共に向上させることは困難であった。
せるためには、その繊維集合体層が高吸音率および低ば
ね定数であることが理想であるが、両性能は一般に相反
し、共に向上させることは困難であった。
【0014】そこで、本発明者らは、繊維集合体層を少
なくとも3層以上の積層構造体にし、各層に上記性能を
振り分けることで、この相反する両性能を向上させるこ
とに成功した。具体的には、繊維集合体層中の最も密度
の高い層が吸音率を確保する層であり、他の低密度層が
ばね定数を低減させる層である。
なくとも3層以上の積層構造体にし、各層に上記性能を
振り分けることで、この相反する両性能を向上させるこ
とに成功した。具体的には、繊維集合体層中の最も密度
の高い層が吸音率を確保する層であり、他の低密度層が
ばね定数を低減させる層である。
【0015】繊維集合体層を構成する繊維は、同じ繊維
径の繊維を製造し不織布化することにより、遮音性能が
ほぼ同等のものが得られる限り、特に制限されず、公知
の合成繊維の中から適宜選択して使用することができ
る。その具体例としては、ポリエステル、ナイロン、ポ
リアクリロニトリル、ポリアセテート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、線状ポリエステル、ポリアミド等など
が挙げられるが、特に物質的にはポリエステルが流通的
にも機械的強度的にも適しており、コストパフォーマン
スも高いため相応しい。
径の繊維を製造し不織布化することにより、遮音性能が
ほぼ同等のものが得られる限り、特に制限されず、公知
の合成繊維の中から適宜選択して使用することができ
る。その具体例としては、ポリエステル、ナイロン、ポ
リアクリロニトリル、ポリアセテート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、線状ポリエステル、ポリアミド等など
が挙げられるが、特に物質的にはポリエステルが流通的
にも機械的強度的にも適しており、コストパフォーマン
スも高いため相応しい。
【0016】繊維集合体層7を構成する繊維層は、図3
に示すように、少なくとも3層以上であることが必要で
ある。これは中心となる高密度層8の両側に繊維集合体
全体のばね定数を低減させるための低密度層9および1
0が存在する必要があるからである。ここで2層品の繊
維集合体でもある程度繊維集合体全体のばね定数は低減
される。しかし、それ以上ばね定数を低減させるために
は、少なくとも2層の低密度層の存在が必要である。更
に、中央に位置する高密度層8を質量部、その両側の低
密度層9および10をばね部とした多自由度の振動系を
形成させるためには、繊維集合体層が少なくとも3層で
構成されることが必要である。
に示すように、少なくとも3層以上であることが必要で
ある。これは中心となる高密度層8の両側に繊維集合体
全体のばね定数を低減させるための低密度層9および1
0が存在する必要があるからである。ここで2層品の繊
維集合体でもある程度繊維集合体全体のばね定数は低減
される。しかし、それ以上ばね定数を低減させるために
は、少なくとも2層の低密度層の存在が必要である。更
に、中央に位置する高密度層8を質量部、その両側の低
密度層9および10をばね部とした多自由度の振動系を
形成させるためには、繊維集合体層が少なくとも3層で
構成されることが必要である。
【0017】次に、高分子層6について説明する。自動
車用内装材の高分子層6は、通気性を有しない面密度1
〜10Kg/m2の高分子で構成されていることが必要であ
る。高分子層に通気性がある場合、車体パネルと高分子
層との間で2重壁遮音構造体を形成することができな
い。従って高い遮音性能を発揮することができなくなる
ため相応しくない。
車用内装材の高分子層6は、通気性を有しない面密度1
〜10Kg/m2の高分子で構成されていることが必要であ
る。高分子層に通気性がある場合、車体パネルと高分子
層との間で2重壁遮音構造体を形成することができな
い。従って高い遮音性能を発揮することができなくなる
ため相応しくない。
【0018】通気性が無いとは、通気量(JIS L1004, L
1018, L1096)が0.01cc/cm2 sec 以下であればよい
が、特に数値限定は行わない。本発明において高分子と
しては、公知の天然ゴム、合成ゴムおよび合成繊維から
なる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
1018, L1096)が0.01cc/cm2 sec 以下であればよい
が、特に数値限定は行わない。本発明において高分子と
しては、公知の天然ゴム、合成ゴムおよび合成繊維から
なる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0019】この高分子層の面密度は、1〜10kg/m2
の範囲にあることが好ましい。面密度は高い方が遮音性
能が向上するが、部品重量が増加する。面密度が1kg/
m2未満になると、遮音性能が十分に確保できず、不適で
ある。一方、10kg/m2を超えると、自動車用内装材の
重量が超過するため、工場での取り付け性が悪化するた
め相応しくない。更に部品重量と遮音性能との関係を厳
密に分析すると、高密度層の面密度は、2〜6kg/m2の
範囲が特に好ましい。
の範囲にあることが好ましい。面密度は高い方が遮音性
能が向上するが、部品重量が増加する。面密度が1kg/
m2未満になると、遮音性能が十分に確保できず、不適で
ある。一方、10kg/m2を超えると、自動車用内装材の
重量が超過するため、工場での取り付け性が悪化するた
め相応しくない。更に部品重量と遮音性能との関係を厳
密に分析すると、高密度層の面密度は、2〜6kg/m2の
範囲が特に好ましい。
【0020】この高分子層は、少なくとも3層の繊維集
合体層と一体になる多自由度振動系の中で最も大きな質
量部を形成することになる。従って、特定周波数のチュ
ーニングのためにはこの高分子層の面密度も調整するこ
とができるが特に限定は行わない。
合体層と一体になる多自由度振動系の中で最も大きな質
量部を形成することになる。従って、特定周波数のチュ
ーニングのためにはこの高分子層の面密度も調整するこ
とができるが特に限定は行わない。
【0021】繊維集合体層を構成する少なくとも3層以
上の繊維集合体の内部層は表面層よりも高密度であるこ
とが相応しい。これは内部高密度層を質量部とする少な
くとも2自由度以上の多自由度振動系を形成させるため
に必要だからである。ここで4層以上の積層体の場合
は、最外層に高密度層が来ても少なくとも2自由度以上
になるが、外部高分子層や車体のパネルに直に高密度層
が接することになり、自動車内装材との密着性が多少低
下する可能性がある。
上の繊維集合体の内部層は表面層よりも高密度であるこ
とが相応しい。これは内部高密度層を質量部とする少な
くとも2自由度以上の多自由度振動系を形成させるため
に必要だからである。ここで4層以上の積層体の場合
は、最外層に高密度層が来ても少なくとも2自由度以上
になるが、外部高分子層や車体のパネルに直に高密度層
が接することになり、自動車内装材との密着性が多少低
下する可能性がある。
【0022】繊維集合体層のバネ定数は、全体の面密度
が一定で均一に単層繊維集合体を構成した場合よりも積
層体にした場合の方が、繊維集合体層全体のばね定数が
低く設定することができることが必要である。遮音性能
は、重量が一定の場合、殆ど系のバネ定数に依存し、バ
ネ定数が低いほど系の1次共振ピークが低周波側に移行
することにより遮音性能が向上する。本発明では、3層
構造にすることによって、系のバネ定数を効果的に低減
させることを可能とした。
が一定で均一に単層繊維集合体を構成した場合よりも積
層体にした場合の方が、繊維集合体層全体のばね定数が
低く設定することができることが必要である。遮音性能
は、重量が一定の場合、殆ど系のバネ定数に依存し、バ
ネ定数が低いほど系の1次共振ピークが低周波側に移行
することにより遮音性能が向上する。本発明では、3層
構造にすることによって、系のバネ定数を効果的に低減
させることを可能とした。
【0023】ばね定数を低くする具体的手段としては、
低ばね化したい層の密度(g/cm3)を他の層よりも低
下させる手段が有効である。また、低ばね化したい層に
配合される繊維の平均径を他の層よりも小さくする手段
もまた有効である。また、前記の2つを同時に行うこと
は最も効果的であるが、特に限定は行わない。
低ばね化したい層の密度(g/cm3)を他の層よりも低
下させる手段が有効である。また、低ばね化したい層に
配合される繊維の平均径を他の層よりも小さくする手段
もまた有効である。また、前記の2つを同時に行うこと
は最も効果的であるが、特に限定は行わない。
【0024】繊維集合体層は、繊維径10〜40μm 、
繊維長10〜100mmの繊維から構成され、かつ面密度
0.5〜1.5kg/m2の繊維集合体で構成されることが
好ましい。
繊維長10〜100mmの繊維から構成され、かつ面密度
0.5〜1.5kg/m2の繊維集合体で構成されることが
好ましい。
【0025】吸音性能とバネ定数とは、繊維径に大きく
依存し、その性能が変化する。殆どの場合、繊維径が細
いほど吸音性能等は向上する。しかし、細い繊維は高価
であり、更に繊維から不織布にするための成形性が低下
する。従って、10μm 未満の細繊維にするのは経済的
メリットが小さくなり、しかも不織布への加工成形性も
低下するため望ましくない。一方、40μm を越えてし
