JP7312051B2 - 粘弾性体 - Google Patents

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本発明は、粘弾性体に関する。
防振材、緩衝材などに用いられる粘弾性体は、弾性成分と粘性成分を併せ持つ材料である。粘弾性体が有する弾性成分は貯蔵弾性率G’で、粘性成分は損失弾性率G”で表され、弾性と粘性のバランスを評価する指標として損失正接tanδ=G”/G’が用いられる。防振材では、粘弾性体の粘性成分(損失弾性率G”)の働きにより、対象物の振動を減少させることができる。また、緩衝材、特に衝撃吸収材でも、同様の働きにより、対象物の衝撃を和らげることができる。そのため、損失弾性率G”を相対的に大きくすることによってtanδを大きくすれば、振動や衝撃を効率よく吸収することができる。
振幅の小さい振動を吸収する防振材に適した材料として、アスカーC硬度が40以下の柔らかい粘弾性体が使用されている。振動源の下に置くなど、振動源に直接接触させて使用されるが、振動源の重量が大きい場合には、柔らかい粘弾性体が圧縮されて厚さ方向に潰れてしまい、粘性成分が大きく失われ、tanδの値が小さくなる。一方、粘弾性体が潰れないようにゲル材料の架橋点を増やし、硬くすることも考えられるが、弾性成分が相対的に増大して、tanδの値が小さくなる。
このような問題点を改善した防振材として、特許文献1および2には、ゲル状ポリマーに短繊維や不織布を混入させた防振材が開示されている。しかし、単に短繊維を混入したり、単に不織布と一体化するだけでは、振動源の重量により粘弾性体が圧縮されて厚さ方向に潰れて粘性成分が大きく失われ、tanδの値が小さくなるという問題は、充分に改善できなかった。
特開2003-014040号公報 特開2004-189994号公報
本発明は、振動源の重量や衝撃に対して容易に潰れることがなく、振動や衝撃を効率的に吸収することができる粘弾性体を提供することを目的とする。
本発明は、三次元繊維構造物と一体化され、三次元繊維構造物の繊維が厚さ方向に配向した粘弾性体に関する。
三次元繊維構造物が不織布または織布であることが好ましい。
三次元繊維構造物の空隙率が85%以上であることが好ましい。
厚さ方向に垂直の表面の硬度が40以下であり、
周波数1Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが略同硬度のポリマーゲル単体よりも高いことが好ましい。
厚さ方向に垂直の表面の硬度が12~40であり、
周波数1Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが0.1以上であることが好ましい。
厚さ方向に垂直の表面の硬度が12~40であり、
周波数10Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが0.2以上であることが好ましい。
粘弾性体の厚さ方向に垂直な面に対して45°以上135°以下に配列した繊維Vの本数f(V)、
0°以上45°未満に配列した繊維P1の本数f(P1)、および
135°超180°未満に配列した繊維P2の本数f(P2)が、
f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))≧0.5
の関係を満たすことが好ましい。
本発明の粘弾性体は、三次元繊維構造物と一体化され、三次元繊維構造物の繊維が厚さ方向に配向しているため、振動源の重量や衝撃に対して容易に潰れることがなく、振動や衝撃を効率的に吸収することができる。
三次元繊維構造物における繊維の配向方向と配向角度の関係を説明する説明図である。 三次元構造物の繊維を厚さ方向に配向させる方法を説明する説明図である。 繊維を厚さ方向に配列した不織布を用いた本発明の粘弾性体の模式図である。 実施例および比較例で作製した粘弾性シートについて、アスカーC硬度に対し、周波数1Hz、歪み1%におけるtanδをプロットしたグラフである。 実施例および比較例で作製した粘弾性シートについて、アスカーC硬度に対し、周波数10Hz、歪み1%におけるtanδをプロットしたグラフである。 実施例1で作製した粘弾性シートについて、歪みに対し、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接tanδをプロットしたグラフである。 比較例1で作製した粘弾性シートについて、歪みに対し、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接tanδをプロットしたグラフである。 比較例2で作製した粘弾性シートについて、歪みに対し、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接tanδをプロットしたグラフである。
