JP2021000739A - 吸音材 - Google Patents

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Ryoichi Tagaito
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Abstract

【課題】繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、特に低周波域での吸音性に優れた吸音材を提供する。【解決手段】繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材において、前記繊維構造体に単繊維径20.0μm以下の極細繊維を含ませる。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、特に低周波域での吸音性に優れた吸音材に関する。
吸音材とは音を吸収する機能を有する製品であって、自動車、住宅、電気製品などの分野において多用されているが、近年製品の高機能化に伴い騒音環境も複雑化し、吸音のニーズも高度化している。例えば自動車業界では、電気自動車の普及により車内やエンジン音が静かになった一方で従来気にならなかった風切り音などの低周波数域の吸音が必要とされ、また、高断熱化した住宅では、残響過多対策が求められるなど、騒音源や使用環境に柔軟に対応できる様な吸音材が求められている。
吸音特性に優れる吸音材としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、発泡フォーム、多孔性セラミック等が従来から使用されてきた。これらの吸音材は人体への健康影響、リサイクルおよび環境適合性の点で問題があり、こうした材料を代替する吸音材として合成繊維を絡合または接着して形成される不織布が、安価かつ成形加工性が良好であるため近年多々使用されている。特に合成繊維を用いた不織布の吸音性能は、高周波数帯での吸音性能が比較的良好である。そして、さらにその性能を向上させるために積層構造にしたり、フイルム等の異素材との組合せなど様々な改良がなされている(例えば、特許文献1〜3)。
しかしながら、低周波域の吸音率の向上の点でまだ検討の余地が残されていた。
特開2001−205725号公報 特開2006−285086号公報 特開2016−121426号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、特に低周波域での吸音性に優れた吸音材を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、前記繊維構造体に単繊維径20.0μm以下の極細繊維が含まれることを特徴とする吸音材。」が提供される。
その際、前記樹脂層がゴムを含むことが好ましい。また、前記樹脂層のヤング率が0.1×10〜6×10N/mの範囲内であることが好ましい。また、前記樹脂層の厚さが0.03〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体において、繊維構造体を構成する繊維が厚さ方向に配列していることが好ましい。また、前記繊維構造体のヤング率が0.1×10〜15×10N/mの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが10〜100mmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の密度が5〜50kg/mの範囲内であることが好ましい。また、前記樹脂層が前記繊維構造体と接着していることが好ましい。また、前記繊維構造体が、単繊維径10.0μm以下の繊維を繊維構造体重量対比20重量%以上含み、かつ単繊維径5.0μm以下の繊維を繊維構造体重量対比20重量%以上含むことが好ましい。また、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において、1/3オクターブ周波数間隔(200〜500Hz)で測定した吸音率値の積分値が1.0以上であり、1/3オクターブ周波数間隔(200〜1000Hz)で測定した吸音率値の積分値が3.0以上であり、かつ1/3オクターブ周波数間隔(200〜5000Hz)で測定した吸音率値の積分値が5.0以上であることが好ましい。
本発明によれば、繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、特に低周波域での吸音性に優れた吸音材が得られる。
T/Hの測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を好ましい実施形態とともに詳述する。本発明の吸音材は、500Hz付近の低い周波数域の音を効果的に吸収するとともに幅広い周波数帯に対して優れた吸音性能を有する。かかる吸音材は、音源側に対向して設置される膜状の樹脂層と、繊維が絡み合わせてなる繊維構造体(「基材層」ということもある。)とで構成される。
ここで、この繊維構造体はそのヤング率が20×10N/m以下(より好ましくは0.1×10〜15×10N/m)であることが好ましい。ここで、ヤング率とは多孔質材料の変形のし難さを示すパラメータで応力と歪の比例定数であり、この値が20×10N/mを超える場合、基材層が硬く変形し難くなり、特に2000Hz以上の高周波域の吸音特性が低下するおそれがある。