まうと、吸音性能が大幅に低下してしまい遮音性能向上
の目的が達せられない。
依存し、その性能が変化する。殆どの場合、繊維径が細
いほど吸音性能等は向上する。しかし、細い繊維は高価
であり、更に繊維から不織布にするための成形性が低下
する。従って、10μm 未満の細繊維にするのは経済的
メリットが小さくなり、しかも不織布への加工成形性も
低下するため望ましくない。一方、40μm を越えてし
まうと、吸音性能が大幅に低下してしまい遮音性能向上
の目的が達せられない。
【0026】繊維集合体層を構成する繊維は、繊維長1
0〜100mmの範囲にあることが好ましい。吸音性能等
は繊維長に大きく依存されないが、繊維集合体の製造の
容易性や繊維集合体の機械的強度の向上のためには上記
範囲内に繊維長である必要がある。前記性能を向上させ
るためには、繊維長30〜100mmの範囲にすることが
特に好ましい。繊維長が10mm未満の繊維では、不織布
を製造するためには短すぎ、繊維を絡ませて不織布を製
造することが困難になる。一方、繊維長が100mmを超
える繊維では、繊維集合体層中に均一に分散させること
が困難であり、ある種の繊維のみが繊維集合体層中に片
寄ってしまう可能性が大きくなり、高品質で一定の性能
を要求させる材料にとっては相応しくない。
0〜100mmの範囲にあることが好ましい。吸音性能等
は繊維長に大きく依存されないが、繊維集合体の製造の
容易性や繊維集合体の機械的強度の向上のためには上記
範囲内に繊維長である必要がある。前記性能を向上させ
るためには、繊維長30〜100mmの範囲にすることが
特に好ましい。繊維長が10mm未満の繊維では、不織布
を製造するためには短すぎ、繊維を絡ませて不織布を製
造することが困難になる。一方、繊維長が100mmを超
える繊維では、繊維集合体層中に均一に分散させること
が困難であり、ある種の繊維のみが繊維集合体層中に片
寄ってしまう可能性が大きくなり、高品質で一定の性能
を要求させる材料にとっては相応しくない。
【0027】繊維集合体層に必要とされる全体の面密度
は、0.5〜1.5kg/m2の範囲にあることが好まし
い。これは遮音性能を確保するために必要な繊維集合体
層の面密度範囲であり、面密度が0.5kg/m2未満にな
ると、遮音性能向上の目標を達成することができない。
一方、材料コスト、部品重量およびばね定数の必要性の
観点から1.5kg/m2以下である必要がある。1.5kg
/m2を超える繊維集合体層では部品重量が増加するため
好ましくない。また、ばね定数は繊維集合体層の面密度
を上昇させると増加し、振動伝達率を悪化させるため、
1.5kg/m2を超える程増加させることは相応しくな
い。
は、0.5〜1.5kg/m2の範囲にあることが好まし
い。これは遮音性能を確保するために必要な繊維集合体
層の面密度範囲であり、面密度が0.5kg/m2未満にな
ると、遮音性能向上の目標を達成することができない。
一方、材料コスト、部品重量およびばね定数の必要性の
観点から1.5kg/m2以下である必要がある。1.5kg
/m2を超える繊維集合体層では部品重量が増加するため
好ましくない。また、ばね定数は繊維集合体層の面密度
を上昇させると増加し、振動伝達率を悪化させるため、
1.5kg/m2を超える程増加させることは相応しくな
い。
【0028】本発明の自動車用内装材は、繊維集合体層
の厚さ、面密度、繊維集合体層を構成する各層の厚さ、
面密度、繊維配合を操作することにより、高分子層と繊
維集合体層中の高密度層を質量部とし、繊維集合体層中
の低密度層をばね部とした少なくとも2自由度以上の振
動系において、1次共振周波数、2次共振周波数を任意
に設定することが可能であることを特徴としている。
の厚さ、面密度、繊維集合体層を構成する各層の厚さ、
面密度、繊維配合を操作することにより、高分子層と繊
維集合体層中の高密度層を質量部とし、繊維集合体層中
の低密度層をばね部とした少なくとも2自由度以上の振
動系において、1次共振周波数、2次共振周波数を任意
に設定することが可能であることを特徴としている。
【0029】自動車用内装材は、高分子層と繊維集合体
層の内部の高密度層とを質量部とし、繊維集合体層の内
部の少なくとも2層の低密度層をばね部とした2自由度
(図5参照)、またはそれ以上の多自由度のマス−ばね
系を形成している。繊維集合体が2層以上の多層体で
は、繊維集合体の数の自由度のマス−ばね系となり、音
のエネルギーを減衰させる。
層の内部の高密度層とを質量部とし、繊維集合体層の内
部の少なくとも2層の低密度層をばね部とした2自由度
(図5参照)、またはそれ以上の多自由度のマス−ばね
系を形成している。繊維集合体が2層以上の多層体で
は、繊維集合体の数の自由度のマス−ばね系となり、音
のエネルギーを減衰させる。
【0030】2自由度のマス−ばね系の固有角振動数
(共振振動周波数)ω1,ω2 は、空気層のばね定数、繊
維集合体の質量により、下記数1からほぼ決定される。
従って、基本的には繊維集合体の厚さ、面密度、繊維集
合体を構成する各層の厚さ、面密度、繊維配合を操作す
ることにより、高密度層の形成が行われ、その質量m2
が決定される。また、同じ操作を行うことによって少な
くとも2層ある低密度層のバネ定数k1,k2を決定す
ることが可能となる。モデルは図5に示す。
(共振振動周波数)ω1,ω2 は、空気層のばね定数、繊
維集合体の質量により、下記数1からほぼ決定される。
従って、基本的には繊維集合体の厚さ、面密度、繊維集
合体を構成する各層の厚さ、面密度、繊維配合を操作す
ることにより、高密度層の形成が行われ、その質量m2
が決定される。また、同じ操作を行うことによって少な
くとも2層ある低密度層のバネ定数k1,k2を決定す
ることが可能となる。モデルは図5に示す。
【0031】
【数1】 ω1,2 2=(a+c)/2 ±√((a/2-b/2)2 +bc)) (ω1 <ω2) (1) a=(k1+k2)/m1、 b=k2/m1、 c=
k2/m2 ω1 :1次共振周波数(固有角振動数) ω2 :2次共振周波数(固有角振動数) m1:高分子層の質量 m2:繊維集合体層中の高密度層の質量 k1:繊維集合体層中の低密度層1のばね定数 k2:繊維集合体層中の低密度層2のばね定数
k2/m2 ω1 :1次共振周波数(固有角振動数) ω2 :2次共振周波数(固有角振動数) m1:高分子層の質量 m2:繊維集合体層中の高密度層の質量 k1:繊維集合体層中の低密度層1のばね定数 k2:繊維集合体層中の低密度層2のばね定数
【0032】しかしながら、本発明の自動車用内装材
は、完全な2自由度型、または多自由度型マス−ばね減
衰系ではないため上式では完全に説明することができな
い。また、本発明の目的は、特に低周波数域で特に効果
的な遮音性能を有する自動車用内装材を得ることである
が、完全な2自由度型、または多自由度型マス−ばね減
衰系では、1次共振、または2次共振の固有角振動数で
遮音性能が特に低下してしまうため、問題である。この
ため、この低周波域での特異な遮音性能を低下させず
に、しかも広い周波数領域で遮音させるためには本発明
の構成が必須なのである。従って、上式では本発明の性
能を正確に表現することはできないが、本式を参考に性
能のチューニングは可能である。
は、完全な2自由度型、または多自由度型マス−ばね減
衰系ではないため上式では完全に説明することができな
い。また、本発明の目的は、特に低周波数域で特に効果
的な遮音性能を有する自動車用内装材を得ることである
が、完全な2自由度型、または多自由度型マス−ばね減
衰系では、1次共振、または2次共振の固有角振動数で
遮音性能が特に低下してしまうため、問題である。この
ため、この低周波域での特異な遮音性能を低下させず
に、しかも広い周波数領域で遮音させるためには本発明
の構成が必須なのである。従って、上式では本発明の性
能を正確に表現することはできないが、本式を参考に性
能のチューニングは可能である。
【0033】本発明の自動車用内装材は、繊維集合体層
の外側には低密度層が位置し、繊維集合体層の全体厚さ
に対する繊維集合体層中の少なくとも1以上の高密度層
の総合厚さが30〜90%であり、それ以外の少なくと
も2以上の低密度層の厚さ、面密度、繊維配合を変化さ
せることにより、多自由度振動系の1次共振周波数と2
次共振周波数の中間値の周波数を300〜1kHz の内側
に任意に設定できることを特徴としている。
の外側には低密度層が位置し、繊維集合体層の全体厚さ
に対する繊維集合体層中の少なくとも1以上の高密度層
の総合厚さが30〜90%であり、それ以外の少なくと
も2以上の低密度層の厚さ、面密度、繊維配合を変化さ
せることにより、多自由度振動系の1次共振周波数と2
次共振周波数の中間値の周波数を300〜1kHz の内側
に任意に設定できることを特徴としている。
【0034】図6に示すように遮音性能は、1次共振周
波数と2次共振周波数との間の周波数領域において向上
させるため、自動車用内装材に最も要求されている遮音
の周波数領域に前記の1次共振と2次共振との間の性能
の向上領域を合わせることで、特定周波数に特に遮音性
能が高い自動車用内装材を得るという目的を達成した。
自動車用内装材に於いて特に必要な遮音周波数領域は、
300〜1kHz の範囲であるため、この周波数の範囲の
遮音性能を向上させるために、1次及び2次の共振周波
数はこの周波数の外側に設定することを基本とした。
波数と2次共振周波数との間の周波数領域において向上
させるため、自動車用内装材に最も要求されている遮音