本発明の粘弾性体は、三次元繊維構造物と一体化され、三次元繊維構造物が厚さ方向に配向していることを特徴とする。
三次元繊維構造物とは、不織布、織布、編布、スポンジなどの連続気泡構造体などが挙げられる。立体的に見て空隙率の均一性の点で、不織布、織布が好ましい。ここで、均一性とは、織布や編布では、糸が交差して重なり合っている部分の密度が高くなり、空隙率にばらつきが生じるが、不織布では、繊維1本1本が混ざっているので、どの部分を切り取ってもほぼ構造が同じで、空隙率のバラツキが少ないということを意味する。三次元繊維構造物はジャングルジムのような格子状の構造をしており、繊維間の十分な空間に粘弾性体を保持するため、三次元繊維構造物の空隙率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。空隙率が85%未満では、三次元繊維構造物の内部に粘弾性体が浸透しにくくなるとともに、格子の大きさが小さくなり、三次元繊維構造物が粘弾性体の弾性の増加に影響を与えてしまうため好ましくない。
三次元繊維構造物の繊維が厚さ方向に配向していれば、重量物によって厚さ方向に潰れることがなく、粘性成分が損なわれず、tanδを高くすることができる。配向の割合は、厚さ方向に配向していれば、特に限定されないが、たとえば、図1に示すように、厚さ方向に垂直な面に対して、0°以上45°未満の方向に配向した繊維P1の本数をf(P1)、45°以上135°未満に方向に配向した繊維Vの本数をf(V)、135°以上180°未満の方向に配向した繊維P2の本数をf(P2)とすると、
f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))≧0.5
を満たすことが好ましい。f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))は、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましい。0.5未満では、圧縮に対する耐久時間が短くなる傾向がある。ここで、各繊維の配向方向は、たとえば、マイクロスコープを使用して、倍率を20~50倍程度に調整し、断面の繊維方向をカウントすることで求めることができる。捲縮した繊維については、1本の繊維に対して、繊維P1、繊維V、繊維P2の一定割合をそれぞれの繊維数とする。たとえば、厚さ方向に垂直な面に対して45°傾斜したL字状繊維の場合は、f(V)=1/2本、f(P2)=1/2本とする。U字状繊維の場合は、f(V)=2/3本、f(P1)=1/6本、f(P2)=1/6本とする。
不織布は、繊維の集積層であるウエブを形成する工程、およびウエブに含まれる繊維同士を結合する工程を経て製造される。ウエブの形成方法は、繊維を長さ方向に配向できる方法であれば特に限定されず、乾式法、湿式法が挙げられる。これらの中でも、作業性の観点で乾式法が好ましく、カード機を用いた方法がより好ましい。ウエブに含まれる繊維同士を結合する方法は特に限定されず、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法が挙げられる。ニードルパンチ法では、カード機で繊維を開繊した後、繊維同士を針で機械的に絡める方法で、空隙率はせいぜい75~90%程度である。
空隙率を90%より高くする場合は、ニードルパンチ法等で繊維同士を絡めるのではなく、繊維同士の接点を繊維表面が熱で溶けるバインダー繊維で、繊維間を熱接着するサーマルボンド法を使用することが好ましい。サーマルボンド法の繊維の固定方法としては、熱風、熱板プレス、熱カレンダーなどが挙げられる。
サーマルボンド法において、ニードルパンチ法等を併用することができる。また、バインダー繊維の混合比率は、特に限定されない。バインダー繊維を使わない方法としては、不織布の繊維間に霧吹き等で付着させ乾燥させた樹脂をバインダーとするレジンボンド法や、不織布の繊維間に熱溶融する粉体を付着させ溶かすという方法を採用することができる。
逆に空隙率を75%より低くする場合は、ニードルパンチ法等により繊維同士を絡めた後、繊維表面が熱で溶けるバインダー繊維により繊維同士をさらに固定させる方法を使用することが好ましい。