前記樹脂層と繊維構造体(基材層)とは、接着により一体化することが好ましい。膜状の樹脂層と繊維構造体(基材層)とを一体化することで、膜状の樹脂層と繊維構造体(基材層)の双方が、ばねの特長を要した質量層を形成する。膜状の樹脂層と繊維構造体(基材層)とを含む繊維系吸音材は質量層となることで、音が繊維系吸音材に入射された際に一体となって音を膜振動により吸収する。また基材層は膜状の樹脂層の振動を緩和するバネとしての機能も有すると考えられ、基材層が硬い場合、基材層のバネとしての機能が損なわれるため高周波域の吸音特性が低下するおそれがある。
なお、膜状の樹脂層と繊維構造体(基材層)とは、接着剤による一体化でも自己融着による一体化でもよく、繊維構造体(基材層)は、膜状の樹脂層の膜振動を損なわないよう形成することが好ましい。
前記繊維構造体(基材層)には、単繊維径が20.0μm以下(好ましくは0.001〜20.0μm、より好ましくは0.8〜10.0μm)の極細繊維が含まれる。該細繊維が含まれない場合、吸音性能、低ヤング率、吸音材の優れた加工性などが得られないおそれがある。特に、前記繊維構造体に単繊維径10.0μm以下の繊維が繊維構造体重量対比20重量%以上(より好ましくは20〜80重量%)含まれ、および/または単繊維径5.0μm以下の繊維が繊維構造体重量対比20重量%以上(より好ましくは20〜80重量%)含まれることが好ましい。なお、ここでいう繊維の直径とは、基材層に含まれる繊維を電子顕微鏡により撮影した画像から任意の単繊維100本の繊維幅を測定し、その平均を求めた値のことである。
繊維の極細化によって繊維が絡み合ってなる繊維構造体(基材層)中の繊維本数が高まることとなる。このため、音波が膜状の樹脂と接触した際に生じる振動エネルギーを基材層が効率的に緩和させることにつながり好適である。一方で、単繊維径が小さすぎると荷重に対する形態保持が低下し「へたり」が発生するおそれがある。なお、前記極細繊維に加えて前記極細繊維よりも単繊維径が大きい繊維を混合してもよい。
前記繊維構造体(基材層)を構成する繊維は特に限定されない。合成繊維であっても天然繊維または無機繊維であってもよく、その一部に熱可塑性繊維あるいは熱可塑性樹脂が含まれていればよい。天然繊維としては、セルロース繊維、タンパク質繊維など、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維などが挙げられる。合成繊維のポリマーとしては、特に限定されるものではないが、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド共重合体、ポリメタフェニレンイソフタラミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート、セルロース、ポリエチレンサルファイド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリウレタン、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリビニルメチルケトン、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ナイロン6、ナイロン66などナイロン系、ポリ臭化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリクロロプレン、ノルボルネン系モノマーの開環重合体およびその水添物、フィブロイン、天然ゴム、キチン、キトサン、コラーゲン、ゼインなどの有機材料が挙げられ、これらは共重合したものであっても、混合物でもよい。また、シリカ、アルミナ、Y、ZrO、チタニアなどのゾルゲル法を利用できる無機材料であってもよい。
前記繊維構造体(基材層)が、熱可塑性繊維とそれ以外の繊維で構成されている場合、熱可塑性繊維の繊維構造体に対する重量比率は5〜100重量%が好ましく、40〜100重量%がより好ましい。
また、前記繊維構造体(基材層)を構成する繊維に、熱可塑性樹脂が付着している場合は、熱可塑性樹脂の基材層の全重量に対する重量比率は5〜50重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
また、基材層には、低融点繊維(例えば、熱接着性複合短繊維など)やバインダー等が含まれていてもよく、極細繊維からなる繊維と混綿し繊維ウエブを形成した後、熱処理することにより接着させることや各種接着剤を使用して接着させる方法も適用できる。ニードルパンチ法で繊維同士をより強固に絡ませる方法もあるが、基材層のバネ効果を保ちながら繊維系吸音材の一体性を保つ観点で低融点繊維やバインダーを含ませ熱処理する方法の方が好ましい。また膜状の樹脂層と基材層との剥離をより強固に行い吸音性能低下を防ぐ点でも好ましい。
なお、低融点繊維の熱接着成分として配される熱可塑性樹脂として、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性のポリエステル系ホモポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ホモポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を用いた場合、繊維系吸音材の振動の吸収性が向上につながりより好ましい。