の周波数領域に前記の1次共振と2次共振との間の性能
の向上領域を合わせることで、特定周波数に特に遮音性
能が高い自動車用内装材を得るという目的を達成した。
自動車用内装材に於いて特に必要な遮音周波数領域は、
300〜1kHz の範囲であるため、この周波数の範囲の
遮音性能を向上させるために、1次及び2次の共振周波
数はこの周波数の外側に設定することを基本とした。
【0035】具体的には、基本は1次共振周波数は、3
00Hzよりも低周波数側に設定し、2次共振周波数は、
1kHz より高周波数側に設定し、必要に応じ、300Hz
以上、1kHz 以下に設定した。各共振周波数の設定は、
数1式を参考とし、繊維集合体層の低密度層のバネ定数
を実験により求め、更に高密度層の質量を測定して数1
式に代入することで求めた。
00Hzよりも低周波数側に設定し、2次共振周波数は、
1kHz より高周波数側に設定し、必要に応じ、300Hz
以上、1kHz 以下に設定した。各共振周波数の設定は、
数1式を参考とし、繊維集合体層の低密度層のバネ定数
を実験により求め、更に高密度層の質量を測定して数1
式に代入することで求めた。
【0036】低密度層のバネ定数を小さくさせるために
は、低密度層の厚さを厚くし、高密度層の厚さを薄くす
ることが効果的である。しかし、あまり高密度層を薄く
してしまうと遮音性能の一つの要因である吸音性能が低
下してしまう。従って、高密度層の総合厚さが30〜9
0%の範囲にあることが好ましい。総合厚さが30%未
満になると、繊維集合体の吸音性能が低下することに起
因し遮音性能が低下する。逆に、90%を超えると、繊
維集合体の吸音性能が低下することに起因して遮音性能
が低下すると共に、低バネ部の厚さが十分に確保でき
ず、少なくとも3層繊維集合体の低バネ化の目的に合致
しない。
は、低密度層の厚さを厚くし、高密度層の厚さを薄くす
ることが効果的である。しかし、あまり高密度層を薄く
してしまうと遮音性能の一つの要因である吸音性能が低
下してしまう。従って、高密度層の総合厚さが30〜9
0%の範囲にあることが好ましい。総合厚さが30%未
満になると、繊維集合体の吸音性能が低下することに起
因し遮音性能が低下する。逆に、90%を超えると、繊
維集合体の吸音性能が低下することに起因して遮音性能
が低下すると共に、低バネ部の厚さが十分に確保でき
ず、少なくとも3層繊維集合体の低バネ化の目的に合致
しない。
【0037】また、自動車用内装材は、あまり厚いもの
は好ましくないので、低バネ層は1〜15mmが相応しい
が特に限定は行わない。また、配合する繊維の径も小さ
いほど低バネ化には有効である。しかし、あまり細すぎ
る繊維はへたり易く、更に一般的でないため、あまり好
ましくない。従って繊維径が10〜15μm の範囲の繊
維を使用することが好ましいが特に限定は行わない。ま
た、低密度層の面密度も小さい方がバネ定数の低減に有
効である。しかし、小さすぎるとへたり易くなり、高す
ぎると高密度層との区別が無くなり、低バネ化の目的を
達成することができない。従って低密度層の面密度は、
50〜300g/m2の範囲が好ましいが、特に限定は行
わない。
は好ましくないので、低バネ層は1〜15mmが相応しい
が特に限定は行わない。また、配合する繊維の径も小さ
いほど低バネ化には有効である。しかし、あまり細すぎ
る繊維はへたり易く、更に一般的でないため、あまり好
ましくない。従って繊維径が10〜15μm の範囲の繊
維を使用することが好ましいが特に限定は行わない。ま
た、低密度層の面密度も小さい方がバネ定数の低減に有
効である。しかし、小さすぎるとへたり易くなり、高す
ぎると高密度層との区別が無くなり、低バネ化の目的を
達成することができない。従って低密度層の面密度は、
50〜300g/m2の範囲が好ましいが、特に限定は行
わない。
【0038】繊維集合体層が3層構造の場合には、2つ
の低密度層のそれぞれが共に全く同一でも、全く異なる
ものでも良く、目的に合わせた仕様が可能である。特に
バネ定数は、厚みを変化させても、繊維構成を変化させ
れば同一のものが作成可能であり、逆に厚みが同じ低密
度層でも繊維構成を変化させることによって異なるバネ
定数とすることができるため、自動車用内装材の用いら
れる部位によって、またはスペースが取れるか否かによ
って、そのバネ定数と低密度層の仕様を変化させること
が可能であるが、特に限定は行わない。
の低密度層のそれぞれが共に全く同一でも、全く異なる
ものでも良く、目的に合わせた仕様が可能である。特に
バネ定数は、厚みを変化させても、繊維構成を変化させ
れば同一のものが作成可能であり、逆に厚みが同じ低密
度層でも繊維構成を変化させることによって異なるバネ
定数とすることができるため、自動車用内装材の用いら
れる部位によって、またはスペースが取れるか否かによ
って、そのバネ定数と低密度層の仕様を変化させること
が可能であるが、特に限定は行わない。
【0039】次に、繊維集合体層を構成する各層の繊維
配合について説明する。繊維集合体層を構成する高密度
層は、繊維径10〜20μm の繊維(繊維A)が40〜
80重量%と、繊維径20〜40μm の繊維(繊維B)
が10〜30重量%と、前記の繊維より少なくとも20
℃は軟化点の低い繊維であって、繊維径10〜20μm
の繊維(繊維C)が10〜30重量%で構成されている
ところに特徴がある。この高密度層は、前述の主として
繊維集合体に吸音性能を付与する目的がある。
配合について説明する。繊維集合体層を構成する高密度
層は、繊維径10〜20μm の繊維(繊維A)が40〜
80重量%と、繊維径20〜40μm の繊維(繊維B)
が10〜30重量%と、前記の繊維より少なくとも20
℃は軟化点の低い繊維であって、繊維径10〜20μm
の繊維(繊維C)が10〜30重量%で構成されている
ところに特徴がある。この高密度層は、前述の主として
繊維集合体に吸音性能を付与する目的がある。
【0040】繊維Aは繊維径10〜20μm の繊維より
構成され、高密度層の中に40〜80重量%の割合で配
合をすることが好ましい。これは細デニール繊維を配合
することにより吸音性能を向上させると共に、遮音性能
を向上させるために必要だからである。また、繊維一本
一本の剛性が低下するため、ばね定数が低下し、振動伝
達率も低下するため効果的に遮音性能が向上する。従っ
て、繊維Aを多く配合すれば遮音性能は高くなると言え
る。
構成され、高密度層の中に40〜80重量%の割合で配
合をすることが好ましい。これは細デニール繊維を配合
することにより吸音性能を向上させると共に、遮音性能
を向上させるために必要だからである。また、繊維一本
一本の剛性が低下するため、ばね定数が低下し、振動伝
達率も低下するため効果的に遮音性能が向上する。従っ
て、繊維Aを多く配合すれば遮音性能は高くなると言え
る。
【0041】繊維径が10μm 未満になると、これより
細い繊維は作製するのが困難であり、繊維の安定供給が
難しく、更にコストも高く付き好ましくないと共に、他
の繊維B,Cと混ざりにくくなり均一な繊維集合体を得
るのが困難となる。逆に繊維径が20μm を超えると、
良好な遮音性能を得ることができなくなる。この繊維A
は繊維径10〜20μm の繊維を50〜70重量%配合
させるのが更に良いが特に限定しない。
細い繊維は作製するのが困難であり、繊維の安定供給が
難しく、更にコストも高く付き好ましくないと共に、他
の繊維B,Cと混ざりにくくなり均一な繊維集合体を得
るのが困難となる。逆に繊維径が20μm を超えると、
良好な遮音性能を得ることができなくなる。この繊維A
は繊維径10〜20μm の繊維を50〜70重量%配合
させるのが更に良いが特に限定しない。
【0042】繊維Bは繊維径20〜40μm の繊維より
構成され、繊維集合体層の中に10〜30重量%の割合
で配合をする。これは高密度層の中に比較的太い繊維の
配合が多少必要であることを意味する。遮音性能を付与
させるには、細い繊維の配合率を上げればよいが、それ
に伴い繊維集合体自体の形状繊維性は低下する。例え
ば、繊維集合体を低目付0.4kg/m2で40mmに作製し
たいときに繊維自体の剛性が低いため繊維体がへたって
しまい、厚みを確保できないという問題が発生するから
である。従って、繊維集合体のフレームを形成する考え
から、繊維剛性の高い太い繊維を最低でも10重量%以
上用いることが必要である。配合量が10重量%未満に
なると、繊維集合体の厚さを確保することが困難とな
る。
構成され、繊維集合体層の中に10〜30重量%の割合
で配合をする。これは高密度層の中に比較的太い繊維の
配合が多少必要であることを意味する。遮音性能を付与
させるには、細い繊維の配合率を上げればよいが、それ
に伴い繊維集合体自体の形状繊維性は低下する。例え
ば、繊維集合体を低目付0.4kg/m2で40mmに作製し
たいときに繊維自体の剛性が低いため繊維体がへたって
しまい、厚みを確保できないという問題が発生するから
である。従って、繊維集合体のフレームを形成する考え
から、繊維剛性の高い太い繊維を最低でも10重量%以
上用いることが必要である。配合量が10重量%未満に
なると、繊維集合体の厚さを確保することが困難とな
る。
【0043】この繊維Bの配合により、形状維持性に反
比例して遮音性能は低下するので高い割合で配合するこ
とは適当でない。遮音性能を保持しつつ、形状維持性を
得るには、最高でも30重量%に抑えなければならな
い。配合量が30重量%を超えると満足な遮音性能を得
られない。繊維Bは繊維径20〜40μm の繊維を15
