JP2021018265A - 吸音材および吸音製品 - Google Patents

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【課題】軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる吸音材および吸音製品を提供する。【解決手段】単繊維径20.0μm以下の極細繊維1と、熱膨張性樹脂とを含む吸音材(繊維構造体4)を得て、必要に応じて支持体を積層して吸音製品とする。【選択図】図1

Description

本発明は、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる吸音材および吸音製品に関する。
吸音材は音を吸収する機能を有し、自動車、住宅、電気製品などの分野において多用されているが、近年製品の高機能化に伴い騒音環境も複雑化し、吸音のニーズも高度化している。例えば自動車業界では、電気自動車の普及により車内やエンジン音が静かになった一方で従来気にならなかった風切り音などの低周波数域の吸音が必要とされ、また高断熱化した住宅では、残響過多対策が求められるなど、騒音源や使用環境に柔軟に対応できる吸音材が求められている。
吸音特性に優れる吸音材としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、発泡フォーム、多孔性セラミック等が従来から使用されてきた。しかしながら、これらの吸音材は人体への健康影響、リサイクルおよび環境適合性の点で問題があり、こうした材料を代替する吸音材として合成繊維を絡合または接着して形成される不織布が、安価で成形加工性が良好な観点から近年多々使用されている。特に合成繊維を用いた不織布の吸音性能は、高周波数帯での吸音性能が比較的良好であり、さらにその性能を向上させるために積層構造にしたり、フィルム等の異素材との組合せなど様々な改良がなされてきている(例えば、特許文献1〜3)。
しかしながら、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音率の向上には検討の余地が残されていた。
特開2001−205725号公報 特開2006−285086号公報 特開2016−121426号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる吸音材および吸音製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「単繊維径20.0μm以下の極細繊維と、熱膨張性樹脂とを含むことを特徴とする吸音材。」が提供される。
その際、前記熱膨張性樹脂がマイクロカプセル型熱膨張性樹脂であることが好ましい。また、前記熱膨張性樹脂が吸音材重量対比1〜20重量%含まれることが好ましい。また、厚さが5〜100mmの範囲内であることが好ましい。また、目付けが200g/m以下であることが好ましい。また、密度が5〜50kg/mの範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の吸音材に支持体を積層してなる吸音製品が提供される。その際、前記支持体が、不織布、織編物、フイルム、紙、および発泡体層からなる群から選ばれる一以上であることが好ましい。また、前記吸音材が音源側に配され、前記支持体が音源とは反対側に配されることが好ましい。
本発明によれば、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる吸音材および吸音製品が得られる。
T/Hの測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を好ましい実施形態とともに詳述する。本発明の吸音材は、単繊維径20.0μm以下(好ましくは0.001〜20.0μm、より好ましくは0.001〜10.0μm、特に好ましくは0.001〜3.8μm)の極細繊維と、熱膨張性樹脂とを含む。吸音材に含まれる繊維の極細化によって吸音材における繊維充填密度が高まることとなる。その結果、音波が構成繊維と接触する比表面積が十分大きくなり、衝突・摩擦による熱エネルギーへの変換が効率的に生じることになる。一方で、単繊維径が細くなるほど、吸音材に塵や汚れ等が付着しやすくなり、製造工程中での取扱い性が低下するおそれがある。なお、極細繊維の繊度(単繊維繊度)としては0.2dtex以下(より好ましくは0.001〜0.1dtex)であることが好ましい。
より低周波数域での吸音性能を効率よく高める観点から前記極細繊維の混用率は、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは40%重量以上であることが好ましく、一層好ましくは60重量%以上である。混用率を高めて比表面積が大きくなることで、波長の長い低周波数の音をより効率的に吸音することが可能となり、低周波数域での吸音性能の向上および吸音材の軽量化につながる。