また、前記繊維構造体(基材層)において、繊維が基材層の厚さ方向(縦方向)に配列していると、振動吸収性が向上し好ましい。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、基材層の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(H)とするとき、T/Hが1.5以上であることである。
このような繊維構造体を製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を任意に採用すればよい。例えば、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、繊維を繊維構造体の厚さ方向に配列させる方法としては、繊維(例えば、前記極細繊維などの主体繊維と低融点繊維)を混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、特開2008−68799号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーデオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。繊維を繊維構造体の厚さ方向に配列させない場合は、繊維を含むウエブを常法により積層した後、加熱処理するとよい。
また、前記繊維構造体(基材層)において、繊維充填密度が5〜50kg/m(より好ましくは7〜30kg/m、特に好ましくは9〜20kg/m)の範囲内であることが好ましい。繊維充填密度が係る範囲であれば、目付けの増加を抑えることとなり、吸音材の軽量化につながるだけでなく、バネの効果が高めることとなり、吸音性能を向上させることが可能となる。
また、前記繊維構造体(基材層)において、優れた吸音性を得る上で、厚さが10〜100mmの範囲内であることが好ましい。
本発明の吸音材において、膜状の樹脂層は膜振動を損なわない柔軟性を有するのが好ましい。
膜状の樹脂層を形成する樹脂は特に限定されないが、柔軟性を有する点で、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)や、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SВR)、イソブチレンゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)などのゴムが好ましく挙げられ、取得したい吸音特性に応じて、単独あるいは複合して用いる。またゴム中には、充填剤、架橋剤、補強剤、可塑剤、架橋助剤、活性剤、スコーチ防止剤、老化防止剤を適宜添加してもよく、加硫系には、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などが必要に応じて用いてもよい。
また、膜状の樹脂は、ゴム以外に、アクリル樹脂やPVC樹脂等の樹脂、またはゴムとこれら樹脂との組み合わせやアルミ箔などの金属との組み合わせにより形成されてもよく、剛性の小さい柔らかい層であれば特に限定されない。樹脂で形成される膜は柔軟性を有することで、音が斜めから入射しても追従した振動が可能となる。
前記樹脂層の厚さは、その柔らかさと共に膜振動と密接な関係があり、500Hz付近周波数帯の音を吸収せる場合、特にゴム、アクリルやPVC等の樹脂の場合には0.03〜5mmが好適である。膜の厚さを0.03〜5mmとすることで、膜の柔軟性を維持し500Hz付近の周波数帯の音を吸収し易くなる。当該厚さが0.03mmより小さいと十分な吸音性が得られないおそれがある。逆に、当該厚さが5mmを超えると膜に剛性が生じ、膜としての振動が減少し、膜振動が生じる周波数帯は500Hz以下の低周波数帯に移行するが、高吸音率値が低くなる傾向にある。
なお、膜振動を損なわない柔軟性を有する膜状の樹脂層は、その硬さとの関係もあり、樹脂のヤング率値で0.1×10(N/m)〜6×10(N/m)の範囲とするのが好ましい。
一般的に多孔質体である繊維系吸音材の場合、その吸音のメカニズムは、吸音材に入射した音波が吸音材の隙間で生じる衝突や摩擦によって熱エネルギーに変換されることにより音響エネルギーが熱に変換される「振動減衰」によるものと、吸音材に入射した音波を吸音材全体で共振することで振動エネルギーに変換する「共振」によるものに大別される。前者は一般的に1000Hz以上の幅広い周波数帯で比較的吸音性能が高いが、低周波特に500Hz 付近の周波数帯の吸音効果を上げることは困難である。また後者は、特に高密度基材を使用した場合など比較的低周波域の吸音性能を高めることができるが、その効果は狭い範囲の特定周波数帯に留まり、幅広い周波数帯の吸音性能を高めることは困難であった。
このため、本目的の500Hz付近の低周波数域の音を効果的に吸収すると共に幅広い周波数帯に対して優れた吸音性能を有する吸音材の構造としては、500Hz付近の周波数帯の音波を共振効果により吸収させると共に他の周波数帯の音波についても一定の振動効果を上げる必要がある。