〜25重量%配合させるのが更に良いが特に限定しな
い。
比例して遮音性能は低下するので高い割合で配合するこ
とは適当でない。遮音性能を保持しつつ、形状維持性を
得るには、最高でも30重量%に抑えなければならな
い。配合量が30重量%を超えると満足な遮音性能を得
られない。繊維Bは繊維径20〜40μm の繊維を15
〜25重量%配合させるのが更に良いが特に限定しな
い。
【0044】更に、この繊維Bは、長さ方向に垂直な断
面の中央部に開口部を有する、中空繊維であることが望
ましい。これは中空にすることにより効果的に繊維の剛
性を上げられるため、少量の配合で形状維持性を向上さ
せられる。また、中空になった分、表面積が増加するた
め、吸音性能に向上もみられる。よって繊維Bは中空繊
維を配合するのが特に有効であるが、限定は行わない。
面の中央部に開口部を有する、中空繊維であることが望
ましい。これは中空にすることにより効果的に繊維の剛
性を上げられるため、少量の配合で形状維持性を向上さ
せられる。また、中空になった分、表面積が増加するた
め、吸音性能に向上もみられる。よって繊維Bは中空繊
維を配合するのが特に有効であるが、限定は行わない。
【0045】繊維Cは繊維径10〜20μm の繊維で上
記繊維A,Bより軟化点が少なくとも20℃は低い繊維
(以下、バインダー繊維と言う)であり、繊維集合体の
中に10〜30重量%の割合で配合をする。これは高密
度層の中に成形性を付与することができる繊維の配合が
多少必要であることを意味する。遮音材は、遮音の要求
される部位への密着性が性能を向上させるために大きな
要因となっており、繊維集合体は複雑な面形状に追従す
る形状に成形できることが必要である。前述の短繊維の
使用により追従性を向上させることができるが、その形
状を維持するためにはバインダー繊維の配合が必要であ
る。加熱成形時には、繊維A,Bを型の形状に拘束した
状態でバインダー繊維が軟化し、接着するので、細かな
面形状の維持が可能となる。
記繊維A,Bより軟化点が少なくとも20℃は低い繊維
(以下、バインダー繊維と言う)であり、繊維集合体の
中に10〜30重量%の割合で配合をする。これは高密
度層の中に成形性を付与することができる繊維の配合が
多少必要であることを意味する。遮音材は、遮音の要求
される部位への密着性が性能を向上させるために大きな
要因となっており、繊維集合体は複雑な面形状に追従す
る形状に成形できることが必要である。前述の短繊維の
使用により追従性を向上させることができるが、その形
状を維持するためにはバインダー繊維の配合が必要であ
る。加熱成形時には、繊維A,Bを型の形状に拘束した
状態でバインダー繊維が軟化し、接着するので、細かな
面形状の維持が可能となる。
【0046】繊維径が10μm 未満のバインダー繊維
は、一般的でなく、コストが高くなると共に、加熱成形
時にバインダー繊維自体にへたりが生じるばかりか、完
全に繊維が軟化した状態で形状ができてしまうため、繊
維集合体が硬化してしまい、ばね定数が大幅に上昇し、
遮音性能が低下する。逆に、バインダー繊維の繊維径が
20μm を超えると、相対的に繊維の本数が減少するた
め、他繊維との接合点が減少し、形状が維持できなくな
るためである。
は、一般的でなく、コストが高くなると共に、加熱成形
時にバインダー繊維自体にへたりが生じるばかりか、完
全に繊維が軟化した状態で形状ができてしまうため、繊
維集合体が硬化してしまい、ばね定数が大幅に上昇し、
遮音性能が低下する。逆に、バインダー繊維の繊維径が
20μm を超えると、相対的に繊維の本数が減少するた
め、他繊維との接合点が減少し、形状が維持できなくな
るためである。
【0047】繊維の配合量が10重量%未満になると、
繊維の割合が少なすぎ、形状を維持することができな
い。逆に、配合量が30重量%を超えると、加工後の繊
維集合体が硬化してしまい遮音性能が低下する
繊維の割合が少なすぎ、形状を維持することができな
い。逆に、配合量が30重量%を超えると、加工後の繊
維集合体が硬化してしまい遮音性能が低下する
【0048】また、軟化点が少なくとも20℃低い繊維
としたのは、繊維集合体としての形状を維持させなが
ら、加熱しプレス成形して製品を作成するために最低必
要な繊維自身の軟化点の差異である。これよりも軟化点
の差が小さくなると、繊維体全体が軟化し、完全に溶け
て板状になってしまう。繊維Cは20〜25重量%配合
させるのが更に良いが特に限定しない。
としたのは、繊維集合体としての形状を維持させなが
ら、加熱しプレス成形して製品を作成するために最低必
要な繊維自身の軟化点の差異である。これよりも軟化点
の差が小さくなると、繊維体全体が軟化し、完全に溶け
て板状になってしまう。繊維Cは20〜25重量%配合
させるのが更に良いが特に限定しない。
【0049】繊維集合体中の低密度層は、繊維径10〜
20μm の繊維(繊維A)が90〜100重量%と、前
記の繊維より少なくとも20℃は軟化点の低い繊維であ
って、繊維径10〜20μm の繊維(繊維C)が0〜1
0重量%とで構成されていることを特徴とする。この層
は、ばね定数を低減させる効果を目的として積層されて
いる。
20μm の繊維(繊維A)が90〜100重量%と、前
記の繊維より少なくとも20℃は軟化点の低い繊維であ
って、繊維径10〜20μm の繊維(繊維C)が0〜1
0重量%とで構成されていることを特徴とする。この層
は、ばね定数を低減させる効果を目的として積層されて
いる。
【0050】この低密度層は、高密度層よりも構成され
る繊維の平均繊維径が小さいことが特徴である。従って
前述しようにこの層自体のばね定数は低く設定すること
ができ、更に繊維集合体のばね定数もこの層の存在によ
り低減される。
る繊維の平均繊維径が小さいことが特徴である。従って
前述しようにこの層自体のばね定数は低く設定すること
ができ、更に繊維集合体のばね定数もこの層の存在によ
り低減される。
【0051】この低密度層は、繊維剛性が殆ど必要ない
ため、繊維Bの配合は不要である。また、バインダー繊
維である繊維Cの配合もばね定数を低減させる目的のた
めには、出来るだけ少ない方が良い。繊維Cの配合が1
0重量%を超えると、繊維同士の結合が強固になり、ば
ね定数が上昇し好ましくない。しかし、繊維Cの配合が
無くても繊維同士をニードルパンチやカードレーヤー工
程での繊維の絡み合いにより不織布化させることができ
るため、繊維Aのみの層でも可能である。
ため、繊維Bの配合は不要である。また、バインダー繊
維である繊維Cの配合もばね定数を低減させる目的のた
めには、出来るだけ少ない方が良い。繊維Cの配合が1
0重量%を超えると、繊維同士の結合が強固になり、ば
ね定数が上昇し好ましくない。しかし、繊維Cの配合が
無くても繊維同士をニードルパンチやカードレーヤー工
程での繊維の絡み合いにより不織布化させることができ
るため、繊維Aのみの層でも可能である。
【0052】繊維Cの配合要件から、繊維Aの配合は9
0〜100重量%と決定される。基本的には、構成され
る繊維の平均径が小さいほど、ばね定数は低減されるの
で、繊維C以外の繊維は細径である繊維Aとするのがば
ね定数の低減に対して効果がある。
0〜100重量%と決定される。基本的には、構成され
る繊維の平均径が小さいほど、ばね定数は低減されるの
で、繊維C以外の繊維は細径である繊維Aとするのがば
ね定数の低減に対して効果がある。
【0053】ばね定数を低減させるための低密度層はで
きるだけ薄い方が成形性の点で有利となる。これは細径
繊維の配合が多いと、繊維集合体の切断や打ち抜きが困
難になるからである。しかし、低密度層があまり薄い
と、ばね定数の低減効果が小さくなるため、厚い状態で
繊維集合体のトリム性やピアス性を向上させるには繊維
Cを5重量%程度配合すると良いが特に限定は行わな
い。これは、繊維Cの存在で低密度層全体のまとまり性
が向上するため、切れやすくなるためである。
きるだけ薄い方が成形性の点で有利となる。これは細径
繊維の配合が多いと、繊維集合体の切断や打ち抜きが困
難になるからである。しかし、低密度層があまり薄い
と、ばね定数の低減効果が小さくなるため、厚い状態で
繊維集合体のトリム性やピアス性を向上させるには繊維
Cを5重量%程度配合すると良いが特に限定は行わな
い。これは、繊維Cの存在で低密度層全体のまとまり性
が向上するため、切れやすくなるためである。
【0054】本発明においては、繊維集合体層中の高密
度層と低密度層の結合は、ニードルパンチ工法および/
または接着材を用いることにより、または高密度層およ
び/または低密度層に存在する繊維Cの存在により結合
されていることに特徴がある。
度層と低密度層の結合は、ニードルパンチ工法および/
または接着材を用いることにより、または高密度層およ
び/または低密度層に存在する繊維Cの存在により結合
されていることに特徴がある。
【0055】繊維集合体の全体のばね定数は、この各層
の結合状態に大きく依存されるため、全体のばね定数を
上昇させないように各層を結合させることが重要であ
る。ニードルパンチ工法は、低密度層の一部を高密度層
の中に針を用いて植え込む工法であるため、低密度部と
高密度部の密着性が高く、繊維集合体としてのトリム性
やピアス性を向上させるのに有効である。
の結合状態に大きく依存されるため、全体のばね定数を
上昇させないように各層を結合させることが重要であ
る。ニードルパンチ工法は、低密度層の一部を高密度層
の中に針を用いて植え込む工法であるため、低密度部と