前記極細繊維や、前記極細繊維と他の繊維で吸音材を構成する場合、これらの繊維を構成する繊維種類は特に限定されない。合成繊維であってもよいし天然繊維または無機繊維であってもよい。その一部に熱可塑性繊維あるいは熱可塑性樹脂が含まれていることが好ましい。天然繊維としては、セルロース繊維、タンパク質繊維など、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維などが挙げられる。合成繊維のポリマーとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66などのナイロン系、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。さらには、繊維を形成するポリマーとしては、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド共重合体、ポリメタフェニレンイソフタラミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート、セルロース、ポリエチレンサルファイド、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリウレタン、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリビニルメチルケトン、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ナイロン6、ナイロン66などナイロン系、ポリ臭化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリクロロプレン、ノルボルネン系モノマーの開環重合体およびその水添物、フィブロイン、天然ゴム、キチン、キトサン、コラーゲン、ゼインなどの有機材料が挙げられ、これらは共重合したものであっても、混合物でもよい。また、シリカ、アルミナ、Y、ZrO、チタニアなどのゾルゲル法を利用できる無機材料であってもよい。
吸音材が、熱可塑性繊維とそれ以外の繊維で構成されている場合、熱可塑性繊維の吸音材全重量に対する重量比率は5〜100重量%が好ましく、40〜100重量%がより好ましい。
また、吸音材を構成する繊維に、熱可塑性樹脂が付着している場合は、熱可塑性樹脂の吸音材の全重量に対する重量比率は5〜50重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
また、吸音材には、低融点繊維(例えば、熱接着性複合短繊維など)やバインダー等が含まれていてもよく、極細繊維からなる繊維と混綿し繊維ウエブを形成した後、熱処理することにより接着させることや各種接着剤を使用して接着させる方法も適用できる。ニードルパンチ法で繊維同士をより強固に絡ませる方法もあるが、吸音材のバネ効果を保ちながら吸音材の一体性を保つ観点で低融点繊維やバインダーを含ませ熱処理する方法の方が好ましい。
なお、低融点繊維の熱接着成分として配される熱可塑性樹脂として、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性のポリエステル系ホモポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ホモポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を用いた場合、吸音材の振動の吸収性が向上につながりより好ましい。
また、吸音材において、繊維が吸音材(繊維構造体)の厚さ方向に配列していると、振動吸収性が向上し好ましい。ここで、「厚さ方向に配列している」とは吸音材の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、吸音材の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(H)とするとき、T/Hが1.5以上であることである。
このような吸音材を製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を任意に採用すればよい。例えば、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、繊維を吸音材(繊維構造体)の厚さ方向に配列させる方法としては、繊維(例えば、前記極細繊維などの主体繊維と低融点繊維)を混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、特開2008−68799号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーデオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。繊維を吸音材の厚さ方向に配列させない場合は、繊維を含むウエブを常法により積層した後、加熱処理するとよい。