三次元構造物の繊維を厚さ方向に配向させる方法としては、繊維が厚さ方向に配向する限り特に限定されないが、たとえば、特表2002-516932号公報に記載された方法が挙げられる。具体的には、カード機によって繊維1本1本を長さ方向に配向させてウエブを形成する。得られたウエブを図2(a)に示すように上下バー1により折り曲げながらコンベアベルト上に供給し、図2(b)~(c)に示すように左右バー2により圧縮する。図2(a)~(c)の工程により一つの折り畳み構造が形成される。図2(d)は次の折り畳み構造を形成するためのウエブの供給を示す。図2(a)~(d)の工程を繰り返すことで、ウエブがアコーディオン状に折りたたまれ、繊維を厚さ方向に配向させることができる。また、ウエブに含まれる繊維同士を、前述の方法で結合させて不織布を形成してから、図2(a)に示すようにコンベアベルト上に供給してもよい。或いは、図2(a)~(d)の工程を繰り返してウエブをアコーディオン状に折りたたんだ後で、ニードルパンチ等により繊維同士を結合させてもよい。このように作製した三次元繊維構造物の上端部と下端部にあるU字状の湾曲部では繊維が厚さ方向に垂直に配向し得るため、当該湾曲部を切断して除去することで、厚さ方向の繊維の配向度を向上することもできる。図3に、長さ方向に繊維が配向した不織布をアコーディオン状に折りたたんで得られた三次元構造体を用いた本発明の粘弾性体を示す。
三次元繊維構造物の厚さは、後述する粘弾性体の全体の厚さと同等であることが好ましい。三次元繊維構造物の厚さは特に限定されないが、0.1~50mmが好ましく、1~20mmがより好ましく、1~10mmがさらに好ましい。0.1mm未満では、強度が弱くなり、50mmを超えると、構造物の作製が難しく特別な装置が必要となる。
三次元繊維構造物を構成する繊維材料は特に限定されず、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アラミド等の有機系繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機系繊維などが使用できる。糸の形態も特に限定されず、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、スパン糸等が挙げられる。
繊維の繊維径は特に限定されないが、1~100dtexが好ましく、3~18dtexがより好ましい。100dtexを超えると、繊維が太いために剛性が強く、繊維同士の反発力が強いため、空隙率を低くするコントロール(密度を高くすること)が難しくなり、 1dtex未満では、繊維が細いため剛性が弱いため、繊維同士が反発することなく重なり合いやすく空隙率を高くするコントロール(密度を低くすること)が難しくなる傾向がある。
粘弾性体は特に限定されず、シリコーンゲル、ウレタンゲル、ハイドロゲルなどが挙げられる。なかでも、長期的な使用において溶媒の揮発が生じ難い点で、シリコーンゲル、ウレタンゲルが好ましい。
シリコーンゲルとしては、2官能のオルガノシロキサンと3官能のオルガノシロキサンを反応させて架橋することにより得ることができる。シロキサンゲルが立体網目構造を形成し、この立体網目構造の間にシリコーンオイルが担持された構造を有する。シロキサンゲルとしては、たとえばポリジメチルシロキサンゲル、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサンゲル、ポリフェニルメチルシロキサンゲルなどとシリコーンオイルで構成された粘弾性体が特に好ましい。シリコーンオイルとしては、たとえばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
三次元繊維構造物と一体化とは、それぞれの層に別れておらず、粘弾性体と三次元構造物が複合されていることをいう。ここで、三次元繊維構造物の厚さは、粘弾性体の厚さと同等の厚さであることが好ましい。
三次元繊維構造物と一体化させる方法は、特に限定されないが、たとえば、型内中で、三次元繊維構造物に粘弾性体の原料となるモノマーやプレポリマーを含浸させ、硬化させることにより作製する方法などが挙げられる。金型のサイズは、作製したい粘弾性体のサイズに合わせて適宜調整する。また、硬化時間や温度も、使用する粘弾性体の種類に応じて、適宜設定する。
本発明の粘弾性体の厚さは特に限定されないが、1~100mmが好ましく、1~50mmがより好ましい。1mm未満では、薄くなり十分な粘弾性が得られなくなり、100mmを超えると、成型時の脱泡等加工性が悪くなる傾向がある。