高密度部の密着性が高く、繊維集合体としてのトリム性
やピアス性を向上させるのに有効である。
【0056】接着剤を用いる工法は、殆どの種類の2層
品を結合させることが可能であり、更に結合力も高い。
しかし、接着剤を使用するためコストが高くなり、大量
に使用することで低密度層、または高密度層上で硬化
し、ばね定数が高くなる可能性があるため、使用量には
注意が必要である。
品を結合させることが可能であり、更に結合力も高い。
しかし、接着剤を使用するためコストが高くなり、大量
に使用することで低密度層、または高密度層上で硬化
し、ばね定数が高くなる可能性があるため、使用量には
注意が必要である。
【0057】高密度層および/または低密度層に存在す
るバインダー繊維によっても両者は結合され、繊維集合
体層を形成することができる。自動車用内装材で低密度
層の機械的強度が問題ないような部位、例えば取り付け
た後は外力がかからない様な部品には、この手法が適し
ている。本手法は低バネ層をばね定数の上昇をできるだ
け抑える形で高密度層に結合させることが可能であるた
め有効であると共に、コスト的にも適している。
るバインダー繊維によっても両者は結合され、繊維集合
体層を形成することができる。自動車用内装材で低密度
層の機械的強度が問題ないような部位、例えば取り付け
た後は外力がかからない様な部品には、この手法が適し
ている。本手法は低バネ層をばね定数の上昇をできるだ
け抑える形で高密度層に結合させることが可能であるた
め有効であると共に、コスト的にも適している。
【0058】本発明の自動車用吸音材は、繊維集合体層
を構成する1以上の高密度層と低密度層との間に少なく
とも高密度層の通気抵抗の少なくとも2倍の高通気抵抗
層11を有することが更に好ましい(図4参照)。高密
度層を質量部として有効に用いるためには、高密度層と
低密度層とを通気量的に絶縁することが好ましい。従っ
て高密度層と低密度層との間に高通気抵抗層を挿入する
ことは、1次、2次の共振周波数が明確に規定されるた
め、遮音性能のチューニングのためには非常に有効であ
る。
を構成する1以上の高密度層と低密度層との間に少なく
とも高密度層の通気抵抗の少なくとも2倍の高通気抵抗
層11を有することが更に好ましい(図4参照)。高密
度層を質量部として有効に用いるためには、高密度層と
低密度層とを通気量的に絶縁することが好ましい。従っ
て高密度層と低密度層との間に高通気抵抗層を挿入する
ことは、1次、2次の共振周波数が明確に規定されるた
め、遮音性能のチューニングのためには非常に有効であ
る。
【0059】高通気抵抗層11は、通気抵抗的に、高密
度層の通気抵抗の少なくとも2倍である必要がある。通
気抵抗が2倍よりも小さい場合には、通気抵抗的に大き
く変わらないため、高通気抵抗層の設定の意味がなくな
る。また、高密度層と低密度層の通気的絶縁性は、高い
ほど遮音性能のチューニング性には有効であるため、基
本的に上限はないが、実際的には100倍程度でチュー
ニングに対する通気抵抗的な変化が無くなるが特に限定
は行わない。
度層の通気抵抗の少なくとも2倍である必要がある。通
気抵抗が2倍よりも小さい場合には、通気抵抗的に大き
く変わらないため、高通気抵抗層の設定の意味がなくな
る。また、高密度層と低密度層の通気的絶縁性は、高い
ほど遮音性能のチューニング性には有効であるため、基
本的に上限はないが、実際的には100倍程度でチュー
ニングに対する通気抵抗的な変化が無くなるが特に限定
は行わない。
【0060】この高通気抵抗層は、繊維集合体や高分子
フィルム等を用いることができるが特に限定は行わな
い。また、この層の結合法も前述した高密度層と低密度
層の結合法と基本的に同様である。しかし、ニードルパ
ンチ工程はフィルム等に穴をあける可能性があり、通気
的な観点からはあまり好ましいとは言えない。
フィルム等を用いることができるが特に限定は行わな
い。また、この層の結合法も前述した高密度層と低密度
層の結合法と基本的に同様である。しかし、ニードルパ
ンチ工程はフィルム等に穴をあける可能性があり、通気
的な観点からはあまり好ましいとは言えない。
【0061】本発明の自動車用内装材を自動車用ダッシ
ュインシュレータに適用することは、非常に有効であ
る。自動車用ダッシュインシュレータは、自動車のボデ
ィーパネルと高分子層であるゴム表皮、またはポリビニ
ルクロライド(PVC)との間で2重壁遮音構造体を形
成している。このとき遮音性能を決定する要因は、高分
子層の重量が同じである場合には、2重壁の中間層であ
る繊維集合体層のばね定数や吸音性能である。本発明の
自動車用内装材は、遮音性能の低周波域で性能が高く、
更に特定周波数域で遮音性能を向上させるため、自動車
用ダッシュインシュレータの目的と合致するため特に適
している。
ュインシュレータに適用することは、非常に有効であ
る。自動車用ダッシュインシュレータは、自動車のボデ
ィーパネルと高分子層であるゴム表皮、またはポリビニ
ルクロライド(PVC)との間で2重壁遮音構造体を形
成している。このとき遮音性能を決定する要因は、高分
子層の重量が同じである場合には、2重壁の中間層であ
る繊維集合体層のばね定数や吸音性能である。本発明の
自動車用内装材は、遮音性能の低周波域で性能が高く、
更に特定周波数域で遮音性能を向上させるため、自動車
用ダッシュインシュレータの目的と合致するため特に適
している。
【0062】本発明の自動車用内装材は、ダッシュイン
シュレータ以外に、フロアカーペット、ヘッドライニン
グ、ドアトリム、内装トリム、シートバック等の車外の
騒音が車室内に浸入する場合に騒音が透過する部品に適
している。このような部品に本発明の自動車用内装材を
用いることで、比較的硬化な車体パネルと自動車用内装
材の高分子層との間で2重壁遮音構造体を形成させ、外
部騒音を有効に遮断することが可能となる。
シュレータ以外に、フロアカーペット、ヘッドライニン
グ、ドアトリム、内装トリム、シートバック等の車外の
騒音が車室内に浸入する場合に騒音が透過する部品に適
している。このような部品に本発明の自動車用内装材を
用いることで、比較的硬化な車体パネルと自動車用内装
材の高分子層との間で2重壁遮音構造体を形成させ、外
部騒音を有効に遮断することが可能となる。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0064】実施例1 面密度1.0kg/m2の繊維集合体層と面密度4.0kg/
m2のゴムからなる高分子層を積層した自動車用内装材で
あり、繊維集合体層は高密度層の両側に低密度層が位置
する3層構造で構成した。繊維集合体層の高密度層は、
繊維径14μm、繊維長50mmのポリエステル繊維A
(以下、繊維Aと略す)が60重量%と、繊維径25μ
m 、繊維長50mmのポリエステル繊維B(以下、繊維B
と略す)が20重量%と、繊維径14μm 、繊維長50
mmで繊維A,Bと軟化点が130℃低いポリエステル繊
維C(以下、繊維Cと略す)が20重量%で構成した高
密度繊維集合体層であり、繊維集合体層の厚さの88%
の厚さにした。また、繊維集合体層の2つの低密度層
は、共に繊維Aが重量95%と繊維Cが5重量%で構成
し、それぞれ繊維集合体の厚さの6%の厚さにした。高
密度層と低密度層は、その両層に配合されている繊維C
により互いに接着され、30mmの繊維集合体層を構成し
た。以上の構成で1次共振周波数を約200Hz、2次共
振周波数を約2kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向
上を目的とする自動車用内装材(1)を作成した。
m2のゴムからなる高分子層を積層した自動車用内装材で
あり、繊維集合体層は高密度層の両側に低密度層が位置
する3層構造で構成した。繊維集合体層の高密度層は、
繊維径14μm、繊維長50mmのポリエステル繊維A
(以下、繊維Aと略す)が60重量%と、繊維径25μ
m 、繊維長50mmのポリエステル繊維B(以下、繊維B
と略す)が20重量%と、繊維径14μm 、繊維長50
mmで繊維A,Bと軟化点が130℃低いポリエステル繊
維C(以下、繊維Cと略す)が20重量%で構成した高
密度繊維集合体層であり、繊維集合体層の厚さの88%
の厚さにした。また、繊維集合体層の2つの低密度層
は、共に繊維Aが重量95%と繊維Cが5重量%で構成
し、それぞれ繊維集合体の厚さの6%の厚さにした。高
密度層と低密度層は、その両層に配合されている繊維C
により互いに接着され、30mmの繊維集合体層を構成し
た。以上の構成で1次共振周波数を約200Hz、2次共
振周波数を約2kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向
上を目的とする自動車用内装材(1)を作成した。
【0065】実施例2 繊維集合体層中の2つの低密度層を繊維A100%で構
成した他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を
構成し、1次共振周波数を約150Hz、2次共振周波数
を約1.8kHz に設定し、250Hzの遮音性能の向上を
目的とする自動車用内装材(2)を作成した。
成した他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を
構成し、1次共振周波数を約150Hz、2次共振周波数
を約1.8kHz に設定し、250Hzの遮音性能の向上を
目的とする自動車用内装材(2)を作成した。
【0066】実施例3 繊維集合体層中の2つの低密度層の繊維集合体層の全体