吸音のメカニズムは、吸音材に入射した音波により振動した空気が衝突や摩擦によって熱エネルギーに変換されることにより、その音響エネルギーが減衰することとされている。このため、吸音材の構造としては、音波が入射して通過できる貫通構造をもつことが吸音に優れる特性を発揮する目安となる。一方、吸音作用を生じさせるためには、入射した音波が吸音材の構成繊維に衝突および摩擦することによって、熱エネルギーに変換されることがそのメカニズムの一つであり、音波と接触できる比表面積を増大させることが好適である。この比表面積の増大は、構成繊維の繊維径を小さくすることや目付けを増加させることで達成できるものであるが、吸音材の充填密度が高くなりすぎると、音波が吸音材内部へ入射せずに表面で反射することとなり、十分な吸音性能が得られないおそれがある。
特に低周波数域でも良好な吸音特性を得るためには、極細繊維を用いることが有用である。しかしながら、繊維の直径が小さくなる程、繊維の「コシ」が出難くなり高い厚みの繊維構造体を形成することが困難である。そのため繊維構造体の充填密度が高くなりすぎ、音波が表面で反射しやすくなる。一方で嵩高の繊維構造体を得るためには、極細繊維の混用率を低くし他の繊維を混合させる方法があるが、前述の低周波域の吸音性が低下するおそれがある。
本発明者は鋭意検討の結果、極細繊維を含む吸音材に熱膨張性樹脂を加えることで、極程繊維の混用率を高めた状態でも嵩高にすることができ、軽量でかつ幅広い周波数域にかけて吸音性能に優れる吸音材が得られることを見出したのである。
極細繊維を含む吸音材に熱膨張性樹脂を加え、その後熱処理することで、嵩厚を高めることができ音波が入射できる充填密度を要し、かつ音波と接触する構成繊維の比表面積が大きいことから、音響エネルギーを熱エネルギーに効率良く変換できることとなり、高い吸音性能が得られる。
ここで、熱膨張性樹脂としては、吸音材の体積を膨張させ繊維径吸音材の充填密度を適度に維持させるものであれば特に限定されない。例えば、温度を上げたときに物がどれくらい膨らむかを示す熱膨張係数が高い低密度ポリエチレン樹脂(熱膨張係数:18×10−5/K)やポリウレタン樹脂(同15×10−5/K)や、高い熱膨張性を有する膨張樹脂を内包したマイクロカプセル型熱膨潤性樹脂などがある。この中で平均繊維径が5μm以下の極細繊維を含む吸音材の場合、充填密度を低くすることが好ましく膨張性が高いマイクロカプセル型熱膨張性樹脂が好ましい。
マイクロカプセル型の熱膨張性樹脂としては、膨張樹脂として低沸点炭化水素を内包したもの樹脂が、膨張率が高く好適である。マイクロカプセル型熱膨張性樹脂は、加熱することによって、カプセルの外側のシェル樹脂が軟化し、それと同時に内部の炭化水素が急激に膨張して、中空状のバルーンを形成する。予め吸音材にこのマイクロカプセル型熱膨張性樹脂を加えておくことで厚み方向に膨れ、吸音材の繊維充填密度が低くなり、比表面積を低下させることなく音の反射を抑え、高い吸音性能を実現させることが可能となる。
マイクロカプセル型熱膨張性樹脂としては、特開2005−97749号公報に記載のものが好ましい。すなわち、熱可塑性ポリマーを殻とし、このポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤を内包したマイクロカプセルであって、粒径は10〜30μm(より好ましくは15〜25μm)であり、130〜200℃で膨張し、粒径50〜150μmのマイクロバルーンを形成するものが好ましい。
前記殻を形成する熱可塑性ポリマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、メチルメタクリレート等のホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。なお。これらのポリマーの軟化点は約100〜150℃である。
殼を形成する熱可塑性ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤としては、マイクロカップセル内に包含される揮発性膨張剤であり、例えばプロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の低沸点物があげられる。
マイクロカプセル型熱膨張性樹脂の市販品としては、積水化学工業(株)製の「アドバンセルEM」や松本油脂製薬(株)製の「マイクロスフェアー」等が知られており、その膨張率は1.5〜10倍である。
マイクロカプセル型熱膨張性樹脂の添加量としては、目的とする吸音材の厚みや吸音性能によるが、1〜20重量%が好ましい。
こうして得られた吸音材は、構成する極細繊維の単繊維径の均一性が非常に高いものであるため、構成繊維の単繊維径がばらつきやすいスパンボンドやメルトブロー等の長繊維型不織布と比較して、吸音に影響する貫通孔(ポア)サイズの均一性が高く、また熱膨張性樹脂を用いることで繊維充填密度の制御もより細かく行うことができ、高い吸音特性を得ることが可能である。
本発明の吸音材の製造方法としては、特に限定されるものではないが、以下に湿式法による製造方法の一例を示す。