発明者は鋭意検討の結果、極細繊維を含む繊維を用いるなどしてそのヤング率を低くした基材層を、500Hz付近の低周波数帯で共振効果が高い膜状の樹脂と一体化し、膜振動効果とバネ効果を高めることにより、500Hz付近の低周波数域の音を効果的に吸収すると共に幅広い周波数帯に対して優れた吸音性能を有する吸音材が得られることを見出したのである。
ここで、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において、1/3オクターブ周波数間隔(200〜500Hz)で測定した吸音率値の積分値が1.0以上(より好ましくは1.0〜10.0)であることが好ましい。また、1/3オクターブ周波数間隔(200〜1000Hz)で測定した吸音率値の積分値が3.0以上(より好ましくは3.0〜10.0)であることが好ましい。また、1/3オクターブ周波数間隔(200〜5000Hz)で測定した吸音率値の積分値が5.0以上(より好ましくは5.0〜10.0)であることが好ましい。
また、本発明の吸音材は、用途に応じて機能付与することも可能であり、各種機能剤を添加してもよい。添加する機能剤としては、例えば、顔料、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、無機化合物粒子、香料、脱臭剤、抗菌剤、ガス吸着剤等が挙げられる。また、撥水加工、防炎加工、難燃加工、抗菌加工などの機能加工を施してもよい。
本発明の吸音材は、吸音材として使用した場合に特に低周波数帯の吸音性に優れる。また、高周波数帯にわたる広い領域で吸音性能を発揮するので、自動車、電子機器、建築物、住宅用などの様々な用途の吸音材として好適に用いることができる。
次に、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)単繊維径
電子顕微鏡(SEM)にて、繊維系吸音材中の合成繊維を撮影した画像において、任意の単繊維100本について繊維幅を測定し、その平均を求めた値を繊維径とした。
(2)目付け
450mm×450mm角に切り出したサンプルの重量を秤量し、単位面積(1m)当たりの重量に換算した。この換算値の小数点以下1桁目を四捨五入して整数値としたものを繊維シートの目付とした。
(3)厚み
JIS L 1913により厚み(mm)を測定した。
(4)T/W
基材層を厚さ方向に切断し、その断面において、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている(図1において0°≦θ≦45°)、捲縮短繊維および熱接着性複合短繊維の総本数をTとした。一方、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直方向に配列されている(図1において45°<θ≦90°)、捲縮短繊維および熱接着性複合短繊維の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。その本数から、T/Wを算出した。
(5)ヤング率
100mm×100mm角に切り出したサンプルを準静的機械特性計測装置(スペクトリス株式会社製の型式:SY7080型)の加振器上に設置し、垂直方向から超音波でランダム加振させ、サンプル内部を伝播する周波数を検出し、ヤング率値を算出した。
(6)吸音率
JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」に準じ測定した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる非捲縮短繊維(繊度0.1dtex、繊維長32mm)60重量%と、低融点繊維として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm、捲縮ナシ、芯/鞘=50/50、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)40重量%とを混綿し、通常のカード機でウエブを作製した。得られたウエブをローラーカードを通して、クロスラッパーで積層した後、熱風熱処理機にて150℃×5分間処理し、厚さ20.0mm、密度10kg/mの繊維構造体(基材層)を得た。
天然ゴムとスチレンブタジエンゴム(SВR)を1:4の割合で森山製作所製MS式加圧ニーダーにて約15分間混ぜ合せた後、関西ロール製ミキシングロールにて厚さ0.4mmのシート状で取出し、加硫機で加硫促進剤を加えて150℃×30分間加硫させ厚さ0.4mmの膜状の樹脂を得た。
得られた厚さ20mmの基材層と厚さ0.4mmの膜状樹脂(ヤング率2×10N/m)は、ユニセル株式会社製(商品名メルフィット)の20g/mのヒートシール用不織布を間に挟んで熱風サクション式熱処理機(熱風160℃)で5分間処理して貼り合わせ、繊維系吸音材を得た。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。
[実施例2]
基材層の厚さを30mm、密度を14kg/mにした以外は全て実施例1と同様にして基材層を得た。次いで、実施例1と同様に0.4mm厚の膜状樹脂を貼り合せ、繊維系吸音材を得た。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。
[実施例3]