に対する厚さをそれぞれ10%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約130Hz、2次共振周波数を約1.7kHz に設定
し、230Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内
装材(3)を作成した。
に対する厚さをそれぞれ10%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約130Hz、2次共振周波数を約1.7kHz に設定
し、230Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内
装材(3)を作成した。
【0067】実施例4 繊維集合体層中の2つの低密度層の繊維集合体層の全体
に対する厚さをそれぞれ25%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約100Hz、2次共振周波数を約1.6kHz に設定
し、150Hzの遮音性能の向上を目的する自動車用内装
材(4)を作成した。
に対する厚さをそれぞれ25%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約100Hz、2次共振周波数を約1.6kHz に設定
し、150Hzの遮音性能の向上を目的する自動車用内装
材(4)を作成した。
【0068】実施例5 繊維集合体層中の2つの低密度層の繊維集合体層の全体
に対する厚さをそれぞれ35%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約50Hz、2次共振周波数を約1.0kHz に設定し、
100Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材
(5)を作成した。
に対する厚さをそれぞれ35%にした他は、実施例1と
全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数
を約50Hz、2次共振周波数を約1.0kHz に設定し、
100Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材
(5)を作成した。
【0069】実施例6 一方の繊維集合体層中の高分子層側の低密度層の繊維集
合体層に対する厚さを10%とし、他方の低密度層の繊
維集合体層全体に対する厚さを40%にした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約150Hz、2次共振周波数を約1.2kHz に
設定し、160Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(6)を作成した。
合体層に対する厚さを10%とし、他方の低密度層の繊
維集合体層全体に対する厚さを40%にした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約150Hz、2次共振周波数を約1.2kHz に
設定し、160Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(6)を作成した。
【0070】実施例7 一方の繊維集合体層中の高分子層側の低密度層の繊維集
合体層に対する厚さを40%とし、他方の低密度層の繊
維集合体層全体に対する厚さを10%にした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約110Hz、2次共振周波数を約1.5kHz に
設定し、110Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(7)を作成した。
合体層に対する厚さを40%とし、他方の低密度層の繊
維集合体層全体に対する厚さを10%にした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約110Hz、2次共振周波数を約1.5kHz に
設定し、110Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(7)を作成した。
【0071】実施例8 一方の繊維集合体層中の高分子層側の低密度層の繊維配
合を繊維Aが95重量%と繊維Cが5重量%とで構成
し、他方の低密度層の繊維配合を繊維Aが100重量%
のみで構成した他は、実施例1と全く同様にして繊維集
合体層を構成し、1次共振周波数を約180Hz、2次共
振周波数を約1.9kHz に設定し、280Hzの遮音性能
の向上を目的とする自動車用内装材(8)を作成した。
合を繊維Aが95重量%と繊維Cが5重量%とで構成
し、他方の低密度層の繊維配合を繊維Aが100重量%
のみで構成した他は、実施例1と全く同様にして繊維集
合体層を構成し、1次共振周波数を約180Hz、2次共
振周波数を約1.9kHz に設定し、280Hzの遮音性能
の向上を目的とする自動車用内装材(8)を作成した。
【0072】実施例9 繊維集合体層中の低密度層と高密度層とを高分子の接着
剤を用いて接着した他は、実施例1と全く同様にして繊
維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200Hz、2
次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hzの遮音
性能の向上を目的とする自動車用内装材(9)を作成し
た。
剤を用いて接着した他は、実施例1と全く同様にして繊
維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200Hz、2
次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hzの遮音
性能の向上を目的とする自動車用内装材(9)を作成し
た。
【0073】実施例10 繊維集合体層中の低密度層と高密度層とをニードルパン
チ工程で積層一体構造に成形した他は、実施例1と全く
同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約
200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、3
00Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材
(10)を作成した。
チ工程で積層一体構造に成形した他は、実施例1と全く
同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約
200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、3
00Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材
(10)を作成した。
【0074】実施例11 繊維集合体層中の2つの低密度層と高密度層との間にそ
れぞれ通気抵抗が高密度層の約10倍の高分子フィルム
を挿入し、低密度層、高密度層、各々に配合されている
繊維Cによって接合した他は、実施例1と全く同様にし
て繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200H
z、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hz
の遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材(11)
を作成した。
れぞれ通気抵抗が高密度層の約10倍の高分子フィルム
を挿入し、低密度層、高密度層、各々に配合されている
繊維Cによって接合した他は、実施例1と全く同様にし
て繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200H
z、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hz
の遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材(11)
を作成した。
【0075】実施例12 繊維集合体層中の2つの低密度層と高密度層との間にそ
れぞれ通気抵抗が高密度層の約5倍の高密度不織布を挿
入し、低密度層、高密度層、各々に配合されている繊維
Cによって接合した他は、実施例1と全く同様にして繊
維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200Hz、2
次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hzの遮音
性能の向上を目的とする自動車用内装材(12)を作成
した。
れぞれ通気抵抗が高密度層の約5倍の高密度不織布を挿
入し、低密度層、高密度層、各々に配合されている繊維
Cによって接合した他は、実施例1と全く同様にして繊
維集合体層を構成し、1次共振周波数を約200Hz、2
次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300Hzの遮音
性能の向上を目的とする自動車用内装材(12)を作成
した。
【0076】実施例13 自動車用内装材の高分子層の面密度を2.0kg/m2とし