すなわち、前記極細繊維(主体繊維)とバインダー繊維、熱膨張性樹脂とをパルパー内で水に分散、撹拌、混合させ、ワイヤーパート(例えば、傾斜短網、円網、長網、或いはそれらのコンビネーション)により均一なウエブ(湿紙)を形成する。その後、熱処理(ヤンキードライヤー、多筒ドライヤー等のドラム接触型、エアスルードライヤー等の熱風サクション型)機により、熱処理を施すことにより、主体繊維をバインダー繊維によって固着させ、更に熱膨張性樹脂により厚みを膨張させ吸音材を得る。また、別の方法として、ローラーカードなどを用いてウエブを作製しフェルト化した後、熱膨潤性樹脂を付与する方法なども考えられるが、繊維の極細化による摩擦力の増大や静電気による影響によって、カード機やニードルパンチ部に極細繊維が多量に付着することとなり、原料ロスの増大、装置故障、製造するフェルト構造のバラツキが大きくなる等、製造工程に対して悪影響を与えるため、その作製には注意が必要である。
かくして得られた吸音材において、熱処理条件の調整により、繊維の充填密度が5〜50kg/m(より好ましくは7〜30kg/m、さらに好ましくは9〜20kg/m)であることが好ましい。また、厚さが5〜100mm(より好ましくは5〜15mm)の範囲内であることが好ましい。また、目付けが50〜200g/mの範囲内であることが好ましい。
なお、かかる吸音材には、撥水加工、防炎加工、難燃加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
本発明の吸音材は前記の構成を有するので、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる。
また、当該吸音材は単独で使用してもよいが、吸音材に支持体を積層して吸音製品としてもよい。その際、支持体としては、不織布、織編物、フイルム、紙、および発泡体層からなる群から選ばれる一以上であることが好ましい。また、例えば当該吸音材を低厚さ低目付けの繊維層とし、支持体として平均繊維径が大きい繊維を含む繊維構造体に積層して使用することも、比較的コストが高い細繊度の使用量を抑える観点で有用である。
なお、このとき、当該吸音材層の枚数も1枚ではなく2枚以上の複層の方が吸音効果が高くなる傾向にある。また、吸音材は、支持体と積層する場合、音源側に配置されることが好ましい。適度な繊維充填度を有しかつ比表面積が大きい吸音材層が音源側に配置されることにより、音が効率よく吸音材層に入射して、熱エネルギーに変換されることとなる。逆に吸音材層を音源側と反対に配置すると、平均繊維径が大きい繊維を含む支持体層に入射した音は、繊維間の空間が大きすぎるため進行方向がランダムとなり、吸音材層に音を効率よく入射させることが困難となり、結果的に吸音材層が表層に存在する場合よりも、吸音性能が低下するおそれがある。
ここで、吸音材単独として、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において測定した2000Hzにおける吸音率が0.4以上であることが好ましい。また、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において測定した4000Hzにおける吸音率が0.8以上であることが好ましい。
また、吸音材に支持体を積層した吸音製品として、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において測定した4000Hzにおける吸音率が0.8以上であることが好ましい。また、JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」において測定した4000Hzにおける吸音率が0.8以上であることが好ましい。
本発明の吸音材や吸音製品は、低周波数から高周波数にわたる広い領域で高い吸音性能を発揮するので、自動車、電子機器、建築物、住宅用などの様々な用途の吸音材として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の繊維系吸音材について具体的に説明する。実施例および比較例で、下記の評価を行った。
(1)単繊維径
電子顕微鏡(SEM)にて、繊維系吸音材中の合成繊維を撮影した画像において、任意の単繊維100本について繊維幅を測定し平均値を繊維径とした。
(2)目付け
450mm×450mm角に切り出したサンプルの重量を秤量し、単位面積(1m)当たりの重量に換算した。この換算値の小数点以下1桁目を四捨五入して整数値としたものを繊維シートの目付けとした。
(3)厚さ
JIS L 1913により厚さ(mm)を測定した。
(4)吸音率
JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」により測定した。
[実施例1]