本発明の粘弾性体において、厚さ方向に垂直の表面のアスカーC硬度は40以下が好ましく、35以下がより好ましい。また、アスカーC硬度は12以上が好ましく、15以上がより好ましい。12未満では、荷重により潰れやすくなり、40を超えると、三次元繊維構造物の有無によるtanδなどの差異が少なくなる傾向がある。
本発明の粘弾性体の厚さ方向の損失正接tanδは特に限定されないが、周波数1Hz、歪み1%におけるtanδが、略同硬度のポリマーゲル単体よりも高いことが好ましい。tanδが略同硬度のポリマーゲル単体よりも低いと、振動や衝撃吸収性が劣ってしまう傾向がある。ここで、略同硬度とは、本発明の粘弾性体と同寸法で三次元遷移構造物を含まないポリマーゲルの厚さ方向に垂直な表面で測定したアスカーC硬度が、本発明の粘弾性体のアスカーC硬度の90~110%であることをいう。略同硬度のゲルは、硬化剤と硬化成分の割合を変化させて作製可能である。
粘弾性体の厚さ方向のtanδの値は、周波数1Hz、歪み1%において0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。0.1未満では、振動や衝撃吸収の効果が得られにくくなる。また、周波数10Hz、歪み1%において、損失正接tanδは0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。0.2未満では、振動や衝撃吸収の効果が得られにくくなる。
本発明の粘弾性体の用途は特に限定されないが、制振材、防振材、防音材、遮熱材、電磁波シールド材、緩衝材、衝撃吸収材等が挙げられる。
以下、実施例について説明する。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
実施例1
繊維径が6.6dtexのポリエステル繊維(HUVIS社製)および繊維径が6.6dtexのポリエステルバインダー繊維(HUVIS社製)を配合比率50:50に調整し、カード機を使用してウエブを作製した。その後、ウエブをプリーツ成型機に通し、直後に乾燥機を通過させることにより、厚さが4.0mm、目付150g/m、空隙率が95%、f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))が0.60のポリエステル不織布を作製した。ここで、f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))は、マイクロスコープを使用し倍率を20倍に調整し、断面の繊維方向をカウントすることによって、測定した。
シリコーンゲルの原料となる2液(信越シリコーン株式会社製KE-1052:A液(ビニル基含有シリコーンポリマー+白金触媒)、B液(Si-H基含有シリコーンポリマー+架橋剤))を、A液:B液=50:50の比率で混ぜ合わせ、作製したポリエステル不織布(三次元繊維構造物)に含浸させ、恒温乾燥機にて(80℃、24時間)架橋させて、厚さ4.0mmの粘弾性シートを得た。
実施例2
プリーツ成型機に送るウエブの速度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、三次元繊維構造物の厚さが4.0mm、目付440g/m、空隙率が85%、f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))が0.70のポリエステル不織布を作製した。その後、シリコーンゲルの原料となる2液(信越シリコーン株式会社製KE-1052 A液、B液)を、A液:B液=50:50の比率で混ぜ合わせ、作製したポリエステル不織布(三次元繊維構造物)に含浸させ、恒温乾燥機にて(80℃、24時間)架橋させて、厚さ4.0mmの粘弾性シートを得た。
実施例3
実施例1と同様にして作製したウエブを水平に重ね合わせ後、ニードルパンチ法により繊維を垂直方向に移動させ、厚さが4.0mm、目付150g/m、空隙率が95%、f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))が0.03のポリエステル不織布を作製した。その後、シリコーンゲルの原料となる2液(信越シリコーン株式会社製KE-1052 A液、B液)を、A液:B液=50:50の比率で混ぜ合わせ、作製したポリエステル不織布(三次元繊維構造物)に含浸させ、恒温乾燥機にて(80℃、24時間)架橋させて、厚さ4.0mmの粘弾性シートを得た。
比較例1