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約300Hz、2次共振周波数を約
2.5kHz に設定し、350Hzの遮音性能の向上を目的
する自動車用内装材(13)を作成した。
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約300Hz、2次共振周波数を約
2.5kHz に設定し、350Hzの遮音性能の向上を目的
する自動車用内装材(13)を作成した。
【0077】実施例14 自動車用内装材の高分子層の面密度を8.0kg/m2とし
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約50Hz、2次共振周波数を約
0.8kHz に設定し、80Hzの遮音性能の向上を目的と
する自動車用内装材(14)を作成した。
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約50Hz、2次共振周波数を約
0.8kHz に設定し、80Hzの遮音性能の向上を目的と
する自動車用内装材(14)を作成した。
【0078】実施例15 繊維集合体層の高密度層の繊維配合を繊維A80重量
%、繊維B10重量%、繊維C10重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体を構成し、1次共
振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz
に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自動
車用内装材(15)を作成した。
%、繊維B10重量%、繊維C10重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体を構成し、1次共
振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz
に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自動
車用内装材(15)を作成した。
【0079】実施例16 繊維集合体層の高密度層の繊維配合を繊維A40重量
%、繊維B30重量%、繊維C30重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次
共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kH
z に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自
動車用内装材(16)を作成した。
%、繊維B30重量%、繊維C30重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次
共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kH
z に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自
動車用内装材(16)を作成した。
【0080】実施例17 繊維集合体層の高密度層の面密度を0.5kg/m2とした
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約300Hz、2次共振周波数を約
2.5kHz に設定し、350Hzの遮音性能の向上を目的
とする自動車用内装材(17)を作成した。
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約300Hz、2次共振周波数を約
2.5kHz に設定し、350Hzの遮音性能の向上を目的
とする自動車用内装材(17)を作成した。
【0081】実施例18 繊維集合体層の高密度層の面密度を1.4kg/m2とした
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約100Hz、2次共振周波数を
約1.5kHz に設定し、150Hzの遮音性能の向上を目
的とする自動車用内装材(18)を作成した。
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成
し、1次共振周波数を約100Hz、2次共振周波数を
約1.5kHz に設定し、150Hzの遮音性能の向上を目
的とする自動車用内装材(18)を作成した。
【0082】実施例19 面密度1.0kg/m2の繊維集合体層と面密度4.0kg/
m2のゴムからなる高分子層を積層した自動車用内装材で
あり、繊維集合体層は2つの高密度層と3つの低密度層
を有し、低密度層は中央部と繊維集合体層の両側に位置
する5層構造で構成した。繊維集合体層の2つの高密度
層は、繊維Aが60重量%と、繊維Bが20重量%と、
繊維Cが20重量%とで構成した高密度繊維集合体であ
り、共に繊維集合体の厚さの44%の厚さにし、高密度
層全体では88%になる。また、繊維集合体層中の3つ
の低密度層は共に繊維Aが95重量%と繊維Cが5重量
%とで構成し、それぞれ繊維集合体の厚さの3%の厚さ
に、低密度層全体では12%とした。高密度層と低密度
層は、その両層に配合されている繊維Cにより互いに接
着され、30mmの繊維集合体層を構成した。以上の構成
で1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約
2kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(19)を作成した。
m2のゴムからなる高分子層を積層した自動車用内装材で
あり、繊維集合体層は2つの高密度層と3つの低密度層
を有し、低密度層は中央部と繊維集合体層の両側に位置
する5層構造で構成した。繊維集合体層の2つの高密度
層は、繊維Aが60重量%と、繊維Bが20重量%と、
繊維Cが20重量%とで構成した高密度繊維集合体であ
り、共に繊維集合体の厚さの44%の厚さにし、高密度
層全体では88%になる。また、繊維集合体層中の3つ
の低密度層は共に繊維Aが95重量%と繊維Cが5重量
%とで構成し、それぞれ繊維集合体の厚さの3%の厚さ
に、低密度層全体では12%とした。高密度層と低密度
層は、その両層に配合されている繊維Cにより互いに接
着され、30mmの繊維集合体層を構成した。以上の構成
で1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約
2kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(19)を作成した。
【0083】比較例1 繊維集合体層の面密度を0.3kg/m2とした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に
設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(20)を作成した。
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次共振
周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に
設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車
用内装材(20)を作成した。
【0084】比較例2 繊維集合体層の面密度を2.0kg/m2とした他は、実施
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成したが、部品
重量が重くなり、自動車用内装材(21)としては適し
ているとは言えなかった。
例1と全く同様にして繊維集合体層を構成したが、部品
重量が重くなり、自動車用内装材(21)としては適し
ているとは言えなかった。
【0085】比較例3 繊維集合体層に対する高密度層の厚さを20%とした他
は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、
1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.
0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(22)を作成した。
は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、
1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.
0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(22)を作成した。
【0086】比較例4 繊維集合体層に対する高密度層の厚さを96%とした他
は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、
1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.
0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(23)を作成した。
は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、
1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.