極細繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる非捲縮短繊維(繊度0.1dtex、単繊維径3μm、繊維長5mm)を、また熱接着性繊維として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度1.1dtex、単繊維径10μm、繊維長5mm、捲縮ナシ、芯/鞘=50/50、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)を、更に熱膨張性樹脂として松本油脂製薬社製の「マイクロスフェアーF36D」を所定の割合(極細繊維/熱接着性繊維/熱膨張性樹脂=55/35/110)で混合攪拌し、TAPPI(熊谷理機工業製角型シートマシン、以下同じ)により100g/mを抄紙した後、ヤンキードライヤー乾燥機で120℃×所定の時間加熱処理を施し吸音材を得た。得られた物性を表1に示す。
この吸音材について、垂直入射吸音率測定法により測定した2000Hzにおける吸音率は0.47と優れた吸音性能を発揮するものであった。
[実施例2]
支持体としてポリエチレンテレフタレート(PET)からなる非捲縮短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm)80重量%と、熱接着性繊維として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm、芯/鞘=50/50、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)20重量%の組成の不織布を用意し、音源側に実施例1の吸音材を配置する様に貼り合わせ吸音製品を得た。得られた物性を表1に示す。
この吸音製品について、垂直入射吸音率測定法により測定した2000Hzにおける吸音率は0.92であり、かつ1000Hzにおける吸音率も0.78と低周波数域でも優れた吸音性能を発揮するものであった。
[実施例3]
実施例2で得られた吸音製品において、音源側と反対側に実施例1の吸音材を配置して、得られた物性を表1に示す。
この吸音製品について、垂直入射吸音率測定法により測定した1000Hzにおける吸音率は0.13、2000Hzにおける吸音率は0.21であり吸音性能は実施例2に比べては不十分なものであった。
[比較例1]
熱膨張性樹脂を加えなかったこと以外は実施例1に従い実施した。比較例1で得られた繊維系吸音材は、熱膨張性樹脂を加えなかったことから厚みが1.5mmであった。この吸音材について、垂直入射吸音率測定法により測定した2000Hzにおける吸音率は0.07であり、吸音性能が不十分なものであった。
[比較例2]
比較例1で得られた吸音材を用いて実施例2で使用した支持体と貼り合わせて吸音製品を得た。この吸音製品について、垂直入射吸音率測定法により測定した1000Hzにおける吸音率は0.27、2000Hzにおける吸音率は0.57であり吸音性能が不十分なものであった。
[比較例3]
熱膨潤性樹脂を加えずに実施例2同等の極細繊維使用量、かつ同等の目付け、厚さになる様に吸音材を得た。
この吸音材について、垂直入射吸音率測定法により測定した1000Hzにおける吸音率は0.35、2000Hzにおける吸音率は0.71であり吸音性能は比較的高いものの、極細繊維量が略同一である実施例2に比べ吸音率が低い値であった。
Figure 2021018265
本発明によれば、軽量であり、かつ低周波数域から高周波数域までの吸音特性に優れる吸音材および吸音製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:繊維構造体(吸音材)を構成する繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:繊維構造体を構成する繊維の配列方向
4:繊維構造体

Claims (9)

  1. 単繊維径20.0μm以下の極細繊維と、熱膨張性樹脂とを含むことを特徴とする吸音材。
  2. 前記熱膨張性樹脂がマイクロカプセル型熱膨張性樹脂である、請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記熱膨張性樹脂が吸音材重量対比1〜20重量%含まれる、請求項1または請求項2に記載の吸音材。
  4. 厚さが5〜100mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  5. 目付けが200g/m以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材。
  6. 密度が5〜50kg/mの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の吸音材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材に支持体を積層してなる吸音製品。
  8. 前記支持体が、不織布、織編物、フイルム、紙、および発泡体層からなる群から選ばれる一以上である、請求項7に記載の吸音製品。
  9. 前記吸音材が音源側に配され、前記支持体が音源とは反対側に配される、請求項7または請求項8に記載の吸音製品。
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