実施例1においてローラーカードを通して得られたウエブを、Struto社製Struto設備を用いて、ウエブを厚さ方向に折畳み、その後熱風熱処理機にて150℃×5分間処理し、厚さ30mm、密度26kg/mの基材層を得た。このとき基材層は、T/W値が1.50以上になっており繊維が基材層(繊維構造体)の厚さ方向に林立しており、繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列している状態であった。得られた基材層は、その後実施例1と同様に天然ゴムとスチレンブタジエンゴム(SВR)を1:4の割合で混ぜ合せた厚さ1.0mmの膜状の樹脂と貼り合せ、繊維系吸音材を得た。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。
[比較例1]
膜状の樹脂を貼り合せなかったこと以外は実施例1に従い実施した。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。比較例1で得られた繊維系吸音材は膜状樹脂を加えなかったことから、1/3オクターブ周波数間隔で測定した垂直入射吸音率測の積分値の特に(200〜500Hz)、(200〜1000Hz)の値が低く、吸音性能は不十分なものであった。
[比較例2]
膜状の樹脂を貼り合せなかったこと以外は実施例2に従い実施した。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。比較例1に比べて目付、密度を高めることで得られた繊維系吸音材の吸音率は向上したが、1/3オクターブ周波数間隔で測定した垂直入射吸音率測の積分値の特に(200〜500Hz)の値は低く、吸音性能は不十分なものであった。
[比較例3]
膜状の樹脂を貼り合せなかったこと以外は実施例3に従い実施した。この繊維系吸音材の1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値を表1に示す。比較例3で得られた繊維系吸音材は膜状樹脂を加えなかったことから、1/3オクターブ周波数間隔で測定した垂直入射吸音率測の積分値の特に(200〜500Hz)、(200〜1000Hz)の値が低く、吸音性能は不十分なものであった。
Figure 2021000739
本発明によれば、繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、特に低周波域での吸音性に優れた吸音材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:繊維構造体(基材層)を構成する繊維
2:繊維構造体(基材層)の厚さ方向
3:繊維構造体(基材層)を構成する繊維の配列方向
4:繊維構造体(基材層)

Claims (11)

  1. 繊維構造体と、該繊維構造体に積層してなる樹脂層とを含む吸音材であって、前記繊維構造体に単繊維径20.0μm以下の極細繊維が含まれることを特徴とする吸音材。
  2. 前記樹脂層がゴムを含む、請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記樹脂層のヤング率が0.1×10〜6×10N/mの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の吸音材。
  4. 前記樹脂層の厚さが0.03〜5.0mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  5. 前記繊維構造体において、繊維構造体を構成する繊維が厚さ方向に配列している、請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 前記繊維構造体のヤング率が0.1×10〜15×10N/mの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の吸音材。
  7. 前記繊維構造体の厚さが10〜100mmの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材。
  8. 前記繊維構造体の密度が5〜50kg/mの範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の吸音材。
  9. 前記樹脂層が前記繊維構造体と接着してなる、請求項1〜8のいずれかに記載の吸音材。
  10. 前記繊維構造体が、単繊維径10.0μm以下の繊維を繊維構造体重量対比20重量%以上含み、かつ単繊維径5.0μm以下の繊維を繊維構造体重量対比20重量%以上含む、請求項1〜9のいずれかに記載の吸音材。
  11. JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において、1/3オクターブ周波数間隔(200〜500Hz)で測定した吸音率値の積分値が1.0以上であり、1/3オクターブ周波数間隔(200〜1000Hz)で測定した吸音率値の積分値が3.0以上であり、かつ1/3オクターブ周波数間隔(200〜5000Hz)で測定した吸音率値の積分値が5.0以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の吸音材。
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