0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とす
る自動車用内装材(23)を作成した。
【0087】比較例5 自動車用内装材の高分子層の面密度を0.5kg/m2とし
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体を構成
し、1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約
2.0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的
とする自動車用内装材(24)を作成した。
た他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体を構成
し、1次共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約
2.0kHz に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的
とする自動車用内装材(24)を作成した。
【0088】比較例6 自動車用内装材の高分子層の面密度を11kg/m2とした
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し
たが、部品重量が重くなり、自動車用内装材としては適
しているとは言えなかった。
他は、実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し
たが、部品重量が重くなり、自動車用内装材としては適
しているとは言えなかった。
【0089】比較例7 繊維集合体層の高密度層の繊維配合を繊維A30重量
%、繊維B40重量%、繊維C30重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次
共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kH
z に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自
動車用内装材(25)を作成した。
%、繊維B40重量%、繊維C30重量%とした他は、
実施例1と全く同様にして繊維集合体層を構成し、1次
共振周波数を約200Hz、2次共振周波数を約2.0kH
z に設定し、300Hzの遮音性能の向上を目的とする自
動車用内装材(25)を作成した。
【0090】比較例8 繊維集合体層の高密度層の繊維配合を繊維A90重量
%、繊維B10重量%とした他は、実施例1と全く同様
にして繊維集合体層を構成しようとしたが、バインダー
成分の欠如により、繊維集合体を形成することができな
かった。
%、繊維B10重量%とした他は、実施例1と全く同様
にして繊維集合体層を構成しようとしたが、バインダー
成分の欠如により、繊維集合体を形成することができな
かった。
【0091】比較例9 繊維集合体層の低密度層の繊維配合を繊維A80重量
%、繊維C20重量%とした他は、実施例1と全く同様
にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約20
0Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300
Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材(2
6)を作成した。
%、繊維C20重量%とした他は、実施例1と全く同様
にして繊維集合体層を構成し、1次共振周波数を約20
0Hz、2次共振周波数を約2.0kHz に設定し、300
Hzの遮音性能の向上を目的とする自動車用内装材(2
6)を作成した。
【0092】試験例 上記実施例1〜19、従来例、および比較例1〜9で得
られた遮音材料について、以下の実験を実施した。
られた遮音材料について、以下の実験を実施した。
【0093】ばね定数の測定 上記の各実施例、比較例、および従来例の方法によって
得られたサンプルについて、強制加振法により得られた
曲線をカーブフィッティング法により収束計算し、動ば
ね定数の数値を算出した。
得られたサンプルについて、強制加振法により得られた
曲線をカーブフィッティング法により収束計算し、動ば
ね定数の数値を算出した。
【0094】遮音性能の測定 上記の各実施例、比較例、および従来例の方法によって
得られたサンプルについて、JIS1416の残響室−
残響室を利用した音響投下損失を測定した。各サンプル
について面密度を統一し、高密度層と同じ配合の単層繊
維集合体に4.0Kg/m2 の高分子層を積層したものを基
準サンプル(0dB基準)として遮音性能差を算出し
た。更に、この差を低周波数域(300Hz以下)と、
中周波数域(300〜500Hz)と、高周波数域(5
00Hz以上)とで平均し、その結果をグラフにまとめ
た(図6参照)。
得られたサンプルについて、JIS1416の残響室−
残響室を利用した音響投下損失を測定した。各サンプル
について面密度を統一し、高密度層と同じ配合の単層繊
維集合体に4.0Kg/m2 の高分子層を積層したものを基
準サンプル(0dB基準)として遮音性能差を算出し
た。更に、この差を低周波数域(300Hz以下)と、
中周波数域(300〜500Hz)と、高周波数域(5
00Hz以上)とで平均し、その結果をグラフにまとめ
た(図6参照)。
【0095】これらの試験結果を表1および表2に示
す。
す。
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】表1および表2から実施例で作成した各自
動車用内装材は、単層の繊維集合体を使用したものに比
べ、ばね定数が低下し、遮音性能が全周波数にわたって
向上していることを確認することができた。
動車用内装材は、単層の繊維集合体を使用したものに比
べ、ばね定数が低下し、遮音性能が全周波数にわたって
向上していることを確認することができた。
【0098】これに対し、特許請求の範囲から外れる仕
様で作成した比較例は、遮音性能について満足な値を得
ることができないか、部品上の問題点が上げられ、自動
車用内装材として実施することができなかった。判断基
準としては、基準サンプルとの遮音性能のレベル差が全
ての周波数範囲において3.0dB以上ないものは不適
とした。
様で作成した比較例は、遮音性能について満足な値を得
ることができないか、部品上の問題点が上げられ、自動
車用内装材として実施することができなかった。判断基
準としては、基準サンプルとの遮音性能のレベル差が全
ての周波数範囲において3.0dB以上ないものは不適
とした。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車用
内装材は、低密度層のばね定数を低減することができ、
従来の単層の低密度層より遮音性能が格段に向上し、目
的とする特定周波数を効果的に向上させることができ
る。
内装材は、低密度層のばね定数を低減することができ、
従来の単層の低密度層より遮音性能が格段に向上し、目
的とする特定周波数を効果的に向上させることができ
る。
【図1】車両に搭載されたダッシュインシュレータの模
試図である。
試図である。
【図2】ダッシュインシュレータの模試図である。
【図3】自動車用内装材の模試図である。
【図4】自動車用内装材の模試図である。
【図5】自動車用内装材の音響透過損失図である。
【図6】自動車用内装材のマス−ばねのモデル図であ
る。
る。
1 ダッシュインシュレータ 2 ダッシュパネル 3 高分子層 4 低密度層 5 ダッシュパネル 6 高分子層 7 繊維集合体層 8 高密度層 9 低密度層 10 低密度層 11 高通気抵抗層 12 ml 13 m2 14 kl 15 k2 16 一次共振周波数 17 2次共振周波数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10K 11/16 G10K 11/16 D (72)発明者 折茂 元弘 神奈川県高座郡寒川町宮山3316番地 河西 工業株式会社寒川本社工場内 (72)発明者 渡辺 恭一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 根本 好一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 車体パネルの車室内側に位置するように
設置された、密度の異なる少なくとも3層以上の合成繊
維を主成分とする積層繊維集合体から構成される繊維集
合体層と、通気性を有さない高分子層とで構成されてい
ることを特徴とする自動車用内装材。 - 【請求項2】 合成繊維がポリエステル、ナイロン、ポ
リアクリロニトリル、ポリアセテート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、線状ポリエステル、ポリアミドから成
る群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1記載の自動車用内装材。 - 【請求項3】 合成繊維がポリエステルであることを特
徴とする請求項1または2記載の自動車用内装材。 - 【請求項4】 高分子層が天然ゴム、合成ゴムおよび合
成樹脂から成る群から選ばれた少なくとも1種であるこ
とを特徴とする請求項1記載の自動車用内装材。 - 【請求項5】 繊維集合体層の内部層が表面層よりも高
密度であり、前記繊維集合体層全体の面密度で均一に単
層繊維集合体を構成した場合よりも積層体にした場合の
方が、前記繊維集合体層全体のばね定数が低く設定する
ことができることを特徴とする請求項1記載の自動車用
内装材。 - 【請求項6】 繊維集合体層が繊維径10〜40μm 、
繊維長10〜100mmの繊維から構成され、かつ面密度
0.5〜1.5kg/m2の繊維集合体であり、高分子層が
面密度1〜10kg/m2の高分子で構成されていることを
特徴とする請求項1乃至6記載の自動車用内装材。 - 【請求項7】 繊維集合体層の厚さ、面密度、該繊維集
合体層を構成する各層の厚さ、面密度、繊維配合を操作
することにより、高分子層と前記繊維集合体層中の高密
度層とを質量部とし、前記繊維集合体層中の低密度層を
ばね部とした少なくとも2自由度以上の振動系におい
て、1次共振周波数、2次共振周波数を任意に設定する
ことができることを特徴とする請求項1乃至6項記載の
自動車用内装材。 - 【請求項8】 繊維集合体層の外側に低密度層が位置
し、前記繊維集合体層の全体厚さに対する繊維集合体層
中の少なくとも1以上の高密度層の総合厚さが30〜9
0%であり、それ以外の少なくとも2以上の低密度層の
厚さ、面密度、繊維配合を変化させることにより、多自
由度振動系の1次共振周波数と2次共振周波数の中間値
の周波数を300〜1kHz の内側に任意に設定できるこ
とを特徴とする請求項1乃至7項記載の自動車用内装
材。 - 【請求項9】 繊維集合体層を構成する高密度層が、繊
維径10〜20μmの繊維(繊維A)が40〜80重量
%と、繊維径20〜40μm の繊維(繊維B)が10〜
30重量%と、前記繊維より少なくとも20℃は軟化点
の低い繊維であって、繊維径10〜20μm の繊維(繊
維C)が10〜30重量%とで構成され、前記繊維集合
体層を構成する低密度層が、繊維径10〜20μm の繊
維(繊維A)が90〜100重量%と、前記繊維より少
なくとも20℃は軟化点の低い繊維であって、繊維径1
0〜20μm の繊維(繊維C)が0〜10重量%とで構
成され、前記高密度層と前記低密度層がニードルパンチ
工法および/または接着剤を用いることにより、または
高密度層および/または低密度層に存在する前記繊維C
の存在により結合されて繊維集合体を構成することを特
徴とする請求項1乃至8項記載の自動車用内装材。 - 【請求項10】 繊維集合体層を構成する1以上の高密
度層と低密度層との間に高密度層の通気抵抗の少なくと
も2倍の高通気抵抗層を有することを特徴とする請求項
1乃至9項記載の自動車用内装材。 - 【請求項11】 自動車用ダッシュインシュレータに適
用することを特徴とする請求項1乃至10項記載の自動
車用内装材。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04804297A JP3247629B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 自動車用内装材 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10236238A true JPH10236238A (ja) | 1998-09-08 |
JP3247629B2 JP3247629B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=12792279
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JP04804297A Expired - Fee Related JP3247629B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 自動車用内装材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
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- 1997-03-03 JP JP04804297A patent/JP3247629B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3247629B2 (ja) | 2002-01-21 |
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