シリコーンゲルの原料となる2液(信越シリコーン株式会社製KE-1052 A液、B液)を、A液:B液=50:50の比率で混ぜ合わせ、恒温乾燥機にて(80℃、24時間)架橋させて、厚さ4.0mmの粘弾性シートを得た。
比較例2
A液とB液の比率をA液:B液=30:70に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ4.0mmの粘弾性シートを得た。
実施例および比較例で作製した粘弾性シートを、以下に示す方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<硬度>
20℃の常温状態で、各粘弾性シートの表面に対してアスカーC硬度計の針が垂直になるように押し当てて、厚さ方向に垂直な表面の硬度を測定した。
<損失正接>
実施例および比較例で作製した粘弾性シートから直径φ25mmに打ち抜いた試験片を用い、回転粘度計(ティーエイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製 レオメータAR2000)で粘弾性特性を測定した。
Figure 0007312051000001
図4および図5に、各実施例および比較例で得た粘弾性体のアスカーC硬度に対して、周波数1Hz、歪み1%におけるtanδおよび周波数10Hz、歪み1%におけるtanδをプロットしたグラフを示す。図4について、ポリマーゲル単体からなる比較例1では、tanδが0.22と充分に高いものの、硬度が10しかなかった。また、比較例1よりも架橋点を増やした比較例2では、硬度が35と大きく増大するものの、tanδが0.06と大幅に低減した。一方、繊維が厚さ方向に配向した不織布と一体化した本発明の粘弾性シートでは、実施例1~3に示すように、tanδが最低でも0.14に増大するとともに、硬度も最低でも15を確保できていた。図5も、図4と同じような傾向を示した。
図6~8に、実施例1および比較例1~2で作製した粘弾性シートについて、歪みに対して、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、損失正接tanδをプロットしたグラフを示す。図6~8から、歪みεが0.01~10%の間においてtanδの値に線形性はみられた。
本発明の粘弾性体は、振動源の重量により潰れることがなく、tanδも高いため、制振材、防振材、防音材、遮熱材、電磁波シールド材、緩衝材、衝撃吸収材等に最適に使用できる。
1 上下バー
2 左右バー

Claims (7)

  1. 三次元繊維構造物と一体化され、三次元繊維構造物の繊維が厚さ方向に配向した粘弾性シートであって、
    粘弾性シートの厚さ方向に垂直な面に対し、
    45°以上135°以下に配列した繊維Vの本数f(V)、
    0°以上45°未満に配列した繊維P1の本数f(P1)、および
    135°超180°未満に配列した繊維P2の本数f(P2)が、
    f(V)/(f(V)+f(P1)+f(P2))≧0.5
    の関係を満たす、粘弾性シート
  2. 三次元繊維構造物が不織布または織布である、請求項1に記載の粘弾性シート
  3. 三次元繊維構造物の空隙率が85%以上である、請求項1または2に記載の粘弾性シート
  4. 厚さ方向に垂直の表面のアスカーC硬度が40以下であり、
    周波数1Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが略同硬度のポリマーゲル単体よりも高い、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の粘弾性シート
  5. 厚さ方向に垂直の表面のアスカーC硬度が12~40であり、
    周波数1Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが0.1以上である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の粘弾性シート
  6. 厚さ方向に垂直の表面のアスカーC硬度が12~40であり、
    周波数10Hz、歪み1%における厚さ方向の損失正接tanδが0.2以上である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の粘弾性シート
  7. 三次元繊維構造物の繊維が有機系繊維またはガラス繊維である請求項1~6のいずれか1項に記載の粘弾性シート。
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